【文献】
Key Engineering Materials,2009年 4月,Vols.396-398,pp.703-706
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記多孔性マトリックスの1またはそれより多い前記の露出領域が、1またはそれより多い前記の複数の開口部を取り囲み、そして前記開口部を、前記充填剤の前記の露出領域の隣接するものから分離する、請求項5のデバイス。
前記多孔性マトリックスの前記の露出領域が、前記の外表面で、細胞付着および骨伝導を促進し、そして前記の複数の開口部が、前記ボディ内への骨および組織内殖を促進する、請求項8のデバイス。
前記外表面の少なくとも一部が、前記ポリマー性材料の露出領域、および前記の相互連結された複数の支柱の少なくとも一部の1またはそれより多い露出領域によって画成され、前記の相互連結された複数の支柱の前記一部の前記の1またはそれより多い露出領域の少なくとも1つが、前記外表面を貫通しており、そこで開口している、前記の相互連結された複数の通路の前記一部の少なくとも1つを取り囲む、請求項14のデバイス。
前記ボディが隣接する椎体間に位置づけられた際に生じる生物学的活性が、前記の相互連結された複数の支柱の前記一部の、前記の1またはそれより多い露出領域を、漸次、取り除き、そして新規骨で置換し、そして前記外表面を貫通しており、そこで開口している、前記の相互連結された複数の通路の前記一部内への骨および組織内殖を生成する、請求項15のデバイス。
前記ポリマー性材料が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、カーボン強化PEEK、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK)からなる群より選択される、請求項13のデバイス。
前記デバイスの前記外部輪郭を画成する前記外表面の実質的にすべてが、前記マトリックスの露出領域および前記の生物学的に安定な充填剤によって画成される、請求項18のデバイス。
前記多孔性マトリックスが、骨リモデリングプロセスを経ることができるよう構成された骨伝導性材料および骨誘導性材料のうちの1つで形成される、請求項1のデバイス。
前記多孔性マトリックスが、骨リモデリングプロセスを経ることができるよう構成された骨伝導性材料および骨誘導性材料のうちの1つで形成される、請求項28のデバイス。
前記充填剤が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、カーボン強化PEEK、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK)からなる群より選択されるポリマー性材料を含む、請求項28のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の原理の理解を促進する目的のため、図に例示する態様に言及し、そして特定の専門用語を用いて該態様を記載する。にもかかわらず、本発明の範囲の限定は本明細書にまったく意図されないことが理解されるであろう。例示するデバイスおよび記載する方法における任意のこうした改変およびさらなる
変更、ならびに本明細書に例示するような本発明の原理の任意のこうしたさらなる適用は、本発明が関連する技術分野の当業者に、通常、思い浮かぶであろうように、意図される。
【0014】
移植可能医学的デバイス、移植物、ならびにこうしたデバイスおよび移植物を作製し、そして用いるための方法を提供する。より詳細には、1つの態様において、骨および/または組織内殖を促進し、破骨細胞および骨芽細胞活性を補助することによって天然骨リモデリングプロセスを促進し、隣接する骨または骨性組織を安定化させ、そして/または隣接する骨または骨性組織間の骨または組織融合を促進するデバイスを提供するが、前述の特徴のいくつかまたはすべての組み合わせを提供するために構成されたデバイスが開示される。この態様の1つの特定の側面において、デバイスには、骨を模倣し、そして選択した解剖学的部位で、例えば隣接する骨または骨性組織間の位置で、圧縮性負荷に耐えるのに適した機械的特性が含まれる。一般的に、この態様のデバイスには、骨伝導性および/または骨誘導性材料、例えば移植後、徐々に吸収されうる、カルシウム
基セラミックで形成された多孔性マトリックスが含まれる。1つの特定の形式において、マトリックスは、天然骨リモデリングプロセスの特定の側面に実質的に類似である側面を有するリモデリングプロセスを経るセラミック材料で形成される。より具体的には、この形式で、セラミック材料は、漸次、破骨細胞活性によって取り除かれ、セラミック材料の取り除かれた部分は、漸次、骨芽細胞活性を通じて形成される新規骨によって置換される。この特徴に関するさらなる詳細を以下に提供する。多孔性マトリックスにはまた、相互連結された複数の支柱によって
画成される相互連結された一連のマクロ孔も含まれ、各支柱には、中空の内部が含まれ、そのさらなる詳細を以下に提供する。相互連結された一連のマクロ孔の少なくとも一部は、充填剤によって実質的に満たされるが、他の形式においては、相互連結された一連のマクロ孔の各々は、充填剤を注入され、そして実質的に充填剤で満たされ、一方、相互連結された支柱の中空の内部は実質的に開口しているかまたは充填剤を含まない。1つの形式において、充填剤は、生物学的に安定であってもよく、例えば生体安定性ポリマー性材料であってもよい。本明細書において、用語「生物学的に安定である」は、生物学的設定内への移植時、そして移植後、実質的に損なわれていない(intact)かまたは吸収されないままである材料を指すのに用いられる。しかし、別の形式において、充填剤が生体吸収性であり、そして多孔性マトリックスが吸収されるのと同時に、または多孔性マトリックスが吸収され始めるようになった後、充填剤が吸収され始めることが意図される。1つの形式において、デバイスにはまた、外表面
を貫通し、そして複数の支柱の少なくとも一部の中空の内部(単数または複数)と連絡する複数の開口部を有する外表面も含まれる。
【0015】
この方式で、支柱の少なくとも一部の中空の内部と連絡する、
露出された開口部に加えて、骨伝導性および/または骨誘導性材料で形成される多孔性マトリックスの1またはそれより多い
露出領域、および充填剤の1またはそれより多い
露出領域を含むように、デバイスの外表面のすべてまたは一部を配置する。いくつかある特徴の中で特に、この配置は、多孔性マトリックスの
露出領域(単数または複数)での骨付着および結合、ならびに相互連結された支柱の少なくとも一部の中空の内部と連絡する開口部を通じたデバイス内への骨および/または組織内殖および浸透を
促進することが可能な外表面を提供する。これらの特徴は、とりわけ、隣接する骨または骨性組織間でのデバイスの連結増進を容易にし、隣接する骨または骨性組織間の融合を促進し、そして/または隣接する骨または骨性組織間の融合を達成するのに必要な時間を減少させることも可能である。さらに、相互連結された支柱の少なくとも一部の中空の内部と連絡する開口部は、一般的に、デバイス内への組織浸出をより迅速に可能にし、それによって移植後の治癒期間において、より早期にデバイス係留を提供するであろう。骨伝導性および/または骨誘導性材料が、移植後、徐々に吸収可能であるさらなる側面において、多孔性マトリックスが吸収可能であることによるデバイスの漸次の組込みは、デバイスの係留および連結レベルを増加させ、これは、支柱の中空の内部への早期の骨および/または組織浸出によって達成される。
【0016】
