特許第5972868号(P5972868)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972868
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】アントラニル酸ジアミド誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20160804BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20160804BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20160804BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20160804BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20160804BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20160804BHJP
   A01N 43/78 20060101ALI20160804BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20160804BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20160804BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
   C07D401/04
   C07D417/14
   C07D413/14CSP
   C07D401/14
   A01N43/56 D
   A01N43/713
   A01N43/78 B
   A01N43/80 101
   A01P7/02
   A01P7/04
【請求項の数】13
【全頁数】96
(21)【出願番号】特願2013-514659(P2013-514659)
(86)(22)【出願日】2011年6月10日
(65)【公表番号】特表2013-530173(P2013-530173A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】EP2011059698
(87)【国際公開番号】WO2011157654
(87)【国際公開日】20111222
【審査請求日】2014年6月6日
(31)【優先権主張番号】61/354,905
(32)【優先日】2010年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10166064.5
(32)【優先日】2010年6月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512137348
【氏名又は名称】バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】230105223
【弁護士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】フイツシヤー,リユデイガー
(72)【発明者】
【氏名】グロンダール,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ハイル,マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ブロブロフスキー,ハインツ−ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ゲジング,エルンスト・ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】フンケ,クリステイアン
(72)【発明者】
【氏名】マルサム,オルガ
(72)【発明者】
【氏名】フエールステ,アルント
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲンス,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】村田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】フランケン,エーフア・マリーア
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−539902(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101333213(CN,A)
【文献】 特表2006−514632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D401/00−421/14
A01N 1/00− 65/48
A01P 1/00− 23/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)の化合物。
【化1】


[Rが水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、シアノ(C−C−アルキル)、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル−C−C−アルキルまたはC−C−アルキルスルホニル−C−C−アルキルを表し、
が水素またはC−C−アルキルを表し、
が水素を表すか、各場合でモノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
がさらに、C−C12−シクロアルキルまたはC−C10−ビシクロアルキルを表し、当該置換基は互いに独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
が水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、(C=O)OH、C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−ジアルキルアミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、C−C−ジアルキルアミノチオカルボニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルまたはC−C−ジアルキルアミノスルホニルを表し、
2個の隣接する基Rが同様に、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH=CH−)−、−OCHO−、−O(CHO−、−OCFO−、−(CFO−、−O(CFO−、−(CH=CH−CH=N)−または−(CH=CH−N=CH)−を表し、
nは0から3を表し、
がC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C3−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロゲン、シアノ、ニトロまたはC−C−トリアルキルシリルを表し、
Aが、−(C−C−アルケニレン)−、−(C−C−アルキニレン)−、−R−C(=O)−R、−R−NHS(=O)−R、−R−N(C−C−アルキル)S(=O)−R、R−C(=O)−C(=O)−R、R−C(OH)−R、R−Qz−R、−CHN(SOMe)CH−、CHCH(OH)−、−CH=CH−、−C≡C−を表し、
Qzが3員もしくは4員の部分飽和または飽和環を表すか、5員もしくは6員の部分飽和、飽和または芳香族環を表し、当該環はN、S、Oからなる群からの1から3個のヘテロ原子を含んでいても良く、
当該環は同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、当該置換基は互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、OH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から選択されることができ、
がC−C−アルキルを表すか、下記の基:
【化4】


を表し、
がさらに、C−C−シクロアルコキシを表し、
が独立に水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルスルホニルまたは(C−C−アルキル)−C−C−アルコキシイミノを表し、
pが1、2または3を表し、
ZがN、CH、CF、CCl、CBrまたはCIを表し、
が直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−を表すか、直接結合を表し、
10が水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、C−C−ハロアルコキシを表すか、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロ芳香族環を表し、フェニルまたは当該環がC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO、OH、C−C−アルコキシおよびC−C−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる置換基によってモノ置換または多置換されていても良く、
Aが−R−C(=O)−Rを表し、Qがフェニルを表す場合、R10は水素を表さず、
Qが、R10によってモノ置換または多置換されているフェニルを表すか、5員もしくは6員の部分飽和もしくは飽和複素環もしくはヘテロ芳香族環または芳香族8員、9員もしくは10員の縮合ヘテロ二環式環系を表し、当該ヘテロ原子がN、S、Oからなる群から選択されても良く、当該環または当該環系が同一もしくは異なるR10によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、
一般式(I)の化合物はさらに、N−オキサイドおよび塩を含む。]
【請求項2】
が水素、メチル、シクロプロピル、シアノメチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、メチルスルフィニルメチルまたはメチルスルホニルメチルを表し、
が水素またはメチルを表し、
が水素を表すか、各場合でモノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−アルキル、C−C−アルコキシを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
がさらに、モノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−シクロアルキルを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
が水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ハロゲン、シアノまたはC−C−ハロアルコキシを表し、
2個の隣接する基Rが−(CH−、−(CH=CH−)−、−O(CHO−、−O(CFO−、−(CH=CH−CH=N)−または−(CH=CH−N=CH)−を表し、
がC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C3−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロまたはC−C−トリアルキルシリルを表し、
Aが−C(=O)−、−CH(CO)−、CHCH(OH)−、−C(=O)−C(=O)−、−CH=CH−、−C≡C−、イソオキサゾリン、イミダゾリドン、−CHNHSOCH−、−CHNMeSOCH−、−CHN(SOMe)CH−、−(CO)CH−を表し、
がメチルを表すか、下記の基:
【化5】


を表し、
が独立に水素、ハロゲンまたはC−C−ハロアルキルを表し、
pが1または2を表し、
ZがN、CH、CF、CClまたはCBrを表し、
10が水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−ハロアルコキシを表すか、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロ芳香族環を表し、フェニルまたは当該環はC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる置換基によってモノ置換または多置換されていても良く、
QがR10によってモノ置換または多置換されているフェニルを表すか、R10によってモノ置換もしくは多置換されていても良いQ−1からQ−53およびQ−58からQ−59、Q62からQ63からなる群からの5員もしくは6員のヘテロ芳香族環、芳香族9員もしくは10員の縮合ヘテロ二環式環系Q−54からQ−57を表すか、5員の複素環Q−60からQ−61を表す請求項1または2に記載の一般式(I)の化合物。
【化6】


【請求項3】
昆虫類又はダニ類の防除のための、QがQ62およびQ63であり、QがQ62である式(I)の化合物のQがQ63である式(I)の化合物に対する比率が60:40から99:1である請求項1又は2に記載の一般式(I)の化合物の農芸化学混合物。
【請求項4】
昆虫類又はダニ類の防除のための、QがQ58およびQ59であり、QがQ58である式(I)の化合物のQがQ59である式(I)の化合物に対する比率が60:40から99:1である請求項1又は2に記載の一般式(I)の化合物の農芸化学混合物。
【請求項5】
(A)下記式(II)のアニリン:
【化7】


(R、R、R、R、Rおよびnは上記の意味を有する。)を、下記式(III)のカルボン酸:
【化8】


(Q、AおよびRは上記の意味を有する。)と縮合剤の存在下に反応させる、
請求項1又は2に記載の一般式(I)の化合物の製造方法。
【請求項6】
(B)下記式(II)のアニリン:
【化9】


(R、R、R、R、Rおよびnは上記の意味を有する。)を、下記式(IIIA)のカルボニルクロライド:
【化10】


(Q、AおよびRは上記の意味を有する。)と、酸結合剤の存在下に反応させる、
請求項1又は2に記載の一般式(I)の化合物の製造方法。
【請求項7】
下記式(IIIB)のベンゾオキサジノン:
【化11】


(R、R、R、A、Qおよびnは上記の意味を有する。)を、式(IIIC)のアミン:
【化12】


(Rは上記の意味を有する。)と希釈剤存在下に反応させる、
及びRが水素を表す請求項1又は2に記載の一般式(I)の化合物の製造方法。
【請求項8】
少なくとも一つの請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物および少なくとも一つの下記式(XXIV)の塩を含む、昆虫類又はダニ類の防除のための農芸化学組成物。
【化13】


[式中、
Dは窒素またはリンを表し、
11、R12、R13およびR14は互いに独立に水素または各場合で置換されていても良いC−C−アルキルまたはモノ不飽和もしくは多不飽和の置換されていても良いC−C−アルキレンを表し、当該置換基はハロゲン、ニトロおよびシアノからなる群から選択されても良く、
mは1、2、3または4を表し、
15は無機または有機アニオンを表す。]
【請求項9】
少なくとも一つの請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物および少なくとも一つの下記式(XXV)の浸透剤を含む、昆虫類又はダニ類の防除のための農芸化学組成物。
R−O−(−AO)−R′(XXV)
[式中、
Rは、4から20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキルを表し、
R′は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを表し、
AOは、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基または、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド基もしくはブチレンオキサイド基の混合物を表し、
Vは、2から30の数字を表す。]
【請求項10】
少なくとも一つの請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物の混合物または請求項8または9に記載の組成物、ならびに増量剤および/または界面活性剤を含む、昆虫類又はダニ類の防除のための農芸化学化学組成物。
【請求項11】
少なくとも一つの請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物もしくは一般式(I)の化合物の混合物または請求項8または9に記載の組成物を増量剤および/または界面活性剤と混合することを特徴とする、昆虫類又はダニ類の防除のための農芸化学組成物の製造方法。
【請求項12】
昆虫類又はダニ類の防除のための、病害動物の防除における、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物もしくは化合物の混合物または請求項8から10のうちのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項13】
請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物もしくは一般式(I)の化合物の混合物または請求項8から10のうちのいずれか1項に記載の組成物を昆虫類及び/又はダニ類および/またはそれらの棲息場所および/または種子に施用することを特徴とする、昆虫類又はダニ類の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアントラニル酸誘導体、活性を高めるための他薬剤とも組み合わせた病害動物を防除するための殺虫剤および殺ダニ剤としてのそれの使用、およびそれらの複数の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
殺虫特性を有するアントラニル酸誘導体については、文献においてすでに報告されており、例えばWO 01/70671、WO 03/015519、WO 03/016284、WO 03/015518、WO 03/024222、WO 03/016282、WO 03/016283、WO 03/062226、WO 03/027099、WO 04/027042、WO 04/033468、WO 2004/046129、WO 2004/067528、WO 2005/118552、WO 2005/077934、WO 2005/085234、WO 2006/023783、WO 2006/000336、WO 2006/040113、WO 2006/111341、WO 2007/006670、WO 2007/024833、WO 2007/020877、WO 2007/144100、WO 2007/043677、WO 2008/126889、WO 2008/126890、WO 2008/126933に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO 01/70671
【特許文献2】WO 03/015519
【特許文献3】WO 03/016284
【特許文献4】WO 03/015518
【特許文献5】WO 03/024222
【特許文献6】WO 03/016282
【特許文献7】WO 03/016283
【特許文献8】WO 03/062226
【特許文献9】WO 03/027099
【特許文献10】WO 04/027042
【特許文献11】WO 04/033468
【特許文献12】WO 2004/046129
【特許文献13】WO 2004/067528
【特許文献14】WO 2005/118552
【特許文献15】WO 2005/077934
【特許文献16】WO 2005/085234
【特許文献17】WO 2006/023783
【特許文献18】WO 2006/000336
【特許文献19】WO 2006/040113
【特許文献20】WO 2006/111341
【特許文献21】WO 2007/006670
【特許文献22】WO 2007/024833
【特許文献23】WO 2007/020877
【特許文献24】WO 2007/144100
【特許文献25】WO 2007/043677
【特許文献26】WO 2008/126889
【特許文献27】WO 2008/126890
【特許文献28】WO 2008/126933
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、施用においては、上記で示した明細書によって公知である活性化合物は、それらが狭い施用スペクトラムを示す場合であったり、それらが十分な殺虫活性や殺ダニ活性を示さない場合であったり、いくつかの点で欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
公知の化合物に勝る長所、例えばより良好な生理特性もしくは環境特性、より広い施用方法、改善された殺虫活性もしくは殺ダニ活性、そして有用植物との高い適合性を有する新規なアントラニル酸誘導体が見出された。そのアントラニル酸誘導体は、他薬剤と併用して、特には防除が困難な昆虫に対する効力を高めることができる。
【0006】
従って本発明は、下記式(I)の新規なアントラニル酸誘導体を提供する。
【0007】
【化1】
式中、
は、水素、アミノ、ヒドロキシルを表すか、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルまたはC−C−シクロアルキルを表し、それらはそれぞれ同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、当該置換基は互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−シクロアルキルアミノおよび(C−C−アルキル)−C−C−シクロアルキルアミノからなる群から選択されることができ、
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−シクロアルキルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルカルボニルを表し、
は水素を表すか、各場合でモノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
はさらに、各場合でモノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にアミノ、C−C−シクロアルキルアミノおよび5員もしくは6員のヘテロ芳香族環からなる群から選択されることができ、
も同様に、さらにC−C12−シクロアルキル、C−C12−シクロアルキル−C−C−アルキルおよびC−C12−ビシクロアルキルを表し、当該置換基は互いに独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルアミノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−トリアルキルシリルおよび5員もしくは6員のヘテロ芳香族環からなる群から選択されることができ、
およびRは2から6個の炭素原子を介して互いに結合して、環を形成していても良く、その環はさらに、別の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでいても良く、C−C−アルキル、ハロゲン、シアノ、アミノまたはC−C−アルコキシによってモノから4置換されていても良く、
