(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運行管理システムが上手く利用されれば、走行中の車両の運行状況がリアルタイムで管理される。近年、国土交通省などでは、これを基に交通の円滑及び安全を図るシステムの構築を目指している。
【0006】
しかしながら、現行の運行管理システムでは、これを提供するメーカごとに独自の情報処理を行っているため、システム自体に汎用性がない。すなわち、走行中の全ての車両をリアルタイムで管理することができないという問題がある。
【0007】
また、メーカごとに独自の情報処理が行われているので、ユーザは、メーカが提供した運行管理システム(デジタルタコグラフ、サーバ、管理ソフト等)を一括で購入するしか選択肢がない。つまり、ユーザは、機能を限定して運行管理システムを導入することができない。そのため、既存の運行管理システムはいわゆるオーバスペックであって高価なものであるから、小規模のバス会社や運送会社においては、運行管理システムを導入することが困難となっている。
【0008】
本願発明者は、上記の事情に鑑み、安価に運行管理システムを構築でき、また、走行中の車両をリアルタイムで管理することが可能となるデジタルタコグラフの開発を試みた。その開発において、本願発明者は、例えば汎用の安価なCPU(Central Processing Unit)の採用が前提であるならば、速度パルス信号や回転パルス信号に重畳されるノイズを、より適切に排除することが不可欠であるとの知見を得た。
【0009】
速度パルス信号や回転パルス信号は、エンジン部からデジタルタコグラフへ信号線により伝送される。この信号線がアンテナとなり、イグナイタや発電機などからのノイズが速度パルス信号や回転パルス信号に重畳される。本願発明者は、上記ノイズに対して、従来のバンドパスフィルタなどによるノイズ除去では、CPUに対して適正な信号入力を行えないとの知見を得た。
【0010】
また、本願発明者は、車両に搭載されるバッテリの電圧変動などによる速度パルス信号や回転パルス信号の信号電圧の変動による不具合については、これを適切に排除することが不可欠であるとの知見を得た。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、信号電圧の変動やノイズの影響を排除して、速度パルス信号や回転パルス信号を、汎用のCPUに入力可能な信号に変換することができる車両用インターフェースユニット、及びこの車両用インターフェースユニットを備えたデジタルタコグラフを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1) 本発明に係る車両用インターフェースユニットは、パルス信号が入力される第1信号入力部と、上記第1信号入力部及び定電圧に接続されたクランプ回路と、上記クランプ回路の出力側に接続されたCR回路と
、上記CR回路の出力側に接続された信号出力部と、を備える。上記クランプ回路は、カソードが上記第1信号入力部に接続されたダイオードと、一端が上記ダイオードのアノードと接続され、他端が上記定電圧と接続された第1抵抗とを有する。上記CR回路は、一端が上記ダイオードのアノードと接続された第2抵抗と、一端が上記第2抵抗の他端
及び上記信号出力部と接続され、他端が接地されたコンデンサとを有する。
【0013】
第1信号入力部には、車速パルス信号や回転パルス信号が伝送される信号線の一端が接続される。この信号線により、車速パルス信号や回転パルス信号にノイズが重畳される。また、車両に搭載されたバッテリの電圧変動等により、信号電圧が変動する。電圧が変動し、また、ノイズが重畳された車速パルス信号や回転パルス信号の波形は、クランプ回路によって整形される。その結果、CPUに入力可能な適正な矩形波信号が得られる。クランプ回路により整形された車速パルス信号や回転パルス信号について、CR回路により、さらに波形が整形される。なお、CR回路とは、コンデンサと抵抗との直列回路であり、例えば、一端が接地され、他端がクランプ回路の出力端に接続される。上記クランプ回路の一例として、ダイオードと抵抗との直列回路が挙げられる。この直列回路の一端は、上記第1信号入力部に接続され、他端は、上記定電圧に接続される。上記ダイオードは、カソードを上記第1信号入力部に接続され、上記抵抗は、上記ダイオードのアノードに一端を接続され、他端を上記定電圧に接続されたものが挙げられる。
【0014】
(2) 本発明に係る車両用インターフェースユニットは、上記CR回路
と上記信号出力部との間に接続された整形回路をさらに備えていてもよい。
