(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1の医療用着衣は前身頃の衿部から左右の袖口に達する分離・接合用の一対のダブルファスナー部によって、手術後のカテーテルの挿管状態を維持するものである。しかし、この医療用着衣は、カテーテルを通過させるために挿通部を形成しているものであり、寝たきりの患者、老人、身体障害者等の被介護者の着衣の機能を有していない。
また、特許文献2の介護服は、介護服に左右股部を開く股部ファスナーと、左右脇部を開く脇部ファスナーとを設け、前記股部ファスナーは両側からの移動により、また、前記脇部ファスナーは袖部の中間位置を行き止まりとし、排尿パイプや医療用チューブの引き出しが容易な構造になっている。ここにおいては、股部ファスナーと脇部ファスナーの操作によって被介護者が脱いだり着たりし易いものである。しかし、股部ファスナーと脇部ファスナーによって衣類を形成しているから、患者の身体の一部を移動するときでも、寝返りを打つ場合でも、股部ファスナー、脇部ファスナーが体に接触し、患者は異物感を感じてしまい緊張感から解放されない。
【0007】
そして、特許文献3の輸液用衣服は、着衣の輸液箇所とその付近がファスナーで簡単に開閉操作する構成とすることにより、輸液中でも着替えを可能としている。しかし、特許文献3の技術も、ファスナーで開口を締めるものであり、特許文献2と同様、患者が身体の一部を移動するときでも、寝返りを打つときでも、ファスナーが体に接触し、患者は異物感を感じてしまい、実生活とは異なる緊張感から解放されない。
特に、特許文献1乃至特許文献3のようにファスナーを使用するとファスナーが曲げに応答できないから、使用していても違和感があったり、また、ファスナーが結合中に生地を咬んだり、糸くずを咬んだりして使用できなくなる可能性がある。
更に、特許文献4の患者用衣服は前開きの浴衣の身頃が前身頃と後身頃に、袖が前袖と後袖にそれぞれ分離されるとともに、前身頃と後身頃及び前袖と後袖をそれぞれ結合する結合具が所定の間隔を置いて複数個設けられているものであり、現実的に前身頃と後身頃、前袖と後袖を分離自在とすると上前身頃と後身頃の結合、下前身頃と後身頃の結合、右側の前袖と後袖の上下の結合、左側の前袖と後袖の上下の結合、また、記載がないが左右の前袖と後袖の前身頃と後身頃との結合に分れ、一体化する場合に、正規の対応する結合具を間違え、結合具の掛け直しを行う必要が生じ、患者に着せ掛けるのに大変な労力が必要となる。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解消すべく、ファスナーを用いることなく使用され、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作不自由な身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる介護用着衣の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明にかかる介護用着衣は、上前身頃及び下前身頃及び後身頃と、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿と、前袖及び後袖からなり前記上前身頃及び前記後身頃の袖付部分を縫製されてなる左袖と、前記左袖とは異なる前袖及び後袖からなり前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分を縫製されてなる右袖と、前記左袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を接続具で接続する左袖接続部と、前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を接続具で接続する右袖接続部と、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を接続具で接続する上前身頃接続部と、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を接続具で接続する下前身頃接続部とを具備する。
【0010】
ここで、上記上前身頃及び下前身頃及び後身頃は、和装の裁断、仕立てを意味するものであるが、和装以外の生地を用いても仕立て可能である。
また、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿は、幅の広い衿芯を入れたものに限定されるものではなく、芯地がなくとも単にパイピング処理したものでもよく、結果的に上前身頃及び下前身頃及び後身頃をまとめる機能と認識できればよい。
そして、前記前袖及び前記後袖からなる左袖と右袖は、前記後身頃と前記上前身頃、前記後身頃と前記下前身頃に袖付部分で縫製し、前記左袖と前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製することなく接続具で接続し、前記上前身頃と前記後身頃または前記下前身頃と前記後身頃は縫製することなく接続具で接続したものである。
【0011】
したがって、前記左袖及び前記右袖は、前記上前身頃と前記後身頃、前記下前身頃と前記後身頃と共に連続的に一体となり、また、そこには上前身頃及び下前身頃及び後身頃と縫製された衿がそれを強調するように一体化している。
更に、左袖と右袖は、前記上前身頃及び前記後身頃の袖付部分及び前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分は縫製を行うものである。即ち、左袖と右袖は、1枚ものの生地または2枚に分かれた生地からなり、少なくとも肩の上に位置する肩山の生地は前身頃から後身頃まで連続しており、前記上前身頃及び下前身頃及び後身頃は必要枚数を合わせた単位枚となっており、各左袖と右袖は前身頃から後身頃まで連続している。
更にまた、左袖接続部及び右袖接続部の接続具、上前身頃接続部及び下前身頃接続部の接続具は、スナップボタンまたは磁石ボタン等のボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具とすることができる。
加えて、左袖接続部と右袖接続部は袖下が縫製されているものではなく、接続具で接続する部分を示し、また、上前身頃接続部と下前身頃接続部も、上前身頃Uと後身頃Bまたは下前身頃Dと後身頃Bが縫製されているものではなく、接続具で接続する部分を示すものである。
この発明にかかる介護用着衣の前記後身頃には、前記左袖及び前記右袖、及び/または前記後身頃を含む前記上前身頃及び前記下前身頃を収納する収納部を形成したものである。
ここで、上記収納部は、左右から挿入する前記左袖、前記右袖の収納用とすることもできるし、下側から挿入する前記上前身頃及び前記下前身頃の収納用とすることもできる。
【0012】
請求項2の発明にかかる介護用着衣は、上前身頃及び下前身頃及び後身頃と、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿と、前袖及び後袖からなり前記上前身頃及び前記後身頃の袖付部分を縫製されてなる左袖と、前記左袖の前記前袖及び前記後袖とは異なる前袖及び後袖からなり前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分を縫製されてなる右袖と、前記左袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を接続具で接続する左袖接続部と、前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製してなる右袖縫製部と、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を接続具で接続する上前身頃接続部と、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を縫製してなる下前身頃縫製部とを具備するものである。
