(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータ画面上に情報を提供している複数の情報提供媒体それぞれの影響度指標値及び前記複数の情報提供媒体それぞれにおける検索キーワードの掲載箇所の影響度指標値を、それぞれ影響度指標値として保持する影響度指標値記憶部と、
複数のリスクワードを保持するリスクワード記憶部と、
特定のキーワードを入力し検索プログラムによってインターネット上の情報を検索し、抽出される検索結果の掲載箇所において、前記リスクワード記憶部が保持している複数のリスクワードのいずれかが前記入力された検索キーワードと共に出現する含リスク表現が見出される掲載箇所を特定する含リスク表現サーチ部と、
前記含リスク表現サーチ部が特定した含リスク表現の掲載箇所について、前記影響度指標値記憶部のデータを参照し、前記情報を提供している情報提供媒体の影響度指標値と前記検索結果の掲載箇所の影響度指標値とを割り出し、これらの影響度指標値の総計を風評被害リスク度として求める風評被害リスク度算出部と、
前記入力された検索キーワードと抽出されたリスクワード、前記風評被害リスク度算出部が求めた風評被害リスク度、前記抽出された情報提供媒体に関連する情報及び前記含リスク表現の掲載箇所に関連する情報を含めた風評被害リスクレポートを作成して出力する風評被害リスクレポート作成部とを備えたことを特徴とする風評被害リスクレポート作成システム。
前記情報提供媒体はポータルサイトであり、前記検索プログラムは前記ポータルサイトにて提供されている検索エンジンであることを特徴とする請求項1に記載の風評被害リスクレポート作成システム。
前記風評被害リスク度算出部が、前記入力されたキーワードに対する含リスク表現を複数箇所に見出すとき、前記風評被害リスクレポート作成部は、前記複数箇所の含リスク表現を前記風評被害リスク度の高い順に並べたリスト形式の風評被害リスクレポートを作成して出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の風評被害リスクレポート作成システム。
前記影響度指標値記憶部は、影響度指標値として、前記複数の情報提供媒体毎にスコアと重みを記憶し、前記検索結果の掲載箇所については当該含リスク表現の掲載されるページ毎にスコアと重みを記憶し、前記入力された検索キーワードに対する入力候補表示枠内の表示については当該入力候補表示枠内の表示行毎にスコアと重みを記憶し、前記関連検索ワード欄の表示については表示順位毎にスコアと重みを記憶し、複数の特殊モジュールのいずれかへの表示については特殊モジュール毎にスコアと重みを記憶し、
前記風評被害リスク度算出部は、前記含リスク表現の掲載箇所がいずれの情報提供媒体におけるいずれの掲載箇所であるかによって前記各々のスコアと重みの積の総計を計算し、前記風評被害リスク度を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の風評被害リスクレポート作成システム。
前記含リスク表現サーチ部は、前記リスクワード記憶部に記憶されている複数のリスクワードのいずれかに近似する表現をも抽出し、前記登録されているリスクワードとの関連度に応じて係数を設定し、
前記風評被害リスク度算出部は、前記総計に前記係数を掛けて風評被害リスク度とすることを特徴とする請求項4に記載の風評被害リスクレポート作成システム。
前記情報提供媒体はポータルサイトであり、前記検索プログラムは前記ポータルサイトにて提供されている検索エンジンであることを特徴とする請求項6に記載の風評被害リスクレポート作成プログラム。
前記風評被害リスク度算出ステップにおいて前記入力されたキーワードに対する含リスク表現を複数箇所に見出すとき、前記風評被害リスクレポート作成ステップでは、前記複数箇所の含リスク表現を前記風評被害リスク度の高い順に並べたリスト形式の風評被害リスクレポートを作成して出力することを特徴とする請求項6又は7に記載の風評被害リスクレポート作成プログラム。
前記影響度指標値記憶部には、影響度指標値として、前記複数の情報提供媒体毎のスコアと重みを記憶させ、前記検索結果の掲載箇所については当該含リスク表現の掲載されるページ毎のスコアと重みを記憶させ、前記入力された検索キーワードに対する入力候補表示枠内の表示については当該入力候補表示枠内の表示行毎のスコアと重みを記憶させ、前記関連検索ワード欄の表示については表示順位毎にスコアと重みを記憶させ、複数の特殊モジュールのいずれかへの表示については当該複数の特殊モジュール毎のスコアと重みを記憶させ、
前記風評被害リスク度算出ステップでは、前記含リスク表現の掲載箇所がいずれの情報提供媒体におけるいずれの掲載箇所であるかによって前記各々のスコアと重みの積の総計を計算し、前記風評被害リスク度を算出することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の風評被害リスクレポート作成プログラム。
