特許第5972910号(P5972910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5972910カルシウムカーボネートを含有するアルコキシシラン含有ポリウレタン接着剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972910
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】カルシウムカーボネートを含有するアルコキシシラン含有ポリウレタン接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/10 20060101AFI20160804BHJP
   C08G 18/38 20060101ALI20160804BHJP
   C08G 18/08 20060101ALI20160804BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20160804BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20160804BHJP
   C08L 75/04 20060101ALN20160804BHJP
   C08K 3/04 20060101ALN20160804BHJP
   C08K 3/26 20060101ALN20160804BHJP
【FI】
   C08G18/10
   C08G18/38 093
   C08G18/08 038
   C09J175/04
   C09J11/06
   !C08L75/04
   !C08K3/04
   !C08K3/26
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-554482(P2013-554482)
(86)(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公表番号】特表2014-511412(P2014-511412A)
(43)【公表日】2014年5月15日
(86)【国際出願番号】US2012024245
(87)【国際公開番号】WO2012112354
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2013年10月15日
(31)【優先権主張番号】61/443,834
(32)【優先日】2011年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100156476
【弁理士】
【氏名又は名称】潮 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ヒュード,デニス
【審査官】 久保田 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−504192(JP,A)
【文献】 特開昭62−050319(JP,A)
【文献】 特表2008−542501(JP,A)
【文献】 特開2006−131741(JP,A)
【文献】 特開2000−160003(JP,A)
【文献】 特開2003−252949(JP,A)
【文献】 特開2006−111811(JP,A)
【文献】 特開2005−139319(JP,A)
【文献】 特開平10−114813(JP,A)
【文献】 特開2008−038019(JP,A)
【文献】 特表2002−513052(JP,A)
【文献】 特表2009−524721(JP,A)
【文献】 特開2005−314705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00− 18/87
C09J 4/00−201/10
C08L 1/00−101/14
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)組成物の100重量部に基づいて30重量部以上75重量部以下のポリウレタンプレポリマーであって、アルコキシシラン部分を有する1つまたはそれ以上のイソシアネート官能性プレポリマーを含み、前記プレポリマー中のイソシアネート含有量が、0.1重量%以上かつ10重量%以下であり、前記プレポリマー中のアルコキシシラン含有量が、0.2重量%以上かつ3.0重量%以下であるポリウレタンプレポリマー、
(B)イソシアネート部分と活性水素原子を含有する部分との反応を触媒する触媒量の1つまたはそれ以上の化合物、
(C)カーボンブラック、および
(D)組成物の総重量に基づいて3〜20重量%未満の量の未処理のカルシウムカーボネート
を含む組成物。
【請求項2】
前記触媒が、1つまたはそれ以上の三級アミン、1つまたはそれ以上の有機金属化合物またはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カルシウムカーボネートが、15ミクロン以下の平均粒径を有する、請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
耐久性安定剤、紫外線安定剤、熱安定剤、および酸化防止剤が、前記組成物には実質的に不存在である、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(A)前記組成物の重量に基づいて30重量部〜60重量部以下の1つまたはそれ以上のポリウレタンプレポリマー、
(B)0.15重量部〜2.0重量部の1つまたはそれ以上の三級アミン触媒、
(C)10〜35重量部のカーボンブラック、および
(D)5〜20重量部未満のカルシウムカーボネート
を含み、前記重量部が組成物の100部に基づく、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物を、ガラスまたはコーティングされたプラスチック表面または基材表面に適用する工程;前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックおよび基材を接触させて、前記組成物が、前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックと前記基材との間に配置されるようにする工程;前記組成物を硬化させて、前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックと前記基材とを結合させる工程を含む、基材にガラスまたは摩耗耐性コーティングされたプラスチックを結合させる方法。
【請求項7】
前記接着剤が結合した前記ガラスが、表面にセラミックフリットコーティングされており、前記基材表面がその上にコーティングを有する、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照 本出願は、すべての目的のためにその全体を参考として組み込む、米国仮特許出願番号61/443,834(2011年2月17日出願)の優先権を主張する。
本発明は、ガラスを構造に結合させるために使用できるポリウレタン組成物に関し、ここでこの組成物は、アルコキシシラン部分を含有するイソシアネート官能性プレポリマーおよびカルシウムカーボネートを含む。本発明はさらに、基材、例えばウィンドウを共に構造に結合させるためのこうした組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンシーラント組成物は、通常、少なくとも1つのウレタンプレポリマーを含む。非多孔質基材、例えばガラスに結合するために有用な接着剤が、例えば米国特許第4,374,237号明細書および米国特許第4,687,533号明細書に記載されており、両方とも参考として本明細書に組み込まれる。車両中へのウィンドウの設置は、通常3段階プロセスである。第1に、結合のための表面を清浄および調製するためにクリアなシランプライマーをガラスに適用する。第2に、本質的にカーボンブラック分散液であり、またシランおよび/またはイソシアネート官能性を有する化合物を含有するプライマーは、多くの場合、「ブラックアウトプライマー」と呼ばれ、次いでこれをクリアなプライマーの頂部にわたって適用する。第3に、接着剤を、プライム処理ガラスに適用し、次いでそれを構造に設置する。車両および一部の建築物に関して、これらの材料は、ウィンドウの周辺部の周りに位置するセラミックエナメルまたは有機コーティングのフリットに適用される。フリットは、UV光への曝露から接着剤を保護するため、ならびに接着剤および/またはトリムコンポーネントを視界から隠すために設計され、参考として本明細書に組み込まれる米国特許第5,370,905号明細書を参照のこと。さらに、こうした組成物は、塗装された基材へのガラス基材の結合、例えば車両製造におけるウィンドウの設置のために使用される場合、結合された基材の重ね剪断強度は、安全上または構造上の目的のために所望されるものより低い場合がある。結果として、1つまたはそれ以上のシランおよび/またはイソシアネート化合物の溶液を含む別個のペイントプライマーが、多くの場合、フロントガラスおよびリアウィンドウを結合させるための大抵の車両組立操作において、組成物の適用の前に、塗装された基材に適用される。アルコキシシラン部分は、イソシアネート官能性プレポリマーの骨格にて、またはその末端基の一部分上にて反応させ、こうしたプレポリマーを含有する組成物の基材、例えばガラスおよびコーティングされた表面への接着を向上させる。参考として本明細書に組み込まれるWuの米国特許第6,512,033B1号明細書;Bergerらの米国特許第4,374,237号明細書およびRizkらの米国特許第4,687,533号明細書を参照のこと。
【0003】
