(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973062
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】摩擦ローラ式遊星伝動装置並びに変速及び差動伝動装置
(51)【国際特許分類】
F16H 13/08 20060101AFI20160809BHJP
B60L 15/20 20060101ALN20160809BHJP
【FI】
F16H13/08 H
!B60L15/20 K
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-513114(P2015-513114)
(86)(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公表番号】特表2015-519523(P2015-519523A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】EP2013060228
(87)【国際公開番号】WO2013174740
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2014年12月11日
(31)【優先権主張番号】102012010316.6
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591037096
【氏名又は名称】フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ペーターゼン・ライナー
(72)【発明者】
【氏名】メッケル・イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンケ・シュテファン
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−012722(JP,A)
【文献】
特開2010−025237(JP,A)
【文献】
特開2003−278866(JP,A)
【文献】
特開2008−106923(JP,A)
【文献】
特開昭51−137063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 15/20
F16H 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(128)と、第1の太陽とその上に配置された第2の太陽(104,106)とを有する太陽軸(102)と、遊星キャリヤ(112)と、ハウジング(128)と回転不能に結合された、摩擦リングとして形成された第1のリングギヤ部材(124)とを有し、
両太陽は、それぞれ摩擦ローラとして形成され、軸方向に互いに対して可動であり、太陽の少なくとも一方(104)が、太陽軸(102)と回転不能に結合され、
遊星キャリヤには、それぞれ一対の小さい直径の接触面と一対の大きい直径の接触面とを備える、摩擦ローラとして形成された複数の段付けした遊星(108)が、回転可能に支承され、
遊星(108)が、それぞれ、一方の対の接触面でもって太陽(104,106)に沿って転動し、他方の対の接触面の少なくとも一方の接触面でもって第1のリングギヤ部材(124)に沿って転動し、
太陽(104,106)とこれに対応する遊星(108)の接触面との間の接触圧が、トルクに依存した第1の軸方向移動装置による太陽の少なくとも一方(106)のトルクに依存した軸方向移動によって制御可能である、
摩擦ローラ式遊星伝動装置において、
摩擦リングとして形成された第2のリングギヤ部材(126)が設けられ、このリングギヤ部材が、第1のリングギヤ部材(124)に対して相対的に軸方向に可動に配置され、これにより、遊星(108)が、これに対応する対の接触面でもって両リングギヤ部材(124,126)に沿って転動し、
リングギヤ部材(124,126)とこれに対応する遊星(108)の接触面の間の接触圧が、トルクに依存した第2の軸方向移動装置によるリングギヤ部材の少なくとも一方(126)のトルクに依存した軸方向移動によって制御可能であること、を特徴とする摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項2】
リングギヤ部材(124,126)に対応する、対称に形成された遊星(108)の接触面が、太陽(104,106)に対応する遊星(108)の接触面よりも小さい直径を備えること、及び、太陽(104,106)に対応する接触面が、軸方向に、リングギヤ部材(124,126)に対応する接触面の間に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項3】
第1のリングギヤ部材(124)が不動に、第2のリングギヤ部材(126)が回転不能に、ハウジング(128)と結合されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項4】
