(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カートリッジ本体の遠位端が、ニードル締結具を備え、前記ニードル締結具が、カニューレを取り付けたニードルに接続し、前記カニューレを取り付けたニードルを前記内部空洞と流体連通した状態に置くように構成される、請求項1に記載の水圧式注入システム。
前記水圧式注入器が、前記流体チャンバと前記少なくとも1つの出口ポートとの間に配置される出口制御弁アセンブリを更に含み、前記出口制御弁アセンブリが、出口制御弁本体と出口制御スイッチとを含み、前記出口制御スイッチがプラグ部分を含み、前記出口制御スイッチの前記プラグ部分が、前記出口制御弁本体内で据付けられ、前記出口制御弁本体が、弁入口チャネル及び少なくとも1つの弁出口チャネルを画定し、前記プラグ部分が、前記出口制御弁本体内の前記弁入口チャネル及び前記少なくとも1つの弁出口チャネルと選択的に整列するように構成される少なくとも2つのスイッチチャネルを含み、前記流体チャンバと前記少なくとも1つの出口ポートとの間の流体の流れが、前記出口制御スイッチの選択的整列によって制御され得るようにする、請求項1に記載の水圧式注入システム。
前記水圧式注入器が、放出逆止め弁を更に含み、前記放出逆止め弁が、前記流体チャンバ及び前記少なくとも1つの出口ポートが互いに流体密に連通するように流体流路に沿って前記流体チャンバと前記少なくとも1つの出口ポートとの間に配置される、請求項1に記載の水圧式注入システム。
前記水圧式注入器が、放出逆止め弁を更に含み、前記放出逆止め弁が、前記流体チャンバ及び前記出口制御弁アセンブリが互いに流体密に連通するように流体流路に沿って前記流体チャンバと前記出口制御弁アセンブリとの間に配置される、請求項5に記載の水圧式注入システム。
少なくとも部分的に前記カートリッジキャップ内に配置される水圧式流体導管を更に備え、前記水圧式流体導管が、前記少なくとも1つの導管及び前記内部空洞を流体的に相互接続するように構成される、請求項1に記載の水圧式注入システム。
前記ピストンが、第1の位置と第2の位置との間で前記ハウジングに対して移動するように構成され、前記ピストンの前記第1の位置から前記第2の位置への移動によって、前記流体チャンバ内の水圧流体が前記少なくとも1つの出口ポートを通って前記ハウジングから排出され、前記ピストンの前記第2の位置から前記第1の位置への移動によって、前記流体収容容器内の水圧流体が前記吸込み逆止め弁を通って前記流体チャンバへと進むようにする、請求項1に記載の水圧式注入システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、少なくとも1つの標的解剖学的部位に骨セメントを注入するように構成される水圧式注入システム50は、水圧式注入器125と、少なくとも1つのセメントカートリッジ60を含むセメントカートリッジアセンブリ59と、管材等の1つ以上の導管52と、を含み、水圧式注入器125とカートリッジアセンブリ59との間で接続されて、水圧式注入器125を少なくとも1つのセメントカートリッジ60との流体連通した状態に置く。水圧式注入システム50は、高い粘性の骨セメントを含む、骨セメントを解剖学的部位に確実に注入するために十分な水圧力を発生させ得る。例えば、一実施形態において、水圧式注入システム50は、実質的におよそ0MPa(0バール)以上、およそ20MPa(200バール)未満、例えばおよそ10MPa(100バール)未満の水圧を確実に発生させるように構成される。一実施形態によれば、水圧式注入システム50は、およそ2MPa(20バール)未満等、およそ5MPa(50バール)未満を確実に発生させるように構成される。
【0022】
水圧式注入器125は、1つ以上の出口ポート159を経由して加圧された流体を選択的に導くように構成される。一実施形態によれば、水圧式注入器125は、加圧された水圧流体を選択的に供給及び調節するように構成される出口制御アセンブリを含む。例えば、水圧式注入器125は、所望のように、特定の出口ポート(複数可)159を経由して加圧された流体の流れを選択的に導くように作動し得る、出口制御スイッチ171を含み得る。図示される実施例において、注入器125は、2つの出口ポート159を含み、使用者は、出口制御スイッチ171の位置を調整することによって出口ポート159のうちの1つ若しくは両方を経由する、又はいずれも経由しない加圧された流体の流れを選択的に可能にする。例示的な図が2つの出口ポート159を含む注入器を開示する一方で、2つを超える、又は2つ未満の出口ポートが、所望のように含まれてもよいことが理解されるべきである。例えば、注入器125は、専用の流体の流れのために単一の引き込み口を含み得、又は所望のように、2つを超える出口ポート、例えば3つ又は4つを超える出口ポートを含み得る。出口ポート(複数可)159から流れる加圧された流体は、導管52を通ってカートリッジ60へと更に流れ、そこでカートリッジ60からある量の骨セメントを押し、又は放出するために十分な力を発揮し得る。
【0023】
導管52は、所望のいずれの長さでもあり得、使用者が、骨セメントを標的解剖学的部位に配置することを補助するために使用される蛍光透視装置(例えばX線又はCT撮像装置)によって発生するいずれの放射電磁界の外からも離れて、注入器125を安全に操作することを可能にする長さを有し得る。一実施形態において、導管52は、少なくとも50cmの長さである。導管52は、約70cm〜約100cmの範囲の長さを有し得る。実施形態において、導管52は、管材であり得る。導管52は、ほぼ可撓性の材料から作製され得る。導管52は、例えば、実質的におよそ0MPa(0バール)以上の下位及びおよそ10MPa(100バール)未満、例えば、およそ8MPa(80バール)未満、一実施形態によれば、およそ5MPa(50バール)未満、及び更に一実施形態によれば、およそ2MPa(20バール)未満等、およそ20MPa(200バール)未満であり得る高位を有する値域で、システム50によって発生する圧力に耐えるために十分な構造的一体性のものであり得る。したがって、水圧式注入システム50は、蛍光透視の放射電磁界の外側に留まるために十分に離れて、低い粘性及び高い粘性の骨セメントを含むある量の骨セメントを標的解剖学的部位又は位置に確実かつ安全に注入し得る。本開示による一実施形態において、水圧式注入システムは、椎体形成術処置、特に、二足の椎体形成術処置を行うために使用され得る。別の実施形態において、水圧式注入システムは、骨セメントを注入し、二次的な固定を提供することによって主要な固定装置、例えば、ねじ又は骨プレートの安定化を補助するように使用され得る。
【0024】
セメントカートリッジ
図2〜10を参照すると、カートリッジ60のそれぞれは、中心軸69に沿って細長いカートリッジ本体63と、中心軸69に沿ってカートリッジ本体63の近位端に取り付けられるカートリッジキャップ66と、を含む。カートリッジ本体63は、いずれの好適な形状も有し得る。例えば、図示される実施形態において、カートリッジ本体63は、ほぼ円筒の形状を有する。形状に拘わらず、カートリッジ本体63は、外側表面91、内側表面90、第1の、つまり近位端87、及び第2の、つまり遠位端9を画定する。外側表面91及び内側表面90の両方は、近位端87からカートリッジ本体63の遠位端93へと中心軸69に沿って延在する。カートリッジ本体63は、近位端87で、又はその付近に配置されるキャップ締結具75を含む。キャップ締結具75は、カートリッジ本体63をカートリッジキャップ66と連結するように構成される。図示される実施形態において、キャップ締結具75は、カートリッジ本体63の外側表面91に形成される外部ねじ山61を含む。
【0025】
実施形態において、カートリッジキャップ66は、導管52をカートリッジ本体63と流体的に連結するように構成され、カートリッジ本体63の近位端87に位置するキャップ締結具75と接続し、キャップ66及び本体63が互いに流体密に連通するように構成される締結具72を含む。示される実施例において、締結具72は、当該技術分野において既知であるルアーロック取付け具内のキャップ締結具75に連結される。図示される実施形態において、締結具72は、外側表面76及び内側表面77を画定する本体21を含む。内側表面77は、キャップ締結具75上に嵌合するように寸法決めされ、かつ構成される内側の開いた空洞79を画定する。内側の開いた空洞79は、キャップ締結具75等、カートリッジ本体63の少なくとも一部分を受けるように寸法決めされ、かつ構成される開放端部73で終端する。締結具72は、内側表面77上に形成される内側ねじ山74を更に備え得る。内側ねじ山74は、開いた空洞79の周囲に配置され、外側ねじ山61と嵌合して、カートリッジキャップ66をカートリッジ本体63に接続するように構成される。キャップ66は、キャップ66がカートリッジ本体63に接続されると、中心軸69に沿って軸方向に延出する内側チャネル81を更に含む。内側チャネル81は、締結具72と導管締結具78との間でキャップ66を通って延在する。
【0026】
カートリッジキャップ66は、開放端部73から離れた方向に本体21から突出する導管締結具78を更に含む。導管締結具78は、導管52の対応するコネクタ55と接続するように構成され、導管52及びキャップ66が互いに流体密に連通するようにする。したがって、導管締結具78は、導管52をキャップ66と流体的に連結するように構成される。示される実施例において、導管締結具78は、当該技術分野において既知であるルアーロック取付け具内のコネクタ55に連結される。図示される実施形態において、導管締結具78は、外側表面85及び内側表面89を画定する本体83を含む。導管締結具78は、内側表面89によって囲繞されるルアーテーパー95を更に含む。環状の空隙等の空洞97は、内側表面89とルアーテーパー、つまり先端95との間に画定される。空洞97は、コネクタ55の少なくとも一部分を受けるように構成され、かつ寸法決めされる。内側チャネル81の少なくとも一部分は、ルアーテーパー95を通って延在する。導管締結具78は、ねじ山678がルアーテーパー95を囲繞するように内側表面89上に形成されるねじ山67を更に画定する。理解され得るように、互いに流体密に連通する要素を接続する、当該技術分野において既知のいずれの数の好適な設計も、本明細書に記載されるカートリッジアセンブリ59の締結具について、本公開の範囲内である。記載されるような構成において、加圧された流体は、導管52からカートリッジキャップ66の内側チャネル81を通ってカートリッジ本体63の中へと進み得るが、一方で締結具は、流体密に連通して維持し、圧力の損失を阻止する。
【0027】
カートリッジキャップ66は、内側チャネル81との流体連通した状態に配置される横方向のチャネル65を更に画定する。横方向のチャネル65は、外部環境に通じる出口13で終端する。図示される実施形態において、横方向のチャネル65は、中心軸69に対してほぼ垂直である方向で外側表面85から内側チャネル81へと延在する。以下に詳細に記載されるように、横方向のチャネル65を通る流体の流れは、通気弁84によって制御され得る。
【0028】
セメントカートリッジ60は、管材52とカートリッジ本体63との間の流体流路内の地点で液体及び気体の解放を可能にする、少なくとも1つのエアレーション通気弁84を付加的に含み得る。動作中、通気弁84は、「プライミング」として当該技術分野において既知であることにおいて、骨セメントを注入する前に、水圧式注入システムからの空気の除去(脱気)を可能にする。例えば、
図2〜3に示される実施形態において、通気弁84は、カートリッジキャップ66上に配置され、外部環境への内側キャップチャネル81内に手動で開閉され得る開口部を可能にする。有効なプライミングのために、水圧流体の入口は、出口よりも低く位置しなければならない。
【0029】
