特許第5972994号(P5972994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5972994
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】膨張装置と壁との間のインターフェイス
(51)【国際特許分類】
   F25B 41/00 20060101AFI20160804BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20160804BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20160804BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20160804BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20160804BHJP
   H01M 10/6571 20140101ALI20160804BHJP
   H01M 10/663 20140101ALI20160804BHJP
   F25B 41/06 20060101ALI20160804BHJP
   B60K 11/06 20060101ALN20160804BHJP
【FI】
   F25B41/00 F
   H01M10/613
   H01M10/615
   H01M10/625
   H01M10/6563
   H01M10/6571
   H01M10/663
   F25B41/06 F
   !B60K11/06
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-545281(P2014-545281)
(86)(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公表番号】特表2015-509177(P2015-509177A)
(43)【公表日】2015年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2012074739
(87)【国際公開番号】WO2013083751
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2014年7月7日
(31)【優先権主張番号】11290568.2
(32)【優先日】2011年12月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(73)【特許権者】
【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ヴァレオジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】アルメル、アルモリ
(72)【発明者】
【氏名】パスカル、ギグー
(72)【発明者】
【氏名】七 間 豊
(72)【発明者】
【氏名】吉 崎 久 善
【審査官】 鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−344765(JP,A)
【文献】 特開2004−257727(JP,A)
【文献】 特開平10−002655(JP,A)
【文献】 特開2004−293938(JP,A)
【文献】 特開2010−281561(JP,A)
【文献】 特開2006−111054(JP,A)
【文献】 特開2004−146237(JP,A)
【文献】 特開2001−030745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 41/00
F25B 41/06
B60H 1/32
B60K 11/06
H01M 10/52−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒流体の膨張装置(15)と壁(6)との間に設置されるべきインターフェイス(2)であって、前記冷媒流体を運ぶことのできる少なくともつの導管(27,28)と、前記膨張装置(15)を受け入れるように適合され、本質的に第1の平面(25)内を延びる第1のドッキング装置と、前記壁(6)と協働するように適合され、本質的に第2の平面(26)内を延びる第2のドッキング装置とを含み、前記第1の平面(25)及び前記第2の平面(26)が、互いにゼロでない角度(46)を成し
当該インターフェイス(2)は、互いに反対側に位置する第1の面(14)及び第2の面(20)を有する本体(19)を含み、前記第1の面(14)が当該インターフェイス(2)の前記第2のドッキング装置(14)を形成し、前記第2の面(20)に肩状段部(21)が設けられ、前記肩状段部(21)の前記本体(19)と反対側の面(18)が前記第1のドッキング装置を形成し、前記本体(19)内に前記各導管(27,28)の第1の部分が画定され、前記肩状段部(21)内に前記第1の部分と隣接する前記各導管(27,28)の第2の部分が画定されている、インターフェイス(2)。
【請求項2】
前記第2のドッキング装置(14)上に配置される密封装置の受入手段(42)を更に備えた、請求項記載のインターフェイス。
【請求項3】
前記受入手段(42)は、前記第2の平面(26)内に形成された溝(43)である、請求項記載のインターフェイス。
【請求項4】
