(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
装置を使用するウェブを変形させるためのプロセスであって、前記プロセスは、2つの係合ロールの間に形成されるニップに前駆体ウェブを送達する工程を含み、前記装置は、
a)ほぼ円筒形の第1ロールであって、前記第1ロールは表面、周辺部、及び軸を有し、前記第1ロールは、
前記ロールの前記表面上の前記ロールの前記周辺部で延びる複数のリッジ及び溝であって、前記リッジは上面を有し、前記溝は下面を有する、複数のリッジ及び溝、並びに
前記リッジの前記上面から外側に延びる複数の第1の離間した形成要素であって、前記第1形成要素は先端部を有し、前記リッジの前記上面は前記形成要素の前記先端部と、前記溝の前記下面との間に配置される、複数の第1の離間した形成要素、を含む、第1ロールと、
b)ほぼ円筒形の第2ロールであって、前記第2ロールは前記第2ロールの表面上に複数の独立の第2形成要素を有し、前記第2形成要素は先端部を有する、第2ロールと、を含み、
前記ウェブが前記ニップに送達されるとき、前記第2形成要素の前記先端部は前記第1ロールの前記リッジの少なくともいくつかの上面を超える深さまで、前記第1ロールの前記軸に向かって内側に延び、前記ウェブは(i)複数の離間した第1機構を形成するための、複数の離間した第1位置の前記第1形成要素、及び(ii)複数の離間した第2機構を形成するための、前記第1位置と異なる位置の前記第2形成要素により変形され、前記第2機構は前記第1機構の間に分布することを特徴とする、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
用語「吸収性物品」とは、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間装置、創傷ドレッシング、おむつ、成人用失禁物品、拭きとり用品などの吸収性物品を含む。更にまた、本明細書において記載される方法及び装置によって製造される吸収性物品は、磨き粉パッド、ドライモップパッド(例えば、SWIFFER(登録商標)パッド)などの、他のウェブにおいて使用され得る。このような吸収性物品の少なくともいくつかは、経血、又は血液、膣排出物、尿、及び糞便などの、体液の吸収を意図されている。拭き取り用品は、体液を吸収するために使用されてもよく、又は洗浄表面などの他の目的のために使用されてもよい。上記の様々な吸収性物品は典型的には、液体透過性シート、トップシートに接合された液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の吸収性コアを含む。
【0012】
用語「吸収性コア」は、本明細書において使用するとき、液体の貯蔵を主に司る、吸収性物品の構成要素を指す。そのようなものとして、吸収性コアは、典型的には吸収性物品のトップシート、又はバックシートを含まない。
【0013】
用語「吸収性部材」は、本明細書において使用するとき、典型的に、例えば、液体獲得、液体分配、液体位相、液体貯蔵などの、1つ以上の液体処理機能をもたらす吸収性物品の構成要素を指す。吸収性部材が吸収性コア構成要素を含む場合、吸収性部材は、吸収性コア全体、又は吸収性コア全体の一部のみを含む場合がある。
【0014】
用語「吸収性構造体」は、本明細書において使用するとき、吸収性物品の2つ以上の吸収性構成要素の構造を指す。
【0015】
用語「隣接する」とは、本明細書において使用するとき、機構及び区域を参照して、近い、又は近接することを意味し、互いに接触している必要はない。
【0016】
用語「開口部」とは、本明細書において使用するとき、穴を意味する。開口部は、開口部周囲の材料が、開口部の形成の前にウェブと同じ平面に位置するようにウェブを通じて綺麗に開けられるか(「二次元」開口部)、又は開口部周囲の材料の少なくとも一部がウェブの平面の外に押し出されるように穴が形成されるかのいずれかである。後者の場合において、開口部は内部に開口部を備える突起部又は凹部と似ている場合があり、開口部のサブセットとして、「三次元開口部」と称される場合がある。
【0017】
吸収性物品の用語「構成要素」は、本明細書において使用するとき、トップシート、獲得層、液体処理層、吸収性コアの吸収性コア又は層、バックシート、並びにバリア層及びバリアカフなどのバリアなどの、吸収性物品の個別の構成要素を指す。
【0018】
用語「機械横方向」又は「CD」は、ウェブの平面内の機械方向と垂直な経路を意味する。
【0019】
用語「変形可能な材料」は、本明細書において使用するとき、適用される応力又はひずみに反応してその形状又は密度を変更することができる材料である。
【0020】
用語「別個の」とは、本明細書において使用するとき、独立であるか、又は接続されていないことを意味する。用語「別個の」が形成部材の形成要素に対して使用されるとき、形成要素の遠位端(又は半径方向最外部)が、全ての方向(機械及び機械横方向を含む)において独立であるか又は接続されていないことを意味する(しかしながら、形成要素の基部は、例えばロールの同じ表面内に形成されていることがある)。
【0021】
用語「使い捨て」は、洗濯する、ないしは別の方法で吸収性物品又は製品として復元若しくは再利用することを一般に意図しない(すなわち、使用したら廃棄される、好ましくはリサイクルされる、堆肥化される、又は環境に適合する方法で処分されることを意図している)吸収性物品及び他の製品を説明するために本明細書で用いる。
【0022】
用語「形成要素」とは、本明細書において使用するとき、ウェブを変形させることができる、形成部材の表面上のいずれかの要素を指す。用語「形成要素」は、リングロール上のリッジ及び溝などの連続的又は非独立の形成要素、及び独立の形成要素の両方を含む。
【0023】
用語「混合の」とは、本明細書において使用するとき、構成要素の表面の少なくともいくつかの部分にわたり他の要素の間に分布する機構を指す(本明細書の記載においてこれらの機構は互いに異なる)。用語「混合の」とは、本明細書の記載により、いずれかの方向(長手方向、横方向、又は斜め方向が挙げられるがこれらに限定されない)において、最も近い機構の少なくとも2つが互いに異なるが、別の方向においては所与の機構と等しい距離にあるか、又はより近いことがある同様の機構が存在し得るような機構の配置を含む。
【0024】
用語「相互貫入SELF」、及び頭文字「IPS」は、本明細書において使用するとき、少なくとも2つの層又は材料を共に組み合わせるために、Procter & Gamble社のSELF技術(以下に記載)を使用するプロセスを指す。タフトは両方の材料から形成されてもよく、又は一方の材料のタフトが、他方の材料を貫通していてもよい。相互貫入SELFは、米国特許番号第7,648,752号においてより詳細に記載される。
【0025】
「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接固着することによって、要素を別の要素に直接固定する構成、ある要素を中間部材(類)に固着し、次にその中間部材を他の要素に固着することによって、ある要素を他の要素に間接的に固定する構成、ある要素が別の要素と一体化する構成、即ち、ある要素が他の要素の本質的な一部分である構成を包含する。「接合した」という用語は、要素の1つの表面全体にわたり要素が完全に別の要素に固定されている構成に加え、要素が別の要素の選択された位置に固定されている構成を包含する。用語「接合される」とは、機械的交絡が挙げられるがこれらに限定されない、要素を固定することができるいずれかの既知の方法を含む。
【0026】
用語「層」は、その主要な次元がX−Y(すなわち、その長さ(又は長手方向)及び幅(又は横方向)に沿った)である、吸収性部材を指す。用語「層」は、材料の単一の層又はシートに必ずしも限定されないことが理解されるべきである。層は、必要な種類の材料のいくつかのシート又はウェブの積層又は組み合わせを含む場合がある。したがって、用語「層」は、用語「層(複数)」及び「層状の」を含む。
【0027】
本明細書で使用するとき、「機械方向」又は「MD」は、ウェブなどの材料が製造プロセス中に通って進む経路を意味する。
【0028】
用語「雄/雌エンボス加工」は、本明細書において使用するとき、パターンを有するロールの少なくとも1つの対の使用を含むエンボス加工装置及びプロセスを指し、第1のパターンを有するロールは、1つ以上の突起物又は突出物を含み、第2のパターン付きロールは、第1のパターン付きロールメッシュの1つ以上の突起部が内部に係合する、1つ以上の凹部を含む。突起部及び凹部は、別個のエンボス加工要素であり得、これらは適合する又は適合しないパターンであり得る。用語「雄/雌エンボス加工」はしたがって、平坦なアンビルロール又は変形可能なロールに対するパターン付きロールの組み合わせを使用するエンボス加工プロセスを除く。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「巨視的」は、見る人の目とウェブとの間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、20/20の視力を有する人が容易に見ることができ、かつはっきりと識別できる構造的特徴又は要素を指す。逆に、用語「微視的」とは、このような条件下において、容易に見えず、はっきりと識別できないこのような機構を指す。
【0030】
用語「機械的衝突」又は「機械的変形」とは、本明細書において機械的力が材料にかかる、プロセスを指すものとして互換的に使用され得る。
【0031】
用語「マイクロSELF」とは、本明細書において定義されるSELFプロセスのものと同様の装置及び方法と同様であるプロセスである。マイクロSELF歯は、先端部及び後端部において開口部を備えるタフトを形成するにあたり、これらがより効率的であるように、異なる寸法を有する。ウェブ基材にタフトを形成するためにマイクロSELFを使用するプロセスが、米国特許出願公開番号第2006/0286343A1号において開示される。
【0032】
用語「恒久的に変形された」とは本明細書において使用するとき、適用される応力又はひずみに対して反応して、その形状又は密度が恒久的に変化する、変形可能な材料の状態を指す。
【0033】
用語「消費後の再利用材料」とは、本明細書において使用されるとき一般的に、家庭用、流通、小売、産業、及び解体などに関する、消費後の供給源に由来し得る材料を指す。「消費後繊維」は、その意図される用途を完了した後に処分又は再生するために廃棄されるか、消費後再利用される材料のサブセットであることを意図される、消費者製品から得られる繊維を意味する。消費後材料は、処分の前に消費者又はメーカーの廃棄用ストリームからの材料の分類から得られる場合がある。この定義は、例えば、波形化した厚紙容器などを含む、消費者に製品を輸送するために使用される材料を含むことが意図される。
【0034】
用語「リングロール」又は「リングローリング」とは、対向する回転ロール、係合ベルト、又は連続的なリッジ及び溝を含む係合プレート(変形部材の係合リッジ(又は突起部)及び溝(又は凹部)が間に配置されるウェブと係合してこれを伸張させる)を使用するプロセスを指す。リングロール加工の場合、変形部材は、リッジ及び溝の向きに依存して、機械横方向又は機械方向にウェブを伸張させるように、配置することができる。
【0035】
用語「回転ナイフ開口」(RKA)とは、本明細書においてSELF又はマイクロSELF変形部材に関連して記載されるものと同様の、係合変形部材を使用したプロセス及び装置を指す。RKAプロセスは、SELF又はマイクロSELF変形部材の比較的平坦な細長い歯が、ピラミッド型で細長く、少なくとも6つの面を有するように修正され、面は遠位端における点に対して実質的に三角形でありテーパ形状であるという点において、SELF又はマイクロSELFと異なる。開口ウェブ、又はいくつかの場合において、三次元開口ウェブ(米国特許出願番号第US 2005/0064136A1号、同第US 2006/0087053A1号、及び同第US 2005/021753号)を生成するためにウェブを切断し、かつ変形させるように形成される場合がある。歯の高さ、歯の間隔、ピッチ、係合深さ、及び他の加工パラメータなどのその他の点について、RKA及びRKA装置は、SELF又はマイクロSELFに関して本明細書に記載されたものと同じにすることができる。
【0036】
用語「SELF」又は「SELF’ing」は、Procter & Gambleの技術を指し、SELFは、Structural Elastic Like Film(構造的弾性様フィルム)の略である。そのプロセスは元来、有益な構造的特性を有するようにポリマーフィルムを変形するために開発されたが、SELFプロセスを用いると、他の材料中に有益な構造を作り出せることが見出された。SELFにより生成されるプロセス、装置、及びパターンは、米国特許番号第5,518,801号、同第5,691,035号、同第5,723,087号、同第5,891,544号、同第5,916,663号、同第6,027,483号、及び同第7,527,615 B2号に例示及び記載される。
【0037】