図2、3、12A、14A、及び14Bに図示される実施形態において、通気弁84は、外側表面70及び内側表面68を画定する本体71を含む。本体71は、ほぼ円筒の形状を有してもよい。しかし、本体71がその他の好適な形状を有してもよいことが想起される。外側表面70は、ほぼ円形の、つまり楕円形状の断面を画定し得る。しかし、外側表面70は、その他の好適な形状を有する断面を有し得る。本体71は、第1の、つまり近位端62及び第2の、つまり遠位端64を更に画定する。内側表面68は、近位端62から遠位端64へと延在する開口部58を画定する。開口部58は、カートリッジキャップ66の少なくとも一部分を受けるように構成され、かつ寸法決めされる。例えば、開口部58は、導管締結具78の少なくとも一部分を受け、したがって通気弁84がカートリッジキャップ66に対して回転し得るように構成され、かつ寸法決めされ得る。通気弁84がカートリッジキャップ66の一部分の周囲に配置されると、開口部58は、中心軸69にほぼ平行である方向に沿って近位端62から遠位端64に延出する。本体71は、外側表面70から内側表面68へと延在する横方向のチャネル57を更に画定する。実施形態において、横方向のチャネル57は、通気弁84がカートリッジキャップ66上に装着されると、中心軸69に対してほぼ垂直な方向に沿って外側表面70と内側表面68との間で延出し得る。図示される実施形態において、横方向のチャネル57は、遠位端64で、又はその付近に配置される。しかし、横方向のチャネル57が本体71のその他の好適な場所に位置付けられ得ることが想起される。加えて、通気弁84がカートリッジキャップ66上に装着されると、通気弁84は、カートリッジキャップ66に対して回転し得、結果として、横方向のチャネル57は、以下に詳細に記載されるように、カートリッジキャップ66の横方向のチャネル65と流体連通した状態である。手動の回転を容易にするために、通気弁84は、開口部58及び内側表面68から離れて外側表面70から外側に突出するレバー56を含み得る。レバー56は、使用者がカートリッジキャップ66に対して通気弁84を手動で回転させることを可能にする。
【0030】
通気弁84は、開位置と閉位置との間で移動(例えば、カートリッジキャップ66に対して回転する)するように構成される。開位置において、横方向のチャネル57は、ほぼ整列し、カートリッジキャップ66の横方向のチャネル65と流体連通した状態で、内側チャネル81を外部環境と流体連通させる。ゆえに、通気弁84は、横方向のチャネル57がカートリッジキャップ66の横方向のチャネル65と流体連通した状態にあると、導管52とカートリッジ本体63との間で内側チャネル81を通過する流体が外部環境に解放されることを可能にする。動作中、使用者は、通気弁84を開位置に置いて、「プライミング」として当該技術分野において既知であることにおいて、骨セメントを注入する前に、水圧式注入システムからの空気の除去(脱気)を可能にし得る。通気弁84が閉位置にあるとき、横方向のチャネル57は、カートリッジキャップ66の横方向のチャネル65と整列しない。ゆえに、横方向のチャネル57は、通気弁84が閉位置にあるとき、横方向のチャネル65と流体連通した状態ではない。したがって、閉位置において、通気弁66は、導管52と外部環境へのカートリッジ本体63との間で内側チャネル81を通過する流体の解放を阻止し、又は少なくとも抑制する。
【0031】
図12A、12B、及び13A〜13Cに示される代替の実施形態において、コネクタ55は、外側表面49及び内側表面48を画定する本体部分51を含む。内側表面48は、
図12Bに示される通気弁84の少なくとも一部分を受けるように構成され、かつ寸法決めされる開口部47を画定する。本体部分51は、第1の、つまり近位端46及び第2の、つまり遠位端45を画定する。開口部47は、近位端46から本体部分51の遠位端45へと延在し得る。更に、開口部47は、
図12Bに示される通気弁84上に装着されると、中心軸69に沿って延出し得る。コネクタ55は、開口部47及び内側表面48から離れた方向で本体部分51の外側表面49から外側に突出する張り出し部材44を更に含む。張り出し部材44は、コネクタ55が
図12Bに示される通気弁84上で装着されると、中心軸69に対してほぼ垂直である方向で延出し得る。張り出し部材44は、外側表面43及び内側表面42を画定する。内側表面42は、中心軸69に対してほぼ垂直な方向で延在する開口部を画定する。開口部41は、本体部分51によって画定される開口部47から張り出し部材44の自由端40へと向かって延在し得る。開口部41は、導管52の一部分を受け、導管52をコネクタ55に接続するように構成され、かつ寸法付けされる。導管52の一部分は、開口部41内に位置付けられ、コネクタ55と導管52のそのような部分との間の摩擦嵌合接続を確立し得る。
【0032】
図14A〜B及び15A〜Cを参照すると、カートリッジアセンブリ60の実施形態は、導管52からカートリッジアセンブリ60に入る流体を制御するように構成される弁39を含む。弁39は、第1の、つまり近位端12及び第2の、つまり遠位端11を画定する。図示される実施形態において、弁39は、ストップコック弁である。しかし、弁39は、導管52とカートリッジアセンブリ60との間の流体の流れを制御することができる、いずれの種類の弁でもあり得る。図示される実施形態において、弁39は、握り38と、握り38から延在する固定部37と、を含む。握り39は、使用者による弁39の回転を容易にするように構成される。図示される弁39は、握り38を含むが、弁39が使用者による弁39の回転を容易にするために好適ないずれの種類のハンドルも含み得ることが想起される。図示される実施形態において、握り38は、本体部分36と、本体部分36から外側に延在する1つ以上のウィング35と、を含む。握り38は、本体部分36の反対側から半径方向に外側へ突出する一対のウィング35(
図15A〜Cを見よ)を含み得る。固定部37は、本体部分36から下向きに延在し、外側表面34及び内側表面33(
図15Cを見よ)を画定する。固定部37の少なくとも一部分は、コネクタ55の開口部47(
図13A〜13C)内で受けるように構成され、かつ寸法決めされる。内側表面33は、横方向のチャネル31から弁39の遠位端11に向かって延在する内側チャネル32を画定する。内側チャネル32は、弁39がカートリッジアセンブリ60に接続されると、中心軸69に沿って(又は中心軸69にほぼ平行に)延出し得る。弁39は、横方向のチャネル39を更に画定し、横方向のチャネル39は、内側チャネル32との流体連通した状態で配置される。横方向のチャネル31は、弁39がカートリッジキャップ66に連結されると、中心軸69に対してほぼ垂直な方向で、内側チャネル32から外側表面34に延出し得る。横方向のチャネル31は、内側表面33及び固定部37の外側表面34を通って延在する。図示される実施形態において、横方向のチャネル31は、固定部37に配置される。しかし、横方向のチャネル31は、内側チャネル32と流体連通した状態である限り、弁39に沿うその他の位置に配置され得る。
【0033】
続けて
図14A〜B及び15A〜Cを参照すると、固定部37は、カートリッジキャップ66の空洞97(
図6及び8)内で受けるように構成され、かつ寸法決めされるネジ付き部分30を含み得る。ねじ付き部分30は、固定部37の外側表面34上に形成される外部ねじ山29を含む。外部ねじ山29は、カートリッジキャップ66のねじ山67(
図8)と嵌合し、したがってカートリッジキャップ66は、弁39に接続され得るように構成される。弁39がカートリッジキャップ66に接続されると、内側チャネル32は、内側チャネル81と流体連通する。
【0034】
続けて
図14A〜B及び15A〜Cを参照すると、カートリッジアセンブリ60は、長手方向の軸69にほぼ平行である方向に細長い水圧式流体導管53を更に含み得る。水圧式流体導管53は、弁39及び/又はカートリッジキャップ66に接続され得る。例えば、水圧式流体導管53は、カートリッジキャップ66及び/又は弁39に接着、圧入、又は溶接され得る。あるいは、水圧式流体導管53は、直接、カートリッジキャップ66及び/又は弁39に射出成形され得る。水圧式流体導管53は、カートリッジキャップ66内に少なくとも部分的に配置される。更に、水圧式流体導管56は、導管52及び内部空洞96を流体的に相互接続するように構成される。水圧式流体導管53は、第1の、つまり近位端54、第2の、つまり遠位端82、外側表面86、及び内側表面88を画定する。内側表面88は、長手方向の軸69にほぼ平行な方向で近位端54から遠位端82へと延在するチャネル92を画定する。水圧式流体導管53は、チャネル92がコネクタ55の開口部41と流体連通した状態にあるように、内側チャネル32内に少なくとも部分的に位置付けられる。
図14Aに図示される実施形態において、水圧式流体導管53の近位端54は、コネクタ55の開口部41とほぼ一直線に配置され得る。あるいは、近位端は、
図14Bに見られるように、先端95の端部94とほぼ一直線に配置され得る。水圧式流体導管53の少なくとも一部分は、内側チャネル81に配置される。更に、水圧式流体導管53の少なくとも一部分は、カートリッジ本体63の内部空洞96の中に延在する。例えば、水圧式流体導管53の少なくとも遠位端82は、内部空洞96内に配置され得る。
【0035】
続けて
図14A〜B及び15A〜Cを参照すると、動作において、水圧式流体導管53は脱気を容易にする。上述のように、通気弁84は、開位置と閉位置との間で移動し得る。通気弁84が閉位置にあるとき、横方向のチャネル65の出口13は遮断され、ゆえに空気等の気体は、内側チャネル81内に格納され、出口13を通って脱出し得ない。通気弁84が開位置にあるとき、内側チャネル81内の気体は、出口13を通って外部環境に脱出し得る。水圧式流体導管53が内側チャネル81内に少なくとも部分的に配置されないとき、内側チャネル81内の水等の液体は、気体と干渉し、それによって気体が出口13を介してカートリッジアセンブリ60から出ることを阻止又は少なくとも抑制し得る。動作において、流体チャネル53は、横方向のチャネル31を通って入る流体の流れを導くことによって脱気を容易にする。詳細には、横方向のチャネル31を通ってカートリッジアセンブリ60に入る水等の液体は、流体導管32のチャネル92の中に流入し、最終的には、カートリッジ本体63の内側の空洞96に達する。通気弁84が開位置にあるとき、空洞96内の空気等の気体は、流体導管32の外側表面86を囲繞する内側チャネル81の部分を通って流れ、出口13を通ってカートリッジアセンブリ60から出ることができる。場合によって、水圧式流体導管53のチャネル92を通過する液体は、気体と干渉せず、ゆえに、気体が水圧式流体導管53を囲繞する内側チャネル81の部分を通って自由に流れることを可能にする。したがって、通気弁84は、横方向のチャネル65が遮断され、それによって内側チャネル81内の気体が外部環境に出ることを妨げる開位置と、横方向のチャネル95が外部環境と流体連通した状態にあり、それによって内側チャネル81内の気体が外部環境に脱出する閉位置との間で移動するように構成される。
【0036】
続いて
図14A〜B及び15A〜Cを参照すると、弁39は、開位置と閉位置との間で移動(例えば、カートリッジキャップ66に対して回転する)するように構成される。開位置において、横方向のチャネル31は、ほぼ整列してコネクタ55の開口部41(
図13C)と流体連通した状態にあり、導管52と内側チャネル32との間で流体連通を確立し、それによって導管52をカートリッジアセンブリ60の内側チャネル81と流体的に連結させる。したがって、開位置において、弁39は、流体が導管52とカートリッジアセンブリ60との間へと進むようにすることを可能にする。閉位置において、弁39は、流体が導管52とカートリッジアセンブリ60との間へと進むようにすることを阻止し、又は少なくとも抑制する。図示される実施形態において、横方向のチャネル39は、弁39が閉位置にあるとき、コネクタ55の開口部41(
図13C)と整列せず(即ち開口部41と流体連通した状態にない)、それによって液体が導管52とカートリッジアセンブリ60との間へから進むようにすることを妨げ、又は少なくとも遅らせる。