太陽(104,106)に対応する軸方向移動装置が、第2の太陽(106)の第1の太陽(104)とは反対側で軸方向に太陽軸(102)に支持された、太陽軸(102)に対して回転不能のランプキャリヤ(130,132)を備え、このランプキャリヤ(130,132)と第2の太陽(106)の間に、これら両方と接触する1セットのスペーサ(136)を備え、これらスペーサ(136)が、ランプキャリヤ(130,132)及び/又は第2の太陽(106)のランプガイド内に案内されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項5】
ランプキャリヤが、太陽軸(102)と軸方向に不動に結合された支持リング(130)を備え、この支持リングの太陽側に、この支持リングに支持された、太陽軸(102)と回転不能に結合されたランプキャリヤスリーブ(132)を備えること、を特徴とする請求項4に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項6】
リングギヤ部材(124,126)に対応する軸方向移動装置が、第2のリングギヤ部材(126)の第1のリングギヤ部材(124)とは反対側でハウジングと不動に結合されたランプキャリヤ(138)を備え、このランプキャリヤ(138)と第2のリングギヤ部材(126)の間に、これら両方に接触する1セットのスペーサ(140)を備え、これらスペーサが、ランプキャリヤ(138)及び/又は第2のリングギヤ部材(126)のランプガイド内に案内されていること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項7】
少なくとも一方の軸方向移動装置のランプガイドが、波状の端面カムとして形成されていること、を特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項8】
少なくとも一方の軸方向移動装置のスペーサ(136,140)が、半径方向に整向されたシリンダ体として形成されていること、を特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項9】
ランプガイドが、スペーサ(136,140)の方向に軸方向にバネの予荷重を受けていること、を特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項10】
太陽軸(102)が、軸方向に可動に支承されていること、を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項11】
遊星(108)を軸方向に可動に遊星キャリヤ(112)に支承する軸受ボルト(110)が、半径方向に不動に遊星キャリヤ(112)と結合されていること、を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置。
【請求項12】
それぞれ遊星段として形成されかつ互いに同軸に配置された入力段(32)と、負荷段(34)と、ディファレンシャル段(36)とを有する変速及び差動伝動装置において、
入力段(32)が、請求項1〜11のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置(100)として形成されていること、を特徴とする変速及び差動伝動装置。
【請求項13】
負荷段(34)の出力軸及びディファレンシャル段(36)の入力軸として、それぞれその遊星キャリヤ軸が使用され、負荷段(34)の遊星(343)及びディファレンシャル段(36)の遊星(363)が、共に、これら両伝動装置段(34,36)に共通の一貫した軸受ボルトに支承されていること、を特徴とする請求項12に記載の変速及び差動伝動装置。
【請求項14】
遊星セットとして形成された入力段(32)と、遊星セットとして形成された負荷段(34)と、1つのディファレンシャル入力軸と2つのディファレンシャル出力軸とを有する、2重遊星セットとして形成されたディファレンシャル段(36)とを有し、
入力段の入力段入力軸として作用する太陽軸(321)が、伝動装置入力軸として電気機械(20)の駆動出力軸(21)と同軸に結合可能であり、入力段の遊星キャリヤ軸が、入力段出力軸として作用し、
負荷段の太陽軸(341)が、負荷段入力軸として入力段出力軸と同軸に結合され、負荷段のリングギヤ部材(344)が、ハウジングに不動に固定され、負荷段の遊星キャリヤ軸が、負荷段出力軸として作用し、
両ディファレンシャル出力軸が、伝動装置出力軸として自動車の駆動ホイールと結合可能である、
