(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972324
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20160804BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20160804BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20160804BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20160804BHJP
H01L 21/8247 20060101ALI20160804BHJP
H01L 27/115 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L29/78 371
H01L27/10 434
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-164897(P2014-164897)
(22)【出願日】2014年8月13日
(65)【公開番号】特開2016-34009(P2016-34009A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2014年8月13日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0097244
(32)【優先日】2014年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504388695
【氏名又は名称】ピーエスケー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シン ピョンソー
【審査官】
鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−177652(JP,A)
【文献】
特開2010−187001(JP,A)
【文献】
特開平07−153739(JP,A)
【文献】
特開昭61−088554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/336
H01L 21/8247
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシリコンの上部に層間絶縁層と犠牲層とが交互に積層され、前記層間絶縁層と前記犠牲層とにホールが形成された基板を提供する段階と、
前記基板にプラズマ状態に励起された第1工程ガスを供給して、前記ホールの側面及び底面と前記基板の上面とに保護層を形成する段階と、
前記基板にプラズマ状態に励起された第2工程ガスを供給して、前記ホールの側面に形成された前記保護層を除去する段階と、
前記基板にプラズマ状態に励起された第3工程ガスを供給して、前記ホールの側面に露出された前記犠牲層を除去する段階と、
前記基板にプラズマ状態に励起された第4工程ガスを供給して、前記基板の上面及び前記ホールの底面で前記保護層を除去する段階と、を含む基板処理方法。
【請求項2】
前記層間絶縁層は、酸化物であり、前記犠牲層は、窒化物である請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第1工程ガスとしては、酸素ガスが提供され、前記保護層は、二酸化珪素層である請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記第2工程ガスとしては、水素ガスが提供され、前記保護層は、前記第2工程ガスと反応してシランに分解される請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第3工程ガスは、三フッ化窒素ガス及び酸素ガスを含む請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記第3工程ガスは、窒素ガスをさらに含む請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記第4工程ガスは、水素ガスである請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記第4工程ガスは、窒素ガス、水素ガス及び三フッ化窒素ガスが混合された状態である請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記第4工程ガスを供給して前記保護層と反応させた後、前記基板を設定温度に加熱する段階をさらに含む請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記基板は、積層メモリ装置の製造に提供される請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項11】