【0037】
尚、更なる実施形態において、
図16に示されるように、通気弁84は、
図13A〜13Cに示され、
図12Aに示される実施形態と類似するように、コネクタ55内部に少なくとも部分的に配置されるが、しかし、
図16において、通気弁84は、押し下げ可能なボタン又は押し下げられると、開いてシステムを通気するように構成されるディスクとして構成される。図示される実施形態において、通気弁84は、外側表面28と内側表面27とを含む。内側表面27は、通気弁84がカートリッジ60に接続されると、中心軸69に沿って延出する内側チャネル26を画定する。通気弁84がカートリッジキャップ66に接続されると、内側チャネル26は、カートリッジ60の内側チャネル81と流体連通した状態にある。内側チャネル26は、外部環境に通じる通気栓16で終端する。通気弁84は、近位端部分25と、遠位固定部分24と、近位端部分25と遠位固定部分24との間に配置される中心部分23と、を含む。中心部分23は、コネクタ55の開口部47(
図13A〜13C)内で受けられるように構成され、かつ寸法決めされる。遠位固定部分24は、カートリッジキャップ66の空洞97(
図6及び8)内で受けられるように構成される。加えて、遠位固定部分24は、外側表面28に形成される外部ねじ山22を含む。外部ねじ山22は、カートリッジキャップ66のねじ山67と嵌合するように構成され、通気弁84をカートリッジキャップ66と連結する。近位端部分25は、中心軸69に沿って移動するように構成される押し下げ可能なボタン又はディスク19と、ボタン19に取り付けられた桿体等の伸長された部材18と、を含む。伸長された部材18は、ボタン19に接続される第1の、つまり近位端17と、第2の、つまり遠位の拡大された端部15と、を有する。伸長された部材18の遠位の拡大された端部15は、通気弁84が閉位置にあるとき、通気栓16を遮断するように構成され、かつ寸法決めされ、それによって内側チャネル27及び内側チャネル81内の流体が外部環境に解放されることを阻止する。通気弁84を開位置に移動するために、使用者は、ボタンを下向きに(即ち、カートリッジキャップ66へと向かって)押し、遠位の拡大された端部15を通気栓16から分離し得る。開位置において、伸長された部材18の遠位の拡大された端部15は、通気栓16を遮断せず、ゆえに内側チャネル26及び内側チャネル81内の流体が外部環境に出ることを可能にする。
【0038】
図2〜19を更に参照すると、カートリッジ本体63は、所望のように、例えば示されるような共通の円筒の注射器として成形され得る。上述のように、外側表面91及びカートリッジ本体の内側表面90の両方は、中心軸69に沿って近位端87からカートリッジ本体63の遠位端93へと延在する。内側表面90は、内側キャップチャネル81と流体密に連通する固定された容量を有する内部空洞96を画定する。ピストン等の摺動可能なプランジャ99は、空洞96内に配置され、内部空洞96に幾何学的に一致するように成形される。プランジャ99は、少なくとも1つのシール又はシールリップ102、例えば、流体密に連通する内側表面90を係合するプランジャ99の外側周辺部に沿って周囲方向に配置されるOリングを含み得る。
図19に示される実施形態において、プランジャ99は、第1の、つまり近位端103、第2の、つまり遠位端106、及び近位端103と遠位端106との間に延在する外側表面98を画定する。外側表面98は、外辺部のプランジャ99の周囲に延在する環状の溝等の少なくとも1つの溝101を画定する。溝101は、近位端103と遠位端106との間に配置され、シール又はシールリップ102を固く受けるように構成され、かつ寸法決めされる。例えば、溝101は、少なくとも1つのOリングを受けるように構成され、かつ寸法決めされ得る。プランジャ99は、空洞96内で軸方向に移動し得、プランジャ99の近位に位置する空洞96の第1の流体部分113とプランジャ99の遠位に位置する空洞96の第2のセメント部分116との間に、可変障壁を画定する。第2のセメント部分116は、標的解剖学的部位の中に注入されるある量の骨セメントを収容し得る。内部空洞96が固定された容量を有するので、プランジャ99の遠位の移動は、第1の流体部分113の容量の増大及び第2のセメント部分116の容量と等量の減少を引き起こすであろう。したがって、第1の流体部分113の容量と空洞96内のプランジャ99の軸方向の移動に従属する第2の流体部分116の容量との間には、逆数の関係が存在することが、理解され得る。内部空洞96は、プランジャ99が内部空洞96内で第1の位置から第2の位置へと移動可能である障壁表面115を画定し、内部空洞99から流体を排出するように、プランジャ99を摺動可能に支持する。
【0039】
内部空洞96は、放出開口部105として遠位端93で終端する。図示される実施形態において、カートリッジ本体63は、放出開口部105を画定するルアーテーパー又は先端104を含み得る。カートリッジ60は、カートリッジ本体63及びカニューレを取り付けたニードル110が互いに流体密に連通して、套管針、例えば椎体形成術のニードル等のカニューレを取り付けたニードル110と接続するように構成される遠位端93でニードル締結具108を更に含み得る。示される実施例において、ニードル締結具108は、当該技術分野において既知であるルアーロック取付け具内で、カニューレを取り付けたニードル110の近位端に連結される。図示される実施形態において、ニードル締結具108は、カートリッジ本体63の遠位端93に、又はその付近に配置され、ニードルの外部ねじ山又はその他の好適な注入装置と嵌合するように構成される内側ねじ山107を含む。理解され得るように、互いに流体密に連通する要素を接続する、当該技術分野において既知であるいずれの数の好適な設計も、本明細書に記載されるカートリッジアセンブリの締結具に関する本開示の範囲内である。
【0040】
動作中、加圧された流体は、第1の流体部分113内のプランジャ99の近位の空洞96の中に入る。加圧された流体が第1の流体部分113を充填すると、プランジャ99を中心軸69に沿って遠位に付勢する軸方向の力をプランジャ99に発揮し、それによって第1の流体部分113の容量の増加を引き起こし、第2のセメント部分116の容量を減少させる。加圧された流体が第1の流体部分113を充填及び拡張し続け、プランジャを遠位に押し出すと、第2のセメント部分116に収容される骨セメントは、放出先端105を通ってカニューレを取り付けたニードル110の中に、そして最終的に標的解剖学的部位に排出され得る。したがって、本明細書で開示される水圧式注入システムが、記載されるセメントカートリッジから標的解剖学的部位に骨セメントを適用するために好適な、いずれの型のカニューレを取り付けたニードル又はルーメンも更に含み得ることが理解されるべきである。
【0041】
水圧式注入器
ここで
図1及び20を参照すると、水圧式注入システム50は、カートリッジアセンブリ59に加圧された流体を送達するように構築される水圧式注入器125を含む。示される実施形態において、注入器125は、中心軸147に沿ってハウジング128内に配置される内部流体チャンバ、つまりチャネル168を画定する注射器として成形される、外側ハウジング128を含む。注入器125は、流体収容容器150、ピストン134、及び1つ以上の出口ポート159を更に含む。一定の実施形態において、流体収容容器150は、流体を収容するように適合される注射器として構成され得、流体収容容器150は、収容容器のプランジャ215を更に含み得る。流体収容容器150は、いずれの好適な水圧流体も保持するように構成される。好適な水圧流体としては、水及び生理食塩水が挙げられるが、これらに限定されない。更に、水圧流体は、液体又は気体であり得る。
図1及び20に例示されるように、注入器125は、弁本体156及び弁本体156に接続される出口制御スイッチ171を同様に含む、出口制御弁アセンブリ155を更に含む。結果的に、注入器125は、下に記載されるような複数の出口ポート159を通して、加圧された流体の流れを分岐させ得る。実施形態において、弁本体156は、ハウジング128の一部である。例えば、弁本体156は、ハウジング128内に一枚岩的に形成され得る。導管52は、水圧式注入器125の少なくとも1つの出口ポート159及びセメントカートリッジアセンブリ59を流体的に相互接続し、流体チャンバ168及びカートリッジ本体63の内部空洞96を互いに流体連通した状態に置くように構成される。
【0042】
注入器125は、収容容器150から流体チャンバ168を通り、出口制御弁アセンブリ155を更に通り、最後に出口ポート(複数可)159を通って流体流路を画定する。流体チャンバ168は、外側ハウジング128によって周辺に画定され、ピストン134は、少なくとも部分的に流体チャンバ168内に配置される第1の端部186を有する。第1のピストンの端部186は、流体密に連通した状態にある軸壁部183を係合する第1のピストン端部186の外側周辺部近辺に周囲方向に配置される少なくとも1つのピストンシール192、例えばOリングを含む。ピストン134の少なくとも一部分は、流体チャンバ168を越えて延在し、使用者によって手動で係合され、ピストン134を作動させるように構成されるピストングリップ218を含み得る第2のピストン端部189を含む。例示される実施形態によれば、ピストングリップ218は、指リングとして構成される。理解され得るように、ピストングリップ218は、ピストン134を手動で作動させるときに使用者を補助し得るように、所望の様々な形状又は構成のいずれでもあり得る。
【0043】
図23に示されるピストン134の実施形態において、ピストングリップ218は、プラスチック製であり、ピストン134の軸152に取り付けられる。プラスチックのピストングリップ218は、軸152の上に成形され得、金属製であり得る。軸152は、近位の、つまり第1の終端部157と、遠位の、つまり第2の終端部158とを含む。ピストングリップ218は、成形される等して、軸152の近位端部分157に取り付けられる。軸152の遠位端部分158は、肩部160と先端161とを含む。先端161は、ほぼ円錐台形の形状を有し得る。遠位端部分158は、軸152の外辺部近辺に延在する溝163を更に画定し得る。溝163は、Oリング等のシール164(
図20)を受けるように構成され、かつ寸法決めされる。シール164は、ピストン134とハウジング128との間で流体密な接続を確立するように構成される。
【0044】
ピストン134の別の実施形態において、ピストン134は、部分的に、又は全体として金属製であり得、リング形状のピストングリップ218を含まない。逆に、本実施形態のピストングリップ218は、刻み付き外側表面220を有するほぼ固体の本体219を含む。固体の本体219は、ほぼ円筒の形状を有し得る。
【0045】
ハウジング128は、注入器125を操作する使用者のための付加的制御及び/又は支持物を提供し得る少なくとも1つの受金物221を更に含む。示される実施例において、軸線147によって分離されるハウジング128の反対側に配置される指リングとして構成される、2つの受金物221がある。理解され得るように、受金物221は、注入器125を制御及び支持する使用者を補助し得るように、2個を超える、又は2個未満の所望の様々な形状又は構成のいずれでもあり得る。
【0046】
注入器125は、流体流路に沿って流体収容容器150と流体チャンバ168との間に配置された吸込み逆止め弁162を更に含み、流体が流体収容容器150内の収容容器の開口部195から流体チャンバ168の中に一方向に流れることを可能にし、上記のようなやり方で動作する。収容容器150は、収容容器の開口部195と吸込み逆止め弁162との間で、例えばルアーロック接続によって流体密なコネクタによってハウジング128と接続され得、例示的な図に示されるように直接的に接続され得、又は先に記載されたように、別の方法としては、管材を介して間接的に接続され得る。加えて、先に記載されたように、収容容器150は、ハウジング128の一体部として形成され得る。吸込み逆止め弁162は、流体収容容器150と流体チャンバ168との間に配置される。動作において、吸込み逆止め弁162は、流体が流体収容容器150から流体チャンバ168へと向かう方向に沿って進むことを可能にし、流体が流体チャンバ168から流体収容容器150へと進むことを阻止する。