用語「タフト」は本明細書において使用するとき、不織布ウェブにおいて形成され得る、特定の種類の突起部を指す。タフトは典型的には、トンネル状の構成を有し、いくつかの場合においては、これらの端部の一方又は両方において開いている場合がある。
【0038】
用語「上方」とは、使用中に吸収性物品の着用者に近い(すなわち、吸収性物品のトップシートの方の)層などの吸収性部材を指し、逆に、用語「下方」とは、バックシートに向かう、吸収性物品の着用者から離れた吸収性部材を指す。用語「横方向」は、物品のより短い寸法の方向に対応し、これは一般的に使用中において、着用者の左−右の向きに対応する。「長手方向に」とは、その後横方向と垂直であるが、厚さ方向に対応しない方向を指す。
【0039】
用語「Z次元」とは、ウェブ又は物品の長さ及び幅に直交する次元を指す。Z次元は、通常、ウェブ又は物品の厚さに対応する。本明細書で使用する時、用語「X−Y次元」は、ウェブ、又は物品の厚さに直交する平面を指す。X−Y平面は通常、ウェブ又は物品の長さ及び幅とそれぞれ対応する。
【0040】
I.変形したウェブ材料
本発明は、変形したウェブ材料並びにウェブを変形させるための方法及び装置を対象とする。ウェブに追加的な特性をもたらす、ウェブ内の新しい構成を形成することができる、方法及び装置が開示される。用語「変形されたウェブ材料」が本明細書において使用されるとき、このような変形された材料による吸収性物品に関し、吸収性部材(又は非吸収性構成要素)などの構成要素を生成することが目的であることが理解されるべきである。このような場合、変形したウェブ材料は、吸収性物品のための個別の構成要素へと切断される。変形したウェブ材料はまた、包装材料及びゴミ袋が挙げられるがこれらに限定されない、吸収性物品以外の製品に使用され得る。
【0041】
現在の方法及び成形用具(形成構成要素)で生成することができない、構造が、ウェブ及びそれから形成される構成要素にもたらされ得る。このような構造は、ウェブの両側のウェブ平面の外側に延びる機構、及び/又は他の機構の間で混合される機構を含む。ウェブはまた、いくつかの場合において、従来の成形用具で可能であるよりも、より近い間隔の機構を備えることができる。吸収性物品に使用されるウェブの場合、そのような新しい構造は、ウェブの所定の部分において、ウェブの単一部分に、二重、又はそれ以上の特性(例えば、改善された柔軟性、流体処理、又は他の特性)をもたらすような、構造を含み得る。装置及びプロセスは、ウェブの変形の位置合わせの調節を維持する一方でウェブを複数回変形させることができる。すなわち、ウェブの位置/位置合わせは、ウェブが第1形成ニップに送達されるときから、これが最後の形成ニップを出るときまで、機械方向及び機械横方向で制御され得、よってニップ下流における変形は、前のニップでの変形に対して制御された位置で生じる。
【0042】
変形されるウェブ(又は「前駆体ウェブ」)は、織布、不織布、フィルム、これらの材料の組み合わせ又は積層など、任意の好適な変形可能な材料を含み得る。本明細書で使用するとき、用語「不織布ウェブ」は、間に入れられた、しかし織布又は編まれた布地内のような繰り返しの模様内ではなく、通常無作為に配向された繊維を有さない、個々の繊維又は糸の構造体を有するウェブを言う。不織布ウェブ又は不織布は、例えば、メルトブローン、スパンボンディング、水流交絡、エアレイド、湿式載置、空気通過乾燥紙作製プロセス、及び結合カードウェブプロセス(カード熱接着を含む)などの、多くのプロセスで形成されている。織布、不織布、フィルム、混合、又は積層は、天然材料、合成材料、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない任意の好適な材料から作製され得る。好適な天然材料としては、セルロース、コットンリンター、バガス、羊毛繊維、シルク繊維が挙げられる。いくつかの実施形態において、ウェブ材料は、セルロースを実質的に含まず、及び/又は紙材料を含まない場合がある。他の実施形態において、本明細書において記載される方法は、セルロースを含む前駆体材料に対して行われてもよい。好適な剛性材料としては、レーヨン及びポリマー材料が挙げられるがこれらのこれらに限定されない。好適なポリマー材料としては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリプロピレンが挙げられるがこれらに限定されない。上記の材料のいずれかが、消費後再利用材料を含み得る。
【0043】
1つの非限定的な実施形態において、変形されたウェブ材料は、内部に独立の変形を有するウェブを含む。ウェブは、第1表面及び第2表面を含む。ウェブはa)実質的に非変形の第1区域であって、非変形区域は内部の変形部を形成する前にウェブの第1及び第2表面に対応する表面を有する、第1区域と、b)内部に開口部を有するウェブ材料の部分、突起部、及び凹状領域(又は「凹部」)を含み得る、機構を含み得る、第1位置における、複数の離間した第1形成機構(又は「第1機構」)と、c)内部に開口部を有するウェブ材料の部分、突起部、及び凹状領域(又は「凹部」)を含み得る、機構を含む第2位置における、複数の離間した第2形成機構(又は「第2機構」)とを含む。いくつかの実施形態において、第1機構及び/又は第2機構は、前述の種類の機構の1つ以上から構成される群から選択され得る。第2機構は、異なる種類であり、及び/又は第1機構とは異なる特性又は性質を有する場合があり、第2機構は、第1機構と混合されていてもよい。いくつかの実施形態において、隣接する機構の全て、又は最も近い機構の全てが、異なる種類であり、及び/又は異なる特性を有してもよい。いくつかの実施形態において、いずれかの方向の、所定の機構に最も近い8つの機構の少なくとも4つは、異なる種類であり、及び/又は異なる特性を有し得る。ウェブ材料は更に、第3、第4、又はそれ以上の形成機構を含み得る。第3、第4、又はそれ以上の形成機構は、本発明に記載される機構のいずれかを含み、又はいずれかの特性を有することができ、いずれかの態様において第1及び第2機構と異なることがある。
【0044】
いくつかの実施形態において、比較的小面積内において複数の機構を密に詰めることが可能であり得る。例えば、第1機構と第2機構との間のいずれかの方向における中心間の距離は、約20mm、あるいは10mm、5mm、3mm、2mm、又は1mm以下であり、これらの数字の2つのいずれかの範囲内であり得る。645mm
2(1平方インチ)の領域内における機構の合計数は、4、25、100、250、500、又は645以上であるか、又はこれらの数字の2つの間のいずれかの範囲内である。645mm
2(1平方インチ)内の第1機構の数は、同じ領域内の第2機構の数と同じであるか又は異なる場合がある。25.4mm(1インチ)平方面積内の機構の数は、細い先端部又はマーカーにより、25.4mm(1インチ)×25.4mm(1インチ)の正方形の領域を材料上にマーキングし、かつ25.4mm(1インチ)の正方形の境界内又は境界上に完全に又は一部が位置する、第1、第2、第3...機構の数を数えることにより判定され得る。低電力顕微鏡又は他の拡大補助具が、必要により材料内の機構の視認性を補助するために使用され得る。第1機構の数の第2機構の数に対する比率は、0.0016〜115であり得る。第1機構の数が第2機構の数と等しいとき、比率は1である。フィルムを含むウェブに関連する実施形態において、第1機構の数の第2機構の数に対する比率は、0.125〜8であり得る。第3、第4、又はそれ以上の異なる種類の機構が存在する場合、これらの比率は機構の全ての対の組み合わせに対して適用される。
【0045】
第1機構及び第2機構は、任意の好適な大きさであり得る。典型的に、第1機構又は第2機構のいずれかは、巨視的である。いくつかの実施形態において、第1機構及び第2機構は両方とも巨視的である。個別の機構の平面面積は、ウェブのいくつかの実施形態において、約0.5mm
2、1mm
2、5mm
2、10mm
2、又は15mm
2と同等以上であるか、又はこれらの数字の2つの間のいずれかの範囲内にあってもよい。しかしながら、本明細書において記載される方法は、0.5mm
2未満の平面面積を有する微視的な第1機構及び/又は第2機構を生成するために使用され得る。
【0046】
第1機構及び第2機構は、任意の好適な構成であり得る。機構は連続的及び/又は独立であり得る。機構のための好適な構成としては、リッジ(連続的な突起部);及び溝(連続的な凹部);タフト;柱状の形状;ドーム型、テント型、火山形、円形、楕円形、砂時計型、星形、多角形、角の丸い多角形などを含む平面図における構成を有する機構並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。多角形としては、矩形(正方形を含む)、三角形、六角形、又は台形が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2機構は、上記の構成の1つ以上を含まない場合がある。
【0047】
第1機構及び第2機構は、以下の特性の1つ以上について互いに異なる場合がある:種類、形状、大きさ、アスペクト比、縁部から縁部への間隔、高さ又は深さ、密度、色、表面処理(例えば、ローションなど)、機構内のウェブ層の数、及び向き(ウェブの異なる面からの突起)。用語「種類」とは、本明細書において使用するとき、機構が開口部(二次元開口部、又は三次元開口部)、突起部(タフト、又は他の種類の突起部)、又は凹部であるかを指す。ある機構が上記のこれらの特徴の1つを含み(例えば、二次元開口部)、他方の機構が、上記の機構の別の1つを含む場合(例えば、三次元開口部)、2つの機構は種類が異なるものとみなされる。機構が、上記の特性以上の1つの特性において、互いに異なるものとして記載される場合、これは、製造許容誤差内のばらつきの結果である、僅かな差異以外の差異を含むことを意味する。ウェブ材料は、内部に独立した熱結合又は接着剤結合部位を有する場合があるが、いくつかの実施形態においては、本明細書におけるこのプロセスにより付与される関心の機構は、このような結合部位を含まないことが理解される。
【0048】
様々な種類の変形したウェブが、これを形成するために使用される装置及び方法の記載と共に示される。これらのウェブは、吸収性物品(トップシート、バックシート、獲得層、吸収性コアなど)、包装(フローラップ、収縮包装のフィルム、及びポリ袋など)、ゴミ袋、食品ラップ、拭き取り用品、顔用ティッシュ、トイレットペーパー、ペーパータオルなどの製品の様々な構成要素を形成するように切断され得る。
【0049】
II.ウェブ材料を変形するための装置
先行技術の手法は、機構の配置が制御された、明確に画定された混合機構を形成するために好適ではない。したがって、機構の2つ以上のセットの形成のより良い独立した制御を可能にするプロセスを設計することが望ましい。機構の各セットの形成のより良い独立した制御を達成するための2つの手法が提示される。1つの手法は、独立の雄型形成要素を含む2つのロールを備える単一のニップを利用し、少なくとも1つのロールが2つ以上の突出リッジを含む。第2手法は、マルチヒット(マルチニップ)構成を含み、これは機構の多数のセットの配置及び方向付けの制御を可能にする。これらの手法のそれぞれは、機構の所望の大きさ及び/又は形状が達成されるように、機構の各セットの形成に対する独立した制御、及びウェブのロールに対するより良好なパターン配置を可能にし得る。
【0050】
機械的変形プロセスは、任意の好適な種類の形成構造を含み得る、任意の好適な装置で実行することができる。好適な種類の形成構造としては、間にニップを画定する一対のロール、プレートの対、ベルトなどが挙げられるがこれらに限定されない。ロールを備える装置の使用は、連続的なプロセス、特にプロセスの速度が関心となる場合において有益であり得る。開口部は、主にロールのための利便性のためのものとして本明細書において記載されるが、この記載は、他の任意の好適な構成を有する形成構造に対して適用可能であるものとして理解されるべきである。
【0051】
本発明の理解を補助するため、いくつかの先行技術の装置が示される。
図1は、ウェブ材料を変形させるための先行技術の装置20の一実施形態を示す。
図1に示される装置は、「対ロール構成」と称される。この装置において、ウェブ材料10は、ロール22A及び22Bを含む、組み合わせたロールの第1対22の間の第1ニップNを通じて送達される。組み合わせたロールの第1対22の下流において、ロール24A及び24Bを含む組み合わせたロールの第2対24の間の第2ニップNを通じてウェブが送達される。ウェブ材料10は、第1表面又は側部10A、及び第2表面又は側部10Bを有する。典型的には、このような装置は、ウェブに連続的な変形部を形成するために使用される。出願者は、各ニップにおいてウェブ10内に独立した変形を形成するための、このような装置を使用することを想到した。しかしながら、このような装置は、第2ニップにおいて形成される変形部を第1ニップにおいて形成される変形部と位置合わせするか、又は整列させる際に困難を生じる。これらの困難は、少なくとも部分的には、いずれのロールとも接触を維持されていない、第1ニップと第2ニップとの間のウェブ材料の、自由スパンSが存在するという事実による。第2ニップにおいて変形されるウェブの部分にわたる制御における正確性の損失を生じる。これは特に、連続的なニップの間の自由スパンにおける大きさを変えることができる、使い捨て製品に見出されることが多い、より可撓性又はより低弾性の材料において該当する。