チャンバーと、
前記チャンバーの内部に位置されてなり、ポリシリコンの上部に層間絶縁層と犠牲層とが交互に積層され前記層間絶縁層と前記犠牲層とにホールが形成された基板を支持するサセプタと、
前記チャンバーの上部に、前記ホールの側面及び底面と前記基板の上面とに保護層を形成するための第1工程ガス、前記ホールの側面に形成された前記保護層を除去するための第2工程ガス、前記ホールの側面に露出された前記犠牲層を除去するための第3工程ガス及び前記基板の上面及び前記ホールの底面で前記保護層を除去するための第4工程ガスを順次的に供給する工程ガス供給部と、
前記第1工程ガス乃至第4工程ガスをプラズマ状態に励起するプラズマ励起部と、を含む基板処理装置。
【請求項12】
前記第1工程ガスとしては、酸素ガスが提供される請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第2工程ガスとしては、水素ガスが提供される請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第3工程ガスは、三フッ化窒素ガス及び酸素ガスを含む請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第3工程ガスは、窒素ガスをさらに含む請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第4工程ガスは、水素ガスである請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第4工程ガスは、窒素ガス、水素ガス及び三フッ化窒素ガスが混合された状態である請求項11に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品はその体積が段々小さくなりながらも高容量のデータ処理が要求されている。これによって、このような電子製品に使用される半導体メモリ装置の集積度を向上させる必要がある。半導体メモリ装置の集積度を向上するための方法の中で1つとして、既存の平面トランジスタ構造の代わりに垂直トランジスタ構造を有するメモリ装置が提案されている。
【0003】
このような積層メモリはポリシリコンに層間絶縁層と犠牲層とが交互に積層される工程、層間絶縁層と犠牲層とにホールを形成する工程、ホールを通じて犠牲層を除去する工程を含む。この中で、犠牲層を除去する工程は湿式蝕刻の方法に遂行されることによって効率が低く、高い費用が所要される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0286275号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はプラズマを利用して基板を処理する基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明は積層メモリ装置の製造に提供される基板で犠牲層を乾式工程で除去することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、ポリシリコンの上部に層間絶縁層と犠牲層とが交互に積層され、前記層間絶縁層と前記犠牲層とにホールが形成された基板を提供する段階と、前記基板にプラズマ状態に励起された第1工程ガスを供給して、前記ホールの側面及び底面と前記基板の上面とに保護層を形成する段階と、前記基板にプラズマ状態に励起された第2工程ガスを供給して、前記ホールの側面に形成された前記保護層を除去する段階と、前記基板にプラズマ状態に励起された第3工程ガスを供給して、前記ホールの側面に露出された前記犠牲層を除去する段階と、前記基板にプラズマ状態に励起された第4工程ガスを供給して、前記基板の上面及び前記ホールの底面で前記保護層を除去する段階と、を含む基板処理方法が提供される。
【0008】
また、前記層間絶縁層は、酸化物であり、前記犠牲層は、窒化物である。
【0009】
また、前記第1工程ガスとしては、酸素ガスが提供され、前記保護層は、二酸化珪素層である。
【0010】
また、前記第2工程ガスとしては、水素ガスが提供され、前記保護層は、前記第2工程ガスと反応してシランに分解される。
【0011】
また、前記第3工程ガスは、三フッ化窒素ガス及び酸素ガスを含む。
【0012】
また、前記第3工程ガスは、窒素ガスをさらに含む。
【0013】
また、前記第4工程ガスは、水素ガスである。
【0014】
また、前記第4工程ガスは、窒素ガス、水素ガス及び三フッ化窒素ガスが混合された状態である。
【0015】
また、前記第4工程ガスを供給して前記保護層と反応させた後、前記基板を設定温度に加熱する段階をさらに含む。
【0016】
また、前記基板は、積層メモリ装置の製造に提供される。
【0017】