【0047】
図21A〜21Eに図示されるハウジング128の実施形態において、ハウジング128は、第1の、つまり近位端132及び第2の、つまり遠位端133を画定する。流体チャンバ168は、近位端132から延在し、弁本体156で終端し、その結果、流体チャンバ168は、出口制御弁アセンブリ155と流体連通した状態にある。上述のように、出口制御弁アセンブリ155の弁本体156は、ハウジング128の一部であり得る。ハウジング128は、中心軸147に対してほぼ垂直であり得る横方向のチャネル135を更に画定する。横方向のチャネル135は、吸込み逆止め弁162を受けるように構成され、かつ寸法決めされ、流体収容容器150と流体チャンバ168との間に流体連通を確立するように構成される。ハウジング128は、横方向のチャネル135の少なくとも一部分近辺に配置される収容容器の締結具136を更に含む。収容容器の締結具136は、例えば、ルアーロック接続又は流体収容容器150を流体チャンバ168と流体的に連結することができるその他の締結具であり得る。例えば、収容容器の締結具136は、流体収容容器150の内側ねじ山139(
図20)と嵌合するように構成される外部ねじ山138を含み得る。
【0048】
ハウジング128は、近位端132で、又はその付近で外側表面142及びスロット140を更に画定し得る。スロット、つまり開口部140は、チャネル168を受けるピストンから外側表面142へと向かって延在する。図示される実施形態において、スロット140は、中心軸147に対してほぼ垂直の方向に延在する。スロット140は、機械的ラッチ143を受けるように構成され、かつ寸法決めされる。機械的ラッチ143は、ピストン134が近位方向(即ち、出口制御弁アセンブリ155から離れて)に移動されるとき、ピストン134が完全に流体チャンバ168から出ることを阻止し、又は少なくとも抑制する。
図22に図示される実施形態において、機械的ラッチ143は、本体部分145と、本体部分145から延在する一対の支柱146と、を含む。本体部分145及び支柱146は、ピストン134の少なくとも一部分を受けるように構成され、かつ寸法決めされるノッチ、つまり開口部48を集団的に画定する。支柱146は、互いにほぼ平行に向く。それぞれの支柱146は、自由端151にフック149を含む。フック149は、スロット140の少なくとも一部分を通過してスロット140を形成する壁部に接触し、機械的ラッチ143がハウジング128に連結されるように構成される。操作において、使用者は、ピストン134の肩部が機械的ラッチ143に接触するまで、出口制御弁アセンブリ155から離れた方向にピストン134を移動させ得る。肩部が機械的ラッチ143に接触すると、機械的ラッチ143は、ピストン134が近位方向(即ち、出口制御弁アセンブリ155から離れて)に更に移動することを阻止し、又は少なくとも抑制する。
【0049】
注入器125は、画定された流体流路に沿って流体チャンバ168と出口制御弁本体156との間に配置される放出逆止め弁を更に含み得る。放出逆止め弁は、放出逆止め弁に関する上記のやり方で構成され、操作されてもよい。示される実施例において、出口制御弁本体156及び出口制御スイッチ171は、三方向のストップコック弁として構成され、上述のように、いずれの代替の実施形態にも付加的に構成され得る。
【0050】
ここで
図20〜21E及び25A〜25Fを参照すると、出口制御スイッチ171は、出口制御スイッチ171が回転可能に出口制御弁本体156内に据付けられるように、出口制御スイッチ171を出口制御弁本体156に連結するプラグ部分198を含む。例示される実施形態によれば、出口制御弁アセンブリ155は、T弁又はY弁として例示され、三(3)方向のストップコックを画定する。具体的には、
図21Eに見られるように、出口制御弁アセンブリ155は、弁入口チャネル201及び少なくとも1つの弁出口チャネル204、弁本体156の中へと延在する例えば2つの弁出口チャネル204を画定する。示される実施形態において、プラグ部分198は、互いに流体連通した状態にあり、出口制御スイッチ171が回転すると、出口制御弁本体156の弁入口チャネル201及び弁出口チャネル204に回転可能に整列され得る複数の交差するスイッチチャネル207を含む。この回転可能な構成は、加圧された流体の流れの分岐を可能にする。即ち、流体は、出口制御スイッチの回転可能な位置決めに応じて、選択的に、全ての弁出口チャネル、例えば2つの弁出口チャネル、若しくは別の方法としては、1つの選択された弁出口チャネルのみの中に入り得、又は尚、更にはいずれの弁出口チャネルの中にも入らなくてもよい。出口制御弁アセンブリ155が、例えば、注入器125が2つを超える出口ポート159を含むとき、2つを超える弁出口チャネル204に加圧された流体を選択的に供給するように構成され得ることが理解されるべきである。例えば、注入器125は、3つ又は4つを超える出口ポート159を含み得、出口制御弁アセンブリ155は、等量の数の弁出口チャネル204で構成され得る。出口制御スイッチ171は、同様に、選択的に整列されて、所望のように、加圧された流体を複数の出口ポートのうちの1つ以上に供給し得、あるいは複数の出口ポートのいずれにも供給しなくてもよい。
【0051】
図25A〜25Fに示されるように、プラグ部分198の実施形態は、第1の、つまり上面端部202及び第2の、つまり底面端部203を画定する本体199を含む。本体199は、上面端部202と底面端部203との間に延在する外側表面205を画定する。プラグ部分198は、第1のスイッチチャネル207a、第2のスイッチチャネル207b、及び第3のスイッチチャネル207cを更に画定する。第1のスイッチチャネル207a及び第2のスイッチチャネル207cは、第3のスイッチチャネル207cと流体連通した状態にある。第1のスイッチチャネル207a、第2のスイッチチャネル207b、及び第3のスイッチチャネル207cのそれぞれは、外側表面205を通って、かつプラグ部分199の本体199の中へと延在する。外側表面205は、Oリング等の流体密なシール209(
図20)を受けるようにそれぞれ構成され、かつ寸法決めされる第1のリセス208a、第2のリセス208b、及び第3のリセス208cを画定する。流体密なシール209は、液密なシールであり得、弁本体156(
図20)とプラグ部分198との間に流体密な接続(例えば、液密な接続)を確立するように構成される。第1のリセス208aは、第1のスイッチチャネル207aの端部近辺の外側表面205に配置される。第2のリセス208bは、第2のスイッチチャネル207bの端部近辺の外側表面205に配置される。第3のリセス208cは、第3のスイッチチャネル207cの端部近辺の外側表面205に配置される。
【0052】
図26Aに示される実施例において、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に完全に開いた配置をとらせる弁本体156に対して第1の位置にある。上述のように、スイッチチャネル207は、第1のスイッチチャネル207aと、第2のスイッチチャネル207bと、及び第3のスイッチチャネル207cとを含む。第1のスイッチチャネル207a及び第2のスイッチチャネル207bは、それぞれ、第3のスイッチチャネル207cと流体連通した状態にある。
図26Aに例示される完全に開いた配置において、第1のスイッチチャネル207aは、整列されて第1の弁出口チャネル204aと流体連通した状態にあり、第2のスイッチチャネル207bは、整列されて第2の弁出口チャネル204bと流体連通した状態にあり、第3のスイッチチャネル207cは、整列されて弁入口チャネル201と流体連通した状態にある。したがって、完全に開いた配置において、流体は、弁入口チャネル201から弁出口チャネル204a及び204bの両方に流れ得る。
【0053】
図26Bを参照すると、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に完全に閉じた配置をとらせる弁本体156に対して第2の位置にある。具体的には、スイッチチャネル207a〜cは、整列せず、又は弁入口チャネル201又は弁出口チャネル204a若しくは204bのいずれとも流体連通した状態ではない。したがって、完全に閉じた配置において、流体が弁入口チャネル201から弁出口チャネル204a及び204bに流れることが阻止される。
【0054】
図26Cを参照すると、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に第1の選択的に開いた配置をとらせる弁本体156に対して第3の位置にある。具体的には、第1のスイッチチャネル207aは、整列されて弁入口チャネル201と流体連通した状態であり、第3のスイッチチャネル207cは、整列されて第2の弁出口チャネル204bと流体連通した状態である。しかし、出口制御スイッチ171の回転の位置決めは、第2のスイッチチャネル207bが弁出口チャネル204aと整列せず、かつ弁出口チャネル204aと流体連通した状態でないようにする。第1の選択的に開いた配置において、流体は、弁入口チャネル201から第2の弁出口チャネル204bには流れ得るが、第1の弁出口チャネル204aには流れ得ない。
【0055】
図26Dに示される実施例において、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に、異なる出口チャネル204を弁入口チャネル201との流体連通した状態に選択的に置く第2の選択的に開いた配置をとらせる弁本体156に対して、第4の位置にある。具体的には、第2のスイッチチャネル207bは、弁入口チャネル201と整列して流体連通した状態にあり、第3のスイッチチャネル207cは、第1の弁出口チャネル204aと整列して流体連通した状態にある。しかし、出口制御スイッチ171の回転位置は、第1のスイッチチャネル207a及び弁出口チャネル204bが互いに整列せず、かつ流体連通した状態ではないようにある。したがって、第2の選択的に開いた構成において、流体は、弁入口チャネル201から弁出口チャネル204aに選択的に流れ得るが、弁出口チャネル204bには流れ得ない。選択的に開いた配置において、弁本体156は、流体が弁入口チャネル201から、かつ第2のスイッチチャネル207bから流れ得ないように第2のスイッチチャネル207bを閉じて密封することが理解されるべきである。
【0056】
出口制御弁本体156及び出口制御スイッチ171は、また、流体チャンバ168及びハウジング128から離間配置され、
図27の実施形態に示されるように管材52を介して接続され得る。
【0057】
ここで
図28〜32Bを参照すると、水圧式注入システム50は、別の実施形態に従って構築され、かつ加圧された流体をセメントカートリッジ60に送達し、カートリッジ本体63に収容される骨セメントをカニューレを取り付けたニードル110の中に、そして最終的には標的解剖学的部位に送達するように構成される、水圧式注入器125を含み得る。例示される実施形態によれば、注入器125は、中心軸147に沿って延在する内部流体チャンバ168を画定する外側ハウジング128を含む。外側ハウジング128は、例示される実施形態によれば、ほぼ注射器形状であり得る。注入器125は、流体収容容器150と、ピストン134と、出口ポート159とを更に含む。注入器125は、収容容器150から流体チャンバ168を通って、最終的には出口ポート159を通る流体流路を画定する。
【0058】
