(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテンツを再生する再生部と前記再生部が再生したコンテンツに関する再生情報を送信する送信部とを具備する端末装置と通信可能であり、各端末装置の利用者間の関係を指定する関係情報を参照可能な管理装置であって、
前記各端末装置から送信された再生情報を取得する再生情報取得部と、
前記再生情報取得部が取得した再生情報を送信した端末装置の第1利用者との関係が前記関係情報で指定された利用者であって、前記第1利用者の端末装置から取得した再生情報に対応したコンテンツの再生情報を前記再生情報取得部が過去に取得した端末装置の利用者を特定する利用者特定部と、
前記利用者特定部が特定した利用者にサービスを提供するサービス提供部と
を具備する管理装置。
前記再生情報取得部は、前記各端末装置から送信された再生情報を再生情報記憶部に記憶する一方、一の端末装置から過去に取得した再生情報に一致する再生情報を前記一の端末装置から取得した場合には当該再生情報を記憶対象から除外し、
前記利用者特定部は、前記再生情報記憶部に記憶された各利用者の再生情報を参照して利用者を特定する
請求項1または請求項2の管理装置。
前記再生情報取得部は、前記各端末装置から送信された再生情報を当該再生情報の取得時刻とともに再生情報記憶部に記憶する一方、一の端末装置から過去に取得した再生情報に一致する再生情報を前記一の端末装置から取得した場合に前記取得時刻を更新し、
前記利用者特定部は、各端末装置の利用者間の関係と利用者間の関係の成立時刻とを指定する前記関係情報を参照可能であり、前記第1利用者との関係が前記関係情報で指定された利用者であって、前記第1利用者の端末装置から取得した再生情報に対応するコンテンツの再生情報の取得時刻が、前記第1利用者との関係の成立時刻後である利用者を特定する
請求項4の管理装置。
一の利用者との関係が前記関係情報で指定された利用者の端末装置から前記再生情報取得部が取得した再生情報に応じた再生通知画像を前記一の利用者の端末装置に表示させる表示制御部
を具備する請求項1から請求項5の何れかの管理装置。
コンテンツを再生する再生部と前記再生部が再生したコンテンツに関する再生情報を送信する送信部とを具備する端末装置と通信可能であり、各端末装置の利用者間の関係を指定する関係情報を参照可能なコンピュータを、
前記各端末装置から送信された再生情報を取得する再生情報取得部、
前記再生情報取得部が取得した再生情報を送信した端末装置の第1利用者との関係が前記関係情報で指定された利用者であって、前記第1利用者の端末装置から取得した再生情報に対応したコンテンツの再生情報を前記再生情報取得部が過去に取得した端末装置の利用者を特定する利用者特定部、および、
前記利用者特定部が特定した利用者にサービスを提供するサービス提供部
として機能させるプログラム。
コンテンツを再生する再生部と前記再生部が再生したコンテンツに関する再生情報を送信する送信部とを具備する端末装置と通信可能であり、各端末装置の利用者間の関係を指定する関係情報を参照可能な管理装置が、
前記各端末装置から送信された再生情報を取得し、
前記取得した再生情報を送信した端末装置の第1利用者との関係が前記関係情報で指定された利用者であって、前記第1利用者の端末装置から取得した再生情報に対応したコンテンツの再生情報を過去に取得した端末装置の利用者を特定し、
前記特定した利用者にサービスを提供する
管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、各端末装置の利用者間の関係(例えばソーシャルグラフ)を利用して利用者に各種のサービスを提供するSNS(Social Networking Service)が普及している。SNSでは、例えば、各利用者の端末装置で再生されたコンテンツに関連する情報が端末装置からサーバ装置に送信(投稿)されると、その利用者との関係が登録された他の利用者が自身の端末装置を利用してその情報を閲覧することが可能である。しかし、各端末装置で再生されたコンテンツの情報を他の端末装置にて閲覧できるだけでは、関係が登録された利用者間の交流やコンテンツの利用を充分に促進することは困難である。以上の事情を考慮して、本発明は、利用者間の交流とコンテンツの利用とを促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明に係る管理装置(10)は、コンテンツを再生する再生部(32)と前記再生部(32)が再生したコンテンツに関する再生情報(P)を送信する送信部(34)とを具備する端末装置(14)と通信可能であり、各端末装置(14)の利用者間の関係を指定する関係情報(QR)を参照可能な管理装置(10)であって、前記各端末装置(14)から送信された再生情報(P)を取得する再生情報取得部(52)と、前記再生情報取得部(52)が取得した再生情報(P)を送信した端末装置(14)の第1利用者(UB)との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者(UA)であって、前記第1利用者(UB)の端末装置(14)から取得した再生情報(PB)に対応したコンテンツの再生情報(PA)を前記再生情報取得部(52)が過去に取得した端末装置(14)の利用者(UA)を特定する利用者特定部(56)と、前記利用者特定部(56)が特定した利用者(UA)にサービスを提供するサービス提供部(58)とを具備する。