【0052】
図2は、ウェブ材料を形成するための、別の先行技術の装置を示す。
図2に示される装置30は、「プラネタリー」又は「サテライト」ロール構成と称される。この装置において、「太陽」すなわち中央ロール32、及び中央ロール32とニップNを形成する、1つ以上の衛星ロール34、36、及び38が存在する。例えば、
図1及び
図2に示される装置は既知であるが、本明細書において同じもののバリエーションが開示され、これらは既知ではないものと考えられ、
図1又は
図2がこのようなバリエーションを開示するものとは、明らかに認められない。従来的なプラネタリーロール構成の不利益は、下流の衛星ロール36及び38が、第1衛星ロール34と同じ側のウェブ10のみしか変形できないことである。したがって、いくらかがウェブの一方の表面から外側に延び、いくらかがウェブの別の表面から外側に延び、機構の複数のセットの変形及び配置を別個に制御するようにして、ウェブに独立した変形部を形成することは、通常不可能である。従来的なプラネタリーロール構成の別の不利益は、衛星ロール34、36、及び38は、中央ロールの凹部においてウェブ10のみを変形することができることである。したがって、形成された機構の間隔は、中央ロール上の凹部の間隔によって制限される。したがって、形成ロール上の凹部の中心から中心への間隔よりも小さな中心から中心への間隔を有する独立した形成部をウェブ内に形成することは不可能である。
【0053】
図3は、
図2に示される装置のバリエーションである、ウェブ材料を形成するための別の先行技術の装置を示す。装置は、中央ロール42並びに衛星ロール44及び48を有する。
図3に示される装置40は、中央ロール42の周囲の1つの位置において、ウェブ材料10が中央ロール42の表面から、中央ロール42から離間したロール46まで移送され、それによってこの後者のロール46が中央ロール42とニップを形成しないということにおいて、
図2の装置とは異なる。
図3に示される装置は、取り外し可能なロールを備えるプラネタリー又は衛星ロール構成と称される。取り外し可能な構成を備えるプラネタリー又は衛星ロール構成の不利益は、取り外し可能ロール46の周囲に巻き付くためにウェブが中央ロール42を離れた後にウェブ10において変形部が作成されるときに、変形ニップの間の、材料の大きな自由スパンSのために、ウェブの変形部の位置合わせの制御を維持することが困難であることである。
【0054】
独立雄型形成要素を備える、2つのロールを含む単一のニップを使用して、ウェブに複数のセットの独立した変形部を形成することを、出願人は想到する。この手法の不利益は、典型的に機構の1つのセットが、他方よりも優先的に形成され、機構の第2セットが、全く形成されないか、所望の機構の大きさ及び/又は形状を生じない場合があることである。いずれかの特定の理論に束縛されることを意図せず、2つの係合ロールパターンにより、最も抵抗の少ない経路を材料が辿ることの結果であると考えられる。係合ロールが同一である状況において、従来的な単一ニップ装置は、要素が別個のニップに独立に形成される場合に形成されるのと、同じ構造を生成しない。先行技術の手法は、機構の多数のセットの変形及び配置の独立した制御を生じ得る装置を提供しない。上記の装置と関連する欠点のために、出願者はロールの構成の改善された構造を開発した。
【0055】
図4は、本明細書において記載されるプロセスにおいて使用され得る装置の1つの非限定的な実施形態を示す。
図4に示される装置50は、「ネスト状ロール」構成と称される。この装置50において、ロール52、54、56、58、及び60は、側部(すなわち、ロールの端部)から見た際に、オフセット構成で配置される。この装置において、ロール54、58、及び60などの少なくとも1つのロールが、2つの隣接するロールの間の間隙内に位置する。ロールの少なくとも2つが、他のロールと共に上部に2つ以上のニップNを画定する。例えば、ロール58はロール52及び54と2つのニップを形成し、ロール54は、ロール58及び60と2つのニップを形成する。典型的に、ネスト状のロール構成において、少なくとも4つのほぼ円筒形のロールが存在し、ロールの少なくとも2つが上部に形成要素を有する。より具体的に、ネスト状構成において、ロールはそれぞれ軸Aを有し、ロールは、円形の側面の1つから見たとき、ロールの少なくとも2つの異なる対(これらの対は少なくとも1つの共通のロールを有し得る)の軸Aを通じて引かれる直線B及びCは平行にならないように、配置される。
図4に示されるように、隣接するロールの対の軸を通じて引かれる直線B及びCの少なくともいくつかが、その間に角度を形成する。
【0056】
ネスト状ロール構成は、いくつかの利益をもたらし得る。ネスト状ロール構成は、
図1〜3に示されるロール構成のいくつかよりも多い、合計ロール数当たりのニップをもたらす。ネスト状ロール構成は、ウェブ中の変形部を位置合わせするためにウェブ10の制御を維持するが、これは、ウェブの少なくとも1表面のウェブの長さに沿った全ての部分が、ウェブが第1形成ニップに入る点から、ウェブが最後の形成ニップを出る位置までロールの少なくとも1つと実質的に接触したままであり得るためである。ウェブがロールと実質的に接触したままであるものとして記載される場合、ウェブはロール状の形成要素の先端部のみでロールと接触し、隣接する形成要素間を架橋してもよい。隣接する形成要素の間に小さな自由スパンを含むウェブは更に、ロールと実質的に接触するものと考えられ、長さ2cm以下のウェブの不支持区分又は自由スパンが存在するロール構成も同様である。ネスト状ロール構成は、異なる機械横方向位置(又はレーン)、及びウェブの異なる面に変形部を形成する能力をもたらす。ネスト状ロール構成はまた、製造現場におけるより小さい設置面積を有する。
図4に示される全体ネスト状ロール構成はまた90°回転され得、それによってロールが垂直に重ねられ、装置は、製造現場により小さい空間を占める。
【0057】
図4Aは、ウェブを変形させるための方法及びネスト状ロール装置62の別の実施形態を示す。装置62は、
図4に示される装置と同様である。しかしながら、
図4Aに示される実施形態において、第2ウェブ12は、第1ニップN1の下流のニップN2において導入される。本明細書において記載される方法は、任意の数の追加的なウェブが第1ニップの下流のいずれかのニップにおいて装置内に送達され得ることを想到する。追加的な層は、異なる化学的構成要素、配合、審美性、導電性、芳香特性、及び機械的特性を有する、ウェブを加えるために使用され得る。本明細書において記載されるプロセスは、機構の特性及び審美性に追加的な制御をもたらす、多層構造内に形成される機構の独立的な制御を可能にする。例えば、このプロセスは、いくつかの機構がその厚さを通じて他の機構よりも多くの層を有する、多層構造を生成する能力をもたらす。
【0058】
本明細書において記載される装置及び方法において使用されるロールは典型的にはほぼ円筒形である。用語「ほぼ円筒形」とは、本明細書において使用するとき、完全に円筒形のロールだけではなく、その表面上に要素を有し得る円筒形ロールをも包含する。用語「ほぼ円筒形」はまた、例えば、ロールの端部付近のロール表面において、逓減する直径を有し得るロールを含む。ロールはまた、典型的には剛性である(すなわち、実質的に変形可能でない)。用語「実質的に変形可能でない」とは、本明細書において使用するとき、本明細書において記載されるプロセスの実行において使用される、条件下において典型的に変形又は圧縮しない表面(及びその上のいずれかの要素)を有するロールを指す。ロールは、鋼、アルミニウム、又は硬質プラスチックなどが挙げられるがこれらに限定されない任意の好適な材料から作製され得る。鋼は、ステンレス鋼などの、耐腐食性、及び耐摩耗性の鋼からなる場合がある。ロールは、加熱されてもされなくてもよい。加熱される場合、熱機械プロセスの当業者にとって既知の手法により、熱膨張効果の検討がなされなくてはならない。
【0059】
本明細書において記載される装置及び方法において使用されるロールは、ウェブ材料の一部を機械的に変形させるために使用される。機械的変形プロセスは、ウェブの一部を恒久的に変形させ、ウェブに上記の種類の機構を形成するために使用され得る。用語「機械的に変形させる」及び「機械的変形」は、本明細書において使用するとき、液圧形成プロセスを含まない。本明細書において記載されるプロセスにより形成される機構は、材料が最後のニップを出るまでウェブ材料が通過する第1ニップの間の、少なくともロールの1つ(これは、計測表面として機能する)と実質的に連続的に接触し得る、ウェブの制御を、本明細書において記載されるプロセスが維持するために、位置合わせされ得る。
【0060】
ロールは、その表面(又は表面構成)上にいずれかの好適な種類の要素を有し得る。個別のロールの表面は、所望の種類の機械的変形により、リッジなどの独立した突起部若しくは連続的な突起部などの「雄型」要素、ロールの表面の独立の若しくは連続的な空隙などの「雌型」要素若しくは凹部、又はその任意の好適な組み合わせを含む、形成要素を備えることがある。雌型要素は、下面(これは凹部、空洞、又は溝を指すことがある)を有してもよく、又はこれらは、開口部(ロールの表面の貫通孔)の形態であり得る。いくつかの実施形態において、形成構造の構成要素(例えばロール)上の形成要素は、同じ一般的種類を含み得る(すなわち、対向する構成要素は両方とも、上部に雄型形成要素、又は雄型及び雌型要素の組み合わせを有し得る)。
【0061】
形成要素は、任意の好適な形状又は構成を有し得る。所与の形成要素は、同じ平面図における長さ及び幅寸法を有し得る(円形又は正方形の平面図を有する形成要素など)。あるいは、形成要素はその幅よりも大きな長さを有する場合があり(例えば、矩形の平面図を有する形成要素など)、この場合、形成要素はその長さの幅に対するいずれかの実質的なアスペクト比を有し得る。形成要素のための好適な構成としては、リッジ及び溝;三角形の断面を有する歯;柱状の形状;円形、楕円形、砂時計型、星形、多角形などを含む平面図構成を有する要素、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。多角形としては、限定はしないが、長方形、三角形、六角形、又は台形が挙げられる。形成要素は、平坦な、丸い、又は鋭い先端部を有し得る。いくつかの実施形態において、雌型要素の形状は、任意の係合する雄型形成要素の形状と異なる場合がある。いくつかの実施形態において、雌型形成要素は、1つ以上の雄型形成要素と係合するように構成され得る。
【0062】
形成要素は、任意の好適な大きさであり、任意の好適な間隔を有し得る。例えば、マイクロ非平坦化ウェブを形成するための少なくとも1つの形成要素は、約800マイクロメートル未満の中心間隔で、少なくとも3つ、4つ、又は少なくとも5つのその隣接する形成要素を備え、これは、本出願と同日付で出願された、米国特許出願番号第13/094,477号、表題「Process for Making a Micro−Textured Web」に記載される。いくつかの実施形態において、形成構造上の形成要素の少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも95%、又は全てが、これらの隣接する形成要素10の少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つと、約800マイクロメートル未満の中心間の間隔を有する。他の許容可能な中心間隔は、約30マイクロメートル〜700マイクロメートル、約50マイクロメートル〜600マイクロメートル、約100マイクロメートル〜約500マイクロメートル、又は約150マイクロメートル〜約400マイクロメートルである。隣接する形成要素間の中心間隔は、同じであるか又は異なっていてもよい。形成要素の中心間隔は、このようなマイクロ平坦化ウェブのために使用される大きさから、本明細書において記載されるより大きな形成要素の中心間隔の大きさの実施例までの、又はこれを超える範囲に及び得る。形成構成要素のために好適な構成としては、リングロール、SELFingロール、マイクロSELFingロール、及びRKAロール、雄型/雌型エンボスロール、上記の特許出願の、マイクロ非平坦化ウェブを形成するための形成構成要素を含むがこれらに限定されない。いくつかのこのようなロール表面構造が以下に記載される。
【0063】
図5は、ロール64及び66がここで「リングロール」と称される実施形態を示す。ロール64、及び66は、本明細書において示され記載される他の装置のロールの場合において、平行な関係で配置された回転軸Aを有する対応する回転シャフト上に位置する。本明細書において記載される実施形態の全てにおいて、ロールは非接触で、軸方向に駆動される。この実施形態において、ロールの表面は、複数の交互のリッジ68及び溝70を有し、これはロールの周囲に延びている。他の実施形態において、リッジ及び溝は、ロールの軸Aと並行に延びる場合がある。このようなロールの1つ以上は、本明細書において記載される装置の様々な実施形態において使用され得る。