注入器125は、流体流路に沿って流体収容容器150と流体チャンバ168との間に配置された吸込み逆止め弁162を更に含み、水圧流体が流体収容容器150内の収容容器の開口部195から流体チャンバ168の中に一方向に流れることを可能にする。一実施形態によれば、吸込み逆止め弁162のクラック圧が導管52内の加圧された流体の流動抵抗(即ち、逆流)未満であるように、吸込み逆止め弁162は低クラック圧弁である。例えば、低クラック圧弁は、実質的におよそ0KPa以上の低位と、実質的におよそ100kPa以下であり、実質的におよそ50kPa以下、例えば、実質的におよそ20kPa、一実施形態では実質的におよそ10kPa以下であり得る高位と、を有する範囲のクラック圧を有し得る。
【0059】
上記のクラック圧弁が、上記の逆止め弁の対向する側の間の圧力差動を定義し得ることが理解されるべきである。例えば、100kPa以上の定格を有する逆止め弁は、低クラック圧の逆止め弁を提供し得、付勢要素、例えば、0kPa超の付勢力を有するばねは、収容容器のプランジャ215を付勢し、収容容器150から吸込み逆止め弁162を通して流体の流れを押し出すように位置付けられる。そのような配列において、吸込み逆止め弁を開かせる絶対圧力差動は、ばねの付勢力を差し引いた吸込み逆止め弁の弁定格の間の差である。したがって、そのような吸込み逆止め弁は、実際の弁定格よりも低いクラック圧で開き、低クラック圧の逆止め弁として動作するであろう。
【0060】
収容容器150は、収容容器の開口部195と吸込み逆止め弁162との間の流体密な接続によって、例えば、ルアーロック又は代替の接続によってハウジング128に接続され得、例示的な図に示されるように直接的に接続され得、又は別の方法としては、先に記載された管材を介して間接的に接続され得る。加えて、先に記載されたように、収容容器150は、ハウジング128の一体部として形成され得る。
【0061】
ハウジング128は、第1の、つまり近位端132及び第2の、つまり遠位端133を画定する。流体チャンバ168は、中心軸147に沿って近位端132から遠位端133へと延在する。ハウジング128は、中心軸147に対してほぼ垂直であり得る、横方向のチャネル135を更に画定する。横方向のチャネル135は、吸込み逆止め弁162を受けるように構成され、かつ寸法決めされ、流体収容容器150と流体チャンバ168との間に流体連通を確立するように構成される。ハウジング128は、横方向のチャネル135の少なくとも一部分近辺に配置される収容容器の締結具136を更に備える。収容容器の締結具136は、例えば、ルアーロック接続、又は流体収容容器150を流体チャンバ168と流体的に連結し得るその他の締結具であり得る。例えば、収容容器の締結具136は、流体収容容器150の内側ねじ山139(
図31)と嵌合するように構成される外部ねじ山138を含み得る。
【0062】
また、
図33を参照すると、注入器125のハウジング128は、対応する汎用性接続マウント224に隣接して配置される、1つ以上の出口ポート159をも含み得る。出口ポート159は、上記のやり方で流体チャンバ168と流体連通した状態であり得る。接続マウント224は、所望な場合、例えば、ある長さの管材、圧力調整弁、又は圧力監視ゲージと接続するように適合され、出口ポート159は該管材と流体密に連通した状態に置かれる。例えば、注入器125が吸込み逆止め弁及び放出逆止め弁の両方を含む場合、圧力調整弁は、使用者が手動でシステム内の過剰な圧力の蓄積を低減し、又は別の方法としては、阻止し得、加えて、先に上で記載されたようなセメントカートリッジアセンブリからのセメントの流れを制御し得るであろう。
【0063】
水圧式注入器125は、
図1〜33に示されるように、概ね、注射器ポンプとして動作し得る。水圧式注入システム50は、代替のやり方で始動され得る。例えば、流体収容容器150は、収容容器のプランジャ215が作動し、収容容器の開口部195及び吸込み逆止め弁162を通って流体チャンバ168の中に流体を押し出すように、注射器として構成され得る。あるいは、ピストン134は、吸入工程で流体チャンバ168から引き戻され得、吸込み逆止め弁162を開かせて、収容容器の開口部195を通して流体チャンバ168の中に水圧流体を引き込ませる。
【0064】
あるいは、注入器125は、放出逆止め弁を欠き得、水圧式注入システム50は、圧力行程を開始する前に流体で始動され得る。収容容器のプランジャ215は、作動して、収容容器150から流体チャンバ168及び出口ポート(複数可)159の中に、そして最終的に、エアレーション通気弁84が開いて水圧式注入システム50から空気及び流体を一掃し得るセメントカートリッジ60に沿って、流体を押し出し得る。更なる実施形態において、注入器125は、出口制御弁アセンブリ155を含み得、出口制御弁本体156及び出口制御スイッチ171は、開位置で整列され、流体が流体チャンバ168から出口制御弁本体156及び出口制御スイッチ171を通って出口ポート(複数可)159の中に流れることを可能にし得る。
【0065】
一実施形態によれば、注入器125は、放出逆止め弁を含み得、したがって、先に上で記載されたトリガーを基にする注入器の動作に類似する、交互吸引及び圧力行程でのピストン134の反復作動は、水圧流体が収容容器150から水圧式注入システム50を通って移動することを可能にする。ピストン134の反復作動は、例えば、注入器125が低クラック圧の吸込み逆止め弁162を含む場合、流体が水圧式注入システム50を通って流れることをも可能にし得、したがって、ピストン134の吸込行程は、吸込み逆止め弁162が開かせ、それによって水圧流体が収容容器から流れて水圧式注入システム50を充填することを可能にするが、対照的に、水圧流体を水圧式注入システム50から流体チャンバ168の中に引き戻す。
【0066】
一度収容容器150からの流体が流体チャンバ168を充填すると、ピストンは、流体が収容容器150の中に再度入ることを阻止する吸込み逆止め弁162を閉じる圧力行程で作動し得るが、一方で同時に、流体チャンバ168内に格納される流体は、出口ポート(複数可)159へと向かって、又は本明細書に記載される一定の実施形態においては、出口制御弁本体156へと向かって押し出される。更に、先に記載されたように、一定の実施形態に従って構築される注入器125は、出口制御弁アセンブリ155を含み得、したがって、流体の流れは、所望のように、出口制御スイッチ171を位置決めすることによって出口制御弁156で選択的に制御され得、弁出口チャネル204のうちの1つ以上を通って流れ得る。したがって、ピストン134は、第1の、つまり近位位置と第2の、つまり遠位位置との間でハウジング128に対して移動し得る。ピストン134が第1の位置から第2の位置(即ち、加圧された行程)に移動するとき、流体チャンバ168内の水圧流体は、出口ポート(複数可)159を介してハウジング128から排出され得る。実施形態において、ピストン134の第1の位置から第2の位置への移動は、出口ポート(複数可)159から離れた方向での移動である。ピストン134が第2の位置から第1の位置(即ち、吸込行程)に移動するとき、流体収容容器内の水圧流体は、流体チャンバ168へと向かって進むようにする。実施形態において、ピストン134の第2の位置から第1の位置への移動は、出口ポート(複数可)159へと向かう方向での移動である。
【0067】
実施形態によれば、ピストン134の継続的反復作動は、水圧式注入システム50を通る加圧された流体の流れを維持する。例えば、水圧式注入システム50が収容容器のプランジャ215の作動によって流体で始動される別の実施形態によれば、ピストン134の単一に維持される圧力行程は、水圧式注入システム50を通る加圧された流体の流れを維持する。したがって、加圧された流体の流れがピストン134の単一の作動並びにピストン134の複数の反復作動によってセメントカートリッジアセンブリ59に送達され得ることが理解され得る。加圧された流体は、先に記載されたように、最終的にセメントカートリッジアセンブリ59に達し、したがって、カートリッジ60から標的解剖学的部位(複数可)、例えば、二足の椎体形成術/骨セメント療法の処置における脊髄の椎骨に、ある量の骨セメントを移動させるために十分な水圧力を提供する。典型的には、一作動毎に注入される骨セメントの量は、0.1〜1mL程度である。実施形態において、水圧式注入器125の流体チャンバ168の容量は、セメントカートリッジアセンブリ59の内部空洞96の容量よりも著しく小さいことがあり得る。結果として、本実施形態において、ピストン134の複数の反復作動は、セメントカートリッジアセンブリ59からの全ての骨セメントを排出するように行われ得る。
【0068】
一実施形態によれば、標的解剖学的部位に骨セメントを注入するための方法は、別途記載のない限り、所望のいずれかの順序での以下の工程のうちの1つ以上から最大で全てを含み得る。例えば、本方法は、セメントカートリッジの内部空洞を骨セメントで充填する工程と、標的解剖学的部位にアクセスするカニューレを取り付けたニードルにセメントカートリッジを接続する工程と、注入器が注入器上に位置する少なくとも1つの出口ポートを通って加圧された流体をカートリッジに送達し得るように、ある長さの管材を介してセメントカートリッジを水圧式注入器に接続する工程と、加圧された流体が注入器内の流体収容容器から出口制御弁本体及び出口制御スイッチを経由し、かつ少なくとも1つの出口ポートを通って、選択的に導かれ得るように、出口制御弁本体に対して注入器の出口制御スイッチを選択的に移動させる工程と、注入器のピストンを作動させて、流体を流体収容容器からセメントカートリッジに押し出す工程と、カートリッジからカニューレを取り付けたニードルを通って標的解剖学的部位に骨セメントを水圧的に押し出す工程と、を含み得る。
【0069】
一実施形態によれば、骨セメントを標的解剖学的部位に注入するための方法は、別途記載のない限り、所望のいずれかの順序での以下の工程のうちの1つ以上から最大で全てを含み得る。例えば、本方法は、セメントカートリッジの内部空洞の中にセメントを導入する工程と、標的解剖学的部位にアクセスするように構成され、セメントカートリッジの内部空洞をニードルとの流体連通した状態に置くカニューレを取り付けたニードルにセメントカートリッジを接続する工程と、注入器が注入器の第1及び第2の出口ポートのうちの少なくとも1つを通して加圧された流体をカートリッジに送達し得るように、導管を介してセメントカートリッジを水圧式注入器に接続する工程と、水圧式注入器の出口制御弁アセンブリを作動させて、注入器から選択的に導かれ得る加圧された流体を出口制御弁アセンブリを通って、第1の出口ポート及び第2の出口ポートのうちの少なくとも選択された1つの中に導く工程と、注入器のピストンを作動させて水圧式注入器からセメントカートリッジに流体を押し出し、セメントカートリッジからカニューレを取り付けたニードルを通って標的解剖学的部位に水圧的に骨セメントを押し出す手順と、を含み得る。ピストンを作動させる工程は、1回を超えて反復され得る。本方法は、閉位置から開位置にセメントカートリッジの通気弁を選択的に移動し、ピストンを作動させる前に気体をセメントカートリッジから除去する工程を更に含み得る。
【0070】
別の実施形態によれば、骨セメントを標的解剖学的部位に注入するための方法は、別途記載のない限り、所望のいずれかの順序での以下の工程のうちの1つ以上から最大で全てを含み得る。例えば、本方法は、セメントカートリッジの内部空洞を骨セメントで充填する工程と、セメントカートリッジを標的解剖学的部位にアクセスするカニューレを取り付けたニードルに接続する工程と、注入器が注入器上に位置する少なくとも1つの出口ポートを通って加圧された流体をカートリッジに送達し得るように、ある長さの管材を介してセメントカートリッジを水圧式注入器に接続する工程と、注入器のピストンを作動させて流体収容容器からセメントカートリッジアセンブリに流体を押し出し、注入器は、流体流路に沿ってピストンと流体収容容器との間に配置される低クラック圧を有する吸込み逆止め弁を含む工程と、カートリッジからカニューレを取り付けたニードルを通って標的解剖学的部位に骨セメントを水圧的に押し出す工程と、を含み得る。