【0007】
なお、各利用者の端末装置(14)から取得された再生情報(P)のコンテンツが対応する場合とは、各再生情報(P)が示すコンテンツが一致する場合のほか、各再生情報(P)が示すコンテンツが相互に関連する場合(コンテンツ自体の異同は不問)も包含する。また、「コンテンツ」とは、典型的には、端末装置(14)にて再生される音響,画像または両者の組合せである。例えば楽曲(音楽)や動画像や電子書籍等の著作物がコンテンツの概念に包含される。端末装置(14)の送信部(34)が再生情報(P)を送信する条件(再生部(32)によるコンテンツの再生の態様)は任意であり、再生部(32)がコンテンツの全部の再生を完了したことには限定されない。例えば、再生部(32)がコンテンツの再生を開始したことを条件に送信部(34)が再生情報(P)を送信する構成や、再生部(32)がコンテンツの一部(例えば開始点から所定の時間にわたる部分)を再生したことを条件に送信部(34)が再生情報(P)を送信する構成も採用され得る。
【0008】
本発明の好適な態様において、前記再生情報取得部(52)は、端末装置(14)の前記再生部(32)が再生したコンテンツに関する1以上の属性情報(DA)を含む再生情報(P)を端末装置(14)から取得し、前記利用者特定部(56)は、前記第1利用者(UB)との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者(UA)であって、前記第1利用者(UB)の端末装置(14)から取得した再生情報(PB)との間で少なくとも一部の属性情報(DA)が合致する再生情報(PA)を前記再生情報取得部(52)が過去に取得した端末装置(14)の利用者(UA)を特定する。
【0009】
本発明の好適な態様において、前記再生情報取得部(52)は、前記各端末装置(14)から取得した再生情報(P)を当該再生情報(P)の取得時刻(TP)とともに再生情報記憶部(42)に記憶し、前記利用者特定部(56)は、各端末装置(14)の利用者間の関係と利用者間の関係の成立時刻(TR)とを指定する前記関係情報(QR)を参照可能であり、前記第1利用者(UB)との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者(UA)であって、前記第1利用者(UB)の端末装置(14)から取得した再生情報(PB)に対応するコンテンツの再生情報(PA)の取得時刻(TP)が、前記第1利用者(UB)との関係の成立時刻(TR)後である利用者(UA)を特定する。
【0010】
本発明の好適な態様において、前記再生情報取得部(52)は、前記各端末装置(14)から送信された再生情報(P)を再生情報記憶部(42)に記憶する一方、一の端末装置(14)から過去に取得した再生情報(P)に一致する再生情報(P)を前記一の端末装置(14)から取得した場合には当該再生情報(P)を記憶対象から除外し、前記利用者特定部(56)は、前記再生情報記憶部(42)に記憶された各利用者の再生情報(P)を参照して利用者を特定する。さらに好適な態様において、前記再生情報取得部(52)は、前記各端末装置(14)から送信された再生情報(P)を当該再生情報(P)の取得時刻(TP)とともに再生情報記憶部(42)に記憶する一方、一の端末装置(14)から過去に取得した再生情報(P)に一致する再生情報(P)を前記一の端末装置(14)から取得した場合に前記取得時刻(TP)を更新し、前記利用者特定部(56)は、各端末装置(14)の利用者間の関係と利用者間の関係の成立時刻(TR)とを指定する前記関係情報(QR)を参照可能であり、前記第1利用者(UB)との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者(UA)であって、前記第1利用者(UB)の端末装置(14)から取得した再生情報(PB)に対応するコンテンツの再生情報(PA)の取得時刻(TP)が、前記第1利用者(UB)との関係の成立時刻(TR)後である利用者(UA)を特定する。
【0011】
本発明の好適な態様に係る管理装置(10)は、一の利用者との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者の端末装置(14)から前記再生情報取得部(52)が取得した再生情報(P)に応じた再生通知画像を前記一の利用者の端末装置(14)に表示させる表示制御部(54)を具備する。