【0015】
(3) 上記整形回路は、例えば、シュミット回路である。
【0016】
クランプ回路及びCR回路により整形された車速パルス信号や回転パルス信号について、シュミット回路により、さらに波形が整形される。
【0017】
(4) 本発明に係る車両用インターフェースユニットは、上記整形回路
と上記信号出力部との間に、シリアル通信信号に変換する変換回路をさらに備えていてもよい。
【0018】
(5) さらに具体的には、上記ダイオードは、ショットキーダイオードである。
【0019】
(6) 本発明に係る車両用インターフェースユニットは、時刻情報を出力するクロックモジュールをさらに備えていてもよい。車両の運行管理に必要な時刻情報を得ることができる。
【0020】
(7) 本発明に係る車両用インターフェースユニットは、温度センサからの信号が入力される第2信号入力部をさらに備えていてもよい。車両の運行管理に必要な温度データを得ることができる。
【0021】
(8) 本発明のデジタルタコグラフは、上述の車両用インターフェースユニットと、この車両用インターフェースユニットの上記出力端からの出力信号が入力されるCPUユニットと、を備える。上記CPUユニットは、上記車両用インターフェースユニットから入力された信号に基づいて車速を算出し、算出した車速に応じた信号を出力する。
【0022】
(9) 上記CPUユニットは、位置情報が入力される第3信号入力部を有していてもよい。デジタルタコグラフは、算出した車速に位置情報を対応付けて出力する。
【0023】
位置情報とは、例えば、衛星から車両が受信した当該車両の位置を示す情報である。
【0024】
(10) 上記CPUユニットは、ETC情報が入力される第4信号入力部を有していてもよい。デジタルタコグラフは、車速及び位置情報とともにETC情報を出力する。
【0025】
ETC(Electronic Toll Collection System)情報とは、例えば、ETCの利用料金、利用日時、利用区間などを示す情報である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、信号電圧の変動やノイズの影響を排除して、速度パルス信号や回転パルス信号を、CPUに入力可能な信号にできる車両用インターフェースユニットを提供することができ、また、安価なデジタルタコグラフの提供が可能となる。その結果、運行管理システムの導入を容易にするとともに、走行中の車両をリアルタイムで管理可能とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されながら説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係るデジタルタコグラフ20及びインターフェースユニット30の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0030】
本実施形態に係るデジタルタコグラフ20は、
図1に示される運行管理システムに採用されている。デジタルタコグラフ20は、車両10に搭載される。この車両10は、送受信機13を備え、衛星11及び管理サーバ12と通信可能である。車両10は、衛星11から位置情報を取得する。一方、デジタルタコグラフ20は、送受信機13を用いて、車速情報、回転情報、位置情報、温度情報、時刻情報、及びETC情報等を管理サーバ12へ送信する。
【0031】
管理サーバ12は、不図示の管理ソフトをインストールされている。管理ソフトは、車両10から送信された位置情報や車速情報などから、車両10の運行管理を行う。例えば、管理ソフトは、車両10の運行記録をメモリに保存するとともに、車両10の現在位置、車両10の移動軌跡などを、地図上に表示させる(
図9参照)。
【0033】
デジタルタコグラフ20は、例えば、筐体と、筐体内に設けられた回路基板とを備えている。デジタルタコグラフ20は、車両10内に設置されて、複数の信号線71〜77(
図2)及び電力線78(
図2)を接続されている。本実施形態では、上記筐体等の構成についての説明は省略される。
【0034】
図2に示されるように、デジタルタコグラフ20は、車速パルス信号等の入力信号の波形整形を行うインターフェースユニット30と、インターフェースユニット30を介して入力された信号を解析するCPUユニット41とを備えている。インターフェースユニット30及びCPUユニット41は、回路基板と、この回路基板に実装された抵抗やダイオードやIC(Integrated Circuit)などによって実現される。インターフェースユニット30とCPUユニット41とは、別個の回路基板で作製されて信号線(ケーブル)で相互に接続されてもよいし、1個の回路基板で作製されてもよい。以下では、インターフェースユニット30とCPUユニット41とが別個に作製された例が説明される。なお、以下の説明において「接続される」とは、信号線や回路基板のパターンによって電気的に接続されることを意味する。