前記含リスク表現サーチステップでは、前記リスクワード記憶部に記憶されている複数のリスクワードのいずれかに近似する表現をも抽出し、前記登録されているリスクワードとの関連度に応じて係数を設定し、
前記風評被害リスク度算出ステップでは、前記総計に前記係数を掛けて風評被害リスク度とすることを特徴とする請求項9に記載の風評被害リスクレポート作成プログラム。
前記情報提供媒体はポータルサイトであり、前記検索プログラムは前記ポータルサイトにて提供されている検索エンジンであることを特徴とする請求項11に記載の風評被害リスクレポート作成方法。
前記風評被害リスク度算出ステップにおいて前記入力されたキーワードに対する含リスク表現を複数箇所に見出すとき、前記風評被害リスクレポート作成ステップでは、前記複数箇所の含リスク表現を前記風評被害リスク度の高い順に並べたリスト形式の風評被害リスクレポートを作成して出力することを特徴とする請求項11又は12に記載の風評被害リスクレポート作成方法。
前記影響度指標値記憶部には、影響度指標値として、前記複数の情報提供媒体毎のスコアと重みを記憶させ、前記検索結果の掲載箇所については当該含リスク表現の掲載されるページ毎のスコアと重みを記憶させ、前記入力された検索キーワードに対する入力候補表示枠内の表示については当該入力候補表示枠内の表示行毎のスコアと重みを記憶させ、前記関連検索ワード欄の表示については表示順位毎にスコアと重みを記憶させ、複数の特殊モジュールのいずれかへの表示については当該複数の特殊モジュール毎のスコアと重みを記憶させ、
前記風評被害リスク度算出ステップでは、前記含リスク表現の掲載箇所がいずれの情報提供媒体におけるいずれの掲載箇所であるかによって前記各々のスコアと重みの積の総計を計算し、前記風評被害リスク度を算出することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の風評被害リスクレポート作成方法。
前記含リスク表現サーチステップでは、前記リスクワード記憶部に記憶されている複数のリスクワードのいずれかに近似する表現をも抽出し、前記登録されているリスクワードとの関連度に応じて係数を設定し、
前記風評被害リスク度算出ステップでは、前記総計に前記係数を掛けて風評被害リスク度とすることを特徴とする請求項14に記載の風評被害リスクレポート作成方法。
【背景技術】
【0002】
企業イメージを貶める目的で、インターネットウェブ上で他者が意図的に風評を流すことがある。近年、そのような風評表現が見られるウェブページを監視し、風評被害レポートを作成して依頼元に配信する風評監視サービスが広まっている。
【0003】
このような風評監視サービスでは、主立ったポータルサイト上で提供されている検索エンジンを利用し、依頼元の社名をキーワードにして広く検索をかけ、予め辞書登録してある風評表現が当該社名と共起して表示されているウェブページを抽出し、どんな風評表現がどんな頻度で出現しているかを解析し、風評被害レポートにして依頼元の企業に配信するものが主である。
【0004】
また、風評被害レポートを受け取った依頼元の企業では、その風評被害レポートを担当者が見て、企業イメージが著しく損なわれる恐れがあるが否かによって風評被害対策の要否を判断し、インターネットサービス会社に風評被害対策を依頼する。
【0005】
ところが、従来は、依頼元の企業名と共に風評表現が見られるウェブページを漏れなく抽出して風評被害レポートを作成するだけである。そのため、いずれのポータルサイトの検索エンジンで検索した結果に基づいているか、検索結果の何ページ目に掲載されているか、検索キーワードのサジェスト表示枠(入力候補表示枠、入力補助機能等とも呼ばれる。)にも表示されるか、関連検索ワードを表示欄でも表示されるか等々、その風評表現の掲載媒体や掲示箇所に応じて社会に与える風評の影響度は異なるものでありながら、それらを考慮した風評被害レポートを自動的に作成することはできない。
【0006】
例えば、特許文献1には、風評表現毎に重み付けし、点数の高い風評表現についてそれを掲載しているURLを自動レポートする技術が開示されている。しかしながら、同じ風評表現でも、それを掲載しているURLの種類やページ番号等によってリスク度を計算する技術は、開示してはいない。
【0007】
また、特許文献2には、悪い風評を掲載しているウェブページを監視し、レポートを作成する技術が開示されている。しかしながら、同じ風評表現でも、それを掲載しているURLの種類やページ番号等によって風評被害のリスク度を計算する技術は、開示してはいない。
【0008】
また、特許文献3には、ウェブサイトの風評からある製品に対する良い評価、悪い評価を集めて分析する技術が開示されている。しかしながら、風評被害のリスク度を計算する技術は、開示していない。
【0009】
