(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲートサーバは、前記DICOM画像データの前記付帯情報に含まれる処理を行う処理サーバを指示する処理テーブルを有しこの処理テーブルに基づいて送信する前記処理サーバを選択することを特徴とする請求項1記載の医用画像伝送システム。
前記ゲートサーバは、前記処理サーバ毎にそのサーバが有する処理機能を記述した処理テーブルを有し、この処理テーブルにしたがって前記モダリティにより得られた画像を前記処理サーバに送信することを特徴とする請求項3記載の医用画像伝送システム。
前記ゲートサーバは、前記モダリティ毎にそのモダリティにより得られた医用画像になされる処理を記述する処理テーブルを有し、この処理テーブルにしたがって前記モダリティにより得られた画像を前記医用画像になされる処理を行う処理サーバに送信することを特徴とする請求項3記載の医用画像伝送システム。
前記モダリティは各々コンソールに接続され、このコンソールにおいて接続されるモダリティにより得られた前記医用画像になされる処理を作成し、この処理を付帯情報として前記モダリティに対応して前記ゲートサーバに送信することを特徴とする請求項6記載の医用画像伝送システム。
前記ゲートサーバは、前記DICOM画像データの前記付帯情報に含まれる処理を行う処理サーバを指示する処理テーブルを有し、この処理テーブルに基づいて前記モダリティにより得られた画像を前記処理サーバに送信することを特徴とする請求項8記載の医用画像伝送システムにおけるゲートサーバ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
図1に第1の実施形態の構成例を示す。この医用画像伝送システムは、2台のモダリティ11a,11bと、これらのモダリティに各々接続されるコンソール12a,12bと、これらのコンソールからの画像を受信するゲートサーバ13と、ゲートサーバ13から処理のためにDICOM画像データを送られる処理サーバ14a、サーバ14b、サーバ14cと、画像の送信を要求するクライアントPC15a,15bとを有しており、これらはネットワーク例えば病院内のイントラネット等のネットワーク16に接続されている。例えば、処理サーバ14aは後述するDICOM規格の付帯情報の付加及び削除を行うためのサーバであり、処理サーバ14bは付帯情報の削除及びCAD処理を行うためのサーバであり、処理サーバ14cは画像の前処理及びCAD処理を行うためのサーバである。
図1においては、モダリティを2台、処理サーバを3台、クライアントPCを2台示したが、実際にはこれらの台数以上あってもよいしこれらより少なくてもよい。
【0011】
モダリティ11aは例えばCT装置であり、モダリティ11bは例えばMRI装置である。これらのモダリティで撮像された医用画像は、モダリティ各々に接続されたコンソール12a,12bに送られ、更にゲートサーバ13に送られる。
【0012】
ゲートサーバ13では、例えば医用画像の標準規格であるDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)の規格に基づいて医用画像は記憶される。医用画像データそのものの他に、DICOMタグとしてモダリティに関する情報や検査に関する情報、処理に関する情報などの付帯情報が付加される。付帯情報は、モダリティにより、異なるデータもあるが、例えば、モダリティの識別に使われる機器ID、1件の検査毎に付される検査ID、検査を行った年月日及び時を表す検査時情報、頭部、腰部、胸部、足部など撮影した部位を示す撮影部位情報、画像などの処理の情報が含まれる。ここでは、医用画像そのものにこれらのDICOMタグに含まれる付帯情報を含めてDICOM画像データという。
【0013】
ゲートサーバ13ではDICOM画像データに変換されるので、モダリティ11a,11bでの記録、コンソールでの受信、送信では、上述の付帯情報などを付けることにより上記DICOM規格にできるだけ沿った形式で処理される。ここでは、コンソールからゲートサーバ13に送信される情報も、DICOM画像データ(又は略して画像データ)という。
【0014】
ゲートサーバ13の構成例を
図2に示し、CT装置であるモダリティ11aに接続されているコンソール12aの構成例を
図3に示す。
【0015】
ゲートサーバ13は、コンソール12aなどからのDICOM画像データを受信し、コンソール12a等に情報を送信するコンソール送受信部21と、受信したDICOM画像データ内の医用画像データを記憶する医用画像記憶部22と、DICOM画像データに含まれる付帯情報を解析する付帯情報解析部23と、医用画像の処理をどの処理サーバ14a,14b,14cで行うかを決める処理テーブルを作成し、記憶する処理テーブル作成記憶部24と、処理テーブルにしたがって画像データを各処理サーバ14a,14b,14cに送信し、これらの処理サーバから画像の処理完了などの制御信号を受信する処理サーバ送受信部25と、このゲートサーバ13内でデータの加工を行うデータ加工部26と、クライアントPC15a,15bからの画像送信などの要求を検知する要求検知部27と、ゲートサーバ13内における各段階の処理をログとして記憶するログ記憶部28と、ゲートサーバ13の各部を制御する全体制御部29とを有する。
