(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第2遊星ギヤセットはダブルピニオン遊星ギヤセットであり、第3遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第4遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであることを特徴とする、請求項2に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
第1遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第2遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第3遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第4遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであることを特徴とする、請求項6に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
第1遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第2遊星ギヤセットはダブルピニオン遊星ギヤセットであり、複合遊星ギヤセットは、シングルピニオン遊星ギヤセットからなる第3遊星ギヤセットと、ダブルピニオン遊星ギヤセットからなる第4遊星ギヤセットとの組み合わせからなることを特徴とする、請求項6に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【背景技術】
【0002】
通常、自動変速機の遊星ギヤトレインは、複数の遊星ギヤセットの組み合わせによって具現され、トルクコンバータから伝達される回転動力を多段に自動変速して出力軸に伝達する機能を有する。
【0003】
このような自動変速機の遊星ギヤトレインは、変速段が多いほど、より適切な変速比の設計が可能であるだけでなく、動力性能および燃費面に優れた車両を実現することができるので、より多い変速段を実現するための粘り強い研究が行われている。
【0004】
前記遊星ギヤトレインは、同一の変速段を実現しても、回転要素(サンギヤ、遊星キャリア、リングギヤ)の連結構成によって相異なる作動メカニズムを有する。
【0005】
また、遊星ギヤトレインは、その連結構成によって耐久性、動力伝達効率、サイズなどが異なる特性がある。そこで、自動変速機の分野ではより堅固で、動力の損失がなくて、コンパクトな遊星ギヤトレインを製作するために研究開発が続いている。
【0006】
また、遊星ギヤトレインは多数の変速段を実現するが、隣接する変速段への順次変速時、一つの摩擦部材を解除して他の一つの摩擦部材を作動することによって変速の制御が容易になる。
【0007】
そして、遊星ギヤトレインは、隣接する変速段間の段間比が適切な水準に具現されなければならない。
【0008】
このような側面から、現在、通常に使用されている自動変速機は4速および5速自動変速機が主流をなしているが、最近は6速自動変速機が商用化される傾向にあり、それ以上の変速段(8速乃至10速)を実現できる遊星ギヤトレインの研究開発も活発に行われている。
【0009】
特許文献1には、4個の単純遊星ギヤセットと、7個の摩擦部材(クラッチ4個、ブレーキ3個)を利用して、前進9速および後進3速を実現する遊星ギヤトレインが開示されている。しかし、特許文献1によれば、4個の単純遊星ギヤセットと7個の摩擦部材を使用するので、重量が大きく全長が長くなり搭載性に劣る問題点がある。
【0010】
また、7個の摩擦部材を適用することによって、これらを制御する油圧制御システムの構成が複雑となる問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、複数の遊星ギヤセットと複数の摩擦部材の組み合わせによって摩擦部材の作動条件および段間比に優れた前進9速および後進1速の変速段を実現して、動力伝達性能を向上させ、燃費を低減できる車両用自動変速機の遊星ギヤトレインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するための本発明の一つまたは多数の実施例による車両用自動変速機の遊星ギヤトレインは、エンジンの回転動力が伝達される入力軸、変速された回転動力を出力する出力軸、前記入力軸から入力される回転速度利用して常時逆回転速度を出力する第1遊星ギヤセット、前記第1遊星ギヤセットから入力される逆回転速度をそのまま出力するか、または正回転動力に転換して出力する第2遊星ギヤセット、第3、4遊星ギヤセットの組み合わせからなり