(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記機能ブロックは、前記半導体集積回路の外部にて生成された外部電源電圧が電源電圧配線を介して前記内部電源電圧として供給されるとともに、前記半導体集積回路の外部にて生成された外部接地電圧が接地電圧配線を介して第1内部接地電圧として供給されることにより動作し、
前記基準電圧生成部は、前記第1内部接地電圧を前記共通の接地電圧として用い、前記第1及び前記第2基準電圧を生成する、請求項1に記載のモニタ回路。
前記基準電圧生成部は、前記第1内部接地電圧と、前記外部接地電圧と略同一の値を示す第2内部接地電圧と、のうち何れかを選択的に前記共通の接地電圧として用い、前記第1及び前記第2基準電圧を生成する、請求項2に記載のモニタ回路。
前記機能ブロックは、前記半導体集積回路の外部にて生成された外部電源電圧が電源電圧配線を介して前記内部電源電圧として供給されるとともに、前記半導体集積回路の外部にて生成された外部接地電圧が接地電圧配線を介して第1内部接地電圧として供給されることにより動作し、
前記基準電圧生成部は、前記外部接地電圧と略同一の値を示す第2内部接地電圧を前記共通の接地電圧として用い、前記第1及び前記第2基準電圧を生成する、請求項1に記載のモニタ回路。
前記基準電圧生成部は、前記第1基準電圧と、前記第1基準電圧よりも温度依存性の小さい前記第2基準電圧と、を生成するバンドギャップリファレンス型の温度センサである、請求項1に記載のモニタ回路。
前記基準電圧生成部は、温度に依存する前記第1基準電圧と、温度に依存しない前記第2基準電圧と、を生成するバンドギャップリファレンス型の温度センサである、請求項1に記載のモニタ回路。
前記半導体集積回路の外部にて生成された外部電源電圧及び前記内部電源電圧の差電圧と当該外部電源電圧に対応する電流値とに応じて求められる抵抗値と、前記内部電源電圧と、に基づいて消費電流を算出する電流測定部をさらに備えた、請求項1に記載のモニタ回路。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1にかかる電子装置1の構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示す平面図である。
【
図3】実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示す断面模式図である。
【
図4】実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示す断面模式図である。
【
図5】実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
【
図6A】基準電圧Vthsen,Vthrefの温度依存性を示す図である。
【
図6B】増幅信号Vth1の温度依存性を示す図である。
【
図6C】内部電源電圧VDD1i及び基準電圧Vthsenの温度依存性を示す図である。
【
図6D】増幅信号Vth2の温度依存性を示す図である。
【
図7】実施の形態2にかかる半導体装置10の構成例を示す平面図である。
【
図8】実施の形態2にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
【
図9A】基準電圧Vthsen,Vthrefの温度依存性を示す図である。
【
図9B】増幅信号Vth1の温度依存性を示す図である。
【
図9C】内部電源電圧VDD1i及び基準電圧Vthsenの温度依存性を示す図である。
【
図9D】増幅信号Vth2の温度依存性を示す図である。
【
図10】実施の形態3にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
【
図11】実施の形態4にかかる比較部CMP1の第1の具体的構成例を示す図である。
【
図12A】ノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図12B】増幅信号Vth2の温度依存性を示す図である。
【
図12C】ノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図12D】ノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2との比較結果を示す図である。
【
図13】実施の形態4にかかる比較部CMP1の第2の具体的構成例を示す図である。
【
図14A】シフト前のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図14B】シフト前のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図14C】シフト後のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図14D】シフト後のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図15】実施の形態4にかかる比較部CMP1の第3の具体的構成例を示す図である。
【
図16A】刻み幅の大きいノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図16B】刻み幅の大きいノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図16C】刻み幅の小さいノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図16D】刻み幅の小さいノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図17】実施の形態4にかかる比較部CMP1の第4の具体的構成例を示す図である。