また、特許文献4には、風評表現に重みを付け、悪い風評表現のスコアの高いURLを要注意URLとしてレポート作成する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1と同様に、同じ風評表現でも、それを掲載しているURLの種類やページ番号等によってリスク度を計算する技術は、開示してはいない。
【0010】
さらに、特許文献5には、風評表現のあるURLを抽出し、レポートを作成する技術が開示されている。しかしながら、同じ風評表現でも、それを掲載しているURLの種類やページ番号等によって風評被害のリスク度を計算する技術は、開示してはいない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムは、インターネット100に接続され、下記の諸処理機能を実行するコンピュータシステム1である。本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムは、分散型のコンピュータシステムで構成されていても、スタンドアローンのコンピュータシステムで構成されていてもよい。実施の形態では、コンピュータシステム1として示す。そしてコンピュータシステム1にはディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス等、データ入力、操作指示入力、情報表示、情報出力のために必要なユーザーインタフェースが当然に接続されているものとする。そして以下の実施の形態の実現のために必要な種々のソフトウェアプログラムがインストールされており、また本システムに必要とする大量のデータの保存のためにハードディスクドライブのような大容量記憶装置2も内蔵あるいは外付けで備えられているものとする。符号1A,1B,1Cはインターネット100に接続されている契約社のコンピュータシステムである。
【0019】
本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムの機能構成は、次の通りであり、コンピュータ画面上に情報を提供している複数の情報提供媒体それぞれの影響度指標値及び複数の情報提供媒体それぞれにおける検索キーワードの掲載箇所の影響度指標値を
図2に示すようなデータテーブル10の形で保持している影響度指標値記憶部11と、あらかじめリスクワードとして設定された多数のリスクワードを保持しているリスクワード記憶部12と、契約を締結した顧客の企業名、店名、商品名、商標等、風評被害リスクレポートを必要とする風評被害検索対象のキーワードを保持しているキーワード登録部13を備えている。
【0020】
また本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムは、インターネット上で提供されている種々の検索エンジンのような検索プログラムによって特定の検索キーワードを指定しインターネット上の多数のウェブページを漏れなく検索させ、抽出される検索結果の掲載箇所において、リスクワード記憶部13が保持している複数のリスクワードのいずれかが、入力された検索キーワードと共に出現する含リスク表現が見出される掲載箇所を特定する含リスク表現サーチ部14と、この含リスク表現サーチ部14が特定した含リスク表現の掲載箇所について、影響度指標値記憶部11のデータを参照し、該情報を提供している情報提供媒体の影響度指標値と検索結果の掲載箇所の影響度指標値とを割り出し、これらの影響度指標値の総計を風評被害リスク度として求める風評被害リスク度算出部15と、入力された検索キーワードと抽出されたリスクワード、風評被害リスク度算出部15が求めた風評被害リスク度、抽出された情報提供媒体に関連する情報及び含リスク表現の掲載箇所に関連する情報を含めた風評被害リスクレポート20を作成して出力する風評被害リスクレポート作成部16とを備えている。
【0021】
含リスク表現サーチ部14が指定された検索キーワードに対する含リスク表現を複数箇所に見出すとき、風評被害リスクレポート作成部16はそれら複数箇所の含リスク表現を風評被害リスク度の高い順に並べたリスト形式の風評被害リスクレポート20を作成して出力する。
【0022】
図2に示すように、影響度指標値記憶部11が保持するデータテーブル10では、影響度指標値として検索エンジン、検索API等の検索プログラムを提供している多数のの情報提供媒体、例えば、ポータルサイト、プロバイダサイト、ニュース提供サイト、掲示板サイト、ブログサイト等のそれぞれについて、情報提供媒体毎にスコアと重みが決定される。また検索結果の掲載ページについては当該含リスク表現の掲載されるページ毎にスコアと重みが決定される。さらに、指定された検索キーワードに対する入力候補を表示するA欄内の表示については当該A欄内の表示行毎にスコアと重みが決定される。関連検索キーワードを表示するB欄の表示については表示順位毎にスコアと重みが決定される。また自然言語を表示するオーガニック表示欄のようなC欄についてはその表示順位毎にスコアと重みが決定され、複数の特殊モジュールの表示欄であるD欄のいずれかへの表示については特殊モジュール毎にスコアと重みが決定されている。