、Rはさらに一体となって、=S(C−C−アルキル)、=S(O)(C−C−アルキル)を表し、
は水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、(C=O)OH、OCN、SCN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロアルコキシ、SF、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、N−メトキシ−N−メチルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−ジアルキルアミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、C−C−ジアルキルアミノチオカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノ、(C−C−アルコキシ)イミノ、(C−C−アルキル)(C−C−アルコキシ)イミノ、(C−C−ハロアルキル)(C−C−アルコキシ)イミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−ジアルキルアミノスルホニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−トリアルキルシリルを表すか、3から6員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を表し、その環はO、SおよびNからなる群からの1から3個のヘテロ原子を含んでいても良く、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−ジアルキルアミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、C−C−ジアルキルアミノチオカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルおよびC−C−ジアルキルアミノスルホニルからなる群からの同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、
2個の基Rは隣接する炭素原子を介して環を形成しており、その環は−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH=CH−)−、−OCHO−、−O(CHO−、−OCFO−、−(CFO−、−O(CFO−、−(CH=CH−CH=N)−または−(CH=CH−N=CH)−を表し
すか、
2個の基Rはさらに、隣接する炭素原子を介して下記の縮合環を形成しており、その環は同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、当該置換基は互いに独立に、水素、シアノ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ(C−C−アルキル)、C−C−アルキルスルフィニル(C−C−アルキル)、C−C−アルキルスルホニル(C−C−アルキル)、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノおよびC−C−シクロアルキルアミノからなる群から選択されることができ、
【0008】
【化2】
nは0から3を表し、
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロゲン、シアノ、ニトロまたはC−C−トリアルキルシリルを表し、
Aは、モノ置換もしくは多置換されていても良い−(C−C−アルケニレン)−、−(C−C−アルキニレン)−、C−C−アルキレン−(C−C−アルキル)、直鎖−(C−C−アルキレン)−、−R−(C−C−シクロアルキル)−R−、−R−O−R−、−R−S−R−、−R−S(=O)−R−、−R−S(=O)−R−、−R−N(C−C−アルキル)−R−、−R−CHC=NO(C−C−アルキル)−R、−R−C(=O)−R8−、−R−C(=O)NH−R、R−C(=O)N(C−C−アルキル)−R、−R−C(=O)NHNH−R−、R−C(=O)NH−R−、−R−C(=O)N(C−C−アルキル)−NH−R−、−R−C(=O)NHN(C−C−アルキル)−R、−R−O(C=O)−R、−R−O(C=O)NH−R、−R−O(C=O)N(C−C−アルキル)−R、−R−S(=O)NH−R、−R−S(=O)N(C−C−アルキル)−R、−R−S(C=O)−R、−R−S(C=O)NH−R、−R−S(C=O)N(C−C−アルキル)−R、−R−NHNH−R、−R−NHN(C−C−アルキル)−R、−R−N(C−C−アルキル)−NH−R、−R−N(C−C−アルキル)−N(C−C−アルキル)−R、−R−N=CH−O−R、−R−NH(C=O)O−R、−R−N(C−C−アルキル)−(C=O)O−R、−R−NH(C=O)NH−R、−R−NH(C=S)NH−R、−R−NHS(=O)−R、R−NH−R、R−C(=O)−C(=O)−R、R−C(OH)−R、R−NH(C=O)−R、R−Qz−R、R−C(=N−NR′)−R、R−C(=C−R′)−R、−R−C(=S)−R、R−NH−(C−C−アルキル)−R−または−R−N(C−C−アルキル)S(=O)−Rを表し、
当該置換基は互いに独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−アルキルオキシ、ハロ−C−C−アルキル、アミノ、(C−C−アルキル)アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、C−C−シクロアルキルからなる群から選択されることができ、
当該環における−(C−C−シクロアルキル)−は、N、S、Oからなる群から選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含んでいても良く、
Aはさらに、−(C−C)アルキレン−を表し、それは独立にハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、(C=O)OH、OCN、SCN、C−C−アルキルオキシ、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、(C−C−アルキル)アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−ジアルキルアミノカルボニル、C−C−シクロアルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニル、C−C−ジアルキルアミノスルホニルまたはC−C−シクロアルキルによってモノ置換もしくは多置換されており、
は直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−を表すか、直接結合を表し、
複数のR基は互いに独立に直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−を表すか、直接結合を表し、
例えば、R−O−R−は−(C−C−アルキレン)−O−(C−C−アルキレン)−、−(C−C−アルキレン)−O−、−O−(C−C−アルキレン)−、または−O−を表し、
は直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−を表すか、直接結合を表し、
複数のR基は互いに独立にを表し直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−または直接結合を表し、
例えば、R−O−R−は−(C−C−アルキレン)−O−(C−C−アルキレン)−、−(C−C−アルキレン)−O−、−O−(C−C−アルキレン)−、または−O−を表し、
R′はアルキル、アルキルカルボニル、アルケニル、アルキニルを表し、それらはハロゲンによってモノ置換または多置換されていても良く、
Qzは、3員もしくは4員の部分飽和または飽和または5員もしくは6員の部分飽和、飽和または芳香族環を表すか、6から10員の二環式環系を表し、
当該環または当該二環式環系は、N、S、Oからなる群からの1から3個のヘテロ原子を含んでいても良く、
当該環または当該二環式環系は同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、当該置換基は互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、CONH、NO、OH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−シクロアルキルアミノ、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキル)アミノカルボニル、ジ−(C−C−アルキル)アミノカルボニル、(=O)または(=O)からなる群から選択されることができ、
Qは、R10によってモノ置換または多置換されているフェニルを表すか、5員もしくは6員の部分飽和または飽和複素環またはヘテロ芳香族環もしくは芳香族の8員、9員もしくは10員の縮合ヘテロ二環式環系を表し、当該環または当該環系は同一もしくは異なるR10によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、
10は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、COH、CONH、NO、OH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−シクロアルキルアミノ、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキル)アミノカルボニル、ジ−(C−C−アルキル)アミノカルボニル、トリ−(C−C)アルキルシリル、(C−C−アルキル)(C−C−アルコキシ)イミノを表すか、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロ芳香族環を表し、フェニルまたは当該環はC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO、OH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる置換基によってモノ置換または多置換されていても良く、
AがR−O−R−または−R−C(=O)−Rを表し、Qがフェニルを表す場合、R10は水素を表さず、
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−シクロアルコキシまたは
【0009】
【化3】
を表し、
は独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオまたはC−C−ハロアルキルチオを表し、
pは0から4を表し、
ZはN、CH、CF、CCl、CBrまたはCIを表し、
一般式(I)の化合物はさらに、N−オキサイドおよび塩を含む。
【0010】
適切な場合、式(I)の化合物は、各種多形体型でまたは異なる多形体型の混合物として存在することができる。純粋な多形体および多形体混合物のいずれも本発明によって提供され、本発明に従って用いることができる。
【0011】
式(I)の化合物は、ジアステレオマーまたはエナンチオマーを含んでいても良い。
【0012】
式(I)は、本発明による化合物の一般的定義を提供する。好ましい、特に好ましいおよび非常に好ましいものは、
が好ましくは水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、シアノ(C−C−アルキル)、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル−C−C−アルキルまたはC−C−アルキルスルホニル−C−C−アルキルを表し,
が特に好ましくは、水素、メチル、シクロプロピル、シアノメチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、メチルスルフィニルメチルまたはメチルスルホニルメチルを表し、
が非常に好ましくは水素を表し、
が好ましくは、水素またはC−C−アルキルを表し、
が特に好ましくは水素またはメチルを表し、
が非常に好ましくは水素を表し、
が好ましくは、水素を表すか、各場合でモノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
がさらにより好ましくは、C−C12−シクロアルキルまたはC−C10−ビシクロアルキルを表し、当該置換基は互いに独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
が特に好ましくは、水素を表すか、各場合でモノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−アルキル、C−C−アルコキシを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
がさらに特に好ましくは、モノ置換もしくは多置換されていても良いC−C−シクロアルキルを表し、当該置換基は同一であるか異なっており、互いに独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフイミノ、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホキシイミノ、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホキシイミノ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−トリアルキルシリルからなる群から選択されることができ、
が非常に好ましくは、C−C−アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル)またはシアノ−C−C−アルキル(シアノメチル、1−シアノエチル、2−シアノエチル、1−シアノ−n−プロピル、2−シアノ−n−プロピル、3−シアノ−n−プロピル、1−シアノイソプロピル、2−シアノイソプロピル)を表し、
が特別に好ましくは、メチル、イソプロピル、tert−ブチルまたはシアノメチルを表し、
が好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、(C=O)OH、C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−ジアルキルアミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、C−C−ジアルキルアミノチオカルボニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルまたはC−C−ジアルキルアミノスルホニルを表し、
2個の隣接する基Rが同様に好ましくは−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH=CH−)−、−OCHO−、−O(CHO−、−OCFO−、−(CFO−、−O(CFO−、−(CH=CH−CH=N)−または−(CH=CH−N=CH)−を表し、
が特に好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、ハロゲン、シアノまたはC−C−ハロアルコキシを表し、
2個の隣接する基Rが特に好ましくは、−(CH−、−(CH=CH−)−、−O(CHO−、−O(CFO−、−(CH=CH−CH=N)−または−(CH=CH−N=CH)−を表し、
が非常に好ましくは、水素、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはトリフルオロメトキシを表し、さらには2個の隣接する基Rが非常に好ましくは−(CH−または−(CH=CH−)−を表し、
が特別に好ましくは塩素または臭素を表し、
がさらに特別に好ましくは、ヨウ素またはシアノを表し、
2個の隣接する基Rが特別に好ましくは、−(CH=CH−)を表し、
が好ましくは、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロゲン、シアノ、ニトロまたはC−C−トリアルキルシリルを表し、
が特に好ましくは、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロまたはC−C−トリアルキルシリルを表し、
が非常に好ましくは、メチル、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し、
が特別に好ましくは、メチルまたは塩素を表し、
Aが好ましくは、モノ置換もしくは多置換されていても良い、−(C−C−アルケニレン)−、−(C−C−アルキニレン)−、C−C−アルキレン−(C−C−アルキル)、直鎖−(C−C−アルキレン)−、−R−(C−C−シクロアルキル)−R−、−R−O−R−、−R−S−R−、−R−S(=O)−R−、−R−S(=O)−R−、−R−N(C−C−アルキル)−R、−R−CHC=NO(C−C−アルキル)、−R−C(=O)−R、−R−C(=S)−R、−R−C(=O)NH−R、R−C(=O)N(C−C−アルキル)−R、−R−S(=O)NH−R、−R−S(=O)N(C−C−アルキル)−R、−R−NH(C=O)O−R、−R−N(C−C−アルキル)−(C=O)O−R、−R−NH(C=O)NH−R、−R−NHS(=O)−R、−R−N(C−C−アルキル)S(=O)−R、R−NH−R、R−C(=O)−C(=O)−R、R−C(OH)−R、R−Qz−Rを表し、
当該置換基は互いに独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−アルキルオキシおよびハロ−C−C−アルキルからなる群から選択されることができ、
Aがさらにより好ましくは、独立にハロゲン、C−C−アルキルオキシ、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニルまたはC−C−ハロアルキルスルホニルによってモノ置換もしくは多置換されている−(C−C)アルキレン−を表し、
Aが特に好ましくは、−CH(Hal)−、−C(Hal)−、−C(=O)−、−CH(CO)−、−(CO)CH−、−C(=O)−C(=O)−、CH(CS)−、CHCH(OH)−、−CHNHSO−、−CHNMeSO−、−CHNHSOCH−、−CHNMeSOCH−、−CHN(SOMe)CH−、−シクロプロピル−、シクロブチル、CH(CO)CH−、−CH=CH−、−C≡C−、フェニル、フラン、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリドン、ピロリジノン、イミダゾリドン、イミダゾリジノン、トリアゾリノン、トリアゾリジノン、テトラゾリノン、テトラゾリジノン、チアゾロン、チアゾリジノン、オキサゾロン、オキサゾリジノンを表し、
Aが非常に好ましくは、−C(=O)−、−CH(CO)−、CHCH(OH)−、−C(=O)−C(=O)−、−CH=CH−、−C≡C−、イソオキサゾリン、イミダゾリドン、−CHNHSOCH−、−CHNMeSOCH−、CHN(SOMe)CH−、−(CO)CH−、−CHCl−、−CCl−、−CHF−、−CF−を表し、
Qzが好ましくは、3員もしくは4員の部分飽和または飽和環を表すか、5員もしくは6員の部分飽和、飽和または芳香族環を表し、当該環はN、S、Oからなる群からの1から3個のヘテロ原子を含んでいても良く、
当該環は同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、当該置換基は互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、OH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から選択されることができ、
Qzが特に好ましくは、3から4員の部分飽和または飽和環を表すか、5員もしくは6員の部分飽和、飽和または芳香族環を表し、当該環はN、S、Oからなる群からの1から2個のヘテロ原子を含んでいても良く、
当該環は同一もしくは異なる置換基によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、当該置換基は互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、OH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から選択されることができ、
Qzが非常に好ましくはフェニル、フラン、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリドン、ピロリジノン、イミダゾリドン、イミダゾリジノン、トリアゾリノン、トリアゾリジノン、テトラゾリノン、テトラゾリジノン、チアゾロン、チアゾリジノン、オキサゾロン、オキサゾリジノンを表し、
が好ましくは、C−C−アルキルを表すか、下記の基:
【0013】
【化4】
を表し、
がさらにより好ましくは、C−C−シクロアルコキシを表し、
が特に好ましくは、メチルを表すか、下記の基:
【0014】
【化5】
を表し、
が独立に、好ましくは水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルスルホニルまたは(C−C−アルキル)−C−C−アルコキシイミノを表し、
が独立に、特に好ましくは水素、ハロゲンまたはC−C−ハロアルキルを表し、
が非常に好ましくは、フッ素、塩素または臭素を表し、
が特別に好ましくは、塩素または臭素を表し、
pが好ましくは、1、2または3を表し、
pが特に好ましくは、1または2を表し、
pが非常に好ましくは、1を表し、
Zが好ましくは、N、CH、CF、CCl、CBrまたはCIを表し、
Zが特に好ましくは、N、CH、CF、CClまたはCBrを表し、
Zが非常に好ましくは、N、CClまたはCHを表し、
が好ましくは、直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−を表すか、直接結合を表し、
が特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはイソブチルまたは直接結合を表し
が非常に好ましくは、メチルまたはエチルまたは直接結合を表し、
が好ましくは、直鎖または分岐−(C−C−アルキレン)−を表すか、直接結合を表し、
が特に好ましくは、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはイソブチルまたは直接結合を表し、
が非常に好ましくは、エチルまたは直接結合を表し、
10が好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、C−C−ハロアルコキシを表すか、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロ芳香族環を表し、当該フェニルまたは当該環はC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO、OH、C−C−アルコキシおよびC−C−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる置換基によってモノ置換または多置換されていても良く、
AがR−O−R−または−R−C(=O)−Rを表し、Qがフェニルを表す場合、R10は水素を表さず、