、前記入力軸から2個の経路を通して選択的に入力される回転速度と、前記第2遊星ギヤセットから入力される回転速度を、前進9速および後進1速に変速して出力する複合遊星ギヤセット、前記第1、2遊星ギヤセットおよび複合遊星ギヤセットの各回転要素のうちの2個以上の回転要素を連結してなるか、または1個の回転要素からなる8個の回転メンバー、および前記8個の回転メンバーのうち選択された回転メンバーと前記入力軸の間、または選択された回転メンバーの間に介されるクラッチと、前記回転メンバーのうち選択された回転メンバーと変速機ハウジングの間に介されるブレーキからなる6個の摩擦部材、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の様態によれば、エンジンの回転動力が伝達される入力軸、変速された回転動力を出力する出力軸、第1サンギヤ、第1遊星キャリア、および第1リングギヤを保有する第1遊星ギヤセット、第2サンギヤ、第2遊星キャリア、および第2リングギヤを保有する第2遊星ギヤセット、第3サンギヤ、第3遊星キャリア、および第3リングギヤを保有する第3遊星ギヤセットと、第4サンギヤ、第4遊星キャリア、および第4リングギヤを保有する第4遊星ギヤセットの組み合わせからなる複合遊星ギヤセット、前記第1サンギヤを含んで構成され、入力軸と直接連結される第1回転メンバー、前記第1遊星キャリアを含んで構成され、変速機ハウジングと直接連結される第2回転メンバー、前記第1リングギヤと第2遊星キャリアを含んで構成される第3回転メンバー、前記第2サンギヤと第3サンギヤを含んで構成される第4回転メンバー、前記第2リングギヤを含んで構成され、変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転メンバー、前記第3遊星キャリアと第4リングギヤを含んで構成され、入力軸と変速機ハウジングに選択的に連結される第6回転メンバー、前記第3リングギヤと第4遊星キャリアを含んで構成され、前記出力軸と直接連結される第7回転メンバー、前記第4サンギヤを含んで構成され、前記入力軸と選択的に連結される第8回転メンバー、および前記8個の回転メンバーのうち選択された回転メンバーと前記入力軸の間、または選択された回転メンバーの間に介されるクラッチと、前記回転メンバーのうち選択された回転メンバーと変速機ハウジングの間に介されるブレーキからなる6個の摩擦部材、を含むことを特徴とする。
【0015】
一つまたは多数の実施例において、第1遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第2遊星ギヤセットはダブルピニオン遊星ギヤセットであり、第3遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第4遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであることを特徴とする。
【0016】
一つまたは多数の実施例において、前記6個の摩擦部材は、前記入力軸と第8回転メンバーの間に介される第1クラッチ、前記入力軸と第6回転メンバーの間に介される第2クラッチ、前記第3回転メンバーと第4回転メンバーの間に介される第3クラッチ、前記第5回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第1ブレーキ、前記第6回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第2ブレーキ、および前記第4回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第3ブレーキからなることを特徴とする。
【0017】
一つまたは多数の実施例において、前記多段変速段は、前記第3クラッチと第2ブレーキが同時作動して具現される前進1速変速段、前記第1クラッチと第2ブレーキが同時作動して具現される前進2速変速段、前記第1クラッチと第3クラッチが同時作動して具現される前進3速変速段、前記第1クラッチと第3ブレーキが同時作動して具現される前進4速変速段、前記第1クラッチと第1ブレーキが同時作動して具現される前進5速変速段、前記第1クラッチと第2クラッチが同時作動して具現される前進6速変速段、前記第2クラッチと第1ブレーキが同時作動して具現される前進7速変速段、前記第2クラッチと第3ブレーキが同時作動して具現される前進8速変速段、前記第2クラッチと第3クラッチが同時作動して具現される前進9速変速段、および前記第1ブレーキと第2ブレーキが同時作動して具現される後進変速段からなることを特徴とする。
【0018】