【0023】
例えば、掲載サイトのドメインが広く利用されている著名な「abcd1.co.jp」であるとき、その検索結果の掲載ページの1ページ目にキーワードと共にリスクワードが出現する場合には[媒体スコア=100、重み=0.3]と決定して登録し、同時に[掲載ページのページスコア=100、重み=0.5]と決定して登録する。検索エンジンとしての利用度が高い掲載サイトのドメインが「abcd2.co.jp」である場合にもほぼ同様に決定して登録する。
【0024】
また、一般に著名なポータルサイトのドメインabcd1.co.jpの検索エンジンを利用して検索キーワードを入力すると、入力候補表示枠であるA欄には共起する何種類かの他のキーワードが検索キーワードと共に表示されるが、そのようなA欄内で表示1位の箇所に検索キーワードと共にリスクワードが表示される場合には、[掲載箇所スコア=100、重み=0.8]と決定して登録する。また、同じドメインabcd1.co.jpの検索エンジンを利用して検索キーワードを入力するときに、関連検索ワードを表示するB欄に第1番目に出現する場合には、[掲載箇所スコア=95、重み=0.8]と決定して登録する。さらに、
図2のデータテーブル10に例示しているように、自然言語検索結果であるC欄の1位に出現する場合には[掲載箇所スコア=95、重み=0.8]、特殊モジュールのD欄1位に表示される場合には[掲載箇所スコア=95、重み=0.8]等と決定して登録する。
【0025】
風評被害リスク度算出部15は、含リスク表現の掲載箇所がいずれの情報提供媒体におけるいずれの掲載箇所であるかによって、上記
図2のデータテーブル10を参照し、各々のスコアと重みの積の総計を計算し、風評被害リスク度を算出する。
【0026】
次に、上記構成の風評被害リスクレポート作成システムの処理動作について、
図3のフローチャートを用いて説明する。尚、これは同時に、コンピュータによって実施される本発明の実施の形態の風評被害リスクレポート作成方法であり、該当する風評被害リスクレポート作成プログラムをコンピュータシステムにインストールし実行することにより実現されるものである。
【0027】
初期設定、新規契約、システムメンテナンス時等に必要なデータ設定、保存を行う。その際には、契約社の企業名、商標、屋号、商品名等、ネット上で風評が立てられると被害を受けると思われる種々のキーワードを登録し、また、種々の悪い風評表現、つまり、リスクワードを登録する(ステップS1)。
【0028】
また、前述のキーワードとリスクワードとが検索画面中のどこかの場所に共起して出現することにより社会的に及ぼす悪影響の度合いを、その掲載ページや掲載箇所と重みにより影響度指標値として設定した上記
図2のデータテーブル10も作成する(ステップ5)。これらのステップS1の処理とステップS5の処理の前後は特に決められない。また、キーワードの新規登録や追加登録、改訂は必要に応じて任意のタイミングで繰り返し行われる。
【0029】
これら諸データの登録の後、例えば、毎日、毎週、毎月と定期的に、また要求に応じて任意のタイミングで含リスク表現サーチを実行する(ステップS11)。この含リスク表現サーチでは、含リスク表現サーチ部14により、yahoo.co.jpやgoogle.co.jpやbing.co.jp等、インターネット上のポータルサイト上で提供されている検索エンジンを利用し、キーワード登録部13に登録してある1種類あるいは複数種のキーワードそれぞれを指定してインターネット上の多数のウェブページを漏れなく検索させる。加えて、プロバイダの提供しているプロバイダサイトや、ニュース提供サイト、ブログサイト、掲示板サイト等に対しても、それらの情報提供媒体のサイトに用意されている検索エンジン、検索APIのような検索プログラムを用いて検索させる。そして、抽出されてくる多数のウェブページにおいてリスクワード記憶部12が保持している複数のリスクワードのいずれかが、指定された検索キーワードと共に出現する含リスク表現の見出される掲載箇所を特定する。尚、本実施の形態の説明では、利用頻度の高いポータルサイトのドメインを「abcd1.co.jp」、「abcd2.co.jp」と例示して説明している。しかしながら、主立ったポータルサイトに限定されるものではなく、上に例示したようなプロバイダサイト、ニュース提供サイト、ブログサイト、掲示板サイト等も検索対象に含めるものである。
【0030】
次に、含リスク表現サーチ部14が特定した多数の含リスク表現の掲載箇所それぞれについて、風評被害リスク度算出部15が影響度指標値記憶部11のデータテーブル10を参照し、検索エンジンを提供しているポータルサイトの影響度指標値と検索結果の掲載箇所の影響度指標値とを割り出し、これらの影響度指標値の総計を風評被害リスク度として求める(ステップS15)。
