【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、例えばうっ血性心不全(CHF)を有する患者などの一部の患者集団におい
て、OSAおよびCSAの基本的機構を分離することが不可能ではないとしても困難であ
ることを発見した。純粋の中枢CSRパターンは、いくぶん稀である。CHF患者におけ
る周期性変動呼吸のありふれた提示は、過呼吸と、減呼吸と、中枢、閉塞性および混合の
無呼吸とを含み得る交互の呼吸イベントから成り得る。有意のオーバーラップが存在し、
ほとんどの患者は、様々な程度の中枢イベントおよび閉塞性イベントの両方を経験する。
実際に、振動呼吸中枢動因が上部気道の閉鎖または抵抗増加を引き起こし得ると考えられ
る。
【0008】
広範囲の一連の実験の後に、発明者は、周期性変動呼吸の多くのケースの効果的な治療
が呼吸の中枢神経動因ならびに気道排出に対処することが必要であることを理解した。呼
吸ポンプ筋と気道筋との関係のために、発明者は、呼吸の両方の局面に影響を及ぼす脳の
内在性呼吸活動を調節することを所望した。脳の呼吸制御中枢は、脳の延髄に位置を定め
られ、現代の神経調節技術にとって直接にアクセス可能ではない。従って本発明者は、呼
吸制御中枢の行動を管理する、脳への神経入力を調査することを余儀なくされた。
【0009】
脳の呼吸制御中枢は、動脈脈管系(大動脈弓、頚動脈小体および脳自体における血管に
おける)における化学受容器および呼吸ポンプ筋などの機械受容器、肺における肺伸張受
容器、ならびに内肋間伸張受容器から入力を受け取る。患者にいくらかの二酸化炭素を呼
吸させることによって化学受容器から脳の中への入力を変えることが周期性変動呼吸を制
御し得ることは公知である。
【0010】
横隔神経は、横隔膜の運動を制御し、横隔膜の運動は、次いで、例えば胸腔内の様々な
刺激された組織を伸張させることによって脳への一連の神経入力の活動化を引き起こし得
る。へーリング−ブロイエル反射は、肺伸張受容器から脳への強力な神経フィードバック
である。肺が膨張させられ伸張させられた場合、脳の呼吸中枢は呼吸動因を一次停止する
。眠っているヒトにおける外的刺激に対する呼吸のエントレイメントがヘーリング−ブロ
イエル反射ならびに他の神経入力を伴うことが考えられる。
【0011】
本技術発明者は、調査のために横隔膜神経刺激を選んだ。「電気横隔膜換気」または「
横隔膜ペーシング」として公知の横隔膜神経刺激の一形態は、内在性呼吸に取って代わる
ために長年用いられてきた。呼吸ペーシングの生理学は、直接的である。横隔膜神経は、
刺激されて、患者をわずかに換気亢進させることによって呼吸を引き継ぐ。血液二酸化炭
素濃度の結果としての減少は脳の呼吸制御中枢によって感知され、中枢(呼吸中枢動因)
からの実質的にすべての神経出力は停止する。従ってペーシングされた患者は、ペーシン
グされている間、呼吸障害を経験しない場合があるが、換気およびガス交換に関して横隔
膜「ペーシング」に一時的に依存するようになる。
【0012】
そのような横隔膜ペーシングは、1960年代から子供の対麻痺および先天的中枢性低
酸素換気症候群を治療するために用いられ、自然の呼吸動因を人工の呼吸動因に取り替え
ることによってうまく死亡を防いだ。呼吸を引き継ぐことによって、そのようなペーシン
グは、内在性呼吸中枢動因を抑制する。呼吸動因の振動を除去しながら、スペーシングは
また、気道を開放のままにする動因も除去し得る。先天的中枢性低酸素換気症候群を有す
る患者において、この制限は、気管開口術(気管における切開を通って直接の気道を開く
、首に対する外科手術処置)によって克服され得る。気管開口術は、周期性変動呼吸を有
する患者において容認できない。
【0013】
対照的に、本発明に従う実施形態は、一部の実施形態において患者の内在性速度よりわ
ずかに遅い一定の速度で1つの横隔膜神経のみに刺激を加える。これらの実施形態は、結
果として内在性動因の抑制よりはむしろ患者の呼吸中枢活動のエントレイメントをもたら