【0064】
図5に示される実施形態、及び本明細書において記載される他の様々な実施形態において、ロールは係合するか、係合しないか、又は少なくとも一部が係合する場合がある。用語「噛み合う」又は「係合する」は、本明細書において使用するとき、形成構造(例えば、ロール)の構成要素の1つの形成要素が他方の形成構造の表面に向かって延び、形成要素が、他の形成構造の表面上の形成要素の先端部を通じて引かれた仮想平面の間、及びその下で延びる部分を有する実施形態を指す。用語「非係合」は、本明細書で使用するとき、形成構造(例えば、ロール)の構成要素の1つの形成要素が他方の形成構造の表面に向かって延びるが、他の形成構造の表面上の形成要素の先端部を通じて引かれた仮想平面の下で延びる部分を有さない構成を指す。用語「部分的に係合する」は、本明細書において使用するとき、形成構造(例えば、ロール)の構成要素の1つの形成要素が他方の形成構造の表面に向かって延び、第1ロールの表面上の形成要素のいくつかが、他の形成構造の表面上の形成要素の先端部を通じて引かれた仮想平面の間、及びその下で延びる部分を有し、第1ロールの表面上の要素のいくつかが、他方の形成構造の表面上の形成要素の先端部を通じて仮想平面の下で延びない実施形態を指す。
【0065】
図5に示されるように、ロールは典型的に反対方向に回転する(すなわち、ロールは、逆回転である)。これはまた、本明細書において記載される他の実施形態においても妥当する。ロールは、実質的に同じ速度又は異なる速度で回転し得る。用語「実質的に同じ速度」とは、本明細書において使用するとき、速度の差が0.3%未満であることを意味する。ロールの速度は、表面又は周囲速度において測定される。典型的に、ウェブがポリマー材料を含む場合、ロールは実質的に同じ速度で回転する。ウェブがセルロース材料を含む場合、ロールは異なる速度で回転し得る。ロールは、ロールを異なる軸速度で回転させることにより、又は同じ軸速度で回転する異なる直径を有するロールを使用することにより、異なる表面速度で回転してもよい。ロールは、ロールの間のニップを通じてウェブが送達される速度と実質的に同じ速度で回転してもよく、又はこれらはロールの間のニップを通じてウェブが送達される速度を超える速度で回転してもよい。ロールが異なる速度で回転する場合、0.3%以上、100%以下など、ロールの間の表面又は周辺速度の任意の好適な差が存在し得る。1つの好適な範囲は1〜10%である。ウェブの一体性を維持する(すなわち、ウェブを裂かない)速度でロールが回転することが一般的に望ましい。
【0066】
図6は、上部ロール72が周辺方向リッジ68及び溝70を有するリングロールであり、下部ロール74がProcter & Gamble Companyの「SELF」又は「SELFing」ロールの一方である、別のロール実施形態を示す。SELFロールの形成要素は、機械方向(MD)又は機械横方向(CD)に向けられる場合がある。この実施形態において、SELFロールは、複数の交互の周辺方向のリッジ76及び溝78を含む。リッジ76は、内部に形成された離間したチャネル80を有し、これはロールの軸Aと平行に向けられる。チャネル80は、SELFロール74上の独立の形成要素又は歯82を生成する、リッジ76に断絶を形成する。
図6に示される実施形態において、歯82は、機械方向(MD)に向けられた、これらのより長い寸法を有する。
図6に示されるロール構成は、本明細書において、MD及びCDにおいて列に位置合わせされるために、標準的な「CD SELF」と称され、通常のSELFプロセスにおいて、このようなロールを有するニップNに送達される材料は、機械横方向(又は「CD」)において伸張される。
【0067】
本明細書において参照として組み込まれる、SELF特許に記載される、他の実施形態において、SELFロールは、機械方向、又は「MD SELF」ロールを含む場合がある。このようなロールは、ロールの軸Aと平行に向けられた、交互のリッジ及び溝を有する。このようなロールのリッジは、内部に形成された離間したチャネルを有し、これらはロールの
周辺部に
方向付けられている。チャネルは、リッジ内に断絶を形成し、MD SELFロール上に独立の形成要素又は歯を形成する。MD SELFロールの場合、歯は機械横方向(CD)に向けられた、これらのより長い寸法を有する。
【0068】
図6Aは、本明細書において記載される装置において使用するために好適なロールの別の実施形態である。この実施形態において、ロール90は、Procter & Gamble CompanyのCD SELF技術ロールの1つのバリエーションを含む。
図6Aに示されるように、ロールの表面は、複数の離間した歯100を有する。歯100は、互い違いのパターンで配置される。より具体的に、歯100は、ロール周辺の、102A及び102Bなどの、複数の周辺方向に延びる、軸方向に離間した列で配置される。各列内の歯の間の間隔TDにおいて、各列の歯は、複数の周辺方向に延びる、軸方向に離間した交互のリッジ及び溝空域を形成する。歯の長さTL及び機械方向(MD)間隔TDは、隣接する列102A及び102Bの歯が、ロールをこれらの端部のいずれからか見た際に、重複するか、又は重複しないように見えるように、画定され得る。示される実施形態において、隣接する列の歯100は、0.5xの距離で周囲方向にオフセットされる(「x」=歯の長さTL+所与の列の歯の間のMD間隔TD)。換言すれば、隣接する列の隣接する歯の前端部LEは、MDにおいて0.5xだけオフセットされる。
図6Aに示されるロールは、リッジ及び溝をロールに最初に切り込み、その後、歯100をロールの表面に螺旋状に、各螺旋状の切削が連続的になるようにして切り込むなどによる、適切な方法によって作製される。所望により、歯の輪郭(特に、前縁部及び後縁部)は、プランジ切削を使用して修正され得る。
【0069】
ロール90は、一方のロールにおける歯の列が、対向するロールの歯の間の溝付区域と位置合わせするように、内部にリッジ及び溝を有する対向するロールと位置合わせされ得る。本明細書に記載される方法のCD SELFロールを使用する利益は、複数ヒット(複数ニップ内での衝突)をもたらす複数ロールの位置合わせがより容易であることであり、これは機械横方向において歯の区域を位置合わせすることのみを必要とし(すなわち、歯の区域を対向するロールの溝区域と位置合わせすること)、MDにおいて歯の区域の位相を合わせ、位置合わせすることを必要しないためである。互い違いの歯のパターンは、ウェブ10が、互い違いのパターンにおいて機構を形成するように機械的に衝突することを可能にする。
【0070】
図6Bは、リッジ76及び歯82の間の溝78として見える歯82を含む、
図6に示される係合ロール72及び74の一部を、断面図で示す。歯は、断面図で見た際に、三角形又は逆V字形を有する場合がある。歯の頂点は、ロールの表面に対して最も外側にある。示されるように、歯82は、歯の高さTH、歯の長さTL(
図6)、及びピッチPと称される歯の間の間隔(又はリッジの間の間隔)を有する。互い違いのロールにおいて、ピッチは、形成要素の隣接する列の間の間隔と等しい。このような実施形態において歯の長さTLは、周辺方向における測定値である。歯の最も外側の先端部は、前駆体材料の切断又は断裂を避けるために、好ましくは丸い、側部を有する。歯の先端部の大きさ及び形状は、先端部半径TRにより特定され得る。歯の前端部及び後端部もまた半径を有してよく、又は歯は直角を形成してもよい(半径を有さない)。示されるように、1つのロールのリッジ68が、対向するロールの溝78に一部が延びて、「係合深さ」(DOE)Eを画定し、これは、ロール72及び74の係合レベルの尺度である。係合深さはゼロ、係合ロールに対して正、又は非係合ロールに対して負であり得る。係合深さE、歯の高さTH、歯の長さTL、歯の間隔TD、先端部半径TR、及びピッチPは、前駆体ウェブ10の所望の特性、及び形成されたウェブ20の所望の特性によって変化し得る。
【0071】
歯は、任意の好適な寸法を有し得る。SELFロールのいくつかの実施形態において、歯100は、約0.5mm(0.020インチ)〜約13mm(0.512インチ)の長さTL、及び約0.5mm〜約13mmの間隔TD、約0.5mm〜約17mm(0.669インチ)の範囲の歯の高さTH、約0.05mm(0.002インチ)〜約0.5mm(0.020インチ)の範囲の歯先端部半径TR、及び約1mm(0.040インチ)〜10mm(0.400インチ)のピッチPを有し得る。係合深さEは、約−1mm〜約16mm(歯の高さTHに近づく最大値まで)であり得る。当然、E、P、TH、TD、TL、及びTRはそれぞれ、ウェブの所望の特性を達成するために互いに独立して変動し得る。歯を表す別の特性は、これらの側壁の角度である。側壁の角度は、歯の中心を通じてロールの中央軸から外側に延びる仮想的な垂直線に対して、歯の長い側面が成す角度である。歯の先端部のいずれの直径も無視される。典型的に、歯の側壁の角度は、ロールが係合する際に、ウェブにおいて十分な隙間が存在し、ウェブが成形用具によって剪断されず(他の部分に対して滑らされるウェブの部分)、又は引っ張られないように、画定される。しかしながら、セルロース材料を含むものなど、いくつかの材料において、より小さい隙間を有し、材料中に剪断力を誘発することが有利であり得る。典型的に、側壁の角度は、約3°〜15°である。歯の先端部及び後端部は、典型的には方形化され、基部から歯の先端部にわたって垂直な側壁を有する。
【0072】
図6Cは、本明細書において「MD互い違いSELF」ロールと称された別のロール92の実施形態を示し、ここで歯100は、これらのより長い寸法がCDに向けられ、互い違いになるように向けられている。ロール92は、歯の間に形成される、周辺方向に延びるチャネル94を有する。
【0073】
図7は、上部ロールがリングロールであり、下部ロールが本明細書において回転ナイフ開口(又は「RKA」)ロールと称される、別のロール実施形態を示す。
図7に示されるように、ロールは、逆方向に回転する係合ロールの対を含み、トップロール72は、周辺方向に延びるリッジ68及び溝70を含み、下部ロール104は、少なくとも6つの面を有するピラミッド型の歯110を含み、面は実質的に三角形であり、基部から先端部にかけてテーパ状である。歯110は、間に溝112を有し、離間した周辺方向の列で配置される。歯110は、基部において下部ロール104に接合され、歯の基部は、断面幅寸法よりも大きな断面長さ寸法を有する。典型的には、RKAロール104上の歯110が他のロール72上の溝70と係合する際に、ウェブ材料10内に形成される。歯の高さ、歯の間隔、ピッチ、係合深さ、及び他の加工パラメータについて、RKA及びRKA装置は、SELF又はマイクロSELFに関して本明細書に記載されたものと同じにすることができる。RKAロールは、米国特許出願公開番号第2006/0087053 A1号に更に詳細に記載される。このようなRKAロールのバリエーションが
図14〜14Cに示される。
【0074】
図8は、本明細書において記載される装置で使用するために好適なロールの対の間のニップの一部を示し、ここでロールは「雄型/雌型エンボス加工」ロールである。
図8に示されるように、雄型/雌型エンボスロール装置は、少なくとも第1のパターン付きロール114、及び第2のパターン付きロール116を含む。第1のパターン付きロール114は、独立した要素(例えば、点及び/又は直線)のエンボス要素であり得る、1つ以上の突起部118を含む、雄型エンボスパターンを有する。第2パターン付きロール116は、第1パターン付きメッシュの突起部の1つ以上が噛み合う、独立であり得る1つ以上の凹部120(例えば、点及び/又は線構成の凹部)を含む、雌型エンボスパターンを有する。ロールは、適合、又は非適合のパターンであり得る。ロール上の要素は、任意の好適な大きさ及び形状であり得る。米国特許番号第6,846,172 B2号(Vaughn)に詳述される非限定的な実施形態において、エンボスロールは、非適合のエンボスパターンを有することがあり、これは互いに別々に掘られている。このような実施形態におけるロール114及び116は、エンボスパターンの隣接する係合する突起部118と凹部120との間の、より大きな側壁の隙間を有する。側壁の隙間は、約0.050mm(約0.002インチ)〜約1.27mm(約0.050インチ)の範囲であり得る。突起部118の幅は、約0.050mm(約0.002インチ)よりも大きいことがある。
【0075】
図9は、ロール124、126の表面が上記の特許出願「Process for Making a Micro−Textured Web」のマイクロ非平坦化ウェブを形成するために好適な形成要素を含む、別の非限定的な実施形態を示す。
図9に示されるロールは、雄型形成要素、突出部、又は突起部128を含むロール124と、ロール126の表面に独立の及び/又は連続的な空隙130などの雌型形成要素を含むロール126とを含む。突起部128は、約800マイクロメートル未満の中心間隔で、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つのその隣接する形成要素を備える。