【0016】
データ加工部26は、処理サーバ14a,14b,14cにDICOM画像データを送信し加工を行う前にクライアントPCから要求があったときに処理を行う、いわば過渡的処理部である。データ加工部26は、医用画像記憶部22に記憶されている画像につきコンピュータ支援診断(CAD:Computer-Aided Diagnosis)の処理を行うCAD部26aと、画像データの前処理を行う前処理部26bと、DICOM画像データに含まれる付帯情報の処理を行う付帯情報処理部26cを有する。
【0017】
コンピュータ支援診断(CAD)は、2次元や3次元の医用画像について自動的に病巣の候補の抽出や、関心対象の臓器を自動的に抽出することなどの処理を行うものである。
【0018】
例えば
図4に示す処理テーブル作成記憶部24は、ゲートサーバ13から送られてきた画像データを処理サーバ14a,14b,14cが行う処理を行う。
【0019】
例えば、処理サーバ14aは、ゲートサーバ13から送られてきたDICOM画像データの付帯情報を付加しあるいは削除する処理を行い、処理サーバ14bは、ゲートサーバ13から送られてきたDICOM画像データの付帯情報を削除した後CADで画像を処理し、処理サーバ14cはDICOM画像データに含まれる医用画像に前処理を行いCADで指示される処理を行う。各処理サーバにおいて所定の処理が終了すると、その旨の制御信号が全体制御部29に送られる。
【0020】
コンソール12aは、
図3に示すように、接続されているモダリティ11aにおいて撮像された医用画像を取得する撮影画像取得部31と、操作者が撮影画像に対する処理の指示を行う入力部32と、この入力部32から入力された画像処理に対する必要な指示をDICOM規格に準じて付帯情報として作成する必要処理生成部33と、撮像画像取得部31で得られた医用画像及び必要処理生成部33で作成された指示をDICOM規格に準じた画像データとしてゲートサーバ13に送信し、ゲートサーバ13から信号を受信するデータ送受信部34とを有する。
【0021】
次に、
図1ないし
図4を参照しながら、
図5に基づいてこの実施形態の動作を説明する。
図1に示すモダリティ11a,11bにおいて患者(被検体)に対する各種の撮像がなされ、医用画像が取得されて対応するコンソール12a,12bに送られる。
図5に示すように例えばコンソール12aで得られた医用画像及び付帯情報を含むDICOMに準じた画像データは、ステップS501でネットワーク16を介してゲートサーバ13に送られる。この送られてきた画像Aデータはコンソール送受信部21においてまず受信される。図示していないが、コンソール12bで得られたDICOM規格に準じた画像データも同様にゲートサーバ13に順次送られている。
【0022】
ステップS502ではゲートサーバ13に送られてきた画像Aデータを医用画像記憶部22に一時記憶する。ステップS503では付帯情報解析部23において医用画像記憶部22に一時記憶された画像Aデータから付帯情報を抽出し解析する。
【0023】
付帯情報の指示が、付帯情報の付加や削除であれば、ステップS504でDICOM画像Aデータが処理サーバ14aに送信される。次にステップS505でコンソールから画像Bデータがゲートサーバ13に送信されてきたとする。ゲートサーバ13はこの画像Bデータについても、ステップS506でゲートサーバ13の医用画像記憶部22に記憶する。記憶されたDICOM画像BデータはステップS507で付帯情報解析部23において、付帯情報が解析される。
【0024】
この途中の時点においてステップS508で、例えばクライアントPC15aから画像の前処理とCAD処理を行った画像Bの送信要求があったとする。この要求は要求検知部27において検知され割り込み処理がなされる。
【0025】
図4によれば、画像の前処理とCAD処理は本来処理サーバ14cにおいて行われる処理である。しかし、この時点ではDICOM画像Bデータがまだ処理サーバ14cに送られておらず、処理サーバ14cで処理を行うことができない。
【0026】
このように処理サーバ14cでDICOM画像Bデータに所定の処理を行って送信可能な状態になっていない場合には、ゲートサーバ13では、全体制御部29の制御の下でデータ加工部26において画像Bの前処理及びCADを行う(ステップS509)。具体的には、DICOM画像Bデータを医用画像記憶部22から読み出す。そして、ネットワーク16を介してデータ加工部26の前処理部26bに送り画像Bについて後のCADの前処理を行う。その後、前処理された画像Bは、CAD部26aに送られて、CAD処理がされる。