【
図18A】オフセット調整前のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図18B】オフセット調整前のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図18C】オフセット調整後のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図18D】オフセット調整後のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図19】実施の形態4にかかる比較部CMP1の第5の具体的構成例を示す図である。
【
図20A】ノイズフィルタ適用前のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図20B】ノイズフィルタ適用前のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【
図20C】ノイズフィルタ適用後のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
【
図20D】ノイズフィルタ適用後のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0011】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0012】
<実施の形態1>
(電子システムの構成)
まず、
図1を参照して、本実施の形態にかかる半導体装置が適用される電子装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる電子装置1の構成例を示すブロック図である。一例として、電子装置1が、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置である場合について説明する。
図1に示すように、電子装置1は、半導体装置10、モニタ20、メモリ30、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ40、カメラ50、記憶装置60、及びGPS(Global Positioning System)モジュール70を備えている。
【0013】
半導体装置10は、モニタ20、メモリ30、DVDドライブ40、カメラ50、記憶装置60、及びGPSモジュール70を制御する。
図1に示す半導体装置10は、1チップにより構成してもよいが、複数のチップから構成してもよい。例えば、モニタ20を複数のモニタから構成する場合、半導体装置10も複数のチップから構成する。実施の形態1に係る半導体装置10の内部構成の詳細については、後述する。
【0014】
モニタ20は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light-Emitting Diode)等の表示装置である。モニタ20は、ナビゲーション用画像はもちろんのこと、例えばDVDドライブ40に挿入されたDVDに記録された各種画像、カメラ50により撮影された画像等を表示する。モニタ20が表示する画像の切り換えは、半導体装置10が制御する。モニタ20が複数のモニタから構成される場合、例えば、運転席のモニタはナビゲーション用画像を表示し、助手席や後部座席のモニタはDVDの画像(例えば映画)を表示することなどが可能となる。つまり、複数のモニタが異なる画像を表示することができる。
【0015】
メモリ(外部メモリ)30は、半導体装置10が利用するプログラム及びデータを格納する。メモリ30としては、電源遮断時に記憶データが消去される揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いる場合が多い。もちろん、メモリ30として、電源遮断時に記憶データが保持される不揮発性メモリを用いてもよい。
DVDドライブ40は、DVDに記録された画像を読み出す。DVDドライブ40に挿入されたDVDの画像は、モニタ20から出力される。
【0016】
カメラ50は、例えば自動車の外部後方に搭載されたいわゆるリアビューカメラである。カメラ50は、自動車が後退する際に運転席から死角となる自動車後方を撮影する。カメラ50により撮影された画像は、モニタ20から出力される。例えば、自動車が後退する間(ギアがリバースに入っている間)、カメラ50により撮影された画像が運転席のモニタ20に表示される。
【0017】
記憶装置60は、好適にはハードディスクなどの大容量記憶装置であって、ナビゲーション用画像(地図情報)を格納している。
【0018】
GPSモジュール70は、アンテナ、RF回路、ベースバンド回路を備え、人工衛星から受信した位置情報に基づいて、自動車の現在位置を半導体装置10へ出力する。
【0019】
なお、本実施の形態にかかる半導体装置10は、
図1に示す電子装置1に適用される場合に限られず、無線通信端末等の他の電子装置に適用されてもよい。無線通信端末には、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン(例えば、折り畳み式の携帯電話端末)、携帯ゲーム端末、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等がある。
【0020】
(実施の形態1にかかる半導体装置10の概要)
図2は、実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示す平面図である。