本発明の他の様態によれば、エンジンの回転動力が伝達される入力軸、変速された回転動力を出力する出力軸、第1サンギヤ、第1遊星キャリア、および第1リングギヤを保有する第1遊星ギヤセット、第2サンギヤ、第2遊星キャリア、および第2リングギヤを保有する第2遊星ギヤセット、第3サンギヤ、第3遊星キャリア、および第3リングギヤを保有する第3遊星ギヤセットと、第4サンギヤ、第4遊星キャリア、および第4リングギヤを保有する第4遊星ギヤセットとの組み合わせからなる複合遊星ギヤセット、前記第1サンギヤを含んで構成され、入力軸と直接連結される第1回転メンバー、前記第1遊星キャリアを含んで構成され、変速機ハウジングと直接連結される第2回転メンバー、前記第1リングギヤと第2リングギヤを含んで構成される第3回転メンバー、前記第2サンギヤと第3サンギヤを含んで構成される第4回転メンバー、前記第2遊星キャリアを含んで構成され、変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転メンバー、前記第3遊星キャリアと第4リングギヤを含んで構成され、入力軸と変速機ハウジングに選択的に連結される第6回転メンバー、前記第3リングギヤと第4遊星キャリアを含んで構成され、前記出力軸と直接連結される第7回転メンバー、前記第4サンギヤを含んで構成され、前記入力軸と選択的に連結される第8回転メンバー、前記8個の回転メンバーのうち選択された回転メンバーと前記入力軸の間、または回転メンバーの間に介されるクラッチと、前記回転メンバーのうち選択された回転メンバーと変速機ハウジングの間に介されるブレーキからなる6個の摩擦部材を含むことを特徴とする。
【0019】
一つまたは多数の実施例において、第1遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第2遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第3遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第4遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであることを特徴とする。
【0020】
一つまたは多数の実施例において、前記6個の摩擦部材は、前記入力軸と第8回転メンバーの間に介される第1クラッチ、前記入力軸と第6回転メンバーの間に介される第2クラッチ、前記第3回転メンバーと第4回転メンバーの間に介される第3クラッチ、前記第5回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第1ブレーキ、前記第6回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第2ブレーキ、および前記第4回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第3ブレーキからなることを特徴とする。
【0021】
本発明の他の様態によれば、エンジンの回転動力が伝達される入力軸、変速された回転動力を出力する出力軸、第1サンギヤ、第1遊星キャリア、および第1リングギヤを保有する第1遊星ギヤセット、第2サンギヤ、第2遊星キャリア、および第2リングギヤを保有する第2遊星ギヤセット、第3サンギヤ、第4サンギヤ、共有遊星キャリア、および共有リングギヤを保有する複合遊星ギヤセット、前記第1サンギヤを含んで構成され、入力軸と直接連結される第1回転メンバー、前記第1遊星キャリアを含んで構成され、変速機ハウジングと直接連結される第2回転メンバー、前記第1リングギヤと第2遊星キャリアを含んで構成される第3回転メンバー、前記第2サンギヤと第3サンギヤを含んで構成される第4回転メンバー、前記第2リングギヤを含んで構成され、変速機ハウジングと選択的に連結される第5回転メンバー、前記共有遊星キャリアを含んで構成され、前記入力軸と可変連結されるか、または変速機ハウジングと可変連結される第6回転メンバー、前記共有リングギヤを含んで構成され、前記出力軸と直接連結される第7回転メンバー、前記第4サンギヤを含んで構成され、前記入力軸と可変連結される第8回転メンバー、前記8個の回転メンバーのうち選択された回転メンバーと前記入力軸の間、または選択された回転メンバーの間に介されるクラッチと、前記回転メンバーのうち選択された回転メンバーと変速機ハウジングの間に介されるブレーキからなる6個の摩擦部材を含むことを特徴とする。
【0022】
一つまたは多数の実施例において、第1遊星ギヤセットはシングルピニオン遊星ギヤセットであり、第2遊星ギヤセットはダブルピニオン遊星ギヤセットであり、複合遊星ギヤセットは、シングルピニオン遊星ギヤセットからなる第3遊星ギヤセットと、ダブルピニオン遊星ギヤセットからなる第4遊星ギヤセットとの組み合わせからなることを特徴とする。
【0023】