接着剤システムが商業的に実行可能であるために、そのシステムは耐久性の結合を提供しなければならない。Wuの米国特許第6,512,033号明細書には、こうしたプレポリマーを含有する硬化組成物の耐久性を向上させる添加剤の添加が開示されている。「耐久性の結合」とは、接着剤が、数年間にわたって構造にウィンドウを保持することを意味する。ウィンドウガラスまたは摩耗耐性コーティングでコーティングされたプラスチックが典型的には結合されている構造が何年にもわたって継続する場合、ガラスまたはコーティングされたプラスチックを構造に保持する結合も、何年にもわたって継続することが期待される。耐久性の結合は、好ましくは、一旦硬化した接着剤組成物は、通常の使用条件に曝される場合に10〜20年までの間基材に対してその結合を維持することを意味する。耐久性は、多くの場合、加速された経年試験によって予測される。1つの文脈においては、耐久性は、加速された経年試験において、例えば結合された基材をある期間90℃の水に曝す試験、1000時間を超えて、より好ましくは2000時間を超える長期間にわたってウェザーオーメーター条件に曝す試験、カタプラズマ曝露のような試験において、接着剤が許容可能な性能を示すことを意味する。Wuの米国特許第6,512,033号明細書に開示される添加剤は、接着剤組成物に対して多大な費用を加えることになる。
【0004】
ガラスを構造に結合させる際に利用される接着剤システムは、フィラーを含有することが多い。フィラーは、接着剤のコストを削減するため、強度を加えるため、または接着剤に色を加えるためなどのように種々の理由で添加される。その問題としては、フィラーの添加量が多過ぎると、接着剤の固有の特性を損なう場合があることである。従来の常識では、アルコキシシラン部分を含有するイソシアネート官能性プレポリマーを含有する接着剤組成物は、安定性に劣る場合がある。この文脈にて使用される場合に安定性とは、貯蔵時および硬化前の接着剤が、許容不可能な粘度成長を示さないことを意味する。接着剤組成物の粘度が高くなり過ぎると、接着剤は、標準適用設備を用いて基材に適用できない。フィラー、特にカルシウムカーボネートの存在は、接着剤組成物の安定性に負の影響を与え得ると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
産業上の基準を満たす重ね剪断強度を有する結合された構造を提供するフィラーを含有し、貯蔵中の粘度成長が低く、特に少量の耐久性安定剤を利用してまたは耐久性安定剤を利用することなく、基材表面への組成物の耐久性接着を可能にする組成物を提供することが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、本発明は、(A)アルコキシシラン部分を有する1つまたはそれ以上のイソシアネート官能性プレポリマー;(B)イソシアネート部分と活性水素原子を含有する部分との反応を触媒する触媒量の1つまたはそれ以上の化合物;(C)カーボンブラック;および(D)組成物の約100重量部に基づいて約1〜約30重量部の量の未処理のカルシウムカーボネートを含む組成物である。好ましい実施形態において、カルシウムカーボネートは、組成物の約2重量%〜20重量%未満の量で存在する。好ましくは、カルシウムカーボネートは、約15ミクロン以下、より好ましくは約10ミクロン以下、最も好ましくは約7ミクロン以下の平均粒径を有する。
【0007】
本発明の組成物は、2つまたはそれ以上の基材を共に結合させるために有用である。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ガラスまたはコーティングされたプラスチックを基材に結合させるのに有用である。好ましくはガラスまたはコーティングされたプラスチックはウィンドウに成形され、基材は、構造、例えば建築物または自動車のウィンドウフランジである。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、2つまたはそれ以上の基材を共に結合するための方法であり、本発明に従う組成物を、1つまたはそれ以上の基材と接触させる工程、およびこの2つまたはそれ以上の基材を、基材間に配設された本発明の組成物と接触させる工程、およびその後組成物を硬化させ、基材を共に結合させる工程を含む。
【0009】
本発明の組成物は、ガラス、プラスチック、金属、ファイバーガラス、およびコーティングもしくは塗装されてもよく、またはコーティングもしくは塗装されていない複合基材を結合するのに有用である。組成物は、産業上の基準を満たす重ね剪断強度を与え、耐久性の結合を提供する。好ましい実施形態において、23℃±2℃で7日間の硬化後に組成物は、5MPa以上の引張強度、および100%の凝集破壊の、90℃の沸騰水中で6日後のクイックナイフの接着破壊モードを示す。本発明の組成物は、貯蔵中の粘度成長が小さいことからも証明されるように、良好な安定性を示す。加速された安定性試験は、接着剤の配合後のプレスフロー粘度を試験することによって行われ、接着剤組成物のサンプルを、気密性容器中に3日間65℃に曝し、次いでプレスフロー粘度試験を再び行う。好ましくは、65℃で3日間の、秒単位のプレスフロー粘度と、初期プレスフロー粘度との比に100を乗じたものは、200以下である。本発明の組成物が優れた耐久性を示すので、耐久性安定剤(例えばオルガノホスファイトおよびWuの米国特許第6,512,033号明細書に開示されるもの)の量は、低減されることができ、または免除されることができる。1つの実施形態において、本発明の接着剤組成物は、こうした耐久性安定剤の不存在下で配合できる。1つの実施形態において、本発明の接着剤組成物は、他の安定剤、例えば紫外線安定剤、熱安定剤、または酸化防止剤の不存在下で配合できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に示される説明および例示は、本発明、その原理、およびその実際の用途に関して当業者に知らせることを目的とする。当業者は、特定使用の要件に最も好適であるように、その多数の形態において本発明を適合および適用してもよい。従って、記載された本発明の特定実施形態は、本発明を排他的にするまたは限定することを意図するものではない。そのため、本発明の範囲は、上記説明を参照して決定されるべきではないが、代わりに、添付の特許請求の範囲を参照して、こうした特許請求の範囲と完全に等価な範囲と共に決定されるべきである。特許出願および公開を含むすべての文献および参照文献の開示は、多目的に参考として組み込まれる。同様にこの記述された説明に参考として組み込まれる以下の特許請求の範囲から収集される通り、他の組み合わせも可能である。
【0011】
本明細書で使用される場合、「1つまたはそれ以上の」とは、少なくとも1つおよび複数の列挙された構成成分を開示されるように使用できることを意味する。官能性に関して使用される場合に「公称の」とは、理論的な官能性を意味し、一般的にこれは使用される成分の化学量論から計算できる。一般に、実際の官能性は、原料における不完全性、反応体の不完全な転化、および副生成物の形成によって異なる。本明細書で使用される場合の部分は、列挙された化学基、例えばイソシアネート基またはアルコキシシラン基を含有する官能基を意味する。
【0012】
本発明に使用されるプレポリマーは、ポリウレタン接着剤組成物に使用されるイソシアネート部分およびアルコキシシラン部分を含有するプレポリマーを含む。接着剤に使用されるプレポリマー全体は、アルコキシシラン部分を有するプレポリマーであってもよく、またはこうしたプレポリマーは、アルコキシシラン部分を有していないイソシアネート官能性プレポリマーとブレンドされてもよい。プレポリマーのイソシアネート含有量は、組成物が所望の基材への接着を示すことができるのに十分となるように選択され、生じた副生成物が硬化した接着剤の強度を低下させるほど高くはない。プレポリマー中のイソシアネート含有量は、好ましくは約0.1重量%以上、より好ましくは約1.0重量%以上、最も好ましくは約1.5重量%以上である。プレポリマー中のイソシアネート含有量は、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは約5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。「イソシアネート含有量」とは、プレポリマーの総重量に対するイソシアネート部分の重量パーセンテージを意味する。プレポリマーは、基材、例えばガラスおよびコーティングされた基材に対する接着を改善するために十分なアルコキシシラン部分を含有する。プレポリマー中のアルコキシシラン含有量は、好ましくは約0.2重量%以上、より好ましくは約0.4重量%以上、最も好ましくは約0.8重量%以上である。プレポリマー中のアルコキシシラン含有量は、好ましくは約3.0重量%以下、より好ましくは約2.0重量%以下、最も好ましくは約1.5重量%以下である。「アルコキシシラン含有量」は、プレポリマーの総重量に対するアルコキシシラン部分の重量パーセンテージを意味する。
【0013】
本発明の組成物に使用するための好ましいイソシアネート官能性プレポリマーは、約2.0以上の平均イソシアネート官能性、および約2,000以上の分子量(重量平均)を有するプレポリマーを含む。好ましくは、プレポリマーの平均イソシアネート官能性は、約2.2以上であり、より好ましくは約2.4以上である。好ましくはイソシアネート官能性は、約4.0以下であり、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。好ましくはプレポリマーの重量平均分子量は、2,500以上であり、より好ましくは約3,000以上であり、好ましくは約40,000以下であり、さらにより好ましくは約20,000以下であり、さらに約15,000以下であり、最も好ましくは約10,000以下である。プレポリマーは、いずれかの好適な方法によって調製されてもよく、例えば対応するプレポリマーを形成するのに十分な反応条件下で、少なくとも2つのイソシアネート反応性の活性水素含有基を含有するイソシアネート反応性化合物を、ポリイソシアネートの化学量論を超える過剰量と反応させることによって調製されてもよい。