図3及び
図4は、実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示す断面模式図である。
図5は、実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示す半導体装置10では、実装基板SUB1上に半導体集積回路100及び電源IC200,300が設けられている。半導体集積回路100では、パッケージPKG1上に半導体チップCHP1が設けられている。半導体チップCHP1は、機能ブロックとしてのCPU101、GPU102、モニタMNT1,MNT2、制御部CTL1,CTL2、及び、複数のパッドPDV1,PDG1,PDV2,PDG2,PDSを備えている。
【0022】
電源IC200は、CPU101を駆動するための電源電圧VDD1及び接地電圧GND1を生成する。電源IC200によって生成された電源電圧VDD1は、電源電圧配線を介して、内部電源電圧VDD1iとしてCPU101の電源電圧端子(以下、電源電圧端子VDD1iと称す)に供給される(
図5も参照のこと)。電源IC200によって生成された接地電圧GND1は、接地電圧配線を介して、内部接地電圧(第1内部接地電圧)GND1iとしてCPU101の接地電圧端子(以下、接地電圧端子GND1iと称す)に供給される(
図5も参照のこと)。そして、CPU101は、内部電源電圧VDD1i及び内部接地電圧GND1iが供給されることにより動作する。
【0023】
図3及び
図4に示すように、電源電圧VDD1は、電源電圧配線(実装基板SUB1、パッケージPKG1、半導体チップCHP1上に配設された電源電圧配線)の寄生抵抗及びCPU101の消費電流等により電圧降下して、内部電源電圧VDD1iとなる(
図5も参照のこと)。また、接地電圧GND1は、接地電圧配線(実装基板SUB1、パッケージPKG1、半導体チップCHP1上に配設された接地電圧配線)の寄生抵抗及びCPU101の消費電流等により電圧上昇して、内部接地電圧GND1iとなる(
図5も参照のこと)。したがって、電源IC200によって生成される電源電圧VDD1と、CPU101に供給される内部電源電圧VDD1iとは、異なる電圧値を示す。また、電源IC200によって生成される接地電圧GND1と、CPU101に供給される内部電源電圧GND1iとは、異なる電圧値を示す。
【0024】
ここで、以下の式(1)及び式(2)が成り立つ。
【0025】
VDD1i=VDD1−ΔVDD1 ・・・(1)
【0026】
なお、VDD1iは、内部電源電圧VDD1iの値を示し、VDD1は、電源電圧VDD1の値を示し、ΔVDD1は、電源電圧配線の寄生抵抗及びCPU101の消費電流等による降下電圧を示す。
【0027】
GND1i=GND1+ΔGND1 ・・・(2)
【0028】
なお、GND1iは、内部接地電圧GND1iの値を示し、GND1は、接地電圧GND1の値を示し、ΔGND1は、接地電圧配線の寄生抵抗及びCPU101の消費電流等による降下電圧を示す。
【0029】
モニタMNT1は、CPU101への供給電圧に相当する電圧Va(=VDD1i−GND1i)の値をモニタ(測定)する。なお、モニタMNT1は、確度良くモニタするため、CPU101に近接して設けられている。制御部CTL1は、モニタMNT1の測定結果に応じた制御信号(ディジタル値)S1を生成する。電源IC200は、この制御信号S1に基づいて電源電圧VDD1の値を調整する。それにより、CPU101に対して動作許容範囲内の内部電源電圧VDD1iを供給することが可能となる。
【0030】
電源IC300は、GPU102を駆動するための電源電圧VDD2及び接地電圧GND2を生成する。電源IC300によって生成された電源電圧VDD2は、電源電圧配線を介して、内部電源電圧VDD2iとしてGPU102の電源電圧端子(以下、電源電圧端子VDD2iと称す)に供給される。電源IC300によって生成された接地電圧GND2は、接地電圧配線を介して、内部接地電圧GND2iとしてGPU102の接地電圧端子(以下、接地電圧端子GND2iと称す)に供給される。そして、GPU102は、内部電源電圧VDD2i及び内部接地電圧GND2iが供給されることにより動作する。
【0031】
モニタMNT2は、GPU102への供給電圧に相当する電圧(=VDD2i−GND2i)の値をモニタ(測定)する。なお、モニタMNT2は、確度良くモニタするため、GPU102に近接して設けられている。制御部CTL2は、モニタMNT2の測定結果に応じた制御信号(ディジタル値)S2を生成する。電源IC300は、この制御信号S2に基づいて電源電圧VDD2の値を調整する。それにより、GPU102に対して動作許容範囲内の内部電源電圧VDD2iを供給することが可能となる。
【0032】
(実施の形態1にかかる半導体装置10の詳細)
図5は、実施の形態1にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
図6Aは、基準電圧Vthsen,Vthrefの温度依存性を示す図である。
図6Bは、増幅信号Vth1の温度依存性を示す図である。
図6Cは、内部電源電圧VDD1i及び基準電圧Vthsenの温度依存性を示す図である。
図6Dは、増幅信号Vth2の温度依存性を示す図である。
【0033】
なお、電源IC200、CPU101、モニタMNT1及び制御部CTL1の関係と、電源IC300、GPU102、モニタMNT2及び制御部CTL2の関係とは、基本的には同じであるため、以下では、電源IC200、CPU101、モニタMNT1及び制御部CTL1についてのみ説明する。
【0034】
(モニタMNT1)