10が特に好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−ハロアルコキシを表すか、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロ芳香族環を表し、フェニルまたは当該環はC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−ハロシクロアルキル、ハロゲン、シアノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシからなる群からの同一もしくは異なる置換基によってモノ置換または多置換されていても良く、
AがR−O−R−または−R−C(=O)−Rを表し、Qがフェニルを表す場合は、R10は水素を表さず、
10が非常に好ましくは、メチル、エチル、シクロプロピル、tert−ブチル、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、n−ヘプタフルオロプロピル、イソヘプタフルオロプロピルを表すか、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロ芳香族環を表し、当該置換基は互いに独立にメチル、エチル、シクロプロピル、tert−ブチル、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、n−ヘプタフルオロプロピルおよびイソヘプタフルオロプロピルからなる群から選択されることができ、
Qが好ましくは、R10によってモノ置換または多置換されているフェニルを表すか、5員もしくは6員の部分飽和または飽和複素環またはヘテロ芳香族環または芳香族8員、9員もしくは10員の縮合ヘテロ二環式環系を表し、当該ヘテロ原子はN、S、Oからなる群から選択されても良く、当該環または当該環系は同一もしくは異なるR10によってモノ置換もしくは多置換されていても良く、
Qが特に好ましくは、R10によってモノ置換または多置換されているフェニルを表すか、R10によってモノ置換もしくは多置換されていても良いQ−1からQ−53およびQ−58からQ−59、Q62からQ63からなる群からの5員もしくは6員のヘテロ芳香族環、芳香族9員の縮合ヘテロ二環式環系Q−54からQ−56を表すか、5員の複素環Q−60からQ−61を表し、
Qが非常に好ましくは、R10によってモノ置換または多置換されているフェニルを表すか、Q−6、Q41、Q42、Q58、Q59、Q62およびQ63からなる群からのヘテロ芳香族環を表し、その環はR10によってモノ置換または多置換されている式(I)の化合物である。
【0015】
【化6】
上記で挙げた環または環系は互いに独立に、オキソ、チオキソ、(=O)=NH、(=O)=N−CN、(=O)によってさらに置換されていても良い。言及できる例としては、テトラヒドロチオフェンジオキシド、イミダゾリドンがある。
【0016】
この場合、環炭素原子での置換基としてのオキソ基は、例えば複素環におけるカルボニル基を意味する。これはやはり好ましくは、ラクトン類およびラクタム類を含む。オキソ基はまた、例えば窒素および硫黄の場合のように各種酸化レベルで存在し得るヘテロ環原子に存在しても良く、その場合に、それらは、例えば複素環において二価の基−N(O)−、−S(O)−(SOとも略される)および−S(O)−(SOとも略される)を形成する。−N(O)−および−S(O)−基の場合、各場合で、両方のエナンチオマーが含まれる。
【0017】
複素環において、オキソ基以外の置換基は、ヘテロ原子、例えば骨格の窒素原子における水素原子が工程において置き換わる場合には窒素原子に結合していることもできる。窒素原子および例えば硫黄原子のような他のヘテロ原子の場合、さらなる置換があって、4級アンモニウム化合物またはスルホニウム化合物が形成されていても良い。
【0018】
上記で言及した一般的な基の定義および説明または好ましい範囲で言及されているものは、互いに任意に組み合わせることができる。換言すれば、個々の範囲と好ましい範囲との間の組み合わせなどがある。それらは、最終生成物およびそれに応じて前駆体および中間体にも当てはまる。
【0019】
本発明に従って好ましいものには、好ましい(好ましくは)ものとして上記で挙げられた意味の組み合わせを含む式(I)の化合物がある。
【0020】
本発明に従って特に好ましいものには、特に好ましいものとして上記で挙げられた意味の組み合わせを含む式(I)の化合物がある。
【0021】
本発明に従って非常に好ましいものには、非常に好ましいものとして上記で挙げられた意味の組み合わせを含む式(I)の化合物がある。
【0022】
式(I)の化合物は、詳細には、異なる位置異性体の形態で、例えば定義Q62もしくはQ63を有する化合物の混合物の形態で、またはQ58および59の混合物の形態で存在しても良い。従って本発明は、Qが意味Q62およびQ63、さらにはQ58およびQ59を有する式(I)の化合物の混合物も含み、その化合物は各種混合比で存在することができる。この文脈で好ましいのは、基QがQ62またはQ58である式(I)の化合物の基QがQ63またはQ59である式(I)の化合物に対する混合比が、60:40から99:1、特に好ましくは70:30から97:3、非常に好ましくは80:20から95:5であることである。特別に好ましいのは、Qが定義Q62またはQ58を有する式(I)の化合物のQが定義Q63またはQ59を有する式(I)の化合物に対する混合比が80:20;81:19;82:18;83:17;84:16;85:15、86:14;87:13;88:12;89:11;90:10、91:9;92:8;93:7;96:6;95;5であることである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
下記式(I)のアントラニルアミド:
【0024】
【化7】
(A、R、R、R、R、R、R、Qおよびnは上記の意味を有する。)は、
(A)下記式(II)のアニリン:
【0025】
【化8】
(R、R、R、R、Rおよびnは上記の意味を有する。)を、例えば下記式(III)のカルボン酸:
【0026】
【化9】
(Q、AおよびRは上記の意味を有する。)と、縮合剤の存在下に反応させるか、
(B)式(II)のアニリン:
【0027】
【化10】
(R、R、R、R、Rおよびnは上記の意味を有する。)を、例えば、下記式(IIIA)のカルボニルクロライド:
【0028】
【化11】
(Q、AおよびRは上記の意味を有する。)と、酸結合剤の存在下に反応させるか、
(C)Rが水素を表す式(I)のアントラニルイミドの合成の場合には、例えば下記式(IIIB)のベンゾオキサジノン:
【0029】
【化12】
(R、R、R、A、Qおよびnは上記の意味を有する。)を、下記式(IIIC)のアミン:
【0030】
【化13】
(Rは上記の意味を有する。)と希釈剤存在下に反応させて、本発明による式(I)の化合物を得る場合に得られる。
【0031】
製造方法および中間体の説明
式(III−1)のカルボン酸
式(III−1)のカルボン酸は新規である。それらは、下記の反応図式(Xはメシチル基またはハロゲンを表し、Rは水素またはアルキルを表し、Bはメチレン基または直接結合を表す。)によって製造することができる。このために用いられるスルホンアミドは、公知の方法によって製造した(例えばWO 2006/097292)。式Vの化合物の式III−1の化合物への変換は、公知の方法によって行うことができる(例えばWO 2007/144100)。
【0032】
【化14】
式(III−2)および(III−3)のカルボン酸
式III−2およびIII−3のカルボン酸は新規である。それらは、式VIの化合物から下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。式VIの化合物は公知である(例えばWO 2003016283)。VIのVIIへの変換は、例えばヨウ化銅(I)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下に好適な置換されたアルキンを用いる公知の方法によって行うことができる(例えばHeterocycles, 78(1), 71−91;2009)。アルキン誘導体VIIのジケトンVIIIへのさらなる変換は、例えば、過マンガン酸カリウムなどの好適な酸化剤を用いて行う(J. Med. Chem. 48(7), 2270−2273;2005参照)。III−2およびIII−3の加水分解は、公知の方法を用いて行う(例えばWO 2006004903)。
【0033】
【化15】
式III−4のカルボン酸
式III−4のカルボン酸は新規である。それらは、式VIの化合物から下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。式VIの化合物は公知である(例えばWO 2003016283)。VIのVII−aへの変換は、例えばパラジウム触媒反応により(1−エトキシビニル)トリブチルスタンナンを用いて公知の方法によって行うことができる(例えばJ. Med. Chem. 41, 1998, 3736)。VIII−aへのさらなる変換は、好適なハロゲン化剤を用いて行う(例えばBioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 19(4), 1199−1205;2009)。QとのカップリングによるIXの取得およびIII−4への加水分解は公知の方法によって行う(例えばBioorganic & Medicinal Chemistry, 17(6), 2410−2422;2009およびWO2006004903)。
【0034】
【化16】
式III−5のカルボン酸
式III−5のカルボン酸は新規である。それらは、式VIの化合物から、下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。式VIの化合物は公知である(例えばWO 2003016283)。VIのVII−bへの変換は、例えば銅触媒反応により好適なジアミン配位子を用いる公知の方法によって行うことができる(例えばJ. Org. Chem. 69, 2004, 5578−5587)。III−5への加水分解は、公知の方法によって行う(例えばWO 2006004903)。
【0035】
【化17】
式III−6のカルボン酸
式III−6のカルボン酸は新規である。それらは、式VI−cの化合物から下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。式VI−cの化合物は公知である(例えばWO 2004078732)。VI−cのVII−cへの変換は、例えば好適なスズ試薬を用い、ホスフィン配位子およびパラジウム触媒存在下に公知の方法によって行うことができる(例えばTetrahedron Lett. 45, 2004, 3797−3801)。VIII−cへの酸化は、例えば二酸化マンガンなどの好適な酸化剤を用いて行う(例えばWO 9800385)。III−6への加水分解は、公知の方法を用いて行う(例えばWO 2006004903)。
【0036】
【化18】
式III−7のカルボン酸
式III−7のカルボン酸は新規である。それらは、式VI−dの化合物から下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。式VI−dの化合物は公知である(例えばWO 2003016283)。VI−dのVII−dへの変換およびVIII−dへの環化は、公知の方法によって行うことができる(例えばWO 2004078732およびWO 2010020522)。III−7への加水分解は、公知の方法によって行う(WO 2006004903)。
【0037】
【化19】
式(III−8)のカルボン酸
式(III−8)のカルボン酸は新規である。それらは式VI−eの化合物から下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表し、RはC−Cアルキルを表す。)によって製造することができる。
【0038】
【化20】
式III−9のカルボン酸
式(III−9)のカルボン酸は新規である。それらは、式(X)の化合物から下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。式(X)の化合物は公知である(例えばWO 2006/000336)。
【0039】
【化21】
式III−10のカルボン酸
式(III−10)のカルボン酸は新規である。それらは、市販の式(XV)の3−ニトロピラゾールから下記の反応図式(RおよびQは上記の意味を有し、RはC−C−アルキルを表す。)によって製造することができる。
【0040】
【化22】
式(III−11)のカルボン酸
式(III−11)のカルボン酸は新規である。それらは、下記の反応図式に従って式(I)の化合物から製造することができる。ここで、RはC−C−アルキルを表す。式(XXI)の化合物は公知である(例えばWO 2003/016283、WO 2006/102025)。(XXI)の(XXII)との反応による(XXIII)の取得は、公知の方法によって行うことができる(例えばWO 2006/117370)。式(XXII)の化合物は市販されているか、公知の方法によって製造することができる(例えばWO 2005/068460)。式(XXIII)の化合物を介したさらなる反応による式(III−11)の化合物の取得は、公知の方法によって行うことができる(例えば、WO2005/009344)。
【0041】
【化23】
良好な植物耐性および温血動物に対する良好な毒性および環境による良好な耐用性を併せ持つ本発明による活性化合物は、植物および植物器官を保護し、収穫量を増加させ、収穫物の品質を向上させ、有害動物、特に農業、園芸、畜産、森林、庭園およびレジャー施設、貯蔵製品および材料の保護、そして衛生部門で遭遇する昆虫、クモ類、蠕虫および軟体動物を防除するのに好適である。それらは好ましくは、作物保護組成物として用いることができる。それらは、通常のように感受性かつ抵抗性の動物種に対して、さらには全てもしくは一部の発達段階に対して活性である。上記の病害生物には、下記のものがある。
【0042】
シラミ(Phthiraptera)目から、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ヘマトピナス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペディクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0043】
クモ(Arachnida)網から、例えば、アカルス属種(Acarus spp.)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボーフィラス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエティオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニカス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラタス(Polyphagotarsonemus latus)、ソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファラス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニカス属種(Tetranychus spp.)、ヴァサテス・リコペルシキ(Vasates lycopersici)。
【0044】
ニマイガイ(Bivalva)綱からは、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
【0045】
ムカデ(Chilopoda)目から、例えば、ゲオフィラス属種(Geophilus spp.)、スクティゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0046】
鞘翅(Coleoptera)目から、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレタス属種(Adoretus spp.)、アゲラスティカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アムフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アンソノマス属種(Anthonomus spp.)、アンスレナス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲナス属種(Attagenus spp.)、ブルキディウス・オブテクタス(Bruchidius obtectus)、ブルーカス属種(Bruchus spp.)、セウトリンカス属種(Ceutorrhynchus spp.)、クレオヌス・メンディクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ジーランディカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンカス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスティヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニカス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バユルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスティカ(Hypera postica)、ハイポセネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサンギニア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアータ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネアス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサンソグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、フェドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチナス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ヴェントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィラス属種(Sitophilus spp.)、スフェノフォラス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリター(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキアス属種(Tychius spp.)、キシロトレカス属種(Xylotrechus spp.)、ザブラス属種(Zabrus spp)。
【0047】
トビムシ(Collembola)目から、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
【0048】
革翅目(Dermaptera)から、例えばフォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0049】
ヤスデ(Diplopoda)目から、例えば、ブラニウラス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
【0050】
ハエ(Diptera)目から、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラティティス・キャピタータ(Ceratitis capitata)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミア属種(Cochliomyia spp.)、コルディロビア・アンスロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレックス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダカス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒルエミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォールファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)。
【0051】
腹足(Gastropoda)綱から、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオンファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
【0052】
蠕虫綱(helminth)から、例えば、アンシロストーマ・デュオデナーレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストーマ・ケイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アンシロストーマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストーマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・カライイ(Brugia malayi)、ブルギア・ティモリ(Brugia timori)、ブノストマム属種(Bunostomum spp.)、カベルティア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、クーペリア属種(Cooperia spp.)、ディクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp.)、ジクチオルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロビスリウム・レイタム(Diphyllobothrium latum)、ドラカンキュラス・メディネンシス(Dracunculus medinensis)、エチノコッカス・グラニュロサス(Echinococcus granulosus)、エチノコッカス・マルチロキュラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファキオラ属種(Faciola spp.)、ヘモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレプシス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒョストロングス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトディルス属種(Nematodirus spp.)、エソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピスソルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボブバルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニウムス属種(Paragonimus spp.)、スキスオソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナータ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナティバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトーヴィ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソーニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・シュードプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリキュリス・トリキュリア(Trichuris trichuria)、バンクロフト糸条虫(Wuchereria bancrofti)。