【0014】
好ましくはプレポリマーを調製する際に使用するためのポリイソシアネートとしては、いずれかの脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式または芳香族ポリイソシアネート、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、使用されるポリイソシアネートは、約2.0以上の平均イソシアネート官能性、および約80以上の等価重量を有する。好ましくは、ポリイソシアネートのイソシアネート官能性は、約2.0以上、より好ましくは約2.2以上、最も好ましくは約2.4以上であり、好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。より高い官能性も使用されてもよいが、過剰の架橋を引き起こす場合があり、非常に粘稠で取り扱いおよび適用が容易でない接着剤をもたらし、硬化した接着剤は非常に脆弱になり得る。好ましくは、ポリイソシアネートの等価重量は、約80以上、より好ましくは約110以上、最も好ましくは約120以上であり;好ましくは約300以下、より好ましくは約250以下、最も好ましくは約200以下である。好ましいポリイソシアネートの例としては、参考として本明細書に組み込まれるWuの米国特許第6,512,033号明細書の第3欄3〜49行によって開示されるものが挙げられる。より好ましいイソシアネートは、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネートおよびこれらの誘導体である。好ましくは、芳香族イソシアネートは、芳香族環に直接結合したイソシアネート基である。さらにより好ましくはポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらのポリマー性誘導体、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらのポリマー性誘導体、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、およびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。最も好ましいイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0015】
本明細書で使用される場合、「イソシアネート反応性化合物」という用語は、少なくとも2つのイソシアネート反応性部分、例えば活性水素部分、またはイミノ官能性化合物を含有する化合物を有するいずれかの有機化合物が挙げられる。本発明の趣旨上、活性水素含有部分は、分子中のその位置のために、Wohler in the Journal of the American Chemical Society,Vol.49,p.3181(1927)に記載されるZerewitnoff試験に従って顕著な活性を示す水素原子を含有する部分を指す。こうした活性水素部分の例は、−COOH、−OH、−NH、−NH−、−CONH、−SH、および−CONH−である。好ましい活性水素含有化合物としては、ポリオール、ポリアミン、ポリメルカプタンおよびポリ酸が挙げられる。好適なイミノ官能性化合物は、例えばその全体が参考として本明細書に組み込まれる米国特許第4,910,279号明細書に記載されるような、一分子あたりの少なくとも1つの末端イミノ基を有するものである。好ましくは、イソシアネート反応性化合物は、ポリオールであり、より好ましくはポリエーテルポリオールである。
【0016】
プレポリマーの調製に有用な好ましいポリオールとしては、参考として本明細書に記載されるWuの米国特許第6,512,033号明細書の第4欄10〜64行に開示されるものが挙げられ、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール(こうしたポリオール中のビニルポリマーの分散液、一般にはコポリマーポリオールと称される)、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましいポリオールは、ポリオールの骨格中の1つまたはそれ以上のアルキレンオキシドユニットを含有するポリエーテルポリオールである。好ましいアルキレンオキシドユニットは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびこれらの混合物である。アルキレンオキシドは、直鎖または分岐鎖アルキレンユニットを含有できる。好ましくは、ポリオールは、プロピレンオキシドユニット、エチレンオキシドユニットまたはこれらの混合物を含有する。アルキレンオキシドユニットの混合物がポリオール中に含有される実施形態において、異なるユニットが、ランダムに配置されることができ、またはアルキレンオキシド鎖のそれぞれのブロックに配置されることができる。1つの好ましい実施形態において、ポリオールは、ポリオールをキャッピングするエチレンオキシド鎖を有するプロピレンオキシドを含む。好ましい実施形態において、ポリオールは、ジオールおよびトリオールの混合物を含む。好ましくは、イソシアネート反応性化合物は、約1.5以上、より好ましくは約1.8以上、最も好ましくは2.0以上であり、好ましくは約4.0以下、より好ましくは3.5以下、最も好ましくは3.0以下の官能性を有する。好ましくは、イソシアネート反応性化合物の等価重量は、約200以上、より好ましくは約500以上、より好ましくは約1,000以上であり、好ましくは約5,000以下、より好ましくは約3,000以下、最も好ましくは約2,500以下である。
【0017】
好ましくは、本発明に有用なプレポリマーは、接着剤配合において、プレポリマーの使用を可能にするのに十分な粘度を示す。好ましくは、調製されるようなプレポリマーは、約6,000センチポイズ(600N−S/m)以上、より好ましくは約8,000センチポイズ(800N−S/m)以上の粘度を示す。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、約30,000センチポイズ(3,000N−S/m)以下、より好ましくは約20,000センチポイズ(2,000N−S/m)以下の粘度を示す。約30,000センチポイズ(3,000N−S/m)を超えると、ポリウレタン組成物は、ポンプ輸送するには非常に粘稠になり、そのため従来の技術を用いて適用できない。約6,000センチポイズ(600N−S/m)未満では、プレポリマーは、プレポリマーを利用する組成物が所望の用途において利用できるのに十分な一体性を与えない。本明細書で使用される場合「粘度」は、25℃の温度にて、毎秒5回転の速度で、RVスピンドル#5を用いるブルックフィールド粘度計モデルDV−Eによって測定される。
【0018】
プレポリマーを調製するために使用されるイソシアネート含有化合物の量は、所望の特性を与える量、すなわち適切な遊離イソシアネート含有量および上記で機論されたような粘度を与える量である。好ましくは、イソシアネートは、プレポリマー中において、プレポリマーの重量に基づいて、約6.5重量部以上、より好ましくは約7.0重量部以上、最も好ましくは約7.5重量部以上の量で調製するために使用される。好ましくは、プレポリマーの調製に使用されるポリイソシアネートは、プレポリマーの重量に基づいて約12重量部以下、より好ましくは約10.5重量部以下、最も好ましくは約10重量部以下の量で使用される。
【0019】
ポリオールは、イソシアネートのイソシアネート基の大部分と反応するのに十分な量で存在し、プレポリマーの所望の遊離イソシアネート含有量を与え、硬化された接着剤に十分な可撓性(エラストマー性質)を与えるのに十分なイソシアネート基を残す。好ましくは、ポリオールは、プレポリマーの重量に基づいて、約30重量部以上、より好ましくは約35重量部以上、最も好ましくは約40重量部以上の量で存在する。好ましくは、ポリオールは、プレポリマーの重量に基づいて、約75重量部以下、より好ましくは約65重量部以下、最も好ましくは約60重量部以下の量で存在する。
【0020】
プレポリマーは、いずれかの好適な方法、例えばバルク重合および溶液重合によって調製されてもよい。プレポリマーを調製するための反応は、無水条件下、好ましくは窒素ブランケットのような不活性雰囲気下にて行われ、大気湿分によるイソシアネート基の架橋を防止する。反応は、サンプルの滴定によって決定される残留イソシアネート含有量が所望の理論値に非常に近くなるまで、好ましくは約0℃〜約150℃、より好ましくは約25℃〜約90℃の温度にて行われる。プレポリマーを調製するための反応は、ウレタン触媒の存在下で行われてもよい。こうした触媒の例としては、カルボン酸の第一スズ塩;例えば第一スズオクトエート、第一スズオレエート、第一スズアセテート、および第一スズラウレート;ジアルキルスズジカルボキシレート;例えばジブチルスズジラウレート、およびジブチルスズジアセテート;三級アミン;およびメルカプチドが挙げられる。好ましい触媒は、第一スズオクトエートである。使用される触媒の量は、一般に触媒作用を受ける混合物の約0.005〜約5重量部である。
【0021】