図5には示していないが、CAD処理が終了するとその旨の制御信号が全体制御部29に送られる。
【0027】
CAD処理がされた画像BのDICOM画像Bデータは、ステップS510でクライアントPC15aに送信される。
【0028】
そしてその後、割り込み処理を完了し通常のルーチンに戻り、ステップS511で処理サーバ送受信部25を介して、DICOM画像Bデータが処理サーバ14cに送信される。処理サーバ14cで前処理とCAD処理がなされた後、その処理がなされたことが全体制御部29に通知される。
【0029】
次にコンソールからDICOM規格に準じた画像Cデータがゲートサーバ13に送られてくると(ステップS512)、ゲートサーバ13のコンソール送受信部21で受信され、医用画像記憶部22に一時記憶される(ステップS513)。次のステップS514で、この画像Cデータは、付帯情報解析部23において付帯情報が解析される。
【0030】
この解析により画像Cデータに対する処理が付帯情報の削除及びCAD処理であれば、ステップS515において、全体制御部29の制御の下に医用画像記憶部22に記憶されている画像Cデータが、処理サーバ送受信部25を介して処理サーバ14bに送信される。
【0031】
これらのDICOM画像データの送受信及びゲートサーバ13における処理、処理サーバ14a,14b,14cに対する画像データの送受信はすべて、ログ記憶部28に記憶される。
【0032】
以上述べたように、第1の実施形態によれば病院内で、適切な処理サーバが必要とされる処理を完了する前に、クライアントPCから処理された画像の要求があった場合にも、ゲートサーバ内で処理することにより、要求された画像のデータを送信することができる。
【0033】
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態について図面を用いて説明する。この実施形態では、画像の処理テーブルが各コンソールにおいて作成され、ゲートサーバに送信される。全体のシステムの構成は第1の実施形態を示す
図1と同様であるので
図1の構成に準ずる。ただし、コンソール及びゲートサーバは、第1の実施形態と異なるので、ゲートサーバ53、コンソール62aとして表す。図示していないが、モダリティ61aにコンソール62aが接続され、モダリティ61bにコンソール62bが接続される。
【0034】
第2の実施形態におけるゲートサーバの一例の構成を
図6に示す。このゲートサーバ53は、コンソール12a,12bからのDICOM画像データを受信し、コンソール12a等に情報を送信するコンソール送受信部61と、受信したDICOM画像データ内の医用画像データを記憶する医用画像記憶部62と、DICOM画像データに含まれる付帯情報を解析する付帯情報解析部63と、後述するコンソールで作成された処理テーブルを記憶する処理テーブル記憶部64と、処理テーブルにしたがって画像データを各処理サーバ14a,14b,14cに送信し、これらの処理サーバから画像の処理完了などの制御信号を受信する処理サーバ送受信部65と、このゲートサーバ53内でデータの加工を行うデータ加工部66と、クライアントPC15a,15bからの画像送信などの要求を検知する要求検知部67と、ゲートサーバ53内における各段階の処理をログとして記憶するログ記憶部68と、ゲートサーバ53の各部を制御する全体制御部69とを有する。
【0035】
データ加工部66は、
図2に示す第1の実施形態におけるデータ加工部26と同様に、
図1に示す処理サーバ14a,14b,14cに、DICOM画像データを送信し加工を行う前にクライアントPCから要求があったときに処理を行う、いわば過渡的処理部である。データ加工部66は、医用画像記憶部62に記憶されている画像につきコンピュータ支援診断(CAD)の処理を行うCAD部66aと、画像データの前処理を行う前処理部66bと、DICOM画像データに含まれる付帯情報の処理を行う付帯情報処理部66cを有する。
【0036】
第2の実施形態におけるコンソールの構成の一例を
図7に示す。コンソール62aは、接続されているモダリティ61a(図示せず)において撮像された医用画像を取得する撮影画像取得部71と、操作者が撮影画像に対する処理の指示を行う入力部72と、入力部72から入力された画像処理に対する必要な処理をDICOM規格に準じて付帯情報として生成する必要処理生成部73と、必要処理生成部73で生成された必要な処理を処理テーブルとして作成する処理テーブル作成部74と、撮像画像取得部71で得られた医用画像及び必要処理生成部73で作成された指示をDICOM規格に準じた画像データとしてゲートサーバ53に送信し、ゲートサーバ53から信号を受信するデータ送受信部75とを有する。
【0037】