し得る。眠っている個人における周期性変動呼吸中に加えられ、刺激パラメータの特定の
範囲内で送達された場合、横隔膜神経刺激のこの形態は、しばしば結果として正常な呼吸
リズムの回復をもたらし、保持可能であり、自然の睡眠中うまく許容される。
【0014】
本発明に従う一部の実施形態において、刺激は、結果として、刺激された神経によって
刺激された1つの半横隔膜のリズミカルな収縮および結果としてのリズミカルな肺の膨張
をもたらす。患者の内在性呼吸リズムは、刺激によって調節され、より規則正しい周期性
となり、より少ない周期性を示す。呼吸の改善は、呼吸自体の制御によるよりはむしろ、
機構のなかでも特に、肺膨張および脳呼吸中枢におけるニューロンのエントレインメント
の機構によって達成されると考えられる。自発呼吸および呼吸中枢動因が、好ましくは保
たれ、従って結果として気道筋緊張および自然の血液ガス調節が維持される利益をもたら
す。
【0015】
本発明に従う別の実施形態は、横隔膜刺激および刺激のエントレインメントをモニタリ
ングし制御することに関する。この実施形態は、刺激が呼吸を調整する場合、駆動周波数
の近い範囲における呼吸信号のスペクトルパワーが他の周波数帯域におけるよりも有意に
高いという仮定に基づく。一実施形態において、刺激周波数を中心とする狭帯に入る呼吸
信号の全分散と、より広い呼吸周波数における全分散との比率が計算され得る。この比率
の値が、刺激による呼吸のエントレインメントに比例して増加し、従って実際の呼吸に対
する刺激の影響に基づいて、導かれ較正された療法を可能にすることが予期され得る。そ
のような比率に対して2つの例示的計算方法が本明細書に開示される。すなわち、スペク
トル方法およびヒストグラム方法である。これらの方法が周波数分析によるエントレイン
メントまたは神経もしくは筋肉の捕捉効力を決定する唯一の方法ではなく、本開示を読み
次第、他の方法が当業者に浮かぶことは理解されるべきである。
【0016】
発明者は、片側の横隔膜刺激中、時折の呼吸リズムの正規化および中枢および閉塞性の
無呼吸の両方の分解能を観察した。発明者は、睡眠中振動呼吸を頻繁に示す患者の呼吸の
内在性周期性を横隔膜刺激が防ぎ矯正することがわかった。発明者は、以前は非常に不規
則であった患者の呼吸が横隔膜刺激のリズムに徐々に同調されるようになり、刺激の速度
が変化させられた場合、それに従うことを観察した。発明者はまた、脳の呼吸制御中枢に
おける外的刺激と神経吸気活動との固定し反復する連結も観察した。発明者は、以下の観
察を行うことによって、患者の呼吸が調整され実際に自発的であることを確認した。
【0017】
(1)刺激が突然停止させられた場合、患者は呼吸を停止しなかった。一部のケースに
おいて、患者は、刺激前のパターンに戻る前に、数分間、もはや存在しないキューに従っ
て「あたかもなおも刺激されているかのように」呼吸し続けた。
【0018】
(2)1つのみの横隔膜神経が刺激されるので、第2の肺は、刺激の直接の影響がなく
、自由に膨張し収縮した。発明者は、別個の経胸腔的インピーダンス測定によって、刺激
されない肺の独立した運動を確認した。
【0019】
(3)頻繁に患者は、刺激に合わせてエントレインされた呼吸の間に自発小呼吸を挿入
するかまたは織り交ぜることが観察され、従って呼吸中枢動因が活動状態のままであるこ
とが確認された。これらの織り交ぜられた呼吸は、調節のパターンを妨げなかった。
【0020】
血液ガスの安定化ならびに横隔膜刺激によるエントレインメントによって換気亢進に関
連付けられる間欠性の低酸素および覚醒の除去または減少が気道の緊張を改善することが
考えられる。低酸素は、低酸素にしばしば続く神経覚醒の場合のように、換気亢進にする
非常に強い刺激である。間欠性低酸素に続く換気亢進の激しさは、血液CO2のその後の
減少を決定し、この減少は、結果として呼吸ポンプ筋および気道筋の両方に対する神経刺
激の取り消しをもたらす。逆もまた真である。低酸素およびその後の低酸素悪化の換気亢
進の減少は、一時的過呼吸の終了後、呼吸動因の保持および気道の神経筋緊張を維持する