前記本体(19)に接するスリーブ(40)を更に備えた、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス。
【請求項5】
前記スリーブ(40)が前記少なくとも1つの導管(27)を画成している、請求項記載のインターフェイス。
【請求項6】
前記肩状段部(21)は、前記第2のドッキング装置(14)と接して据えられている、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス。
【請求項7】
前記ゼロでない角度(46)は鋭角である、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス。
【請求項8】
当該インターフェイス(2)は一体型である、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス。
【請求項9】
当該インターフェイス(2)は、アルミニウム合金で作られるか、またはプラスチック材料で作られている、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス。
【請求項10】
少なくとも1つの電気コネクタを保持するための手段を更に備えた、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス。
【請求項11】
少なくとも1つの送風機ユニット(9)と、蒸発器(11)とを納めたハウジング(8)を備える換気・冷却設備(1)であって、前記蒸発器(11)に接続された膨張装置(15)を備える設備において、前記膨張装置(15)と、当該換気・冷却設備(1)を取り囲む環境との間における請求項1から10のうちのいずれか一項に記載のインターフェイス(2)を含んでいることを特徴とする換気・冷却設備(1)。
【請求項12】
請求項11記載の換気・冷却設備(1)と、少なくとも1つのバッテリー(3)とを備えた、少なくとも1つのバッテリーの温度調節装置(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的範囲は、ハイブリッド自動車や電気自動車に動力を与えられるバッテリーのための温度調節設備に関する。本発明は特に、冷媒流体を供給する管と、冷媒回路の一部である膨張装置との間の媒介手段を扱うものである。
【背景技術】
【0002】
石油資源の減少によって、自動車製造業者は、代替エネルギー源から作動する車両を開発するように仕向けられている。電力を通じた車両の推進は、魅力的な選択肢となる解決策であるが、電気エネルギーを蓄えて、それを車両を推進する電気モータへ供給するためにバッテリーを埋設する必要がある。
【0003】
これらのバッテリーの寿命は、当該バッテリーの温度によって左右される。特に、これらのバッテリーの充放電は必然的に熱放出を伴うが、その熱放出は、これらのバッテリーの信頼性を向上させるように補償されるべきものであることが知られている。この寿命は、温度の最低値と温度の最高値との間の温度差ができるだけ小さくなるときには更に延ばされるのである。
【0004】
これらのバッテリーの自動車での実施に関しては、車体上に記録される閉鎖囲いの内部容積内に複数のバッテリーを組み込むことが知られている。これは、バッテリー・パックと呼ばれ、熱的に処理された空気の流れをもたらすことによって温度調節、即ち加熱ないし冷却される。冷却の場合、それは、冷媒によって横切られると共に処理対象の空気の流れによって横切られる蒸発器によってもたらされる。
【0005】
囲いによって画成される容積内に蒸発器と膨張装置とが配置されるときには、囲いの内側に置かれた膨張装置を、囲いの外側に置かれた冷媒流体を輸送する管に連結する手段を設けるべきである。また、蒸発器の付近や囲いの壁が、膨張装置の位置合わせを邪魔しがちになるかもしれず、囲いの内側で膨張装置へ冷媒流体を輸送する管には、非常に複雑な傾斜した形状が与えられている。従って、それぞれの閉鎖囲いについて、囲い内部の輸液管に、指定された形状を与える必要がある。これは、様々な閉鎖囲いについての管の如何なる構想の再現性をも妨げ、管の複雑な形状のせいで冷媒流体の漏洩の問題を引き起こし得る。これらの局面が、本発明が解決しようと提案する技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は従って、上述した欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして本発明は、冷媒流体の膨張装置と壁との間に設置されるべきインターフェイスであって、前記冷媒流体を運ぶことのできる少なくとも1つの導管と、前記膨張装置を受け入れるように適合され、本質的に第1の平面内を延びる第1のドッキング装置と、前記壁と協働するように適合され、本質的に第2の平面内を延びる第2のドッキング装置とを含み、前記第1の平面と前記第2の平面とが、互いに対してゼロでない角度によって傾斜している、インターフェイスを提供する。
【0008】
前記ゼロでない角度のおかげで、媒介フランジである本発明によるインターフェイスは、囲いとその周囲とを適切に繋ぐことができる。特に、そのゼロでない角度によって、単純な形状の冷媒流体を輸送する管を用いることが可能となり、従って如何なる漏洩の問題も回避される。そのゼロでない角度はまた、当該角度の値を変える必要しかないことを考慮すれば、インターフェイスを如何なる構成に対しても適合させることをも可能とする。
【0009】