【0013】
ここで、上記上前身頃及び下前身頃及び後身頃は、和装の裁断、仕立てを意味するものであるが、和装以外の生地を用いても仕立て可能である。
また、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿は、幅の広い衿芯を入れたものに限定されるものではなく、芯地がなくとも単にパイピング処理したものでもよく、結果的に上前身頃及び下前身頃及び後身頃をまとめる機能と認識できればよい。
そして、前記前袖及び前記後袖からなる左袖と右袖は、前記後身頃と前記上前身頃、前記後身頃と前記下前身頃に袖付部分で縫製し、前記左袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製することなく接続具で接続し、前記上前身頃と前記後身頃も縫製することなく接続具で接続したものである。したがって、前記左袖は、前記上前身頃及び前記後身頃と共に連続的に一体となり、また、そこには上前身頃及び下前身頃及び後身頃に縫製された衿がそれを強調するように一体化している。
【0014】
更に、前記上前身頃及び前記後身頃の袖付部分及び前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分は左袖と右袖と共に縫製を行うものである。即ち、左袖と右袖は、必要枚数を合わせた単位枚の生地からなり、少なくとも肩の上に位置する肩山の生地は前身頃から後身頃まで連続しており、前記上前身頃及び下前身頃及び後身頃は必要枚数を合わせた単位枚となっており、各左袖と右袖は前身頃から後身頃まで連続している。
更にまた、左袖接続部の接続具、上前身頃接続部の接続具は、スナップボタンまたは磁石ボタン等のボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具とすることができる。
加えて、左袖接続部は右袖縫製部のように袖下が縫製されているものではなく、接続具で接続する部分を示し、また、上前身頃接続部も、下前身頃縫製部のように上前身頃Uと後身頃Bが縫製されているものではなく、接続具で接続する部分を示すものである。
この発明にかかる介護用着衣の前記後身頃には、前記左袖及び前記右袖、及び/または前記後身頃を含む前記上前身頃及び前記下前身頃を収納する収納部を形成したものである。
ここで、上記収納部は、左右から挿入する前記左袖、前記右袖の収納用とすることもできるし、下側から挿入する前記上前身頃及び前記下前身頃の収納用とすることもできる。
【0015】
請求項3の発明にかかる介護用着衣は、上前身頃及び下前身頃及び後身頃と、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿と、前袖及び後袖からなり前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分を縫製されてなる左袖と、前記左袖の前記前袖及び前記後袖とは異なる前袖及び後袖からなり前記上前身頃及び前記後身頃の袖付部分を縫製されてなる右袖と、前記左袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製してなる左袖縫製部と、前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を接続具で接続する右袖接続部と、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を縫製してなる上前身頃縫製部と、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を接続具で接続する下前身頃接続部とを具備するものである。
【0016】
ここで、上記上前身頃及び下前身頃及び後身頃は、和装の裁断、仕立てを意味するものであるが、和装以外の生地を用いても仕立て可能である。
また、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿は、幅の広い衿芯を入れたものに限定されるものではなく、芯地がなくとも単にパイピング処理したものでもよく、結果的に上前身頃及び下前身頃及び後身頃をまとめる機能と認識できればよい。
そして、前記前袖及び前記後袖からなる左袖と右袖は、前記後身頃と前記上前身頃、前記後身頃と前記下前身頃に袖付部分で縫製し、前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製することなく接続具で接続し、前記下前身頃と前記後身頃も縫製することなく接続具で接続したものである。したがって、前記右袖は、前記下前身頃及び前記後身頃と共に連続的に一体となり、また、そこには上前身頃及び下前身頃及び後身頃に縫製された衿がそれを強調するように一体化している。
更に、前記上前身頃及び前記後身頃の袖付け及び前記下前身頃及び前記後身頃の袖付けは左袖と右袖と共に縫製を行うものである。即ち、左袖と右袖は、必要枚数を合わせた単位枚の生地からなり、少なくとも肩の上に位置する肩山の生地は前記前身頃と前記後身頃が連続しており、前記上前身頃及び下前身頃及び後身頃は必要枚数を合わせた単位枚となっており、各左袖と右袖は前身頃から後身頃まで連続している。
更にまた、右袖接続部の接続具、下前身頃接続部の接続具は、スナップボタンまたは磁石ボタン等のボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具とすることができる。
加えて、右袖接続部は左袖縫製部のように袖下が縫製されているものではなく、接続具で接続する部分を示し、また、下前身頃接続部も、上前身頃縫製部のように上前身頃Uと後身頃Bが縫製されているものではなく、接続具で接続する部分を示すものである。
この発明にかかる介護用着衣の前記後身頃には、前記左袖及び前記右袖、及び/または前記後身頃を含む前記上前身頃及び前記下前身頃を収納する収納部を形成したものである。
ここで、上記収納部は、左右から挿入する前記左袖、前記右袖の収納用とすることもできるし、下側から挿入する前記上前身頃及び前記下前身頃の収納用とすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の介護用着衣は、上前身頃及び下前身頃並びに後身頃の袖付部分が縫製されてなる左袖、並びに前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分が縫製されてなる右袖によって、前記後身頃と前記上前身頃、前記後身頃と前記下前身頃が繋がれている。前記後身頃を寝具の上に拡げると、前記上前身頃及び前記下前身頃及び前記後身頃に縫製された衿によって着衣と被介護者とが位置決めされ、前記後身頃の上に被介護者が十の字になって寝ころべば、喩え、カテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、この介護用着衣を着るのに接続具間の間隔が広く、支障になるものがないから、前記後身頃の上に被介護者の上に前記下前身頃を被せ、次いで、前記上前身頃を被せ、更に、前記左袖の前記左袖接続部の袖下を接続具で接続し、また、前記右袖の右袖接続部の袖下を接続具で接続する。
そして、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分である下前身頃接続部を接続具で接続し、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分である上前身頃接続部を接続具で接続する。このとき、接続具間で医療用チューブを引き出しておく。その後、必要であれば帯を締める。
