特許第5973002号(P5973002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973002
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】チュービングポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/12 20060101AFI20160804BHJP
【FI】
   F04B43/12 D
   F04B43/12 K
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-560797(P2014-560797)
(86)(22)【出願日】2014年2月6日
(86)【国際出願番号】JP2014052725
(87)【国際公開番号】WO2014123178
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2015年11月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000240477
【氏名又は名称】並木精密宝石株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】512249375
【氏名又は名称】ナミキ プレシジョン シンガポール プライベート リミテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】000240477
【氏名又は名称】並木精密宝石株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小山 真弘
(72)【発明者】
【氏名】柏木 誠
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05151019(US,A)
【文献】 実開平03−047481(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/082135(WO,A2)
【文献】 特開昭58−074881(JP,A)
【文献】 特開2013−060813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能に装着されるチューブ内の液体をポンプ機構により移送するチュービングポンプであって、
前記ポンプ機構は、装着された前記チューブを閉塞及び開放するバルブ機構部と、前記チューブを繰り返し押圧するチューブ押圧機構部とで構成され、
前記チューブ押圧機構部は、少なくとも2本のガイドシャフトによって、上下方向にのみ移動可能に保持されるポンプブロックを備え、
前記ポンプブロックは、略V形状の第一の溝部が形成されており、
前記ポンプブロックは、上流側と下流側にボールブッシュ部を備え、
前記ガイドシャフトは、前記ボールブッシュ部に通して配置されており、
前記チューブ押圧機構部は、前記ポンプブロックに対向する位置に、前記チューブ内の液体を移送する時に動作しない対向部品が配置されており、
前記対向部品は、略V形状の第二の溝部が形成されており、
前記バルブ機構部は、上流側と下流側に配置されており、
前記チューブ押圧機構部は、上流側のバルブ機構と下流側のバルブ機構との間に配置されており、
前記チューブ押圧機構部に配置される前記ポンプブロックの動作範囲は、ポンプカムで決められており、
前記上流側のバルブ機構部の上流側バルブの動作範囲は、第一のバルブカムで決められており、
前記下流側のバルブ機構部の下流側バルブの動作範囲は、第二のバルブカムで決められており、
前記ポンプカムと、前記第一のバルブカムと、前記第二のバルブカムとは、各々別体のカム部品であり、
前記ポンプブロックが連続して上下に往復動作することで、前記第一の溝部と、前記第二の溝部との間で、前記チューブを繰り返し押圧することを特徴とするチュービングポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に医療用の輸液ポンプとして使用されるものであって、着脱可能に装着されるチューブ内の液体をポンプ機構により移送するようにしたチュービングポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用の輸液ポンプの方式として、2つのV溝の間に配置されたチューブを、どちらか一方のV溝が往復運動をしながら繰り返し押圧するシャトル方式の輸液ポンプがある。
【0003】
このシャトル方式の輸液ポンプは、例えば特許文献1に、上部顎(220)と下部顎(222)とで形成されるV溝と、シャトル(200)のV溝との間にチューブを配置し、シャトル(200)が往復運動することで、チューブを繰り返し押圧する方法によるものが開示されている。
特許文献1の輸液ポンプでは、シャトル(200)の上流側には上流バルブ(412)が配置され、下流側には下流バルブ(414)が配置されている。
上流バルブ(412)及び下流バルブ(414)が、シャトル(200)の往復運動と連動して、適切なタイミングで輸液チューブを閉塞又は閉塞状態の解除を行うことによって、輸液チューブ内の液体が移送される。
シャトル(200)、上流バルブ(412)、下流バルブ(414)の動作範囲は、シャトル(200)、上流バルブ(412)、下流バルブ(414)の各々の動作を規定する為のカム形状が個別に形成されている、1つのカム(100)部品により規定されている。
