【実施例】
【0036】
以下は、下記の表1に示す種々の配合(配合A〜K)を有する、代表的な実施形態に従うバインダレスBaKXゼオライト系吸着剤の例である。これらの例は、単に説明の目的で提供するものであり、本発明の種々の実施形態をいかなる形であっても限定することを意図するものではない。
【0037】
これらの例は、シリカ:アルミナのモル比が2.5である13X1ゼオライト粉末、およびカオリンクレイバインダーを用いて上述の工程に従って作製した。
【0038】
【表1】
【0039】
本技術分野で公知のパルス/動的性能評価実験(Pulse/dynamic performance evaluation experiments)を特定の供給混合物で実施し、種々の配合の吸着容量および選択性を測定した。容積が70ccであり、チャンバーの逆側末端に注入部および排出部を有する吸着剤チャンバーから成る動的試験装置を用いた。チャンバーを温度制御手段の中に入れ、加えて、圧力制御装置を用いてチャンバーを所定の一定圧力で操作した。クロマトグラフィ分析装置をチャンバーの排出ラインに接続し、これを用いて吸着剤チャンバーから出る排出流を「オンストリーム」で分析した。
【0040】
この装置および以下の一般手順を用いて実施したパルス試験を用いて、種々の吸着剤配合についての選択性、物質移動、およびその他のデータを測定した。脱着剤を吸着剤チャンバーに通すことで、吸着剤をp−ジエチルベンゼンとの平衡状態まで充填した。都合の良い時点で、脱着剤で希釈した既知濃度の非吸着パラフィントレーサー(n−ノナン)および特定の芳香族異性体(PX、EB、MX,およびOX)を含有する供給パルスを、数分間にわたって注入した。注入後、脱着剤流を再開し、トレーサーおよび芳香族異性体を液体−固体クロマトグラフィ操作のようにして溶出させた。排出流をオンストリームクロマトグラフィ装置によって分析し、対応する成分ピークの包絡線の形を作成した(図示せず)(別の選択肢として、排出物サンプルを定期的に回収し、後にガスクロマトグラフィーで別々に分析してもよい)。動的試験(破過試験(breakthrough test)としても知られる)も行い、吸着容量、PX/PDEB選択性、および物質移動特性を測定した。トルエンを吸着剤チャンバーに通すことで、吸着剤を(既知濃度の非吸着パラフィントレーサー(n−ノナン))を含有するトルエンとの平衡状態までまず充填した。都合の良い時点で、流れをパラ−キシレンおよびパラ−ジエチルベンゼンの混合物流に切り替えた。時間の経過と共に、パラ−キシレンおよびパラ−ジエチルベンゼンが溶出した。吸着容量は、吸着剤チャンバーに供給されたパラ−キシレンおよびパラ−ジエチルベンゼンの総量から溶出したパラ−キシレンおよびパラエチルベンゼンの総量を引いた差から決定した。
【0041】
クロマトグラフィの記録より得られる情報から、吸着剤性能を、抽出成分に対する容量指標、ならびに1つの異性体の別の異性体に対する、および脱着剤に対する選択性に関して評価した。抽出成分に対する吸着剤容量が高いほど、吸着剤はより優れている。特定の吸着剤の容量が高められることにより、供給混合物の特定のチャージ速度において抽出成分を分離するのに要する吸着剤の量を低減することが可能となる。特定の吸着分離に要する吸着剤の量が低減されると、分離プロセスのコストが低下する。吸着剤の良好な初期容量は、ある程度の経済的に所望される寿命期間にわたって分離プロセスで実際に使用される間、維持されるべきである。
【0042】
異性体に対する選択性(B)は、供給混合物の一成分を別の成分と比較して表すことができるだけでなく、供給混合物のいずれかの成分と脱着剤との間でも表すことができる。相対的選択性は、以下の式で示され:
選択性(B)=[体積パーセントC/体積パーセントD]
A/[体積パーセントC/体積パーセントD]
U
ここで、CおよびDは、体積パーセントで表される供給流の2つの成分であり、下付のAおよびUは、それぞれ、吸着および非吸着相を表す。従って、C
AおよびC
Uは、それぞれ、吸着剤(吸着相)および供給流(非吸着相)中の成分Cの濃度を表し、D
AおよびD