この実施形態において、処理テーブルは、例えばコンソール62aの処理テーブル作成部74で作成される。コンソール62aからゲートサーバ53に送信されるDICOM規格に準じた画像データには、このコンソール62aに接続されているモダリティ61aで得られた医用画像に対する処理が付帯情報として含まれる。
【0038】
この実施形態では、ゲートサーバ53の処理テーブル記憶部64には、各モダリティからコンソールを介して送られてきたモダリティ毎の処理テーブルが記憶される。この場合の処理テーブルの一例を
図8に示す。
【0039】
この実施形態における動作を簡単に説明する。モダリティ61a,61bにおいて撮影により医用画像が得られ、各々コンソール62a,62bに送られる。これらのコンソールにおいて、医用画像に対する必要な処理が付帯情報として付加され、DICOM規格に準じた画像データがゲートサーバ53に送られる。ゲートサーバ53では、コンソール送受信部61にて上述の画像データを受信し、医用画像記憶部62に一時的に記憶する。
【0040】
送られてきた画像データに含まれる付帯情報は、モダリティ毎の処理テーブルとして処理テーブル記憶部64に記憶される。付帯情報は付帯情報解析部63にて解析され、その要求される処理に応じDICOM規格画像データとして処理サーバ送受信部65からネットワーク56を介して、順次
図1に示す処理サーバ14a,14b,14cに送信される。
【0041】
その送信途中において、まだ各処理サーバに送信されていない又は送信されたが処理されていない画像の要求がクライアントPCからあった場合には、ゲートサーバ53は要求検知部67においてこの要求を検知する。そして処理の割込みをかけて、データ加工部66において要求のあった処理を行い、処理された画像データをそのクライアントPCに送信する。
【0042】
各処理サーバから処理が完了した時にはその旨の制御信号がゲートサーバ53に送られ処理サーバ送受信部65で受信される。次の処理が必要な場合には、全体を制御している全体制御部69からネットワーク56を介して次の処理を行うことが可能な処理サーバに画像データを送る。これらゲートサーバ53における処理はログ記憶部68にすべて記憶される。
【0043】
例えばモダリティ61aにより得られた医用画像の処理が、
図8に示すように付帯情報の付加、削除である場合には、ゲートサーバ53はDICOM画像データを処理サーバ14aに送信する。この送信途中において、例えばクライアントPC15bからこの画像の要求があった場合には、ゲートサーバ53は、内蔵するデータ加工部66の付帯情報処理部66cにおいて付帯情報の付加、削除を行う。その後この処理がなされた画像のデータはクライアントPC15bに送信される。
【0044】
このように、第2の実施形態によれば、適切な処理サーバが必要とされる処理を完了する前に、クライアントPCから処理された画像の要求があった場合にも、ゲートサーバ内で処理することにより、要求された画像のデータを送信することができる。更に、この実施形態では、各モダリティにて撮像された医用画像に対する必要な処理の付帯情報をコンソールで付加して処理テーブルを作成しており、ゲートサーバでは、それらの処理テーブルを合成すればよい。
【0045】
第2の実施形態における処理テーブルは、モダリティ毎に処理を明確にしたテーブルであった。このような処理テーブルは各モダリティ毎に付帯情報を付すことが容易である利点がある。しかし、第1の実施形態のように処理サーバ毎の処理を記述したテーブルを用いることも可能である。
【0046】
<第3の実施形態>
上述の第1、第2の実施形態では、閉じられたネットワーク、例えば病院内などのイントラネットによる医用画像伝送システムに本発明を適用した場合について述べた。しかし、本発明はこのようなネットワークに限られず、インターネット等開かれたネットワークにも適用可能である。このような実施形態について次に述べる。
【0047】
第3の実施形態の構成例を
図9に示す。この図において点線で示す病院90の院内のローカルエリアネットワーク(LAN)はVPNを介してインターネットに接続された形態である。
【0048】
病院90の院内LANには、例えば放射線科に設けられている放射線科モダリティ91a,91b,91cと、内科モダリティ91e、外科モダリティ91f、循環器科モダリティ91gのほか、RISサーバ93、検診サーバ94、ゲートサーバ95、処理サーバ96と、クライアントPC97a,97bが接続されている。もちろん、内科、外科、循環器科のモダリティは1台に限られず、2台以上あってもよい。
【0049】
RISサーバ93は、放射線科部門における診療の予約、患者の登録、撮影情報のデータベース化、診断結果のレポート登録、薬品、フィルム等の管理、統計などの情報を処理するサーバのことであり、RISはRadiology Information Systemを意味する。検診サーバ94は、一般的に外来患者や入院患者の登録、検診の予約、診断結果の登録などの処理を行うサーバである。