さらに、多孔性マトリックスが、天然骨リモデリングプロセスの特定の側面と実質的に類似である側面を有するリモデリングプロセスを経るセラミック材料で形成される形式において、デバイスには、多孔性マトリックスの
露出領域(単数または複数)で、そして支柱の中空の内部の内表面に沿って、骨結合および形成を可能にする破骨細胞活性を促進する表面化学構造が含まれる。より具体的には、破骨細胞活性は、デバイスの外表面で、ならびに中空の支柱の内表面に沿って、
露出された多孔性マトリックスの部分を、漸次、取り除くことも可能である。次いで、骨芽細胞活性は、対応して、そして漸次、多孔性マトリックスの取り除かれた部分を、新規骨組織で置換する。同様に、相互連結された支柱の中空の内部は、さらなる材料
露出を提供し、ここで、破骨細胞および対応する骨芽細胞活性が生じて、多孔性マトリックスの材料を新規骨組織で、漸次、置換することも可能である。同様に、隣接する骨または骨性組織間でのデバイスの連結が増進し、そして多孔性マトリックスの材料がリモデリングされるにつれて、中空の内部における組織内殖が拡大される。
【0017】
上記に加えて、充填剤が、隣接する骨または骨性組織を支持可能な、安定な表面を提供することを認識しなければならない。充填剤はまた、多孔性マトリックスを強化しながら、デバイスに、骨に似た高い破壊靱性および弾性係数を提供し、したがって、デバイスは、多様な骨格部位で通常遭遇される負荷およびストレスに耐えうる。さらに、骨伝導性および/または骨誘導性材料が、移植後、徐々に吸収可能であり、そして充填剤が生物学的に安定である場合、多孔性マトリックスの吸収後、隣接する骨または骨性組織に対する支持を充填剤が提供し続けることも可能である。実際、この形式で、生物学的に安定な充填剤は、一般的に、多孔性マトリックスの吸収と同時に、または吸収後に、その内部に、そして全体に、骨および/または組織が浸出する多孔性マトリックスになりうる。本文書中に開示しそして記載するデバイスのこれらの詳細および他の詳細に関するさらなる詳細を以下に提供する。
【0018】
別の態様において、1またはそれより多い開口部、および開口部の少なくとも一部を実質的に満たす生物学的に安定な充填剤を含むセラミックマトリックスによって形成されるボディを含むデバイスを提供するが、1またはそれより多い形式において、生物学的に安定な充填剤を全体に注入し、そして開口部のすべてを実質的に満たしてもよいことが意図される。この態様の1つの形式において、開口部は、相互に連結された一連のマクロ孔によって
画成される。しかし、別の形式において、開口部は、ボディ内
の途中まで伸長するまたはボディを
貫通するチャネルまたは通路によって
画成される。さらに、別の形式において、セラミックボディには、開口部を
画成するフレームワークの形式で、操作されたまたは構築された形状が含まれる。この態様の1つの形式において、デバイスには、デバイスの外部輪郭を
画成する外表面が含まれ、そしてセラミックマトリックスおよび充填剤の1またはそれより多い
露出領域が含まれるが、外表面の全体が、セラミックマトリックスおよび充填剤の
露出領域によって
画成されていてもよいことが認識されなければならない。セラミックマトリックスは、天然骨リモデリングプロセスの特定の側面に実質的に類似である側面を有するリモデリングプロセスを経るセラミック材料で形成される。より具体的には、この形式で、セラミック材料は、破骨細胞活性によって、漸次、取り除かれ、セラミック材料の取り除かれた部分は、骨芽細胞活性を通じて形成される新規骨によって、漸次、置換される。同様に、デバイス移植後、セラミックマトリックスは、破骨細胞活性がセラミックマトリックスの部分を漸次、取り除き、そして骨芽細胞活性がセラミックマトリックスの取り除かれた部分を新規骨組織で漸次、置換する、リモデリングプロセスを経る。この態様の1つの側面において、リモデリングプロセスの開始は、デバイスの外表面上で
露出されるセラミックマトリックスの領域に限定される。より具体的には、デバイスの外表面で始まって、そしてデバイス内部に向かって、または内部内に、漸次、続くプロセスによって、セラミックマトリックスが新規骨組織にリモデリングされることが認識されなければならない。同様に、この態様において、充填剤は生物学的に安定であるため、デバイス内部に向かうかまたは内部内へのリモデリングプロセスの進行は、デバイスの外表面上のセラミックマトリックスの
露出領域で、またはそこからしか生じえない。別のより具体的な側面において、リモデリングプロセスの開始は、移植時または移植前に、デバイスの外表面上で
露出されるセラミックマトリックス領域に限定されうる。
【0019】
先には論じていなかったが、この態様のセラミックマトリックスにはまた、開口部を
画成する、相互連結された複数の支柱も含まれる。上記態様とは対照的に、この態様において、支柱各々は、
中実の
、すなわち満たされた横断面を伴って提供されてもよいことが意図されるが、各支柱が中空の内部を持つ形式もまた意図される。同様に、セラミックマトリックスの形式に応じて、1またはそれより多い形式において、外表面
を貫通し、そして複数の支柱の少なくとも一部の中空の内部(単数または複数)と連絡する開口部を含む、この態様のデバイスの外表面が提供可能であることが意図される。
【0020】
上に論じる態様と同様、この態様のデバイスは、骨および/または組織内殖を促進し、破骨細胞および骨芽細胞活性を補助することによって天然骨リモデリングプロセスを促進し、隣接する骨または骨性組織を安定化させ、そして/または隣接する骨または骨性組織間の骨および/または組織融合を促進することも可能である。この態様の1つの特定の側面において、デバイスには、骨を模倣し、そして選択した解剖学的部位で、例えば隣接する骨または骨性組織間の位置で、圧縮性負荷に耐えるのに適した機械的特性が含まれる。さらに、この態様のデバイスの外表面には、骨結合および形成がセラミックマトリックスの
露出領域(単数または複数)で始まり、そしてデバイスの内部部分に向かってまたは内部部分内に、
露出領域から漸次、続くことを可能にする、表面化学構造が含まれる。同様に、隣接する骨または骨性組織間のデバイスの連結が増進され、そしてデバイス内への組織内殖が広がり、セラミックマトリックスがリモデリングされる。
【0021】
さらに、この形式の生物学的に安定な材料は、隣接する骨または骨性組織を支持可能な安定な表面を提供する。充填剤はまた、セラミックマトリックスを強化しながら、デバイスに、骨に似た高い破壊靱性および弾性係数を提供し、したがって、デバイスは多様な骨格部位で通常遭遇される負荷およびストレスに耐えうる。さらに、セラミックマトリックスは、漸次、リモデリングされ、そして新規骨によって置換されるため、充填剤は、隣接する骨または骨性組織に対する支持を提供し続けることも可能である。本文書中に開示しそして記載するデバイスのこれらの詳細および他の詳細に関するさらなる詳細を以下に提
供する。
【0022】
骨または組織修復または増殖が必要であるかまたは望ましい、非常に多様な適用のいずれにおいても、任意の骨格部位で、上記デバイスを使用可能であることが意図される。1またはそれより多い特定のしかし限定されない形式において、デバイスを隣接する骨または骨性組織間に位置づけるよう構成して、骨または骨性組織の耐荷重軸に沿って支持を提供してもよいが、非耐荷重適用もまた意図される。例えば、ここで
図1を参照すると、写真画像は、隣接する椎体間の融合を促進するように構築された椎体間移植デバイス10の端面図を示す。デバイス10には、一般的に、隣接する椎体間の椎間板空間中に