図9に示されるように、雌型要素130の形状は、係合する雄型要素128の形状と異なる場合がある。
図9はまた、雌型要素130は、2つ以上の雄型要素128と係合するように構成され得ることを示す。
【0076】
図9Aは、様々な形成要素の組み合わせを有する形成構造の一部を示す。
図9Aに例示されるように、第1形成構造及び第2形成構造のいずれか又は両方の形成要素は、突起部128などの突起部又は独立の突起部128から選択される空隙130(これは柱状部132の形態をとり得る)などの凹部、独立の空隙130(これは、開口部134又は凹部136の形態をとり得る)、連続的な空隙138、溝、リッジ、又はこれらの組み合わせを含み得る。形成構造体は更に、形成要素を完全に包囲する、ランド140を含み得る。
【0077】
上記の様々な種類のロール(並びに上部の形成要素を有する他の種類のロール)は、材料のウェブを特定の方法で変形させるために、本明細書において記載される異なる装置において、任意の好適な組み合わせへと組み合わせる場合がある。開口部は、上記の単一の種類のロールを含むいくつかのロール、又は2つ以上の異なる種類のロールのいずれかの好適な組み合わせを含み得る。ウェブ10は、任意の好適な数の機械的変形プロセスを通じて送達され得る。前駆体ウェブがかけられる、機械的変形ニップの数は、1から2〜100以上のニップの範囲であり得る。
【0078】
本明細書における、関心の異なる装置のロールの構成の変動もあり得る。
図4に示される実施形態において、ロールは、ウェブがロールの間のニップに送達されるときに、ウェブ10が1つ以上のロールの180°未満を包囲するように構成される。
図10に示される実施形態にバリエーションにおいて、ウェブは、ウェブ10が1つ以上のロールの180°以上を包囲するように、装置に送達される。
【0079】
図11は、本明細書において記載される方法を実行する際に使用され得る、装置の別の実施形態を示す。
図11に示される装置は、ネスト化されたロール構成、及び先行技術の対のロール構成の複合である。この実施形態において、装置は、機械横方向において互いにオフセットされ得る、複数、3〜4つのネスト化されたロールクラスター146が存在するように、複合構成に構成されたロール144を含む。
【0080】
図12は、本明細書において記載される方法を実行する際に使用され得る、装置の別の実施形態を示す。
図12に示される装置は、「ネスト状閉ループ」ロール構成と称される。この装置において、少なくとも4つのロールが存在し、ロールは、これらの周辺部が閉ループの構成で互いに接するように構成されている。ウェブ10は、閉ループの周辺部内側に位置するロールの一部上のウェブ10の一部に続き、閉ループの周辺部の外側上に位置するロールの一部の周囲で次のロールの周りのウェブ10を覆うように、交互の構成でロールの
周辺部を覆う。この構成において、ロールによって形成されるニップNの合計数は、ロールの数と等しい。
【0081】
図13は、本明細書において記載される方法を実行する際に使用され得る、装置150の別の実施形態を示す。
図13に示される装置150は、「共有バンクとネスト状」ロール構成と称される。この装置において、参照番号152により一般的に指定される少なくとも6つのロールが存在する。ロールは、ロール154A及び154Bを含む第1対154、156A及び156Bを含む第2対156、並びにロール158A及び158Bを含む第3対158を含む、少なくとも3対のロールに構成される。
図13において、ロールの追加的なペアが示される。ロールの第1対のロール156A及び156Bが、ロールの第1対154及びロールの第3対158の両方のロールと、ニップNを形成する。この実施形態において、ロールのいくつかが3つ以上のニップ(4つまでのニップ)を形成する。加えて、
図13に見られるように、ロール156Bなどの少なくとも1つのロールの場合において、ウェブ10がロールに近接して通過し、ロールを離れ、その後、戻ってロールと再び接触する。この実施形態において、6つのロールがある場合、ロールによって形成されるニップNの合計数は、ロールの数と等しい。7つ以上のロールを含むこの実施形態のバリエーションにおいて、ロールにより形成されるニップ7の合計数は、ロールの数と同等以上であり得る。例えば、
図13において、12個のみのロールによって形成される14のニップ個のニップNが存在する。
【0082】
III.ウェブ材料を変形させる方法、及びこれにより形成される変形されたウェブ材料
以下の図は、特定のロール構成、及びこれにより形成され得る変形されたウェブ材料の非限定的な実施例を示す。
【0083】
A.突出リッジから延びる形成要素を備える、ロールを利用する方法
図14は、間に単一のニップNを形成する、ロールの単一のペアを含む、装置160の実施例を示す。ロールは、ウェブの表面に対して異なる方向で向けられた、少なくとも2つの変形部のセットを有するように、ウェブを変形させるように構成されている。これは、ロール162の1つに、ロール周辺部に延びる複数のリッジ164及び溝166、並びにリッジ164の上面から外側に延びる複数の第1の離間した形成要素168を提供する工程と、第2ロール170に複数の第2形成要素172をその表面上に提供することであって、第2形成要素の先端部が、第1ロール162のリッジ164の少なくともいくつかの
上面を超える深さで第1ロールの軸に向かって、内側に延びる工程と、によって達成され得る。
【0084】
図14に示されるように、装置内の上部ロール162は、上記の基準を満たす任意の好適な種類のロールを含み得る。
図14に示される実施形態において、上部ロール162は、
図7に示されるRKAロールのバリエーションである。この特定のバリエーションは、本明細書において「突出リッジRKAロール」と称される。
図14に見られるように、上部ロール162は、ロールの表面上に、ロールの
周辺部に延びる複数のリッジ164及び溝166を有する。
図14Aに示されるように、リッジ164は上面165を有し、溝166は下面167を有する。リッジ高さは、リッジ165の上面と、溝166の下面167との間の距離として定義される。歯の高さは、形成要素168の先端部174と、溝166の下面167との間の距離として画定される。この実施形態において、リッジ164の上面165と、溝166の下面167との間の距離は、ロールの
周辺部において一定である。リッジ高さは、機構の第2セットを形成するために必要な変形の程度に依存する。リッジ高さは、典型的には歯の高さの少なくとも約25%、約95%未満である。ロール162は更に、
図14A及び14Cにより詳細に示されるように、リッジ164の上面から外側に延びる歯168の形態の、複数の離間した第1形成要素を更に含む。歯168は、これらがリッジ164の上面165に接続される基部から、尖った先端部へとテーパ状になっている。
図14Aに示されるように、ロール162の構成は、方向的にロールAの軸Aに対して、歯168の先端部174と、溝166の下面167との間に配置されるように、リッジ164の上面165が配置されるようなものである。
【0085】
図14に示されるように、装置内の下部ロール170は、上記の基準を満たす任意の好適な種類のロールを含み得る。
図14の下部又は第2ロール170はしたがって、上部に独立の第2形成要素172を備えるロールを含むべきであり、これらの第2形成要素172の先端部は、第1ロール、上部ロール162上のリッジ164の少なくともいくつかの
上面165を超える深さまで、第1ロール162の軸に向かって内側に延びる。下部ロール170は例えば、標準的なCD SELFロール(
図6)、互い違いのCD SELFロール(
図6A)、RKAロール(
図7)、別の突出リッジRKAロール、又は突出リッジSELFロール(
図14B)を含み得る。
図14に示される特定の実施形態において、下部ロール170は、
図6Aに示される互い違いのCD SELFロールを含む。当然、
図14に示されるロールの位置は、逆であってもよく、又はこれらが間にニップを形成する限りにおいて、他の任意の好適な向きで配置され得る(例えば、横並び)。
【0086】
ウェブ10はその初期の状態において、非変形区域の全体を含むものとして考えられる場合がある。ウェブ10が、
図14に示されるロールの間のニップNに送達される場合、ウェブは、(i)上部ロール162の第1形成要素168で、複数の離間した第1機構を第1位置に形成し、かつ(ii)第1位置とは異なる位置の下部ロール170の第2形成要素172で、第2位置に複数の離間した第2機構を、第2機構が第1機構の間に分布するようにして形成することによって、変形される。機構の第1セットが形成されると、突出リッジは機構の第2セットが、反対方向で形成され得るように、ウェブを支持する。突出リッジが存在しない場合、形成が最も容易な機構(例えば、この実施例においては開口部)のセットが最初に形成され、機構の第2のセットは全く形成されず、又は第2の機構が形成される場合、これらは所望の大きさ及び/又は形状で形成されることはない。
【0087】
図15は、
図14に示される開口部のバリエーションによって作製され得るウェブ10の例を示す。
図15に示されるウェブを形成するために使用される装置のバリエーションは、
図14に示される、上方ロール162ためのRKAロールを含むが、標準的な(互い違いでない歯)パターンを備え、下方ロール170は、
図6のロール74に示されるような、標準的な(互い違いでない)CD SELFロールと交換される。本明細書において使用するとき、用語「標準的な」とは、単一のロール状の形成要素が、機械方向及び機械横方向において列に位置合わせされていることを意味する。ロール162及び170は、機械方向に位置合わせ、又は位相合わせされており、SELFロール上の形成要素172は、RKAロール上のリッジ164と位置合わせしている。RKAロール162上の歯168はウェブ10を貫通し、RKAロール上の歯168の間のリッジ164はウェブ10を支持し、よってSELF歯172はウェブ10を貫通し、同時に反対方向に要素を形成することができる。
【0088】
図15に示されるウェブの実施例において、ウェブは第1表面10A及び第2表面10B、並びに内部に形成される独立の変形部を有する。ウェブ10は、実質的に非変形の区域180を含み、これは、ウェブの第1表面10A及び第2表面10Bと対応する。
図15において、ウェブ10は、開口部182などの複数の離間した第1機構、及びタフト184などの複数の離間した第2機構を含む。開口部182は、一方向において(
図15に見られる下方)ウェブ10の平面から押し出され、タフト184は、反対方向においてウェブ10の平面から押し出される。
図15に示されるように、開口部182は、MD及びCDにおいて列に合わされる。タフト184はまた、MD及びCDで列に合わせられた。タフト184の列は、しかしながら、MD及びCDにおいて開口部182の列の間に位置合わせされ、タフト184の列は、これらが開口部182の隣接する列から、機械横方向(CD)において開口部182の間のピッチの半分までの距離で分離するようにして、CDでオフセットされている。
【0089】
図15は、第1及び第2の形成された機構を含み得る、機構の組み合わせの一例を示す。開口部及びタフトの組み合わせが、図中に多く示されているが、本明細書において記載される実施形態の全てにおいて、第1機構及び第2機構は開口部及びタフトに限定されず、第1機構及び第2機構は、形成要素の構成によって、機構の他の任意の好適な組み合わせ及び構成を含む。本発明は、
図15及び以降の図中に示される機構の組み合わせに限定されず、本明細書において記載される機構の全ての可能な組み合わせ及び機構を包含することを意図される。加えて、本発明は、ウェブ中の第1位置及び第2位置における2つの機構の形成に限定されない。また、追加的な機構が、第3、第4、第5、又はそれ以上の位置でウェブに追加的な機構が形成され得ることが想到される。
【0090】
図14に示されるロールの構成は、多くの利益をもたら得る。ロールは、単一のニップ内において、多数の方向に向けられた混合機構を有するウェブを形成する(例えば、開口部182は一方向においてウェブの平面から押し出されてもよく、タフト184は、反対方向においてウェブの平面から押し出されてもよい)。機構は、これらが一貫して1ピッチ未満で離間するように、ウェブ内に分布してもよい。したがって、2つの異なる種類の機構が形成される場合、異なる要素の間の間隔は、同様の要素の間の間隔よりも小さい場合がある。
【0091】
突出リッジロールの様々な別の実施形態が可能である。例えば、
図14Dは、突出リッジRKAロール162Aの別の実施形態を示し、リッジ164の高さHは、歯168の少なくともいくつかの間で異なる。このような場合において、形成要素168の対の間の少なくとも1つのリッジ164の上面165は、形成要素168の別の対の間の、別のリッジ164の高さH2よりも少なくとも20%高い高さH1を有する。ロール162Aは、突出リッジRKAロール162の代わりに、