ことを助ける。
【0021】
CSAが上部気道安定性を減少させOSAを誘引すると考えられる別の態様は、減呼吸
の期間を増進することによる。減呼吸中、呼吸ポンプ筋(例えば、横隔膜)および上部気
道拡張筋(例えば、頤舌筋)の両方の活動は、減少させられる。従って、虚脱する傾向の
ある上部気道を有する個人における呼吸中枢動因の漸増−漸減パターンは、結果として、
上部気道低血圧(低筋肉緊張)のために減呼吸の期間中、閉塞性無呼吸/減呼吸をもたら
し得る。反対もまた真であると仮定することは妥当である。CSA患者における減呼吸を
減少させることは、気道筋緊張を増加させることによって気道を安定させることを助ける
。
【0022】
本開示の文脈において、減呼吸は、一時的な浅い呼吸または異常に遅い呼吸速度の原因
で少なくとも10秒間続く(睡眠中の)息の流れの一時的減少を広く指す。医学文献にお
いて、浅すぎる呼吸(減呼吸)または遅すぎる呼吸(緩徐呼吸)は、時折区別される。減
呼吸は、(息の流れのより完全な欠如である)無呼吸より重篤さは少ないが、同様に結果
として肺の中への空気の動きの量の減少をもたらし得、血液内の酸素レベルを降下させ得
る(低酸素)。
【0023】
減呼吸の狭いまたは定量的な定義についての確固たる科学的コンセンサスはなく、多く
の定義が科学的文献においてしばしば用いられ、適用され得ることが理解される。
例えば、本開示の論拠として役立ったそれらの研究において、発明者は、減呼吸の定量
的「技術的な」定義として、検出可能(4%)酸素脱飽和を伴って10〜60秒の継続時
間で、>30%の呼吸(息の流れ)の一時的減少を用いた。この定量的定義の狭い範囲内
において、減呼吸および一時的換気過少は、すべての実際的目的の均等物に関してである
。
【0024】
広く定義すると、換気過少は、減少した量の空気が肺内の肺胞に入り、結果として血液
内における酸素の減少したレベルおよび/または二酸化炭素の増加したレベルをもたらす
という状態である。低酸素はまた、体の必要を満たすのに適切ではない呼吸として、広く
たぶんより良く定義され得る。換気過少は、減呼吸または低下した肺機能によるものであ
り得る。換気過少は、(減呼吸の結果として)一時的であり得るか、または先天的疾患、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)もしくは肥満などの様々な病変により保持され得る。
【0025】
周期性肺膨張は、交感神経−副交感神経のバランス、心臓リズム、および血圧調節の維
持において重要な役割を果たす。早くも1940年代に、これらの生理的相互作用の多く
が、肺拡張の信号を自律神経系に送る神経フィードバックにまで調べられた。体のホメオ
スタシスにおける自律神経系の役割は、睡眠中特に重要である。これらの利益あるフィー
ドバックは、肺膨張に従って段階別にされる。
【0026】
肺における伸張受容器から心臓血管活動を制御する複数の脳中枢への神経フィードバッ
クの重要性は、いわゆる呼吸性洞性不整脈によって最も良く証明され得る。呼吸性洞性不
整脈(RSA)は、呼吸と同時発生する心拍数変化であり、それによってECG上のR−
R間隔は、吸気中に短くされ、呼気中に長くされる。RSAは、心臓迷走神経機能の指標
として用いられてきたが、脊椎間に普遍的に観察される呼吸−血液循環の相互作用を反映
する生理的現象でもある。研究は、肺ガス交換の効率がRSAによって改善されることを
示し、RSAが能動的な生理的役割を果たし得ることを示唆する。各呼吸サイクル内にお
ける肺胞換気とRSAに伴う肺胞換気の潅流との適合したタイミングは、呼気中の不要な
心拍および潅流の減退中の効果のない換気を抑制することによってエネルギー消費を減少
させ得る。呼吸と同時発生するRSAまたは心拍数の可変性は、生物学的現象であり、効
率的な換気/潅流の適合によって肺のレベルにおけるガス交換に対する明確な影響を有し
得る。
【0027】
発明者は、CHFを有する患者が本発明の実施形態に従って治療された場合、RSAの
