特許第5972800号(P5972800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ヨコオの特許一覧

<>
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000002
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000003
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000004
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000005
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000006
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000007
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000008
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000009
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000010
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000011
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000012
  • 特許5972800-電気コネクタ 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972800
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20160804BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20160804BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20160804BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20160804BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20160804BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   H01R12/71
   G01R1/067 C
   H01R13/52 301E
   H01R13/24
   G01R1/06 D
   G01R1/073 D
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-2158(P2013-2158)
(22)【出願日】2013年1月9日
(65)【公開番号】特開2014-135184(P2014-135184A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】折笠 真吾
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−012478(JP,A)
【文献】 特開2001−273945(JP,A)
【文献】 特開2007−173073(JP,A)
【文献】 特開平05−040377(JP,A)
【文献】 特開平04−133280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
G01R 1/06
G01R 1/067
G01R 1/073
H01R 13/24
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスプリングコンタクトプローブと、各スプリングコンタクトプローブを軸方向に移動可能に支持する支持体と、各スプリングコンタクトプローブの一端と接触可能に設けられた基板と、各スプリングコンタクトプローブの他端側の側面に共通に設けられたカバーとを備え、
各スプリングコンタクトプローブの前記他端の軸方向位置が相互に略同一であり、かつ各スプリングコンタクトプローブの伸長状態において、一部のスプリングコンタクトプローブの前記一端と他のスプリングコンタクトプローブの前記一端の前記基板からの距離が相互に異なる、電気コネクタ。
【請求項2】
各スプリングコンタクトプローブは、前記一端側に位置する第1の導電部材と、前記他端側に位置する第2の導電部材と、前記第1及び第2の導電部材を相互に離間する方向に付勢する付勢手段とを有し、前記カバーが前記第2の導電部材の側面に設けられている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記一部のスプリングコンタクトプローブの前記一端が伸長状態で前記基板と接触し、前記他のスプリングコンタクトプローブの前記一端が伸長状態で前記基板から離間している、請求項1又は2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記一部のスプリングコンタクトプローブがグランド用である請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記カバーが防水用の弾性部材である請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