【0053】
アイメリア(Eimeria)のような原虫を防除することも可能である。
【0054】
カメムシ(Heteroptera)目から、例えば、アナサ・トリスティス(Anasa tristis)、アンテスティオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリッサス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、キャンピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、キャベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメックス属種(Cimex spp.)、クレオンティアデス・ディルタス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ディケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ディコノコリス・ヘウエッティ(Diconocoris hewetti)、ディスデルカス属種(Dysdercus spp.)、ユースキスツス属種(Euschistus spp.)、ユーリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルティス属種(Heliopeltis spp.)、ホルキアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロサス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、ライガス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスキャバタス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエズマ・クアドラータ(Piesma quadrata)、ピエゾドラス属種(Piezodorus spp.)、サルス・セリアツス(Psallus seriatus)、シューダシスタ・ぺルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シンギュラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノフォラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ティブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0055】
同翅(Homoptera)目から、例えば、アキルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノスケナ属種(Agonoscena spp.)、アレウローデス属種(Aleurodes spp.)、アウレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロスリンクス属種(Aleurothrixus spp.)アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルドゥイ(Anuraphis cardui)、アオニディエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスティグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリディア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピディエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピディオトゥス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルサム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウデゥス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリギポナ・マルギナータ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギーダ(Carneocephala fulgida)、ケラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、ケルコピダエ(Cercopidae)、ケロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエフォリ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピシス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランディコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカルデュリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、ココミティルス・ハリ(Coccomytilus halli)、コクス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ディアロイローデス属種(Dialeurodes spp.)、ディアフォリーナ属種(Diaphorina spp.)、ディアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ディサフィス属種(Dysaphis spp.)、ディスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリスロニューラ属種(Erythroneura spp.)、ユーセリス・ビロバタス(Euscelis bilobatus)、ゲオコッカス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロディスカ・コアグラータ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンディニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イディオケルス属種(Idiocerus spp.)、イディオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルヴァ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ディロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテティクス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバータ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオーザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペンフィガス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)、フェナコッカス属種(Phenacoccus spp.)、プロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フミリ(Phorodon humuli)、フィロクセラ属種(Phylloxera spp.)、ピナスピス・アスピディストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコッカス属種(Planococcus spp.)、プロトパルビナリア・ピリフォルミス(Protopulvinaria pyriformis)、シュードオーラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、シュードコッカス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピディオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、ケサーダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコッカス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシファム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセティア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・ティタヌス(Scaphoides titanus)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、セレナスピヅス・アルティキュラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガータ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フリシフェラ(Sogatella furcifera)、スガトーデス属種(Sogatodes spp.)、スティクトセファラ・フェスティナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マレイエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアロイロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオーザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ユナプシス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビティフォリ(Viteus vitifolii)。
【0056】
ハチ(Hymenoptera)目から、例えば、ディプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロキャンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニイス(Monomorium pharaonis)およびベスパ属種(Vespa spp.)。
【0057】
等脚(Isopoda)目から、例えば、アルマジリジウム・バルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスカス・アセルス(Oniscus asellus)およびポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0058】
シロアリ(Isoptera)目から、例えば、レティキュリテルメス属種(Reticulitermes spp.)およびオドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
【0059】
チョウ(Lepidoptera)目から、例えば、アクロニクタ・メジャー(Acronicta major)、アエディア・リューコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンティカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラスラ・ブラッシカエ(Barathra brassicae)、ブキュラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レティクラーナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマータ(Cheimatobia brumata)、チロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロケルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエフニエラ(Ephestia kuehniella)、ユープロクティス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、ユークソア属種(Euxoa spp.)、フェルティア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオシス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・シュードスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リソコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファン・アンテナータ(Lithophane antennata)、ロクサグロティス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ニューストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、モキス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラータ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリゼア(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、シュードアレティア属種(Pseudaletia spp.)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、ティネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0060】
バッタ(Orthoptera)目から、例えば、アケタ・ドメスティカス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロカスタ属種(Locusta spp.)、メラノプラス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、スキストケルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0061】
ノミ(Siphonaptera)目から、例えば、セラトフィラス属種(Ceratophyllus spp.)およびゼノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0062】
コムカデ(Symphyla)目から、例えば、スクティゲレラ・インマクラタ(Scutigerella immaculata)。
【0063】
アザミウマ(Thysanoptera)目から、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエッラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオスリップス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノスリップス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコスリップス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロスリップス・クルエンタッツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、スキルトスリップス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオスリップス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)およびスリップス属種(Thrips spp.)。
【0064】
シミ(Thysanura)目から、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0065】
植物性寄生性線虫として、例えば、アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンカス属種(Bursaphelenchus spp.)、ディチレンカス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドラス属種(Longidorus spp.)、メロイドジン属種(Meloidogyne spp.)、プラティレンカス属種(Pratylenchus spp.)、ラドフォラス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンキュス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドラス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンキュス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンキュラス属種(Tylenchulus spp.)、チレンキュラス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キフィネマ属種(Xiphinema spp.)が挙げられる。
【0066】
式(I)の化合物の有効性は、アンモニウム塩およびホスホニウム塩を加えることで高めることができる。そのアンモニウム塩およびホスホニウム塩は、式(XXIV)によって定義される。
【0067】
【化24】
式中、
Dは、窒素またはリンを表し、
Dは好ましくは、窒素を表し、
11、R12、R13およびR14は互いに独立に、水素または各場合で置換されていても良いC−C−アルキルまたはモノもしくは多不飽和で置換されていても良いC−C−アルキレンを表し、その置換基はハロゲン、ニトロおよびシアノからなる群から選択されることができ、
11、R12、R13およびR14は好ましくは互いに独立に、水素または各場合で置換されていても良いC−C−アルキルを表し、その置換基はハロゲン、ニトロおよびシアノからなる群から選択されることができ、
11、R12、R13およびR14は特に好ましくは互いに独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルを表し、
11、R12、R13およびR14は非常に好ましくは水素を表し、
mは、1、2、3または4を表し、
mは好ましくは、1または2を表し、
15は、無機または有機アニオンを表し、
15は好ましくは、重炭酸イオン、酒石酸イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、塩化物イオン、モノ水素リン酸イオン、ジ水素リン酸イオン、水素硫酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、チオ硫酸イオン、チオシアン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、ペンタン酸イオン、クエン酸イオンまたはシュウ酸イオンを表し、
15は特に好ましくは、乳酸イオン、硫酸イオン、モノ水素リン酸イオン、ジ水素リン酸イオン、硝酸イオン、チオ硫酸イオン、チオシアン酸イオン、クエン酸イオン、シュウ酸イオンまたはギ酸イオンを表し、
15は非常に好ましくは、硫酸イオンを表す。
【0068】
式(XXIV)のアンモニウム塩およびホスホニウム塩は、広い濃度範囲で用いて、式(I)の化合物を含む作物保護組成物の効果を高めることができる。概して、アンモニウム塩またはホスホニウム塩を、0.5から80mmol/L、好ましくは0.75から37.5mmol/L、特に好ましくは1.5から25mmol/Lの濃度で即時使用作物保護組成物中で用いる。製剤品の場合、製剤中のアンモニウム塩および/またはホスホニウム塩の濃度は、それが所望の活性化合物濃度まで製剤を希釈した後にこれら言及の一般的、好ましいまたは特に好ましい範囲内となるように選択される。この場合の製剤中の塩の濃度は通常、1から50重量%である。
【0069】
本発明のある好ましい実施形態では、それはアンモニウム塩および/またはホスホニウム塩ではなく、作物保護組成物に加えて活性を高める浸透剤である。従って本発明は、浸透剤の使用も提供し、活性化合物として式(I)の殺ダニ活性/殺虫活性化合物を含む作物保護組成物の活性を高めるための浸透剤およびアンモニウム塩および/またはホスホニウム塩の組み合わせの使用も提供する。最後に、本発明は、有害昆虫の防除におけるこれら組成物の使用も提供する。
【0070】
本発明の文脈で好適な浸透剤は、農芸化学活性化合物の植物への浸透を高めるのに通常使用される全ての物質である。浸透剤は、本発明の文脈において、水系噴霧液および/または噴霧コーティングから植物のクチクラに浸透して、クチクラにおける活性化合物の移動性を高める能力によって定義される。文献(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131−152)に記載の方法を、この特性の決定に用いることができる。
【0071】
好適な浸透剤は、例えばアルカノールアルコキシレートである。本発明による浸透剤は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0072】
R−O−(−AO)v−R′(XXV)
式中、
Rは、4から20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキルを表し、
R′は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルを表し、
AOは、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基を表すか、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド基またはブチレンオキサイド基の混合物を表し、
vは、2から30の数字を表す。
【0073】