【0012】
本発明に係るプログラムは、コンテンツを再生する再生部(32)と前記再生部(32)が再生したコンテンツに関する再生情報(P)を送信する送信部(34)とを具備する端末装置(14)と通信可能であり、各端末装置(14)の利用者間の関係を指定する関係情報(QR)を参照可能なコンピュータを、前記各端末装置(14)から送信された再生情報(P)を取得する再生情報取得部(52)、前記再生情報取得部(52)が取得した再生情報(P)を送信した端末装置(14)の第1利用者(UB)との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者(UA)であって、前記第1利用者(UB)の端末装置(14)から取得した再生情報(PB)に対応したコンテンツの再生情報(PA)を前記再生情報取得部(52)が過去に取得した端末装置(14)の利用者(UA)を特定する利用者特定部(56)、および、前記利用者特定部(56)が特定した利用者(UA)にサービスを提供するサービス提供部(58)として機能させる。以上のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
【0013】
本発明に係る管理方法は、コンテンツを再生する再生部(32)と前記再生部(32)が再生したコンテンツに関する再生情報(P)を送信する送信部(34)とを具備する端末装置(14)と通信可能であり、各端末装置(14)の利用者間の関係を指定する関係情報(QR)を参照可能な管理装置(10)が、前記各端末装置(14)から送信された再生情報(P)を取得し、前記取得した再生情報(P)を送信した端末装置(14)の第1利用者(UB)との関係が前記関係情報(QR)で指定された利用者(UA)であって、前記第1利用者(UB)の端末装置(14)から取得した再生情報(PB)に対応したコンテンツの再生情報(PA)を過去に取得した端末装置(14)の利用者(UA)を特定し、前記特定した利用者(UA)にサービスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信システム100のブロック図である。第1実施形態の通信システム100は、管理装置10と配信サーバ装置12と複数の端末装置14とを具備する。各端末装置14は、通信網16(例えば移動通信網やインターネット)を介して管理装置10および配信サーバ装置12と相互に通信する。
【0016】
配信サーバ装置12(例えばウェブサーバ)は、各端末装置14からの要求に応じて音楽データMを端末装置14に送信する。音楽データMは、歌唱曲等の各種の楽曲の音響を再生するためのデータである。音楽データMの形式は任意であるが、例えばMP3(MPEG Audio Layer 3)形式やAAC(Advanced Audio Coding)形式のファイルが音楽データMとして好適である。なお、管理装置10と配信サーバ装置12とを一体に構成することも可能である。
【0017】
各端末装置14は、例えば携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の通信端末であり、制御装置20と記憶装置22と通信装置24と表示装置26と入力装置27と放音装置28とを含んで構成される。制御装置20は、端末装置14の各要素を統括的に制御する演算処理装置である。記憶装置22は、制御装置20が実行するプログラムや制御装置20が使用する各種のデータを記憶する。例えば記憶装置22は、配信サーバ装置12から配信された音楽データMを記憶する。通信装置24は、通信網16を介して管理装置10および配信サーバ装置12と通信する。なお、端末装置14と通信網16との間の通信は典型的には無線通信であるが、例えば据置型のパーソナルコンピュータ等を端末装置14として利用する場合には端末装置14と通信網16とが有線通信することも可能である。
【0018】
表示装置26(例えば液晶表示パネル)は、制御装置20による制御のもとで各種の画像を表示する。入力装置27は、端末装置14に対する指示を利用者が入力するための機器であり、例えば利用者が操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置26と一体に構成されたタッチパネルや、端末装置14に対する指示を音声で入力するためのマイクロホンを入力装置27として採用することも可能である。放音装置28(スピーカやイヤホン)は、制御装置20から指示された音響を再生する。
【0019】