イソシアネート官能性プレポリマーは、接着剤組成物において、接着剤が基材を共に結合できるのに十分な量で存在する。好ましくは、アルコキシシラン部分を含有するポリウレタンプレポリマーは、組成物の重量に基づいて約30重量部以上、より好ましくは約35重量部以上、さらにより好ましくは約40重量部以上、最も好ましくは約50重量部以上の量で存在する。好ましくは、アルコキシシラン部分を含有するポリウレタンプレポリマーは、組成物の重量に基づいて、約75重量部以下、より好ましくは約65重量部以下、最も好ましくは約60重量部以下の量で存在する。好ましくは、アルコキシシラン部分を含有しないイソシアネート官能性プレポリマーは、組成物の重量に基づいて、約0重量部以上、より好ましくは約2重量部以上、最も好ましくは約4重量部以上の量で存在する。好ましくは、アルコキシシラン部分を含有しないイソシアネート官能性プレポリマーは、組成物の重量に基づいて、約20重量部以下、より好ましくは約15重量部以下、最も好ましくは約5重量部以下の量で存在する。好ましくは、アルコキシシラン部分を含有するポリウレタンプレポリマーは、存在するイソシアネート官能性プレポリマーの重量に基づいて、約60重量部以上、より好ましくは約80重量部以上、さらにより好ましくは約85重量部以上、最も好ましくは約90重量部以上の量で存在する。1つの実施形態において、接着剤組成物中のプレポリマーの実質的にすべては、アルコキシシラン部分を含有する。この文脈において「実質的にすべて」とは、アルコキシシラン部分を含有しないプレポリマーが1重量%未満であることを意味する。
【0022】
本発明の組成物はまた、所望の黒色、粘度およびたるみ抵抗を組成物に与えるために、カーボンブラックを含む。1つまたはそれ以上のカーボンブラックが組成物に使用されてもよい。本発明に使用されるカーボンブラックは、標準のカーボンブラックであってもよく、これは非伝導性にするために特に処理(表面処理または酸化)されているわけではない。1つまたはそれ以上の非伝導性カーボンブラックは、標準カーボンブラックと組み合わせて使用されてもよいが、こうした包含により、配合物のコストが増す場合がある。組成物中のカーボンブラックの量は、所望の色、粘度およびたるみ抵抗を与える量である。カーボンブラックは、好ましくは組成物100重量部に基づいて、約10重量部以上、より好ましくは約12重量部以上、最も好ましくは約15重量部以上の量で使用される。カーボンブラックは、組成物100重量部に基づいて、好ましくは約35重量部以下、より好ましくは約30重量部以下、最も好ましくは約25重量部以下である。標準カーボンブラックは、当分野において周知であり、それらとしては、Colombianから入手可能なRAVEN(商標)790、RAVEN(商標)450、RAVEN(商標)500、RAVEN(商標)430、RAVEN(商標)420およびRAVEN(商標)410カーボンブラック、およびCabotから入手可能なCSX(商標)カーボンブラック、およびDegussaから入手可能なPrintex(商標)30カーボンブラックが挙げられる。非伝導性カーボンブラックは、当分野において周知であり、それらとしては、Colombianから入手可能なRaven(商標)1040およびRAVEN(商標)1060カーボンブラックが挙げられる。
【0023】
本発明の組成物はさらに、カルシウムカーボネートを含む。カルシウムカーボネートは、組成物中でフィラーとして機能する。本発明で有用なカルシウムカーボネートは、標準カルシウムカーボネートである。こうした標準カルシウムカーボネートは未処理である、すなわちそれらは、他の化学物質、例えば有機酸または有機酸のエステルによる処理によって改質されていない。カルシウムカーボネートは、組成物の所望の接着剤特性が達成されるような十分な量で存在する。好ましくは、カルシウムカーボネートは、約1重量部以上、さらにより好ましくは約2重量部以上、さらにより好ましくは約3重量部以上、最も好ましくは約5重量部以上の量で存在する。好ましくは、カルシウムカーボネートは、約30重量部以下、より好ましくは20重量部未満、さらにより好ましくは約15重量部以下、最も好ましくは約10重量部以下の量で存在する。
【0024】
組成物はまた、イソシアネート部分と水または活性水素含有化合物との反応を触媒する1つまたはそれ以上の触媒を含有する。こうした化合物は当分野において周知である。好ましい触媒は、有機金属化合物、三級アミンおよびこれらの混合物である。好ましい有機金属触媒としては、有機スズ化合物および金属アルカノエートが挙げられる。三級アミンおよび有機金属化合物の混合物が好ましい。好ましい有機金属化合物に含まれるのは、有機スズ化合物、例えばアルキルスズオキシド、第一スズアルカノエート、ジアルキルスズカルボキシレートおよびスズメルカプチドである。第一スズアルカノエートとしては、第一スズオクトエートが挙げられる。アルキルスズオキシドとしては、ジアルキルスズオキシド、例えばジブチルスズオキシドおよびその誘導体が挙げられる。好ましい有機スズ化合物としては、ジアルキルスズジカルボキシレートまたはジアルキルスズジメルカプチドが挙げられる。総炭素原子が少ないジアルキルスズジカルボキシレートは、それらが本発明の組成物中でより活性な触媒であるので、好ましい。好ましいジアルキルジカルボキシレートとしては、1,1−ジメチルスズジラウレート、1,1−ジブチルスズジアセテートおよび1,1−ジメチルジマレエートが挙げられる。好ましい金属アルカノエートとしては、ビスマスオクトエートまたはビスマスネオデカノエートが挙げられる。好ましくは有機金属化合物は、組成物の重量に基づいて、百万部の約60部以上、より好ましくは百万部の120部以上の量で存在する。好ましくは、有機金属化合物は、組成物の重量に基づいて、約1.0重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下、最も好ましくは0.1重量部以下の量で存在する。
【0025】
好ましい三級アミン触媒としては、ジモルホリノジアルキルエーテル、ジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテル、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルピペラジン4−メトキシエチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましいジモルホリノジアルキルエーテルは、ジモルホリノジエチルエーテルである。好ましいジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテルは、(ジ−(2−(3,5−ジメチルモルホリノ)エチル)−エーテル)である。三級アミンは、組成物の重量に基づいて、好ましくは約0.01重量部以上、より好ましくは約0.05重量部以上、さらにより好ましくは約0.1重量部以上、最も好ましくは約0.2重量部以上であり、約2.0重量部以下、より好ましくは約1.75重量部以下、さらにより好ましくは約1.0重量部以下、最も好ましくは約0.4重量部以下の量で使用される。
【0026】
本発明の組成物はまた、好ましくは所望の粘稠度にレオロジー特性を改質するために、1つまたはそれ以上の可塑剤を含有する。こうした材料は、水を含まず、イソシアネート基に対して不活性であり、プレポリマーに対して相溶性であるべきである。こうした材料は、プレポリマーを調製するために反応混合物に、または最終接着剤組成物を調製するために混合物に、添加されてもよいが、プレポリマーおよび付加体を調製するための反応混合物に好ましくは添加され、こうした混合物は、混合および取り扱いがより容易であり得る。例示的な可塑剤は当分野において周知であり、それらとしては、直鎖および分岐アルキルフタレート、例えばジイソノニルフタレート、ジオクチルフタレートおよびジブチルフタレート、「HB−40」として市販されている部分的に水素化されたテルペン、トリオクチルホスフェート、エポキシ可塑剤、トルエン−スルファミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ヒマシ油、キシレン、1−メチル−2−ピロリジノンおよびトルエンが挙げられる。使用される可塑剤の量は、所望のレオロジー特性を与え、本発明の組成物中の構成成分を分散するのに十分な量である。好ましくは、可塑剤は、約0重量部以上、より好ましくは約5重量部以上、最も好ましくは約10重量部以上の量で本発明の組成物に存在する。可塑剤は、好ましくは約35重量部以下、最も好ましくは約25重量部以下の量で存在する。
【0027】
本発明に使用される接着剤はさらに、湿分安定剤を含んでいてもよく、これは、接着剤組成物を湿分から保護するように機能することによって、硬化性配合物中のイソシアネートの早期の架橋の進展を阻害し、防止するように機能する。イソシアネート官能性接着剤システムについて当業者に既知の安定剤が、本明細書で使用されてもよい。こうした安定剤のうち含まれるものは、ジエチルマロネート、アルキルフェノールアルキレート、パラトルエンスルホン酸イソシアネート、ベンゾイルクロリド、およびオルトアルキルホルメートである。こうした安定剤は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは約0.1重量部以上、好ましくは約0.5重量部以上、より好ましくは約0.8重量部以上の量で使用される。こうした安定剤は、組成物の重量に基づいて、約5.0重量部以下、より好ましくは約2.0重量部以下、最も好ましくは約1.4重量部以下の量で使用される。
【0028】