図5に示すように、モニタMNT1は、基準電圧生成部RFG1、増幅部(第1増幅部)OPA1、増幅部(第2増幅部)OPA2及び比較部CMP1を有する。
【0035】
(基準電圧生成部RFG1)
基準電圧生成部RFG1は、基準電圧(第1基準電圧)Vthsen及び基準電圧(第2基準電圧)Vthrefを生成する。より具体的には、基準電圧生成部RFG1は、基準電圧Vthsenと、基準電圧Vthsenと共通の接地電圧(内部接地電圧GND1i)に基づき生成され、かつ、基準電圧Vthsenと異なる値の基準電圧Vthrefと、を生成する。
【0036】
例えば、基準電圧生成部RFG1は、温度依存性の大きな基準電圧Vthsenと、基準電圧Vthsenよりも温度依存性の小さな基準電圧Vthref(より好ましくは、温度に依存しない基準電圧Vthref)と、を生成するバンドギャップリファレンス型の温度センサである(
図6A参照)。本実施の形態では、基準電圧生成部RFG1が上記した温度センサである場合を例に説明する。
【0037】
ここで、基準電圧生成部RFG1は、上記したように内部接地電圧GND1iに基づいて基準電圧Vthsen,Vthrefを生成している。したがって、基準電圧Vthsen,Vthrefには、いずれも降下電圧成分ΔGND1が含まれている。しかしながら、基準電圧生成部RFG1は、内部接地電圧GND1iに基づいて基準電圧Vthsen,Vthrefを生成するという回路構造上、電源電圧VDD1の電圧降下の影響を受けない。
【0038】
(増幅部OPA1)
増幅部OPA1は、基準電圧Vthref及び基準電圧Vthsenの差電圧を増幅して増幅信号Vth1を出力する(
図6A,
図6B参照)。なお、増幅部OPA1は、基準電圧Vthref,Vthsenのそれぞれの降下電圧成分ΔGND1を相殺するため、降下電圧成分ΔGND1を含まない増幅信号Vth1を出力している。
【0039】
(増幅部OPA2)
増幅部OPA2は、内部電源電圧VDD1i及び基準電圧Vthsenの差電圧を増幅して増幅信号Vth2を出力する(
図6C,
図6D参照)。ここで、内部電源電圧VDD1iには、降下電圧成分ΔVDD1が含まれている。また、基準電圧Vthsenには、降下電圧成分ΔGND1が含まれている。したがって、増幅部OPA2は、降下電圧成分ΔVDD1,ΔGND1を含む増幅信号Vth2を出力している。
【0040】
(比較部CMP1)
比較部CMP1は、増幅信号Vth1及び増幅信号Vth2を比較して測定結果として出力する。より具体的には、比較部CMP1は、降下電圧成分ΔVDD1,ΔGND1を含まない増幅信号Vth1と、降下電圧成分ΔVDD1,ΔGND1を含む増幅信号Vth2と、を比較することで、降下電圧成分ΔVDD1,ΔGND1の何れの要素も含んだ測定結果を出力する。さらに、比較部CMP1は、増幅信号Vth1,Vth2のそれぞれの温度依存成分を相殺するため、温度の影響を受けない測定結果を出力している。
【0041】
それにより、モニタMNT1は、CPU101への供給電圧に相当する電圧Va(=VDD1i−GND1i=(VDD1−ΔVDD1)−(GND1+ΔGND1))を測定することができる。
【0042】
その後、制御部CTL1は、比較部CMP1の比較結果(即ち、モニタMNT1の測定結果)に応じた制御信号S1を生成する。電源IC200は、制御信号S1に基づいて電源電圧VDD1の値を調整する。
【0043】
このように、本実施の形態にかかるモニタMNT1は、機能ブロックであるCPU101への供給電圧を確度良く測定することができる。それにより、本実施の形態にかかる半導体装置10は、機能ブロックあるいは半導体集積回路100に安定した電源電圧を供給することができる。
【0044】
<実施の形態2>
(実施の形態2にかかる半導体装置10の概要)
図7は、実施の形態2にかかる半導体装置10の構成例を示す平面図である。
図7に示す半導体装置10では、
図2に示す半導体装置10と比較して、半導体チップCHP1がモニタMNT1,MNT2専用の接地電圧を受け渡しするパッドPDG1o,PDG2oをさらに備える。
【0045】
例えば、モニタMNT1,MNT2には、それぞれパッドPDG1o,PDG2oを介して、半導体集積回路100直下の接地電圧GND1が内部接地電圧(第2内部接地電圧)GND1o,GND2oとして供給される。ここで、基準電圧生成部RFG1の消費電流が微小なことから接地電圧配線の寄生抵抗による電圧降下は無視できる程度に小さいため、内部接地電圧GND1o,GND2oは、接地電圧GND1,GND2と略同一の値を示すということができる。
【0046】
モニタMNT1は、CPU101への供給電圧に対応する電圧Vb(=VDD1i−GND1)の値をモニタ(測定)する。なお、モニタMNT1は、確度良くモニタするため、CPU101に近接して設けられている。制御部CTL1は、モニタMNT1の測定結果に応じた制御信号(ディジタル値)S1を生成する。電源IC200は、この制御信号S1に基づいて電源電圧VDD1の値を調整する。それにより、CPU101に対して動作許容範囲内の内部電源電圧VDD1iを供給することが可能となる。
【0047】
モニタMNT2は、GPU102への供給電圧に対応する電圧(=VDD2i−GND2)の値をモニタ(測定)する。なお、モニタMNT2は、確度良くモニタするため、GPU102に近接して設けられている。制御部CTL2は、モニタMNT2の測定結果に応じた制御信号(ディジタル値)S2を生成する。電源IC300は、この制御信号S2に基づいて電源電圧VDD2の値を調整する。それにより、GPU102に対して動作許容範囲内の内部電源電圧VDD2iを供給することが可能となる。
【0048】
図7に示す半導体装置10のその他の構成については、