【0018】
このように、被介護者が十の字に寝ころべば、自然体で着衣を着せることができ、特に、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば、間違いのない接続が可能となる。また、着衣の着せ掛けも、前記後身頃と上前身頃、前記後身頃と下前身頃が左袖と右袖で繋がれているから、被介護者の位置決め及び着衣の位置決めが簡単であり、両手が不都合な被介護者であっても、自分が着衣を身に着けるのに協力できるという満足感が得られる。そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば必要な密度で固定できる。また、二人で接続具を止める場合でも、相手方の接続具の数をカウントする必要がない。
【0019】
また、着衣を脱ぐ場合には、帯を解き、そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を外し、前記上前身頃の下方から折り畳み、次に、前記下前身頃の下方から折り畳み、前記上前身頃を左袖上まで折り畳み、また、前記下前身頃を右袖上まで折り畳み、被介護者の体を若干浮き上げ着衣を抜き取る。したがって、大きな力を出さなくても、被介護者下から着衣を脱がせることができる。
よって、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作が自信持てない身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる。また、サイズが和装品として設定できるから、接続具の位置に体重がかかることがないので異物感がない。
加えて、前記後身頃には、左袖及び右袖を収納する収納部を形成したものであるから、折り畳みの際に右袖、左袖が移動しないように収納部に入れ、固定することができる。また、前記上前身頃及び前記下前身頃、後身頃についても収納することができる。特に、クリーニング後に、右袖、左袖を収納部に入れ、また、前記上前身頃及び前記下前身頃及び後身頃を畳んで収納することにより、搬送されても袖とか、後身頃が飛び出してくることがない。
【0020】
請求項2の介護用着衣は、上前身頃及び下前身頃並びに後身頃の袖付部分が縫製されてなる左袖、並びに前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分が縫製されてなる右袖によって、前記後身頃と前記上前身頃、前記後身頃と前記下前身頃が繋がれている。前記後身頃を寝具の上に拡げると、上前身頃及び下前身頃及び後身頃に縫製された衿によって位置決めされる。そして、前記左袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を接続具で左袖接続部を接続し、また、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を接続具で接続する個所は、未だ接続具を用いて接続していないから、前記左袖接続部と前記上前身頃接続部は開放状態となっており、前記左袖接続部と前記上前身頃接続部は折り畳んで前記左袖の袖山側に置いておく。
【0021】
前記後身頃の上に被介護者が十の字になるように、被介護者の右側から前記後身頃を被介護者の身体の下側に潜らせ、寝具の上を摺動させる。同時に、前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製してなる右袖縫製部と、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を縫製してなる下前身頃縫製部は、前記後身頃と共に延ばされているから、右腕を右袖縫製部に通し、前記下前身頃縫製部を人体に被せる。
このとき、喩え、カテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、この介護用着衣を着せるのに支障になるものがないから、前記後身頃の上の被介護者に前記下前身頃を被せ、次いで、前記上前身頃を被せ、更に、前記左袖の左袖接続部の袖下を接続具で接続し、また、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分である上前身頃接続部を接続具で接続する。このとき、接続具間で医療用チューブを引き出しておく。その後、必要であれば帯を締める。
【0022】
このように、被介護者が横に十の字になって寝ころべば、自然体で着衣を着せることができ、特に、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば、間違いのない接合が可能となる。また、着衣の着せ掛けも、前記後身頃と下前身頃が右袖で繋がれているから、被介護者の位置決め及び着衣の位置決めが簡単であり、両手が不都合な被介護者であっても、自分が着衣を身に着けるのに協力できるという満足感が得られる。そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば必要な密度で固定できる。
【0023】
また、着衣を脱ぐ場合には、帯を解き、そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を外し、前記上前身頃の下方から折り畳み、前記上前身頃を左袖上まで折り畳み、また、被介護者の体を若干浮き上げ着衣を被介護者の右方向に抜き取る。したがって、大きな力を出さなくても、被介護者下から着衣を抜き取ることができる。
したがって、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作が自信持てない身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる。
加えて、前記後身頃には、左袖及び右袖を収納する収納部を形成したものであるから、折り畳みの際に右袖、左袖が移動しないように収納部に入れ、固定することができる。また、前記上前身頃及び前記下前身頃、後身頃についても収納することができる。特に、クリーニング後に、右袖、左袖を収納部に入れ、また、前記上前身頃及び前記下前身頃及び後身頃を畳んで収納することにより、搬送されても袖とか、後身頃が飛び出してくることがない。
【0024】
請求項3の介護用着衣は、上前身頃及び下前身頃並びに後身頃の袖付部分が縫製されてなる左袖、並びに前記下前身頃及び前記後身頃の袖付部分が縫製されてなる右袖によって、前記後身頃と上前身頃、前記後身頃と下前身頃が繋がれている。前記後身頃を寝具の上に拡げると、上前身頃及び下前身頃及び後身頃に縫製された衿によって寝具に対する着衣が位置決めされる。そして、前記右袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を接続具で右袖接続部を接続し、また、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を接続具で接続する個所は、未だ接続具を用いて接続していないから、前記右袖接続部と前記下前身頃接続部は開放状態となっており、前記右袖接続部と前記下前身頃接続部は折り畳んで前記右袖の袖山側に置いておく。
【0025】
前記後身頃の上に被介護者が十の字になるように、被介護者の左側から前記後身頃を被介護者の身体の下側に潜らせ、寝具の上を摺動させる。同時に、前記左袖の前記前袖及び前記後袖の袖下を縫製してなる左袖縫製部と、前記上前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分を縫製してなる上前身頃縫製部は、前記後身頃と共に延ばされているから、左腕を左袖縫製部に通し、前記上前身頃縫製部を人体に被せる。なお、人体に被せる前記上前身頃縫製部は、前記下前身頃を着せた後でもよい。