図14に示されるようなプロセスにおいて使用され得る。
図14Bは更に、使用され得る別の種類のロールを示し、これは本明細書において「突出リッジSELFロール162B」と称される。
図14Bに示されるように、このロール162Bは、点ではなくリッジを形成するように構成された歯168を有する。
【0092】
図14に示される装置のバリエーションは、追加的なロール及び2つの工程プロセスを使用し得る。このようなバリエーションに使用される装置は、
図2に示されるプラネタリーロール構成に似ている場合がある。この装置は、中央ロール32、並びに第1衛星ロール34、及び第2衛星ロール36のみを含む必要がある。この装置は、これが本明細書において記載される新しいロール構成を使用するという点において、既知のプラネタリー構成とは異なる。このような修正されたプラネタリーロール構成の目的は、ウェブにおける2つのセットの変形部を形成し、更に、ニップの1つにおいて変形部のセットの1つを更に変形することである。このような装置において、中央ロール32は、
図14Bの突出リッジSELFロールなどの突出リッジロール、又はロール162又は162Aなどの突出リッジRKAロールを含む場合がある。衛星ロール34又は36の一方が、独立した形成要素の形態の複数の非連続的なリッジ及び溝を上部に有するロールを含む。他の衛星ロールは、リングロールなど、連続的なリッジ及び溝を上部に有する。独立した形成要素を有する突出リッジ中央ロール32と衛星ロールとの間のニップは、これが変形部の2つのセットが形成されるニップであるため、本明細書において「主要ニップ」と称される。突出リッジ中央ロール32と、上部に連続的なリッジ及び溝を有する衛星ロールとの間のニップは、本明細書において「二次ニップ」と称される。二次ニップは、主要ニップの前又は後に位置する場合がある。係合深さは、主要ニップ及び二次ニップにおいて同じであり得、又は係合深さは、ニップの間で異なっていてもよい(例えば、下流のニップにおいて係合深さがより大きい)。
【0093】
二次ニップが主要ニップの前に位置する場合の非限定的な例において、第1衛星ロール34はリングロールを含む場合があり、第2衛星ロール36はSELFロールを含み得る。このような実施形態において、突出リッジ中央ロール32と、リングロール34との間の二次ニップにおいて、突出リッジ中央ロール32は、変形部の第1セットをウェブへと形成する(例えば、中央ロール32が突出リッジRKAロールの場合は三次元開口部、又は中央ロール32が突出リッジSELFロールである場合は突起部)。加えて、二次ニップのリングロールは、SELFロールが主要ニップの下流でウェブに衝突する同じCD位置においてウェブを予め歪ませることができ、ウェブを予め脆弱化し、これを変形部の第2セットを形成しやすくする。したがって、突出リッジロール32と第2衛星SELFロール36との間の主要ニップにおける下流において、変形部の第2セットがSELFロールによってウェブに形成され得、変形部の第1セットは、隆起部中央ロール32によって拡大され得る。
【0094】
二次ニップが主要ニップの後に位置する場合の非限定的な例において、第1衛星ロール34はSELFロールを含む場合があり、第2衛星ロール36はリングロールを含み得る。このような実施形態において、突出リッジ中央ロール32と第1衛星SELFロール34との間の主要ニップにおいて、これらのロールは組み合わされてウェブに変形部の第1及び第2セットを形成する(例えば、中央ロール32は、中央ロール32が突出リッジRKAロールである場合には三次元開口部を形成し、又は中央ロール32が突出リッジSELFロールである場合には突起部を形成し、SELFロールは突起部又はタフトを形成する)。その後、突出リッジ中央ロール32と、第2衛星リングロール36との間の二次ニップの、下流において、突出リッジ中央ロール32によって形成される変形部の第1セットは、突出リッジ中央ロール32によって拡大され得る。
【0095】
上記の
図14の開口部のバリエーションは、変形部の形成において、
図14に示される装置よりも大きな可撓性を提供するために有用であり得る。単一のニップを有する、
図14に示される装置において、第1形成構成要素162及び第2形成構成要素170によって付与され得る変形の程度は、成形用具の形状、及び形成構成要素の係合深さに依存する。これらの態様は、単一のニップが存在するときに、互いに関係する。上記の装置のバリエーションは、(1)形成される変形部の第1及び第2セットの形成における独立した制御を可能にし、及び、いくつかの構成において(2)変形部の第2セットが形成される位置において材料を予め歪ませる、という利益をもたらし得る。
【0096】
B.多数の変形工程を使用する方法
本明細書における関心の方法はまた、多数の変形工程を使用し得る。このような多数の変形工程は、本記載の前の項において記載される任意の好適な装置によって実行され得る。多数の変形工程を使用する方法が、標準的なネスト状構成において比較的少数のロールを有するネスト化された装置において実行されるものとして示されるが、これは例示の単純化のために行われ、本明細書において記載される装置のいずれか(例えば、複合、閉ループ、及び共有バンク装置)が、所望の変形を実行するために任意の好適な数のロールで使用され得ることを理解するべきである。
【0097】
混合機構を形成するための多数の変形工程を使用する装置は典型的には、最小限の4つのロールによって形成される最小限のこれらのニップを含む。ニップの2つは変形ニップであり、機構の第1セットによって前駆体ウェブを最初に変形させ、機構の第2セットで前駆体ウェブを二度目に変形させるようにウェブが恒久的に変形される。第3ニップは、変形ニップの間に配置される移送ニップであり得、ここでウェブが恒久的に変形されない移送ニップは、機構の異なるセットがウェブの相対する側に形成され得るように、以降の変形工程のために、ウェブの異なる面を配置するために使用され得る。移送ニップはまた、機構の異なるセットが、異なるCDレーンで形成され、機構のより密な間隔を可能にするために、以降の変形工程でロールをオフセットするために使用され得る。ロールの構成及び配置により、第2変形ニップの形成要素は、1)第1変形ニップと同じ位置、2)位置の少なくとも一部が第1位置と少なくとも部分的に一致する少なくとも部分的に異なる位置、3)完全に異なる位置以下の位置、のうちの1つでウェブと接触し得る。
【0098】
変形ニップは、上部に別個の雄型要素を有する第1ロール、及び独立の機構を形成するために第1ロールと噛み合うことができる第2ロールを含む。第1ロールは、SELFロール、RKAロール、又は雄型エンボスロールを含み得る。第2ロールは好ましくは、第1ロールのために選ばれるロールの種類によって、リングロール又は雌型エンボスロールを含む。いくつかの場合において、第2ロールが独立の雄型要素を含むことが望ましい場合がある(ドライラップ又は他の湿式構造の密度を逓減させるプロセスを使用することが所望される場合)移送ニップを含むロールは、以下のいずれかの構成であり得る:i)ロールの表面の最外部が実質的に位置合わせしてニップを形成する、先端部間構成、又はii)ロールの表面上の最外部が噛み合うことができる。上記のロールのいずれか(SELFロール、RKAロール、リングロール、雄型エンボスロール、雌型エンボスロール)は、移送ニップのロールのために使用され得る。いくつかの特定のエンボス加工が以下に詳述され、ウェブに変形部を形成するために使用される上部に別個の雄型形成要素を備えるロールが、装置内の第1及び第2ロールである。
【0099】
図16は、ネスト状構成に構成された多数のロールを含むウェブ10を形成するための、装置190の例を示す。この実施形態において、装置は、4つのロール192、194、196、及び198である。多数の変形ステップを使用する装置において、ニップのいくつかはウェブを変形するために使用され得、ニップのいくつか、特にウェブを変形するために使用されるニップの間に位置する中間ニップは、ウェブの移送など、他の目的で使用され得る。例えば、
図16に示されるように、いくつかの非限定的な実施形態において、ロール194及び196のいくつかは、中間ニップN2を形成し、これは以降の変形ステップのためにウェブの異なる面を露出するために使用される。しかしながら、本明細書において記載される実施形態のいくつかにおいて、ウェブ内への変形部の形成のために使用される上部に独立の雄型形成要素を備えるロールは、装置における第1及び最後のロールである必要はないことが理解されるべきである。他の実施形態において、上部に独立の雄型形成要素を備えるロールは、中間ロールの1つ以上を含み得る。例えば、上部の独立の雄型形成要素を備えるロールは、移送ニップを形成する2つの中間ロールを含む場合があり、第1及び最後のロールは、噛み合う雌型形成要素を備えるロールを含み得る。あるいは、ロールは、1つおきのロールが独立の形成要素を上部に有し、その間の1つおきのロールが上部に係合雌型形成要素を備えるロールを含むようにして、交互になっていてもよい。ロールの構成にかかわらず、変形工程の間に、少なくとも1つの非恒久的変形移送工程が存在してもよい。
【0100】
図16に示される装置において、この実施例で実行されるプロセスは、第1ロール192及び第2ロール194を含む、ほぼ円筒形の係合ロールの第1の対の間に形成される第1ニップN1内に、ウェブ10を送達する工程を含む。この実施例において、第1ロール192は、上部に独立の雄型形成要素200を備える表面を有する。第1ロール192は、雄型エンボスロール、RKAロール、又はSELFロールが挙げられるがこれらに限定されない特性を有する、任意の好適な種類のロールを含み得る。
図16に示される実施形態において、第1ロール192はRKAロールを含む。第2ロール194は、ウェブ10に恒久的な変形部を形成するために、第1ロール192を備えるニップを形成することができるべきである。第2ロール194はまた、第3ロール196と協働して、ウェブ10の制御を維持し、ウェブを恒久的に変形させることなくこれを下流の変形ニップに移送することができるべきである。第2ロール194は、突起部202及び/又は凹部204を上部に備える表面を有し、いずれかの突起部202又はいずれかの凹部の間のロールの部分が、第2ロール194の表面上に半径方向最外部206を形成する。第2ロール194は、雄型又は雌型エンボスロール、リングロール、又はSELFロールが挙げられるが、これらに限定されない特性を有する、任意の好適な種類のロールを含み得る。
図16に示される実施形態において、第2ロール194はリングロールを含む。係合第1ロール192と係合第2ロール194との間のニップN1は、
図16Aの断面図に示される。
【0101】
第3ロール196はまた、第2ロール194と協働して、ウェブ10の制御を維持し、ウェブを恒久的に変形させることなく、これを下流の変形ニップに移送することができるべきである。第3ロール196は、突起部208及び/又は凹部210を上部に備える表面を有し、いずれかの突起部208又はいずれかの凹部210の間のロールの部分が、第3ロール196の表面上に半径方向最外部212を形成する。第3ロール196は、雄型又は雌型エンボスロール、リングロール、又はSELFロールが挙げられるが、これらに限定されない特性を有する、任意の好適な種類のロールを含み得る。
図16に示される実施形態において、第3ロール196はリングロールを含む。第2ロール194と第3ロール196との間のニップN2は、
図16Bの断面図に示される。
図16Bに示されるように、第3ロール196は、第2ロール194と係合しない。代わりに、ロールは、第2ロール194の最外部202が、第3ロール196の最外部212と位置合わせするように構成されている。
図16Bに示されるロールとウェブの位置合わせは、本明細書において「先端部間隔」移送と称されることがある。これはウェブ10を移送し、これを、ウェブ10の第2表面10Bが第3ロール196上で外側に向くように向ける。リッジ及び溝を含むロールに関して、先端部間隔移送はまた、次の変形ニップのロールと整列し、よって形成された機構の第2のセットがCDにおいて形成された機構の第1セットと実質的に整列されるように、移送ロールの間の間隙は、ウェブがニップ内で恒久的に変形されないが、2cmを超えるウェブの自由スパンが存在せず、ウェブが位置合わせされた状態にあることを確実にするようにロールが十分に近接するように、設定されている。
【0102】
ウェブ10はその後、第3ロール196と第4ロール198との間の第3ニップN3に送達される。係合する第3ロールと第4ロールとの間のニップN3は、
図16Cにおいて断面図で示される。第4ロール198は、上部に独立の形成要素214を備える表面を有する。第4ロール198は、雄型エンボスロール、RKAロール、又はSELFロールが挙げられるが、これらに限定されない特性を有する、任意の好適な種類のロールを含み得る。
図16に示される実施形態において、第4ロール198はSELFロールを含む。
図17及び
図18に示される混合機構を形成することが所望される場合、変形ニップ内のロールは、形成された機構の第1及び第2セットが、互いに対して少なくとも部分的に異なる位置において形成されるように、位相合わせされるべきである。