【0071】
本方法は、吸込み逆止め弁の低クラック圧が、流体収容容器からの付加的な流体が1つ以上のセメントカートリッジの中に入ることを可能にするように、ピストンを作動させる反復工程を更に含み得る。
【0072】
別の実施形態によれば、骨セメントを標的解剖学的部位に注入するための方法は、別途記載のない限り、所望のいずれかの順序での以下の工程のうちの1つ以上から最大で全てを含み得る。例えば、本方法は、骨セメントをセメントカートリッジの内部空洞の中に導入する工程と、標的解剖学的部位にアクセスするカニューレを取り付けたニードルにセメントカートリッジを接続する工程と、セメントカートリッジの内部空洞が導管を介して流体収容容器と流体連通した状態であり、注入器が導管を介して流体収容容器から内部空洞に加圧された流体を送達できるように、流体収容容器を有する水圧式注入器にセメントカートリッジの第1の端部を接続する工程と、セメントカートリッジの内部空洞をニードルとの流体連通した状態に置くように、標的解剖学的部位にアクセスするように構成されるカニューレを取り付けたニードルにセメントカートリッジの第2の端部を接続する工程と、注入器を作動させて流体収容容器から内部空洞に流体を押し出し、注入器が、ピストンと加圧された流体が流体収容容器の中へと進むようにすることを阻止する流体収容容器との間に配置された吸込み逆止め弁を含む工程と、カートリッジからカニューレを取り付けたニードルを通って標的解剖学的部位に骨セメントを水圧的に押し出すように、流体収容容器からの流体をセメントカートリッジに逆らって動かす工程と、を含み得る。ピストンを作動させる工程は、1回を超えて反復され得る。本方法は、セメントカートリッジの通気弁を閉位置から開位置に選択的に移動させて、ピストンを作動させる前にセメントカートリッジから気体を除去することを更に含み得る。
【0073】
ここで
図34を参照すると、水圧式注入器125は、加圧された流体をカートリッジ60に送達するように構成される。加圧された流体は、上記のように、カートリッジ60からカニューレを取り付けたニードル110の中に低い粘性及び高い粘性の両方の骨セメントを含む、ある量の骨セメントを排出するために十分な水圧力を有し得る。例示される実施形態によれば、注入器125は、銃又はピストルとして成形され、軸方向に中心軸147に沿って細長いバレル部分141を有する外側ハウジング128と、ほぼバレル部分141から中心軸147に対して角度の付いた状態で斜めである方向に沿って延在するハンドル部分144とを、含む。水圧式注入器125は、トリガー129のトリガーアーム131がバレル部分141の下に延在し、かつ中心軸147に平行に軸方向の構成要素を有する方向に沿って移動(例えば、並進)することができるように、ハウジング128のバレル部分141に枢動可能に取り付けられる、トリガー129を更に含む。
【0074】
ここで
図35〜36を参照すると、注入器125は、流体収容容器150と、流体収容容器150に連結され、流体収容容器150と流体連通した状態にある圧力チャンバ153と、トリガー129及び圧力チャンバ153の間に操作可能に連結されるピストン134と、をも含む。注入器125は、圧力チャンバ153と流体連通した状態にある出口制御弁アセンブリ155を更に含み得る。制御弁アセンブリ155は、出口制御弁本体156と、出口制御弁本体156に移動可能に連結される出口制御スイッチ171と、を含む。制御弁アセンブリ155は、制御弁本体156によって支えられる一対の出口ポート159等の少なくとも1つの出口ポート159を更に含む。出口制御スイッチ171は、1つ以上の出口ポート159を経由して加圧された流体を選択的に供給し、又は入口の流体が出口ポート159のどちらかの中に流れることを遮断するように弁アセンブリ155を構成する、複数の位置の間で移動され得る。結果的に、使用者は、所望のように特定の出口ポート159(複数可)を経由して加圧された流体を選択的に制御し得る。示される実施例において、注入器125は、2つの出口ポート159を含み、使用者は、出口制御スイッチ171の位置決めを調節することによって出口ポート159のうちの1つ又は両方を経由して、若しくはいずれも経由せずに、加圧された流体の流れを分岐し得る。出口ポート(複数可)159から流れる加圧された流体は、管材52を通ってカートリッジ60へと進みように、そこでカートリッジ60からある量の骨セメントを押し、又は放出するために十分な力を発揮し得る。
【0075】
注入器125は、図面に示されるように、2つを超える又は2つ未満の出口ポート159でも構成され得ることが理解されるべきである。例えば、注入器125は、3つ又は4つの出口ポート159、又は本開示の範囲内で所望のいずれかの数等、2つを超える出口ポート159を画定し得る。注入器125が6つもの出口ポート159を格納し得ることが本開示の範囲内で想到される。水圧式注入器125は、例えば、水圧式注入器125が単一の出口ポート159を画定し、出口制御弁アセンブリ155によって提供される選択的な流体の流れが所望でない場合、制御弁アセンブリ155を欠き得る。あるいは、水圧式注入器125が単一の出口ポート159を確定する場合、水圧式注入器125は、圧力チャンバ153から単一の出口ポート159への流体の流れを選択的に阻止又は可能にするように構成され得る、出口制御弁アセンブリ155を更に含み得る。
【0076】
続けて
図35〜36を参照すると、注入器125は、収容容器150からの流体流路を圧力チャンバ153を経由して出口制御弁アセンブリ155へと画定する。流体流路は、出口ポート(複数可)159を経由する出口制御弁アセンブリ155によって画定される選択的な流体流路部分を更に含む。圧力チャンバ153は、吸込み逆止め弁162と放出逆止め弁165とを含み、ピストン134の少なくとも一部分を摺動可能に受けるように構成される、ピストン保持ボア168を画定する。具体的には、ピストン保持ボアは、圧力チャンバ153の内側表面183によって画定される。保持ボア168は、例示されるように、圧力チャンバ153の中に軸方向に延在し、圧力チャンバ153内で終端し得る。ピストン134は、ピストン保持ボア168内に少なくとも部分的に配置される第1の端部186を画定する。第1のピストン端部186は、第1のピストン端部186でピストン134の外側周辺部近辺に周囲方向に配置される少なくとも1つのピストンシール192、例えばOリングを含み、内側表面183を係合して流体密シールを画定するように構成される。ピストン134は、ピストン保持ボア168から外に延在し得、特に、トリガー131に接触するように適合される第2のピストン端部189を画定する。注入器125は、トリガー131と圧力チャンバ153の一部分との間のピストン134の少なくとも一部分を囲繞するコイルスプリング137等の付勢部材を更に含み、圧力チャンバ153の少なくとも一部分を更に囲繞し得る。
【0077】
吸込み逆止め弁162は、画定される流体流路に沿って流体収容容器150と流体チャンバ168との間に配置され、流体収容容器150内の収容容器の開口部195から流体チャンバ168への方向に沿った一方通行の流体の流れを可能にする。収容容器の開口部195は、例えば、ルアーロック接続によって吸込み逆止め弁162と流体密に連通し、例示的な図に示されるように直接的に接続され得、又は別の方法としては、内部管材を介して間接的に接続され得る。同様に、放出逆止め弁165は、画定される流体流路に沿って流体チャンバ168と出口制御弁本体156との間に配置され、出口逆止め弁本体156への方向に沿う、かつ、その方向に、流体チャンバ168からの一方通行の流体の流れを可能にする。例示される実施形態によれば、放出逆止め弁165は、放出逆止め弁165と出口制御弁本体156との間で接続される内部管材174を介して、出口制御弁本体156と流体連通した状態に、具体的には、流体密に連通した状態にある。あるいは、放出逆止め弁165は、出口制御弁本体156に直接的に接続され得る。示される実施例において、放出逆止め弁165及び吸込み逆止め弁162は、当該技術分野において既知であるボール逆止め弁として構成される。いずれの好適な逆止め弁も、所望のように、吸込み逆止め弁又は放出逆止め弁として使用され得ることが理解されるべきである。
【0078】
注入器125は、放出逆止め弁165と出口制御弁本体156との間に画定された流体流路に沿って配置される圧力調整弁177を更に含み得る。例示される実施形態によれば、圧力調整弁177は、当該技術分野において既知であるボール逆止め弁として圧力チャンバ153内に配置される。手動レリーフスイッチ180は、使用者によるスイッチ180の作動が圧力調整弁177を開くように圧力調整弁177に接続され得、したがって、圧力チャンバ153を通気して気圧を下げる。圧力調整弁177は、先に記載されたように、セメントカートリッジ60に送達される加圧された流体の使用者制御を可能にするように機能する。例えば、使用者は、スイッチ180を作動させ、その後、先に記載されたセメントカートリッジアセンブリ59からの骨セメントの流れを減速し、又は更には停止させ得るシステム内で、圧力の急速な喪失を可能にし得る。そのようにして、使用者は、手動レリーフスイッチ180及び圧力調整弁177を使用することによって標的解剖学的部位への骨セメントの流れを確実に制御し得る。
【0079】
ここで
図37〜41を参照すると、出口制御スイッチ171は、出口制御スイッチ171が出口制御弁本体156内に回転可能に据付けられるように出口制御スイッチ171を出口制御弁本体156に連結する、プラグ部分198を含む。例示される実施形態によれば、出口制御弁アセンブリ155は、T弁又はY弁として例示される三(3)方向のストップコックを画定する。具体的には、出口制御弁アセンブリ155は、弁入口チャネル201及び少なくとも1つの弁出口チャネル204、例えば、弁本体156の中へと延在する2つの弁出口チャネル204を画定する。示される実施形態において、プラグ部分198は、互いに流体連通した状態にあり、出口制御スイッチ171が回転すると、弁入口チャネル201及び出口制御弁本体156の弁出口チャネル204に回転可能に整列し得る、複数の交差するスイッチチャネル207を含む。この回転可能な構成は、加圧された流体の流れの分岐を可能にする。即ち、流体は、出口制御スイッチの回転可能な位置決めに応じて、全ての弁出口チャネル、例えば2つの弁出口チャネル、若しくは別の方法としては、1つの選択された弁出口チャネルのみの中に選択的に入り得、又は尚、更には、いずれの弁出口チャネルの中にも入り得ない。例えば、注入器125が2つを超える出口ポート159を含む場合、出口制御弁アセンブリ155が加圧された流体を2つを超える弁出口チャネル204に選択的に供給するように構成され得ることが理解されるべきである。例えば、注入器125は、3つ又は4つを超える出口ポート159を含み得、出口制御弁アセンブリ155は、等量の数の弁出口チャネル204で構成され得る。同様に、出口制御スイッチ171は、所望のように、加圧された流体を複数の出口ポートのうちの1つ以上に供給し、又はどれにも供給しないように選択的に整列され得る。
【0080】
図38に示される実施例において、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に完全に開いた配置をとらせる弁本体156に対して第1の位置にある。スイッチチャネル207は、第1のスイッチチャネル207aと、第2のスイッチチャネル207bと、第3のスイッチチャネル207cと、を含む。第1のスイッチチャネル207a及び第2のスイッチチャネル207bは、それぞれ、第3のスイッチチャネル207cと流体連通した状態にある。