接着剤組成物はまた、当分野において既知の耐久性安定剤を含有できる。好ましい熱安定剤は、アルキル置換されたフェノール、ホスファイト、セバケートおよびシンナメートである。好ましい耐久性安定剤としては、参考として本明細書に組み込まれるWuの米国特許第6,512,033号明細書に開示されるオルガノホスファイトである。耐久性安定剤は、接着剤の寿命の大部分の間、接着剤の劣化を防止するために十分な量で利用される。好ましくは、耐久性安定剤の量は、接着剤の重量に基づいて、約5重量部以下であり、より好ましくは約2重量部以下、最も好ましくは約1.0重量部以下である。好ましくは、耐久性安定剤の量は、接着剤の重量に基づいて、約0.01重量部以上であり、最も好ましくは約0.3重量部以上である。1つの好ましい実施形態において、0重量部の耐久性安定剤、例えばオルガノホスファイトが組成物中に利用される。
【0029】
組成物はさらに、紫外光吸収剤(UV光安定剤)を含んでいてもよい。接着剤の基材への結合の耐久性を向上させるいずれかの紫外線吸収剤が使用されてもよい。好ましいUV光吸収剤としては、ベンゾフェノンおよびベンゾトリアゾールが挙げられる。より好ましいUV光吸収剤としては、Ciba Geigyからのもの、例えばTINUVIN(商標)P、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール;TINUVIN(商標)326、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール;TINUVIN(商標)213ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(α,(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−ω−ヒドロキシ;ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(α,(3−(3−(AH−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−ω−(α,(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル);TINUVIN(商標)327、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェノール)−5−クロロベンゾトリアゾール;TINUVIN(商標)571、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、分岐および線状;TINUVIN(商標)328、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノールおよびCytecから、例えばCYASORB(商標)UV−9、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;CYASORB(商標)UV−24、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;CYASORB(商標)UV−1164、−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール;CYASORB(商標)UV−2337、2−(2’−ヒドロキシ−3’−5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール;CYASORB(商標)UV−2908、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、ヘキサデシルエステル;CYASORB(商標)UV−5337、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;CYASORB(商標)UV−531、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン;およびCYASORB(商標)UV−3638、2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]が挙げられる。より好ましいUV光吸収剤としては、CYASORB(商標)UV−531、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンおよびTINUVIN(商標)571 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、分岐および線状が挙げられる。好ましくは、UV光吸収剤は、接着剤の基材への結合の耐久性を向上させるのに十分な量で使用される。好ましくは、UV光吸収剤は、組成物の重量に基づいて、約0.1重量部以上、より好ましくは約0.2重量部以上、最も好ましくは約0.3重量部以上の量で使用される。好ましくは、UV光吸収剤は、組成物の重量に基づいて、約3重量部以下、より好ましくは約2重量部以下、最も好ましくは約1重量部以下の量で使用される。好ましい実施形態において、0重量%のUV光安定剤が組成物に存在する。
【0030】
組成物はさらに、光安定剤を含んでいてもよい。結合している構造の寿命の大部分において基材への耐久性の結合を維持するシステムを促進するいずれかの光安定剤が使用されてもよい。好ましい光安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤である。ヒンダードアミン光安定剤としては、一般に、Ciba Geigyから入手可能なもの、例えばTINUVIN(商標)144、n−ブチル−(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ビス−(1,2,2,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)マロネート;TINUVIN(商標)622、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールを有するジメチルスクシネートポリマー;TINUVIN(商標)77、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート;TINUVIN(商標)123、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート;TINUVIN(商標)765、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート;CHIMASSORB(商標)944ポリ[[6−[1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])(Cytecから入手可能);CYASORB(商標)UV−500、1,5−ジオキサスピロ(5,5)ウンデカン3,3−ジカルボン酸,ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステル;CYASORB(商標)UV−3581、3−ドデシル−1−(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル−ピロリジン−2,5−ジオン)およびCYASORB(商標)UV−3346、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)イミノ]]が挙げられる。より好ましいヒンダード光アミン安定剤としては、TINUVIN(商標)123ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートおよびTINUVIN(商標)765ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートが挙げられる。基材への結合耐久性を向上させるのに十分な量の光安定剤が使用されてもよい。好ましくは、光安定剤は、組成物の重量に基づいて、約0.1重量部以上、より好ましくは約0.2重量部以上、最も好ましくは約0.3重量部以上の量で使用される。好ましくは、存在する光安定剤の量は、組成物の重量に基づいて、約3重量部以下、より好ましくは約2重量部以下、最も好ましくは約1.5重量部以下である。
【0031】
組成物はさらに、1つまたはそれ以上の接着促進剤、例えば参考として本明細書に組み込まれるMahdiの米国特許公開2002/0100550号明細書のパラグラフ0055〜0065およびHsiehの米国特許第6,015,475号明細書の第5欄27行〜第6欄41行に開示されるものを含んでいてもよい。本発明の組成物はさらに、組成物の接着を改善する目的で、多官能性イソシアネートを含んでいてもよい。イソシアネートの文脈に使用される場合「多官能性」とは、3以上の官能性を有するイソシアネートを指す。ポリイソシアネートは、約2.0以上の公称官能性を有する、いずれかのモノマー性、オリゴマー性、またはポリマー性イソシアネートであることができる。より好ましくは、多官能性イソシアネートは、約3.0以上の公称官能性を有する。好ましくは、多官能性イソシアネートは、約5以下の公称官能性を有する。ポリイソシアネートは、モノマー性;トリマー性イソシアヌレートまたはビウレットのモノマー性イソシアネート;オリゴマー性またはポリマー性;1つまたはそれ以上のモノマー性イソシアネートのいくつかのユニットの反応生成物であることができる。好ましい多官能性イソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー、例えばBayerから商標名DESMODUR N3300、DESMODUR N−100として入手可能なもの、およびポリマーイソシアネート、例えばポリマー性MDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)、例えばThe Dow Chemical Companyが商標名PAPI(PAPI 20およびPAPI 27ポリマー性イソシアネートを含む)として販売されるものが挙げられる。1つまたはそれ以上の接着促進剤は、普通は重ね剪断強度および基材に対する結合の破壊モードを試験することによって決定される所望のレベルで、ガラスまたは他の基材表面への接着剤の接着を促進するのに十分な量で存在する。好ましくは、接着促進剤の量は、組成物の重量に基づいて、約10重量部以下であり、より好ましくは約5重量部以下、最も好ましくは約4重量部以下である。好ましくは、接着促進剤の量は、組成物の重量に基づいて、約0.01重量部以上であり、より好ましくは約0.1重量部以上、最も好ましくは約1.0重量部以上である。