【0004】
シャトル方式の輸液ポンプの他例としては、特許文献2に、V溝形状固定部品(22)のV溝と、V溝形状駆動部品(12A)のV溝との間にチューブを配置し、V溝形状駆動部品(12A)が往復運動することで、チューブを繰り返し押圧する方法によるものが開示されている。
【0005】
引用文献1及び引用文献2に示されるようなシャトル式の輸液ポンプは、例えば特許文献3に示されている、複数のフィンガーが全体として蠕動運動することによって輸液チューブを押圧するペリスタルティック方式の輸液ポンプと比較して、優れた流量精度を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平11−508017号公報
【特許文献2】WO2009/133705号公報
【特許文献3】特開平5−277183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特に医療用途の輸液ポンプにおいて望まれる流量精度の向上に対する要求に応える為には、更なる工夫を必要としていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1態様は、着脱可能に装着されるチューブ内の液体をポンプ機構により移送するチュービングポンプであって、前記ポンプ機構は、装着された前記チューブを閉塞及び開放するバルブ機構と、前記チューブを繰り返し押圧するチューブ押圧機構とで構成され、前記チューブ押圧機構は、少なくとも2本のガイドシャフトによって、移動可能に保持されるポンプブロックを備え、前記ポンプブロックが連続して往復動作することで、前記チューブを繰り返し押圧することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、駆動部のガタつきを防止できるので、より安定した流量精度で、輸液チューブ内の液体を移送することができる。
【0010】
また、第2態様は、第1態様において、前記チューブ押圧機構は、前記ポンプブロックに対向する位置に、前記チューブ内の液体を移送する時に動作しない対向部品が配置されており、前記ポンプブロックは、略V形状の第一の溝部が形成されており、前記対向部品は、略V形状の第二の溝部が形成されており、前記ポンプブロックが連続して往復動作するときに、前記第一の溝部と、前記第二の溝部との間で、前記チューブが繰り返し押圧されることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、チューブ繰り返し押圧する過程において、押圧によるチューブの変形状態を、次に再び押圧される前に復元することができるので、更に安定した流量精度で、輸液チューブ内の液体を移送することができる。
【0012】
また、第3の態様は、第1態様又は第2態様において、前記バルブ機構は、上流側と下流側に配置されており、前記チューブ押圧機構は、上流側のバルブ機構と下流側のバルブ機構との間に配置されており、前記チューブ押圧機構に配置される前記ポンプブロックの動作範囲は、ポンプカムで決められており、前記上流側のバルブ機構の上流側バルブの動作範囲は、第一のバルブカムで決められており、前記下流側のバルブ機構の下流側バルブの動作範囲は、第二のバルブカムで決められており、前記ポンプカムと、前記第一のバルブカムと、前記第二のバルブカムとは、各々別体のカム部品であることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、バルブの開閉のタイミングをより適切に設定できるので、更に安定した流量精度で、輸液チューブ内の液体を移送することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より流量精度の向上を図ることができるチュービングポンプを構成することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るチュービングポンプの外観斜視図である。
図2】本発明に係るチュービングポンプの前扉を開いた状態を示す外観斜視図である。
図3】本発明に係るチュービングポンプの構造を示す分解斜視図である。
図4】本発明に係るチュービングポンプにおいて、ポンプカムとポンプブロックの位置関係を示す図である。
図5】本発明に係るチュービングポンプにおいてポンプカムのカム形状を示す図である。
図6】本発明に係るチュービングポンプにおいてチューブの変形・復元の状態を示す模式図である。
図7】本発明に係るチュービングポンプにおいて、バルブカムとバルブの位置関係を示す図である。
図8】本発明に係るチュービングポンプにおいて、ポンプブロックとバルブの動作タイミングを示すチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、上記形態を具体化した好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例には図1図8の図面が対応している。下記説明の中で、説明部位に対して、特に、参照するのに適した図面がある場合には、括弧書きで参照図面の番号を記載している。
【実施例】
【0017】