配置できるような「D型」ボディ12が含まれる。ボディ12はまた、外部輪郭周囲に広がり、そしてデバイス10の形状にしたがう、外表面14も有する。デバイス10にはまた、中空チャンバー22周囲に広がりそして
中空チャンバー22を囲む側壁16も含まれ、該チャンバー内には、骨増殖増進材料、例えば骨チップ、骨形成タンパク質、LIMミネラル化タンパク質(LMP)および他の増殖因子が位置づけられてもよい。外表面14には、
互いに反対の位置に位置づけられた上部部分および下部部分18、20が含まれ、該部分は、隣接する椎体と
係合し、そして椎間板空間からデバイス10が排除
されないようになっている突起24を持つよう形成される。1またはそれより多い形式において、上部部分および下部部分18、20は、互いに対して角度を付けて、デバイス10が位置づけられるであろう隣接する椎体間に、前彎性の角度に相当する形状を提供してもよい。さらに、例示してはいないが、デバイス10に1またはそれより多いツール
係合部分を提供して、適切な装置を用いて、椎間板空間におけるデバイスの
係合および配置を促進してもよい。デバイス10に別の外部形状を提供してもよいこともまた意図され、その限定されない例が、米国特許第7,192,446号、第6,595,995号、第6,613,091号、第6,645,206号、第6,695,851号、第6,174,311号、第6,610,065号、第6,610,089号、第6,096,038号、第6,746,484号、第6,471,724号、第6,764,491号、第6,830,570号、第6,447,547号、第6,991,654号、第5,797,909号、第5,669,909号、第5,782,919号、第5,984,967号、第6,206,922号、第6,245,072号、および第6,375,655号、ならびに米国特許出願第2008/016192号に開示される。
【0023】
図1にやはり例示するように、デバイス10には、マトリックス26、およびマトリックス26の開口部内およびその全体に注入されている充填剤40が含まれる。より具体的には、例示した形式において、充填剤40は、マトリックス26のマクロ孔によって
画成される開口部内およびその全体に注入される。しかし、別の形式において、マトリックス26の開口部は、マトリックス内
の途中まで伸長するまたはマトリックス
を貫通するチャネルまたは通路によって
画成されてもよい。さらに、別の形式において、マトリックス26には、開口部を
画成するフレームワークの形式で操作されたまたは構築された形状が含まれる。しかし、他の例示しない形式において、充填剤40は、マトリックス26の開口部の一部のみを実質的に満たす。例示する形式において、ボディ12には、外部輪郭および外表面14の全体およびこれらに沿って、マトリックス26および充填剤40の
露出された部分が含まれる。より具体的には、外部輪郭周囲に広がる部分を含み、そしてデバイス10の形状にしたがう(中空の内部22を含む)外表面14には、マトリックス26および充填剤40の
露出領域が含まれる。さらに、
図1には例示していないが、ボディ12にはまた、外部輪郭および外表面14の全体およびこれらに沿って位置づけられた、複数の開口部も含まれ、
図5に関連して、このさらなる詳細を以下に提供する。開口部は、一般的に、マトリックス26の
露出領域の多様な位置内に位置づけられ、そしてマトリックス26の支柱の中空の内部と連絡する。さらに、他の形式において、中空の内部を伴わずにマトリックス26の支柱を提供してもよく、そして支柱には、
中実の
、すなわち満たされた横断面が含まれてもよい。同様に、この形式において、外表面14には、外表面
を貫通するいかなる開口部も含まれない。しかし他の形式において、マトリックス26の支柱が中空である一方、外表面14には外表面
を貫通するいかなる開口部も含まれないか、または外表面14の1またはそれより多い所望の領域にのみ、開口部が提供されてもよいことが意図される。他の例示しない形式において、外表面14の1つの部分または特徴的な部分にのみ、マトリックス26および充填剤40の
露出領域が提供されてもよいことが意図される。例えば、1つのこうした形式において、外表面14には、上部位置および下部位置18、20に沿ってのみ、マトリックス26および充填剤40の
露出領域が提供されてもよい。別の例において、外表面14には、チャンバー22に近接して位置づけられた側壁16の一部に沿ってのみ、マトリックス26および充填剤40の
露出領域が提供されてもよい。さらに、当業者に認識されるであろうように、外表面14に沿ってマトリックス26および充填剤40の
露出領域を位置づけるための別の形状が意図される。
【0024】
図2において、充填剤40が注入されてもよい
足場を提供するマトリックス26の写真画像を提供するが、充填剤40は、
図2において、マトリックス26に存在しない。マトリックス26には、相互連結された一連の空隙またはマクロ孔30を
画成する、複数の支柱28が含まれる。明確さを保持するため、
図2においては、支柱28およびマクロ孔30の一部しか表示していない。
図2に例示する形式において、マトリックス26は、一般的に、中空の筒状の形状を有するが、デバイス10のため、マトリックス26の他の形状を利用してもよいことが意図される。マトリックス26の支柱28には、各々、中空の内部または通路34が含まれ、これは、
図3および4において、マトリックス26の拡大写真画像中に見られうる。支柱28の通路34は、互いに液体連絡で相互連結され、それによって、支柱28を
貫通する通路34の中空マトリックスが形成される。同様に、通路34は、一般的に、支柱28の側壁によって、一連のマクロ孔30から分離されるが、支柱28上の
マイクロ孔32(
図4)を通じて、通路34およびマクロ孔30間の何らかの連絡が生じてもよいことが意図される。例示し、そして明確にする目的のため、通路34の一部は、
図3および
図4において、
露出されているが、マトリックス26を作製するための以下に記載するプロセスを考慮すると認識されるであろうように、支柱28の末端は一般的に閉鎖されるため、通路34は、一般的に、マトリックス26の最初の製造に際して
露出されないであろうことが認識されなければならない。むしろ、さらなる
加工処理に際して、支柱28の末端で材料の一部が除去されて、通路34が
露出されてもよい。この方式で、通路34が充填剤40で満たされることなく、マトリックス26の1またはそれより多い部分が充填剤40に含浸されることも可能である。同様に、マトリックス26の1またはそれより多い部分が充填剤40に含浸される際、マイクロ孔32、完全に閉鎖されていない支柱28の末端、あるいは他の意図されない表面の亀裂または欠損いずれかを通じて生じうる意図されない漏出いずれかを除いて、通路34は、充填剤40を実質的に含まないままである。デバイス10の場合、1つの形式において、マトリックス26の1またはそれより多い部分に充填剤40が浸潤した後、そしてデバイス10を最終形状に成形した際に、通路34が
露出されてもよく、このさらなる詳細を以下に提供する。
【0025】
他の形式において、中空の内部を含まない支柱28を含むマトリックス26を提供してもよい。むしろ、これらの形式において、支柱28は、マトリックス26が形成される材料によって形成され、そして実質的に
中実の横断面形状を含む。同様に、マトリックス26の1またはそれより多い部分に、充填剤40が浸潤し、そしてこれによって満たされる場合、一般的に、これは支柱28のいかなる部分にも進入せず、またはこれらを満たさない。さらに、上に示唆するように、マトリックス26はまた、ボディ内
の途中まで伸長するかまたはボディを
貫通し、そしてマクロ孔30の代わりに、マトリックス26の開口部を