Uは、それぞれ、吸着剤および供給流中の成分Dの濃度を表す。吸着剤床を通る供給流が吸着剤床との接触後に組成を変化させないときに、平衡状態に達する。すなわち、平衡状態に達するのは、非吸着相(供給流)と吸着相(吸着剤)との間で正味の物質移動が発生しない場合である。
【0043】
二成分間の選択性が1.0に近づくと、一方の成分の他方に対する吸着剤よる選択的吸着が起こらず、すなわち、これらはいずれも、互いに対して同じ度合いで吸着される(または吸着されない)。選択性(B)が1.0より小さく、または大きくなると、一方の成分の他方に対する吸着剤よる選択的吸着が発生する。一方の成分Cの成分Dに対する吸着剤による選択性を比較すると、1.0よりも大きい(B)は、吸着剤内における成分Cの選択的吸着を示している。(B)が1.0よりも小さい場合は、成分Dが選択的に吸着され、非吸着相は成分Cリッチに、吸着相は成分Dリッチとなることを示している。ラフィネート成分に対する抽出成分の吸着剤の選択性が1.0の値をちょうど超えたところでも、ラフィネート成分からの抽出成分の分離は理論的に可能であるが、そのような選択性は、2に近いかこれを超える値であることが好ましい。選択性が高いほど、分離の実施が容易となる。より高い選択性は、プロセスに用いられる吸着剤量の低減を可能とする。理想的には、脱着剤は、すべての抽出成分に対して1と等しいかまたはそれ未満の選択性を有するべきであり、それによって、抽出成分のすべてを1つの集合として抽出し、ラフィネート成分のすべてをラフィネート流中へと取り除くことができる。
【0044】
表1の各配合に対するパルス/動的性能評価実験の選択性および容量の結果を下記の表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
表中:
PX/EB Sel=パラ−キシレン/エチルベンゼン選択性
PX/MX Sel=パラ−キシレン/メタ−キシレン選択性
PX/OX Sel=パラ−キシレン/オルソ−キシレン選択性
Adsorb. Cap.=吸着容量
PX/PDEB Sel=パラ−キシレン/p−ジエチルベンゼン(脱着剤)選択性
これらの実験からの許容されるデータに基づいて、平衡SMBプロセスのモデルを開発し、本発明の代表的な実施形態に従うバインダレスBaKX吸着剤のプロセス性能および吸着剤生産性の予測を行った。このモデルの結果を
図3〜7に示す。生産性を算出するためのプロセスモデルについてのより詳細な情報は、Marco Mazzotti, etc. “Robust Design of Countercurrent Adsorption Separation Processes: 2. Multicomponent Systems”, AIChE Journal, November 1994, Vol.40, No.11、に提供されている。
【0047】
図3は、バインダレスBaKX吸着剤の配合A〜KにおけるKのレベルと、脱着剤/供給比(本明細書にて「D/F比」)との間の相関を示している。D/F比は、吸着分離プロセスの運転コストに大きな影響を与える重要なプロセスパラメータである。D/F比は、擬似移動床式分離プロセスにおける脱着剤流速の供給流流速に対する比率である。D/F比は、任意の量の供給流の処理に要する脱着剤の量に換算される。最も小さいD/F比が好ましい。D/F比が小さいほど、吸着されたパラ−キシレンを吸着剤から置換するのに要する脱着剤の量が少なくなり、すなわち、脱着剤の必要量(処理される供給物に対して)が大きく低減される。このことは、運転コストの低下、さらには、吸着プロセスの生産性の著しい改善と言い換えられる。D/F比は低い方が望ましいが、処理することができる供給量が影響されないことが重要である。
【0048】
図3に示すように、D/F比は、予想外なことに、特に配合Cにおいて、Kのレベルの上昇に従って低下した。配合Cは、後述するように高生産性、および低D/Fの両方を有しており、いずれも重要な吸着剤特性である。回帰/実験計画法(DOE)分析表(Regression/Design of Experiment (DOE) analysis table)を以下に示す:
回帰式は:
D/F=1.09065−0.101838K(重量%)
S=0.0323172 R
2=50.5% R
2(adj)=45.0%
【0049】
【表3】
【0050】
表中:
S=変動因=因子、交互作用、または誤差のいずれかによる分散の変動因を示す;
R
2=回帰定数;
R
2(adj)=回帰定数(調整後);
DF=各変動因からの自由度。因子が3水準を有する場合、自由度は2(n−1)である。合計で30の測定を行った場合、自由度は29(n−1)である;
SS=グループ間の平方和(因子)、およびグループ内の平方和(誤差);
MS=平方和を自由度で割ることで決定される平均平方;
F=因子MSを誤差MSで割ることで算出される;および、
P=Pを用いて因子が有意であるかを判定することができる。通常は、0.05のアルファ値との比較が行われる。従って、低いp値は、その予測変数の追加がモデルに対して有意であることを示唆している。この値により、係数がゼロに等しい(効果なし)とする帰無仮説の検定が行われる。従って、Pが<0.05の場合、それは、相関のない確率が5%未満であることを意味する。ここで、P<0.05の値は、D/F比とK含有量との間に有意な相関があることを示している。>95%の信頼性で相関が存在する。本明細書で用いる統計分析および定義についてのより詳細な背景情報は、“Essentials of SPC in the Process Industries” by James M. Pruett and Helmut Schneider, Instrument Society of America, 1993、およびミニタブ社(Minitab Inc.)による2006年のMINITABソフトウェアに見出すことができる。
【0051】
図4および5をそれぞれ参照すると、バインダレスBaKXゼオライト系吸着剤(配合Cに代表される)のD/F比および生産性を、上述と同じ方法で作製したバインダレスBaKX2.0吸着剤のD/F比および生産性と比較し、ここで2.0は、この比較吸着剤におけるゼオライトXのシリカ:アルミナのモル比を意味している。
【0052】
図4に示すように、シリカ:アルミナのモル比が2.5であるバインダレスBaKX吸着剤(
図3において「配合C」と称される)のD/F比は、バインダレスBaKX2.0吸着剤(シリカ:アルミナのモル比が2.0)のD/F比よりも低いと算出された。より具体的には、BaKX2.0吸着剤のD/F比1.75と比較して、バインダレスBaKX吸着剤(配合C)のD/F比は、1.0であることが示される。従って、ある供給量の処理に要する吸着剤の量は、バインダレスBaKX2.0吸着剤を用いた場合よりも、シリカ:アルミナのモル比が2.5であるバインダレスBaKX吸着剤を用いた場合の方が少ない。
【0053】
図5は、予測m
1−m
2平面を用いることによる配合CとバインダレスBaKX2.0吸着剤との間の生産性(供給速度)の比較を示す。m
1−m
2平面は、ゾーン22および24(
図2)において吸着剤の固定床上で処理可能である供給量を表している。供給流速(および従って生産性)は、m
1(ゾーン22の質量流速比)−m
2(ゾーン24の質量流速比))に比例し、式:F∝m
1−m
2で表される。
図5のy軸は、m
1、ゾーン22の質量流速比(正味の流体質量流速/吸着相質量流速)を表す。
図5のx軸は、m
2、ゾーン24の質量流速比(正味の流体質量流速/吸着相質量流速)を表す。ゾーン24の流速と比較してゾーン22の流速が高い場合、より多い供給量を処理することができ、生産性が向上する。従って、m
1とm
2の間の差が大きいほど、吸着剤の生産性が高く、すなわち、148〜177℃(華氏300〜350度)およびサイクル時間20〜34分の吸着条件下にて、単位体積の吸着剤あたりの処理可能である供給量が増加する。生産性(EQT)は、抽出物中にて100%のパラ−キシレンの純度および回収率が達成される、単位体積の吸着剤あたりの処理可能である供給量として定義される。シリカ:アルミナのモル比が2.5である配合Cは、バインダレスBaKX2.0ゼオライト系吸着剤と比較して、23%超の生産性性能の有利性を示した。