本発明の他の側面によれば、チャンバーと、前記チャンバーの内部に位置されるサセプタと、前記チャンバーの上部に第1工程ガス、第2工程ガス、第3工程ガス及び第4工程ガスを順次的に供給する工程ガス供給部と、前記第1工程ガス乃至第4工程ガスをプラズマ状態に励起するプラズマ励起部と、を含む基板処理装置が提供される。
前記サセプタは、ポリシリコンの上部に層間絶縁層と犠牲層とが交互に積層され前記層間絶縁層と前記犠牲層とにホールが形成された基板を支持する。前記第1工程ガスは、前記ホールの側面及び底面と前記基板の上面とに保護層を形成するためのガスである。前記第2工程ガスは、前記ホールの側面に形成された前記保護層を除去するためのガスである。前記第3工程ガスは、前記ホールの側面に露出された前記犠牲層を除去するためのガスである。前記第4工程ガスは、前記基板の上面及び前記ホールの底面で前記保護層を除去するためのガスである。
【0018】
また、前記第1工程ガスとしては、酸素ガスが提供される。
【0019】
また、前記第2工程ガスとしては、水素ガスが提供される。
【0020】
また、前記第3工程ガスは、三フッ化窒素ガス及び酸素ガスを含む。
【0021】
また、前記第3工程ガスは、窒素ガスをさらに含む。
【0022】
また、前記第4工程ガスは、水素ガスである。
【0023】
また、前記第4工程ガスは窒素ガス、水素ガス及び三フッ化窒素ガスが混合された状態である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態によれば、プラズマを利用して基板を効率的に処理する基板処理装置及び基板処理方法を提供することができる。
【0025】
また、本発明の一実施形態によれば、積層メモリ装置の製造に提供される基板で犠牲層を乾式工程で除去できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す平面図である。
【
図2】
図1の工程モジュールに提供されるプラズマモジュールを示す図面である。
【
図3】工程モジュールで処理される基板を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による基板処理装置によって基板で犠牲層が除去される過程を示した図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による基板処理装置によって基板で犠牲層が除去される過程を示した図面である。
【
図6】本発明の一実施形態による基板処理装置によって基板で犠牲層が除去される過程を示した図面である。
【
図7】本発明の一実施形態による基板処理装置によって基板で犠牲層が除去される過程を示した図面である。
【
図8】本発明の他の実施形態による保護層が除去される過程を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を添付された図面を参照してさらに詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されることとして解釈されてはならない。本実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されることである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている。
【0028】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す平面図である。
【0029】
図1を参照すれば、基板処理装置1は設備前方端部モジュール(equipment front end module、EFEM)20及び工程処理部30を有する。設備前方端部モジュール20と工程処理部30とは一方向に配置される。以下、設備前方端部モジュール20と工程処理部30とが配列された方向を第1方向Xとし、上部から見る時、第1方向Xと垂直である方向を第2方向Yとする。
【0030】
設備前方端部モジュール20はロードポート(load port)10及び移送フレーム21を有する。ロードポート10は第1方向11に設備前方端部モジュール20の前方に配置される。ロードポート10は複数の支持部6を有する。各々の支持部6は第2方向Yに一列に配置され、工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納されたキャリヤー4(例えば、カセット、FOUP等)が位置される。キャリヤー4には工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納される。移送フレーム21はロードポート10と工程処理室30との間に配置される。移送フレーム21はその内部に配置されロードポート10と工程処理部30との間に基板Wを移送する第1移送ロボット25を含む。第1移送ロボット25は第2方向Yに具備された移送レール27に沿って移動してキャリヤー4と工程処理室30との間に基板Wを移送する。