図1及び図2は、チューブ内を液体(例えば、薬液、栄養剤等)をポンプによって強制的に流動させて患者の体内に注入する装置であって、本発明に係るポンプ機構を適用しているチュービングポンプ1の外観を示している。このチュービングポンプ1は、ポンプ本体10の正面部を開閉するドア20を具備しており、図1はドア20を閉じた状態を示し、図2はドア20を開いた状態を示している。
【0018】
ポンプ本体10は、略矩形箱状に形成され、その正面側に、ドア20によって開閉される直立状の基台11を有し、この基台11には、クランプ装置40によってクランプされたチューブ30が横向き状態で挿通される(図2参照)。クランプ装置40によるチューブ30のクランプ状態は、ドア20を閉じると解除される。
【0019】
基台11は、厚肉な略板状の部位であり、装着されたチューブ30内の液体を強制移送するポンプ機構50を具備している。ポンプ機構50は、装着されたチューブ30に対する押圧・開放動作、その上流側におけるバルブ51の開閉動作、下流側におけるバルブ52の開閉動作等を、適宜に組み合わせることによって、チューブ30内の液体を上流側から下流側の方向dに強制的に移送するものである(図2参照)。
【0020】
<ポンプ機構の構成>
図3は、ポンプ機構50の構成部品を示す分解斜視図である。ポンプ機構50は、上流側バルブ51、上流側バルブカム51C、下流側バルブ52、下流側バルブカム52C、ポンプブロック53、ポンプブロックカム53C、ガイドシャフト53S、シャフト54、ポンプブロックケース55などの部品により構成されている。
【0021】
これらの構成部品の内、ポンプブロック53とポンプブロックカム53Cとガイドシャフト53Sとを主な構成部品として、チューブ押圧機構部を形成している。
【0022】
そして、上流側バルブ51と上流側バルブカム51Cとを主な構成部品として、ポンプ機構50の中で上流側バルブ機構部を形成している。また、下流側バルブ52と下流側バルブカム52Cとを主な構成部品として、ポンプ機構50の中で下流側バルブ機構部を形成している。
【0023】
シャフト54には、上流側バルブカム51Cと下流側バルブカム52Cとポンプブロックカム53Cとが、固定されている。シャフト54は電気モータ(図示しない)を動力源として連続的に回転する。
【0024】
シャフト54が連続して回転するとき、上流側バルブカム51C、下流側バルブカム52C、ポンプブロックカム53Cが、各々上流側バルブ51、下流側バルブ52、ポンプブロック53に各カム形状により定まる一定の範囲で、往復動作をさせる。
【0025】
このとき、チューブ押圧機構部と上流側と下流側のバルブ機構部とが連動して、適切なタイミングでチューブ30の押圧を繰り返すと共に、上流側及び下流側でのチューブの30の閉塞又は閉塞状態の解除を行うことによって、輸液チューブ内の液体が移送されることになる。
【0026】
<チューブ押圧機構部>
上述したように、チューブ押圧機構部は、ポンプブロック53とポンプブロックカム53Cとガイドシャフト53Sとを備えている。
【0027】
上下に往復運動をするポンプブロック53の位置は、シャフト54を回転軸として回動するポンプブロックカム53Cの位置によって定まる。
【0028】
図4は、ポンプブロックカム53Cのカム形状を示している。ポンプブロック53が中間位置にある状態から、上下に移動するとき、図4に示すカム形状を有するポンプブロックカム53Cのカム面がポンプブロック53の上側ベアリング部53u又は下側ベアリング部53dに接触する位置によって、ポンプブロック53の位置が定まる。
【0029】
図5(a)は、ポンプブロック53が最上位の位置にある状態でのポンプブロックカム53Cとの位置関係を示している。
図5(b)は、ポンプブロック53が中間位置にある状態でのポンプブロックカム53Cとの位置関係を示している。
図5(c)は、ポンプブロック53が最下位の位置にある状態でのポンプブロックカム53Cとの位置関係を示している。
【0030】
また、ポンプブロック53は、上流側と下流側に備えるボールブッシュ部35bにガイドシャフト53Sを通して配置することにより、上下方向にのみ移動可能に保持されている。
【0031】
このガイドシャフト53Sによって保持されていることで、ポンプブロック53が上下に往復運動する際に、他の方向にガタつくことを防ぐことができる。
また、ガタつきを防止できることで、ポンプ動作時の振動や騒音を抑えることができるとともに、輸液ポンプとしての流量精度に向上にも資することになる。
【0032】
ポンプブロック53には、略V形状の凹部であるV溝53vが形成されており、このV溝53vに沿ってチューブ30を配置する。
【0033】
一方、ドア20にも、ドア20を閉じたときには、ポンプブロック53に対向する位置に、略V形状の凹部を有しているポンプブロック対向部品21が固定配置されてる。
【0034】
このポンプブロック対向部品21に形成されている略V形状の凹部であるV溝21vが、ポンプブロック53のV溝53vと向かい合うことで出来る菱形の空間に、チューブが配置される。(図6(a)、図6(c)参照)
【0035】
この状態から、ポンプブロック53が上下に往復運動をするとき、チューブ30が繰り返し押圧される。(図4(b)、図4(d)参照)
【0036】
ポンプブロック53の動作の過程でチューブ30が押圧された状態(図6(b))から菱形の空間が形成されて解除されるとき、チューブ30の形状は、チューブ30の材質の弾性力とチューブ30内を流れる液体の圧力によって、押圧される前の状態に戻ろうとする。
【0037】