【0050】
各モダリティ、すなわち放射線科モダリティ91a,91b,91c、内科モダリティ91e、外科モダリティ91f、循環器科モダリティ91gで撮影された医用画像は、DICOM規格に則った画像データとして送信され、ゲートサーバ95に一時的に記憶される。ゲートサーバは例えば
図6に示す構成とすることができる。
【0051】
ゲートサーバ95は処理テーブルを有しており、この処理テーブルにしたがって一時的に記憶されたDICOM画像データは、処理サーバ96に送信されて処理される。
【0052】
クライアントPC97a又はクライアントPC97bから画像の要求があると、通常、処理サーバ96で処理された画像データがその要求のあったクライアントPCに送信される。処理サーバ96において画像データが処理される前に、いずれかのクライアントPCから送信の要求があった場合には、ゲートサーバ95内で処理して要求のあったクライアントPCに送信することになる。
【0053】
上記院内のシステムはVPNを介してその外部にHISサーバ98、一般公開サーバ101、他院読影センタ102に接続された地域連携サーバ103、エビデンス管理サーバ104が接続される。一般公開サーバ101、地域連携サーバ103及びエビデンス管理サーバ104は、画像保存通信システム(PACS;Picture Archiving and Communication System)を構成する。
【0054】
HISサーバ98は、上記病院90の医療事務会計、診療予約診療情報、検査・薬剤などのデータや電子カルテなどの情報管理を行うシステムのサーバである。一般公開サーバ101は、病院90の外部に公開してよい情報をWebなどにより公開するサーバであり、エビデンス管理サーバ104は、病院90内の証拠書類などを保管管理するサーバである。
【0055】
また、地域連携サーバ103は、当該地域における病院などが相互に連絡を取り合って情報を交換するサーバである。この地域連携サーバ103には例えば他院の読影センタ102が接続されている。このセンタ102から病院90内の特定のモダリティで撮像された医用画像の要求があれば処理サーバ96又はゲートサーバ95からDICOM画像データとして、地域連携サーバ103を介して他院読影センタ102に送信される。
【0056】
これらの外部のサーバ101,103,104等から病院90内のモダリティで撮像した医用画像の要求があった場合に、既に処理サーバで処理されていれば処理サーバ96から送信される。また、ゲートサーバ95からまだ処理サーバ96に送信されていない場合あるいは、送信されているがまだ処理されていない場合にはゲートサーバ95内で処理されてから要求のあったサーバに送信される。
【0057】
この第3に実施形態によれば、病院内だけでなく、もっと広い範囲で画像データを送信することができる。
【0058】
上記第3の実施形態において、処理サーバは複数台も受けていてもよいし、クライアントPCは病院90の外に設けられていてもよい。第3の実施形態において各モダリティに各々コンソールが接続されていてもよい。前記第1、第2の実施形態における処理サーバ送受信部は、送信機能だけを有する処理サーバ送信部であってもよい。
【0059】
以上述べたように、上記第1、第2、第3の実施形態によれば、適切な処理サーバが必要とされる処理を完了する前に、クライアントPCから処理された画像の要求があった場合にも、ゲートサーバ内で処理することにより、要求された画像のデータを送信することができる。
【0060】
上記実施形態の説明では、各部を別々に固有の機能を有するものとして説明した。しかし、実際には、コンピュータにアプリケーションソフトをインストールすることなどにより、2以上の各部を兼用することもあり、このように2以上の機能を同じソフトにより実行する場合も本発明に含まれる。
【0061】
上記実施形態では、各モダリティにコンソールが各々接続されていた。しかし、モダリティ自体に必要な処理に関する制御情報を生成付加できるならば、本発明においてコンソールは必ずしも必要ではない。
【0062】
上記実施形態では、DICOM規格に基づいて医用画像のデータをネットワークで送信する場合について述べた。モダリティからコンソール、及びコンソールからゲートサーバへの画像データの送信はDICOM規格に則った画像データであることが互換性の点から望ましいが、一部、DICOM規格に則っていない付随情報があってもよい。ゲートサーバと処理サーバの間の画像データの送受信は、DICOM規格画像データでなされることが望ましい。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したがこれらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。