ハウジング(38)と、1つの伝動装置入力軸と、この伝動装置入力軸に対して同軸に配置された2つの伝動装置出力軸とを有する電気的に駆動される自動車のための変速及び差動伝動装置において、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の摩擦ローラ式遊星伝動装置として形成された入力段の遊星(323)が、段付き遊星として形成され、太陽が、大きい直径の第1の遊星段に沿って転動し、ハウジングに不動に固定されたリングギヤ部材(324)が、小さい直径の第2の遊星段に沿って転動し、ディファレンシャル段(36)の遊星キャリヤ軸が、ディファレンシャル段入力軸として作用し、ディファレンシャル段(36)の太陽軸(361a,361b)が、ディファレンシャル段出力軸として作用すること、を特徴とする変速及び差動伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと、第1の太陽とその上に配置された第2の太陽とを有する太陽軸と、遊星キャリヤと、ハウジングと回転不能に結合された、摩擦リングとして形成された第1のリングギヤ部材とを有し、
両太陽は、それぞれ摩擦ローラとして形成され、軸方向に互いに対して可動であり、太陽の少なくとも一方が、太陽軸と回転不能に結合され、
遊星キャリヤには、それぞれ一対の小さい直径の接触面と一対の大きい直径の接触面とを備える、摩擦ローラとして形成された複数の段付けした遊星が、回転可能に支承され、
遊星が、それぞれ、一方の対の接触面でもって太陽に沿って転動し、他方の対の接触面の少なくとも一方の接触面でもって第1のリングギヤ部材に沿って転動し、
太陽とこれに対応する遊星の接触面との間の接触圧が、トルクに依存した第1の軸方向移動装置による太陽の少なくとも一方のトルクに依存した軸方向移動によって制御可能である、
摩擦ローラ式遊星伝動装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、それぞれ遊星段として形成されかつ互いに同軸に配置された入力段と、負荷段と、ディファレンシャル段とを有する変速及び差動伝動装置、特に、遊星セットとして形成された入力段と、遊星セットとして形成された負荷段と、1つのディファレンシャル入力軸と2つのディファレンシャル出力軸とを有する、2重遊星セットとして形成されたディファレンシャル段とを有し、
入力段の入力段入力軸として作用する太陽軸が、伝動装置入力軸として電気機械の駆動出力軸と同軸に結合可能であり、入力段の遊星キャリヤ軸が、入力段出力軸として作用し、
負荷段の太陽軸が、負荷段入力軸として入力段出力軸と同軸に結合され、負荷段のリングギヤ部材が、ハウジングに不動に固定され、負荷段の遊星キャリヤ軸が、負荷段出力軸として作用し、
両ディファレンシャル出力軸が、伝動装置出力軸として自動車の駆動輪と結合可能である、
ハウジングと、1つの伝動装置入力軸と、この伝動装置入力軸に対して同軸に配置された2つの伝動装置出力軸とを有する電気的に駆動される自動車のための変速及び差動伝動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この種の摩擦ローラ式伝動装置は、米国特許第3,475,993号明細書(特許文献1)から公知である。この種の変速及び差動伝動装置は、米国特許第6,401,850号明細書(特許文献2)に記載されている。同軸構造の伝動装置配置、特に同軸のエンジン/トランスミッションユニットは、電気的に駆動される自動車のために、その構造空間、動力伝達及び効率の利点に基づいて実績がある。
【0004】
更なる改善の可能性を、電気駆動ユニット、即ち電気機械自身が提供する。ここで、工作機械工業において非常に効率的で出力密度の高い駆動装置のために使用される電気機械を使用できることは、有利である。これらは、特に、例えば30000r/min以上の高い公称回転数によって際立っている。電気的に駆動される自動車においてこのような高回転数もしくは最高回転数機械を使用する場合、高変速比の伝動装置構造、例えば変速比i=25−40の伝動装置構造が必要であることは、明らかである。このため、これまで公知の同軸構造の伝動装置構造は、明らかに、非常に僅かな変速比領域を有する。歯数及び/又は伝動装置段数の単なる適合は、この問題を解決するためには適していない。特にこのような伝動装置配置の入力段において生じる非常に高い回転数に基づいて、含まれる歯車は、結びつくコストがこの解決策の不経済さを生じさせるような正確さをもって製造しなければならない。加えて、高い回転数は、近代では自動車における快適さの要求に適合しない著しい騒音負荷を生じさせる。
【0005】
ギヤ式の伝動装置の代わりに公知の摩擦ローラ式伝動装置を使用することは、この場では、同様に先に進められない。特に、この種の摩擦ローラ式遊星伝動装置は、生じる回転数に適さず、高い変速比に基づいて非常に大きい、入力軸と出力軸の間のトルク差は、前記使用目的のために適していない。公知のトラクション伝動装置(本願の範囲内で摩擦ローラ式伝動装置と同義である)は、2重の太陽と、段付きの対称な遊星と、1つのハウジングに固定のリングギヤ部材とを有する遊星伝動装置として形成されている。伝動装置入力軸として、太陽軸が使用され、伝動装置出力軸として遊星キャリヤ軸が作用する。太陽軸に配置されたこれら太陽は、その小さい端面でもって互いに向き合う切頭円錐形の摩擦ローラとして形成されている。第1の太陽は、歯切り部によって回転不能に、しかしながら軸方向には可動に太陽軸に支承されている。第2の太陽は、可動に太陽軸に支承されている。