各スプリングコンタクトプローブの前記他端側の側面と前記カバーとに挟まれた水密封止部材を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記カバーに防水用の弾性部材が装着されている請求項6に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスプリングコンタクトプローブを備える電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医療現場で用いられる点滴装置等の医療機器において電気的接続を確保する電気コネクタには、薬剤等の液体が機器内部に侵入するのを防止する防水機能が求められる。下記特許文献1は、経肺投薬装置の回路基板とカートリッジとを電気的に接続する防滴コネクタを開示する。この防滴コネクタは、「ハウジング1の取付孔2内に圧入して嵌着固定される中空の胴体ピン11と、この胴体ピン11内に往復動可能に挿入される可動ピン12と、これら胴体ピン11の内底面と可動ピン12の底面との間に介在されるコイルばね17とを備え」(特許文献1の段落[0020])、可動ピン12の側面の嵌合溝16に防滴カバー20(シリコーンゴム等)をきつく密嵌させた構造である(同文献段落[0027])。
【0003】
一方、電気的接続に用いるコネクタにおいて、装着の際に、例えば、グランド、信号、電源の順に接続が行われるように構成することが知られている(下記特許文献2)。このようなコンタクトシーケンス機能を有する構成によれば、コネクタ接続前に回路内に残留していた電荷によりコネクタ接続時に急激な電流が発生することを防止できる。特許文献2では、コンタクトシーケンス機能を持たせるために、グランド、信号、電源の各コネクタの、相手方への突出長を相互に異ならせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−173073号公報
【特許文献2】特開平5−40377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のスプリングコンタクトプローブを備える電気コネクタにおいて、相手方への突出長を各スプリングコンタクトプローブ間で相互に異ならせてコンタクトシーケンス機能を持たせると、各スプリングコンタクトプローブに特許文献1のような防滴カバーを共通に設けた場合に、各スプリングコンタクトプローブのタイミングの異なる伸縮動作により防滴カバーが引っ張られて防水性が不十分になるという問題がある(必要に応じて図11及び図12で後述の比較例を参照)。また、各スプリングコンタクトプローブに非弾性カバー(樹脂板等)を共通に設けることを想定すると、各スプリングコンタクトプローブのタイミングの異なる伸縮動作に非弾性カバーが追従できず、非弾性カバーに過大な応力が加わったり非弾性カバーがスプリングコンタクトプローブの伸縮動作を妨げたりする問題が考えられる。
【0006】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、複数のスプリングコンタクトプローブを所定の順序で接続する構成であるとともに各スプリングコンタクトプローブに共通のカバーを好適に設けることの可能な電気コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、電気コネクタである。この電気コネクタは、
複数のスプリングコンタクトプローブと、各スプリングコンタクトプローブを軸方向に移動可能に支持する支持体と、各スプリングコンタクトプローブの一端と接触可能に設けられた基板と、各スプリングコンタクトプローブの他端側の側面に共通に設けられたカバーとを備え、
各スプリングコンタクトプローブの前記他端の軸方向位置が相互に略同一であり、かつ各スプリングコンタクトプローブの伸長状態において、一部のスプリングコンタクトプローブの前記一端と他のスプリングコンタクトプローブの前記一端の前記基板からの距離が相互に異なる。
【0008】
各スプリングコンタクトプローブは、前記一端側に位置する第1の導電部材と、前記他端側に位置する第2の導電部材と、前記第1及び第2の導電部材を相互に離間する方向に付勢する付勢手段とを有し、前記カバーが前記第2の導電部材の側面に設けられていてもよい。
【0009】
前記一部のスプリングコンタクトプローブの前記一端が伸長状態で前記基板と接触し、前記他のスプリングコンタクトプローブの前記一端が伸長状態で前記基板から離間していてもよい。
【0010】
前記一部のスプリングコンタクトプローブがグランド用であってもよい。
【0011】
前記カバーが防水用の弾性部材であってもよい。
【0012】
各スプリングコンタクトプローブの前記他端側の側面と前記カバーとに挟まれた水密封止部材を備えてもよい。
【0013】
前記カバーに防水用の弾性部材が装着されていてもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のスプリングコンタクトプローブを所定の順序で接続する構成であるとともに各スプリングコンタクトプローブに共通のカバーを好適に設けることの可能な電気コネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態1に係る電気コネクタ1の、伸長状態(非接続状態)の断面図。
図2図1に示す電気コネクタ1の、収縮状態(接続状態)の断面図。
図3図1に示す電気コネクタ1の分解斜視図。
図4図1に示す電気コネクタ1の斜視図。
図5】本発明の実施の形態2に係る電気コネクタ2の、伸長状態(非接続状態)の断面図。
図6図5に示す電気コネクタ2の、収縮状態(接続状態)の断面図。
図7】本発明の実施の形態3に係る電気コネクタ3の、伸長状態(非接続状態)の断面図。
図8図7に示す電気コネクタ3の、収縮状態(接続状態)の断面図。
図9】本発明の実施の形態4に係る電気コネクタ4の、伸長状態(非接続状態)の断面図。
図10図9に示す電気コネクタ4の、収縮状態(接続状態)の断面図。
図11】比較例に係る電気コネクタの、伸長状態(非接続状態)の断面図。
図12図11に示す電気コネクタの、収縮状態(接続状態)の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気コネクタ1の、伸長状態(非接続状態)の断面図である。本図において、左側のグランド用スプリングコンタクトプローブ10のみ導電性チューブ11の内部を図示している。図2は、図1に示す電気コネクタ1の、収縮状態(接続状態)の断面図である。図3(A)は、図1に示す電気コネクタ1の分解上方斜視図である。図3(B)は、同分解下方斜視図である。図4(A)は、図1に示す電気コネクタ1の上方斜視図である。図4(B)は、同下方斜視図である。