このとき、喩え、カテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、この介護用着衣を着せるのに支障になるものがないから、前記後身頃の上の被介護者に前記下前身頃を被せ、次いで、前記上前身頃を被せ、更に、前記左袖の左袖接続部の袖下を接続具で接続し、また、前記下前身頃と前記後身頃の前記袖付部分までの脇縫部分である下前身頃接続部を接続具で接続する。このとき、接続具間で医療用チューブを引き出しておく。その後、必要であれば帯を締める。
【0026】
このように、被介護者が十の字になって寝ころべば、自然体で着衣を着せることができ、特に、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば、間違いのない接合が可能となる。また、着衣の着せ掛けも、前記後身頃と上前身頃が左袖で繋がれているから、被介護者の位置決め及び着衣の位置決めが簡単であり、両手が不都合な被介護者であっても、自分が着衣を身に着けるのに協力できるという満足感が得られる。そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば必要な密度で固定できる。
【0027】
また、着衣を脱ぐ場合には、帯を解き、そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を外し、下前身頃の下方から折り畳み、下前身頃を右袖上まで折り畳み、また、被介護者の体を若干浮き上げ着衣を被介護者の左方向に抜き取る。したがって、大きな力を出さなくても、被介護者下から着衣を抜き取ることができる。
したがって、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作が自信持てない身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる。
加えて、前記後身頃には、左袖及び右袖を収納する収納部を形成したものであるから、折り畳みの際に右袖、左袖が移動しないように収納部に入れ、固定することができる。また、前記上前身頃及び前記下前身頃、後身頃についても収納することができる。特に、クリーニング後に、右袖、左袖を収納部に入れ、また、前記上前身頃及び前記下前身頃及び後身頃を畳んで収納することにより、搬送されても袖とか、後身頃が飛び出してくることがない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0030】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1の介護用着衣を介護用寝巻とした事例を参照して説明する。
着衣したとき最も前側に出る上前身頃Uと、着衣したとき前側であるが、上前身頃Uの背後に重なる下前身頃Dと、上前身頃Uと下前身頃Dのシルエットラインとなる背中側に位置する後身頃Bと、また、着用する人の前に位置する前袖及び着用する人の後に位置する後袖からなり上前身頃U及び後身頃Bの袖付部分L5を縫製されてなる左袖Lと、左袖Lの前袖及び後袖とは異なる前袖及び後袖からなり、下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rと、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bに縫製された衿6によって、介護用寝巻の全体の概略構成を形成している。なお、公知の寝巻と基本的に相違するものではなく、洋装としても相当する構造により構成できる。
【0031】
左袖Lの前側に在る前袖及び後側に在る後袖の袖下3を接続具Pで接続する左袖接続部3aは、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を接続具Pで接続する右袖接続部4aとは、左袖接続部3aと右袖接続部4aが中央で線対称となり、基本的に構成を同一にしている。
ここで、上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2aは、本来の縫製部分を縫製することなく接続している接続具Pの配設個所であり、着丈から上前身頃Uまたは下前身頃Dと後身頃Bに縫い付ける袖付部分(袖付)R5、L5を差し引いた長さが該当する。
【0032】
また、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を接続具Pで接続する上前身頃接続部1aと、そして、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分R5までの脇縫部分2を接続具Pで接続する下前身頃接続部2aは、後身頃Bと上前身頃接続部1a、後身頃Bと下前身頃接続部2aが接続具Pで接続される。
ここで、袖付部分R5と袖付部分L5は、右袖Rや左袖Lの袖を上前身頃Uと後身頃Bまたは下前身頃Dと後身頃Bに縫い付けるもので、従来の袖付と相違するものではない。
【0033】
接続具Pは
図3(a)に示すように、スナップボタンP
10であれば、5〜25cm間隔に配置し、後身頃B側の内側端部にスナップボタンの凹部P
1を配設し、上前身頃Uの内側端部にスナップボタンの凸部P
2を配設し、両者を接続するか、その接続を解除するものである。また、
図3(b)に示すように、4つ穴のボタンP
20、即ち、貝ボタン、樹脂ボタン等を使用する場合には、ボタンQ
1を後身頃B側の内側端部に配設し、上前身頃Uの内側端部にボタン穴篝Q
2とし、両者を接続するものである。
また、
図3(c)の対紐P30は、紐S
1及び紐S
2で結び、後身頃Bと上前身頃Uが開くのを防止している。このように、後身頃B側の内側端部に対紐P
30の一方の紐S
1を取付け、上前身頃Uの内側端部に他方の紐S
2を取付け、両者を結ぶか、その結びを解くものとしても使用できる。この紐S
1と紐S
2とは、単独で後身頃Bと上前身頃接続部1aに取付けてもよいし、スナップボタンを接続する前に概略の身だしなみを整えるのに使用するのが好適である。この場合には、上前身頃接続部1aの全体長に対して紐S
1と紐S
2の対の対紐P
30を2〜4個配設するのが望ましい。
【0034】
ここでは、接続具Pとして、スナップボタンP
10及び4つ穴のボタンP
20等のボタン、対紐P
30の使用について説明したが、本発明を実施する場合には、接着布(例えば、
マジックテープ(登録商標))の使用も可能である。特に、接着布は洗濯等により糸屑が接着機構部分に絡み付き、接着力が低下する可能性があるので、洗濯時には、洗濯用の接着布を接合し、糸屑が巻き付かないようにしている。しかし、接着布を使用すると、スナップボタンP10及び4つ穴のボタンP20等のボタンよりも面で長い間隔を接合できる利点がある。本実施の形態では、脇縫部分1と脇縫部分2を2〜5本で、袖下3と袖下4を1〜3本の接着布とすることができる。
また、
図3(b)ではボタン穴篝Q
2として横長の穴としているが、これを後身頃B及び上前身頃Uの長さ方向の篝穴とし、そこに5〜10cmの接着布を通して両者を接合してもよい。この種の実施の形態では接着布が疲れてきた場合には、新製品と取り換えることが容易となる。
なお、接続具Pとして、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20、対紐P
30について説明したが、本発明を実施する場合には、接続具Pを環状を描くように接続してもよいし、両生地、例えば、上前身頃Uと後身頃Bの端部、左袖Rの前袖と後袖を平行に合わせるように配設してもよい。
【0035】
特に、上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2a、上記左袖接続部3aと右袖接続部4aによる接続具Pは、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20、対紐P