【0031】
工程処理室30はロードロックチャンバー40と、トランスファーチャンバー50と、工程モジュール60と、を含む。
【0032】
ロードロックチャンバー40は移送フレーム21に隣接するように配置される。一例として、ロードロックチャンバー40はトランスファーチャンバー50と設備前方端部モジュール20との間に配置されている。ロードロックチャンバー40は工程に提供される基板Wが工程モジュール60に移送される前、又は工程処理が完了された基板Wが設備前方端部モジュール20に移送される前に待機する空間を提供する。
【0033】
トランスファーチャンバー50はロードロックチャンバー40に隣接するように配置される。トランスファーチャンバー50は上部から見る時、多角形の本体を有する。
図1を参照すれば、トランスファーチャンバー50は上部から見る時、五角形の本体を有する。本体の外側にはロードロックチャンバー40と複数個の工程モジュール60とが本体の周辺に沿って配置される。本体の各側壁には基板Wが出入する通路(図示せず)が形成され、通路はトランスファーチャンバー50とロードロックチャンバー40又は工程モジュール60とを連結する。各通路には通路を開閉して内部を密閉させるドア(図示せず)が提供される。トランスファーチャンバー50の内部空間にはロードロックチャンバー40と工程モジュール60との間に基板Wを移送する第2移送ロボット53が配置される。第2移送ロボット53はロードロックチャンバー40で待機する未処理された基板Wを工程モジュール60に移送するか、或いは工程処理が完了された基板Wをロードロックチャンバー40に移送する。そして、複数個の工程モジュール60に基板Wを順次的に提供するために工程モジュール60との間に基板Wを移送する。
図1のように、トランスファーチャンバー50が五角形の本体を有する時、設備前方端部モジュール20に隣接する側壁にはロードロックチャンバー40が各々配置され、残る側壁には工程モジュール60が連続して配置される。トランスファーチャンバー50は上述の形状のみならず、要求される工程モジュールにしたがって多様な形態に提供されてもよい。
【0034】
工程モジュール60はトランスファーチャンバー50の周辺に沿って配置される。工程モジュール60は複数に提供されてもよい。各々の工程モジュール60内では基板Wに対する工程処理が進行される。工程モジュール60は第2移送ロボット53から基板Wが移送されて工程処理を行い、工程処理が完了された基板Wを第2移送ロボット53に提供する。各々の工程モジュール60で進行される工程処理は互いに異なってもよい。工程モジュール60が遂行する工程は基板Wを利用して半導体素子又はディスプレーパネルを生産する過程の中で一つの工程である。工程モジュール60の中で1つ以上をプラズマを利用して基板Wを処理する工程モジュール(
図2の200a)を含む。
【0035】
図2は
図1の工程モジュールに提供されるプラズマモジュールを示す図面である。
【0036】
図3を参照すれば、プラズマモジュール200aはチャンバー2100と、サセプタ2200と、シャワーヘッド2300と、プラズマ励起部2400とを含む。
【0037】
チャンバー2100は工程処理が遂行される空間を提供する。チャンバー2100はボディー2110と密閉カバー2120とを有する。ボディー2110は上面が開放され、内部に空間が形成される。ボディー2110の側壁には基板Wが出入する開口(図示せず)が形成され、開口はスリットドア(slit door)(図示せず)のような開閉部材によって開閉される。開閉部材はチャンバー2100内で基板W処理が遂行される間に開口を閉鎖し、基板Wがチャンバー2100の内部に搬入される時とチャンバー2100の外部へ搬出される時に開口を開放する。開口が開放された状態でロボット(図示せず)のハンド部がチャンバー2100の内部に出入する。
【0038】
ボディー2110の下部壁には排気ホール2111が形成される。排気ホール2111は排気ライン2112と連結される。排気ライン2112を通じてチャンバー2100の内部圧力が調節され、工程で発生された反応部産物がチャンバー2100の外部へ排出される。
【0039】
密閉カバー2120はボディー2110の上部壁と結合し、ボディー2110の開放された上面を覆ってボディー2110の内部を密閉させる。密閉カバー2120の上端はプラズマ励起部2400と連結される。密閉カバー2120には拡散空間2121が形成される。拡散空間2121はシャワーヘッド2300に近くなるほど、幅がだんだん広くなる。例えば、拡散空間2121は逆漏斗形状を有している。
【0040】