図1に示すように、制御装置20は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで再生部32および送信部34として機能する。再生部32は、記憶装置22に記憶された音楽データMが示す楽曲を再生する。具体的には、再生部32は、記憶装置22に記憶された複数の音楽データMのうち利用者が入力装置27に対する操作で選択した音楽データMが示す楽曲の音響を放音装置28から放音させる。
【0020】
送信部34は、再生部32が再生した楽曲(音楽データM)に関連する再生情報Pを生成して通信装置24から管理装置10に送信する。再生情報Pの送信は楽曲の再生毎に実行される。
図2に示すように、再生情報Pは、識別符号UIDと属性情報DAと投稿情報DBとを含んで構成される。
【0021】
識別符号UIDは、端末装置14の利用者を一意に識別するための符号である。属性情報DAは、再生部32が再生した楽曲の属性を示す。第1実施形態では、音楽データM内のメタデータから抽出された楽曲名が属性情報DAとして指定される。投稿情報DBは、楽曲の再生に関連するコメント(発言)を示す。具体的には、端末装置14で再生された楽曲の楽曲名を含むコメント(例えば「楽曲M0を再生しました!」等のコメント)が投稿情報DBで指定される。投稿情報DBが示すコメントは、例えば事前に用意された定型の文章(例えば複数の候補から利用者が選択した文章)や入力装置27に対する操作で利用者が任意に入力した文章である。
【0022】
図1の管理装置10は、各端末装置14の利用者にSNSを提供するサーバ装置(典型的にはウェブサーバ)である。例えば、各利用者が端末装置14から投稿したコメントを他の利用者の端末装置14の表示装置26に表示させるサービスや特定の利用者間でメッセージを授受するサービスを管理装置10は各端末装置14に提供する。
図1に示すように、管理装置10は、制御装置40と記憶装置42と通信装置44とを含んで構成される。制御装置40は、管理装置10を統括的に制御する演算処理装置である。通信装置44は、通信網16を介して各端末装置14と通信する。
【0023】
記憶装置42は、制御装置40が実行するプログラムや制御装置40が使用する各種のデータを記憶する。例えば半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置42として採用され得る。なお、管理装置10とは別個の外部装置(例えばサーバ装置)に記憶装置42を設置し、管理装置10が通信網16を介して記憶装置42内の情報を外部装置から取得する構成も採用され得る。すなわち、記憶装置42は管理装置10の必須の要件ではない。また、例えば相互に独立した複数の記憶回路(例えば地理的に相異なる位置に設置された複数のサーバ装置)で記憶装置42(仮想的な1個の記憶装置)を構成することも可能である。
【0024】
第1実施形態の記憶装置42は、利用者情報QUと関係情報QRと再生履歴情報QPとを記憶する。利用者情報QUは、各利用者に関連する情報である。具体的には、
図3に示すように、利用者情報QUは、複数の利用者の各々について識別符号UID(UID1,UID2,……)と仮想通貨量X(X1,X2,……)とを対応させたデータテーブルである。仮想通貨量Xは、利用者が所有する仮想通貨の数量を示す。仮想通貨は、管理装置10が提供するSNSの特定のサービスを利用するために必要な仮想的な通貨(ポイント)である。利用者は、例えば現実の通貨(電子マネー)と引換えに仮想通貨の所定量を獲得することが可能である。
【0025】
図1の関係情報QRは、利用者間の関係(ソーシャルグラフ)を示す。具体的には、
図4に示すように、関係情報QRは、複数の利用者の各々について、その利用者の識別符号UIDとその利用者との関係(以下「交流関係」という)が規定された1人以上の他の利用者の識別符号UIDとを相互に対応させたデータテーブルである。したがって、関係情報QRを参照することで、任意の利用者と交流関係にある他の利用者を特定することが可能である。
【0026】
図1の再生履歴情報QPは、各端末装置14における楽曲の再生履歴を示す。具体的には、
図5に示すように、再生履歴情報QPは、各端末装置14の送信部34が送信した再生情報P(P1,P2,……)を配列したデータテーブルである。具体的には、再生履歴情報QPの各レコード(再生情報P)は、識別符号UIDと属性情報DAと投稿情報DBとを含んで構成される。
【0027】
第1実施形態の制御装置40は、記憶装置42に記憶されたプログラムを実行することで、楽曲の再生に関連する複数の機能(再生情報取得部52,表示制御部54,利用者特定部56,サービス提供部58)を実現する。なお、制御装置40の各機能を複数の装置に分散することも可能である。
【0028】
再生情報取得部52は、各端末装置14の送信部34から送信された再生情報Pを通信装置44から取得して記憶装置42に記憶する。すなわち、再生情報取得部52が取得した再生情報Pは
図5の再生履歴情報QPに追加される。表示制御部54は、画像データを生成して通信装置44から端末装置14に送信することで端末装置14の表示装置26に各種の画像を表示させる。