【0031】
いま、検索キーワードが「ABC商事株式会社」であり、これについてポータルサイトabcd1.co.jp上の検索エンジンにより検索をかけると、次のようになったとする。
検索キーワード「ABC商事株式会社」について、abcd1.co.jp上の検索エンジンを用い、検索窓に「ABC商事株式会社」と入力すると、A欄内の第3位に「ABC商事株式会社 ブラック企業」と表示された。
【0032】
そして、「ABC商事株式会社」をキーワードにして検索をかけると、「ABC商事株式会社」を含む多数のウェブページが抽出され、検索結果が2ページに渡り、また、広告ウェブページ、特殊モジュールのウェブページにも同時に抽出され、それらのウェブページのURLのリンクが2,3行の内容の抜粋記事と共に表示された。
さらにこの検索結果の1ページ目のB欄では5番目に「ABC商事株式会社 ブラック企業」の表記が見いだされた。また、検索結果の各ウェブページに対して、「ブラック企業」というリスクワードを含むウェブページが検索結果の1ページ目、C欄の2位と10位、また、2ページ目のC欄5位に見いだされた。
【0033】
以上が検索結果であった場合、次のようにして風評被害リスク度を計算する。風評被害リスク度=(媒体スコア×重み+ページスコア×重み+掲載箇所スコア×重み)で求める。この式を上の例に適用すると、媒体スコアは著名なポータルサイトであるabcd1.co.jpであるために、掲載サイトドメインの媒体スコア100×重み0.3=30となる。そしてその検索結果の掲載ページは1ページ目のウェブページについては掲載ページスコア100×重み0.5=50、C欄2位のウェブページについては掲載箇所スコア85×重み0.8=68、C欄10位のウェブページについては、掲載箇所スコア5×重み0.8=4である。
【0034】
さらに、検索結果の掲載ページ2ページ目のC欄5位のウェブページについては、掲載サイトドメインの媒体スコア100×重み0.3=30であり、検索結果の掲載ページスコア20×重み0.5=10、掲載箇所スコア60×重み0.8=48である。
そしてさらに、A欄3位であるので、掲載サイトドメインの媒体スコア100×重み0.3=30、検索結果の掲載ページは1ページ目であり掲載ページスコア100×重み0.5=50、掲載箇所スコア80×重み0.8=64となる。
【0035】
このような検索結果から、風評監視依頼企業が「ABC商事株式会社」である場合、
図4に示すような風評被害リスクレポート20を作成することになる。リスク度1位は、abcd1.co.jpの検索サイトの検索で1ページ目、C欄2位に出現する検索結果であり、リスク度148(=30+50+68)である。そして、リスク度2位は、abcd1.co.jpの検索サイトの検索で1ページ目、A欄3位に出現する検索結果であり、リスク度144(=30+50+64)である。
【0036】
このようにして自動作成した風評被害リスクレポートについては、さらに、フォームを加工して、検索キーワード毎に風評被害リスクレポートを作成したり、検索キーワード毎に複数のリスクワードをまとめて風評被害リスク度の高い順に並べ直した風評被害リスクレポートを作成したりすることができる。
【0037】
尚、
図3のステップS11の含リスク表現サーチでは、キーワード検索の効果性を高めるために、検索キーワードについて、上の「ABC商事株式会社」について、「ABC商事」、「ABC株式会社」、「○BC商事株式会社」、「A○C商事」等々の派生するキーワード、「株式会社」等の文字の省略、伏せ字、当て字、変換ミス、タイプミス等のゆらぎをも生成し、それらも検索キーワードに加えて検索し、リスクワードと共起するウェブページがないか同様に検索する方が風評被害リスクレポートの信頼性は向上する。
【0038】
<第2の実施の形態>
次に、
図5〜
図10を用いて、本発明の別の実施の形態の風評被害リスクレポート作成システム及び風評被害リスクレポート作成方法、風評被害リスクレポート作成プログラムについて説明する。本実施の形態の風評被害リスクレポート作成方法もコンピュータシステムに該当する風評被害リスクレポート作成プログラムをインストールし実行することによりコンピュータによって実現される。
【0039】
図5は、本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムの機能構成を示している。用いるコンピュータシステム101は、第1の実施の形態と同様である。そして、本実施の形態の風評被害リスクレポート作成方法およびプログラムは、第1の実施の形態よりもより詳細な処理を行う。
図5において、符号101A,101B,101Cはインターネット100に接続されている契約社のコンピュータシステムである。