【0103】
図16に示される様々なロール上の要素としては、機械横方向要素、機械方向要素、列で位置合わせされるか又は形成要素の互い違いの位置合わせを有する要素、不均一/不規則な間隔で列によって位置合わせされていない要素、及び突出リッジ構成を有するロール状の要素が挙げられるがこれらに限定されない。ロールの噛み合う対は、所望の係合深さにおいてウェブの十分な隙間を可能にするような方法で設計及び構成されるべきである。
【0104】
前駆体ウェブ10が
図16に示される装置内のニップN1に送達されるとき、ウェブ10は、ウェブ10内に形成される機構の第1セットを形成するために、第1位置内で変形される。形成される機構の第1セットは、ウェブの第2表面10Bから外側に延びるウェブの第1位置の部分を含む。このように形成された機構の例が
図17及び
図18に示され、これは以下で、より詳細に記載される。形成される機構の種類及び位置は、ロールの構成及び位置合わせに依存する。前駆体ウェブ10はその後、第2ニップN2に送達されて、ウェブ10と接触し、第2ロール194から第3ロール196へとウェブを移送する。これはウェブ10を移送し、これをウェブ10の第2表面10Bが第3ロール196上で外側に向くように向ける。ウェブが第3ロール196と第4ロール198との間の第3ニップN3に送達されるとき、ウェブ10は第2位置で変形され、ここで第3ニップN3の形成要素214の少なくともいくつかが、前駆体ウェブが第1ニップN1で変形されたのと、少なくとも部分的に異なる位置及び異なる向きで最初に変形された前駆体ウェブを変形させる。第3ニップにおいて、ウェブ10は、ウェブに形成された機構の第2セットを形成するために、第2位置において恒久的に変形される。形成された機構の第2セットは、二回目に変形された前駆体ウェブを形成するために、ウェブの第1表面10Aから外側に延びる部分を含む。
【0105】
図17は、
図16に示される装置を使用して作製された不織布ウェブ10の実施形態を示し、ここで第1ロール192は互い違いのRKAロールであり、第4ロール198は互い違いのCD SELFロールである。
図17は、第1ニップN1で形成される第1機構(第1位置)は、複数の離間した開口部182を含む。後に第3ニップN3で形成される、第2機構(第2位置において)は、複数の離間したタフト184を含む。開口部182は、一方向において(
図17に見られる下方)ウェブの平面から押し出され、タフト184は、反対方向においてウェブの平面から押し出される(上方)。
図17に示されるように、開口部182は、MD、CD、及び斜め方向において列に合わされる。タフト184はまた、MD、CD、及び斜めで列によって位置合わせされる。しかしながら、開口部182のそれぞれの間に間隔が存在し、タフト184はこれらの間隔のそれぞれに位置する。換言すれば、タフト184は開口部と混合される。第1機構及び第2機構は、第1機構及び第2機構がMD及びCDで交互になるように、実質的に同じMD及びCD列内に位置してもよい。本実施形態において、タフト184は、開口部の列184の間のピッチとほぼ等しい機械横方向(CD)における距離で、開口部の隣接する列182から分離していることがある。
【0106】
機構が同じ列で、実質的に位置合わせされ、実質的に位置するものとして記載されるとき、これは特定の機構の少なくとも過半数を指す。したがって、第2機構が第1機構と同じ列に実質的に位置するものとして記載されるとき、第2機構の少なくとも過半数が、第1機構と同じ列に位置する。例えば、本明細書において記載される実施形態のいずれかにおいて、第1及び第2機構は、これらが実質的に同じ列に位置しないように、互いに対してオフセットされてもよい。第2機構はまた、各側の機構の間に同じ間隔が存在するように、第1機構の間で離間している必要はない。
【0107】
図18は、
図16に示される装置を使用して作製された不織布ウェブ10の実施形態を示し、ここで第1ロール192は、標準的なRKAロールであり、第4ロール198は標準的なCD SELFロールである。
図18において、第1ニップN1に形成される機構は、複数の離間した開口部182を含み、第3ニップN3に後に形成される第2機構は、複数の離間したタフト184を含む。開口部182は、一方向において(
図18に見られる下方)ウェブ10の平面から押し出され、タフト184は、反対方向においてウェブ10の平面から押し出される。(上方)
図18に示されるように、開口部182は、MD及びCDで列内に実質的に位置合わせされる。タフト184はまた、MD及びCDで列内に実質的に位置合わせされた。タフト184の列は、しかしながら、開口部の各列182の間にタフトの列184が存在し、タフト184及び開口部182が各MD列で交互になるように、MDで開口部182の列の間で位置合わせされる。隣接するMD列の機構の間の距離は、機械横方向(CD)のピッチとほぼ同じである。
【0108】
図19は、装置220、及びその後の変形が前の変形と異なる向き、及び異なるCD位置で形成されるように、ウェブを変形するために使用されるプロセスの非限定的な実施例を示す。このようなプロセスは、特に、リッジ及び溝を含むロールによるプロセスで可能であり得るよりも、変形部間の狭い間隔を達成するために使用され得る。
【0109】
図19に示される装置220は、4つのロール222、224、226、及び228を含む。
図19に見られる装置220は、第2ロール224と第3ロール226との間のニップN2のロールの位置合わせを除き、
図16に見られる装置と同様である。ニップN2を形成するロールは、先端部間の様式ではなく、オフセット様式で配置される。第2ロール224、及び第3ロール226は、少なくとも部分的に係合ことができる構成である。
図19に示される実施形態において、第2ロール224、及び第3ロール226は、上部に独立の及び/又は連続的な形成要素を備える表面を含み得る。
図19に示される装置220の様々なロールの間のニップが、
図19A、19B、及び19Cに示される。
図19Aに示されるように、第1ロール222と第2ロール224との間の第1ニップN1は、
図16に示される装置の第1ニップと同様であり得る。第1ロール222上の形成要素230は、第2ロール224上の(突起部232及び)凹部234と係合する。
図19Bは、第2ロール224と第3ロール226との間の第2ニップN2を示す。
図19Bに示されるように、第2ロール224及び第3ロール226は、
図16に示される装置の場合のように上部で先端部間構成によって位置合わせされず、ロールの一方の要素の各先端部236及び242が、それぞれ、対向するロールの各溝240及び234と位置合わせされる。しかしながら第2ロール224及び第3ロール226の位置合わせは、ロールの一方の要素の先端部236及び242それぞれが、対向するロール上の溝の中心と正確に位置合わせすることを必要としない。要素の先端部が、所望により対向するロールの溝の中央からオフセットされ得る。
図19Cに示されるように、第3ロール226と第4ロール228との間の第3ニップN3が、
図16に示される装置のものと同様である。第2ロール224及び第3ロール226の位置合わせの差により、第4ロール228上の形成要素244の位置合わせは、
図16に示される装置の位置合わせに対してシフトする。(例えば、半分のピッチまでの間隔)中間的な第2ロール224、及び第3ロール226は、位置合わせされて、機構部の第1セットを形成するために使用されるロール上の形成要素の間のピッチの半分までの、第4ロール228上の形成要素244(及びしたがって、これにより変形されるウェブ10)の位置合わせにおけるいずれかの好適なシフトをもたらし得る。
【0110】
前駆体ウェブ10が
図19に示される装置に送達されるとき、第1ニップN1(
図19Aに示される)において、前駆体ウェブ10は第1位置に形成されて、
図20に示される三次元開口部182などの、形成される機構の第1セットをウェブに形成する。開口部182は、ウェブの第2表面10Bから外側に延びる(
図20の下方)。その後、ウェブ10と接触し、前駆体ウェブ10を第2ロール224から第3ロール226に移送するために、第2ニップN2(
図19Bに示される)にウェブ10を送達する。第3ロール226は、その表面に複数の外側に延びる雄型要素238を備える、表面を有する。
図19Bに示されるように、ロールは、第2ロール224上の外側に延びる雌型要素232が、第3ロール226上の外側に延びる雄型要素238と、第3ロール226上で外側に向くウェブの第2表面10Bとの間で、機械横方向で位置合わせされるようにして構成される。第3ロール226は、(i)第2ロールと係合しないか、又は(ii)第2ロールと係合するが、この度合いが前駆体ウェブ10が第2ニップN2で恒久的に変形される程ではない、のいずれかである。ウェブ10はその後、第3ロール226と第4ロール228との間のニップN3(
図19Cに示される)に送達される。第4ロール228は、その表面上に形成要素244を有する。前駆体ウェブ10がニップN3に送達されるとき、前駆体ウェブ10は第2位置で変形される。この工程において、第3ニップN3の形成要素244の少なくともいくつは、前駆体ウェブ10が第1ニップN1で変形されるのと少なくとも部分的に異なる(又は第2)位置において、最初に変形された前駆体ウェブ10を変形させる。これは、ウェブ中に形成される機構の第2セットを形成し、機構は、二度目に変形された前駆体ウェブ10を形成するために、ウェブの第1表面10Aから外側に延びる部分を含む。
【0111】
本明細書において記載される装置及びプロセスの任意の好適な組み合わせがまた可能である。
図21は、
図16及び
図19に示されるプロセスの機構のいくつかを組み合わせる、プロセス及び装置の実施形態を示す。この実施形態において、装置250は、5つのロール252、254、256、258、及び260を有する。この装置において実行されプロセスは、ほぼ円筒形の係合ロールの第1の対の間に形成される第1ニップN1内に最初に前駆体ウェブ10を送達することを含む。係合ロールの第1対は、第1ロール252及び第2ロール254を含む。第1ロール252は、上部に独立の雄型形成要素262を備える表面を有し、第2ロール254は、上部に突起部264及び/又は凹部266を備える表面を有し、突起部264、又はいずれかの凹部の間の第2ロールの部分は、第2ロール254の表面上の半径方向最外部268を形成する。前駆体ウェブ10が第1ニップN1に送達されるとき(
図21Aに示される)、前駆体ウェブ10は、ウェブ内に形成される機構の第1セットを形成するために、第1位置で変形される。形成される機構の第1セットは、ウェブの第2表面10Bから外側に延びる部分を含む。その後、ウェブ10と接触し、前駆体ウェブ10を第2ロール254から第3ロール256に移送するために、第2ニップN2(
図21Bに示される)に前駆体ウェブ10を送達する。第3ロール256は、突起部270及び/又は凹部272を上部に備える表面を有し、いずれかの突起部272又はいずれかの凹部の間のロールの部分が、表面上に半径方向最外部274を形成する。第3ロール256は、第2ロール254と係合しない。ロールは、第2ロール254上の最外部268が第3ロール256上の最外部274と実質的に位置合わせしてウェブ10の先端部間の移送を実施し、ウェブの第2表面10Bが第3ロール256上で外側を向くようにして配置される。その後、ウェブ10と接触し、第3ロール256から第4ロール258にウェブを移送するために、第3ニップN3(
図21Cに示される)に前駆体ウェブ10が送達される。第4ロール258は、突起部276及び/又は凹部278を上部に備える表面を有し、いずれかの突起部又はいずれかの凹部の間のロール258の部分が、表面上に半径方向最外部280を形成する。ロールは、第4ロール258上の最外部280の間で、第3ロール256上の最外部274が機械横方向で位置合わせされ、ウェブの第1表面10Aが第4ロール258上で外側を向くように、構成される。ウェブ10はその後、第4ロール258と第5ロール260との間の第4ニップN4(
図21D)に送達される。第5ロール260は、その表面に形成要素282を有する。ウェブ10が第4ニップN4に送達されるとき、ウェブ10が第2位置で変形され、ここで第4ニップN4の形成要素282の少なくともいくつかが、ウェブに形成される機構の第2セットを形成するために、ウェブが第1ニップN1で変形されるのと少なくとも部分的に異なる位置において第4ニップN4で最初に変形された前駆体ウェブを変形し、機構は、二度目に変形された前駆体ウェブを形成するためにウェブの第2表面10Bから外側に延びる部分を含む。このような装置250は、形成された機構のより高い密度のために異なるCDレーンにおいてウェブを変形すること、又は単一のロールに経済的に適合できない要素を混合することなどが挙げられるが、これらに限定されない用途に用いることができる。
【0112】
図22は、
図21に示される装置を使用して作製される不織布ウェブ10の実施形態を示し、ここで第1ロール252は標準的なCD SELFロールであり、第5ロール260は、標準的RKAロールであり、第2、第3、及び第4ロールはリングロールである。