そのインターフェイスはまた、囲いを取り囲む環境と当該囲いの内部容積との間の密封をもたらすように冷媒流体を入れ、管の軸線を膨張装置の軸線と調和させることもできるのである。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは、少なくとも1つの面を含む本体を更に備え、前記少なくとも1つの面が、当該インターフェイスの前記第2のドッキング装置を形成している。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは、前記第2のドッキング装置上に配置される密封装置の受入手段を更に備えている。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、前記受入手段は、前記第2の平面内に形成された溝である。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは、前記本体に接するスリーブを更に備えている。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、前記スリーブが前記少なくとも1つの導管を画成している。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは、少なくとも1つの面を含む肩状段部を更に備え、前記第1のドッキング装置が前記肩状段部の面によって形成されている。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、前記肩状段部は、前記第2のドッキング装置と接して据えられている。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、前記ゼロでない角度は鋭角である。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは、少なくとも1つの電気コネクタを保持するための手段を更に備えている。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは一体型である。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、当該インターフェイスは、アルミニウム合金で作られるか、またはプラスチック材料で作られている。
【0021】
本発明はまた、少なくとも1つの送風機ユニットと、蒸発器とを納めたハウジングを備える換気・冷却設備であって、前記蒸発器に接続された膨張装置を備える設備において、前記膨張装置と、当該換気・冷却設備を取り囲む環境との間における前述したようなインターフェイスを含んでいることを特徴とする換気・冷却設備にも関する。
【0022】
本発明はまた、前述したような換気・冷却設備と、少なくとも1つのバッテリーとを備えた、少なくとも1つのバッテリーの温度調節装置にも関する。
【0023】
本発明の第1の利点は、本発明のインターフェイスによって提供される取付の柔軟性にある。実際に、このインターフェイスは、ゼロでない角度が、単純な形状の冷媒流体輸送管を用いることを可能にすると共に、前記膨張装置の内部ダクトの軸線と、バッテリーの入っている囲いの外部に設置された冷媒を輸送する管の軸線との間の平行性の欠如を修正するのに用いられる、と言う意味において順応性があるのである。
【0024】
もう1つの利点は、囲いの内部容積と、当該囲いの周囲環境との間にインターフェイスによって形成される密封の信頼性である。
【0025】
もう1つの重要な利点は、本発明の目的が、少なくとも3つの機能、即ち、冷媒流体を輸送する管と膨張装置との間のインターフェイス接続、囲いの壁に対する密封、および膨張装置と輸送管との間の心ずれの修正、を満たすという事実である。
【0026】
本発明の他の特徴、詳細、および利点は、以下の図面との関係で下記に与えられる手本用の説明を読めば、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明によるインターフェイスを備えた、少なくとも1つのバッテリーを伴う温度調節装置を示す図。
図2図1のインターフェイスの斜視図。
図3図2のインターフェイスの、特に第1の側を示す斜視図。
図4図3のインターフェイスにおける第2の側を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、内部に換気・冷却設備1のある温度調節装置を示している。換気・冷却設備1は、少なくとも1つのバッテリー3の温度調節装置4の一部である。バッテリー3の機能は、自動車を推進するのに十分な電力を供給することである。図1は2つのバッテリーを示しているが、温度調節装置が3つ以上のバッテリーを備えていてもよいことは明らかである。
【0029】
温度調節装置4は、膨張装置15と、当該膨張装置15を温度調節装置4の外部へ接続するためのインターフェイス2とを備えている。
【0030】
図1から見て取ることができるように、温度調節装置4は、少なくとも1つの壁6によって境界を定められる内部容積7を備えた囲い5を具備している。温度調節装置4は、内部容積7を加熱ないし冷却し、それに応じて、内部容積7内に納められたバッテリーを加熱ないし冷却するように適合されている。
【0031】