【0029】
第1実施形態の表示制御部54は、任意の利用者の端末装置14での楽曲の再生を通知するための画像(以下「再生通知画像」という)を、その利用者との交流関係が関係情報QRで規定された他の各利用者の端末装置14に表示させる。再生通知画像は、再生情報Pの投稿情報DBが示すコメントを含む。表示装置26に表示された再生通知画像を視認することで、各端末装置14の利用者は、自身と交流関係にある他の利用者の端末装置14で再生された楽曲を把握することが可能である。
【0030】
図1の利用者特定部56は、再生情報Pを管理装置10に送信した端末装置14の利用者と交流関係にあり、かつ、その再生情報Pと属性情報DAが一致する再生情報P(すなわち同じ楽曲の再生情報P)を再生情報取得部52が過去に取得した各端末装置14(すなわちその楽曲を過去に再生した端末装置14)の利用者を特定する。サービス提供部58は、利用者特定部56が特定した利用者(以下「選択利用者」という)に所定のサービスを提供する。第1実施形態のサービス提供部58が提供するサービスは、選択利用者に対する特典の付与である。具体的には、仮想通貨の所定量が特典として選択利用者に付与される。すなわち、サービス提供部58は、利用者情報QUが選択利用者について指定する仮想通貨量Xに所定値を加算する。
【0031】
相互に交流関係にある任意の利用者UAおよび利用者UBに着目し、
図6を参照して管理装置10の動作の具体例を説明する。
図6の動作を開始する時点において、利用者UAの端末装置14の記憶装置22に特定の楽曲M0の音楽データMが記憶され、利用者UBの端末装置14の記憶装置22には楽曲M0の音楽データMが記憶されていない場合を想定する。
【0032】
利用者UAの端末装置14の再生部32が楽曲M0を再生すると(S1)、楽曲M0の再生情報PAが利用者UAの端末装置14から管理装置10に送信される(S2)。管理装置10の再生情報取得部52は、利用者UAの端末装置14から楽曲M0の再生情報PAを取得する(S3)。表示制御部54は、利用者UAの端末装置14から取得した再生情報PAに応じた再生通知画像を、利用者UBの端末装置14からの要求に応じて利用者UBの端末装置14の表示装置26に表示させる(S4)。
【0033】
利用者UBの端末装置14に表示される再生通知画像は、利用者UAが再生した楽曲M0の楽曲名を含むコメントを提示する画像である。したがって、再生通知画像を視認することで、利用者UBは、自身と交流関係にある利用者UAの端末装置14で再生された楽曲M0を把握できる。すなわち、利用者UAの端末装置14で再生された楽曲M0が、利用者UAと交流関係にある利用者UBに通知される。利用者UAから利用者UBに楽曲M0が推薦されると換言することも可能である。なお、現段階で利用者UBの端末装置14の記憶装置22には楽曲M0の音楽データMは記憶されていない(利用者UBの端末装置14から楽曲M0の再生情報Pは過去に送信されていない)から、利用者特定部56は利用者UBを選択利用者として特定しない。
【0034】
利用者UBは、再生通知画像で通知された楽曲M0の音楽データMを配信サーバ装置12から取得(購入)することが可能である。利用者UBが取得した楽曲M0の音楽データMは、配信サーバ装置12から利用者UBの端末装置14に転送され、記憶装置22に格納されることで再生部32が再生可能な状態となる。利用者UBの端末装置14の再生部32が利用者UBからの指示に応じて楽曲M0を再生すると(S5)、楽曲M0の再生情報PBが利用者UBの端末装置14から管理装置10に送信され(S6)、再生情報取得部52により取得される(S7)。表示制御部54は、利用者UBの端末装置14から取得した再生情報PBに応じた再生通知画像を、利用者UAの端末装置14からの要求に応じて利用者UAの端末装置14の表示装置26に表示させる(S8)。
【0035】
他方、利用者UBの端末装置14から楽曲M0の再生情報PBを取得した段階では、利用者UBの端末装置14からの再生情報PBと同じ楽曲の再生情報PA(すなわち再生情報PBと属性情報DAが一致する再生情報PA)が、利用者UBと交流関係にある利用者UAの端末装置14から過去(S3)に取得されて記憶装置42に格納されている。すなわち、利用者UAは、利用者UBと交流関係にあり、かつ、利用者UBの再生情報PBと同じ楽曲の再生情報PAを再生情報取得部52が過去に取得した端末装置14の利用者に該当する。したがって、利用者特定部56は、利用者UBからの再生情報PBに対する選択利用者として利用者UAを特定する(S9)。
【0036】