【0036】
インターフェースユニット30は、電源回路38と、クランプ回路31、34と、CR回路32、35と、シュミット回路33、36と、変換回路37と、クロックモジュール39と、保護回路40と、複数のコネクタ51〜57とを備える。
【0038】
電源回路38は、入力された直流電圧を一定の直流電圧に変換して出力する回路である。具体的に説明すると、電源回路38の入力端は、コネクタ55と接続されている。このコネクタ55は、バッテリ14から延びる電力線78と接続される。バッテリ14は、車両10に搭載された直流電源である。電源回路38は、コネクタ55を介して直流電圧を入力される。
【0039】
電源回路38は、例えば、DC−DCコンバータと、レギュレータとを備える。DC−DCコンバータは、入力された直流電圧を、一定(例えば5V)の直流電圧に変換して出力する。レギュレータは、DC−DCコンバータが出力した直流電圧を、一定(例えば3.3V)の直流電圧に降圧して出力する。電源回路38が出力する一乃至複数の直流電圧は、各回路の駆動に用いられる。
図2では、煩雑になるのを避けるため、電源回路38からインターフェースユニット30の各回路への給電線の図示が省略されている。
【0040】
電源回路38が出力する定電圧は、コネクタ57、59及び伝送線80を介してCPUユニット41にも供給される。具体的には、電源回路38の出力端と接続されたコネクタ57がインターフェースユニット30に設けられている。このコネクタ57は、CPUユニット41に設けられたコネクタ59と、伝送線80によって接続されている。
【0041】
CPUユニット41に供給された定電圧は、各回路の駆動に用いられる。
図2では、煩雑になるのを避けるため、コネクタ59からCPUユニット41の各回路への給電線の図示が省略されている。
【0043】
クランプ回路31は、車速パルス信号をクランプして波形整形を行う回路である。以下、具体的に説明される。クランプ回路31は、コネクタ51と接続されている。コネクタ51は、車速パルス信号が伝送される信号線71の一端と接続される。信号線71及びコネクタ51を介して、車速パルス信号がクランプ回路31に入力される。コネクタ51は、第1信号入力部に相当する。
【0044】
図3に示されるように、クランプ回路31は、ダイオードD1と抵抗R1との直列回路を備えている。ダイオードD1は、カソードにおいてコネクタ51と接続され、アノードにおいて抵抗R1と接続されている。抵抗R1は、一端においてダイオードD1と接続され、他端において定電圧V1と接続されている。定電圧V1は、電源回路38が生成した定電圧である。クランプ回路31は、車速パルス信号をクランプして出力する。なお、応答速度などから、ショットキーダイオードをダイオードD1として用いることが望ましい。
【0046】
CR回路32は、クランプ回路31の後段(出力側)に接続されている。CR回路32は、抵抗R2とコンデンサC1との直列回路を備えている。抵抗R2は、一端においてクランプ回路31のダイオードD1のアノードと接続され、他端においてコンデンサC1と接続されている。コンデンサC1は、一端において抵抗R2と接続され、他端において接地されている。CR回路32は、車速パルス信号からノイズ(の一部)を取り除く。
【0048】
シュミット回路33は、CR回路32の後段に接続されている。シュミット回路33は、直列接続されたシュミットIC1とシュミットIC2とを備えている。シュミットIC1、IC2としてシュミットインバータ回路ICを用いることができる。シュミット回路33の出力端は、変換回路37と接続される。シュミット回路32は、車速パルス信号をシャープな矩形波にして出力する。
【0049】
<クランプ回路34、CR回路35、シュミット回路36>
【0050】
図2に示されるクランプ回路34は、回転パルス信号を整形して出力する回路である。クランプ回路34は、コネクタ52と接続されている。コネクタ52は、回転パルス信号が伝送される信号線72と接続される。信号線72及びコネクタ52を介して、回転パルス信号がクランプ回路34に入力される。コネクタ52は、第1信号入力部に相当する。クランプ回路34は、クランプ回路31と同構成であり、回転パルス信号をクランプして出力する。