浸透剤の好ましい群は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0074】
R−O−(−EO−)n−R′(XXV−a)
式中、
Rは上記で示した意味を有し、
R′は上記で示した意味を有し、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
nは、2から20の数字を表す。
【0075】
浸透剤の別の好ましい群は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0076】
R−O−(−EO−)p−(−PO−)q−R′ (XXV−b)
式中、
Rは上記で示した意味を有し,
R′は上記で示した意味を有し、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
POは、
【0077】
【化25】
を表し、
pは、1から10の数字を表し、
qは、1から10の数字を表す。
【0078】
浸透剤のさらなる好ましい群は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0079】
R−O−(−PO−)r−(EO−)s−R′ (XXV−c)
式中、
Rは上記で示した意味を有し、
R′は上記で示した意味を有し、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
POは、
【0080】
【化26】
を表し、
rは、1から10の数字を表し、
sは、1から10の数字を表す。
【0081】
浸透剤のさらなる好ましい群は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0082】
R−O−(−EO−)p−(−BO−)q−R′ (XXV−d)
式中、
RおよびR′は上記の意味を有し、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
BOは、
【0083】
【化27】
を表し、
pは、1から10の数字を表し、
qは、1から10の数字を表す。
【0084】
浸透剤のさらなる好ましい群は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0085】
R−O−(−BO−)r−(−EO−)s−R′ (XXV−e)
式中、
RおよびR′は上記の意味を有し、
BOは、
【0086】
【化28】
を表し、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
rは、1から10の数字を表し、
sは、1から10の数字を表す。
【0087】
浸透剤のさらなる好ましい群は、下記式のアルカノールアルコキシレートである。
【0088】
CH3−(CH2)t−CH2−O−(−CH2−CH2−O−)u−R′ (XXV−f)
式中、
R′は上記で示した意味を有し、
tは、8から13の数字を表し、
yは、6から17の数字を表す。
【0089】
上記の式において、
Rは好ましくは、ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、n−ドデシル、イソドデシル、ラウリル、ミリスチル、イソトリデシル、トリメチルノニル、パルミチル、ステアリルまたはエイコシルを表す。
【0090】
式(XXV−c)のアルカノールアルコキシレートの1例として、下記式の2−エチルヘキシルアルコキシレートを挙げることができる。
【0091】
【化29】
式中、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
POは、
【0092】
【化30】
を表し、
数字の8および6は平均値を表す。
【0093】
式(XII−d)のアルカノールアルコキシレートの1例として、下記式を挙げることができる。
【0094】
CH3−(CH2)10−O−(−EO−)6−(−BO−)2−CH3 (XXV−d−1)
式中、
EOは、−CH2−CH2−O−を表し、
BOは、
【0095】
【化31】
を表し、
数字の10、6および2は平均値を表す。
【0096】
特に好ましい式(XXV−f)のアルカノールアルコキシレートは、
tが9から12の数字を表し、
uが7から9の数字を表すこの式の化合物である。
【0097】
非常に好ましいものとしては、式(XXV−f−1)のアルカノールアルコキシレートを挙げることができる。
【0098】
CH3−(CH2)t−CH2−O−(−CH2−CH2−O−)u−R′ (XXV−f−1)
式中、
tは、平均値10.5を表し、
uは、平均値8.4を表す。
【0099】
上記の式は、アルカノールアルコキシレートの一般的定義を提供する。これらの物質は、異なる鎖長を有する上記の種類の物質の混合物である。従って、指数は、整数から逸脱しても良い平均値である。
【0100】
言及された式のアルカノールアルコキシレートは公知であり、そのうちの一部は市販されているか、公知の方法によって製造することができる(WO 98/35553、WO 00/35278およびEP−A 0681865を参照する。)。
【0101】
好適な浸透剤は、例えば噴霧コーティング中での式(I)の化合物の溶解度を高める物質も含む。これらには、例えば鉱油および植物油などがある。好適な油は、農芸化学組成物で通常用いることができる全ての鉱油または植物油(変性油その他の処理をした油)である。例として言及できるものは、ヒマワリ油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、セイヨウアブラナ油、トウモロコシ種子油、綿実油および大豆油または前記油のエステル類である。好ましいものは、菜種油、ヒマワリ油またはそれらのメチルもしくはエチルエステルである。
【0102】
浸透剤の濃度は、広範囲内で変動し得る。製剤された作物保護組成物の場合、それは1から95重量%、好ましくは1から55重量%、特に好ましくは15から40重量%である。即時使用組成物(噴霧液)では、その濃度は0.1から10g/L、好ましくは0.5から5g/Lである。
【0103】
活性化合物、塩および浸透剤の本発明において強調される組み合わせを下記の表に挙げてある。ここで、「試験による」は、クチクル浸透試験(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131−152)で浸透剤として作用するいずれの化合物も好適であることを意味する。
【0104】
【表1】
適切であれば、本発明による化合物は、ある一定の濃度または施用量で、除草剤、薬害軽減剤、成長調節剤または植物の性質を改善する薬剤として、または殺微生物剤として、例えば殺菌剤、抗真菌薬、殺細菌剤、殺ウィルス剤(ウィロイドに対する薬剤を含む)として、またはMLO(マイコプラズマ様微生物)およびRLO(リケッチア様微生物)に対する薬剤として用いることもできる。適切な場合、それらは、他の活性化合物の合成における中間体および前駆体として用いることもできる。
【0105】
その活性化合物は、液剤、乳濁液、水和剤、水系および油系懸濁液、粉剤、ダスト剤、ペースト、可溶性粉末、可溶性粒剤、散布用粒剤、懸濁乳濁濃縮液、活性化合物を含浸させた天然化合物、活性化合物を含浸させた合成物質、肥料およびポリマー基材中のマイクロカプセルなどの一般的な製剤に変換することができる。
【0106】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば、適宜に界面活性剤、すなわち乳化剤および/または分散剤および/または発泡剤を用いて、活性化合物と増量剤、即ち、液体溶媒および/または固体担体とを混和することで製造される。その製剤は、好適なプラントその他で、施用の前または施用時に調製される。
【0107】
補助剤としての使用に好適なものは、組成物自体および/またはそれに由来する製剤(例えば噴霧液、種子粉衣)に対して、ある種の技術的特性および/または特定の生理特性などの特定の特性を与える上で好適な物質であることができる。代表的な補助剤には、増量剤、溶媒および担体などがある。
【0108】
好適な増量剤は、例えば、水、極性および非極性の液体有機化学物質、例えば芳香族および非芳香族系の炭化水素基(パラフィン類、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、クロロベンゼン類など)、アルコール類および多価アルコール類(適切な場合は、置換、エーテル化および/またはエステル化されていても良い)、ケトン類(アセトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(脂肪およびオイルなど)および(ポリ)エーテル類、置換されていないおよび置換されたアミン類、アミド類、ラクタム類(N−アルキルピロリドン類など)およびラクトン類、スルホン類およびスルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)の群からのものである。
【0109】
使用される増量剤が水である場合、例えば、補助溶媒として有機溶媒を用いることも可能である。実質的に、好適な液体溶媒は、キシレン、トルエンまたはアルキルナフタレン類などの芳香族、クロロベンゼン類、クロロエチレン類または塩化メチレンなどの塩素化芳香族および塩素化脂肪族炭化水素基、シクロヘキサンまたはパラフィン類などの脂肪族炭化水素基、例えば石油留分、鉱油および植物油、ブタノールもしくはグリコールなどのアルコール類およびそれらのエーテル類およびエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類、ジメチルスルホキシドなどの強極性溶媒および水である。
【0110】
好適な固体担体は、
例えば、アンモニウム塩およびカオリン類、粘土類、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイトまたは珪藻土などの天然岩粉および微粉砕シリカ、アルミナおよびシリケート類などの合成岩粉であり;粒剤用の有用な固体担体には、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石およびドロマイトなどの破砕および分別された天然岩石ならびに無機および有機ミールの合成顆粒および紙、おがくず、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎などの有機材料の顆粒などがあり;有用な乳化剤および/または発泡剤には、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、硫酸アルキル類、アリールスルホネート類およびタンパク質加水分解物などのノニオン系およびアニオン系乳化剤などがあり;好適な分散剤は、ノニオン系および/またはイオン性物質、例えばアルコール−POE−および/または−POP−エーテル類、酸および/またはPOP−POEエステル類、アルキルアリールおよび/またはPOP−POEエーテル類、脂肪−および/またはPOP−POE付加物、POE−および/またはPOP−多価アルコール誘導体、POE−および/またはPOP−ソルビタン−または−糖付加物、硫酸アルキルもしくはアリール類、アルキル−またはアリールスルホネート類およびリン酸アルキルもしくはアリール類または相当するPO−エーテル付加物の群からのものである。さらに好適なものは、オリゴマーまたはポリマー、例えばビニル系モノマーから、アクリル酸から、EOおよび/またはPOから誘導されたもの単独または例えば(ポリ)アルコール類もしくは(ポリ)アミン類と組み合わせたものである。リグニンおよびそれのスルホン酸誘導体、未変性および変性セルロース、芳香族および/または脂肪族スルホン酸類、さらにはホルムアルデヒドとの付加物を用いることも可能である。
【0111】
カルボキシメチルセルロース、ならびに粉末、顆粒またはアラビアガム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセテートなどのラテックスの形態での天然および合成ポリマー類、またはケファリン類およびレシチン類などの天然リン脂質および合成リン脂質などの粘着付与剤を製剤で用いることができる。
【0112】
無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルーなどの着色剤およびアリザリン着色剤、アゾ着色剤および金属フタロシアニン着色剤などの有機着色剤および鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの微量栄養素を用いることが可能である。
【0113】
他の可能な添加剤は、芳香剤、無機物または野菜、変性されていても良いオイル類、ロウ類および鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの栄養素(微量栄養素など)である。
【0114】
低温安定剤などの安定剤、保存剤、酸化防止剤、光安定剤または化学的および/または物理的安定性を改善する他の薬剤が存在しても良い。
【0115】
製剤は、0.01から98重量%の活性化合物、好ましくは0.5から90%を含む。
【0116】
本発明による活性化合物は、それの市販の製剤または殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質、除草剤、薬害軽減剤、肥料または情報物質などの他の活性化合物との混合物として、それらの製剤から調製される使用形態で存在することができる。
【0117】
除草剤、肥料、成長調節剤、薬害軽減剤、情報物質、または植物の性質を改善するための薬剤などの他の公知の活性化合物との混合物も可能である。
【0118】
殺虫剤として用いる場合、本発明の活性化合物は、それの市販製剤で、そしてその製剤から調製される使用形態で、共力剤との混合物として存在させることもできる。共力剤は、その共力剤自体が活性である必要はなく、活性化合物の作用を高める化合物である。
【0119】
殺虫剤として使用する場合、本発明による活性化合物はさらに、それの市販製剤で、そしてその製剤から調製される使用形態で、植物の環境、植物部分の表面上または植物組織での使用後に活性化合物の分解を防止する阻害剤との混合物として存在させることができる。
【0120】
市販製剤から調製される使用形態の活性化合物含有量は、広い範囲で変動し得るものである。施用形態の活性化合物濃度は、0.00000001から95重量%の活性化合物、好ましくは0.00001から1重量%であることができる。
【0121】
当該化合物は、その使用形態に適した一般的な方法で用いる。
【0122】
本発明に従って、全ての植物および植物部分を処理することができる。植物はこの場合、望ましいおよび望ましくない野生植物または作物(天然作物を含む。)のような全ての植物および植物集団を意味するものと理解される。作物は、従来の品種改良および至適化法によって、またはバイオテクノロジーおよび遺伝子工学法によって、またはこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物であることができ、遺伝子導入植物を含み、品種の権利によって保護され得るおよび保護され得ない植物品種を含む。植物部分は、芽、葉、花および根のような植物の全ての地上および地下部分および器官を意味するものと理解すべきであり、例として、葉、針葉、茎、幹、花、子実体、果実および種子、そして根、塊茎および地下茎などがある。また、植物部分には、収穫物ならびに栄養増殖物および生殖増殖物、例えば、苗木、塊茎、地下茎、挿し木および種子などもある。
【0123】
植物および植物部分の活性化合物を用いる本発明による処理は、直接行うか、通例の処理方法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、霧化、散布、塗布、注入によって、増殖物の場合、特に種子の場合は、1以上のコーティングを塗布することによって、周辺、環境または保存場所に当該化合物を作用させることによって行う。
【0124】
すでに上述したように、本発明に従って、全ての植物および植物部分を処理することが可能である。好ましい実施形態では、野生植物種および植物栽培品種、または異種交配もしくはプロトプラスト融合のような従来の生物育種によって得られたもの、ならびにこれらの部分を処理する。さらに好ましい実施形態では、遺伝子工学、適切な場合は、従来の方法と組み合わせて得られた遺伝子導入植物および植物品種(遺伝的改変生物)、ならびにこれらの部分を処理する。「部分」、「植物の部分」および「植物部分」という用語については、すでに上記で説明している。
【0125】
より好ましくは、それぞれ市販されているか使用されている植物品種の植物を、本発明に従って処理する。植物品種とは、従来の品種改良、突然変異誘発または組換えDNA技術によって得られた、新規な特徴(「形質」)を有する植物を意味するものと理解すべきである。これらは、栽培品種、生物型または遺伝子型であることができる。
【0126】
植物種または植物品種ならびにそれらの場所および成長条件(土壌、天候、生育期間、栄養)によっては、本発明の処理は、超加算的(「相乗」)効果をもたらすこともある。例えば、可能性としては、施用量の低減および/または活性スペクトルの拡大および/または本発明に従って使用することができる物質および組成物の活性の向上、植物成長の改善、高温もしくは低温に対する耐性の向上、干魃または水もしくは土壌の塩分のレベルに対する耐性向上、開花能の向上、収穫の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、収穫物の品質向上および/または栄養価の上昇、収穫物の貯蔵期間延長および/または加工性の向上などがあり、それは通常予想される効果を超えるものである。
【0127】
本発明に従って好ましく処理されるべき遺伝子導入植物または植物品種(遺伝子工学によって得られるもの)には、遺伝子組み換えによって、これらの植物に特に有利で有用な特性(形質)を付与する遺伝物質が与えられた全ての植物などがある。このような特性の例には、植物成長の改善、高温または低温に対する耐性向上、干魃または水もしくは土壌の塩分のレベルに対する耐性の向上、開花能の向上、収穫の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、収穫物の品質の向上および/または栄養価の上昇、収穫物の貯蔵期間の延長および/または加工性の向上がある。このような特性のさらなる、特に強調される例は、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌および/またはウイルスのような有害動物および有害微生物に対する植物の防御力の向上、ならびにある種の除草活性化合物に対する植物の耐性向上である。言及可能な遺伝子導入植物の例としては、穀物(小麦、米)、トウモロコシ、大豆、ジャガイモ、甜菜、トマト、エンドウ豆および他の種類の植物、綿、タバコ、菜種のような重要作物、および果物植物(果実であるリンゴ、ナシ、かんきつ類およびブドウ)などがあり、特に強調されるべきものはトウモロコシ、大豆、ジャガイモ、綿、タバコおよび菜種である。特に強調される形質は、植物中で形成される毒素、特に、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の遺伝物質によって(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3BbおよびCryIF、ならびにこれらの組み合わせによって)植物中で形成される毒素による、昆虫、クモ類、線虫およびナメクジおよびカタツムリに対する植物の防御力の上昇である(以下、「Bt植物」と称する)。また、特に重視される形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類および耐性遺伝子、および対応して発現したタンパク質および毒素による真菌、細菌およびウイルスに対する植物の防御力の向上である。さらに特に重視される形質は、ある種の活性除草性化合物、例えば、イミダゾリノン類、スルホニル尿素類、グリホサートまたはホスフィノトリシンに対する植物の耐性の増大である(例えば、「PAT」遺伝子)。所望の対象形質を付与する遺伝子は、遺伝子導入植物中で相互に組み合わせて存在させることも可能である。「Bt植物」の例としては、YIELD GARD(登録商標)(例えばトウモロコシ、綿、大豆)、KnockOut(登録商標)(例えばトウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えばトウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(綿)、Nucotn(登録商標)(綿)およびNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、綿品種、大豆品種およびジャガイモ品種などがある。言及可能な除草剤耐性植物の例として、Roundup Ready(登録商標)(グリホサートに対する耐性、例えばトウモロコシ、綿、大豆)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば菜種)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン類に対する耐性)およびSTS(登録商標)(スルホニル尿素に対する耐性、例えばトウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、綿品種および大豆品種がある。言及することができる除草剤耐性植物(除草剤耐性を与えるために従来の方式で品種改良された植物)には、Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)の名称で販売されている品種などがある。当然のことながら、これらの記述は、これらの遺伝形質または現在もなお開発されるべき、そして将来開発されおよび/または市場に出回ることになる遺伝形質を有する植物品種についても当てはまる。
【0128】
上記で挙げた植物は、特に有利には、一般式Iの化合物または本発明による活性化合物混合物を用いて本発明に従って処理することができる。活性化合物または混合物についての上述の好ましい範囲は、これら植物の処理にも適用される。特に強調されるものは、本明細書に具体的に記載された化合物または混合物による植物の処理である。
【0129】
本発明による活性化合物は、植物、衛生および貯蔵製品の有害生物に対して作用するだけでなく、カタダニ、軟ダニ、キュウセンヒゼンダニ、ハダニ、ハエ(刺咬および舐め)、寄生性ハエ幼虫、シラミ、毛ジラミ、咬むシラミおよびノミなどの動物寄生生物(外寄生生物または内部寄生生物)に対する動物薬部門でも作用する。これらの寄生生物には下記のものなどがある。
【0130】
シラミ目(Anopluida)からのもの、例えば、ヘマトピナス属種(Haematopinus spp.)、リノグナサス属種(Linognathus spp.)、ペディキュラス属種(Pediculus spp.)、フチラス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.)。
【0131】
ハジラミ目(Mallophagida)ならびにマルツノハジラミ亜目(Amblycerina)およびホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina)からのもの、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネッキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)およびフェリコラ属種(Felicola spp.)。