換気・冷却設備1は、内部容積7の温度調節に必然的に伴われる構成要素を納めたハウジング8を備えている。これらの構成要素の中には、渦巻形ケーシング10内に取り付けられた送風機ユニット9がある。設備1はまた、蒸発器11を受け入れる部分を含んでいる。その蒸発器11は、内部容積7内に入っている空気の流れを冷却する構成要素である。蒸発器11は、それ自体知られた熱力学サイクルを実施する冷媒ループとも呼ばれる冷媒回路に接続されている。蒸発器11はかくして冷媒流体によって横切られるが、その冷媒流体は、蒸発器を介して空気流から熱エネルギーを受け取る。
【0032】
任意選択的に、ハウジング8は加熱器(図示せず)を収容するが、その加熱器の機能は空気流に熱を供給することである。内部容積7内の閉ループを循環する空気流の冷却ないし加熱の作動は、ここでは詳述しない調整手段の制御下に置かれている。
【0033】
ハウジング8は、蒸発器11および/または加熱器によって熱的に処理される空気の吸入口12および排出口13を含んでいる。
【0034】
図1から見て取れるように、ハウジング8は、膨張装置と、当該膨張装置と蒸発器11との間に設置される配管とを覆うことによって、インターフェイス2まで延びていることが有利である。
【0035】
図2ないし図4からより特定的に見て取ることができるように、インターフェイス2は、ドッキング装置14(以下、第2のドッキング装置14と呼ばれる)と、第1のドッキング装置18とを含んでいる。
【0036】
第2のドッキング装置14は、その第2のドッキング装置14が温度調節装置4を囲い5の外部へ接続するように壁6に押し付けることができる。第1のドッキング装置18は、その第1のドッキング装置18に膨張装置を押し当てることができるように構成されている。
【0037】
インターフェイス2はまた、膨張装置15から冷媒流体を運ぶ第1の導管27および第2の導管28を含んでいる。第1の導管27および第2の導管28は、円形の断面を有していることが有利であり、互いに平行な軸線に沿って伸びている。第1および第2の導管27および28はそれぞれ、インターフェイス2に作られた凹所によって形成されている。配管16および17が、膨張装置15を蒸発器へ接続しているのが有利である。
【0038】
インターフェイス2は、外側の概略形状が楕円形の本体19を備えている。その本体19は、符号20および14で示す互いに向かい合った2つの面を備えており、即ち本体19は、面20および14によって境界を定められている。面14は、温度調節装置4の第2のドッキング装置14を形成している。面20は、その面20の外側へ肩状段部21が延びるように構成されている。当該肩状段部21は、概して矩形の外側形状を有している。肩状段部21は、当該肩状段部に対して本体19とは反対の側にある自由側を有している。肩状段部21の自由面が、第1のドッキング装置18を形成している。
【0039】
膨張装置15は、肩状段部21の面に対して押し付けられる壁を備えている。そして、膨張装置15は、例えば第1の取付手段(この図では見えない)の中に係合する少なくとも1本のねじ23によって、インターフェイス2上に機械的に保持される。そのねじ23はまた、配管16および17の端部を膨張装置15内に固締するフランジ24を貫通してもいる。かくして、膨張装置15はフランジ24とインターフェイス2との間に挟まれている、ということが分かる。また、1本ないし複数本のねじ23が、一方では膨張装置と差し向かいな配管16,17の固定を、他方では第1のドッキング装置18に対する膨張装置15の固定をもたらす、ということが分かる。
【0040】
既に述べたように、肩状段部21の反対側では、インターフェイスの本体19が、第2のドッキング装置14の実施形態を形成する面によって画成されている。
【0041】
肩状段部21の自由面によって形成される第1のドッキング装置18は、平坦であることが有利であり、実質的に、符号25で示す第1の平面内を延びている。本体19の面14によって形成される第2のドッキング装置14は、これもまた平坦であることが有利であり、実質的に、符号26で示す第2の平面内を延びている。
【0042】
第1のドッキング装置18および第2のドッキング装置14は、ドッキング装置18および14のそれぞれ延びている平面25および26が互いにゼロでない角度46を成すように配置されている。換言すれば、肩状段部21の自由面は、第2のドッキング装置14を形成している本体19の面と平行ではないのである。そのゼロでない角度46は、鋭角であることが有利である。その角度の値は、45度未満であることが好ましい。
【0043】
図2から見て取ることができるように、平面25および26は、導管27および28それぞれの断面の中心に沿って通過する線29に平行な線上で交わっている。
【0044】
図4から見て取ることができるように、第2のドッキング装置14はまた、密封装置の受入手段42を含んでもいる。その密封装置は、温度調節装置4の内部容積7と温度調節装置4を取り囲む環境との間での空気や冷媒の循環を防止するように、壁6とインターフェイスとの間に密封をもたらすためのものである。
【0045】
図示の実施形態において、その受入手段42は、第2のドッキング装置14を形成する面の所で本体19に形成された溝43の形態となっている。その溝43は、Oリングの形態をとり得る密封装置(図示せず)を受け入れるように形成されている。或いは、そのような密封装置は、特に本体19を成型および/または作成する際に、本体19にオーバーモールド成型することによって形成することもできる。
【0046】
本体19はまた、温度調節装置の壁上の固締要素44を含んでいる。例えば、その固締要素は、温度調節装置の外側からのインターフェイス2の取り付けを容易にするように、(場合によっては、ねじの切られる)2つの穴45の形態を取る。