30、接着布の何れでもよく、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20と対紐P
30等の異種のものとの組み合わせでもよい。しかし、上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2a、上記左袖接続部3aと右袖接続部4a等の列状の接続は、ボタン、紐、接着布等からなる接続具Pを使用するものであり、ボタン等の掛け違いが生ずる可能性が高い。そこで対になる接続具Pの双方に同一番号または同一記号、符号を付したものであるから、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20等のかけ違いが防止できる。接続する双方に同一番号または同一記号を付すのは、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20等のボタン、対紐P
30、接着布の掛け違いを防止するものであり、アルファベット、数字、文字、ワンポイントマーク、絵等とすることができる。
【0036】
ボタン等のかけ間違いを防止する接続具Pの双方に付与する同一番号または同一記号、符号は、テープ状の織物30,31,32にアルファベット、数字、文字、ワンポイントマーク、絵等を織り込み、上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2a、上記左袖接続部3aと右袖接続部4aの長さで繰り返し表されるものを作成しておき、そのアルファベット、数字、文字、ワンポイントマーク、絵等に順列が明確なものを使用する。
テープ状の織物30,31,32としたものは、上前身頃Uの端部または下前身頃Dの端部と後身頃Bの左右の両端に平行して縫い付けるものである。
ボタン等のかけ間違いを防止する接続具Pの双方に付与する同一番号または同一記号、符号は、接続具Pの位置を特定するもので、上前身頃Uの端部または下前身頃Dの端部と後身頃Bの左右の両端、右袖Rの袖下4、左袖Lの袖下3の前袖と後袖の関係に誤りが生じないようにしている。
本実施の形態では、テープ状の織物30,31,32を使用しているが、本実施の形態の介護用着衣に直接刺繍してもよいし、テープ状の織物30,31,32を1ポイント毎の文字、図形、符号等としてもよい。
【0037】
本実施の形態の介護用着衣は、上前身頃U及び下前身頃D並びに後身頃Bの袖付部分L5が縫製されてなる左袖L、並びに下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5が縫製されてなる右袖Rによって、後身頃Bと上前身頃U、後身頃Bと下前身頃Dが繋がれている。
また、左袖Lの袖下3の左袖接続部3aを接続具Pで接続し、また、右袖Rの袖下4の右袖接続部4aを接続具Pで接続し、また、その接続を解除できるようになっている。したがって、左袖Lの袖下3は接続具Pで左袖接続部3aを開閉自在、また、右袖Rも同様、袖下4の右袖接続部4aは接続具Pで開閉自在、即ち、左袖接続部3aと右袖接続部4aは、左袖Lの袖下3と右袖Rの袖下4は、左袖接続部3aと右袖接続部4aで接続具Pを接続すれば左袖Lと右袖Rが筒状に接続され、接続具Pの接続を左袖Lの袖下3と右袖Rの袖下4で解くことで、左袖Lと右袖Rが前袖と後袖に分かれて逆U字状に下端が開く構造となっている。
【0038】
また、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1(上前身頃Uと後身頃Bの裾から袖付部分L5の下部)に相当する上前身頃接続部1aを接続具Pで接続する。そして、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分R5の袖付部分R5までの脇縫部分2(下前身頃Dと後身頃Bの裾から袖付部分R5の下部)に相当する下前身頃接続部2aを接続具Pで接続し、この接続具Pの接続は、上前身頃接続部1aを構成する。同様に、下前身頃接続部2aを構成する。
勿論、上前身頃接続部1a及び/または下前身頃接続部2aの接続具Pの接続を解くことにより、上前身頃接続部1a及び/または下前身頃接続部2aが開くことになる。
【0039】
次に、本実施の形態の介護用着衣の使用について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
通常の寝巻と同様、折り畳んで移動される。被介護者が着用する場合は、寝具の上に、後身頃Bを拡げる。
そして、上前身頃Uを後身頃Bの裾から離し、袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを分離し、更に、左袖Lの袖下3を接続具Pで接続した左袖接続部3aを解き、後袖と前袖を分離し、上前身頃U及び前袖を肩山よりも上に挙げる。
なお、
図4は折り畳んだ上前身頃U及び左袖Lからなる左折り畳み部L20を形成している。この状態で、上前身頃Uを後身頃Bの裾から離し、袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを分離したものを、左折り畳み部L20、更に、左袖Lの袖下3を接続具Pで接続した左袖接続部3aを解き、後袖と前袖を分離したものを、右折り畳み部R20とすることができる。
【0040】
同様に、下前身頃Dを後身頃Bの裾から離し、袖付部分R5の下部までの脇縫部分2の下前身頃接続部2aを分離し、更に、下前身頃D及び右袖Rの袖下4を接続具Pで接続した右袖接続部4aを解き、後袖と前袖を分離し、前袖を肩山よりも上に上げる。
左折り畳み部L20と同様に、
図4は折り畳んだ下前身頃D及び右袖Rからなる右折り畳み部R20を形成している。
なお、ここで折り畳みとして説明しているが、巻き込んで形成してもよい。この場合には、
図5に示すように、左折り畳み部L20、右折り畳み部R20とは別に、中心部を中央折り畳み部とすることもできる。ここで、上前身頃Uを後身頃Bの裾から離し、袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを分離した左折り畳み部L20、更に、左袖Lの袖下3を接続具Pで接続した左袖接続部3aを解き、後袖と前袖を分離した右折り畳み部R20とを太線の仮想線で示したのが
図5である。
【0041】
このように、上前身頃Uを上前身頃Uの裾から左袖Lの袖付部分L5の下部までの上前身頃接続部1a、並びに左袖Lの前袖を上に拡げる。また、下前身頃Dを下前身頃Dの裾から右袖Rの袖付部分R5の下部までの下前身頃接続部2a、並びに右袖Rの前袖を上に拡げる。
このとき、上前身頃接続部1aと左袖Lは連続して開くことができる。また、下前身頃接続部2aと右袖Rも連続して開くことができる。また、後身頃Bは何れからも引っ張られないから展開した状態を維持できる。
【0042】
そこで、後身頃Bの上に被介護者を平面視で十の字になるように寝かせる。被介護者を寝かせた状態で、右袖Rと左袖Lは前袖と後袖に分かれて逆U字状に開いているから、その間に被介護者の右腕、左腕を入れ、袖下3と袖下4の左袖接続部3aと右袖接続部4aの接続具Pを接続状態とする。
喩え、このときカテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、その通過する部位の前後の接続具Pを固定接続し、下前身頃Dを下前身頃Dの裾からの右袖Rの袖付部分R5の下部までの脇縫部分2の下前身頃接続部2aを一体に接続する。そして、上前身頃Uを上前身頃Uの裾からの左袖Lの袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを一体に接続する。
【0043】
そして、下前身頃Dを被介護者の体のラインに合わせて着せ掛ける。同様に、上前身頃Uを被介護者の体のラインに合わせて着せ掛ける。再度、医療用チューブの通過位置を確認し、帯(帯紐)7を締めて寝巻全体の着せ掛けを完了する。