【0132】
双翅目(Diptera)、およびならびにネマトセリナ亜目(Nematocerina)およびブラキセリナ亜目(Brachycerina)からのもの、例えば、イーデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、キュレックス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ユーシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルツゾミヤ属種(Lutzomyia spp.)、キュリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソップス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitora spp.)、アチロータス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ヘマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ヘマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファニア属種(Fannia spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、カリホラ属種(Calliphora spp.)、ルチリア属種(Lucilia spp.)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、ウォールファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコフォガ属種(Sarcophaga sp.)、エストラス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィラス属種(Gasterophilus spp.)、ヒッポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)およびメロファガス属種(Melophagus spp.)。
【0133】
ノミ目(Siphonapterida)からのもの、例えば、ピューレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)およびセラトフィラス属種(Ceratophyllus spp.)。
【0134】
カメムシ目(Heteropterida)からのもの、例えば、シメックス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギラス属種(Panstrongylus spp.)。
【0135】
ゴキブリ目(Blattarida)からのもの、例えば、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)およびスペラ種(Supella spp.)。
【0136】
アカリ亜網(Acari)(Acarina)ならびにメタスチグマタ目(Metastigmata)およびメソスチグマタ目(Mesostigmata)からのもの、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドラス属種(Ornithodrus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、ブーフィラス属種(Boophilus spp.)、デルマセントール属種(Dermacentor spp.)、ヘモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファラス属種(Rhipicephalus spp.)、デルマニサス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、ニューモニサス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストーマ属種(Sternostoma spp.)およびバロア属種(Varroa spp.)。
【0137】
ケダニ目(Actinedida)(プロスチグマタ(Prostigmata))およびコナダニ目(Acaridida)(アスチグマタ(Astigmata))からのもの、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニソケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルゲーツ属種(Psorergates spp.)、デモデックス属種(Demodex spp.)、トロンビキュラ属種(Trombicula spp.)、リストロホラス属種(Listrophorus spp.)、アカラス属種(Acarus spp.)、チロファガス属種(Tyrophagus spp.)、カログリファス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリカス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0138】
式(I)の本発明の活性化合物は、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウおよびミツバチ等の農業用家畜、例えばイヌ、ネコ、愛玩鳥、観賞魚等などの他のペット、そして例えばハムスター、モルモット、ラットおよびマウス等の実験動物を攻撃する節足動物を防除するのにも好適である。これらの節足動物の防除は、死亡例を低減し、(肉、ミルク、羊毛、皮、卵、蜂蜜等の)生産性低下を軽減を意図したものであることから、本発明の活性化合物を用いることで、さらに経済的かつ簡易に動物を飼育することが可能となる。
【0139】
本発明による活性化合物は、獣医学および畜産の部門で公知の方法で、錠剤、カプセル、頓服、水薬、粒剤、ペースト、ボーラス、飼料を介した方法もしくは坐剤の形態での腸内投与により、例えば注射(筋肉注射、皮下注射、静脈注射、腹腔内注射など)、インプラントなどの非経口投与によって、経鼻投与によって、例えば浸漬または液浸、噴霧、滴下(pouring on)および点投与(spotting on)、洗浄および散粉の形での皮膚投与によって、さらには有効成分、首輪、耳標、尾標、足輪、端網、印付け用具などの活性化合物を含む成型品を用いて使用される。
【0140】
家畜、家禽、ペット等に使用される場合には、式(I)の活性化合物は、活性化合物を1から80重量%の量で含む製剤(例えば、粉剤、乳濁液、フロアブル剤)として、直接もしくは100から10000倍希釈後に用いることが可能であり、あるいはそれらは薬浴として使用できる。
【0141】
本発明の化合物が工業材料を破壊する昆虫に対して強い殺虫作用を有することも見出されている。
【0142】
好ましい例には下記の昆虫などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0143】
甲虫類(beetles)、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネキス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス属種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン属種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン属種(Sinoxylon spec.)、ジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus);
ハサミムシ類(dermapterans)、例えば、シレキス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur);
シロアリ類(termites)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);
シミ類(bristletails)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0144】
本発明に関連して、工業材料は、非生物材料、例えば、好ましくは、プラスチック、接着剤、サイズ、紙および厚紙、皮革、木材、加工木材製品、ならびに、コーティング組成物などを意味するものと理解される。
【0145】
即時使用組成物には、適切な場合には、他の殺虫剤および適宜に1以上の殺菌剤も含ませても良い。
【0146】
可能な追加の混合相手に関しては、上記で挙げた殺虫剤および殺菌剤を挙げることができる。
【0147】
さらに、本発明による化合物は、塩水または淡海水と接触するもの、特には、船体、スクリーン、網、建造物、係船設備および信号システムを付着物から保護するのに使用することができる。
【0148】
さらに、本発明による化合物は、単独でまたは他の活性化合物と組み合わせて、汚れ止め組成物として用いることができる。
【0149】
当該活性化合物は、家庭内分野、衛生分野および貯蔵物保護における有害動物、特には例えば住居、工場のホール、オフィス、車両室内などの密閉空間で見られる昆虫、クモ類およびダニ類を防除するのにも好適である。それらは、単独でまたは家庭用殺虫剤製品中の他の活性化合物および補助剤と組み合わせて使用することで、これら有害生物を防除することができる。それらは、感受性種および抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての発達段階に対して有効である。これらの有害生物としては、以下のものなどがある。
【0150】
スコルピオニデア目(Scorpionidea)から、例えば、ブツス・オッシタヌス(Buthus occitanus)。
【0151】
ダニ目(Acarina)から、例えば、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレキスス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia ssp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・ホリナエ(Dermatophagoides forinae)。
【0152】
クモ目(Araneae)から、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae)。
【0153】
ザトウムシ目(Opiliones)から、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium)。
【0154】
等脚目(Isopoda)から、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0155】
倍脚目(Diplopoda)から、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.);
唇脚目(Chilopoda)から、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)。
【0156】
シミ目(Zygentoma)から、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)。
【0157】
ゴキブリ目(Blattaria)から、例えば、ブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラッタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)。
【0158】
サルタトリア目(Saltatoria)から、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)。
【0159】
ハサミムシ目(Dermaptera)から、例えば、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0160】
シロアリ目(Isoptera)から、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)。
【0161】
チャタテムシ目(Psocoptera)から、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.)
コウチュウ目(Coleoptera)から、例えば、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)。
【0162】
双翅目(Diptera)から、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレキス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレキス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレキス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)。
【0163】
鱗翅目(Lepidoptera)から、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)。
【0164】
ノミ目(Siphonaptera)から、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレキス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0165】
膜翅目(Hymenoptera)から、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)。
【0166】
シラミ目(Anoplura)から、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、フィロエラ・バスタトリキス(Phylloera vastatrix)、フチルス・プビス(Phthirus pubis)。
【0167】
異翅目(Heteroptera)から、例えば、シメキス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメキス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリキスス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0168】
家庭用殺虫剤の分野においては、それらは、単独で使用するか、他の好適な活性化合物、例えば、リン酸エステル系、カーバメート系、ピレスロイド系、ネオニコチノイド系、成長調節剤または他の既知の種類の殺虫剤から選択される活性化合物と組み合わせて使用する。
【0169】
それらは、エアロゾル、非加圧スプレー製品、例えば、ポンプスプレーおよび噴霧スプレー、自動霧化システム、噴霧器、泡剤、ゲル、セルロース製もしくはポリマー製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲルおよび膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、無動力型(energy−free)すなわち受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)および防虫ゲル(moth gels)で、粒剤もしくは粉剤として、ばらまき用の餌で、または餌ステーションで使用される。
【0170】
製造例
式III−1のカルボン酸の合成
実施例V
3−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}(メチル)アミノ]メチル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[(メチルスルホニル)メチル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル5.00g(14.4mmol)をアセトニトリル50mLに溶かし、1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N−メチルメタンスルホンアミド4.64g(14.4mmol)を1回に少量ずつ室温で加えた。次に、炭酸カリウム2.40g(17.35mmol)を反応溶液に加え、混合物を50℃で12時間撹拌した。冷却して室温とした後、反応溶液から減圧下に溶媒を除去した。水250mLを残留物に加え、混合物を酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧下に除去し、残留物をクロマトグラフィーによって精製した。(logP:3.83;MH:571;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):2.79(s、3H)、3.74(s、3H)、4.43(s、2H)、4.80(s、2H)、7.06(s、1H)、7.70(dd、1H)、8.12(s、2H)、8.15(s、1H)、8.26(d、1H)、8.57(d、1H)。
【0171】
実施例III−1
3−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}(メチル)アミノ]メチル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
3−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}(メチル)アミノ]メチル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル3.30g(5.78mmol)をメタノール50mLに溶かし、水酸化ナトリウム水溶液(水25mLに溶かした水酸化ナトリウム0.28g;6.94mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。メタノールを減圧下に除去し、水系残留物を塩化メチレンで3回抽出した。有機相を廃棄した。次に、水相を5%強度の塩酸を用いてpH3に調節し、ジクロロメタンで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水した。(logP:3.07;MH:557;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):2.78(s、3H)、4.40(s、2H)、4.78(s、2H)、6.97(s、1H)、7.62(dd、1H)、8.05(、1H)、8.09(s、2H)、8.15(d、1H)、8.51(d、1H)。
【0172】
式III−2およびIII−3のカルボン酸の合成
実施例VII
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
最初に4−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル1.0g(3.00mmol)、4−トリフルオロメトキシエチニルベンゼン1.12g、ヨウ化銅(I)0.15g(0.78mmol)、トリエチルアミン3.34g(33.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.31g(0.27mmol)をDMFに入れ、アルゴン下に80℃で30分間撹拌した。反応混合物を吸引しながら濾過し、残留物をDMFで洗浄し、合わせた母液を濃縮した。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって得た。
【0173】
(logP:4.46;MH:422;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):3.74(s、3H)、7.27−7.43(m、3H)、7.66−7.74(m、3H)、8.21−8.26(m、1H)、8.54−8.58(m、1H)。
【0174】
実施例VIII
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[(2,4−ジクロロフェニル)(オキソ)アセチル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの合成
最初に1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[(2,4−ジクロロフェニル)エチニル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル600mg(1.47mmol)を、過マンガン酸カリウム1.35g(8.55mmol)、Aliquat336 144mg(0.35mmol)、水18mL、ジクロロメタン24mLおよび氷酢酸1mLの混合物を入れ、還流下に1時間撹拌した。20%強度の重亜硫酸ナトリウム溶液30mLを反応液に加え、分離した有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって単離した。
【0175】
(logP:4.29;MH:453;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):1.12(t、3H)、4.20(q、2H)、7.64−7.80(m、4H)、7.94(d、1H)、8.24(d、1H)、8.57(dd、1H)。
【0176】
実施例III−2
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[(2,4−ジクロロフェニル)(オキソ)アセチル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[(2,4−ジクロロフェニル)(オキソ)アセチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル420mg(0.74mmol)をに溶かしエタノール8mL、10%強度水酸化ナトリウム水溶液445mg(3.26mmol)を加え、混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を水に取り、混合物をメチルtert−ブチルエーテルで1回抽出した。水相を2N塩酸で酸性とし、メチルtert−ブチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。
【0177】
(logP:2.78;MH:424;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):7.61−7.69(m、3H)、7.79(s、1H)、7.93(d、1H)、8.21(d、1H)、8.54(dd、1H)。
【0178】
実施例III−3
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル1.02g(2.17mmol)をエタノール20mLに溶かし、10%強度水酸化ナトリウム水溶液1.31g(3.26mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を水に取り、混合物をメチルtert−ブチルエーテルで1回抽出した。水相を2N塩酸で酸性とし、メチルtert−ブチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。