図2に示す半導体装置10と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
(実施の形態2にかかる半導体装置10の詳細)
図8は、実施の形態2にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
図9Aは、基準電圧Vthsen,Vthrefの温度依存性を示す図である。
図9Bは、増幅信号Vth1の温度依存性を示す図である。
図9Cは、内部電源電圧VDD1i及び基準電圧Vthsenの温度依存性を示す図である。
図9Dは、増幅信号Vth2の温度依存性を示す図である。
【0050】
なお、電源IC200、CPU101、モニタMNT1及び制御部CTL1の関係と、電源IC300、GPU102、モニタMNT2及び制御部CTL2の関係とは、基本的には同じであるため、以下では、電源IC200、CPU101、モニタMNT1及び制御部CTL1についてのみ説明する。
【0051】
(モニタMNT1)
図8に示すように、モニタMNT1に設けられた基準電圧生成部RFG1には、CPU101に供給される内部接地電圧GND1iに代えて、接地電圧GND1と略同一の値を示す内部接地電圧GND1oが供給されている。
図8に示すモニタMNT1のその他の構成については、
図5に示すモニタMNT1と同様であるため、その説明を省略する。
【0052】
(基準電圧生成部RFG1)
基準電圧生成部RFG1は、基準電圧(第1基準電圧)Vthsen及び基準電圧(第2基準電圧)Vthrefを生成する。より具体的には、基準電圧生成部RFG1は、基準電圧Vthsenと、基準電圧Vthsenと共通の接地電圧(内部接地電圧GND1o)に基づき生成され、かつ、基準電圧Vthsenと異なる値の基準電圧Vthrefと、を生成する。
【0053】
例えば、基準電圧生成部RFG1は、温度依存性の大きな基準電圧Vthsenと、基準電圧Vthsenよりも温度依存性の小さな基準電圧Vthref(より好ましくは、温度に依存しない基準電圧Vthref)と、を生成するバンドギャップリファレンス型の温度センサである(
図9A参照)。本実施の形態では、基準電圧生成部RFG1が上記した温度センサである場合を例に説明する。
【0054】
ここで、基準電圧生成部RFG1は、上記したように内部接地電圧GND1oに基づいて基準電圧Vthsen,Vthrefを生成している。したがって、基準電圧Vthsen,Vthrefには、いずれも降下電圧成分ΔGND1が含まれていない。
【0055】
(増幅部OPA1)
増幅部OPA1は、基準電圧Vthref及び基準電圧Vthsenの差電圧を増幅して増幅信号Vth1を出力する(
図9A,
図9B参照)。なお、増幅信号Vth1には、降下電圧成分ΔGND1が含まれていない。
【0056】
(増幅部OPA2)
増幅部OPA2は、内部電源電圧VDD1i及び基準電圧Vthsenの差電圧を増幅して増幅信号Vth2を出力する(
図9C,
図9D参照)。ここで、内部電源電圧VDD1iには、降下電圧成分ΔVDD1が含まれている。したがって、増幅部OPA2は、降下電圧成分ΔVDD1を含む増幅信号Vth2を出力している。
【0057】
(比較部CMP1)
比較部CMP1は、増幅信号Vth1及び増幅信号Vth2を比較して測定結果として出力する。より具体的には、比較部CMP1は、降下電圧成分ΔVDD1,ΔGND1を含まない増幅信号Vth1と、降下電圧成分ΔVDD1を含む増幅信号Vth2と、を比較することで、降下電圧成分ΔVDD1の要素を含んだ測定結果を出力する。さらに、比較部CMP1は、増幅信号Vth1,Vth2のそれぞれの温度依存成分を相殺するため、温度の影響を受けない測定結果を出力している。
【0058】
それにより、モニタMNT1は、CPU101への供給電圧に対応する電圧Vb(=VDD1i−GND1=(VDD1−ΔVDD1)−GND1)を測定することができる。
【0059】
その後、制御部CTL1は、比較部CMP1の比較結果(即ち、モニタMNT1の測定結果)に応じた制御信号S1を生成する。電源IC200は、制御信号S1に基づいて電源電圧VDD1の値を調整する。
【0060】
このように、本実施の形態にかかるモニタMNT1は、機能ブロックであるCPU101への供給電圧を確度良く測定することができる。それにより、本実施の形態にかかる半導体装置10は、機能ブロック(あるいは半導体集積回路100)に安定した電源電圧を供給することができる。
【0061】
さらに、本実施の形態にかかるモニタMNT1は、電源IC200とモニタMNT1との接地電圧(基準)を同じにして降下電圧成分ΔVDD1のみを考慮した測定を行うため、電源IC200の電圧制定時の接地電圧(基準)のフィードバックを同じにできることから、実施の形態1の場合よりも測定速度を向上させることができる。これは、電源電圧VDD1が激しく交流変動している場合においてその交流変動にある程度追従させたい場合等、高速処理が求められる場合に特に有効である。一方、実施の形態1にかかるモニタMNT1は、降下電圧成分ΔVDD1,ΔGND1を考慮した測定を行うため、本実施の形態の場合よりも測定速度が劣るが、より確度の高い測定を行うことができる。
【0062】
さらに、半導体の完成品(パッケージ化された半導体チップ)を評価する際、電源IC又は電源電圧を供給する電源の電圧値と、半導体チップ内部の電圧値と、の差電圧(ΔVDIF)を測定し、電源電圧を供給する電源の電流値(ΔIDIF)から、抵抗値RX=ΔVDIF/ΔIDIFを得る。評価する際に使用する測定ボード上の配線抵抗(RY)を予め測定しておけば、RZ=RX−RYを得ることができる。RZは、半導体の完成品(パッケージ化された半導体チップ)の抵抗値となる。この値を、ソフトウェア又は半導体チップのメモリに記録しておくことにより内部電源電圧VDD1iとRZを用いて消費電流IDDiを得ることができる。電源ICなどの電源装置は、一般的に電圧と電流の値を用いて制御する。消費電流を計測することを可能にすることで、電源ICなどの電源装置を精細に制御可能にする。