増加を観察した。血管の拡張および悪性の不整脈の減少などの他の利益が後に続くことを
期待することは妥当である。
【0028】
本発明の実施形態に従う横隔膜(phrenic)刺激または横隔膜(diaphra
gm)刺激は、減呼吸の影響に立ち向かうために呼吸量または肺容量を拡張し得る。刺激
はまた、結果として、CSAに見出される漸増および漸減のパターンとは反対に、保持さ
れた肺拡張をもたらすことが期待される。さらなる気道緊張の利益は、これらの改善から
期待され得る。重大なCSAを有する患者において、上部気道の虚脱および結果として生
ずるOSAは、副交感神経活動の減少および中枢性無呼吸/減呼吸エピソード中の肺膨張
の減衰によって引き起こされる、気道に対する神経刺激および機械的刺激の取り消しに対
して副次的であり得る。
【0029】
臨床的利益は、刺激による内在性呼吸リズムのエントレインメントから引き出され得る
。肺容積の増加、安定した血液ガス組成および換気過少の減少はすべて、中枢呼吸不安定
性の第1の矯正の他に、気道動態の改善を示唆する。
【0030】
上部気道拡張筋は、気道開存性を維持する際に重要な役割を果たす。咽頭拡張筋の多く
は、公知であり、吸気位相活動を証明し、吸気位相活動の開始は横隔膜活動より先に起こ
る。すなわち、気道筋は、呼吸ポンプ筋の直前に呼吸と同位相で収縮し、従って吸気中負
圧の発達のために咽頭気道を「準備」する。
【0031】
最も良く研究された咽頭筋は、頤舌筋である。頤舌筋は、延髄に位置を定められる脳呼
吸制御中枢から(またはより正確には、脳幹呼吸中枢パターン発生器から)入力を受け取
る。舌下神経は、頤舌筋を作動させ、舌下神経は、元気な患者における横隔膜神経の50
〜100ms前に発射したことが検出された。
【0032】
化学受容入力はまた、舌下運動神経出力に影響を及ぼす際に重要であり得る。低血液C
O2(低炭酸)は作動を減少させ、高CO2(高炭酸)は作動を増加させる。従って、任
意の周期性変動呼吸治療において低炭酸および低炭酸に伴う気道筋作動の減少を避けるこ
とが有用であり得る。
【0033】
本発明に従う実施形態は、眠っている患者における周期性変動呼吸を治療するのに有用
であるが、それらの実施形態は、虚血性心疾患、心臓病、心不全、高血圧、COPD、お
よび呼吸改善効果が有利である他の健康状態を有する休息している人の呼吸を規則正しく
するためにも用いられ得る。
【0034】
本発明に従う一実施形態において、測定される周波数帯は、筋肉の内在性収縮に関連付
けられる測定される生理的信号に基づいて規定される。刺激周波数帯は、内在性周波数と
は異なる周波数で筋肉または筋肉と関連付けられた神経を刺激するように構成される電気
パルス発生器の刺激周波数に基づいて規定される。筋肉または筋肉と関連付けられた神経
が刺激され、刺激の衝撃は、測定された周波数帯内に入る信号の配列の測定されたパワー
を刺激周波数帯内に入る信号の配列の測定されたパワーと比較することによって決定され
る。この実施形態の変形形態において、生理的信号は、呼吸を表す信号である。別の実施
形態において、筋肉は横隔膜筋である。さらに別の実施形態において、測定された周波数
帯は、患者の呼吸周波数に近似の周波数の範囲を含む。
【0035】
本発明に従う別の実施形態において、神経または筋肉の電気刺激のためのシステムは、第
2の周波数でエネルギーを送達して、筋肉を刺激する電気パルス発生器を含み、第
2の周波数は、筋肉が内在的に収縮する第
1の周波数とは異なる。この実施形態のシステムはまた、刺激された筋肉の収縮を示す生理的活動を感知するセンサと、ある時間の期間にわたりセンサによって生成されたデータの配列を格納する電子的メモリとを有する。周波数分析器は、データの配列を分析して、感知された生理的活動に対する周波数帯全体のパワー分布を決定し、システムの回路は、
第2の周波数付近の帯におけるパワーを感知された生理的活動に対する周波数帯全体の総パワーと比較する能力がある。
【0036】
本発明に従う別の実施形態において、神経または筋肉の電気刺激のためのシステムは、第