【0040】
本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムは、コンピュータ101の画面上で検索エンジンを提供している複数の情報提供媒体それぞれの影響度指標値及び複数の情報提供媒体それぞれにおける検索結果の掲載箇所の影響度指標値を
図9に示すようなデータテーブル110の形で保持している影響度指標値記憶部111、あらかじめリスクワードとして設定された多数のリスクワードを保持しているリスクワード記憶部112と、契約を締結した顧客の企業名、店名、商品名、商標等、風評被害リスクレポートを必要とする風評被害対象のキーワードを保持しているキーワード記憶部113を備えている。
【0041】
また本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムは、インターネット100上で提供されている情報提供媒体それぞれが提供している検索エンジン、検索API等の検索プログラムにより特定のキーワードを指定してインターネット上の多数のウェブページを漏れなく検索させ、抽出される検索結果の掲載箇所において、リスクワード記憶部112が保持している複数のリスクワードのいずれかが、指定された検索キーワードと共に出現する含リスク表現が見出される掲載箇所を特定する含リスク表現サーチ部114を備えている。
【0042】
本実施の形態の特徴として、含リスク表現サーチ部114は、キーワード検索の効果性を高めるために、検索キーワードについて、例えば、「ABC商事株式会社」のキーワードに対して、「ABC商事」、「ABC株式会社」、「○BC商事株式会社」、「A○C商事」等々の派生するキーワード、「株式会社」等の文字の省略、伏せ字、当て字、変換ミス、タイプミス等のゆらぎをも考慮した派生キーワードを生成し、それらも検索キーワードに加えて検索し、リスクワードと共起するウェブページがないか検索する。
【0043】
本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システムは、さらに、含リスク表現サーチ部114が特定した含リスク表現の掲載箇所について、影響度指標値記憶部111が保持している
図9のデータテーブル110のデータを参照し、情報提供媒体毎の影響度指標値と検索結果の掲載箇所の影響度指標値とを割り出し、これらの影響度指標値の総計を風評被害リスク度として求める風評被害リスク度算出部115と、指定された検索キーワードと抽出されたリスクワード、風評被害リスク度算出部115が求めた風評被害リスク度、含リスク表現を掲載している情報提供媒体の情報及び含リスク表現の掲載箇所の情報を含めた風評被害リスクレポートを作成して出力する風評被害リスクレポート作成部116を備えている。
【0044】
含リスク表現サーチ部114が指定されたキーワードに対する含リスク表現を複数箇所に見出すとき、風評被害リスクレポート作成部116はそれら複数箇所の含リスク表現を風評被害リスク度の高い順に並べたリスト形式の
図10に示すような風評被害リスクレポート120を作成して出力する。
【0045】
図9に示す、影響度指標値記憶部111が保持するデータテーブル110では、影響度指標値として検索エンジン、検索API等の検索プログラムを提供している複数の情報提供媒体毎にスコアと重みが設定され、検索結果の掲載ページについては当該含リスク表現の掲載されるページ毎にスコアと重みが設定され、指定された検索キーワードに対する入力候補を表示するA欄内の表示については当該A欄枠内の表示行毎にスコアと重みが設定され、関連検索ワードを表示するB欄の表示については表示順位毎にスコアと重みが設定され、自然言語解析結果を表示するC欄の表示についても表示順位毎にスコアと重みが設定され、特殊モジュールへの表示についてはD欄に特殊モジュール毎にスコアと重みが設定されている。
【0046】
さらに、本実施の形態の特徴として、リスクワード関連度の項目を持ち、登録されているリスクワードと検索キーワードとがどれぐらいの関連度をもって表示されているかを数値化し、最高1.0から無関係の0までのいずれかを設定するようにしている。例えば、第1の実施の形態と同様の例で掲載サイトのドメインがabcd1.co.jpである場合、その検索結果の掲載ページの1ページ目にキーワードと共にリスクワードが出現するときには、[媒体スコア=100、重み=0.3]と決定して登録し、同時に[掲載ページのページスコア=100、重み=0.5]と決定して登録する。検索エンジンとしての利用度が高い別の掲載サイトのドメインがabcd2.co.jpである場合にもほぼ同様に決定する。
【0047】