前記6個の摩擦部材は、前記入力軸と第6回転メンバーの間に介される第1クラッチ、前記入力軸と第8回転メンバーの間に介される第2クラッチ、前記第3回転メンバーと第4回転メンバーの間に介される第3クラッチ、前記第5回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第1ブレーキ、前記第6回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第2ブレーキ、および前記第4回転メンバーと変速機ハウジングの間に介される第3ブレーキからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例は、4個の遊星ギヤセットを6個の摩擦部材を利用して組み合わせ、各変速段で選択された2個の摩擦部材が作動して、前進9速および後進1速の変速段を実現できる。
【0025】
また、6個の摩擦部材だけを適用するので、これらを制御する油圧制御システムの単純化が可能で、コスト、重量、及び搭載性に優れている。
【0026】
また、順次変速が行われる時、一つの摩擦部材の作動を解除して、他の一つの摩擦部材を作動させるので、変速の制御が容易である。
【0027】
さらに、車両動力性能で要求される変速比特性および低速段/高速段における隣接する変速段間の段間比がほぼ均一である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
但し、本発明の実施例を明確に示すために説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の図面符号を付ける。
下記の説明において、構成の名称を第1、2などに区分したことはその構成の名称が同一でこれを区分するためであり必ずしもその順序に限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの構成図であり、
図2は、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの連結関係図である。
【0032】
図1と
図2を参照すれば、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、同一軸線上に配置される第1、2、3、4遊星ギヤセット(PG1、PG2、PG3、PG4)と、入力軸(IS)と、出力軸(OS)と、前記第1、2、3、4遊星ギヤセット(PG1、PG2、PG3、PG4)の回転要素を相互直接連結するか、または選択的に連結して形成される8個の回転メンバー(TM1〜TM8)と、6個の摩擦部材(C1〜C3、B1〜B3)と、変速機ハウジング(H)とを含む。
【0033】
前記第1、2遊星ギヤセット(PG1、PG2)はそれぞれ独立的な遊星ギヤセットとして作動し、前記第3、4遊星ギヤセット(PG3、PG4)はそれぞれ2個の回転要素が互いに固定連結されて、一つの複合遊星ギヤセット(Compound Planetary Gear Set、CPG))として作動する。
【0034】
そのために、入力軸(IS)から入力される回転動力が、前記第1、2遊星ギヤセット(PG1、PG2)と複合遊星ギヤセット(CPG)の相互補完作動により変速されて、出力軸(OS)を通じて出力される。
【0035】
また、前記各遊星ギヤセットはエンジン側から後側に第1、2遊星ギヤセット(PG1、PG2)と複合遊星ギヤセット(CPG)の順で配置される。
【0036】
前記入力軸(IS)は入力部材であって、エンジンのクランクシャフトの回転動力がトルクコンバータを通じてトルク変換が行われて入力される。
【0037】
前記出力軸(OS)は出力部材であって、差動装置(図示せず)を通じて駆動輪を駆動するように駆動力を伝達する。
【0038】
前記第1遊星ギヤセット(PG1)はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第1サンギヤ(S1)と、第1リングギヤ(R1)と、前記第1サンギヤ(S1)と前記第1リングギヤ(R1)に噛み合わせる第1ピニオン(P1)を回転可能に支持する第1遊星キャリア(PC1)とを含む。
【0039】
前記第2遊星ギヤセット(PG2)はダブルピニオン遊星ギヤセットであって、第2サンギヤ(S2)と、第2リングギヤ(R2)と、前記第2サンギヤ(S2)と前記第2リングギヤ(R2)に噛み合わせる一対の第2ピニオン(P2)を回転可能に支持する第2遊星キャリア(PC2)とを含む。
【0040】
前記第3遊星ギヤセット(PG3)はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第3サンギヤ(S3)と、第3リングギヤ(R3)と、前記第3サンギヤ(S3)と前記第3リングギヤ(R3)に噛み合わせる第3ピニオン(P3)を回転可能に支持する第3遊星キャリア(PC3)とを含む。
【0041】