【0063】
<実施の形態3>
図10は、実施の形態3にかかる半導体装置10の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、モニタMNT1に設けられた基準電圧生成部RFG1には、CPU101に供給される内部接地電圧GND1iと、接地電圧GND1と略同一の値を示す内部接地電圧GND1oと、が選択的に供給可能となっている。
図10に示すモニタMNT1のその他の構成及び動作については、
図5及び
図8に示すモニタMNT1と同様であるため、その説明を省略する。
【0064】
本実施の形態にかかるモニタMNT1は、実施の形態1の場合と同等の効果を奏することができるとともに、実施の形態2の場合と同等の効果を奏することができる。
【0065】
<実施の形態4>
本実施の形態では、比較部CMP1の具体的構成例を説明する。
【0066】
(比較部CMP1の第1の具体的構成例)
図11は、比較部CMP1の第1の具体的構成例を比較部CMP1aとして示す図である。
図12Aは、ノードa1〜a5の電圧値(比較電圧)の温度依存性を示す図である。
図12Bは、増幅信号Vth2の温度依存性を示す図である。
図12Cは、ノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
図12Dは、ノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2との比較結果を示す図である。
【0067】
図11に示す比較部CMP1aは、抵抗素子R1〜R4と、コンパレータCp1〜Cp5と、を有する。抵抗素子R1〜R4は、増幅信号Vth1が供給される高電圧端子(以下、高電圧端子Vth1と称す)と、内部接地電圧GND1iが供給される接地電圧端子GND1iと、の間に直列に設けられている。
【0068】
より具体的には、抵抗素子R1の一端はノードa1を介して高電圧端子Vth1に接続され、抵抗素子R1の他端はノードa2に接続されている。抵抗素子R2の一端はノードa2に接続され、抵抗素子R2の他端はノードa3に接続されている。抵抗素子R3の一端はノードa3に接続され、抵抗素子R3の他端はノードa4に接続されている。抵抗素子R4の一端はノードa4に接続され、抵抗素子R3の他端はノードa5を介して接地電圧端子GND1iに接続されている。Vth1、Vth2は一点GNDとしてGND1iに接地させることで、GND1iの変動をCp1〜Cp5のコンパレートにより、相殺
することを期待した構造にしている。
【0069】
コンパレータCp1は、ノードa1の電圧値と、増幅信号Vth2の電圧値と、を比較して比較結果を出力する。コンパレータCp2は、ノードa2の電圧値と、増幅信号Vth2の電圧値と、を比較して比較結果を出力する。コンパレータCp3は、ノードa3の電圧値と、増幅信号Vth2の電圧値と、を比較して比較結果を出力する。コンパレータCp4は、ノードa4の電圧値と、増幅信号Vth2の電圧値と、を比較して比較結果を出力する。コンパレータCp5は、ノードa5の電圧値と、増幅信号Vth2の電圧値と、を比較して比較結果を出力する。
【0070】
例えば、ノードa1〜a5の電圧値がそれぞれ0.410V、0.405V、0.400V、0.395V、0.390Vを示し、増幅信号Vth2の電圧値が0.406Vを示す場合、コンパレータCp1〜Cp5は、それぞれ比較結果0、1、1、1、1を出力する。コンパレータCp1〜Cp5のそれぞれの比較結果が一つの測定結果(ディジタル値)として出力される。
【0071】
図11及び
図12A〜
図12Dの例では、比較部CMP1aが5個のコンパレータCp1〜Cp5を備えた場合を例に説明したが、これに限られない。比較部CMP1aは、N(Nは任意の自然数)個のコンパレータCp1〜CpNを備えた構成に適宜変更可能である。それに伴い、比較部CMP1aは、(N−1)個の抵抗素子R1〜R(N−1)を備えた構成に変更する必要がある。
【0072】
(比較部CMP1の第2の具体的構成例)
図13は、比較部CMP1の第2の具体的構成例を比較部CMP1bとして示す図である。
図14Aは、シフト前のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図14Bは、シフト前のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
図14Cは、シフト後のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図14Dは、シフト後のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【0073】
図13に示す比較部CMP1bは、
図11に示す比較部CMP1aと比較して、高電圧端子Vth1とノードa1との間にレベルシフタLS1をさらに備える。
図13に示す比較部CMP1bのその他の構成については、
図11に示す比較部CMP1aと同様であるため、その説明を省略する。
【0074】
レベルシフタLS1は、高電圧端子Vth1とノードa1との間に並列に設けられた複数の抵抗素子Rls1〜RlsX(Xは2以上の整数)と、これら複数の抵抗素子Rls1〜RlsXにそれぞれ直列接続された複数のスイッチ素子Sls1〜SlsXと、を備える。スイッチ素子Sls1〜SlsXのオンオフは、制御部CTL1からの制御信号thdvarによって制御される。なお、制御信号thdvarの値は例えばクロック周期で切り替わる。