また、abcd1.co.jpの検索エンジンを利用して検索キーワードを入力すると、A欄内で第1位の箇所に検索キーワードと共にリスクワードが表示される場合には、[掲載箇所スコア=100、重み=0.8]と決定して登録する。また、同じabcd1.co.jpの検索エンジンを利用して検索キーワードを入力するときに、B欄の第1番目に出現する場合には、[掲載箇所スコア=95、重み=0.8]と決定して登録する。
【0048】
さらに、
図9のデータテーブル110に例示しているように、オーガニック検索結果であるC欄の1位に出現する場合には[掲載箇所スコア=95、重み=0.8]、特殊モジュールであるD欄の第1位に表示される場合には[掲載箇所スコア=95、重み=0.8]等と決定して登録する。
【0049】
またさらに、検索キーワードとリスクワードとの関連度を、検索キーワードに対してリスクワードがどれくらいの距離離れて表示されるかによって決定し、関連度が高い場合にはリスクワード関連度=0.9、関連度が中くらいならばリスクワード関連度=0.5、無関係ならば0と設定する。例えば「ABC商事株式会社は、ブラック企業である。」というようにほぼイコールの表現であればリスクワード関連度=1、「ブラック企業のリストには、ABC商事があげられている。」というような場合はリスクワード関連度は高く0.9と決定する。
【0050】
風評被害リスク度算出部115は、含リスク表現の掲載箇所がいずれの情報提供媒体におけるいずれの掲載箇所であるかによって、上記
図9のデータテーブル110を参照し、各々のスコアと重みの積の総計し、さらにリスクワード関連度を係数として掛けて風評被害リスク度を算出する。
【0051】
次に、上記構成の風評被害リスクレポート作成システムの処理動作について、
図6、
図7のフローチャートを用いて説明する。例示は第1の実施の形態と同様であるが、リスクワード関連度を係数として組み入れる点で、第1の実施の形態よりも厳密な風評被害リスクレポートが可能である。
【0052】
ステップS101:契約者の指定したキーワード、契約者に提案したキーワード等であり、風評被害リスクの検索対象となる企業名、商品名、商標等を登録する。
ステップS105:風評被害を及ぼすような種々のリスクワードを登録する。例えば、「ブラック企業」、「サービス残業」、「有害食品」、「毒物混入」、「腐敗」等々。
尚、キーワードの登録、派生キーワードの登録、リスクワードの登録は必要な都度、追加、削除等のメンテナンスを行うため、それらの前後関係は上の順に限定されるものではない。
【0053】
ステップS111:キーワード検索の効果性を高めるために、例えば、検索キーワード「ABC商事株式会社」に対して、「ABC商事」、「ABC株式会社」、「○BC商事株式会社」、「A△C商事」、「A××商事株式会社」等々の派生する表現のように、「株式会社」等の文字の省略、伏せ字、当て字、変換ミス、タイプミス等のゆらぎをも派生キーワードとして生成する。
【0054】
ステップS115:情報提供媒体のウェブサイトで提供している検索エンジン、検索API等の検索プログラムを利用して、登録されている1あるいは複数のキーワード、またそれらの派生キーワードを検索キーワードにしてインターネット上の多数のウェブページを検索する。
ステップS121:また、独自にインターネット上の主立ったポータルサイト、プロバイダサイト、ニュース提供サイト、ブログサイト、掲示板サイト等々で提供されている検索エンジンを利用しそれぞれの情報提供媒体のウェブサイトをクロールする。
【0055】
ステップS125,131:情報提供媒体のウェブサイトをクロールしウェブサイトに掲載されているリンクURLを蓄積する。そして蓄積したリンクURLをクロールする。
ステップS135:ステップS115,S121,S131の検索で得たデータ、媒体サイトをクロールして得たデータ、リンクURLをクロールして得たデータを蓄積する。
ステップS141:蓄積されている諸データを解析する。例えば、登録されているキーワードそれぞれについて、掲載されているウェブページの掲載箇所、近くに表示されているリスクワード、掲載されているページ、掲載されているページのドメイン、掲載されているページの媒体力、掲載されている内容の文脈等々を解析し、検索キーワード毎に見いだされたリスクワード毎との関連度を割り出し、
図9に例示したデータテーブル110を参照してリスク度を計算する、つまりスコアリングを行う。
【0056】
ステップS145:ステップS141の解析結果を、検索依頼を受けている検索キーワード毎に記憶装置に蓄積する。
ステップS151,S155:前回の解析結果と比較し、優先度の高い変化があったか否かを判定し、例えば、リスク度の高いウェブページが多数公開されるようになり風評被害が受けているというような場合、アラートを送信する。このアラートの送信は、メール送信、スマートフォンアプリでのプッシュ通知、契約社のパーソナルコンピュータにアラートを画面表示させる等により行う。このステップS151の判定で特に目立った変化がない場合には、アラートの送信をせずに今回の風評被害リスクレポートの作成処理を停止する。