前記第4遊星ギヤセット(PG4)はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第4サンギヤ(S4)と、第4リングギヤ(R4)と、前記第4サンギヤ(S4)と前記第4リングギヤ(R4)に噛み合わせる第4ピニオン(P4)を回転可能に支持する第4遊星キャリア(PC4)とを含む。
【0042】
前記第1、2遊星ギヤセット(PG1、PG2)および複合遊星ギヤセット(CPG)を形成する第3、4遊星ギヤセット(PG3、PG4)の少なくとも一つ以上の回転要素は、互いに直接連結される。
【0043】
具体的には、前記第1遊星ギヤセット(PG1)の第1リングギヤ(R1)が、第2遊星ギヤセット(PG2)の第2遊星キャリア(PC2)と直接連結される。
【0044】
前記第2遊星ギヤセット(PG2)の第2サンギヤ(S2)が、第3遊星ギヤセット(PG3)の第3サンギヤ(S3)と直接連結される。
【0045】
前記第3遊星ギヤセット(PG3)の第3リングギヤ(R3)が、第4遊星ギヤセット(PG4)の第4遊星キャリア(PC4)と直接連結され、前記第3遊星ギヤセット(PG3)の前記第3遊星キャリア(PC3)が、第4遊星ギヤセット(PG4)の第4リングギヤ(R4と)直接連結される。
【0046】
そのために、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、8個の回転メンバー(TM1〜TM8)を保有して作動する。
【0047】
前記第1回転メンバー(TM1)は第1サンギヤ(S1)を含んで構成され、入力軸(IS)と連結されて、常時入力要素として作動する。
前記第2回転メンバー(TM2)は第1遊星キャリア(PC1)を含んで構成され、変速機ハウジング(H)と直接連結されて、常時固定要素として作動する。
前記第3回転メンバー(TM3)は第1リングギヤ(R1)と第2遊星キャリア(PC2)を含んで構成され、第1遊星ギヤセット(PG1)の出力要素として作動すると同時に、第2遊星ギヤセット(PG2)の入力要素として作動する。
前記第4回転メンバー(TM4)は第2サンギヤ(S2)と第3サンギヤ(S3)を含んで構成され、前記第3回転メンバー(TM3)と選択的に連結されて、複合遊星ギヤセット(CPG)の選択的な入力要素として作動するか、または変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第5回転メンバー(TM5)は第2リングギヤ(R2)を含んで構成され、前記変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第6回転メンバー(TM6)は第3遊星キャリア(PC3)と第4リングギヤ(R4)を含んで構成され、前記入力軸(IS)と選択的に連結されて、選択的な入力要素として作動するか、または、変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第7回転メンバー(TM7)は第3リングギヤ(R3)と第4遊星キャリア(PC4)を含んで構成され、前記出力軸(OS)と直接連結されて、最終出力要素として作動する。
前記第8回転メンバー(TM8)は第4サンギヤ(S4)を含んで構成され、前記入力軸(IS)と選択的に連結されて、選択的な入力要素として作動する。
【0048】
前記回転メンバー(TM1〜TM8)のうち相互選択的に連結される回転メンバーは、その間にクラッチ(C1、C2、C3)が介される。
【0049】
また、前記回転メンバー(TM1〜TM8)のうち選択的な固定要素として作動する回転メンバーは、変速機ハウジング(H)にブレーキ(B1、B2、B3)を介在して連結される。
【0050】
前記第1クラッチ(C1)は、入力軸(IS)と第8回転メンバー(TM8)の間に介されて、第8回転メンバー(TM8)が選択的な入力要素として作動できるようにする。
前記第2クラッチ(C2)は、入力軸(IS)と第6回転メンバー(TM6)の間に介されて、第6回転メンバー(TM6)が選択的な入力要素として作動できるようにする。
前記第3クラッチ(C3)は、第3回転メンバー(TM3)と第4回転メンバー(TM4)の間に介されて、第2遊星ギヤセット(PG2)を直結させると同時に、第2遊星ギヤセット(PG2)の回転動力が第4回転メンバー(TM4)に入力できるようにする。
【0051】
前記第1ブレーキ(B1)は、第5回転メンバー(TM5)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、第5回転メンバー(TM5)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