【0032】
組成物はさらに、大気湿分を組成物に引き込むように機能する親水性材料を含んでいてもよい。この材料は、大気湿分を組成物に引き込むことによって配合の硬化速度を向上させる。好ましくは、親水性材料は液体である。好ましい親水性材料は、ピロリドン、例えば1メチル−2−ピロリドン(またはN−メチルピロリドン)である。別の分類の親水性材料は、高エチレンオキシド含有ポリエーテルポリオールまたはアミン基を含有する触媒活性なポリオールであり、これは独立して存在でき、またはイソシアネート官能性官能性プレポリマーに組み込まれることもできる。親水性材料は、組成物の重量に基づいて、好ましくは約0.1重量部以上、より好ましくは約0.3重量部以上の量で存在する。親水性材料は、好ましくは約1.0重量部以下、より好ましくは約0.6重量部以下の量で存在する。場合により、組成物はさらに、チキソトロープ剤(レオロジー添加剤)を含んでいてもよい。こうしたチキソトロープ剤は、当業者に周知であり、ヒュームドシリカ、処理されたシリカなどが挙げられる。チキソトロープ剤は、所望のレオロジー特性を与えるのに十分な量で組成物に添加されてもよい。好ましくは、チキソトロープ剤は、組成物の重量に基づいて、約0重量%以上、好ましくは約1重量%以上の量で存在する。好ましくは、任意のチキソトロープ剤は、組成物の重量に基づいて、約10重量%以下、より好ましくは約2重量%以下の量で存在する。組成物はさらに、既知の添加剤、例えば当業者に既知の熱安定剤および酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0033】
本発明の組成物は、当分野において周知の手段を用いて構成成分を共にブレンドすることによって配合されてもよい。一般に、構成成分は、好適なミキサ中でブレンドされる。こうしたブレンド化は、好ましくは、早期の反応を防止するために酸素および大気湿分の不存在下、不活性雰囲気中で行われる。イソシアネート官能性プレポリマーを調製するための反応混合物に可塑剤を添加して、こうした混合物を容易に混合および取り扱うことができるようにすることが有利な場合がある。あるいは、可塑剤は、すべての構成成分のブレンド中に添加できる。好ましくは、材料は、真空下または不活性ガス、窒素またはアルゴン下でブレンドされる。成分は、十分ブレンドされた混合物を、好ましくは約10〜約60分間調製するのに十分な時間ブレンドされる。好ましくは、成分は、約25℃〜約35℃の温度にてブレンドされる。組成物が一旦配合されたら、好適な容器中にパッキングされ、大気湿分および酸素から保護されるようにする。大気湿分および酸素との接触により、イソシアネート基を含有するプレポリマーの早期の架橋をもたらし得る。
【0034】
本発明の組成物は、多孔質および非多孔質基材を共に結合するために使用される。組成物は、第1の基材に適用され、その後第1の基材上の組成物は第2の基材と接触される。その後、組成物は、硬化条件に曝される。好ましい実施形態において、1つの基材は、ガラスまたは摩耗耐性コーティングでコーティングされたクリアなプラスチックであり、他の基材は、場合により塗装またはコーティングされてもよいプラスチック、金属、ファイバーガラスまたは複合基材である。摩耗耐性コーティングでコーティングされたプラスチックは、クリアであるいずれかのプラスチック、例えばポリカーボネート、アクリル系、水素化ポリスチレンまたは50%を超えるスチレン含有量を有する水素化スチレン共役ジエンブロックコポリマーである。コーティングは、摩耗耐性であるいずれかのコーティング、例えばポリシロキサンコーティングを含むことができる。好ましくはコーティングは、紫外顔料着色された光ブロッキング添加剤を有する。好ましくは、ガラスまたはコーティングされたプラスチックウィンドウは、接着剤と接触すべき領域において配設された不透明コーティングを有し、接着剤にUV光が到達するのをブロックする。これは、フリットとして一般に称される。好ましくは、不透明コーティングは、無機エナメルまたは有機コーティングである。
【0035】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、構造に結合されるべきガラスまたはコーティングされたプラスチック部に沿ってガラスまたはコーティングされたプラスチックの表面に適用される。その後、組成物は、第2の基材と接触され、組成物が、ガラスまたはコーティングされたプラスチックと第2の基材との間に配設されるようになる。組成物は、ガラスまたはコーティングされたプラスチックと基材との間の耐久性結合を形成するように硬化される。一般に、本発明の組成物は、大気湿分の存在下で周囲温度にて適用される。大気湿分への曝露は、組成物の硬化をもたらすのに十分である。硬化はさらに、対流加熱、赤外加熱またはマイクロ波加熱によって熱を硬化組成物に適用することにより加速されてもよい。別の実施形態において、組成物は、他の基材の表面に適用され、次いで記載されるようなガラスまたはコーティングされたプラスチックと接触させてもよい。接着剤は、車両に配置される場合にウィンドウフランジと接触するように位置するウィンドウの周辺にビーズで適用される。そこに位置する接着剤を有するウィンドウは、次いでフランジに配置して接着剤がウィンドウとフランジとの間に位置するようにする。接着剤ビーズは、ウィンドウとウィンドウフランジとの間の接合をシールするように機能する連続ビーズである。接着剤の連続ビーズは、ビーズがそれぞれの末端部で連結し、ウィンドウとフランジとの間で接触する場合に連続シールを形成するように位置するビーズである。その後、接着剤を硬化させる。1つの実施形態において、本発明の組成物は、構造または車両において、最も好ましくは車両においてウィンドウを置き換えるために使用される。第1の工程は、以前のウィンドウを取り除くことである。これは、適所にある古いウィンドウを保持する接着剤ビーズを切断し、次いで古いウィンドウを除去することによって達成できる。その後、新しいウィンドウを洗浄し、プライム処理する。ウィンドウフランジに位置する古い接着剤を除去できるが、それは必ずしも必要ではなく、多くの場合適所に残る。ウィンドウフランジは、好ましくはペイントプライマーでプライム処理される。その後、ここに配設された接着剤を有するウィンドウは、これまでに記載されたようにウィンドウフランジと接触させる。別の実施形態において、接着剤は、ウィンドウの代わりにウィンドウフランジに適用できる。
【0036】
別の実施形態において、本発明の組成物は、モジュールコンポーネントを共に結合させるために使用できる。モジュールコンポーネントの例としては、車両モジュール、例えばドア、ウィンドウまたは本体が挙げられる。
【0037】
作用時間は、基材に適用後の期間であり、ここで組成物は、第2の基材と結合するように第2の基材の表面に適用されるのに十分粘着性である。好ましくは、本発明の組成物は、約6分以上、より好ましくは約10分以上の作用時間を提供するように配合される。好ましくは、作用時間は、約20分以下、より好ましくは約15分以下である。ポリウレタンプレポリマーを参照して、平均イソシアネート官能性は、参考として本明細書に組み込まれるBhatの米国特許第5,922,809号明細書の第12欄65行〜第13欄26行に従って配合される。本明細書に記載されるような分子量は、参考として本明細書に組み込まれるBhatの米国特許第5,922,809号明細書第12欄50行〜64行に開示される以下の手順に従って決定される。「重量部」は、総量100部を含む組成物を指す。接着剤の接着性能は、重ね剪断接着試験によって評価される。好ましくは、7日間の23℃、50%相対湿度での硬化後、本発明の組成物の重ね剪断強度は、約400psi(2.76MPa)以上、より好ましくは500psi(3.45MPa)、最も好ましくは約600psi(4.14MPa)である。好ましくは、65℃にて3日間後のプレスフロー粘度を、初期プレスフロー粘度で除し、100を乗じたものである粘度成長のパーセンテージは、200未満である。ウェザーオーメーター(WOM)チャンバは、多くの場合、サンプルの耐候経年試験を加速するために使用される。SAE J1885条件は、特に指示しない限りここで使用される。好ましくは30分後のたるみは、2mm以下、より好ましくは1mm以下、最も好ましくは0mmである。
【0038】