画成する、1またはそれより多いチャネルまたは通路を含むように形成されてもよい。さらに、別の形式において、マトリックス26には、マトリックス26の開口部を
画成するフレームワークの形式の、操作されたまたは構築された形状が含まれる。
【0026】
マトリックス26は、合成、天然、生体吸収性または非吸収性の焼結または非焼結複合セラミック材料で形成されてもよい。この形式の1つの側面において、放射線不透過性のセラミック材料は、マトリックス26の1またはそれより多い部分が充填剤40で満たされた後であっても、デバイス10に望ましい画像化特性を提供する。1つの特定の形式において、骨伝導性および/または骨誘導性であり、そしてin vivoで生体吸収性または生体分解性である焼結セラミック材料から、マトリックス26が形成される。言い換えると、セラミック材料は、表面で生物学的反応を誘発して、隣接する組織と結合形成を生じうる生物活性材料である。セラミック材料の限定されない例には、カルシウム
基セラミック、例えば硫酸カルシウム、炭酸カルシウムまたはリン酸カルシウム材料、例えばヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、フルオロアパタイト、リン酸三カルシウム、例えばα型リン酸三カルシウムまたはβ型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウムおよびその混合物が含まれる。1つの特定の形式において、マトリックス26は、天然骨リモデリングプロセスの特定の側面と実質的に類似の側面を有するリモデリングプロセスを経る生体吸収性または生体分解性セラミック材料で形成されてもよい。したがって、最初の骨性付着の構造的実行を蝕む、非特異的溶解を示す他のセラミック材料とは対照的に、この形式のセラミック材料は、細胞に基づくリモデリングを利用して、発展するがなお安定な宿主界面を提供し、これは骨置換プロセス全体の局所的構造性能を維持する。例えば、この形式において、セラミック材料は、漸次、破骨細胞活性によって除去され、ここで、セラミック材料の除去された部分の微小構造は、漸次、そして同調して、骨芽細胞活性を通じて形成される新規骨によって置換される。より具体的には、マトリックス表面は、続くミネラル化を通じて固形になる細胞外マトリックスを生成する骨細胞の活性から、界面結合を促進する。天然骨リモデリングプロセスの特定の側面に実質的に類似の側面を有するリモデリングプロセスを経るセラミック材料の1つの特定の形式は、Skelite(登録商標)であり、Medtronic, Inc.、710 Medtronic Parkway, Minneapolis, MN 55432−5604 USAより商業的に入手可能な単離生体吸収性生物材料である。より具体的には、Skelite(登録商標)は、カルシウム、酸素およびリンを含む化合物であり、ここで、これらの元素の少なくとも1つ
はその一部
が、およそ0.1〜0.6Åのイオン半径を有する元素で置換されている。これらの元素の限定されない例には、ケイ素およびホウ素が含まれるが、前述の基準を満たす他の元素の使用が意図される。特に、この生物材料化合物は、式:
(Ca)
i{(P
1−x−y−zB
xC
yD
z)O
j}
2:
式中、B、CおよびDは、およそ0.1〜0.4Åのイオン半径を有する元素より選択され;
xは、0より大きいかまたは0に等しいが1未満であり;
yは、0より大きいかまたは0に等しいが1未満であり;
zは、0より大きいかまたは0に等しいが1未満であり;
x+y+zは、0より大きいが1未満であり;
iは、2より大きいかまたは2に等しいが4未満であるかまたは4に等しく;そして
jは4−δに等しい、式中、δは、0より大きいかまたは0に等しいが1未満であるかまたは1に等しい
を有する。
【0027】
この化合物に関するさらなる詳細を、米国特許第6,323,146号に見出すことも可能であり、その内容は、その全体が本明細書に援用される。
マトリックス26の例示する形式に関して、マトリックス26は、相互連結された複数の空隙を有する有機的な網状の
フォーム(foam)構造から形成されてもよい。より具体的には、1つの形式において、ポリウレタンの
フォームをフラッシュフレーム処理(flash−flame)して、
フォームのウェブ中の
気泡間の薄壁を破裂させそして除去し、孔が閉鎖されているのではなく相互連結されているスポンジを提供する。この形状を有する多孔
フォーム構造は、望ましい場合、商業的に入手可能であるか、または調製可能であり、そして支柱28の通路34の形成を促進する。支柱28が中空でない形式に関しては、マトリックス注入時にセラミック材料と接触
し次いでマトリックスの焼成中に除去される、ポリマー性球体などの孔形成剤を用いて、マトリックス26を
形成してもよい。
フォーム構造にセラミック材料の水性スラリーを含浸して、
フォームの間膜(ligament)または支柱をコーティングし、そして空隙を実質的に満たす。孔から過剰なスラリーを取り除き、そしてコーティングされた構造を乾燥させて、典型的には緑色体(すなわち非焼成コーティング
フォーム構造)と呼ばれるものを形成する。乾燥は、当業者によって認識されるであろうように、数分から数時間に渡って起こってもよい。スラリーのコーティングが
フォーム構造全体で所望の厚みを達成するまで、このプロセスを反復する。コーティングの典型的な厚みは、約10〜約100ミクロンであってもよい。次いで、コーティングされた構造を加熱して、柔軟な有機性の
フォームをまず
焼き尽くし、そして次いで焼成し、それによって、マクロ孔30の形式の相互連結された複数の空隙を有する融合セラミック
フォームを提供する。加熱は、典型的には、約25℃から最大約500℃の温度で行われる。焼成は、典型的には、約900℃〜約1500℃の温度で行われる。温度が加熱温度から焼成温度まで傾斜するようにして、加熱および焼成を続けて行ってもよい。
【0028】
セラミック材料のスラリーの調製は、セラミック材料を液体媒体、典型的には水、および分散剤と併せる工程を伴う。分散剤を用いて、セラミック粒子の凝集を防止してもよく、そして分散剤は有機でもまたは無機でもいずれであってもよい。有機分散剤の例には、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムおよびその混合物が含まれる。無機分散剤の例には、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウムおよびその混合物が含まれる。添加される分散剤の量は、限定されるわけではないが、典型的には、体積約1〜3.5パーセントである。
【0029】
セラミック材料の最初の粒子サイズが、最終のマトリックス26の強度に影響を及ぼしうることが発見されてきている。それに加えて、粒子サイズはまた、
スラリーの固形
装填力および生じる粘度の両方に影響を及ぼしうる。スラリーの一部を粉砕する(mill)と、所望の粒子サイズ分布を得る際に有用であることが見出されてきている。典型的には、不活性摩耗耐性粉砕媒体、例えばアルミナまたはジルコニアを用いて、スラリーの一部を
1〜24時間粉砕して、最大約50ミクロン(および約50ミクロンまでの任意のサイズまたはサイズ範囲)のセラミック粒子を提供してもよい。スラリーのセラミック粒子を、
フォーム支持体に、そして互いにの両方に接着させるためには、粒子サイズ減少後、スラリーが、事実上、チキソトロピックであることが望ましい。すなわち、スラリーの粘度は、剪断率が増加すると減少する。
【0030】
また、網状
フォームボディ内に含浸させる前に、セラミック材料のスラリーに添加物を添加してもよい。こうした添加物の限定されない例には、緑色体に強度を与える結合剤、