【0075】
例えば、まず、スイッチ素子Sls1〜SlsXは、制御信号thdvarにより順にオンする。それにより、高電圧端子Vth1とノードa1との間の抵抗値は徐々に低くなる。スイッチ素子Sls1〜SlsXがすべてオンすると、次に、スイッチ素子Sls1〜SlsXは制御信号thdvarにより順にオフする。それにより、高電圧端子Vth1とノードa1との間の抵抗値は徐々に高くなる。スイッチ素子Sls1〜SlsXが何れか一つを残してすべてオフすると、再び、スイッチ素子Sls1〜SlsXは制御信号thdvarにより順にオンする。このような動作が繰り返されることにより、ノードa1〜a5の電圧値は連続して広範囲にシフトされる。設定した範囲のシフトをクロック周期で切り替わるようにしてトグルさせることにより、増幅信号Vth2をノードa1〜a5の電圧値の範囲内に収めて比較することが可能となる。
【0076】
図13及び
図14A〜
図14Dの例では、比較部CMP1bが5個のコンパレータCp1〜Cp5を備えた場合を例に説明したが、これに限られない。比較部CMP1bは、N(Nは任意の自然数)個のコンパレータCp1〜CpNを備えた構成に適宜変更可能である。それに伴い、比較部CMP1bは、(N−1)個の抵抗素子R1〜R(N−1)を備えた構成に変更する必要がある。
【0077】
(比較部CMP1の第3の具体的構成例)
図15は、比較部CMP1の第3の具体的構成例を比較部CMP1cとして示す図である。
図16Aは、刻み幅の大きいノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図16Bは、刻み幅の大きいノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
図16Cは、刻み幅の小さいノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図16Dは、刻み幅の小さいノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。刻み幅を変化させることにより、制御する必要がある電圧幅(分解能)の最適値に調整することを可能にする。
【0078】
図15に示す比較部CMP1cは、
図11に示す比較部CMP1aと比較して、ノードa5と接地電圧端子GND1iとの間に刻み幅調整部SS1をさらに備える。
図15に示す比較部CMP1cのその他の構成については、
図11に示す比較部CMP1aと同様であるため、その説明を省略する。
【0079】
刻み幅調整部SS1は、ノードa5と接地電圧端子GND1iとの間に並列に設けられた複数の抵抗素子Rss1〜RssY(Yは2以上の整数)と、これら複数の抵抗素子Rss1〜RssYにそれぞれ直列接続された複数のスイッチ素子Sss1〜SssYと、を備える。スイッチ素子Sss1〜SssYのオンオフは、制御部CTL1からの制御信号thshiftによって制御される。なお、制御信号thshiftの値は例えば調整後に固定される。
【0080】
例えば、スイッチ素子Sss1〜SssYのうちオンするスイッチ素子の数が多いほど、ノードa5と接地電圧端子GND1iとの間の抵抗値は小さくなる。それにより、ノードa1〜a5の電圧値の刻み幅は大きくなる(
図16A、
図16B参照)。一方、スイッチ素子Sss1〜SssYのうちオンするスイッチ素子の数が少ないほど、ノードa5と接地電圧端子GND1iとの間の抵抗値は大きくなる。それにより、ノードa1〜a5の電圧値の刻み幅は小さくなる(
図16C、
図16D参照)。ノードa1〜a5の電圧値の刻み幅を小さくすることにより、増幅信号Vth2の測定確度を向上させることが可能となる。
【0081】
図15及び
図16A〜
図16Dの例では、比較部CMP1cが5個のコンパレータCp1〜Cp5を備えた場合を例に説明したが、これに限られない。比較部CMP1cは、N(Nは任意の自然数)個のコンパレータCp1〜CpNを備えた構成に適宜変更可能である。それに伴い、比較部CMP1cは、(N−1)個のR1〜R(N−1)を備えた構成に変更する必要がある。
【0082】
(比較部CMP1の第4の具体的構成例)
図17は、比較部CMP1の第4の具体的構成例を比較部CMP1dとして示す図である。
図18Aは、オフセット調整前のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図18Bは、オフセット調整前のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
図18Cは、オフセット調整後のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図18Dは、オフセット調整後のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【0083】
図17に示す比較部CMP1dは、
図11に示す比較部CMP1aと比較して、高電圧端子Vth1とノードa1との間にオフセット調整部OS1をさらに備える。
図17に示す比較部CMP1dのその他の構成については、
図11に示す比較部CMP1aと同様であるため、その説明を省略する。
【0084】
オフセット調整部OS1は、高電圧端子Vth1とノードa1との間に並列に設けられた複数の抵抗素子Ros1〜RosZ(Zは2以上の整数)と、これら複数の抵抗素子Ros1〜RosZにそれぞれ直列接続された複数のスイッチ素子Sos1〜SosZと、を備える。スイッチ素子Sos1〜SosZのオンオフは、制御部CTL1からの制御信号thoffによって制御される。なお、制御信号thoffの値は例えば調整後に固定される。