【0054】
図6の重ね合わせて示したコンタープロットは、生産性(EQT)の許容範囲を特定することによって構築されたものであり、すなわち、最大化されるべき平衡特性に基づく供給速度が0.27から0.28g/ccであり、最小化されるべきPX HETP(理論段相当高さ)の許容範囲が、5.08cmから6.604cm(2.0から2.6インチ)である。理論段相当高さ(HETP)の定義は、“Principles of Adsorption and Adsorption Processes”(John Wiley & Sons, Inc., 1984)のDouglas Ruthvenによる研究など、文献に説明されている。これを用いて、異なる吸着剤の物質移動速度が推定、比較される。低いHETP値は、物質移動速度が良好であることを意味する。従って、低HETP値である吸着剤の性能の有利性は、SMBプロセスがより短いサイクル時間で運転される場合に維持される。さらに
図6を参照すると、領域30は、2つの因子または変数、Kレベル(重量%)およびゼオライトXの重量%という点で、実行可能な領域である。第三の因子または変数であるコーンスターチレベルは、固定レベルに設定し、
図6では、コーンスターチレベルは、最も高いレベル(5%)に設定した。
図6の領域30は、KレベルおよびゼオライトXの重量パーセントという2つの変数が重なり合う部分である。この領域は、高い値の生産性と物質移動速度とを同時に得られる最適化されたバインダレスBaKXゼオライト系吸着剤配合を表す。配合C(表1より)がこの領域の最も近くにあることが分かる。
【0055】
図7を参照すると、種々の吸着剤の物質移動速度を、パルス/動的試験結果のPX HETP分析を行うことで評価した。評価を行った吸着剤は、液相吸着分離プロセスに用いるための市販されている参照非バインダレスゼオライト系吸着剤(
図7では「Ref」と称する)、分析の目的で複数回の試験を行ったバインダレスBaKX吸着剤の配合C(表1)、ならびにまとめた配合A〜Kのすべて、とした。物質移動速度(HETP)のボックスプロット分析より、バインダレスBaKX吸着剤の配合Cの物質移動速度のメジアン値は、配合A〜K(まとめて試験を行った)の物質移動速度のメジアン値と実質的に等しく、市販の参照非バインダレスゼオライト系吸着剤の物質移動速度のメジアン値よりも小さいことが示される。配合Cの平均物質移動速度は、参照吸着剤および配合A〜Kをまとめたものの両方の平均物質移動速度よりも低かった。平均物質移動速度はドットで識別される。
【0056】
図8は、吸着剤の摩滅(吸着剤微粉の%として測定)とバインダレスBaKX吸着剤の配合A〜KのゼオライトXの重量%との間の相関を示す。本発明の代表的な実施形態に従うバインダレスBaKXゼオライト系吸着剤の摩滅を調べるために、実験スケールの摩滅試験を行った。ろ過の間の吸着剤の摩滅およびそれに続く微粉の放出を評価した。微粉のパーセントが低いほど、吸着剤の摩滅は少ない。この試験には、振とうテーブル上でバインダレスBaKXゼオライト系吸着剤を水に浸漬させることを含めた。水および吸着剤を周囲温度および圧力下にて30分間振とうした。振とう後、微粉を含む水をろ過によって吸着剤から取り除いた。回収した微粉を乾燥、秤量して、発生した微粉のパーセントを測定し、これを
図8のy軸で表した。水摩滅ロスは、吸着剤の機械強度に対応する。摩滅は、機械強度の不足に起因する。摩滅による吸着剤のロスは、運転コストの上昇および吸着剤寿命の短縮をもたらす。
【0057】
摩滅試験の結果を
図8に示す。回帰式は:
水摩滅=−27.28+0.3517ゼオライトX%
S=0.858229 R
2=57.3% R
2(adj)=52.6%
【0058】
【表4】
【0059】
Pの値は、水摩滅とゼオライトX含有量との間に有意な相関があることを示している。>95%の信頼性で相関が存在する。