フォーム全体へのスラリーの分布を改善する湿潤剤、およびスラリー中の
気泡の形成を減少させる消泡剤が含まれる。これらの構成要素は、典型的には、限定されるわけではないが、結合剤に関しては体積約10パーセント未満、ならびに湿潤剤および消泡剤に関しては体積約2パーセント未満を含めて、少量で、スラリーに添加される。
【0031】
セラミック材料のスラリーのコーティングを何回か適用し、そして各コーティングの間に、含浸された構造を乾燥させることによって、約10MPaの圧縮強度を持つマトリックス26を提供してもよい。後のコーティングが適用されるにつれて、
フォームの多孔構造が閉塞され始める可能性もあるが、最初の何回かのコーティングに関して、高い固形装填(体積最大約30パーセント)を持つスラリーを用い、その後、より低い固形装填(体積約20パーセント未満)を所持するスラリーを用いると、いかなる閉塞も回避が補助されることが見出されている。
【0032】
1つの形式において、真空プロセスを用いて、
フォームボディから過剰なスラリーを取り除いてもよい。この場合、含浸された
フォームを、垂直に搭載された真空ホース上に取り付けられたメッシュスクリーン上に置き、そして過剰なスラリーをホースから真空装置内に引き込む。あるいは、制御された気体ジェットを用いて、内部孔を閉塞させる過剰なスラリーを分散させてもよい。
【0033】
フォーム構造を取り除くため、乾燥してコーティングされた構造を電気炉に移し、そして加熱して、そしてまず水を取り除くのに十分に高い温度(すなわち最大約200℃)に維持し、そして次いで、より高い温度(例えば最大約500℃)にして、下層にあるポリマー
フォームを熱分解してもよい。続いて、
フォームを熱分解するのに用いられる温度より有意に高い温度に加熱することによって、セラミック構造の焼成(最大約1500℃、より好ましくは約1200℃〜約1500℃の温度)を行う。次いで、炉を室温に冷却させる。
【0034】
先に記載していないが、デバイス10の1またはそれより多い形式にとって望ましい構造的特徴をマトリックス26に提供するため、
フォーム構造の1またはそれより多い特性を
変更してもよいことが認識されなければならない。例えば、1つの形式において、特定の強度および係数特性のためにターゲットとされるマトリックス対充填剤比を最終的に生じるであろう形式で、マトリックス26を提供するのに使用可能な多様な空隙比を、
フォーム構造に提供してもよい。この形式の1つの側面において、例えば、
フォーム構造のマクロ孔の寸法を
変更してもよく、これは、マトリックス26の支柱28の位置づけを対応して
変更するであろうことが意図される。別の形式において、最終的に異方性特性をマトリックス26に与えるであろう異方性形状を
フォーム構造に提供してもよいことが意図される。同様に、デバイス10に、天然骨と同様に、1またはそれより多い選択された方向で望ましい機械的性能を提供する異方性特性が提供されるように、デバイス10を、異方性特性を有するマトリックス26で形成することも可能である。この形式の1つの側面において、勾配多孔度(gradient porosity)または伸長されたマクロ孔を含む
フォーム構造を伴う異方性特性を得てもよい。例えば、
フォーム構造を加熱するか、伸展させるか、または圧縮してマクロ孔を伸長させて、そして次いで、マクロ孔を伸長形状に保持したまま冷却してもよい。別の例において、異なるサイズのマクロ孔を有する2またはそれより多い
フォーム構造をともに融合させることによって、勾配多孔度を得てもよいが、他の代替アプローチもまた意図される。
【0035】
マトリックス26および充填剤40に取り巻かれた単一の材料によって形成されるデバイス10の1またはそれより多い領域を生じる方式で、
フォーム構造を
変更してもよいこともまた意図される。例えば、
フォーム構造の部分を1またはそれより多い領域から取り除いてもよく、そして次いで、これらの領域に、続いて、セラミック材料、充填剤40または別の代替材料を提供してもよい。1つの特定の形式において、単一の材料で形成される領域を、デバイス10の移植中、置換デバイスによって
ねじ係合される
(threadingly engaged)デバイス10の領域中で利用してもよいが、単一の材料で形成される1またはそれより多い領域の他の使用が意図される。前述に加えて、間膜または支柱の組織化されたまたはランダムでない配置を含むよう、三次元プリンティングプロセスによって、
フォーム構造を形成してもよいこともまた意図される。この形式において、マトリックス26に、そして最終的にはデバイス10に所望の機械的特性を与えるであろう形状を提供するように、間膜を配置してもよい、間膜に基づく
連続気泡ネットワークで、
フォーム構造を提供してもよい。
【0036】
デバイス10の例示する形式の調製において、マトリックス26がひとたび調製されたならば、充填剤40を一連のマクロ孔30内にそして全体に注入する。しかし、上述のように、代替形式において、充填剤40は、マトリックス26のマクロ孔30の一部のみに注入され、そしてこれを満たすように用いられる。この形状において、デバイス10の1またはそれより多い部分に充填剤40を含まないマトリックス26の
露出領域を提供し、それによって、マトリックス26の
露出の増加および組織が増殖可能な開口されたネットワークが提供される。充填剤40は、一般的に、マトリックス26を強化し、したがって、デバイス10は、多様な骨格部位で通常遭遇される負荷およびストレスに耐え、そしてマトリックス26単独で達成されるよりも、天然骨をより緊密に模倣する機械的特性を有することも可能である。例えば、充填剤40は、デバイス10に、骨に似た高い破壊靱性および弾性係数を提供することも可能である。1つの形式において、充填剤40は、生物学的に安定なポリマー性材料であるが、他のタイプの生物学的に安定な材料が意図される。生物学的に安定なポリマー性材料の限定されない例には、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、架橋UHMWPEおよびポリアリールエーテルケトン(PAEK)ファミリーメンバーが含まれ、これには、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、カーボン強化PEEK、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK)が含まれる。別の形式において、充填剤40は、生体吸収性または生体分解性ポリマー性材料であってもよいことが意図されるが、他のタイプの生体吸収性または生体分解性材料が意図される。この形式の1つの側面において、生体吸収性または生体分解性材料から形成される場合、マトリックス26の分解速度と同じかまたはそれより遅い、in vivoでの分解速度を含む形式で、充填剤40を提供してもよい。生体吸収性または生体分解性ポリマー性材料の限定されない例には、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(L−コ−D,L−ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシルブチレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、チロシン由来ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(ε−カプロラクトン)、およびポリグリコネートが含まれる。
【0037】