利用者UBの再生情報PBを再生情報取得部52が取得した時点で利用者UAの再生情報PAが既に取得されている(利用者UAによる楽曲M0の再生に応じた再生通知画像が利用者UBに既に提示されている)ということは、利用者UAによる楽曲M0の再生時における再生通知画像の提示に起因して利用者UBが楽曲M0を取得および再生したと推測される。したがって、利用者特定部56が特定する選択利用者(利用者UA)は、交流関係にある他の利用者UBが楽曲M0を取得および再生する契機を付与した(利用者UBに楽曲M0を推薦した)と概略的に推測される利用者とも換言され得る。
【0037】
サービス提供部58は、利用者特定部56が特定した選択利用者(利用者UA)にサービスを提供する(S10)。具体的には、記憶装置42に記憶された利用者情報QUのうち利用者UAの仮想通貨量Xに所定値が加算される。すなわち、利用者UBが楽曲M0を取得および再生する契機を付与したと推測される利用者UAに対して特典が付与される。
【0038】
以上に説明した第1実施形態では、利用者UBとの交流関係が関係情報QRで指定され、かつ、利用者UBの端末装置14から取得した再生情報PBと同じ楽曲M0の再生情報PAを再生情報取得部52が過去に取得した端末装置14の利用者UAに対してサービスが提供される。したがって、各端末装置14で再生された楽曲の情報を他の端末装置14にて表示するだけの構成と比較すると、利用者間の交流が促進されるとともに、選択利用者に対するサービスの提供により楽曲の利用が促進されるという利点がある。
【0039】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0040】
図7は、第2実施形態における再生情報Pの模式図である。第1実施形態では1個の属性情報DAを含む再生情報P(
図2)を例示した。第2実施形態の再生情報Pは、第1実施形態と同様の識別符号UIDおよび投稿情報DBに加えて複数の属性情報DAを含んで構成される。複数の属性情報DAの各々は、再生部32が再生した楽曲に関する相異なる種類の属性を示す。例えば、楽曲名を示す属性情報DAと楽曲の歌手名(アーティスト名)を示す属性情報DAとが再生情報Pに含まれる。なお、属性情報DAが示す属性は楽曲名および歌手名に限定されない。例えば、楽曲の作成者(作曲者,作詞者)やジャンル等の属性を属性情報DAで指定することも可能である。各端末装置14の送信部32は、例えば音楽データM内のメタデータから各属性情報DAを取得して再生情報Pを生成および送信する。
【0041】
利用者特定部56は、再生情報Pを管理装置10に送信した端末装置14の利用者と交流関係にあり、かつ、その再生情報Pとの間で複数の属性情報DAの少なくとも一部が合致する再生情報Pを再生情報取得部52が過去に取得した端末装置14の利用者を選択利用者として特定する。例えば
図6の例示(S9)を想定すると、利用者UBの端末装置14で再生された楽曲M0と楽曲名および歌手名の一方または双方が一致する楽曲を過去に再生した端末装置14の利用者が選択利用者として特定される。すなわち、利用者UBの端末装置14で再生された楽曲M0と楽曲名および歌手名の双方が合致する楽曲を過去に再生した端末装置14の利用者に加えて、楽曲M0と歌手名が一致する別個の楽曲を過去に再生した端末装置14の利用者や、別個の歌手が歌唱した楽曲名が一致する楽曲M0を過去に再生した端末装置14の利用者が、選択利用者として特定される。利用者特定部56が特定した選択利用者に対してサービス提供部58がサービスを提供する動作は第1実施形態と同様である。
【0042】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、端末装置14から送信された再生情報Pとの間で複数の属性情報DAの少なくとも一部が合致する再生情報Pを過去に送信した端末装置14の利用者が選択利用者として特定されるから、利用者間の交流および楽曲の利用が促進されるという効果は格別に顕著である。
【0043】
以上の例示から理解される通り、第1実施形態および第2実施形態の利用者特定部56は、利用者UBの端末装置14から取得した再生情報PBに対応した楽曲の再生情報PAを再生情報取得部52が過去に取得した端末装置14の利用者を特定する要素として包括的に表現され得る。再生情報PBに対応した楽曲の再生情報PAは、再生情報PBと同じ楽曲の再生情報PA(第1実施形態)と、再生情報PBの楽曲に関連する楽曲(複数の属性情報DAの少なくとも一部が一致する楽曲)の再生情報PA(第2実施形態)との双方を包含する。
【0044】
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態における関係情報QRの模式図である。第3実施形態の関係情報QRは、相互に交流関係にある各利用者の識別符号UIDと、その利用者間の交流関係が成立した時刻(以下「成立時刻」という)TR(TR1,TR2,……)とを対応させたデータテーブルである。したがって、制御装置40(利用者特定部56)は、記憶装置42に記憶された関係情報QRを参照することで、各端末装置14の利用者間の交流関係とその交流関係の成立時刻TRとを特定することが可能である。