【0179】
(logP:3.36;MH:408;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):7.28(s、1H)、7.40−7.43(m、2H)、7.63−7.74(m、3H)、8.18−8.22(m、1H)、8.52−8.56(m、1H)。
【0180】
式III−4のカルボン酸の合成
実施例VII−a
3−アセチル−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの合成
アルゴン下に、4−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−2−カルボン酸メチル1.4g(15.6mmol)をTHF 40mLに溶かし、(1−エトキシビニル)トリブチルスタンナン1.63g(4.37mmol)、塩化リチウム0.54gおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.24g(0.2mmol)を室温で加え、混合物を還流下に48時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をメチルtert−ブチルエーテルに取り、溶液を各場合で水、5%強度アンモニア溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレータを用いて濃縮した。残留物をTHF 40mLに溶かし、2N塩酸3mLの存在下に室温で24時間撹拌した。再度、溶媒を留去し、残留物をメチルtert−ブチルエーテル60mLに溶かし、室温で飽和フッ化カリウム溶液60mLとともに1時間高撹拌した。有機相を分離し、濃縮した。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって単離した。
【0181】
(logP:2.31;MH:294;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):1.10(t、3H)、2.55(s、3H)、4.17(q、2H)、7.44(s、1H)、7.71−7.72(m、1H)、8.26(dd、1H)、8.59(dd、1H)。
【0182】
実施例VIII−a
3−(ブロモアセチル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの合成
最初に3−アセチル−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル1.20g(4.40mmol)を各場合でジオキサン30mLに入れ、メチルtert−ブチルエーテルおよび臭素776mg(4.85mmol)を室温で滴下した。混合物を還流下に6時間撹拌した。反応混合物を水に加え、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をメチルtert−ブチルエーテルから再結晶した。
【0183】
(logP:2.87;MH:373)。
【0184】
実施例IX
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]アセチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの合成
最初に5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール1.24g(2.04mmol)および炭酸カリウム348mg(2.52mmol)をアセトニトリル15mLに入れ、室温で15分間撹拌した。アセトニトリル5mLに溶かした3−(ブロモアセチル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル693mg(1.57mmol)を加え、反応混合物を70℃で5分間撹拌した。溶媒の半量を留去し、残留物を水80mLで希釈し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮する。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって単離した。
【0185】
(logP:3.50;MH:430;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):1.12(t、3H)、4.21(q、2H)、6.72(s、2H)、7.72(s、1H)、7.80−7.82(m、1H)、8.39(d、1H)、8.65(dd、1H)。
【0186】
実施例III−4
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]アセチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]アセチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル300mg(0.58mmol)をエタノール4mLに溶かし、2N水酸化ナトリウム水溶液282mg(3.15mmol)を加え、混合物を室温で5日間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を水に取り、混合物をメチルtert−ブチルエーテルで1回抽出した。水相を2N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。
【0187】
(logP:2.25;MH:402;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):6.69(s、2H)、7.60(s、1H)、7.75−7.78(m、1H)、8.32(d、1H)、8.61−8.63(m、1H)。
【0188】
式III−5のカルボン酸の合成
実施例VII−b
3−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソイミダゾリジン−1−イル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの合成
最初に4−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−2−カルボン酸エチル600mg(1.76mmol)および1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾリジン−2−オン527mg(1.76mmol)をトルエン30mLに入れ、ヨウ化銅(I)40.4mg(0,21mmol)、N,N′−ジメチルエチレンジアミン31.2mg(0.35mmol)および炭酸カリウム489mg(3.53mmol)をその順にて室温で加えた。反応混合物を還流下に10時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルに取り、溶液を各場合で水および飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレータを用いて濃縮した。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって単離した。
【0189】
(logP:4.82;MH:548;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):1.12−1.19(m、3H)、3.99−4.05(m、2H)、4.15−4.20(m、4H)、7.40(s、1H)、7.76−7.71(m、1H)、7.77(s、1H)、8.24(d、1H)、8.30(s、2H)、8.57(dd、1H)。
【0190】
実施例III−5
3−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソイミダゾリジン−1−イル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
3−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソイミダゾリジン−1−イル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル660mg(1.20mmol)をエタノール10mLに溶かし、2N水酸化ナトリウム水溶液72mg(1.80mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を水に取り、混合物をメチルtert−ブチルエーテルで1回抽出した。水相を2N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。
【0191】
(logP:3.47;MH:420;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):3.98−4.04(m、2H)、4.14−4.18(m、1H)、7.32(s、1H)、7.64−7.67(m、1H)、7.77(s、1H)、8.21(d、1H)、8.30(s、2H)、8.56(dd、1H)。
【0192】
式III−6のカルボン酸の合成
実施例VII−c
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
アルゴン下に、3−(ブロモメチル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル0.8g(2,36mmol)、5−(トリブチルスタンニル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン1.18g(2.60mmol)、トリ−2−フリルホスフィン0.11g(0.47mmol)およびトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.07g(0.07mmol)をNMP中にて100℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を酢酸エチル80mLに取り、飽和フッ化カリウム溶液70mLとともに60分間高撹拌した。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレータを用いて濃縮した。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって得た。
【0193】
(logP:2.86;MH:397;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):3.70(s、3H)、4.22(s、2H)、7.06(s、1H)、7.67(dd、1H)、7.86(d、1H)、7.99(d、1H)、8.22(d、1H)、8.54(dd、1H)、8.74(s、1H)。
【0194】
実施例VIII−c
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]カルボニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル1.29g(3.20mmol)をジオキサン80mLに溶かし、酸化マンガン(IV)16.72g(192mmol)を加え、混合物を12時間還流攪拌した。混合物を吸引によって濾去し、濾液から溶媒を除去した。所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって得た。
【0195】
(logP:3.33;MH:411;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):3.79(s、3H)、7.75−7.78(m、2H)、8.12(d、1H)、8.32(d、1H)、8.62(dd、1H)、8.71(dd、1H)、9.36(s、1H)。
【0196】
実施例III−6
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]カルボニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]カルボニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル29mg(0.07mmol)をエタノール2mLに溶かし、2N水酸化ナトリウム水溶液4mg(0.1mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を水に取り、混合物をメチルtert−ブチルエーテルで1回抽出した。水相を2N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。
【0197】
(logP:2.33;MH:397;H−NMR(400MHz、DMSO、δ、ppm):7.20(s、1H)、7.59(dd、1H)、8.09−8.15(m、2H)、8.49(dd、1H)、8.69(dd、1H)、9.33(s、1H)。
【0198】
式III−7のカルボン酸の合成
実施例VII−d
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ホルミル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル(0.99g、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.39g)および酢酸ナトリウム(0.61g)をエタノール5mLおよび水3mL混合物中にて室温で30分間撹拌した。混合物をメチルtert−ブチルエーテルで希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒の蒸留除去によって、所望の標題生成物を得た。
【0199】
H−NMR(CDCN)δ:(E/Z混合物)3.73−3.74(d、3H)、7.23(s)、7.53−7.67(m、2H)、7.67(s)、8.02−8.05(m、1H)、8.14(s)、8.49−8.51(m、1H)、9.07(brs)。
【0200】
実施例VIII−d
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
N−クロロコハク酸イミド(0.52g)を3−[(ヒドロキシイミノ)メチル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1−(3−クロロピリジン−2−イル)(0.99g)のDMF(10mL)中溶液に加え、混合物を40℃で30分間撹拌した。冷却して室温とした後、1,3−ジクロロ−5−(3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エン−2−イル)ベンゼン(0.56g)およびトリエチルアミン(0.3g)を加え、反応混合物を室温で8時間撹拌した。混合物をメチルtert−ブチルエーテルで希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒の蒸留除去後、所望の生成物をクロマトグラフィー精製によって得る。
【0201】
H−NMR(CDCN)δ:3.75(s、3H)、3.91−3.96(m、1H)、4.20(d、1H)、7.39(s、1H)、7.54−7.59(m、4H)、8.04−8.07(m、1H)、8.51−8.52(m、1H)。
【0202】
実施例III−7
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル0.9gを水10mLおよびエタノール20mLの混合物に溶かし、水酸化ナトリウム0.2gを加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応液を2N塩酸で酸性とし、メチルtert−ブチルエーテルで3回抽出し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒の蒸留除去後に生成物を得た。
【0203】
H−NMR(CDCN)δ:3.97(d、1H)、4.20(d、1H)、7.39(s、1H)、7.54−7.59(m、4H)、8.03−8.05(m、1H)、8.50−8.51(m、1H)。
【0204】
式III−8のカルボン酸の合成
実施例VII−e
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ホルミル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
1回に少量ずつ、酸化マンガン(IV)3.90g(44.9mmol)を1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル3.00g(11.2mmol)のジクロロメタン(162mg)中溶液に加え、混合物を40℃で4時間撹拌した。冷却して20℃とした後、追加の酸化マンガン(IV)3.90g(44.9mmol)を加え、混合物を40℃で終夜加熱した。冷却して20℃とした後、混合物をセライトで濾過し、濾液から減圧下に溶媒を除去した。
【0205】
(logP:1.82)。
【0206】
実施例VIII−e
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−(メトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ホルミル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル2.00g(7.53mmol)をtert−ブタノール18mLに溶かし、水5mLを加えた。冷却して0℃とした後、リン酸二水素ナトリウム・2水和物2.35g(15.1mmol)、亜塩素酸ナトリウム2.73g(30.1mmol)および2−メチル−2−ブテン3.17g(45.2mmol)をその順で加えた。20℃で1時間後、水を加え、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去した(logP:1.38)。
【0207】
実施例IX−e
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの合成
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−(メトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸1.00g(3.55mmol)のジクロロメタン(13mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.3mL)中溶液を冷却して0℃とし、4−(トリフルオロメチル)アニリン0.86g(5.33mmol)のジクロロメタン(3mL)中溶液を滴下し、N−エチル−N′−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド×HCl 0.68g(3.55mmol)および4−ジメチルアミノピリジン87mg(710μmol)を1回に少量ずつ加えた。混合物を0℃で2時間および20℃で16時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、1N塩酸水溶液および水の順で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去し、残留物をシクロヘキサン/酢酸エチル=3:1→2:1を用いるシリカゲルで精製した。(logP:3.54)。
【0208】
実施例III−8
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
10%強度水酸化ナトリウム水溶液0.98g(2.45mmol)を1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル1.00g(1.88mmol)のエタノール(20mL)中混合物に滴下し、混合物を20℃で2.5時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、水30mLおよび酢酸エチル30mLを残留物に加えた。水相を塩酸を用いてpH1に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去した(logP:2.67)。
【0209】
式(III−9)のカルボン酸の合成
実施例XI
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−(オキシラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル
最初に1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ホルミル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル5.00g(18.8mmol)(WO 2006/000336から公知)およびヨウ化トリメチルスルホニウム5.76g(28.2mmol)をジメチルスルホキシド12.5mLに入れ、ジメチルスルホキシド12.5mL中のt−BuOK 2.64g(23.5mmol)を室温で滴下した。室温で1.5時間撹拌後、氷冷しながら水60mLを注意深く滴下し、その際に反応混合物を酢酸エチルで繰り返し抽出した。合わせた有機相を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−(オキシラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル1.10g(理論量の21%)を得た。(logP:1.67;MH:280.0;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):3.10(m、2H)、3.71(s、3H)、3.98(s、1H)、6.92(s、1H)、7.56(m、1H)、8.07(m、1H)、8.51(m、1H)。
【0210】
実施例XII
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル/1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル
最初に水素化ナトリウム51.5mg(2.14mmol)をテトラヒドロフラン15mLに入れ、25%強度の5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール1380mg(2.32mmol)のテトラヒドロフラン中溶液を0℃で加えた。0℃で20分間撹拌後、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−(オキシラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル500mg(1.78mmol)を加え、混合物を還流温度で20時間攪拌した。反応混合物を水に投入し、氷酢酸で酸性とし、酢酸エチルで繰り返し抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、66:34の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルおよび1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル286mg(理論量の80%)を得た。(logP:2.64/2.68;MH:418.0;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):3.73(s、3H)、4.31(m、2H)、4.48(m、1H)、7.10(m、1H)、7.54(m、1H)、8.05(m、1H)、8.50(m、1H)。