1またはそれより多い形式において、充填剤40を、例えばポリマー性材料および1またはそれより多い骨誘導性および/または骨伝導性材料によって形成される複合材料として提供してもよい。例えば、1つの特定の形式において、ポリマー性材料、およびマトリックス26を形成するセラミック材料の粒子の混合物によって、充填剤40を形成してもよいが、セラミックまたは骨誘導性および/または骨伝導性材料の代替形式を利用してもよいことが意図される。この配置において、さらなる骨結合を促進し、そして/またはデバイス10から溶出するミネラル要素の生物学的利用能を増加させるため、充填剤40に骨誘導性および/または骨伝導性材料のさらなる
露出領域を提供してもよい。さらに、1またはそれより多い形式において、充填剤40中、骨誘導性および/または骨伝導性材料の粒子と接触した細胞を刺激して、骨修復プロセスが開始されるのを補助してもよいこともまた意図される。
【0038】
任意の適切な方式で、マトリックス26のマクロ孔30内に充填剤40を含浸し、そしてそのすべてまたは一部を満たしてもよいことが意図される。しかし、1つの特定の形式において、射出成形プロセスによって、マクロ孔30を充填剤40で満たしてもよい。例えば、マトリックス26を適切な大きさのモールド内に位置づけてもよく、モールド内に充填剤を加圧下で注入してもよい。この形式の1つの側面において、マトリックス26が充填剤40内に覆い隠され始めるように、マトリックス26より大きい内部チャンバーを、モールドに提供してもよい。上に論じるように、支柱28が中空であるマトリックス26の例示した形式において、通路34の各々は対応する支柱28の末端部分で閉鎖され、そして一般的に、相互連結された一連のマクロ孔30から分離されているため、射出成形後、支柱28の通路34は充填剤40を実質的に含まないままである。さらに、デバイス10の1またはそれより多い部分に、充填剤40を含まないマトリックス26の
露出領域を提供してもよい、上に論じる形式において、充填剤40をマトリックス26の残りの部分(単数または複数)に添加する前に、ポリエチレングリコール、ワックス、ヒドロゲル、またはアクリル性ラテックスなどの、除去可能な材料で、マトリックス26の対応する領域を満たしてもよいことが意図される。同様に、ひとたび充填剤40がマトリックス26の所望の領域に添加されたならば、いくつかの可能性のみを提供すると、1またはそれより多い溶媒での溶解を通じて、および/または熱処理によって、除去可能材料を取り除いてもよい。さらに、先に記載していないが、界面化学結合を促進するかまたは改善するために、マトリックス26および充填剤40の一方または両方を処理してもよいことが認識されなければならない。例えば、1つの形式において、エーテルまたはエステルなどの1またはそれより多い極性官能基を充填剤40に添加してもよいことが意図される。別の形式において、マトリックス26をまず、水酸化アンモニウム、または表面で極性を改変しうるいくつかの他の溶液で洗浄してもよいことが意図される。さらに、別の形式において、表面活性剤または乳化剤を充填剤40に添加してもよいことが意図される。例えば、この形式の1つの側面において、マトリックス26の1つまたはそれより多い部分内に注入する前に、オレイン酸を充填剤40に添加してもよいことが意図される。
【0039】
射出成形プロセス後、マトリックス26および充填剤40は、大きさおよび形状が、射出成形プロセス中に利用されたモールドに実質的に対応する複合ブランクを提供し、そしてこれをさらに
加工処理して、望ましい形状のデバイス10を提供することも可能である。例えば、いくつかの限定されない例のみを提供すると、機械加工、切断、レーザー成形、化学的分解、エッチング、粉砕、およびピーニングの1またはそれより多くのいずれかによって、複合ブランクをデバイス10の所望の形状に
加工処理してもよいことが意図される。
【0040】
ブランクをデバイス10の最終形状に
加工処理すると、充填剤40の領域に加えて、マトリックス26の領域が外表面14で
露出され始める。マトリックス26の支柱28が通路34を含む、例示する形状において、この
加工処理中に、支柱28の少なくとも一部の末端部分および/またはさらなる部分が取り除かれ、それによって、デバイス10の外表面14の一部の代表的な例の拡大図を提供する
図5の写真画像に例示するように、開口部36が提供されて、対応する通路34が
露出される。より具体的には、支柱28は
露出されており、一般的に充填剤40から分離されるように、開口部36を取り巻くマトリックス26の
露出領域を提供する。したがって、開口部36は、対応する支柱28の通路34内に増殖する骨および/または組織にアクセスポイントを提供する。さらに、通路34の各々は相互連結されているため、1つの通路34内への骨および/または組織増殖は、さらなる通路34が外表面14で開口部36によって
露出されていない場合であってさえ、さらなる通路34内に広がりうることが
認識されなければならない。支柱28の末端部分から除去された材料の量に応じて、対応する通路34
に露出するいかなる開口部36も含まないマトリックス26の
露出領域を提供することも可能であることがさらに認識されなければならない。さらに、開口部36、およびある程度はマトリックス26の
露出領域は、一般的に、マトリックス26および充填剤40によって形成される複合ブランクから、デバイス10の所望の形状を達成するため、射出成形プロセス後、さらなる
加工処理に供されるデバイス10の領域に限定されてもよい。同様に、1つの形式において、デバイス10の外表面14には、多くの開口部36および/またはマトリックス26の
露出領域が含まれてもよく、一方、別の形式において、外表面14には、利用する射出成形後
加工処理の度合いに応じて、少数の開口部36および/またはマトリックス26の
露出領域のみが含まれてもよい。さらに、支柱28が中空でなく、そして通路34を含まない他の形式において、開口部36は外表面14に存在しない。さらに、射出成形プロセス後に
加工処理されるブランク領域は、デバイス10が移植されるであろう解剖学的位置に対して提供される考慮によって、少なくとも部分的に決定されるかまたは影響を受けるであろうこともまた意図される。
【0041】
1またはそれより多い形式において、デバイス10を利用して、薬理学的剤を送達してもよいこともまた意図される。例えば、マトリックス26が生体吸収性材料で形成される1つの形式において、マクロ孔30を充填剤40で満たす前に、マトリックス26の外表面上で薬理学的剤を提供してもよい。この形式において、薬理学的剤は、マトリックス26が吸収されるにつれて、次第にin vivoで
露出され始めうる。しかし、別の形式において、通路34中で薬理学的剤を提供してもよいことが意図されるが、薬理学的剤を提供するための他の変型が想定される。例えば、1つの代替形式において、充填剤40をマトリックス26のマクロ孔30の少なくとも一部内に注入し、そして次いで、デバイス10の移植後、充填剤40からin vivoで送達する前に、充填剤40内に薬学的剤を混合してもよいことが意図される。この形式の1つの側面において、充填剤40を、生体分解性または生体吸収性材料、例えば生体分解性または生体吸収性ポリマー性材料として提供してもよく、そして療法剤は、充填剤40が分解されるかまたは吸収されるにつれて、充填剤40から、漸次、放出されうる。
【0042】
別の代替形式として、充填剤40をマトリックス26のマクロ孔30の少なくとも一部内に注入した後、薬学的剤を充填剤40の
露出領域上に提供し、そして次いで、デバイス10の移植後に、充填剤40の