摩滅の結果は、バインダレスBaKXゼオライト系吸着剤中のゼオライトXの重量パーセントが増加すると、摩滅ロスも増加したことを示している。言い換えると、バインダレスBaKXゼオライト系吸着剤中のカオリンクレイバインダーのレベルが10%から20%に増加すると、摩滅ロスは減少しており、このことから、バインダー量が増加すると吸着剤の機械強度が上昇することが示される。機械強度が上昇すると吸着剤の寿命が増加し、その結果、設備コストおよび運転コストが低下し、安定なプロセス運転も得られる。従って、ゼオライトXの重量%が低く、バインダー変換ゼオライト(カオリンクレイバインダーの変換から)のパーセントが高いバインダレスBaKXゼオライト系吸着剤の方が、摩滅に対する抵抗性が高くなる。
【0060】
細孔体積測定および平均細孔サイズ測定を、UOP試験法 UOP578−02(ASTMインターナショナル、100バーハーバードライブ、私書箱C700、ウエストコンショホッケン、ペンシルベニア州、19428−2959、 米国、から入手可能)に記載の水銀圧入ポロシメトリー法によって行った。水銀圧入ポロシメトリーは、メソ細孔おおびマクロ細孔を測定するが、マイクロ細孔は測定しない。82%ゼオライト(Z)/5%コーンスターチ(CS)(配合C)で作製したバインダレス吸着剤、およびコーンスターチなしの82%ゼオライト(Z)(配合A)で作製したバインダレスBaKX吸着剤に対して、これらの吸着剤も入れておいたペネトロメーター中の一定体積の水銀の液圧上昇を施す。水銀への圧力が上昇するに従って、水銀は吸着剤の細孔中へ圧入または浸透を開始し、最も大きい細孔が最も低い圧力にてまず充填される。圧力が大気圧の僅かに上から最大の413,688kPa(60,000psi)まで徐々に上昇する間に、圧入された水銀対圧力に関するデータを収集した。圧力は、対応する円柱状細孔径に変換し、特定の範囲で圧入された全水銀体積は、全細孔体積に変換し、平均は、平均細孔径である。結果を
図9に示す。コーンスターチを含む組成Cは、0.29cc/gの全細孔体積を示し、コーンスターチを含まない組成Aは、これより小さい0.25cc/gの全細孔体積を示した。
図9はまた、コーンスターチを含まない吸着剤と比較して、コーンスターチを含む吸着剤はメソおよびマクロ細孔の体積が大きいことも示している。細孔体積の11%がメソ細孔由来であり、細孔体積の89%がマクロ細孔由来である。コーンスターチを含む吸着剤の平均細孔径は166nmであり、これは、コーンスターチを含まない吸着剤の平均細孔径(164nm)よりも大きい。細孔体積(多孔性)が高く細孔サイズが大きいと、速い物質移動速度が得られる。x軸は、x軸の長さを短縮するために対数表示としている。
【0061】
上記より、本明細書で述べるバインダレスBaKXゼオライト系吸着剤の代表的な実施形態は、吸着分離プロセスの生産性を高め、吸着剤および脱着剤の使用量が減少することによって運転コストを低減することが理解される。この吸着剤は、先行技術の吸着剤と比較して、生成物1トンあたりに要する脱着剤の循環量が少ない。脱着剤の循環量が少ないことは、生成物1トンあたりのユーティリティ消費が少ないことを意味する。生産性が高いことは、一定の吸着剤体積によってより多くのパラ−キシレンを生産することができることを意味する。加えて、バインダレスBaKXゼオライト系吸着剤は、より良好な物質移動特性および機械強度も示す。
【0062】
少なくとも1つの代表的な実施形態を、本発明の前述の詳細な説明で提供したが、非常に数多くの変形が存在することは理解されるべきである。また、1もしくは複数の代表的な実施形態は、単なる例であり、いかなる形であっても、本発明の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。むしろ、前述の詳細な説明は、本発明の代表的な実施形態を実行するために都合の良いロードマップを当業者に提供するものであり、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的な均等物に示される本発明の範囲から逸脱することなく、代表的な実施形態で述べた要素の機能および配置について種々の変更を行うことができることは理解される。