なお、被介護者の容態によっては、上前身頃U及び下前身頃Dと、右袖R及び左袖Lの接続具Pで接続する順序を前後にすることができる。
【0044】
このように、本実施の形態の介護用着衣は、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bと、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bに縫製された衿6と、前袖及び後袖からなり上前身頃U及び後身頃Bの袖付部分L5を縫製されてなる左袖Lと、前袖及び後袖からなり下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rと、左袖Lの前袖及び後袖の袖下3を接続具Pで接続する左袖接続部3aと、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を接続具Pで接続する右袖接続部4aと、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を接続具Pで接続する上前身頃接続部1aと、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分R5までの脇縫部分2を接続具Pで接続する下前身頃接続部2aとを具備するものである。
【0045】
本実施の形態では、右腕及び左腕の不自由な被介護者、或いは手足の不自由な被介護者を前提に説明したが、右腕または左腕が不自由な人の場合には、次の実施の形態とすることもできる。
即ち、右腕または左腕の一方のみの腕が不自由な被介護者の介護用着衣は、前袖及び後袖からなり上前身頃U及び後身頃Bの袖付部分L5を縫製されてなる左袖L、または左袖Lの前袖及び後袖とは異なる前袖及び後袖からなり、下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rの一方のみを、袖下3を接続具Pで接続する左袖接続部3aまたは袖下4を接続具Pで接続する右袖接続部4aとすることができる。
つまり、右腕または左腕の一方のみの腕を健常者と同等に対応できる。
【0046】
本実施の形態の変形例を
図6に示す。左腕が健常な人の介護用着衣としては、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bと、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bに縫製された衿6と、前袖及び後袖からなり下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる左袖Rと、左袖Lの前袖及び後袖とは異なる前袖及び後袖からなり下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rと、左袖Lの前袖及び後袖の袖下3を縫製してなる左袖縫製部3bと、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を接続具Pで接続する右袖接続部4aと、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を接続具Pで接続する上前身頃接続部1aと、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分までの脇縫部分2を縫製してなる下前身頃縫製部2bとを具備する。
【0047】
この種の変形例を
図7に示す。右腕が健常な人の介護用着衣としては、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bと、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bに縫製された衿6と、前袖及び後袖からなり上前身頃U及び後身頃Bの袖付部分L5を縫製されてなる左袖Lと、左袖Lの前袖及び後袖とは異なる前袖及び後袖からなり、下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rと、左袖Lの前袖及び後袖の袖下3を接続具Pで接続する左袖接続部3aと、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を通常の縫製として縫い付けてなる右袖縫製部4bと、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を縫製して縫い付けてなる上前身頃縫製部1bと、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分までの脇縫部分2を接続具Pで接続する下前身頃接続部2aとを具備する。
【0048】
ここで、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を通常の縫製として縫い付けてなる右袖縫製部4bと、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を縫製して縫い付けてなる上前身頃縫製部1b、または、左袖Lの前袖及び後袖の袖下3を縫製してなる左袖縫製部3bと、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分までの脇縫部分2を縫製してなる下前身頃縫製部2bは、通常の形態で縫製されていることを意味し、左袖縫製部3bと右袖縫製部4bは、右袖Rを上前身頃Uに、または左袖Lを下前身頃Dに袖付けすることを意味し、従来からある袖付けの技術である。
また、上前身頃縫製部1bと下前身頃縫製部2bは、通常の形態で上前身頃U及び下前身頃Dからなる前身頃が後身頃Bに縫製されていることを意味し、従来からある上前身頃Uと下前身頃Dと後身頃Bの縫製技術である。
【0049】
次に、本実施の形態の介護用着衣の使用について説明する。なお、ここで説明するのは一例であり、着衣する場合、脱衣する場合に不自由な手を先に通したり、後に通したりでき、また、身体の自由がどれだけ利くかによっても違いがでる。
通常の寝巻と同様、寝具の上に後身頃Bを拡げる。上前身頃Uを上前身頃Uと後身頃Bの裾から左袖Lの袖付部分L5の下部までの脇縫部分1を拡げ、そして、左折り畳み部L20を形成する。また、上前身頃Uを上前身頃Uの裾からの左袖Lの袖付部分L5の下部までの脇縫部分2を拡げ、また、下前身頃Dを下前身頃Dの裾からの右袖Rの袖付部分R5の下部までの脇縫部分2を拡げ、右折り畳み部R20を形成する。
【0050】
即ち、上前身頃Uを後身頃Bの裾から離し、袖付部分L5の下部までの脇縫部分1の上前身頃接続部1aを切り離して分離し、更に、左袖Lの袖下3を接続具Pで接続した左袖接続部3aを解き、後袖と前袖を分離し、前袖を肩山よりも上に移動させ、左折り畳み部L20としている。
または、下前身頃Dを後身頃Bの裾から離し、袖付部分R5の下部までの脇縫部分2の下前身頃接続部2aを分離し、更に、右袖Rの袖下4を接続具Pで接続した右袖接続部4aを解き、後袖と前袖を切り離して分離し、前袖を肩山よりも上に移動させ、右折り畳み部R20としている。
つまり、健常な腕が上前身頃U側か、下前身頃D側かの選択により決定される。
【0051】
そこで、後身頃Bの上に被介護者を十の字になるように寝かせる。このとき、被介護者を寝かせる直前で、右折り畳み部R20の右袖Rまたは左折り畳み部L20の左袖Lは前袖と後袖に分かれて逆U字状に開くから、その間に被介護者の右腕または左腕を入れ、袖下3の左袖接続部3aまたは袖下4の右袖接続部4aの接続具Pを接続状態とする。このとき、袖下3の左袖接続部3aまたは袖下4の右袖接続部4aの何れかの接続具Pを接続状態とし、他方の袖下3の左袖縫製部3bまたは袖下4の右袖縫製部4bは縫製状態となっているから、健常な腕をそこに通し、不自由な腕を袖下3の左袖接続部3aまたは袖下4の右袖接続部4aの何れか一方の接続具Pを接続状態とする。