露出された表面からin vivoで送達してもよいことが意図される。この形式の1つの側面において、充填剤40中に薬学的剤が沈着可能な1またはそれより多い孔を提供するため、マトリックス26のマクロ孔30の少なくとも一部内に注入する際、充填剤40中で、孔形性剤を用いてもよい。他の側面において、薬学的剤および充填剤40の間の結合または接着を増進するため、薬学的剤を提供する前に、充填剤40の
露出領域を化学的または機械的
加工処理に供してもよいことが認識されなければならない。さらにまたはあるいは、薬学的剤および充填剤40の間の結合または接着を増進するため、薬学的剤を化学的
加工処理に供してもよい。さらに、この形式の他の側面において、1またはそれより多いタイプの生体吸収性接着剤を用いて、充填剤40の
露出領域に、薬学的剤を付着させてもよいことが意図される。
【0043】
含まれる場合、薬理学的剤には、融合速度を増加させうるか、または他の何らかの有益な効果を有しうる増殖因子が含まれてもよい。デバイス10による送達のため、非常に多様な増殖因子が意図される。例えば、増殖因子には、骨形成タンパク質、LIMミネラル化タンパク質(LMP)、トランスフォーミング増殖因子、例えばトランスフォーミング増殖因子−β(BGF−β)、インスリン様増殖因子、血小板由来増殖因子、線維芽細胞増殖因子、または何らかの有益な効果を有する他の類似の増殖因子が含まれてもよい。含まれる場合、増殖因子、または他の薬理学的剤は、典型的には、療法的に有効な量で提供される。例えば、増殖因子は、融合を促進する際に有効な量で含まれてもよい。
【0044】
1つの特定の形式において、増殖因子は、組換えヒト骨形成タンパク質(rhBMP)を含む骨形成タンパク質である。例えば、1つの型において、骨形成タンパク質は、rhBMP−2、rhBMP−4またはそのヘテロ二量体である。しかし、BMP−1〜BMP−18と称される骨形成タンパク質を含めて、任意の骨形成タンパク質が意図される。骨形成タンパク質は、Genetics Institute, Inc.、マサチューセッツ州ケンブリッジから入手可能であり、そしてまた、Wozneyらに対する米国特許第5,187,076号;Wozneyらに対する米国特許第5,366,875号;Wangらに対する米国特許第4,877,864号;Wangらに対する米国特許第5,108,922号;Wangらに対する米国特許第5,116,738号;Wangらに対する米国特許第5,013,649号;Wozneyらに対する米国特許第5,106,748号;ならびにWozneyらに対するPCT出願第WO93/00432号;Celesteらに対する第WO94/26893号;およびCelesteらに対する第WO94/26892号に記載されるように、当業者によって調製可能である。上記のように得られるかまたは骨から単離されるかいずれでもよいすべての骨形成タンパク質が意図される。骨から骨形成タンパク質を単離するための方法は、例えば、Uristに対する米国特許第4,294,753号およびUristら, 81 PNAS 371, 1984に記載される。
【0045】
他の形式において、薬理学的剤は、脊髄感染、癌性脊髄および骨粗鬆症を含む、多様な脊髄状態を治療するために用いるものであってもよい。こうした剤には、抗生剤、鎮痛剤、およびステロイドを含む抗炎症薬剤が含まれるが、他の例示的な剤が当業者に知られる。これらの剤はまた、多様な状態およびそれらが引き起こす症状を治療し、そして特定の症例に応じて、当業者によって決定可能である療法的有効量で用いられる。
【0046】
別の例示しない態様において、移植物には、その外表面上に、骨伝導性または骨誘導性材料および生物学的に安定な材料の
露出領域が含まれ、外表面上では、骨伝導性または骨誘導性物質が、生物学的に安定な材料中に懸濁されるかまたは生物学的に安定な材料全体に分散される。より具体的には、この態様の1つの形式において、生物活性セラミック材料、例えばSkelite(登録商標)の粒子を、生物学的に安定な材料と均質に混合してもよく、生物学的
に安定な材料には例えば、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)ファミリーのメンバー、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、カーボン強化PEEK、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む生体安定性ポリマー性材料などがある。次いで、いくつかの限定されない例のみを提供すると、機械加工、切断、化学的分解、エッチング、粉砕、およびピーニングのいずれか1つまたは組み合わせなどの、さらなる
加工処理を通じて、移植物の所望の形状が得られうる、移植物またはブランクの所望の形状内に、均質混合物を射出成形するか、押出すか、または圧縮成形してもよい。骨伝導性または骨誘導性材料の
露出領域は、一般的に、融合速度加速を促進し、そして骨付着を通じて、早期の移植物固定を提供する一方、生物学的に安定な材料は、移植物を利用する解剖学的位置に必要な機械特性を提供し続ける。
【0047】
別の態様において、移植可能医学的デバイスには、デバイスの外部輪郭を
画成する外表面を有するボディが含まれる。外表面には、相互連結された一連のマクロ孔、および相互連結された一連のマクロ孔の少なくとも一部を実質的に満たす生物学的に安定な充填剤を示す、多孔性マトリックスの1またはそれより多い
露出領域が含まれる。移植後、多孔性マトリックスは、破骨細胞活性が、多孔性マトリックスの部分を、漸次、取り除き、そして骨芽細胞活性が、多孔性マトリックスの取り除かれた部分を新規骨組織で、漸次、置換する、リモデリングプロセスを経る。この態様の1またはそれより多い側面において、リモデリングプロセスの開始は、デバイスの外表面上の多孔性マトリックスの1またはそれより多い
露出領域に限定される。この態様の別の側面において、多孔性マトリックスはSkelite(登録商標)によって形成され、そして生物学的に安定な材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、カーボン強化PEEK、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK)より選択される。
【0048】
さらに別の態様において、移植物には、全体がまたは部分的に、生物学的に安定な充填剤で満たされている開口部を有する、セラミックマトリックスが含まれる。移植物にはまた、外部輪郭周囲に広がる、外表面も含まれる。この態様の1つの形式において、デバイスの全外部輪郭周囲の外表面は、マトリックスおよび生物学的に安定な充填剤の
露出領域によって
画成される。言い換えると、外表面は、マトリックスおよび生物学的に安定な充填剤の分散領域の不連続配置によって
画成される。この態様の別の形式において、セラミックマトリックスはSkelite(登録商標)によって形成され、そして生物学的に安定な材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、カーボン強化PEEK、およびポリエーテルケトンケトン(PEKK)より選択されるが、セラミックマトリックスおよび充填剤のための代替材料が意図される。
【0049】
別の態様において、耐荷重軸に沿って、隣接する骨または骨性部分間での融合を安定化させそして促進する方法を提供する。例えばこの態様の1つの形式において、方法には、移植物、好ましくは耐荷重移植物、例えば上記のデバイス10を提供し、そして隣接する椎骨の間の椎間板空間に移植物を受け取るように、隣接する椎骨を調製する工程が含まれる。こうした調製法は当業者に周知であり、そしてこれには、線維輪(annulus fibrosis)または髄核のすべてまたは一部を含む、椎間板のすべてまたは一部を取り除く工程が含まれうる。次いで、調製工程後、移植物を、隣接する椎骨間の椎間板空間中に位置づけてもよい。