【0085】
例えば、スイッチ素子Sos1〜SosZのうちオンするスイッチ素子の数が多いほど、高電圧端子Vth1とノードa1との間の抵抗値は小さくなる。一方、スイッチ素子Sos1〜SosZのうちオンするスイッチ素子の数が少ないほど、高電圧端子Vth1とノードa1との間の抵抗値は大きくなる。スイッチ素子Sos1〜SosZのオンオフを調整して高電圧端子Vth1とノードa1との間の抵抗値を調整することにより、ノードa1〜a5の電圧値を微調整することが可能である(
図18A〜
図18D参照)。半導体は、チップ毎に特性が異なる。電圧の絶対値を確度良くコンパレート(比較)するには、半導体の特性のばらつき(オフセット)を製造時に調整する必要がある。オフセット調整部OS1は、半導体の生産時の特性確認(選別)時に得られた特性ばらつき(オフセット)の値を調整する。
【0086】
図17及び
図18A〜
図18Dの例では、比較部CMP1dが5個のコンパレータCp1〜Cp5を備えた場合を例に説明したが、これに限られない。比較部CMP1dは、N(Nは任意の自然数)個のコンパレータCp1〜CpNを備えた構成に適宜変更可能である。それに伴い、比較部CMP1dは、(N−1)個のR1〜R(N−1)を備えた構成に変更する必要がある。
【0087】
(比較部CMP1の第5の具体的構成例)
図19は、比較部CMP1の第5の具体的構成例を比較部CMP1eとして示す図である。
図20Aは、ノイズフィルタ適用前のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図20Bは、ノイズフィルタ適用前のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
図20Cは、ノイズフィルタ適用後のノードa1〜a5の電圧値の温度依存性を示す図である。
図20Dは、ノイズフィルタ適用後のノードa1〜a5の電圧値と増幅信号Vth2とを比較した図である。
【0088】
図19に示す比較部CMP1eは、
図11に示す比較部CMP1aと比較して、各コンパレータCp1〜Cp5の増幅信号Vth2が供給される入力端子(非反転入力端子)側にノイズフィルタNF1をさらに備える。
図19に示す比較部CMP1eのその他の構成については、
図11に示す比較部CMP1aと同様であるため、その説明を省略する。
【0089】
ノイズフィルタNF1は、増幅信号Vth2が供給される高電圧端子(以下、高電圧端子Vth2と称す)と各コンパレータCp1〜Cp5の非反転入力端子との間に並列に設けられた複数の抵抗素子Rnf1〜RnfM(Mは2以上の整数)と、これら複数の抵抗素子Rnf1〜RnfMにそれぞれ直列接続された複数のスイッチ素子Snf1〜SnfMと、各コンパレータCp1〜Cp5の非反転入力端子と接地電圧端子GND1iとの間に設けられた容量素子C1と、を備える。スイッチ素子Snf1〜SnfMのオンオフは、制御部CTL1からの制御信号thnfによって制御される。なお、制御信号thnfの値は例えば調整後に固定される。
【0090】
比較部CMP1eは、ノイズフィルタNF1で増幅信号Vth2のノイズを除去することにより、激しく変動する増幅信号Vth2の不要な変動をコンパレート時に抑制することができるため、安定したコンパレート結果(測定結果)を出力することができる。
【0091】
図19及び
図20A〜
図20Dの例では、比較部CMP1eが5個のコンパレータCp1〜Cp5を備えた場合を例に説明したが、これに限られない。比較部CMP1eは、N(Nは任意の自然数)個のコンパレータCp1〜CpNを備えた構成に適宜変更可能である。それに伴い、比較部CMP1eは、(N−1)個のR1〜R(N−1)を備えた構成に変更する必要がある。
【0092】
なお、比較部CMP1には、レベルシフタLS1、刻み幅調整部SS1、オフセット調整部OS1、及び、ノイズフィルタNF1のいくつか又はすべてが組み合わせて適用されてもよい。
【0093】
以上のように、上記実施の形態1〜4にかかるモニタ回路(MNT1,MNT2)は、機能ブロック(CPU101,GPU102)への供給電圧を確度良く測定することができる。それにより、上記実施の形態1〜4にかかる半導体装置(10)は、機能ブロックあるいは半導体集積回路100に安定した電源電圧を供給することができる。
【0094】
上記実施の形態では、一つの機能ブロックに対して一組のモニタ及び制御部が設けられた場合を例に説明したが、これに限られない。複数の機能ブロックによって一組のモニタ及び制御部が共用されてもよい。
【0095】
また、上記実施の形態では、機能ブロックと制御部とが個別に設けられた場合を例に説明したが、これに限られない。機能ブロックが制御部としての機能を有していてもよい。例えば、機能ブロックとしてのCPU101が制御部CTL1としての機能を有してもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、接地電圧GND1と接地電圧GND2とが異なる場合を例に説明したが、これに限られない。当然ながら、接地電圧GND1と接地電圧GND2とが共通であってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、半導体チップCHP1上に2つの機能ブロックが設けられた場合を例に説明したが、これに限られない。当然ながら、半導体チップCHP1上には、1つ以上の任意の数の機能ブロック及びそれに対応するモニタ及び制御部が設けられていてもよい。
【0098】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。