【0211】
実施例XIII
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル/1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル(番号XIII)
最初に66:34の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルおよび1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル225mg(0.54mmol)をトルエン7.0mLに入れ、メタンスルホニルクロライド75.3mg(0.65mmol)およびトリエチルアミン166mg(1.64mmol)を0℃で加え、混合物を還流温度で10時間攪拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去した。残留物についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、69:31の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルおよび1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル132mg(理論量の45%)を得た。(logP:3.37/3.49;MH:400.1;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):3.78(s、3H)、7.35(m、1H)、7.60(m、1H)、7.75(m、1H)、8.08(m、1H)、8.32(m、1H)、8.55(m、1H)。
【0212】
実施例XIV
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸/1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
66:34の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルおよび1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル88.7mg(0.23mmol)をエタノール5.0mLに溶かし、45%強度水酸化ナトリウム水溶液26.6mg(0.29mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、混合物を水で希釈し、希塩酸で酸性とした。水相を酢酸エチルで繰り返し抽出し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去して、70:30の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸および1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{(E)−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]ビニル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸43mg(理論量の48%)を得た。(logP:2.79/2.86;MH:386.0/386.0;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):7.40(m、1H)、7.59(m、1H)、7.75(m、1H)、8.05(m、1H)、8.31(m、1H)、8.53(m、1H)。
【0213】
実施例III−9
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸/1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
66:34の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルおよび1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル72.5mg(0.18mmol)をエタノール5.0mLに溶かし、45%強度水酸化ナトリウム水溶液21.0mg(0.23mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、混合物を水で希釈し、希塩酸で酸性とした。水相を酢酸エチルで繰り返し抽出し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去して、73:27の比率での1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸および1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{1−ヒドロキシ−2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸43mg(理論量の48%)を得た。(logP:1.68/1.37;MH:404.0/404.0。
【0214】
式III−10のカルボン酸の合成
実施例III−10
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
実施例XVI
3−クロロ−2−(3−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン
最初に3−ニトロピラゾール10.0g(88.4mmol)および2,3−ジクロロピリジン14.4g(97.2mmol)をジメチルホルムアミド50mLに入れ、炭酸カリウム23.9g(173mmol)を加え、反応混合物を125℃で18時間撹拌した。冷却後、混合物を水に投入し、沈澱固体を濾去した。イソプロパノール/水からの再結晶によって、3−クロロ−2−(3−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン18.1g(理論量の90%)を得た。(logP:1.83;MH:225.1;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):7.15(s、1H)、7.56(d、1H)、8.15(d、1H)、8.23(d、1H)、8.53(m、1H)。
【0215】
実施例XVII
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
3−クロロ−2−(3−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン8.65g(38.5mmol)をテトラヒドロフラン196mLに溶かし、アルゴン下に冷却して−78℃とした。2MリチウムジイソプロピルアミドのTHF中溶液21.4mL(42.7mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、合計1500gの粉末ドライアイスを1回に少量ずつ加えた。二酸化炭素の発生が停止するまで混合物を−78℃で撹拌し、昇温させて室温とした。最初に、水679mLを加え、次に、1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを11に調節した。水相を酢酸エチルで繰り返し抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去して、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸5.0g(理論量の47%)を得た。logP:0.90;MH:269.0;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):7.77(m、2H)、8.33(m、1H)、8.62(m、1H)。
【0216】
実施例XVIII
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル
最初に1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸5.00g(18.6mmol)を塩化メチレン66mLに入れ、塩化チオニル6.64g(55.8mmol)を室温で加え、反応混合物を還流下に24時間加熱した。溶媒を減圧下に留去し、残留物を直接さらに反応させた。
【0217】
氷冷しながら、酸塩化物をメタノール32mLに溶かし、トリエチルアミン1.98g(19.6mmol)を加えた。室温で18時間撹拌後、溶媒を減圧下に完全に除去し、残留物を塩化メチレンに取り、0.5N HClで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル3.20g(理論量の68%)を得た。(logP:2.18;MH:283.1);H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):3.79(s、3H)、7.80(m、1H)、7.89(s、1H)、8.36(m、1H)、8.63(d、1H)。
【0218】
実施例XIX
3−アミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル
最初に塩化スズ(II)10.41g(54.9mmol)をエタノール80mLに入れ、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル3.20g(11.3mmol)を加え、混合物を還流温度で3時間攪拌した。冷却後、反応混合物を氷に投入し、重炭酸ナトリウムでpH12に調節した。水相を酢酸エチルで繰り返し抽出し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、3−アミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル2.20g(理論量の71%)を得た。(logP:1.09;MH:253.1);H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):3.66(s、3H)、5.20(s、2H)、6.25(s、1H)、7.56(m、1H)、8.15(d、1H)、8.47(m、1H)。
【0219】
実施例XX
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル
最初に3−アミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル1.90g(7.52mmol)、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン1.50g(8.27mmol)、トリス(ジベンジルアセトン)ジパラジウム0.275g(0.3mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2,4,6−トリイソプロピル−1,1−ビフェニル0.286g(0.60mmol)および炭酸カリウム3.12g(22.5mmol)をtert−ブタノール190mLに入れ、反応混合物を100℃で24時間撹拌した。冷却後、混合物を水に投入し、酢酸エチルで繰り返し抽出し、抽出液を硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去し、残留物についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行って、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル950mg(理論量の29%)を得た。(logP:3.14;MH:398.0);H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):3.74(s、3H)、7.26(m、1H)、7.37(s、1H)、7.66(m、1H)、7.95(m、1H)、8.25(d、1H)、8.56(m、2H)。
【0220】
実施例III−10
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル855mg(2.15mmol)をエタノール10.0mLに溶かし、45%強度水酸化ナトリウム水溶液248mg(2.79mmol)を加えた。室温で24時間撹拌後、混合物を水で希釈し、希塩酸で酸性とした。水相を酢酸エチルで繰り返し抽出し、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下に留去して、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−{[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−1H−ピラゾール−5−カルボン酸758mg(理論量の92%)を得た。(logP:2.79;MH:384.0;H−NMR(400MHz、CDCN、δ、ppm):7.28(m、1H)、7.38(m、1H)、7.55(m、1H)、7.89(m、1H)、8.05(m、1H)、8.51(m、2H)。
【0221】
製造例
上記の製造方法を用いて、式(I)の化合物を得ることができ、それの一部は位置異性体として存在し得る。NMRデータに関しては、下記の表に化学シフトと相当するシグナル強度を示してあり、例えば、化合物1については下記の通りである。
【0222】
シグナル1:
10.20;2.040;10.20ppm(化学シフト)、2.040(シグナル強度)の場合;
シグナル2:
8.50;2.770;8.50ppm(化学シフト)、2.770(シグナル強度)の場合。
【0223】
【表2】
分析方法
上記の表および製造例で報告のlogP値は、EEC指令79/831補遺V.A8に従い、下記の方法を用いて、逆相カラム(C18)でのHPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって測定した。
【0224】
酸性領域でのLC−MS測定は、移動相0.1%ギ酸水溶液およびアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)、10%アセトニトリルから95%アセトニトリルの直線勾配を用い、pH2.7で行う。
【0225】
較正は、既知のlogP値を有する非分岐アルカン−2−オン(3から16個の炭素原子を有する)を用いて行った(2種類の連続するアルカノン間の線形補間を用い、保持時間によってlogP値を測定した。)。
【0226】
λmax値は、200nmから400nmのUVスペクトラムを用いてクロマトグラフィーシグナルの最大値で求めた。
【0227】
MHシグナルは、ESIおよび陽イオン化もしくは陰イオン化を用いるAgilent MSDシステムを用いて測定した。
【0228】
NMRスペクトラムは、フロープローブヘッド(体積60μL)を取り付けたBruker Avance 400を用いて測定した。使用した溶媒はd−DMSOであり、テトラメチルシラン(0.00ppm)を標準として用いた。溶媒としてCDCN中で記録した実施例番号64を除き、上記表中の例は、溶媒としてのd−DMSO中で記録したものである。測定温度は、使用される溶媒がd−DMSOの場合は約29.9℃(303K)であり、使用される溶媒がCDCNの場合は約24.9℃(298K)である。
【0229】
個々の場合、サンプルはBruker Avance II 600またはIII 600を用いて測定した。
【0230】
使用例
実施例1
アブラムシ(Myzus)試験(MYZUPE噴霧処理)
溶媒:アセトン78重量部
ジメチルホルムアミド1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.5重量部
好適な活性化合物製剤を製造するため、活性化合物1重量部を、指定量の溶媒および乳化剤と混合し、得られた濃厚液を、乳化剤含有水で希釈して、所望の濃度とする。
【0231】
全段階のモモアカアブラムシ(Myzus persicae)がついた白菜(Brassica pekinensis)の葉の円板状スライスに、所望濃度の活性化合物製剤を噴霧する。
【0232】
6日後、効果(%)を求める。100%は全てのアブラムシが死亡したことを意味し、0%は死亡したアブラムシがいなかったことを意味する。
【0233】
本試験では、例えば製造例化合物32、63が、施用量100g/haで80%の活性を示す。
【0234】
本試験では、例えば製造例化合物15、21、33が、施用量100g/haで90%の活性を示す。
【0235】
実施例2
フェドン(Phaedon)試験(PHAECO噴霧処理)
溶媒:アセトン78.0重量部
ジメチルホルムアミド1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.5重量部
好適な活性化合物製剤を製造するため、活性化合物1重量部を、指定量の溶媒および乳化剤と混和し、得られた濃厚液を乳化剤含有水で希釈して、所望の濃度とする。
【0236】
白菜の葉(Brassica pekinensis)の円板状スライスに所望濃度の活性化合物製剤を噴霧し、乾燥後に、マスタード・ビートル(mustard beetle)(Phaedon cochleariae)の幼虫を生息させる。
【0237】
7日後、活性(%)を求める。100%は全ての甲虫幼虫が死亡したことを意味し、0%は死亡した甲虫幼虫がいなかったことを意味する。
【0238】
本試験では、例えば製造例化合物19、20が、施用量500g/haで100%の活性を示す。
【0239】
本試験では、例えば製造例化合物1が、施用量100g/haで83%の活性を示す。
【0240】
本試験では、例えば製造例化合物3、10、11、13、14、15、17、18、21、22、64、65、67、68、71、73、74、76、77が、施用量100g/haで100%の活性を示す。
【0241】
実施例3
ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)試験(SPODFR噴霧処理)
溶媒:アセトン78.0重量部
ジメチルホルムアミド1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.5重量部
好適な活性化合物製剤を製造するため、活性化合物1重量部を指定量の溶媒および乳化剤と混和し、得られた濃厚液を乳化剤含有水で希釈して所望の濃度とする。
【0242】
トウモロコシ(Zea mays)の葉の円板状スライスに所望濃度の活性化合物製剤を噴霧し、乾燥後、ツマジロクサヨトウ(armyworm)(Spodoptera frugiperda)の幼虫を寄生させる。
【0243】
7日後、効果(%)を求める。100%は、全ての毛虫が死んだことを意味し、0%は、死んだ毛虫が無かったことを意味する。
【0244】
本試験では、例えば製造例化合物19、20が、施用量500g/haで100%の活性を示す。
【0245】
本試験では、例えば製造例化合物4、46、52が、施用量100g/haで83%の活性を示す。
【0246】
本試験では、例えば製造例化合物1、10、11、12、14、17、21、22、33、55、56、59、63、64、65、66、67、68、71、73、74、76、77が、施用量100g/haで100%の活性を示す。
【0247】
本試験では、例えば製造例化合物15が、施用量20g/haで100%の活性を示す。
【0248】
実施例4
オウシマダニ(Boophilus microplus)試験(BOOPMI注射)
溶媒:ジメチルスルホキシド
活性化合物の好適な製剤を製造するため、活性化合物10mgを溶媒0.5mLと混和し、得られた濃厚液を溶媒で希釈して所望の濃度とする。
【0249】
得られた活性化合物溶液を腹部(Boophilus microplus)に注射し、動物をシャーレに移し、温度/湿度調節した部屋で保管する。
【0250】
7日後、活性を%単位で求める。受精卵の状況によって活性を評価する。100%は、受精卵を産んだダニが全くいないことを意味する。
【0251】
この試験では、例えば製造例化合物15、22、63が、施用量20μg/動物で100%の効力を示す。
【0252】
実施例5
ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)試験(LUCICU)
溶媒:ジメチルスルホキシド
好適な活性化合物製剤を製造するため、活性化合物10mgをジメチルスルホキシド0.5mLと混和し、得られた濃厚液を水で希釈して所望の濃度とする。
【0253】
所望濃度の活性化合物で処理された馬肉が入った容器にヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)の幼虫を生息させる。
【0254】
48時間後、殺虫率(%)を求める。100%は、全ての幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだ幼虫が無かったことを意味する。
【0255】
本試験では、例えば製造例化合物11、12が、施用量100ppmで90%の効力を示す。
【0256】
本試験では、例えば製造例化合物15、21、22が、施用量100ppmで100%の効力を示す。
【0257】
実施例6
カラシナハムシ(Phaedon cochleariae)試験(PHAECO噴霧処理)
溶媒:アセトン78.0重量部
ジメチルホルムアミド1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.5重量部
好適な活性化合物製剤を製造するため、活性化合物1重量部を、指定量の溶媒および乳化剤と混和し、得られた濃厚液を乳化剤含有水で希釈して、所望の濃度とする。白菜の葉(Brassica pekinensis)の円板状スライスに所望濃度の活性化合物製剤を噴霧し、乾燥後に、マスタード・ビートル(mustard beetle)(Phaedon cochleariae)の幼虫を生息させる。
【0258】
所望の期間後、活性(%)を求める。100%は全ての甲虫幼虫が死亡したことを意味し、0%は死亡した甲虫幼虫がいなかったことを意味する。
【0259】
本試験では、例えば下記の製造例化合物(下記の表を参照)が、先行技術に勝る効力を示す。
【0260】
ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)試験(SPODFR噴霧処理)
溶媒:アセトン78.0重量部
ジメチルホルムアミド1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.5重量部
好適な活性化合物製剤を製造するため、活性化合物1重量部を指定量の溶媒および乳化剤と混和し、得られた濃厚液を乳化剤含有水で希釈して所望の濃度とする。トウモロコシ(Zea mays)の葉の円板状スライスに所望濃度の活性化合物製剤を噴霧し、乾燥後、ツマジロクサヨトウ(armyworm)(Spodoptera frugiperda)の幼虫を寄生させる。
【0261】
所望の期間後、活性(%)を求める。100%は、全ての毛虫が死んだことを意味し、0%は、死んだ毛虫が無かったことを意味する。
【0262】
本試験では、例えば下記の製造例化合物(下記の表を参照)が、先行技術に勝る効力を示す。
【0263】
【表3】