【0051】
CR回路35は、クランプ回路34の後段(出力側)に接続されている。CR回路35は、CR回路32と同構成であり、回転パルス信号からノイズ(の一部)を取り除く。
【0052】
シュミット回路36は、CR回路35の後段に接続されている。シュミット回路36は、シュミット回路33と同構成であり、回転パルス信号をシャープな矩形波にして出力する。シュミット回路36の出力端は、変換回路37と接続されている。
【0054】
クロックモジュール39は、時刻情報を出力するICである。例えば、MAXIM INTEGRATED(商標)社のDS3231をクロックモジュール39として使用することができる。
【0056】
インターフェースユニット30は、コネクタ53を備えている。コネクタ53は、信号線73の一端と接続される。信号線73の他端は、不図示の温度センサと接続される。温度センサは、例えば保冷車などにおいて、その庫内に設置される。すなわち、信号線73を介して、庫内温度などの温度情報がコネクタ53に入力される。コネクタ53は、第2信号入力部に相当する。なお、複数個のコネクタ53が車両用インターフェースユニット30に設けられていてもよい。すなわち、デジタルタコグラフ20は、複数個の温度センサから温度情報を取り込める構成とされていてもよい。
【0058】
インターフェースユニット30は、コネクタ54を備えている。コネクタ54は、信号線74の一端と接続される。信号線74の他端は、不図示のイグニッションと接続される。コネクタ54は、イグニッションON情報信号を入力される。
【0059】
コネクタ54は、保護回路40を介して変換回路37と接続されている。保護回路40は、
図4に示されるように、保護ダイオードD2、D3及び保護抵抗R3と、絶縁用のフォトカプラP1と、波形整形用のシュミットIC3とを備える。保護回路40によって絶縁及び整形されたイグニッションON情報信号は、変換回路37に入力される。
【0061】
図2に示される変換回路37は、入力信号をシリアル通信信号に変換する回路である。例えば、変換回路37は、入力信号を、通信規格RS232Cに準拠した信号に変換して出力する第1回路、及びTTLに準拠した信号に変換して出力する第2回路から構成される。この第1回路及び第2回路には、既存の回路を使用することができる。
【0062】
変換回路37は、入力側において、シュミット回路33、36、コネクタ53、保護回路40、及びクロックモジュール39と接続されている。変換回路37の出力側は、コネクタ56、58及び信号線79を介してCPUユニット41と接続されている。具体的には、変換回路37の出力端は、インターフェースユニット30に設けられたコネクタ56と接続されている。このコネクタ56は、信号線79の一端と接続されている。信号線79の他端は、CPUユニット41に設けられたコネクタ58と接続されている。変換回路37から出力された車速パルス信号、回転パルス信号、温度情報信号、イグニッションON情報信号、及び時刻情報信号がCPUユニット41に入力される。
【0064】
CPUユニット41は、コネクタ58〜62と、CPU42と、メモリ43とを備える。CPUユニット41は、上述されたように、コネクタ59を介してインターフェースユニット30から供給された電力により、駆動する。
【0066】
CPU42は、入力された車速パルス信号及び回転パルス信号から、車速及び回転数を算出する。この「算出」には、メモリ43に記憶された計算式による演算、及びメモリ43に記憶されたテーブルによる決定が含まれる。このテーブルでは、例えば車速パルス信号のパルス間隔と車速とが対応付けられている。なお、メモリ43は、例えばEEPROMである。
【0067】
CPU42は、コネクタ61、62と接続されている。コネクタ61は、位置情報が伝送される信号線76の一端と接続される。コネクタ62は、ETC情報が伝送される信号線77の一端と接続される。コネクタ61、62を介して位置情報信号及びETC情報信号がCPU42に入力される。コネクタ61は、第3信号入力部に相当する。コネクタ62は、第4信号入力部に相当する。
【0068】
CPU42は、算出した車速及び回転数に、位置情報、時刻情報、及び車両IDを対応付けて出力する。車両IDとは、複数の車両10を個別に識別するための識別IDであり、例えば、デジタルタコメータ20を車両10に設置する際に、作業者によってメモリ43に入力される。なお、1つの車両10を複数人で使用する場合には、車両IDとは別に、使用者(運転手)を識別するための識別IDが設定されていてもよい。例えば、運転者は、運転を開始する前に、自己に割り振られた識別IDを端末からデジタルタコグラフ20に入力する。