図22において、第2区域は、複数の離間した開口部182を含み、第3区域は、複数の離間したタフト184を含む。開口部182及びタフト184は両方ともウェブの平面から同じ方向(上方として示される)で押し出される。
図22に示されるように、開口部182は、MD及びCDにおいて列に合わされる。タフト184の列は、しかしながら、MD及びCDにおいて開口部182の列の間に位置合わせされ、タフト184の列は、これらが開口部182の隣接する列から、機械横方向(CD)において開口部182の間のピッチの半分までの距離で分離するようにして、CDでオフセットされている。
【0113】
図23は、
図14に示されるプラネタリーロール装置のバリエーションを使用して作製される不織布ウェブ10の実施形態である。
図23に示されるウェブを形成するために使用される装置において、衛星ロールは、独立した雄型形成要素を含む場合があり、中央/太陽ロールは連続的(溝として)、又は独立した雌型要素を含む場合があり、これに対して独立した形成要素が噛み合うことができる。例えば、中央ロールは、リングロールであり得、2つの衛星ロールは、互い違いのRKAロール及び互い違いのSELFロールを含む場合があり、これらは、異なるMD位置においてウェブに衝突するように、オフセットされるべくMDで位相合わせされる。
図23において、第2リッジは複数の離間した開口部182を含み、第3区域は、複数の離間したタフト184を含む。開口部182及びタフト184は両方ともウェブの平面から同じ方向(上方として示される)で押し出される。
図23に示されるように、開口部182は、MD、CD、及び斜め方向において列に合わされる。タフト184はまた、MD、CD、及び斜めで列によって位置合わせされる。しかしながら、開口部182のMD及びCDの列で開口部182のそれぞれの間において、間隔が存在し、タフトは、これらの間隔のそれぞれに位置する。換言すれば、タフト184は、開口部182と混合され、第2区域及び第3区域がMD及びCDにおいて交互になるように、開口部182と実質的に同じMD及びCDに位置し得る。タフト184は、開口部の列182の間のピッチとほぼ等しい機械横方向(CD)における距離で、開口部182の隣接する列から分離していることがある。
【0114】
C.別の実施形態
変形されたウェブ材料の多くの別の実施形態、及びこれを作製する方法が可能である。
【0115】
本明細書に記載される方法は、常に、ウェブの異なる位置にある要素の混合されたセットを生成するために使用される必要はない。別の実施形態において、例えば、方法は、ロールの少なくとも2つが上部に他のロールとニップを画定する、「ネスト状ロール」を通じて送達することを含み、装置は、各ニップにおいて同じ位置で、ウェブを形成するように構成され得る。このような装置及び方法は、変形部を生成するために衝突するウェブの領域のひずみ速度を下げるために使用され得る。例えば、最初のニップにおいて、最初にウェブを一定程度変形させ、その後、続くニップで、より高い程度でウェブを変形させることが望ましい場合がある。
【0116】
いくつかの別の実施形態において、方法は、多数の変形ニップを備える装置を通じてウェブを送達することを含み、装置はウェブを同じ位置において、しかしウェブの反対側の表面上で変形させるように構成され得る。これは、ドライラップ又は他の湿式載置構造の密度を低減させるために有用であり得る。
【0117】
他の別の実施形態において、方法は、多数の変形ニップを備える装置を通じてウェブを送達することを含む場合があり、装置はウェブを、同じ位置において、ウェブの同じ表面上で変形させるように構成され得るが、第1変形ニップの形成要素の大きさ及び/又は形状は、後の変形ニップの形成要素のものと異なる。このような装置は例えば、第1ニップにおいて、最初に、形成される要素を形成し(開口部、突起部、又は凹部を備える三次元区域など)、その後、第2ニップにおいて、より大きな、又は異なる形状の、形成された要素を作製するために使用され得る。
【0118】
他の実施形態において、表面にわたって異なる区域を有し、内部に異なる機構を備える、変形されたウェブ材料が提供され得る。例えば、機構の第1の組み合わせ(例えば、下方に延びるタフトと混合された上方に延びるタフトなど)を備える第1区域と、機構の第2の組み合わせ(上方を向くタフト及び下方を向く開口部など)を備える第2区域を有する、変形されたウェブ材料が提供され得る。
【0119】
本明細書において記載される実施形態のいずれかにおいて、ウェブは、1つ以上の層を含み得る。追加的なウェブは、異なるニップのいずれかにおいて導入されることがある。追加的な層は、異なる化学的構成要素、配合、審美性、導電性、芳香特性、及び機械的特性を有する、ウェブを加えるために使用され得る。このような追加的なウェブは、これが、このような追加的ウェブの上流で導入されたウェブの全幅に及び得る、又は及び得ないように、選択されてもよい。これは、積層体のいくつかの区域が他の区域と異なる数の層を含む、積層体を生成するために使用され得る。他の積層構造において、区域は同じ数の層を含んでもよく、いくつかの変形した機構は、これらの厚さを通じて異なる数の層を含む場合がある。例えば、タフトは、第1ニップ内の不織布ウェブ材料14内に形成され得、その後フィルム16は第1ニップの下流の第2ニップに導入され得る。このような方法は、第2ニップにフィルム/又は不織布タフトを形成するために使用され得る。
図24に見られるように、全体的な積層体は、タフトの下に位置するフィルムを備える、不織布を備えるいくつかのタフト184(この位置においては、第2ニップで形成要素と衝突しない)を含む場合があり、(第2ニップで形成要素と衝突する)他のタフトは、タフト内にフィルム及び不織布両方を含有する。形成要素、並びに異なるウェブの種類及び順番により、このような方法及び生じる構造の様々なバリエーションが可能である。本明細書において記載されるマルチヒットのプロセスは、機構の特性及び審美性に追加的な制御をもたらす、多層構造内に形成される機構の独立的な制御を可能にする。
【0120】
別の代替的な実施形態において、方法は、リングロールプロセスで可能であるよりも、より段階的にウェブを歪ませるため、SELFロールによって形成される多数のニップを含む装置を通じてウェブを送達することを含み得る。SELFロールは、変形工程の間において、より少ない材料が歯に固定され、拘束されるために、リングロールよりもウェブをより段階的に歪ませるものとして既知である。装置は、ウェブの第1位置、その後第1位置のすぐ隣など、多数の独立した位置において、ウェブを変形させるように構成され得る。変形工程は、列内の全ての区域が変形され、リングロールされたウェブに似た、変形部の連続的なバンドを形成するまで、反復される。このような装置のSELFロールは、CD、MD、又は互い違いのCD又はMD SELFロールを含む場合がある。このような装置のロールは、典型的には全て、CD又はMD SELFロールのいずれかである。このような実施形態のSELF歯の係合深さは、下流のニップで増加されてもよいが、これは必要ではない。
【実施例】
【0121】
図15に示されるような、不織布ウェブ材料の相対する方向に向けられた混合開口部及びタフトを作製するための1つの非限定的な実施例において、
図14Cに示されるように、80ピッチの突出リッジRKAロールと、80ピッチのSELFロールのピッチの混合を含む、装置が使用され得る。「80」などの数字がピッチを記載するために提示される場合、これは、0.0254mm(1/1000インチ)における数を指す。不織布材料は、約15gsmまでの、任意の好適な坪量を有し得る。この実施例において、28gsmのスパンボンドされたポリエチレンシース/ポリプロピレンコア二成分繊維不織布を含む。突出リッジRKAロールは、長い方向がMDに向くようにして向けられた、独立の形成要素を有する。歯は標準的なパターンに構成され、これは隣接する歯がCDの列に揃うことを意味する。RKAロールの歯は、基部から先端部の鋭い点までテーパ状である、6つの面を備える角錐状の形状を有する。歯の高さTHは6.9mm(0.270インチ)であり、リッジ高さは4.3mm(0.170インチ)であり、歯の長い面の側壁角度は約5°であり、歯の前縁部及び後縁部の側壁角度は28.5°である。RKAロールはMDで等間隔に離間し、MDにおいて8.1mm(0.320インチ)のMD、及び2mm(0.080インチ)のCDピッチPの、先端部間隔を備える歯を含む。SELFの歯はまた、標準的なパターンで配置され、長い方向がMDを向くようにして向けられる。歯は、ほぼ前縁部LEから後縁部TEまで測定される、約2mm(0.080インチ)の均一の周辺方向長さ寸法TLを有し、約0.13mm(0.005インチ)の歯先端部における歯先端部半径TRが、6.1mm(0.240インチ)の距離TDだけ周辺方向で互いに均一に離間し、約6.9mm(0.270インチ)の歯高さTHを有する。歯の長い面は、約3°の側壁角度を有し、歯の前縁部及び後縁部は、垂直な側壁を有する。双方のロールは、約14.5cm(5.7インチ)の直径を有し、130℃の温度まで加熱される。RKA及びSELFロールは、歯の両側の隙間がほぼ同じになるように、CDで位置合わせされる。RKA及びSELFは、SELFロールの形成歯が、RKAの突出リッジと位置合わせし、ロールが、6.4mm(0.250インチ)で係合するようにして、MDで位相合わせされる。
【0122】
図17に示されるように、不織布で対向する方向に向けられる開口部とタフトの混合を作製するための第2の非限定的な実施例において、
図16に示されるような、先端部間移送ロールを備える、4ロールネスト状装置が使用され得る。不織布材料は、約15gsmまでの、任意の好適な坪量を有し得る。この実施例において、28gsmのスパンボンドされたポリエチレンシース/ポリプロピレンコア二成分繊維不織布を含む。第1ニップN1は、5.1mm(0.200インチ)の係合深さで、100ピッチのリングロールと係合した100ピッチの互い違いのRKAロールを含む。RKAロールの歯は、基部から先端部の鋭い点までテーパ状であり、長い方向がMDに向くように向けられた、6つの面を備える角錐形状を有する。歯は、2.5mm(0.100インチ)のCDピッチP、及び6.5mm(0.250インチ)のMDの先端部間隔を備え、互い違いのパターンで構成されている。歯の高さTHは6.9mm(0.270インチ)であり、歯の長い面の側壁角度は約4.7°であり、歯の前縁部及び後縁部の側壁角度は22.5°である。100ピッチのリングロールはまた2.54mm(0.100インチ)のCDピッチP、6.858mm(0.270インチ)の歯の高さTH、0.127mm(0.005インチ)の先端部半径TR、及び4.7°の側壁角度を有する。RKAロール及びリングロールは、歯の両側の隙間がおよそ等しくなるように、CDで位置合わせされる。第2ニップN2は、−1.25mm(−0.050インチ)の係合深さで、先端部間構成(
図16Bに示される)で、第2の100ピッチのリングロールと位置合わせされた100ピッチのリングロールを含む。第3ニップN3は、3.4mm(0.135インチ)の係合深さで、100ピッチのSELFロールと係合する100ピッチのリングロールを含む。100ピッチのSELFロールの歯は互い違いのパターンを形成し、長い寸法がMDを向くように向けられ、約2.54mm(0.100インチ)のCDピッチPを有する。歯は、ほぼ前縁部LEから後縁部TEまで測定される、約3mm(0.120インチ)の均一の周辺方向長さ寸法TLを有し、約0.127mm(0.005インチ)の歯先端部における歯先端部半径TRが、3.3mm(0.130インチ)の距離TDだけ互いに周辺方向で均一に離間し、約6.9mm(0.270インチ)の歯高さTHを有する。歯の長い面は、約4.7°の側壁角度を有し、歯の前縁部及び後縁部は、垂直な側壁を有する。SELFロール及びリングロールは、歯の両側の隙間がおよそ等しくなるように、CDで位置合わせされる。4つのロール全て(RKAロール、SELFロール、2つのリングロール)は、約14.5cm(5.7インチ)の直径を有する。SELF及びRKAロールは、タフトがMDの開口部の間のおよそ半分のところで形成されるようにMDで位相合わせされる。
【0123】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「90°」として開示される寸法は、「約90°」を意味するものとする。
【0124】
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大の数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、そうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
【0125】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0126】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。