2の周波数でエネルギーを送達して筋肉を刺激する電気パルス発生器を含み、第
2の周波数は、筋肉が内在的に収縮する第
1の周波数とは異なる。この実施形態のシステムはまた、刺激された筋肉の収縮を示す生理的活動を感知するセンサと、ある時間の期間にわたりセンサによって生成されたデータの配列を格納する電子的メモリとを有する。周波数分析器は、データの配列を分析して、感知された生理的活動に対する周波数帯全体のパワー分布を決定し、システムの回路は、
第2の周波数に付近の帯におけるパワーを感知された生理的活動に対する周波数帯全体の総パワーと比較する能力がある。この実施形態において、回路は、
第2の周波数付近の近似の帯におけるパワーと総パワーとの比率が閾値未満である場合、パルス発生器によって送達されるエネルギーを増加させる能力がある。
【0037】
本発明に従う別の実施形態において、呼吸障害を治療するシステムは、所定の信号周波
数で電気刺激信号を患者の横隔膜神経または横隔膜に提供する能力のある電気パルス発生
器を含む。この実施形態は、患者の呼吸を表す信号を感知する能力のある呼吸センサと、
刺激周波数帯にわたり感知された呼吸信号の周波数分布のパワー密度を呼吸周波数帯にわ
たり感知された呼吸信号のパワー密度と比較する周波数コンパレータとを有する。システ
ムは、パワー調整回路を含み、パワー調整回路は、パワー密度の比較に基づく電気パルス
発生によって提供される電気刺激信号のパワーを調整する。様々な実施形態において、パ
ワー調整回路は、刺激電流、刺激電圧、パルス列におけるパルスの周波数、パルス列にお
けるパルスのパルス継続時間、または他のパラメータを調整し得る。
【0038】
本発明に従うさらに別の実施形態において、横隔膜神経または横隔膜は、内在性呼吸速
度未満の周波数で刺激される。刺激は、内在性動因が完全に呼吸している状態で、呼吸を
調節するのに十分な強度で送達される。いくつかの実施形態において、呼吸動因は、2:
1エントレインメントとして表され、他の実施形態において刺激されない肺の自発呼吸と
して表され、他の実施形態において調節された呼吸間において組み合された小呼吸として
表され、そして他の実施形態において気道筋の周期性活動として表される。
【0039】
本発明に従う別の実施形態において、呼吸障害は、患者の呼吸を表す信号を検出し、呼
吸と一致する周波数の範囲にわたり呼吸を表す信号の周波数分析を行うことによって、治
療される。この実施形態は、内在性呼吸速度または内在性呼吸周波数を決定するステップ
と、内在性呼吸周波数とは異なる周波数で患者の1つの半横隔膜を刺激するステップとを
含む。この実施形態において、刺激中の呼吸信号の周波数分析が行われる。捕捉指数は、
呼吸と一致する周波数の範囲のパワーに刺激周波数付近の周波数範囲におけるパワー分布
を分割することによって決定され、捕捉指数を決定する。刺激パラメータは、計算された
捕捉指数に基づいて修正される。いくつかの実施形態において呼吸を表す信号は、経胸腔
インピーダンスであり得る。いくつかの実施形態において刺激周波数は、内在性呼吸周波
数より低い。
【0040】
本発明に従う別の実施形態において、呼吸障害は、患者の呼吸を表す信号を検出し、呼
吸と一致する周波数の範囲にわたり呼吸を表す信号の周波数分析を行うことによって、治
療される。この実施形態は、内在性呼吸速度または内在性呼吸周波数を決定するステップ
と、内在性呼吸周波数とは異なる周波数で患者の1つの半横隔膜を刺激するステップとを
含む。この実施形態において、刺激中の呼吸信号の周波数分析が行われる。捕捉指数は、
呼吸と一致する周波数の範囲のパワーを刺激周波数付近の周波数範囲におけるパワー分布
を分割することによって決定され、捕捉指数を決定する。刺激パラメータは、計算された
捕捉指数に基づいて修正される。いくつかの実施形態において刺激パワーは、捕捉指数が
特定の閾値未満の場合、増加させられる。いくつかの実施形態において刺激パワーは、捕
捉指数が特定の閾値を超える場合、減少させられる。