【0052】
そして、医療用チューブが何本か身体に入っていても、その通過する部位の前後の接続具Pを接続し、または1個の接続具Pを固定動作させないで、脇縫部分1の上前身頃接続部1aまたは脇縫部分2の下前身頃接続部2aを接続する。
そして、下前身頃Dを被介護者の体のラインに合わせて着せる。同様に、上前身頃Uを被介護者の体のラインに合わせて着せる。再度、医療用チューブの通過位置を確認し、帯7を締めて寝巻全体の着せ掛けを完了する。
なお、被介護者の容態によっては、上前身頃U、下前身頃D、右袖R、左袖Lの接続具Pで接続する順序を前後にすることができる。
【0053】
[実施の形態2]
上記実施の形態では、通常の寝巻と同様、折り畳んで汎用される旨説明したが、クリーニングした本実施の形態の介護用着衣は、容易に折り畳みが解除されないようにすることができる。
図8及び
図9はその例である。本発明の実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0054】
本実施の形態2の介護用着衣は、後身頃Bの両肩山または両肩山から0〜10cm低くした位置を上辺Tとし、左右の袖丈を右辺V、左辺Wの長さとし、その端部を結ぶ線を下辺Xとする布地10、好ましくは、本実施の形態2の介護用着衣が寝巻である場合には、その寝巻の柄が付いた布地が好ましい。勿論、パワーネット等の編目を形成した布地10としてもよい。弾性のない編目でもよい。
この布地10の上辺Tを後身頃Bの両肩山または両肩山から0〜10cm低くした位置に縫い付ける。また、下辺Xはその右辺Vの下端、左辺Wの下端を直角三角形状に縫い付ける。右辺Vの下端と左辺Wの下端が、直角を挟む直角三角形の両辺が2〜5cm程度の距離としている。
【0055】
このように、本実施の形態2の介護用着衣は、後身頃Bに布地10の上辺Tを縫製し、また、布地10の右辺Vの下端及び左辺Wの下端を後身頃Bに縫製する。このとき布地10は下辺Xの両端が直角三角形状に縫製されており、開口は、布地10の右辺V、左辺W、下辺Xの3辺となる。布地10の上辺Tは縫製されているから、上辺T側に布地10に収納した介護用着衣の一部が食み出すことがない。
そして、下辺Xの両端が直角三角形状に縫製された布地10は、当該縫製部分が下辺Xの両端に位置するから、被介護者の左右側面に位置することになる。したがって、被介護者はこれによって違和感がない。また、上辺Tについても同様である。
【0056】
したがって、例えば、左袖L及び/または右袖Rを折り畳み、後身頃Bと布地10の間に収納することができる。また、上前身頃U及び下前身頃Dは、後身頃Bと共に2重にまたは3重に折り畳んで下辺X側から挿入し、それを布地10で保持するものである。
ここで、折り畳む左袖Lまたは右袖Rは、片方でも、両側でも収容できる。また、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bを折り畳んだもののみを収納してもよい。
【0057】
上記実施の形態の介護用着衣の後身頃Bには、
その上前身頃U及び下前身頃Dの反対側に左袖L及び/または右袖Rを収納する収納部11を布地10で形成したものである。
ここで、収納部11は、左右から挿入する左袖L、右袖Rの収容用とすることもできるし、下側から挿入する上前身頃U及び下前身頃Dの収納用とすることもできる。
収納部11は、嵩張らないものであり、後身頃Bに対する取り付け位置が人体の体重が加わる位置にないから、使用に際して不快感が生ずることがない。
【0058】
上記実施の形態の介護用着衣の後身頃Bには、その上前身頃U及び下前身頃Dの反対側に左袖L及び右袖Rを収納する収納部11を形成したものであるから、折り畳みの際に右袖R、左袖Lが移動しないように収納部11に入れて、固定することができる。また、上前身頃U及び下前身頃Dについても収容することができる。特に、クリーニング後に、右袖Rを収納部11に入れて、右折り畳み部R20とし、更に、左袖Lを収納部11に入れ、左折り畳み部L20とし、また、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bを畳んで収容することにより、中央折り畳み部C20とすることによって、搬送されても袖とか、後身頃Bが飛び出すことがない。
また、搬送の際には、クリーニングの後、プラスチック袋に収納するが、プラスチック袋から出しても折り畳んだ形が崩れることがない。
【0059】
また、上記実施の形態にかかる介護用着衣は、左袖接続部3aと右袖接続部4aによる接続及び/または上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2aによる接続は、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具Pとし、接続する双方に同一番号または同一記号を付したものである。
上記左袖接続部3aと右袖接続部4aによる接続及び/または上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2aによる接続は、ボタン、紐、接着布としたものであるから、ファスナーのように異物感がなく、かつ、接続する双方に同一番号または同一記号を付したものであるから、ボタン等のかけ違いが防止できる。接続する双方に同一番号または同一記号を付すのは、ボタン、紐、接着布の掛け違いを防止するものであるから、アルファベット、数字、文字、ワンポイントマーク、絵等とすることができる。接続具は、ボタン、紐、接着布の何れでもよく、ボタンと紐等の異種のものとの組み合わせでもよい。
【0060】
上記実施の形態の介護用着衣の左袖接続部3aと右袖接続部4aによる接続及び/または上前身頃接続部1aと下前身頃接続部2aによる接続は、ボタン、紐、接着布、ファスナーの何れか1以上による接続具Pとし、接続する双方に同一番号または同一記号を付したものであるから、接続する双方に同一番号または同一記号を付したものであり、同一番号または同一記号を合わせて接合すれば、複数の接続具Pを配設するものであっても、狂うことはない。
【0061】
上記実施の形態によれば、後身頃Bの上に被介護者が十の字になるように、被介護者の右側から後身頃Bを被介護者の身体の下側に潜らせ、寝具の上を摺動させる。
同時に、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を縫製してなる右袖縫製部4bと、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分までの脇縫部分R5を縫製してなる下前身頃縫製部2bは、後身頃Bと共に延ばされているから、右腕を右袖縫製部4bに通し、下前身頃縫製部2bを人体に被せる。
このとき、喩え、カテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、それを左側に出すことができ、この介護用着衣を着せるのに支障になるものがないから、後身頃Bの上の被介護者に下前身頃Dを被せ、次いで、上前身頃Uを被せ、更に、左袖Lの左袖接続部3aの袖下3を接続具Pで接続し、また、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1である上前身頃接続部1aを接続具Pで接続する。このとき、接続具P間で医療用チューブを引き出しておく。その後、必要であれば帯7を締める。この後、被介護者が好みの体形で寝ればよい。
【0062】