前記第2ブレーキ(B2)は、第6回転メンバー(TM6)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、第6回転メンバー(TM6)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
前記第3ブレーキ(B3)は、第4回転メンバー(TM4)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、第4回転メンバー(TM4)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
【0052】
前記で第1、2、3クラッチ(C1、C2、C3)と第1、2、3ブレーキ(B1、B2、B3)からなる各摩擦部材は、油圧によって摩擦結合される多板式油圧摩擦結合ユニットで形成することができる。
【0053】
図3は、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインに適用される各摩擦部材の各変速段別作動表である。
図3を参照すれば、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、各変速段で2個の摩擦部材が作動しながら変速が行われる。
【0054】
前進1速変速段(D1)は、第3クラッチ(C3)と第2ブレーキ(B2)の同時作動によって達成される。
前進2速変速段(D2)は、第1クラッチ(C1)と第2ブレーキ(B2)の同時作動によって達成される。
前進3速変速段(D3)は、第1クラッチ(C1)と第3クラッチ(C3)の同時作動によって達成される。
前進4速変速段(D4)は、第1クラッチ(C1)と第3ブレーキ(B3)の同時作動によって達成される。
前進5速変速段(D5)は、第1クラッチ(C1)と第1ブレーキ(B1)の同時作動によって達成される。
前進6速変速段(D6)は、第1クラッチ(C1)と第2クラッチ(C2)の同時作動によって達成される。
前進7速変速段(D7)は、第2クラッチ(C2)と第1ブレーキ(B1)の同時作動によって達成される。
前進8速変速段(D8)は、第2クラッチ(C2)と第3ブレーキ(B3)の同時作動によって達成される。
前進9速変速段(D9)は、第2クラッチ(C2)と第3クラッチ(C3)の同時作動によって達成される。
後進変速段(REV)は、第1ブレーキ(B1)と第2ブレーキ(B2)の同時作動によって達成される。
【0055】
第1遊星ギヤセット(PG1)は第1回転メンバー(TM1)で、入力軸(IS)の回転速度が入力されている状態で、第2回転メンバー(TM2)が常時固定要素として作動するようになるので、常時逆回転速度が出力される。
【0056】
前記第2遊星ギヤセット(PG2)は、前記第1遊星ギヤセット(PG1)から入力される逆回転速度をそのまま出力するか、または前記逆回転速度を正回転速度に転換して出力する。
【0057】
前記複合遊星ギヤセット(CPG)は、前記第2遊星ギヤセット(PG2)から入力される正回転および逆回転速度と、2個の経路(TM6、TM8)を通して入力される入力軸(IS)の回転速度を、前進9速と後進1速の変速段に変速して出力する。
【0058】
本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、4個の遊星ギヤセットを6個の摩擦部材を利用して組み合わせ、各変速段で選択された2個の摩擦部材が作動して、前進9速および後進1速の変速段を実現できる。
【0059】
また、6個の摩擦部材だけを適用するので、これらを制御する油圧制御システムの単純化が可能で、コスト、重量、および搭載性に優れている特徴がある。
【0060】
そして、順次変速が行われる時、一つの摩擦部材の作動を解除して、他の一つの摩擦部材を作動させる方法で制御が行われるので変速の制御が容易である特徴がある。
【0061】
また、車両動力性能で要求する変速比特性および低速段/高速段における隣接する変速段間の段間比が、
図3に示したように、ほぼ均一であるという特徴がある。
【0062】
図4は、本発明の第2実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
【0063】
図4を参照すれば、前記第1実施例では第2遊星ギヤセット(PG2)をダブルピニオン遊星ギヤセットで構成しているが、第2実施例ではシングルピニオン遊星ギヤセットで構成している。
【0064】
そのために、回転メンバーの構成が変化する。
即ち、第1回転メンバー(TM1)は第1サンギヤ(S1)を含んで構成され、入力軸(IS)と連結されて、常時入力要素として作動する。
前記第2回転メンバー(TM2)は、第1遊星キャリア(PC1)を含んで構成され、変速機ハウジング(H)と直接連結されて、常時固定要素として作動する。
前記第3回転メンバー(TM3)は第1リングギヤ(R1)と第2リングギヤ(R2)を含んで構成され、第1遊星ギヤセット(PG1)の出力要素として作動すると同時に、第2遊星ギヤセット(PG2)の入力要素として作動する。