【0045】
図9は、第3実施形態における再生履歴情報QPの模式図である。第3実施形態の再生履歴情報QPは、再生情報取得部52が各端末装置14から取得した再生情報P(P1,P2,……)とその再生情報Pを再生情報取得部52が取得した時刻(以下「取得時刻」という)TP(TP1,TP2,……)とを対応させたデータテーブルである。すなわち、各端末装置14からの再生情報Pとその再生情報Pの取得時刻TPとが記憶装置42に記憶される。
【0046】
各利用者の端末装置14から送信される再生情報Pに応じた再生通知画像は、その利用者と交流関係にある他の利用者の端末装置14に表示される。したがって、例えば利用者UBの端末装置14から送信された再生情報PBと楽曲名が一致する再生情報PAが利用者UAの端末装置14から過去に送信されていた場合でも、再生情報PAの取得時刻TPが利用者UBとの交流関係の成立時刻TRの到来前である場合には、利用者UBが楽曲M0を取得および再生する契機(すなわち楽曲M0の再生情報Pに応じた再生通知画像の表示の機会)を利用者UAが付与したとは言えない。
【0047】
以上の事情を考慮して、第3実施形態の利用者特定部56は、再生情報Pの取得時刻TPと交流関係の成立時刻TRとの先後を加味して選択利用者を特定する。具体的には、利用者特定部56は、再生情報PBを管理装置10に送信した端末装置14の利用者UBと交流関係にあり、かつ、その再生情報PBと属性情報DAが一致する再生情報PAを過去に送信した端末装置14の利用者UAを検索し、再生情報PAの取得時刻TPが利用者UAと利用者UBとの交流関係の成立時刻TRの経過後である場合に利用者UAを選択利用者として特定する一方、再生情報PAの取得時刻TPが交流関係の成立時刻TRの到来前である場合には利用者UAを選択利用者として特定しない。すなわち、利用者UBとの交流関係の成立前に再生情報取得部52が利用者UAの端末装置14から取得した再生情報PAは、利用者UBとの関係では無効とされる。利用者特定部56が特定した選択利用者に対してサービス提供部58がサービスを提供する動作は第1実施形態と同様である。
【0048】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、利用者UBの端末装置14から取得した再生情報PBに対応する過去の再生情報PAの取得時刻TPが利用者UBとの交流関係の成立時刻TRの経過後である利用者UAが選択利用者として特定されるから、利用者UBが楽曲M0を取得および再生する契機を実際には付与していない利用者(再生情報PAの取得時刻TPが利用者UBとの交流関係の成立時刻TRの到来前である利用者)にサービスが提供される可能性を低減できるという利点がある。なお、以上の説明では第1実施形態を基礎としたが、再生情報Pが複数の属性情報DAを含む第2実施形態にも第3実施形態を適用することが可能である。
【0049】
<第4実施形態>
第1実施形態の再生情報取得部52は、各端末装置14から送信された再生情報Pを記憶装置42に順次に格納する。したがって、端末装置14において1個の楽曲が複数回にわたり再生された場合、各回の再生に対応する再生情報Pが記憶装置42に順次に記憶される。他方、第4実施形態の再生情報取得部52は、各端末装置14から送信された再生情報Pを記憶装置42に順次に格納する一方、端末装置14から取得した再生情報Pが、過去に同じ端末装置14から送信された再生情報Pと一致する場合(1個の楽曲の2回目以降の再生時)には今回の再生情報Pを記憶対象から除外する。利用者特定部56は、以上の条件のもとで記憶装置42に記憶された各再生情報P(再生履歴情報QP)を参照して第1実施形態と同様の方法で選択利用者を特定する。
【0050】
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態では、再生情報取得部52が過去に同じ端末装置14から取得した再生情報Pと一致する再生情報Pは記憶装置42に記憶されない。したがって、再生情報Pの重複の有無に関わらず再生情報Pを記憶装置42に格納する第1実施形態と比較して、再生履歴情報QPの記憶に必要な記憶容量が削減されるという利点がある。なお、以上の説明では第1実施形態を基礎としたが、第4実施形態の構成を第2実施形態または第3実施形態に適用することも可能である。
【0051】
<第5実施形態>
第5実施形態の再生情報取得部52は、第4実施形態と同様に、各端末装置14から送信された再生情報Pを記憶装置42に順次に格納する一方、過去に同じ端末装置14から取得した再生情報Pと一致する再生情報Pは記憶装置42に格納しない。また、第5実施形態の再生情報取得部52は、第3実施形態(