【実施例】
【0050】
以下の実施例は、例示目的のためであり、そしてこれらの実施例に開示する態様のみに、本文書中に開示する本発明を限定するとは見なされないものとする。
実施例1
生体吸収性セラミック材料および生物学的に安定なポリマー性材料で形成される多孔性マトリックスを含む複合ブランクであって、そこから例えばデバイス10などの移植物を得られうる前記ブランクを、以下のように調製した。
【0051】
25mmの直径および25mmの長さを有する筒状の開口孔ポリウレタン
フォームを前駆体網状テンプレートとして用いた。Medtronic, Inc.、710 Medtronic Parkway, Minneapolis, MN 55432−5604, USAから商業的に入手可能なSkelite(登録商標)を利用して、2つの水性セラミックスラリーを提供した。一方のスラリーは25体積%固形装填を有し、そしてもう一方は17体積%固形装填を有した。どちらのスラリーも5時間ボールミルされた。
フォーム材料を25体積%固形スラリー内に浸し、そして攪拌して空気を取り除き、空隙を実質的にスラリーで満たし、そして
フォームの支柱をスラリーでコーティングした。生じた含浸
フォームをスラリーから取り除き、そして垂直に搭載された真空ホースに取り付けられたメッシュスクリーン上に置いた。真空装置を3〜5秒間作動させることによって、空隙から過剰なスラリーを取り除いた。これは、
フォームの支柱に接着したスラリーを破壊することなく、
フォームの空隙から過剰なスラリーを取り除くのに十分な時間であった。コーティングされた
フォームを120℃で15分間乾燥させた。この全プロセスを、25体積%固形スラリーで1〜2回またはそれより多く、そして17体積%固形スラリーで4〜10回またはそれより多く、反復した。
【0052】
乾燥され、コーティングされた
フォーム支持体を電気炉に移し、ここで、1℃/分の速度で500℃の温度まで加熱して、水を取り除き、そして多孔性セラミックマトリックスをつぶすことなく、ポリウレタン
フォームが熱分解することを可能にした。
フォームを500℃で4時間保持し、そして続いて、1℃/分の速度で、1500℃の温度まで加熱した。この温度を2時間維持して、セラミック粒子がともに焼成されることを可能にし、それによって、元来のポリウレタン
フォーム材料の物理的形態を所持する、
連続気泡の多孔性セラミックマトリックスを提供した。続いて、25℃の最終温度が達成されるまで、約36℃/分の速度で、炉を冷却した。多孔性セラミックマトリックスの最終寸法は、直径約20mmおよび長さ約20mmであり、そして密度はおよそ2.9g/cm3であった。
【0053】
多孔性セラミックマトリックスに適合するサイズの射出キャビティを持つPEEK射出成形装置を構成した。適所で、多孔性セラミックマトリックスでの均質でそして均一なキャビティの充填が生じることを確実にするように、モールドキャビティのゲート開閉を選択した。モールド温度をおよそ120〜200℃に設定し、そしてバレル温度をおよそ350〜380℃に設定した。次いで、PEEKペレットを射出成形装置のホッパー内に装填し、ここから要求に応じて、ヒーターを通じた錐(auger)によって、そしてスプルーを通じてモールドキャビティ内に供給した。用いたPEEK材料は、高性能非強化半結晶性熱可塑性の、Victrex USA, Inc.、300 Conshohocken State Road, Suite 120, West Conshohocken, PA 19428から商業的に入手可能なVictrex(登録商標)PEEK 150Gであった。
【0054】
射出成形装置が、
モールドが開口位置になるように設定されたとき、多孔性セラミックマトリックスがモールドキャビティ内に装填された。多孔性セラミックマトリックスは、モールドキャビティに直接装填されるか、またはモールド中に配置する前に、足場が約230℃の温度にあらかじめ加熱されているかいずれかであり、これは、あらかじめ加熱すると、多孔性セラミックマトリックスとの接触に際して、PEEK冷却が減少するためであった。多孔性セラミックマトリックス形状は、外部輪郭が実質的にモールドキャビティを満たすようなものである。次いで、射出成形装置のモールドを閉鎖し、それによって、多孔性セラミックマトリックスをモールドキャビティ内に実質的に封じ込める。
【0055】
多孔性セラミックマトリックスの開口空間をPEEK材料で含浸するため、
充填時間約7分間の全時間に渡って、7584KPaの射出圧で、モールドキャビティ内にPEEKを流入させる。高いモールド温度を維持して、射出中のPEEK粘度を減少させ(Budzar Industries, 38241 Willoughby Parkway, Willoughby, OH, 44094の熱油Thermolatorを利用して達成);多孔性セラミックマトリックス中央にPEEKを下向きに向ける中央スプルーを用い;多孔性セラミックマトリックスが中空のコアを有する場合、中空のコア内の流動指示装置を用いて、放射状パターンのPEEKの流動を指示して、多孔性セラミックマトリックスを均質に満たし;そして比較的低温の多孔性セラミックマトリックスに遭遇した際に、PEEKの局在化冷却を回避するために、キャビティ内に挿入する前に、多孔性セラミックマトリックスをあらかじめ加熱して、したがって射出中のPEEKの粘度減少を維持することによって、射出中の多孔性セラミックマトリックス全体でのPEEKの浸潤を補助する。
【0056】
射出成形ツールは、標準的な射出成形突き出しピンを用いることによって開口した際、キャビティから多孔性セラミックマトリックス/PEEK複合ブランクを自動的に排出する。複合ブランクは、ツールの下に位置する収集チャンバーに排出されて、オペレーターによって回収され、そして続いて、いくつかの可能性の中でも特に、冷却剤による化学的混入を回避する移植物機械加工実施を用いて、機械加工されて、成形されることも可能である。
【0057】
本明細書で述べるいかなる理論、作動機構、証明、または発見も、本出願の理解をさらに増進することが意味され、そしていかなる点でも、こうした理論、作動機構、証明、または発見に依存して、本出願を作製することは意図されない。上記説明における、用語「好ましい」、「好ましくは」または「好まれる」の使用は、そのように記載する特徴が、より望ましい可能性もあることを示すと理解されなければならず、にもかかわらず、必要でない可能性もあり、そして該特徴を欠く態様が、以下の請求項によって規定される本発明の範囲内に属することが意図されうる。請求項に関して、「a」、「an」、「少なくとも1つ」、「少なくとも一部」などの用語が用いられる場合、逆に特に言及されない限り、請求項をただ1つの項目に限定する意図はないことが意図される。さらに、用語「少なくとも一部」および/または「一部」を用いる場合、逆に特に言及しない限り、項目には、一部および/または全項目が含まれうる。
【0058】
図および前述の説明において、詳細に適用を例示し、そして記載してきているが、こうした適用は、性質上、例示的であり、そして限定的ではないと見なされるべきであり、選択した態様のみを示し、そして記載しており、そして本明細書に、または任意の以下の請求項いずれかによって規定するような、本発明の精神内に属するすべての変化、
変更および同等物が保護されることが望ましいことが理解される。