上記適用に記載されるいずれかの数値は、1単位増分において下方値から上方値まですべての値を含むが、ただし、いずれかの低い値といずれかの高い値との間には少なくとも2単位の分離が存在する。例として、構成成分の量またはプロセス変数の値、例えば温度、圧力、時間などが、例えば1〜90、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜70であることを記述する場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などのような値が、本明細書において明確に列挙されていることを意図する。1未満の値に関して、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01または0.1である。これらは、具体的に意図されるものの例に過ぎず、列挙される最も低い値と最も高い値との間に数値のすべての可能な組み合わせは、同様の様式で本願に明確に記述されると考えられるべきである。特に記述しない限り、すべての範囲は、両方の終点および終点間のすべての数を含む。ある範囲と関連させて「約」または「おおよそ」の使用は、範囲の終点両方に適用される。故に、「約20〜30」は、少なくとも特定の終点を含んで、「約20〜約30」をカバーすることを意図する。本明細書に使用される場合に重量部は、100重量部を含有する組成物を指す。用語「から本質的になる」という用語は、組み合わせが、同定された要素、成分、コンポーネントまたは工程、ならびに組み合わせの基本的なおよび新規な特徴に実質的に影響しないような他の要素、成分、コンポーネントまたは工程を含むことを記載する。本明細書の要素、成分、コンポーネントまたは工程の組み合わせを記載するための用語「含む」または「包含する」という用語の使用はまた、要素、成分、コンポーネントまたは工程から本質的になる実施形態を想定する。複数の要素、成分、コンポーネントまたは工程は、唯一の統合された要素、成分、コンポーネントまたは工程によって提供できる。あるいは、唯一の統合された要素、成分、コンポーネントまたは工程は、別個の複数の要素、成分、コンポーネントまたは工程に分けられてもよい。要素、成分、コンポーネントまたは工程を記載するための「a」または「one」の開示は、追加の要素、成分、コンポーネントまたは工程を妨害することを意図しない。
【0039】
本発明の特定の実施形態
以下の例は、例示を目的とするに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。特に断らない限り、すべての部およびパーセンテージは重量による。
【0040】
成分:
2000の数平均分子量を有するポリオキシプロピレンジオール。
4500の数平均分子量を有するポリオキシプロピレントリオール。
メチレンジフェニルジイソシアネート。
ジエチルマロネート。
METACURE(商標)T−9第一スズオクトエート触媒。
SILQUEST(商標)Y−9492N,N−ビス((3−トリメトキシシリル)プロピル)アミン。
Air Productsから入手可能なFORMREZ(商標)UL28ジメチルスズジカルボキシレート。
ジイソノニルフタレートは可塑剤である。
N−メチルピロリドン。
JEFFCAT(商標)DMDEE触媒は、Huntsman Chemicalから入手可能なジモルホリノジエチルエーテル。
Cabotから入手可能なELFTEX(商標)S7100標準カーボンブラック。
DRIKALITE(商標)Imerys Pigments and Additives Groupから入手可能な約7ミクロンの平均粒径を有する未処理のカルシウムカーボネート。
J.M.Huberから入手可能な約13の平均粒径のHUBERCARB Q325カルシウムカーボネート。
Dover Chemical Corporationから入手可能なDOVERPHOS(商標)4トリスノニルフェノールホスファイト。
Bayerから入手可能なDESMODUR(商標)N3300ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー。
BETASEAL(商標)43518プライマーは、The Dow Chemical Companyから入手可能なクリアなガラスプライマーを含有するオルガノシランである。
BETASEAL(商標)43520Aプライマーは、The Dow Chemical Companyから入手可能なカーボンブラックをさらに含有するイソシアネート含有するガラスプライマーである。
BETASEAL(商標)16100プライマーは、The Dow Chemical Companyから入手可能なシラン含有ガラスプライマーである。
【0041】
アルコキシシラン基を含有するイソシアネート官能性プレポリマー−プレポリマー1の調製
761.92グラムの分子量2000ポリプロピレンオキシドジオール、1104.17グラムの分子量4500ポリプロピレンオキシドトリオールおよび33.52グラムのジイソノニルフタレートを、撹拌器および加熱ジャケットを備えた4リットルケトルに窒素保護下で充填する。反応体を混合し、混合物が50〜52℃に到達するまで窒素下で加熱する。混合物が50〜52℃に到達したら、45℃で貯蔵された336.55グラムのメチレンジフェニルジイソシアネートを添加し、例えば約2分間混合する。次いで0.17gの第一スズオクトエートを徐々に滴下する。反応が発熱し、反応温度がピークに達した後、反応を70℃〜85℃にて20分間保持する。次いで、加熱ユニットの温度設定点を50〜52℃に設定する。その後、1083.55グラムのジイソノニルフタレートおよび32.18グラムのジエチルマロネートを添加する。混合物を52〜54℃にて45分間撹拌する。47.94グラムのN,N−ビス((3−トリメトキシシリル)プロピル)アミンは、10分間にわたって滴下される。混合物は、52〜54℃にて2時間混合しながら反応させる。その後、得られたプレポリマーは、気密容器にパッキングされる。プレポリマーは、14720センチポイズ(25℃)の粘度を有し、プレポリマー中のイソシアネートパーセンテージは、1.274重量%である。
【0042】
イソシアネート官能性プレポリマー−プレポリマー2の調製
363.68グラムの分子量2000のポリプロピレンオキシドジオール、527.04グラムの分子量4500のポリプロピレンオキシドトリオールおよび32グラムのジイソノニルフタレートを、撹拌器および加熱ジャケットを備えた4リットルケトルに窒素保護下で充填する。反応体を混合し、混合物が54℃に到達するまで窒素下で加熱する。混合物が54℃に到達したら、45℃で貯蔵した160.64グラムのメチレンジフェニルジイソシアネートを添加し、混合する。次いで、0.08gの第一スズオクトエートを徐々に滴下する。反応が発熱し、反応温度がピークに達した後、反応を80℃〜85℃に30分間保持する。次いで、加熱ユニットの温度設定点を60℃に設定する。その後、501.20グラムのジイソノニルフタレートおよび15.36グラムのジエチルマロネートを添加する。混合物を60分間撹拌する。その後、得られたプレポリマーは、気密容器にパッキングする。プレポリマーは、11160センチポイズ(25℃)の粘度を有し、プレポリマー中のイソシアネートパーセンテージは、1.49重量%である。
【0043】
接着剤組成物の調製
接着剤組成物は、記述量のプレポリマー1、プレポリマー2、イソノニルフタレートおよびDesmodur N−3300ヘキサメチレンジイソシアネートトリマーを2ガロンのミキサに添加することによって調製する。混合物を、真空下で脱気し、10分間混合する。真空を取り除き、n−メチルピロリドン、ジモルホリニル−ジエチルエーテルおよびFORMREZ(商標)UL28ジメチルスズジカルボキシレートを添加する。混合物を真空下で5分間混合しながら脱気する。次いで、真空を窒素で取り除く。カーボンブラックおよびCaCOを添加し、予めオーブン乾燥し、室温まで冷却する。真空を徐々に適用する。真空の半分が到達されるときに、混合を開始して、フィルタを2分間ウェットアウトさせる。次いで真空バルブを完全に開き、混合を完全な真空下で15分間継続する。その後、混合物を平らにし、使用するならばDOVERPHOS(商標)4トリスノニルフェノールホスフェートを添加し、完全な真空を追加の混合の前に再び適用する。混合物を真空下でさらに5分間混合する。次いで真空を窒素で取り除き、接着剤組成物をシールされた管にパッキングし、アルミニウムバッグに貯蔵する。表1には、本発明において調製および試験される接着剤成分を列挙する。表1において、1は入手可能なDRIKALITE(商標)未処理のカルシウムカーボネートであり、2は、HUBERCARB Q325カルシウムカーボネートである。
【表1】
【0044】
試験手順
本明細書に記載されるようなプレポリマーの粘度は、参考として本明細書に組み込まれるBhatの米国特許第5,922,809号明細書第12欄38〜49行に開示される手順に従って決定される。本明細書に記載されるような接着剤の粘度は、プレスフローを用いて決定される。プレスフローは、20グラムの接着剤が、0.157インチ(4.0mm)のオリフィスを80psi(552kPa)圧力にて通過するのにかかる時間である。接着剤の3日間−65℃の熱経年成長は、接着剤について3日間−65℃での熱処理後のプレスフロー粘度(秒)を接着剤の初期プレスフロー粘度で除し、100を乗じたものとして定義される。
【0045】
ピール接着試験は、6.3mm(ベース)×12mm(高さ)×100mm(長さ)サイズの三角形ビーズを試験される基材上に置くことによって行われ、離型紙を3mmの高さまで押圧する。ピール試験は、初期硬化の後、23℃および50%RH(相対湿度)にて特定の期間およびいずれかのさらなる環境曝露に関して行われる。試験される場合、スリット(20−40mm)を、接着剤末端部と基材との間に入れる。次いで硬化されたビーズは、>90°角度にてビーズの末端部を引き戻しながら、60°角度にて試験された基材を通過するかみそりの刃を用いて切断する。ノッチは、基材上に約3〜5mm毎に入れる。接着程度は、接着剤破壊(AF)、薄膜破壊(TF)および/または凝集破壊(CF)として評価される。AFの場合、硬化したビーズは、試験された基材表面から分離できる一方で、CFの場合、分離は切断および引張の結果としてシーラント接着剤内で生じ、TFはCFの特別な場合であり、切断および試験の後に基材上に硬化された接着剤の薄膜が残る。
【0046】