【0069】
また、CPU42は、ETC情報があれば、算出した車速及び回転数とともに、ETC情報を出力する。ETC情報とは、ETCの利用料金、利用日時、利用区間などを示す情報である。
【0070】
CPU42の出力端は、コネクタ60と接続されている。コネクタ60は、信号線75の一端と接続されている。信号線75の他端は、送受信器13と接続されている。CPU42からの出力信号は、コネクタ60及び信号線75を介して送受信機13へ伝送され、送受信機13から車両10外へ、運行管理情報として送信される。
【0071】
車両10から送信された運行管理情報は、管理サーバ12に入力される。管理サーバ12にインストールされた管理ソフトは、運行管理情報をメモリに保存し、また、車両10の現在位置や移動軌跡などを地図上に表示する。
【0073】
表1は、本実施例のデジタルタコグラフ20の主要な部品の仕様を示す表である。なお、表中のラズベリーパイ2(RASPBERRY Pi2)は、CPU42とメモリ43とを一体に有する。また、インターフェースユニット30とCPUユニット41との接続に、ヒロセ電機(商標)社製のHIF3BAが用いられている。表1に示される仕様
のインターフェースユニット30を用いて、車速パルス信号及び回転パルス信号の波形整形を行った。
【表1】
【0074】
図5は、本実施例のインターフェースユニット30による波形整形を行う前の車速パルス信号の波形例であり、比較的波形の悪い方の例である。
図6は、本実施例のインターフェースユニット30による波形整形を行う前の車速パルス信号の波形例であり、比較的波形の良い方の例である。
【0075】
図5に示される波形例1を、本実施例のインターフェースユニット30に入力し、波形整形を行った。本実施例のインターフェースユニット30による波形整形後の波形を
図7及び
図8に示す。なお、
図8に示される波形は、
図7に示される波形の拡大図である。
【0076】
図8に示されるように、本実施例のインターフェースユニット30による波形整形を行うことにより、CPU(ラズベリーパイ2)42に入力可能な矩形波(方形波)を得ることができた。本実施例のインターフェースユニット30による波形整形後の車速パルス信号、及び回転パルス信号をCPU42に入力し、車速情報、及び回転情報を得ることができた。なお、
図6に示される波形例2について、波形例1と同様に、CPU42に入力可能な矩形波を得ることができた。整形後の波形は、
図7及び
図8の波形とほぼ同じであることより、図示は省略されている。
【0077】
得られた車速情報、及び回転情報を送受信機13(
図1)により車両10外へ送信し、管理サーバ12で受信した。
図9、
図10は、得られた車速情報や位置情報等を基に、車両10の現在位置、及び移動軌跡を地図上に表示した画像である。
図9、
図10に示されるように、車両10の運行管理を実際に行うことができた。すなわち、運行管理システムを構築可能なデジタルタコグラフ20を得ることができた。
【0079】
上述の実施形態では、シュミット回路33、36を用いた例が説明されたが、シュミット回路33、36に代えて、コンパレータ(整形回路の一例)や、ロジックIC(整形回路の一例)が用いられてもよい。
【0080】
なお、本実施例のインターフェースユニット30の開発に先立ち、クランプ回路31、34の代わりに、入出力トレラント機能のあるロジックICを用いて車速パルス信号、及び回転パルス信号の波形整形を行った。その結果、CPU42に入力可能な矩形波を得ることはできなかった。すなわち、ロジックICなどでは、
図5に示されるような波形を、CPU42に入力できるようなきれいな矩形波にすることはできなかった。この結果を踏まえて、本発明のインターフェースユニット30の開発が、試行錯誤を繰り返しながら行われた。
【解決手段】車両用インターフェースユニットは、車速パルス信号が入力されるクランプ回路31と、クランプ回路31の出力側に接続されたCR回路32と、CR回路32の出力側に接続されたシュミット回路33とを備える。クランプ回路31は、カソードがコネクタ51(信号入力側)に接続されたダイオードD1と、このダイオードD1のアノードに一端が接続され、他端が定電圧V1に接続された抵抗R1とを有する。CR回路32は、一端がダイオードD1のアノードに接続された抵抗R2と、抵抗R2の他端に一端が接続され、他端が接地されたコンデンサC1とを備える。シュミット回路33は、2個のシュミット回路IC1、IC2を備える。