前記第4回転メンバー(TM4)は第2サンギヤ(S2)と第3サンギヤ(S3)を含んで構成され、前記第3回転メンバー(TM3)と選択的に連結されて、複合遊星ギヤセット(CPG)の選択的な入力要素として作動するか、または変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第5回転メンバー(TM5)は第2遊星キャリア(PC2)を含んで構成され、変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第6回転メンバー(TM6)は第3遊星キャリア(PC3)と第4リングギヤ(R4)を含んで構成され、前記入力軸(IS)と選択的に連結されて、選択的な入力要素として作動するか、または変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第7回転メンバー(TM7)は第3リングギヤ(R3)と第4遊星キャリア(PC4)を含んで構成され、前記出力軸(OS)と直接連結されて、最終出力要素として作動する。
前記第8回転メンバー(TM8)は第4サンギヤ(S4)を含んで構成され、前記入力軸(IS)と選択的に連結されて、選択的な入力要素として作動する。
【0065】
前記回転メンバー(TM1〜TM8)のうち相互選択的に連結される回転メンバーは、その間にクラッチ(C1、C2、C3)が介される。
【0066】
また、前記回転メンバー(TM1〜TM8)のうち選択的な固定要素として作動する回転メンバーは、変速機ハウジング(H)にブレーキ(B1、B2、B3)を介在して連結される。
【0067】
前記第1クラッチ(C1)は、入力軸(IS)と第8回転メンバー(TM8)の間に介されて、第8回転メンバー(TM8)が選択的な入力要素として作動できるようにする。
前記第2クラッチ(C2)は、入力軸(IS)と第6回転メンバー(TM6)の間に介されて、第6回転メンバー(TM6)が選択的な入力要素として作動できるようにする。
前記第3クラッチ(C3)は、第3回転メンバー(TM3)と第4回転メンバー(TM4)の間に介されて、第2遊星ギヤセット(PG2)を直結させると同時に、第2遊星ギヤセット(PG2)の回転動力が第4回転メンバー(TM4)に入力されるようにする。
【0068】
前記第1ブレーキ(B1)は、第5回転メンバー(TM5)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、第5回転メンバー(TM5)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
前記第2ブレーキ(B2)は、前記第6回転メンバー(TM6)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、前記第6回転メンバー(TM6)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
前記第3ブレーキ(B3)は、前記第4回転メンバー(TM4)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、前記第4回転メンバー(TM4)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
【0069】
本発明の第2実施例による遊星ギヤトレインは、第3回転メンバー(TM3)と第5回転メンバー(TM5)が第1実施例とは異なるが、各変速段における摩擦部材の作動と変速過程が第1実施例と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0070】
図5は、本発明の第3実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
【0071】
図5を参照すれば、前記第1実施例では複合遊星ギヤセット(CPG)が2個のシングルピニオン遊星ギヤセットで構成されるが、第3実施例ではラビニヨ型複合遊星ギヤセットで構成される。
【0072】
即ち、第3実施例に適用される複合遊星ギヤセット(CPG)は、シングルピニオン遊星ギヤセットである第3遊星ギヤセット(PG3)と、ダブルピニオン遊星ギヤセットである第4遊星ギヤセット(PG4)とを組み合わせるが、リングギヤと遊星キャリアを共有するラビニヨ型複合遊星ギヤセットで構成される。
【0073】
そのために、リングギヤ、遊星キャリア、および2個のサンギヤを含んで4個の回転要素として作動するが、説明の便宜上、前記リングギヤを共有リングギヤ(R34)、遊星キャリアを共有遊星キャリア(PC34)、ロングピニオン(P3)と噛み合わせるサンギヤを第3サンギヤ(S3)、ショットピニオン(P4)と噛み合わせるサンギヤを第4サンギヤ(S4)と称する。