【0019】
電気コネクタ1は、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10と、信号用スプリングコンタクトプローブ20,20と、絶縁性の支持体30と、基板40と、絶縁性の弾性カバー50と、絶縁性の蓋60とを備える。グランド用スプリングコンタクトプローブ10は、導電性チューブ11と、導電性ピン12と、付勢手段としてのスプリング19とを有する。導電性ピン12は第1の導電部材の例示であり、導電性チューブ11は第2の導電部材の例示である。
【0020】
導電性チューブ11は、銅合金等の導電性金属体であり、相手方装置70との接続用である(図2参照)。導電性ピン12は、銅合金等の導電性金属体であり、基板40との接続用である。なお、基板40及び相手方装置70の電極や導電パターンの図示は省略している。スプリング19は、例えばピアノ線やステンレス線等の一般的な材質で形成されたコイルスプリングであり、導電性チューブ11の内側に保持される。スプリング19の一端は導電性チューブ11の底面に当接し、他端は導電性ピン12の末端の傾斜面18を押圧し導電性ピン12を突出方向に付勢する。導電性チューブ11の末端はかしめ部15となっている。導電性ピン12の大径部16がかしめ部15に係止されることで、導電性チューブ11からの導電性ピン12の抜けが防止される。導電性ピン12の小径部17は、導電性チューブ11のかしめ部15から突出し、先端が基板40上の不図示の電極と接触する。
【0021】
グランド用スプリングコンタクトプローブ10と信号用スプリングコンタクトプローブ20は、グランド用スプリングコンタクトプローブ10の小径部17が信号用スプリングコンタクトプローブ20の小径部17より長い点を除き同一構成である。グランド用スプリングコンタクトプローブ10の小径部17の先端は伸長状態で基板40上の不図示の電極と接触する一方、信号用スプリングコンタクトプローブ20の小径部17の先端は伸長状態で前記電極と非接触である(グランド用スプリングコンタクトプローブ10の小径部17の先端と信号用スプリングコンタクトプローブ20の小径部17の先端は基板40からの距離が相互に異なる)。
【0022】
弾性カバー50は、防水用の例えばシリコーンゴム等のゴムであり、導電性チューブ11が挿入されて導電性チューブ11の側面と密着する貫通穴52を有し、導電性チューブ11の凹溝11aに嵌り込んで弾接し、凹溝11aを水密封止する。弾性カバー50は導電性チューブ11の側面から鍔状に広がる。弾性カバー50はグランド用スプリングコンタクトプローブ10と信号用スプリングコンタクトプローブ20に共通に設けられる。弾性カバー50は、導電性チューブ11の側面から所定距離だけ隔てた位置に、部分的に厚みが大きくなったリング状の凸部51を両面に有する。凸部51は全周に渡って支持体30の上面と蓋60とに挟まれて圧縮され、支持体30と蓋60との間が水密封止される。蓋60は中央部が開口した枠形状である。
【0023】
支持体30は、例えば絶縁樹脂製であり、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20をそれぞれ軸方向に移動可能に支持する貫通穴32を有する。支持体30の上面34の中央には凹部31が設けられ、凹部31の底面に貫通穴32が開口する。貫通穴32の内面には凸条33が設けられる。凸条33は、導電性チューブ11の側面の凸条14と係合して導電性チューブ11の上方への抜けを防止し、また導電性チューブ11の最大突出量を規定する。凸条33は、さらに、導電性チューブ11の側面の段部13と係合して導電性チューブ11の下方への抜けを防止し、また導電性チューブ11の最大引込位置を規定する。支持体30の底面には基板40が取付け固定される。
【0024】
図1に示すように、グランド用スプリングコンタクトプローブ10と信号用スプリングコンタクトプローブ20は、導電性チューブ11の凹溝11aに固定される弾性カバー50から上方への突出量が相互に略同一である。すなわち、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の上端(相手方装置70との接触部)の軸方向位置は相互に略同一である。コンタクトシーケンス機能は、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の下端(基板40との接触部)の軸方向位置、すなわち基板40から各スプリングコンタクトプローブの下端までの距離を相互に異ならせることで実現する。具体的には、図1に示す伸長状態から図2に示す収縮状態に移行する過程で、まず、相手方装置70はグランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の上端とほぼ同時に接触する。このとき、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10の下端は既に基板40と接触しているため、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10による基板40と相手方装置70との電気的接続が確立する。一方、信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の下端は基板40から離間しているため、信号用スプリングコンタクトプローブ20,20による基板40と相手方装置70との接続はまだ確立されない。その後、相手方装置70を基板40に向けて押し付けていくと、信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の下端が基板40と接触し、信号用スプリングコンタクトプローブ20,20による基板40と相手方装置70との電気的接続が確立する。
【0025】