このように、被介護者が十の字になって寝ころべば、自然体で着衣を着せることができ、特に、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具Pを用いれば、間違いのない接合が可能となる。また、着衣の着せ掛けも、後身頃Bと下前身頃Dが右袖Rで繋がれているから、被介護者の位置決め及び着衣の位置決めが簡単であり、両手が不都合な被介護者であっても、自分が着衣を身に着けるのに協力できるという満足感が得られる。そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具Pを用いれば必要な密度で固定できる。
【0063】
また、着衣を脱ぐ場合には、帯7を解き、そして、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20等のボタン、対紐P
30、接着布の何れか1以上による接続具Pを外し、上前身頃Uの下方から折り畳み、上前身頃Uを左袖L上まで折り畳み、また、被介護者の体を若干浮き上げ着衣を被介護者の右方向に抜き取る。したがって、大きな力を出さなくても、被介護者下から着衣を抜き取ることができる。
したがって、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作が自信持てない身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる。
【0064】
他の実施の形態の介護用着衣は、上前身頃U及び下前身頃D並びに後身頃Bの袖付部分L5が縫製されてなる左袖L、並びに下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5が縫製されてなる右袖Rによって、後身頃Bと上前身頃U、後身頃Bと下前身頃Dが繋がれている。後身頃Bを寝具の上に拡げると、上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bに縫製された衿6によって寝具に対する着衣が位置決めされる。そして、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を接続具Pで右袖接続部4aを接続し、また、下前身頃Dの袖付部分R5までの脇縫部分2を接続具Pで接続する個所は、未だ接続具Pを用いて接続していないから、右袖接続部4aと下前身頃接続部2aは開放状態となっているから、左袖接続部3aと上前身頃接続部1aは折り畳んで右袖Rの袖山側に置いておく。
【0065】
後身頃Bの上に被介護者が十の字になるように、被介護者の左側から後身頃Bを被介護者の身体の下側に潜らせ、寝具の上を摺動させる。
同時に、左袖Lの前袖及び後袖の袖下3を縫製してなる左袖縫製部3bと、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を縫製してなる上前身頃縫製部1bは、後身頃Bと共に延ばされているから、左腕を左袖縫製部3b側の左袖Lに通し、上前身頃縫製部1bを人体に被せる。なお、人体に被せる上前身頃縫製部1bは、下前身頃Dを着せた後でもよい。
このとき、喩え、カテーテル等の医療用チューブが何本か身体に入っていても、この介護用着衣を着せるのに支障になるものがないから、後身頃Bの上の被介護者に下前身頃Dを被せ、次いで、上前身頃Uを被せ、更に、左袖Lの左袖接続部3aの袖下3を接続具Pで接続し、また、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分R5までの脇縫部分2である下前身頃接続部2aを接続具Pで接続する。このとき、接続具P間で医療用チューブを引き出しておく。その後、必要であれば帯7を締める。
【0066】
このように、被介護者が十の字になって寝ころべば、自然体で着衣を着せることができ、特に、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具Pを用いれば、間違いのない接合が可能となる。また、着衣の着せ掛けも、後身頃Bと上前身頃Uが左袖Lで繋がれているから、被介護者の位置決め及び着衣の位置決めが簡単であり、両手が不都合な被介護者であっても、自分が着衣を身に着けるのに協力できるという満足感が得られる。そして、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具Pを用いれば必要な密度で固定できる。
【0067】
また、着衣を脱ぐ場合には、帯7を解き、そして、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20等のボタン、対紐P
30、接着布の何れか1以上による接続具Pを外し、下前身頃Dの下方から折り畳み、下前身頃Dを右袖上まで折り畳み、また、被介護者の体を若干浮き上げ着衣を被介護者の左方向に抜き取る。したがって、大きな力を出さなくても、被介護者下から着衣を抜き取ることができる。
したがって、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作が自信持てない身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる。
【0068】
そして、被介護者が十の字に寝ころべば、自然体で着衣を着せることができ、特に、ボタン、紐、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば、間違いのない接合が可能となる。また、着衣の着せ掛けも、後身頃Bと上前身頃U、後身頃Bと下前身頃Dが左袖Lと右袖Rで繋がれているから、被介護者の位置決め及び着衣の位置決めが簡単であり、両手が不自由な被介護者であっても、自分が着衣を身に着けるのに協力できるという満足感が得られる。そして、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20等のボタン、対紐P
30、接着布の何れか1以上による接続具を用いれば必要な密度で固定できる。
【0069】
更に、着衣を脱ぐ場合には、帯7を解き、そして、スナップボタンP
10、4つ穴のボタンP
20等のボタン、対紐P
30、接着布等の何れか1以上による接続具を外し、上前身頃Uの下方から折り畳み、次に、下前身頃Dの下方から折り畳み、上前身頃Uを左袖L上まで折り畳み、また、下前身頃Dを右袖R上まで折り畳み、被介護者の体を若干浮き上げ着衣を抜き取る。したがって、大きな力を出さなくても、被介護者下から着衣を抜き取ることができる。
したがって、寝たきりの患者、老人、左右の腕の動作が自信持てない身体障害者等の被介護者の着衣として使用できる。
【0070】
被介護者が十の字に寝ころべば、自然体で着衣を着せることを前提に説明したが、本発明を実施する場合には、被介護者が何も手にすることなく自立したり、何かに掴って自立できる場合には、立った状態で着付けることができる。この場合には、環境温度が低くても、部分的に肌を出すことができ、風呂から出た後でも、湯冷めしないで体を拭くことができる。また、お湯で体をふく場合にも他の部分が着衣しているから余り寒さを感じない。
このように、上記実施の形態では、寝具の上に寝る場合で説明したが、湯上りの際には、被介護者が立っていても、或いは座っていても、本介護用着衣は簡単に着せ掛けることができる。
【解決手段】上前身頃U及び下前身頃D及び後身頃Bと、それらに縫製された衿6と、前袖及び後袖からなり、上前身頃U及び後身頃Bの袖付部分L5を縫製されてなる左袖Lと、前袖及び後袖からなり、下前身頃D及び後身頃Bの袖付部分R5を縫製されてなる右袖Rと、左袖Lの前袖及び後袖の袖下3を接続具Pで接続する左袖接続部3aと、右袖Rの前袖及び後袖の袖下4を接続具Pで接続する右袖接続部4aと、上前身頃Uと後身頃Bの袖付部分L5までの脇縫部分1を接続具Pで接続する上前身頃接続部1aと、下前身頃Dと後身頃Bの袖付部分までの脇縫部分2を接続具Pで接続する下前身頃接続部2aとを具備する。