このとき、チューブ30の材質の弾性力と、液体の圧力に加えて、V溝53vの斜面とV溝21vの斜面とによって輸液チューブ30が両側から押されることによって、よりチューブの形状が復元されやすい。
【0038】
これにより、チューブ30が、押圧されて変形している状態から、次に押圧されるまでの間に、チューブの形状が、より確実に復元されるので、チューブ30を押圧する毎の液体の移送量が安定して、流量精度が向上する。
【0039】
<バルブ機構部>
バルブ機構部は、上流側では、上流側バルブ51と上流側バルブカム51Cとを備えており、下流側では下流側バルブ52と下流側バルブカム52Cとを備えている。
【0040】
チューブ30を閉塞又は解除する動作を行うバルブ51(52)の位置は、シャフト54を回転軸として回動するバルブカム51C(52C)の位置によって定まる。
【0041】
図7(a)は、バルブ51(52)がチューブ30の閉塞を解除している位置にある状態でのバルブカム51C(52C)との位置関係を示している。
図7(b)は、バルブ51(52)がチューブ30を閉塞している位置にある状態でのバルブカム51C(52C)との位置関係を示している。
【0042】
上流側のバルブ51と下流側のバルブ52とは、別体の部品であるため、可動部を大きくとり理想的なバルブ角度が設定できるので、輸液ポンプとしての流量精度の向上が図れる。
【0043】
<ポンプブロックとバルブとの動作関係>
図8は、本実施例のチュービングポンプ1において、シャフト54が1回転するときのポンプブロック53、上流側バルブ51、下流側バルブ52バルブの動作タイミングを示すチャート図である。
【0044】
シャフト54が1回転するとき、ポンプブロック53は上下に1往復する動作を行う。
また、上流側バルブ51は、シャフト54が1回転するとき、バルブを開閉する動作を2回行う。
このとき、下流側バルブ52は、上流側バルブ51とは、タイミングをずらして、バルブを開閉する動作を2回行う。図8ではこれらの動作の関係を示している。
【0045】
図8の横軸は、シャフト54を回転軸として、回転する3つの別体のカム、すなわちポンプブロックカム53C、上流側バルブカム51C、下流側バルブカム52Cの回転角度である。
【0046】
図8の縦軸は、ポンプブロック53、上流側バルブ51、下流側バルブ52バルブの移動変位量を表している。
【0047】
図8からわかるように、本実施例では、バルブが最大に開くときの移動量を1として、ポンプブロック53が中間地点から上方向または下方向に移動する最大変位量を3として設定している。
【0048】
チューブ30内の液体を吸引(Fill)するとき、ポンプブロックカム53Cは図4でFとして指示している44°の範囲で、ポンプブロック53を動作させている。このとき、上流側バルブ51は輸液チューブ30を開放し、下流側バルブ52は、輸液チューブ30を閉塞している。そしてポンプブロック53がより中間位置に向かって移動するにしたがい液体を吸引(Fill)する。
【0049】
チューブ30内の液体を吐出(Pump)するとき、ポンプブロックカム53Cは図4でPとして指示している70°の範囲で、ポンプブロック53を動作させている。このとき、上流側バルブ51は輸液チューブ30を閉塞し、下流側バルブ52は、輸液チューブ30を開放している。そしてポンプブロック53のV溝53vの斜面が輸液チューブ30を押していくことによって、液体を吐出(Pump)させる。
【0050】
輸液ポンプとしての流量精度を上げるための要素の1つとして、バルブ開閉のタイミングやチューブの弾性力等の諸条件を考慮した上で、できるだけ吐出時間の割合を多くすることが望ましい。
【0051】
ポンプブロックカム53Cの吐出(Pump)の為のカム角度範囲を広く設定する必要がある。従来、チューブを押圧する駆動部品と上下流のバルブ1つのカムで動作させる形態では、カム角度範囲を60°程度よりも更に大きくすることが困難であった。
【0052】
しかし本実施例では、ポンプブロック53、上流側バルブ51、下流側バルブ52の動作方向を変えるカムを各々別体のカムを使用することで、設計上の許容範囲が広がった結果、少なくともカム角度範囲を70°に設定できた。
【0053】
なお、上記実施例によれば、吐出(Pump)の為のカム角度範囲を70°とし、吸引(Fill)の為のカム角度範囲を44°に設定したが、上下流側のバルブの開閉タイミングの設定に合わせて、他の角度範囲を設定してもよい。
【0054】
また、上記実施例によれば、1本のシャフト54をポンプブロックカム53C、上流側バルブカム51C、下流側バルブカム52Cの共通の回転軸としたが、全部又は一部について、各々異なる回転軸を設定してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1:チュービングポンプ
10:ポンプ本体
11:基台
20:ドア
21:ポンプブロック対向部品
21v:(ポンプブロック対向部品の)V溝部
30:チューブ
40:クランプ装置
50:ポンプ機構
51:上流側バルブ
51C:上流側バルブカム
52:下流側バルブ
52C:下流側バルブカム
53:ポンプブロック
53b:ボールブッシュ部
53d:下側ベアリング
53u:上側ベアリング
53v:(ポンプブロックの)V溝部
53S:ガイドシャフト
54:シャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8