【0074】
前記複合遊星ギヤセット(CPG)は第4、6、7、8回転メンバー(TM4、TM6、TM7、TM8)を保有する。
【0075】
そのために、回転メンバーの構成が変化する。
即ち、第1回転メンバー(TM1)は第1サンギヤ(S1)を含んで構成され、入力軸(IS)と連結されて、常時入力要素として作動する。
前記第2回転メンバー(TM2)は第1遊星キャリア(PC1)を含んで構成され、変速機ハウジング(H)と直接連結されて、常時固定要素として作動する。
前記第3回転メンバー(TM3)は第1リングギヤ(R1)と第2遊星キャリア(PC2)を含んで構成され、第1遊星ギヤセット(PG1)の出力要素として作動すると同時に、第2遊星ギヤセット(PG2)の入力要素として作動する。
前記第4回転メンバー(TM4)は第2サンギヤ(S2)と第3サンギヤ(S3)を含んで構成される。
前記第5回転要素(TM5)は第2リングギヤ(R2)を含んで構成され、前記変速機ハウジング(H)と選択的に連結されて、選択的な固定要素として作動する。
前記第6回転メンバー(TM6)は共有遊星キャリア(PC34)を含んで構成され、入力軸(IS)と選択的に連結されるか、または変速機ハウジング(H)と選択的に連結される。
前記第7回転メンバー(TM7)は共有リングギヤ(R34を含んで構成され、出力軸(OS)と直接連結される。
前記第8回転メンバー(TM8)は第4サンギヤ(S4)を含んで構成され、入力軸(IS)と第2クラッチ(C2)を介在して連結される。
【0076】
前記回転メンバー(TM1〜TM8)のうち相互選択的に連結される回転メンバーは、その間にクラッチ(C1、C2、C3)が介される。
【0077】
また、前記回転メンバー(TM1〜TM8)のうち選択的な固定要素として作動する回転メンバーは、変速機ハウジング(H)にブレーキ(B1、B2、B3)を介在して連結される。
【0078】
前記第1クラッチ(C1)は、入力軸(IS)と第6回転メンバー(TM6)の間に介されて、第6回転メンバー(TM6)が選択的な入力要素として作動できるようにする。
前記第2クラッチ(C2)は、入力軸(IS)と第8回転メンバー(TM8)の間に介されて、第8回転メンバー(TM8)が選択的な入力要素として作動できるようにする。
前記第3クラッチ(C3)は、第3回転メンバー(TM3)と第4回転メンバー(TM4)の間に介されて、第2遊星ギヤセット(PG2)を直結させると同時に、第2遊星ギヤセット(PG2)の回転動力が第4回転メンバー(TM4)に入力できるようにする。
【0079】
前記第1ブレーキ(B1)は、第5回転メンバー(TM5)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、第5回転メンバー(TM5)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
前記第2ブレーキ(B2)は、前記第6回転メンバー(TM6)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、前記第6回転メンバー(TM6)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
前記第3ブレーキ(B3)は、前記第4回転メンバー(TM4)と変速機ハウジング(H)の間に介されて、前記第4回転メンバー(TM4)が選択的な固定要素として作動できるようにする。
【0080】
本発明の第3実施例による遊星ギヤトレインは、第6回転メンバー(TM6)と第7回転メンバー(TM7)および第1クラッチ(C1)と第2クラッチ(C2)の位置が第1実施例とは異なるが、各変速段における摩擦部材の作動と変速過程が第1実施例と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0081】
本発明の実施例は、4個の遊星ギヤセットを6個の摩擦部材を利用して組み合わせて、各変速段で選択された2個の摩擦部材が作動しながら、前進9速および後進1速の変速段を実現できる。
【0082】
また、6個の摩擦部材だけを適用するので、これらを制御する油圧制御システムの単純化が可能で、コスト、重量、及び搭載性に優れている。
【0083】
そして、順次変速が行われる時、一つの摩擦部材の作動を解除して他の一つの摩擦部材を作動させるので変速の制御が容易である。
【0084】
また、車両動力性能で要求する変速比特性および低速段/高速段における隣接する変速段間の段間比がほぼ均一になる。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されず、本発明の実施例から当該発明が属する技術分野における当業者によって技術的範囲内において容易に変更が可能である。