図9)と同様に、再生情報Pの取得時刻TPを再生情報Pとともに記憶装置42に格納する。端末装置14から取得した再生情報Pが過去に同じ端末装置14から送信された再生情報Pと一致する場合、再生情報取得部52は、その再生情報Pに対応して記憶装置42に記憶された取得時刻TPを今回の再生情報Pの取得時刻に更新する。すなわち、1個の端末装置14で楽曲M0が複数回にわたり反復して再生される場合を想定すると、最初の再生時に再生情報Pと取得時刻TPが記憶装置42に格納され、以降の各回の再生時には、再生情報Pは記憶ないし更新されることなく取得時刻TPのみが順次に更新される。
【0052】
第5実施形態における関係情報QRは、第3実施形態(
図8)と同様に、相互に交流関係にある各利用者の識別符号UIDと、その利用者間の交流関係の成立時刻TRとを対応させたデータテーブルである。第5実施形態の利用者特定部56は、第3実施形態と同様に、再生情報Pの取得時刻TPと交流関係の成立時刻TRとの先後を加味して選択利用者を特定する。すなわち、再生情報PBを管理装置10に送信した端末装置14の利用者UBと交流関係にあり、かつ、その再生情報PBに対応する再生情報PAを過去に送信した端末装置14の利用者UAについて、再生情報PAの取得時刻TPが利用者UBとの交流関係の成立時刻TRの経過後である場合には利用者UAを選択利用者として特定する一方、再生情報PAの取得時刻TPが交流関係の成立時刻TRの到来前である場合には利用者UAを選択利用者として特定しない。
【0053】
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態では、再生情報取得部52が過去に取得した再生情報Pと一致する再生情報Pの記憶が省略されるから、第4実施形態と同様に、再生履歴情報QPの記憶に必要な記憶容量が削減されるという利点がある。さらに、第5実施形態では、利用者UBの端末装置14から取得した再生情報PBに対応する過去の再生情報PAの取得時刻TPが利用者UBとの交流関係の成立時刻TRの経過後である利用者UAが選択利用者として特定されるから、第3実施形態と同様に、利用者UBが楽曲M0を取得および再生する契機を実際には付与していない利用者にサービスが提供される可能性を低減することも可能である。
【0054】
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0055】
(1)前述の各形態では、利用者特定部56が特定した選択利用者に仮想通貨の所定量を付与する場合を例示したが、サービス提供部58が選択利用者に付与する特典の内容は以上の例示に限定されない。例えば、管理装置10が提供する特定の機能を利用する権利やSNSで提供されるゲームで使用可能なアイテムを特典として選択利用者に付与することも可能である。また、サービス提供部58が選択利用者に提供するサービスは特典の付与に限定されない。例えば、利用者UBの端末装置14にて楽曲M0が再生されたことを選択利用者たる利用者UAに通知するサービスをサービス提供部58が提供することも可能である。以上の説明から理解されるように、サービス提供部58が選択利用者に提供するサービスの具体的な内容は本発明において不問である。
【0056】
(2)前述の各形態では、利用者UAの端末装置14から送信された楽曲M0の再生情報PAに応じた再生通知画像を利用者UBの端末装置14に表示させることで楽曲M0を利用者UBに通知したが、利用者UAの端末装置14で再生された楽曲M0を利用者UBに通知する方法は任意である。例えば、利用者間でメッセージを授受するSNSのサービスを利用して利用者UAから利用者UBに楽曲M0を通知する方法や、電子メールまたは電話等の通信手段で利用者UAから利用者UBに楽曲M0を通知する方法も採用され得る。以上の説明から理解されるように、再生情報Pに応じた再生通知画像を端末装置14に表示させる構成(表示制御部54)は省略され得る。
【0057】
(3)前述の各形態では、各端末装置14の再生部32による楽曲の再生毎に再生情報Pを端末装置14から管理装置10に送信したが、1個の楽曲を再生部32が最初に再生した場合だけ端末装置14から管理装置10に再生情報を送信する構成も採用される。
【0058】
(4)前述の各形態では、音楽データMが示す楽曲(音楽)を再生部32が再生する構成を例示したが、再生部32による再生対象は音楽に限定されない。例えば、画像データが示す動画像や書籍データが示す電子書籍等のコンテンツを再生部32が再生することも可能である。再生部32が動画像を再生する場合の属性情報DAとしては動画像の識別符号(例えば題名)や制作者等が例示され、再生部32が電子書籍を再生する場合の属性情報DAとしては書籍名や書籍コード(ISBN:International Standard Book Number)が例示される。以上に例示した楽曲(音楽),動画像および電子書籍は「コンテンツ」として包括される。