重ね剪断試験は、以下に記載されるSAE J1529試験手順に従って行われる。約ベース6.3mmおよび高さ8mmの接着剤組成物の三角形ビーズを、25mm×100mmの特定クーポン、例えばプライム処理ガラスクーポンの幅、および約6.3mm離れたクーポン末端部に沿って適用される。プライム処理されることができるまたはプライム処理されていなくてもよい第2の基材は、その間の組成物に関して最終的に6.3mmの高さを与えるために接着剤ビーズに直ちに押圧される。サンプルは、特に断らない限り、23℃で50%の相対湿度(RH)の条件下で7日間硬化させる。次いでサンプルをすぐにまたはさらなる環境曝露後に、2インチ/分(50mm/分)の速度で、Instronテスターを用いて引っ張る。サンプル面積(インチ)で除したサンプルの破断負荷(lbs)が.重ね剪断接着強度(psi)を与える。接着破壊は、上記で記載されるように評価される。たるみ試験は、以下の手順を用いて行われる。高さ10cmおよび長さ30cmの金属パネルをベンチに対して延直に置く。高さ1.8cmおよびベース0.62cmを有する接着剤組成物の正三角形ビーズは、パネルの頂部縁部に沿って分配される。30分後、接着剤組成物の先端部におけるたるみを測定し、記録する。引張強度、伸び、ヤング率、および引裂強度を、ASTM D412,Die Cに従って決定する。これらの試験は、Instron試験装置にて完了する。
【0047】
接着剤1は、23℃、50%相対湿度にて7日間の硬化後に、先に記載されたいくつかの特性について試験する。結果は、引張強度1257±16psi(8.667MPa)、伸び290±5、引裂強度197±5N/cm、およびヤング率(1−10%)6.41±0.41である。接着剤は、異なる硬化条件後に重ね剪断強度について試験する。基材は、Gen IVペイントでコーティングされ、プライマーのない金属クーポン、およびそこに堆積された亜鉛−ビスマスフリットを有するガラスクーポン、ならびにそこに適用されるBETASEAL 43518およびBETASEAL 43520Aである。硬化条件および結果を表2にまとめる。列挙された結果は、それぞれ3つのサンプルの平均である。
【表2】
【0048】
接着剤1のピール接着サンプルは、そこに堆積される亜鉛−ビスマスフリット、およびそこに適用されるBETASEAL 43518およびBETASEAL 43520Aを有するガラスクーポン上に、上記で記載されたように調製される。23℃、50%RHでの7日間の硬化後のクーポンは、それぞれ4および6日間90℃にて水中に置かれる。試験されたすべてのサンプルは、ピール接着試験における100%の凝集破壊を示した。
【0049】
上記で記載されるような重ね剪断クーポンは、上記で記載されるような接着剤1および2ならびにガラスクーポンを用いて調製される。金属クーポン上のコーティングは変動する。23℃、50%RHでの7日間の硬化後のクーポンを、ウェザーオーメーターに2000時間置き、次いで重ね剪断試験に供される。列挙された結果は、5つのサンプルの平均である。表3は、使用されるコーティングおよび結果を列挙する。
【表3】
【0050】
接着剤1および3は、プレスフロー粘度、粘度成長および65℃で3日間のたるみについて試験する。結果を表4にまとめる。
【表4】
【0051】
接着剤4から10は、表5に列挙される成分を用いて上記で記載されるように調製される。利用されるバッチサイズは、1500グラムである。接着剤は、先に記載されるように試験され、結果を表6にまとめる。
【表5】
【0052】
接着剤4〜10は、フリットガラス上でクイックナイフ接着剤試験を用いて試験し、ここでこのサンプルは、2つのプライマーシステムを用いて先に記載されるように調製される。最初は、BETASEAL(商標)43518クリアプライマーおよびBETASEAL(商標)43520ブラックアウトプライマー(PS1)である。第2は、BETASEAL(商標)16100ワンステップクリアプライマーシステム(PS2)である。23℃、50%RHにて7日間の硬化後のクーポンは、90℃でそれぞれ4、6および8日間水中に置く。結果を表6にまとめる。表6において、Dは、日を意味し、PSはプライマーシステムを意味する。
【表6】
【0053】
接着剤4から10は、本明細書に記載される種々の特性について試験される。試験および結果を表7にまとめる。プレスフロー粘度は、25℃±1℃にて行われる。クイックナイフ接着剤試験に関して、一部のサンプルは、23℃±1℃、50%RHにて7日間調整される(条件1)。他のサンプルは、23℃±1℃、50%RHにて7日間調整され、次いで100°F(37.8℃)および100%相対湿度にて14日間置かれる(条件2)。1組の試験に関して、その上に接着剤が堆積された基材クーポンは、ナフサで拭き取られ、MAC8000ペイントでコーティングされ、プライマーレス(コート1)である。第2の試験の組に関して、金属クーポンをナフサで拭き取り、GEN IVペイントでコーティングし、プライマーレス(コート2)である。
【0054】
【表7】
また、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
(1)(A)アルコキシシラン部分を有する1つまたはそれ以上のイソシアネート官能性プレポリマー、(B)イソシアネート部分と活性水素原子を含有する部分との反応を触媒する触媒量の1つまたはそれ以上の化合物、(C)カーボンブラック、および(D)組成物の総重量に基づいて約1〜約30重量%の量の未処理のカルシウムカーボネートを含む組成物。
(2)前記カルシウムカーボネートが、約3〜20重量%未満の量で存在する、上記(1)に記載の組成物。
(3)前記カルシウムカーボネートが、約5〜約15重量%の量で存在する、上記(1)または(2)に記載の組成物。
(4)前記触媒が、1つまたはそれ以上の三級アミン、1つまたはそれ以上の有機金属化合物またはこれらの混合物である、上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の組成物。
(5)50重量%以上の存在する前記イソシアネート官能性プレポリマーが、アルコキシシラン部分を含有する、上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の組成物。
(6)存在するイソシアネート官能性プレポリマーの85重量%超がアルコキシシラン部分を含有する、上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の組成物。
(7)存在する実質的にすべての前記イソシアネート官能性プレポリマーが、アルコキシシラン部分を含有する、上記(1)から(4)のいずれかの一項に記載の組成物。
(8)前記カルシウムカーボネートが、約15ミクロン以下の平均粒径を有する、上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の組成物。
(9)前記カルシウムカーボネートが、約10ミクロン以下の平均粒径を有する、上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の組成物。
(10)前記カルシウムカーボネートが、約7ミクロン以下の平均粒径を有する、上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の組成物。
(11)オルガノホスファイトが、前記組成物には実質的に含まれない、上記(1)から(10)のいずれか一項に記載の組成物。
(12)安定剤が、前記組成物には実質的に含まれない、上記(1)から(10)のいずれか一項に記載の組成物。
(13)23℃±2℃で7日間硬化後の前記組成物が、5MPa以上の引張強度、および100%凝集破壊である90℃の沸騰水中で6日後のクイックナイフ接着破壊モードを示す、上記(1)から(11)のいずれか一項に記載の組成物。
(14)(A)前記組成物の重量に基づいて約30重量部〜約60重量部以下の1つまたはそれ以上のポリウレタンプレポリマー、(B)約0.15重量部〜約2.0重量部の1つまたはそれ以上の三級アミン触媒、(C)約10〜約35重量部のカーボンブラック、および(D)約5〜20重量部未満のカルシウムカーボネートを含み、前記重量部が組成物の100部に基づく、上記(1)から(13)のいずれか一項に記載の組成物。
(15)前記組成物がさらに、1つまたはそれ以上の可塑剤を含む、上記(1)から(14)のいずれか一項に記載の組成物。
(16)上記(1)から(15)のいずれか一項に記載の組成物を、ガラスまたはコーティングされたプラスチック表面または基材表面に適用する工程;前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックおよび基材を接触させて、前記組成物が、前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックと前記基材との間に配置されるようにする工程;前記組成物を硬化させて、前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックと前記基材とを結合させる工程を含む、基材にガラスまたは摩耗耐性コーティングされたプラスチックを結合させる方法。
(17)前記接着剤が結合した前記ガラスが、表面にセラミックフリットコーティングされており、前記基材表面がその上にコーティングを有する、上記(16)に記載の方法。
(18)前記ガラスがプライム処理され、前記コーティングされた基材表面が、プライム処理されているか、またはされていないかのいずれかである、上記(16)または(17)に記載の方法。
(19)前記基材が、自動車であり、前記ガラスまたはコーティングされたプラスチックが、ウィンドウとしての使用に適合される、上記(16)から(18)のいずれか一項に記載の方法。