【0057】
本実施の形態の場合、リスクワード関連度も考慮するため、次のような風評被害リスクレポートが作成できる。いま、検索キーワードが「ABC商事株式会社」であり、これについてポータルサイトabcd1.co.jp上の検索エンジンにより検索をかけ、次のような検索結果を得たとする。
【0058】
検索キーワード「ABC商事株式会社」について、abcd1.co.jp上の検索エンジンを用い、検索窓に「ABC商事株式会社」と入力すると、入力候補を表示するA欄内の第3位に「ABC商事株式会社 ブラック企業」と表示された。
【0059】
そして、「ABC商事株式会社」をキーワードにして検索をかけると、「ABC商事株式会社」を含む多数のウェブページが抽出され、検索結果が2ページに渡り、また、広告ウェブページ、特殊モジュールのウェブページも同時に抽出され、それらのウェブページのURLのリンクが2,3行の内容の抜粋記事と共に表示された。
【0060】
さらにこの検索結果の1ページ目の関連検索ワードを表示するB欄では、5番目に「ABC商事株式会社 ブラック企業」の表記が見いだされたとする。また、検索結果の各ウェブページに対して、「ブラック企業」というリスクワードを含むウェブページが検索結果の1ページ目、オーガニック検索結果を表示するC欄の2位と10位、また、2ページ目の5位に見いだされた。
【0061】
以上が検索結果であった場合、次のようにして風評被害リスク度を計算する。風評被害リスク度=(媒体スコア×重み+ページスコア×重み+掲載箇所スコア×重み)×リスクワード関連度、で求める。
【0062】
この式を上の例に適用すると、媒体スコアは著名なポータルサイトabcd1.co.jpであるために、掲載サイトドメインの媒体スコア100×重み0.3=30となる。そしてその検索結果の掲載ページは1ページ目のウェブページについては掲載ページスコア100×重み0.5=50、C欄2位のウェブページについては掲載箇所スコア85×重み0.8=68、C欄10位のウェブページについては、掲載箇所スコア5×重み0.8=4である。
【0063】
さらに、検索結果の掲載ページ2ページ目のC欄5位のウェブページについては、掲載サイトドメインの媒体スコア100×重み0.3=30であり、検索結果の掲載ページスコア20×重み0.5=10、掲載箇所スコア60×重み0.8=48である。そしてさらに、A欄3位であるので、掲載サイトドメインの媒体スコア100×重み0.3=30、検索結果の掲載ページは1ページ目であり掲載ページスコア100×重み0.5=50、掲載箇所スコア80×重み0.8=64となる。
【0064】
加えて、「ブラック企業」というリスクワードは、ここに就職しようとする若者にとっても、投資家にとっても悪影響を与えるリスクは高い。本例では、「ABC商事株式会社」と「ブラック企業」というリスクワードとが近くに出現し、リスクワード関連度が0.9と決定されたとする。
【0065】
このような検索結果から、風評監視依頼企業が「ABC商事株式会社」である場合、
図10に示すような風評被害リスクレポート120を作成することになる。ただし、風評被害リスク度の高い順に並べ替えたテーブルである。
【0066】
尚、
図10のようなレポート120は、依頼社からのアクセスにより依頼者側のコンピュータシステム101にて表示させるようにすることもできる。
図8はその場合の処理フローを示している。すなわち、アカウントを持つ依頼社から閲覧のためにシステム101にアクセスがあると、認証処理を行い(ステップS201)、該当する依頼社が依頼しているキーワード、依頼社情報、重要度をリスト表示する(ステップS205)
そして、依頼社側から詳細情報の要求があれば、風評被害リスクレポート作成部116を通じてデータ記憶部102にアクセスして、該当依頼社についての詳細な風評被害リスクレポート120を作成し(ステップS211)、インターネット100を通じて依頼社のコンピュータシステムに配信する(ステップS215)。
【0067】
以上により、本実施の形態の風評被害リスクレポート作成システム、方法及びプログラムによれば、インターネット上を自動的に監視し、依頼社が受けている風評被害のリスク度を数値化した詳しい風評被害リスクレポートを作成することができる。加えて、周期的なサーチにより、風評被害リスク度の変化も確認できる。
【解決手段】本発明の風評被害リスクレポート作成システムは、複数の検索プログラムそれぞれにより特定のキーワードを入力してインターネット上の多数のウェブページを検索させ、抽出される検索結果の掲載箇所において、検索キーワードと共に出現する含リスク表現が見出される情報提供媒体と掲載箇所を特定し、検索プログラムを提供している情報提供媒体の影響度指標値と検索結果の掲載箇所の影響度指標値とを割り出し、これらの影響度指標値の総計を風評被害リスク度として求め、風評被害リスクレポート20を作成する。