図38に例示される完全に開いた配置において、第1のスイッチチャネル207aは、第1の弁出口チャネル204aと整列して流体連通した状態にあり、第2のスイッチチャネル207bは、第2の弁出口チャネル204bと整列して流体連通した状態にあり、第3のスイッチチャネル207cは、弁入口チャネル201と整列して流体連通した状態にある。したがって、完全に開いた配置において、流体は、弁入口チャネル201から弁出口チャネル204a及び204bの両方に流れ得る。
【0081】
図39を参照すると、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に完全に閉じた配置をとらせる弁本体156に対して第2の位置にある。具体的には、スイッチチャネル207a〜cは、弁入口チャネル201又は弁出口チャネル204a及び204bのいずれとも整列又は流体連通した状態にない。したがって、完全に閉じた配置において、流体は、弁入口チャネル201から弁出口チャネル204a及び204bに流れることを阻止される。
【0082】
図40を参照すると、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に第1の選択的に開いた配置をとらせる弁本体156に対して第3の位置にある。具体的には、第1のスイッチチャネル207aは、弁入口チャネル201と整列して流体連通した状態にあり、第3のスイッチチャネル207cは、第2の弁出口チャネル204bと整列して流体連通した状態にある。しかし、出口制御スイッチ171の回転の位置決めは、第2のスイッチチャネル207bが弁出口チャネル204aと整列せず、かつ流体連通した状態ではない。第1の選択的に開いた配置において、流体は、弁入口チャネル201から第2の弁出口チャネル204bに流れ得るが、第1の弁出口チャネル204aには流れ得ない。
【0083】
図41に示される実施例において、制御スイッチ171は、制御弁アセンブリ155に、異なる出口チャネル204を弁入口チャネル201と流体連通した状態に選択的に置く第2の選択的に開いた配置をとらせる弁本体156に対して第4の位置にある。具体的には、第2のスイッチチャネル207bは、弁入口チャネル201と整列して流体連通した状態にあり、第3のスイッチチャネル207cは、第1の弁出口チャネル204aと整列して流体連通した状態にある。しかし、出口制御スイッチ171の回転の位置決めは、第1のスイッチチャネル207a及び弁出口チャネル204bが互いに整列せず、かつ流体連通した状態でないようにする。したがって、第2の選択的に開いた配置において、流体は、弁入口チャネル201から弁出口チャネル204aに選択的に流れ得るが、弁出口チャネル204bには流れ得ない。選択的に開いた配置において、弁本体156は、流体が弁入口チャネル201から、かつ第2のスイッチチャネル207bの外に流れ得ないように、第2のスイッチチャネル207bを閉じて密封することが理解されるべきである。
【0084】
代替的な実施形態において、制御弁アセンブリ155は、あるいは、プラグ部分198が出口制御弁本体156内に摺動可能に据付けられるように代替的に構成され得る。結果的に、出口制御スイッチ171は、完全に開いた配置と、完全に閉じた配置と、並びに第1及び第2の選択的に開いた配置との間で制御弁アセンブリ155を反復適用するように並進され得る。
図42に例示されるように、弁入口チャネル201は、弁出口チャネル204a及び204bにほぼ平行に延在する。プラグ部分198は、少なくとも1つのスイッチチャネル207、例えば2つのスイッチチャネル207を含み、弁入口チャネル201及び弁出口チャネル204に対して垂直に、かつそれらの間に据付けられる。出口制御スイッチ171は、出口制御スイッチ171の移動が弁入口チャネル201及び弁出口チャネル204に対してプラグ部分198の対応する相対的な移動を引き起こすように、弁入口チャネル201及び弁出口チャネル204の整列に対して垂直な線状の可動域を有する。
図42に示されるように、プラグ部分198は、弁入口チャネル201からの流体の流れを可能にするように、スイッチチャネル207を経由し、かつ第1の弁出口チャネル204aの中に整列する。加えて、この特定の構成は、第2の弁出口チャネル204bへの流体の流れを阻止する。図示されないが、出口制御スイッチ171は、出口制御弁本体156内のプラグ部分198の相対的な位置決めに応じて、プラグ部分198が相応して移動し、弁出口チャネル204a及び204bの両方を係合することを可能にし、又は別の方法としては、出口チャネル204a及び204bのどちらをも係合しない、どちらかの方向に選択的に移動し得ることが理解されるべきである。したがって、流体の流れは、加圧された水圧流体が水圧式注入器の出口ポート(複数可)を通って上記のセメントカートリッジアセンブリのうちの1つ以上に導かれ得るように、選択的に分岐され得る。
【0085】
更に、出口制御弁アセンブリ155は、注入器の動作中、セメントカートリッジアセンブリへの加圧された流体の流れを一時停止させるように構成される圧力解放弁を画定し得る。操作中、加圧された水圧流体の流れが、先に記載されたように、弁出口チャネル204のうちのいずれか1つ以上の中に選択的に向けられると、使用者は、弁出口チャネル204のうちの選択された1つ以上への加圧された流体の流れを直ちに停止し得る。例えば、出口制御スイッチ171は、弁出口チャネル204のうちの選択された1つ以上への加圧された水圧流体の流れを中断するように位置付けられ得、それによって弁出口チャネル204のうちの選択された1つ以上に操作可能に連結されるセメントカートリッジへの水圧流体の流れを阻止する。これは、圧力調整弁177及び手動解放スイッチ180に対して、先に上で記載されたのと同様の効果を有し得る。
【0086】
水圧式注入システム50の操作で使用される流体は、流体収容容器150によって供給され得る。流体収容容器150は、流体収容容器の開口部195が、先に記載されたように、吸込み逆止め弁と流体密に連通するように、所望のように構成され得る。
図43Aを参照すると、一実施形態において、流体収容容器150aは、ハウジング128とは別個の予備充填密封された容器であり得る。そのような実施形態において、収容容器150aは、注入器125のバレル部分141内に挿入可能であり、かつ、先に記載されたように、圧力チャンバと流体密に連通して接続するように構成される。
図43Bを参照すると、別の実施形態において、流体収容容器150bは、使用時に好適な流体で充填され得る通常の医療注射器であり得る。そのような実施形態において、収容容器150bは、注入器125のバレル部分141内に挿入可能であり、かつ、先に記載されたように、圧力チャンバと流体密に連通して接続されるように構成される。
図43Cを参照すると、更なる実施形態において、流体収容容器150cは、先に記載されたように、注入器125の一体式構成要素であり、バレル部分141内に収容され、かつ圧力チャンバと流体密に連通して接続される予備充填容器であり得る。
図43Dを参照すると、尚、更なる実施形態において、流体収容容器150dは、注入器125の一体式構成要素であり、バレル部分141内に収容され得る。例えば、流体収容容器150dは、バレル部分141と一枚岩的に形成され得る。
図43Dに示される実施形態において、バレル部分141は、外部環境に対して開く収容容器ポート210と、収容容器ポート210と流体収容容器150dとの間の流体流路に沿って配置される収容容器弁213と、を含む。収容容器ポート210は、最も通常に入手可能な医療注射器と接続し得る、通常のルアーロックとして構成され得る。収容容器弁213は、開閉して、収容容器ポート210と収容容器150dとの間の流体の流れを制御し得る。収容容器弁213が開かれると、流体は、収容容器ポートを介して収容容器150dの中に注入され、又はこれから吐出され得る。加えて、収容容器弁213の閉鎖は、動作中の収容容器150dからの流体漏出を阻止し、システム内の圧力の完全な状態を確実なものとする。
図43A及び43Bに例示される収容容器は、外科医又は内科医が、水圧式注入システムを使用するときに、所望の入手可能ないずれの注射器(又はIV流体を供給するために通常使用されるそれらのようなパウチ又はバッグ等、他の入手可能な滅菌収容容器源)及び流体容量を使用することを可能にするように、設計され得ることが理解されるべきである。
【0087】
再び
図36を参照すると、水圧式注入器125は、トリガーポンプとして構成され得る。先に記載されたように、注入器125は、吸込み逆止め弁162を含み得、放出逆止め弁165を更に含み得る。吸込み逆止め弁162は、流体収容容器150から圧力チャンバ153の中に等、一方向のみへの水圧流体の流れを可能にし、圧力チャンバ153から流体収容容器への流体の流れを阻止するように構成される。同様に、放出逆止め弁165は、一方向のみへの、例えば、圧力チャンバ153から出口ポート(複数可)159又は出口制御弁アセンブリ155のどちらかに水圧流体の流れをも可能にすることができ、そこには、出口制御弁アセンブリ155が含まれる。放出逆止め弁154は、出口ポート(複数可)159から圧力チャンバ153又は出口制御アセンブリ155への水圧流体の流れを阻止するように構成される。
【0088】
逆止め弁の動作の一般的原理は、当該技術分野において既知である。具体的には、逆止め弁は、逆止め弁の対向する側の間で発生する圧力差動の原理に基づいて動作する。逆止め弁は、典型的に、閉じたままであり、潜在的な流体流路を密封し切り得る。逆止め弁は、一度十分な圧力差動が存在して対向する側の間の圧力差動を同等化すると開き、次いで、一度圧力差動が逆止め弁の較正された設定以下に低下すると再密封するように較正される。逆止め弁は、一方向への弁を経由した流体の流れを可能にし得るが、反対方向への流体の逆流を阻止する点で「一方通行」であるように設計され得る。逆止め弁が開き、又は密封するように較正される点又は範囲は、「クラック圧」として当該技術分野において既知である。
【0089】
示されるトリガー131は、第1の中立位置にある。第1の圧力行程において、トリガー131は、中立位置から作動して第2のピストン端部189に接触し、ピストン134を流体チャンバ168の中に移動させる、ピストン134に対する付勢力を適用する。ピストン134は、流体チャンバ168の中に移動すると、圧力チャンバ153内での圧力上昇を発生させる。同様に、圧力上昇は、閉じられた吸込み逆止め弁162を同時に密封する間に、放出逆止め弁のクラック圧に達すると、放出逆止め弁165に開口部の力を適用し、放出逆止め弁165を開き得る。初期的には、プライミング動作において、水圧流体は、収容容器150から圧力チャンバ153の中にまだ入っていなかったであろう。第2の吸込行程において、付勢ばね137は、ピストン134及びトリガー131を先に記載された中立位置に戻すように両方に作用する。ピストン134の流体チャンバ168からの逆行移動は、放出逆止め弁165を閉じさせる圧力チャンバ153内の負圧力を発生させる。吸込み逆止め弁162に対するクラック圧に達すると、逆行の移動も吸込み逆止め弁162を開いた配置に付勢し、それによって流体を収容容器150から流体チャンバ168の中に引き込むであろう。反復圧力行程は、開いた放出逆止め弁165を経由して出口制御弁本体156へと向かって流体チャンバ168内に格納される流体を同時に押し出す間に、吸込み逆止め弁162を閉じた配置に偏向させ、それによって流体が収容容器150に再び入ることを阻止する。先に記載されたように、流体の流れは、出口制御スイッチ171の位置決めによって出口制御弁本体156で選択的に制御され得、所望のように、1つ以上の弁出口チャネル204を通って流れ得る。反復圧力及び吸込行程は、水圧式注入器125を通る出口ポート159の外の加圧された流体の流れを維持し、流体は、先に記載されたように、管材52を通ってセメントカートリッジアセンブリ(複数可)の中に継続的に流れ、したがって、カートリッジアセンブリから標的解剖学的部位(複数可)、例えば、二足の椎体形成術/骨セメント療法の処置における脊髄の椎骨にある量の骨セメントを移動させるために十分な水圧力を提供し得る。
【0090】