本実施の形態の電気コネクタによれば、図1に示す伸長状態から図2に示す収縮状態に移行する過程で各スプリングコンタクトプローブの上端は同じタイミングで下降するため、弾性カバー50が不要に引っ張られることがない。これに対し、図11に示す比較例のようにグランド用スプリングコンタクトプローブ810,810及び信号用スプリングコンタクトプローブ820,820の上端の伸長状態での軸方向位置を異ならせることでコンタクトシーケンス機能を実現すると、図12に示すように収縮時に弾性カバー50がグランド用スプリングコンタクトプローブ810,810及び信号用スプリングコンタクトプローブ820,820の間で引っ張られ、特に各スプリングコンタクトプローブを狭ピッチで配置する場合に防水性の確保が困難となる。本実施の形態の電気コネクタでは、各スプリングコンタクトプローブを狭ピッチで配置する場合も比較例に示すような問題を発生させずにコンタクトシーケンス機能を実現することができる。
【0026】
実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2に係る電気コネクタ2の、伸長状態(非接続状態)の断面図である。図6は、図5に示す電気コネクタ2の、収縮状態(接続状態)の断面図である。本実施の形態の電気コネクタ2は、図1等に示した実施の形態1のものと異なり、実施の形態1の弾性カバー50の代わりに、弾性カバー50及び非弾性カバー60を備えている。各スプリングコンタクトプローブの導電性チューブ11の側面に、溝ではなく段部11bを形成し、この段部11bに設けた水密封止部材としてのOリング62を非弾性カバー61で圧縮することで水密封止を行っている。非弾性カバー61は例えば樹脂板である。なお、非弾性とは、ゴム等の弾性部材と比較して弾性変形しにくいことを示す。弾性カバー50は、非弾性カバー61の側面の凹溝61aに嵌り込んで弾接し、凹溝61aを水密封止する。実施の形態1では、伸長状態において、シリコーンゴム等のゴムからなる弾性カバー50が信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の重量を支えていた。これに対し本実施の形態では、伸長状態において、ゴム等と比較して弾性変形しにくい非弾性カバー61がOリング62を圧縮することで信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の重量を支えるため、実施の形態1と比較して信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の支持が強固になる。本実施の形態のその他の点は実施の形態1と同様であり、同様の効果を奏することができる。
【0027】
実施の形態3
図7は、本発明の実施の形態3に係る電気コネクタ3の、伸長状態(非接続状態)の断面図である。図8は、図7に示す電気コネクタ3の、収縮状態(接続状態)の断面図である。本実施の形態の電気コネクタ3は、図1等に示した実施の形態1のものと異なり、弾性カバー50及び蓋60を設けず、樹脂板等の非弾性カバー63をグランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の導電性チューブ11の側面に例えば圧入により装着している。非弾性カバー63の上面は支持体30の上面34と略同一平面上にあるとよい。本実施の形態は、実施の形態1のような防水機能は無いものの、非弾性カバー63により防塵効果や外観性向上効果が得られる。
【0028】
実施の形態4
図9は、本発明の実施の形態4に係る電気コネクタ4の、伸長状態(非接続状態)の断面図である。図10は、図9に示す電気コネクタ4の、収縮状態(接続状態)の断面図である。本実施の形態の電気コネクタ4は、図7及び図8に示した実施の形態3のものと異なり、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の導電性チューブ11の先端が基板40と接触し、導電性ピン12の先端が相手方装置70と接触する。非弾性カバー63は、導電性ピン12の側面に例えば圧入により装着される。コンタクトシーケンス機能は、他の実施の形態では、グランド用スプリングコンタクトプローブ10と信号用スプリングコンタクトプローブ20の各導電性ピン12の小径部17の長さを異ならせることで実現していたが、本実施の形態では、いずれの導電性ピン12も同一長さとし、その代わりに導電性チューブ11の長さを異ならせることで実現している。
【0029】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0030】
各実施の形態において、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10の下端が基板40から離間してしていてもよい。この場合、グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10の下端の基板40からの離間距離は、信号用スプリングコンタクトプローブ20,20の下端の基板40からの離間距離より小さくすればよい。
【0031】
グランド用スプリングコンタクトプローブ10,10及び信号用スプリングコンタクトプローブ20,20は、実施の形態の構造に限定されず、他の周知のスプリングコンタクトプローブを用いてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1〜4 電気コネクタ、10 グランド用スプリングコンタクトプローブ、11 導電性チューブ、11a 凹溝、12 導電性ピン、13 段部、14 凸条、15 かしめ部、16 大径部、17 小径部、18 傾斜面、19 スプリング、20 信号用スプリングコンタクトプローブ、30 支持体、31 凹部、32 貫通穴、33 凸条、34 上面、40 基板、50 弾性カバー、51 凸部、52 貫通穴、60 蓋、61 非弾性カバー、61a 凹溝、62 Oリング、63 非弾性カバー、70 相手方装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12