【0047】
各図から見て取ることができるように、第1の導管27および第2の導管28は、一側では第1のドッキング装置18の所を、他側では第2のドッキング装置14の所を抜け出て、インターフェイス2を一側から他側へ貫通している。
【0048】
図3から見て取ることができるように、第1および第2の導管27および28は、第1の軸線30(当該軸線は、例えば真っ直ぐである)に沿って伸びる第1の部分をそれぞれ有し、第1の部分と隣り合う第2の部分においては、第2の軸線31(当該第2の軸もまた、例えば真っ直ぐである)に沿っている。それら第1の軸線30と第2の軸線31とは、互いに対してゼロでない角度で傾いている。
【0049】
インターフェイス2は、少なくとも第1のパイプ32および第2のパイプ33を備えている。それら第1のパイプ32および第2のパイプ33はそれぞれ、第1のドッキング装置18を越えて、特に肩状段部21の自由面の外側へ延びている。これらのパイプ32および33は、Oリングを受け入れるための溝34を身につけた円形状の外壁を有している。膨張装置は、前記Oリングがインターフェイスと膨張装置とを密封するようにしてパイプ32および33が内部に納められる2つの空所を有している。
【0050】
或いは、そのような密封するものは、本体19上にオーバーモールド成型することもできる。
【0051】
より特定的に図4から見て取ることができるように、インターフェイス2はスリーブ40を備えている。そのスリーブ40は、本体19の面から引き出されて、第2のドッキング装置14を形成する面1から延びている。スリーブ40は、概して第1の軸線30と平行な方向に沿って延びている。スリーブ40は、温度調節装置4の壁を横切って作られた穴に対してインターフェイス2を中心に合わせるのを助ける。スリーブ40はまた、第1の導管27および第2の導管28がスリーブ40の厚みの中へと延びる際に、それらの導管27および28の一部を画成する。
【0052】
スリーブ40はまた、冷媒回路からやって来る冷媒流体を運ぶ1本/複数本の管を取り付けるための第1の取付手段41を含んでもいる。これらの管は、温度調節装置を画成する壁の外側にあるものである。この場合、第1の取付手段41は、スリーブ40に作られたねじ付き穴の形態を取っている。
【0053】
本体19の第1の面20は、第1の突起35および第2の突起36を含んでもいる。それらの突起35および36は、第1の導管27および第2の導管28の中心を横切る線に沿って、肩状段部21の両側に設置されている。突起35および36は、矩形の断面を有し、第1の軸線30と平行な方向に第1の面20の外側へ延びている。
【0054】
突起35,36は、ねじを受け入れるための貫通穴37,38を含んでいる。これは、インターフェイスがメイン・ハウジングに保持されるようにするためである。もう1つの穴39は、サブアッセンブリ上の電気ハーネスのために役立つ。
【0055】
肩状段部21は、インターフェイス2上に膨張装置15を固締することのできる第2の取付手段47を含んでもいる。その第2の取付手段47は例えば、肩状段部21の厚みの中に形成された1つないし複数のねじ付き穴の形態となっている。
【0056】
図2に示す実施形態において、膨張装置15は、感温膨張弁であり、感温カプセルが外側に延びる本体を含んでいる。その機能は、蒸発器の出口での冷媒流体の温度に従った指令に応じて、蒸発器へ進入する当該冷媒の流れを制御することである。
【0057】
インターフェイス2は、一体型部品によって形成されているのが有利である。インターフェイス2は、アルミニウム合金で作られていることが好ましい。本発明のもう一つの実施形態によれば、この部品はプラスチック材料から成型することができる。
【0058】
本発明の改善によれば、インターフェイスは、温度調節装置の外部からその内部容積への構成要素の通過に関して、2つの別の機能を含んでいる。或いは、インターフェイスは、1つないし複数の電気コネクタを保持するための手段を含んでいる。これらのコネクタは、送風機ユニットへ電力供給するのに用いられ得る。これらのコネクタは、バッテリー内に蓄えられた電気エネルギーを供給することもできる。これは、電気ケーブルを通すための余分な穴を作る必要がなく、それらのケーブルを気密にすることから、特に有利である。
【0059】
もう1つの補足的ないし代替的な実施形態によれば、インターフェイスは、圧力逃がし弁のための支持体を形成する。そのような弁は、内部容積内の圧力が一定の閾値を超えるのを防止する安全装置を形成する。
【0060】
最後に、そのような本発明によるインターフェイス2は、例えば、機械的なインターフェイス接続、内部容積と壁を取り囲む環境との間の密封、冷媒流体の循環、冷媒流体を輸送する管と膨張装置との間の角度の修正、電気コネクタのための支持、および圧力逃がし弁のための支持などの、幾つかの機能を集結させることができる。
【0061】
図示の実施形態においては、本発明によるインターフェイス2が2本の導管27および28を備えているが、本発明の範囲はそのような数に限定されるものではなく、インターフェイス2は、1本の導管だけ、或いは反対に3本以上の導管を備えることができる。
【0062】
更に、本発明によるインターフェイスは、膨張装置への適用において説明されてきたが、本発明の範囲はこの適用に限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4