本開示はいくつかの実施形態に従って記載されたが、様々な変更、代用、及び改造が、例えば特許請求の範囲に示されるように、本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく本明細書においてなされ得ることが理解されるべきである。したがって、本開示の範囲は、本明細書中に記載される特定の実施形態の処理、機械、製造、及び物質の組成、方法並びに工程に限定されるものではないことが理解されるべきである。例えば、一実施形態による上記の様々な特徴が、別途示めされない限りは他の実施形態に組込まれ得る。更に、当業者は本開示から容易に理解するであろうように、現在存在し、又は後に開発される、本明細書に記載される対応する実施形態とほぼ同じ機能を実行し、又はほぼ同じ結果を得る、処理、機械、製造、物質の組成、方法、又は工程は、本開示に従って使用されることが可能である。
【0091】
本発明の様々な変更及び改造が特許請求の範囲の広範な範囲を逸脱することなくなし得ることが、当業者によって理解されるであろう。これらのいくつかは上述されており、他は当業者に明らかであろう。
【0092】
〔実施の態様〕
(1) 骨セメントを注入するように構成される水圧式注入システムであって、
プランジャと、前記プランジャを摺動可能に支持する内部空洞を画定するカートリッジ本体と、を含み、前記プランジャが、流体を前記内部空洞から排出するように前記内部空洞内で第1の位置から第2の位置へと移動可能である障壁表面を画定するようにする、セメントカートリッジアセンブリと、
流体チャンバを画定するハウジングと、前記流体チャンバと流体連通する流体収容容器と、少なくとも部分的に前記流体チャンバ内に配置される第1のピストン端部を有するピストンと、前記流体収容容器と前記流体チャンバとの間に配置された吸込み逆止め弁であって、流体が前記流体収容容器から前記流体チャンバへと向かう方向に沿って進むことを可能にし、流体が前記流体チャンバから前記流体収容容器へと進むことを阻止する、吸込み逆止め弁と、前記流体チャンバと流体密に連通する少なくとも1つの出口ポートと、を備える、水圧式注入器と、
前記水圧式注入器の前記少なくとも1つの出口ポートと前記セメントカートリッジアセンブリとを流体的に相互接続し、前記流体チャンバ及び前記カートリッジ本体の前記内部空洞とを互いに流体連通した状態に置くように構成される、少なくとも1つの導管と、を備える、水圧式注入システム。
(2) 前記セメントカートリッジアセンブリが、前記カートリッジ本体と流体密に連通して配置されるカートリッジキャップを備え、前記内部空洞が、前記カートリッジ本体の遠位端に位置する放出開口部を有する、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(3) 前記カートリッジ本体の遠位端が、ニードル締結具を備え、前記ニードル締結具が、カニューレを取り付けたニードル(cannulated needle)に接続し、前記カニューレを取り付けたニードルを前記内部空洞と流体連通した状態に置くように構成される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(4) 前記吸込み逆止め弁が低クラック圧の逆止め弁である、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(5) 前記低クラック圧の逆止め弁が、約0kPa〜100kPaの範囲のクラッキング圧を有する、実施態様4に記載の水圧式注入システム。
【0093】
(6) 前記水圧式注入器が、前記流体チャンバと前記少なくとも1つの出口ポートとの間に配置される出口制御弁アセンブリを更に含み、前記出口制御弁アセンブリが、出口制御弁本体と出口制御スイッチとを含み、前記出口制御スイッチがプラグ部分を含み、前記出口制御スイッチの前記プラグ部分が、前記出口制御弁本体内で据付けられ、前記出口制御弁本体が、弁入口チャネル及び少なくとも1つの弁出口チャネルを画定し、前記プラグ部分が、前記出口制御弁本体内の前記弁入口チャネル及び前記少なくとも1つの弁出口チャネルと選択的に整列するように構成される少なくとも2つのスイッチチャネルを含み、前記流体チャンバと前記少なくとも1つの出口ポートとの間の流体の流れが、前記出口制御スイッチの選択的整列によって制御され得るようにする、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(7) 前記セメントカートリッジアセンブリが単一のセメントカートリッジを含む、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(8) 前記セメントカートリッジアセンブリが、少なくとも2つのセメントカートリッジを含む、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(9) 前記少なくとも1つの弁出口チャネル及び前記少なくとも1つの出口ポートが、2つの出口弁チャネル及び2つの出口ポートをそれぞれ含む、実施態様6に記載の水圧式注入システム。
(10) 約0〜少なくとも20MPa(0〜少なくとも200バール)の範囲の圧力を発生させるように構成される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
【0094】
(11) 約0〜少なくとも10MPa(0〜少なくとも100バール)の範囲の圧力を発生させるように構成される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(12) 約0〜少なくとも8MPa(0〜少なくとも80バール)の範囲の圧力を発生させるように構成される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(13) 約0〜少なくとも5MPa(0〜少なくとも50バール)の範囲の圧力を発生させ得る、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(14) 約0〜少なくとも2MPa(0〜少なくとも20バール)の範囲の圧力を発生させるように構成される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(15) 前記水圧式注入器が、放出逆止め弁を更に含み、前記放出逆止め弁が、前記流体チャンバ及び前記少なくとも1つの出口ポートが互いに流体密に連通するように流体流路に沿って前記流体チャンバと前記少なくとも1つの出口ポートとの間に配置される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
【0095】
(16) 前記水圧式注入器が、放出逆止め弁を更に含み、前記放出逆止め弁が、前記流体チャンバ及び前記出口制御弁アセンブリが互いに流体密に連通するように流体流路に沿って前記流体チャンバと前記出口制御弁アセンブリとの間に配置される、実施態様6に記載の水圧式注入システム。
(17) 前記少なくとも1つの導管が、少なくとも50cmである長さを有する、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(18) 前記カートリッジ本体が、骨セメントを収容するように構成される、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(19) 前記セメントカートリッジアセンブリに連結されるように構成されるカニューレを取り付けたニードルを更に備える、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(20) 少なくとも部分的に前記カートリッジキャップ内に配置される水圧式流体導管を更に備え、前記水圧式流体導管が、前記少なくとも1つの導管及び前記内部空洞を流体的に相互接続するように構成される、実施態様2に記載の水圧式注入システム。
【0096】
(21) 前記ピストンが、第1の位置と第2の位置との間で前記ハウジングに対して移動するように構成され、前記ピストンの前記第1の位置から前記第2の位置への移動によって、前記流体チャンバ内の水圧流体が前記少なくとも1つの出口ポートを通って前記ハウジングから排出され、前記ピストンの前記第2の位置から前記第1の位置への移動によって、前記流体収容容器内の水圧流体が前記吸込み逆止め弁を通って前記流体チャンバへと進むようにする、実施態様1に記載の水圧式注入システム。
(22) 前記カートリッジキャップが、内側チャネル及び前記内側チャネルと流体連通する横方向のチャネルを画定し、前記横方向のチャネルが外部環境に通じ、前記セメントカートリッジアセンブリが、通気弁を含み、前記通気弁が、前記横方向のチャネルが遮断され、それによって前記内側チャネル内の気体が外部環境に出ることを妨げる開位置と、前記横方向のチャネルが外部環境と流体連通し、それによって前記内側チャネル内の気体が外部環境へと逃れることを可能にする閉位置との間で移動するように構成される、実施態様2に記載の水圧式注入システム。
(23) 標的解剖学的部位に骨セメントを注入するための方法であって、
セメントカートリッジの内部空洞の中にセメントを導入する工程と、
前記セメントカートリッジを標的解剖学的部位にアクセスするように構成されるカニューレを取り付けたニードルに接続し、前記セメントカートリッジの前記内部空洞を前記ニードルと流体連通した状態に置く工程と、
水圧式注入器が、前記注入器の第1の出口ポート及び第2の出口ポートのうちの少なくとも1つを経由して、前記カートリッジに加圧された流体を送達し得るように、導管を介して前記セメントカートリッジを前記注入器に接続する工程と、
前記水圧式注入器の出口制御弁アセンブリを作動させて、前記注入器から選択的に導かれ得る加圧された流体を、前記出口制御弁アセンブリを通って、前記第1の出口ポート及び前記第2の出口ポートのうちの少なくとも選択された1つの中に導く工程と、
前記注入器のピストンを作動させて、前記水圧式注入器から前記セメントカートリッジへと流体を押し出し、前記セメントカートリッジから前記カニューレを取り付けたニードルを通って前記標的解剖学的部位へと骨セメントを水圧的に押し出す工程と、を含む、方法。
(24) 閉位置から開位置へと前記セメントカートリッジの通気弁を選択的に移動させ、前記ピストンを作動させる前に前記セメントカートリッジから気体を除去することを更に含む、実施態様23に記載の方法。
(25) 骨セメントを標的解剖学的部位に注入するための方法であって、
骨セメントをセメントカートリッジの内部空洞の中に導入する工程と、
前記セメントカートリッジを標的解剖学的部位にアクセスするカニューレを取り付けたニードルに接続する工程と、
前記セメントカートリッジの第1の端部を流体収容容器を有する水圧式注入器に接続し、前記注入器が、導管を介して前記流体収容容器から前記内部空洞へと加圧された流体を送達し得るように、前記セメントカートリッジの前記内部空洞が前記導管を介して前記流体収容容器と流体連通するようにする工程と、
前記セメントカートリッジの第2の端部を標的解剖学的部位にアクセスするように構成されるカニューレを取り付けたニードルに接続し、前記セメントカートリッジの前記内部空洞を前記ニードルと流体連通した状態に置く工程と、
前記注入器を作動させて、前記流体収容容器から前記内部空洞へと流体を押し出す工程であって、前記注入器が、前記加圧された流体が前記流体収容容器の中へと進むことを阻止する、ピストンと前記流体収容容器との間に配置される吸込み逆止め弁を含む、工程と、
前記流体収容容器からの前記流体を前記セメントカートリッジに逆らって作用させ、前記カートリッジから前記カニューレを取り付けたニードルを通って前記標的解剖学的部位へと骨セメントを水圧的に押し出す工程と、
を含む、方法。
【0097】
(26) 前記ピストンを作動させる工程が1回を超えて反復され得る、実施態様25に記載の方法。
(27) 閉位置から開位置へと前記セメントカートリッジの通気弁を選択的に移動させて、前記ピストンを作動させる前に前記セメントカートリッジから気体を除去することを更に含む、実施態様25に記載の方法。