サセプタ2200はチャンバー2100の内部に位置される。サセプタの上面には上部に基板Wが置かれる。サセプタ2200の内部には冷却流体が循環する冷却流路(図示せず)が形成される。冷却流体は冷却流路にしたがって循環し、基板Wを冷却する。サセプタ2200にはプラズマによる基板W処理程度を調節するためにバイアス電源2210から電力が印加される。バイアス電源2210が印加する電力はラジオ周波数(radio frequency、RF)電源でもよい。サセプタ2200はバイアス電源2210が供給する電力によってシース(sheath)を形成し、その領域で高密度のプラズマを形成して工程能力を向上させることができる。
【0041】
サセプタ2200の内部には加熱部材2220が提供される。一例によれば、加熱部材2220は熱線に提供されてもよい。加熱部材2220は基板Wを既設定された温度に加熱する。
【0042】
シャワーヘッド2300はボディー2110の上部壁に結合される。シャワーヘッド2300は円板状に、サセプタ2200の上面と並べに配置されてもよい。シャワーヘッド2300は表面が酸化処理されたアルミニウム材質で提供されてもよい。シャワーヘッド2300には分配ホール2310が形成される。分配ホール2310は均一なラジカル供給のために同心の円周に一定の間隔に形成される。拡散空間2121から拡散されたプラズマは分配ホール2310へ流れ込まれる。この時、電子又はイオン等のような荷電粒子はシャワーヘッド2300に閉じ込まれ、酸素ラジカル等のように電荷を帯びていない中性粒子は分配ホール2310を通過して基板Wに供給される。また、シャワーヘッドは接地されて電子又はイオンが移動される通路を形成することができる。
【0043】
プラズマ励起部2400はプラズマを生成して、チャンバー2100に供給する。プラズマ励起部2400はチャンバー2100の上部に提供される。プラズマ励起部2400は発振器2410、導波管2420、誘電体管2430及び工程ガス供給部2440を含む。
【0044】
発振器2410は電磁気波を発生させる。導波管2420は発振器2410と誘電体管2430とを連結し、発振器2410で発生された電磁気波が誘電体管2430の内部に伝達される通路を提供する。工程ガス供給部2440はチャンバー2100の上部に工程ガスを供給する。工程ガスは工程進行の過程にしたがって第1工程ガス乃至第4工程ガスが供給されることができる。工程ガスは酸素及び窒素を含む。また、工程ガスはフッ素系のガスを含む。誘電体管2430の内部に供給された工程ガスは電磁気波によってプラズマ状態に励起される。プラズマは誘電体管2430を経て拡散空間2121に流れ込まれる。
【0045】
上述したプラズマ励起部は電磁気波を利用する場合を例を挙げて説明したが、その他の実施形態に、プラズマ励起部は誘導結合プラズマ励起部、容量結合プラズマ励起部も提供されてもよい。
【0046】
図3は工程モジュールで処理される基板を示す図面である。
【0047】
図3を参照すれば、基板Wには複数の層が形成されている。先ず、ポリシリコン3100の上部に不純物を注入して不純物領域3110が形成されている。続いて、不純物領域3110上に層間絶縁層3210及び犠牲層3220を交互に積層されている。ここで、犠牲層3220は層間絶縁層3210に対して蝕刻選択比を有する。例えば、層間絶縁層3210は酸化物であってもよく、犠牲層3220は窒化物であってもよい。このように層間絶縁層3210及び犠牲層3220が交互に積層された構造の基板Wは積層メモリ装置の製造に使用される。
【0048】
また、層間絶縁層3210及び犠牲層3220にはホールHが形成されている。ホールHはフォトリソグラフィー及び蝕刻技術を利用して形成されてもよい。
【0049】
積層メモリ装置の製造のためには層間絶縁層3210との間に位置された犠牲層3220が除去されなければならない。以後、ホールHと犠牲層3220とが除去された空間にストレージ媒体及び導電層が形成される。
【0050】
図4乃至
図7は本発明の一実施形態による基板処理装置によって基板で犠牲層が除去される過程を示した図面である。
【0051】
犠牲層3220は乾式蝕刻方法を通じて除去されることができる。
【0052】
図4を参照すれば、基板の上面及びホールには保護層3300が形成される。保護層3300は二酸化珪素層から形成される。保護層3300を形成するために工程ガス供給部2440はチャンバー2100の内部に第1工程ガスを供給する。第1工程ガスとしては酸素ガスが提供されてもよい。第1工程ガスはプラズマ状態に励起された後、基板Wの上部に供給される。第1工程ガスは最上端の層間絶縁層3210に作用して、最上端の層間絶縁層3210の上面に二酸化珪素(silicon dioxide)層を形成する。また、第1工程ガスはホールH通じて供給されて、ホールHを側壁をなす層間絶縁層3210及び犠牲層3220に二酸化珪素層を形成する。また、ホールHの底面にも第1工程ガスによって二酸化珪素層が形成される。
【0053】
保護層3300は領域別に厚さが異なるように形成される。具体的に第1工程ガスは下部に空間が形成された場合、下部に移動される。即ち、第1工程ガスはホールHに供給された後、下部に流動しながら、ホールHの側壁をなす層間絶縁層3210及び犠牲層3220と反応する。反面、第1工程ガスは最上端の層間絶縁層3210及びホールHの底面と反応する時、停止状態であるか、或いは遅い速度に流動する状態である。二酸化珪素層が形成される反応は第1工程ガスとの接触時間又は第1工程ガスの移動の可否に大きく影響を受ける。したがって、基板Wの上面及びホールHの底面に形成された二酸化珪素層はホールHの側壁に形成された二酸化珪素層より厚く形成される。
【0054】
図5を参照すれば、ホールの側壁に形成された保護層3300が除去される。
【0055】
保護層3300が形成されれば、工程ガス供給部2440はチャンバー2100の内部に第2工程ガスを供給する。第2工程ガスとしては水素ガスが提供されてもよい。第2工程ガスは基板Wの上部に供給されて、二酸化珪素層と下化学式1乃至化学式3のように順次的に反応する。
【0059】
そして、最終反応物であるシランは気相にチャンバー2100から外部へ排出される。この時、第2工程ガスによる工程時間は、ホールHの側壁に形成された二酸化珪素層を全て蝕刻しながら、基板Wの上面及びホールHの底面に形成された二酸化珪素層の一部が残るように調節される。
【0060】
図6を参照すれば、犠牲層が選択的に乾式蝕刻される。
【0061】
ホールの側壁に形成された保護層3300が除去されれば、工程ガス供給部2440はチャンバー2100の内部に第3工程ガスを供給する。第3工程ガスとしては三フッ化窒素ガス及び酸素ガスを含む。犠牲層3220は層間絶縁層3210に対して蝕刻選択比を有することによって、第3工程ガスはプラズマ状態に励起された後、犠牲層3220と下化学式4のように選択的に反応される。
【0063】
第3工程ガスが犠牲層3220を蝕刻して生成された物質は気相にチャンバー2100の外へ排出される。
【0064】
ポリシリコン3100と不純物領域3110とは第3工程ガスに対して犠牲層3220と蝕刻選択比を有しない。したがって、ホールHの底面に形成された保護層3300はその下方に位置されたポリシリコン3100と不純物領域3110とが第3工程ガスと接触されることを遮断する。
【0065】
また、第3工程ガスとしては窒素ガスをさらに含む。窒素ガスは上の反応過程で蝕刻選択比を調節することができる。
【0066】
図7を参照すれば、犠牲層の選択的蝕刻の後、保護層が除去される。
【0067】
工程ガス供給部2440はチャンバー2100の内部に第4工程ガスを供給する。第4工程ガスとしては水素ガスが提供される。第4工程ガスは基板Wの上部に供給されて、基板Wに残存する保護層3300と上述した化学式1乃至化学式3のように順次的に反応する。基板Wの上面及びホールHの底面で二酸化珪素層が蝕刻されれば、層間絶縁層3210との間に位置された犠牲層3220が除去工程が完了される。
【0068】
図8は他の実施形態による保護層が除去される過程を示した図面である。
【0069】
図8を参照すれば、保護層は副産物層3400への変化過程を経て除去される。工程ガス供給部2440は第4工程ガスとして窒素ガス、水素ガス及び三フッ化窒素ガスをチャンバー2100に供給する。上の第4工程ガスは基板Wの上面及びホールHの底面にある二酸化珪素層と反応して、六フッ化珪酸アンモニウム(Ammonium hexafluorosilicate)と水とになる。六フッ化珪酸アンモニウムは基板の上面及びホールの底面に副産物層3400を形成する。副産物層3400は基板Wを設定温度以上に加熱処理して除去されることができる。この時、基板Wの加熱温度は100℃以上である。基板Wはサセプタ2200に提供される加熱部材2220によって加熱されて、六フッ化珪酸アンモニウム(Ammonium hexafluorosilicate)が除去されることができる。その他の例として、基板Wはプラズマモジュール200aから搬出された後、別のチャンバーで加熱処理されてもよい。
【0070】
以上の詳細な説明は本発明を例示することに過ぎない。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとすることでない。また、添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことであって解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0071】
10・・・ロードポート
20・・・設備前方端部モジュール
21・・・移送フレーム
25・・・第1移送ロボット
27・・・移送レール
40・・・ロードロックチャンバー
50・・・トランスファーチャンバー
60・・・工程モジュール
200a・・・プラズマモジュール
2100・・・チャンバー
2110・・・ボディー
2200・・・サセプタ
2400・・・プラズマ励起部
3100・・・ポリシリコン
3110・・・不純物領域
3210・・・層間絶縁層
3220・・・犠牲層