両太陽は、その切頭円錐形の接触面を介して、摩擦ローラとして形成された遊星の相応に形成された対の接触面と接触している。各遊星は、両側を面取りした周溝を備え、この周溝は、その接触面対の個々の面を互いに分離する。この溝の側壁は、摩擦リングとして形成された、ハウジングに固定のリングギヤ部材の相応に形成された立上り部と接触している。知られているように、このような伝動装置の場合、トルクは、入力軸から出力軸へ異なった摩擦体の間のトラクションを介して伝達される。幾何学的な変速比は、ギヤ式の伝動装置と同様に、関与する接触面の直径を介して計算され、それぞれ、回転軸と、摩擦体表面上の実際の接点との間の垂直間隔を直径と見なすことができる。公知のトラクション伝動装置の場合、太陽に対する遊星の接触面の直径は、リングギヤ部材に対する遊星の接触面の直径よりも大きいので、遊星は、段付き遊星として作用する。
【0006】
トラクションによるトルク伝達の効率は、実質的に互いに相互作用する接触面の接触圧に依存し、その最適条件は、接触面の幾何学形状並びに関与する回転数及びトルクに非常に強く依存する。
【0007】
従って、公知の装置は、ボールランプ式軸方向移動装置として形成されたトルク補正部を備える。可動の太陽の後側で、ボールランプ内でボールのセットを案内する支持体が、太陽軸と不動に結合され、ボールは、支持体と可動の太陽の間のスペーサとして使用される。伝達トルクに応じて、可動の太陽と支持体の間に相対回転が生じ、これは、ボールランプガイドによって可動の太陽の軸方向移動に変換される。これにより、太陽と遊星の間の接触圧が高まるが、これは、遊星の相対移動も伴い、この相対移動自身は、遊星とリングギヤ部材の間の接触圧を変化させる。遊星の半径方向移動は、特に、遊星を支承する軸受ボルトが、遊星キャリヤの半径方向スリットに支承されていることによって、可能にされる。
【0008】
トラクション段のこの形成は、種々の欠点を有する。一方で、遊星軸受ボルトの半径方向に可動の支承は、技術的に費用がかかり、従って高価である。第2に、説明したように、太陽と遊星の間の接触圧のトルクに依存した変化が、直接的に遊星とリングギヤ部材の間の接触にも作用を及ぼす。これは、特に、異なった接触領域で回転数及びトルクの比が強く異なる高い変速比の場合に不利である。それは、これにより、両接触領域で最適な調整が不可能になるからである。そして最後に、特に高回転数適用時に、遊星に作用する遠心力が、遊星軸受ボルトの半径方向に可動の支承に基づいて直接的に遊星とリングギヤ部材の間の接触(負荷)と遊星と太陽の間の接触(除荷)にも作用することを、不利であると見なす必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,475,993号明細書
【特許文献2】米国特許第6,401,850号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、高回転数領域で作動する高変速比の同軸伝動装置のために適した入力段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1の上位概念の特徴と関係して、
摩擦リングとして形成された第2のリングギヤ部材が設けられ、このリングギヤ部材が、第1のリングギヤ部材に対して相対的に軸方向に可動に配置され、これにより、遊星が、これに対応する対の接触面でもって両リングギヤ部材に沿って転動し、
リングギヤ部材とこれに対応する遊星の接触面の間の接触圧が、トルクに依存した第2の軸方向移動装置によるリングギヤ部材の少なくとも一方のトルクに依存した軸方向移動によって制御可能であること、
によって解決される。
【0012】
これにより、請求項14の上位概念の特徴を有するこの種の変速及び差動伝動装置は、
このような摩擦ローラ式遊星伝動装置として形成された入力段の遊星が、段付き遊星として形成され、太陽が、大きい直径の第1の遊星段に沿って転動し、ハウジングに不動に固定されたリングギヤ部材が、小さい直径の第2の遊星段に沿って転動し、ディファレンシャル段の遊星キャリヤ軸が、ディファレンシャル段入力軸として作用し、ディファレンシャル段の太陽軸が、ディファレンシャル段出力軸として作用する
ように、発展させることができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【0014】
本発明の基本思想は、太陽−遊星−接触以外に、遊星−リングギヤ部材−接触にも、トルクに依存した接触圧制御を備えることである。これは、好ましい実施形態において行なわれるように、遊星を遊星キャリヤに支承する軸受ボルトを、半径方向に不動に遊星キャリヤと結合することを可能にする。従って、一方では接触力の、他方では遠心力の、半径方向に作用する力の割合は、軸受ボルトによって支持することができるので、局所的な回転数比及びトルク比に適合させた独立した接触圧の制御を行なうことができる。この適合の特殊な設定は、個々の場合を顧慮して当業者にゆだねられ、このため特に、当業者は、それぞれの軸方向移動装置の幾何学的形態を使用することができる。換言すれば、本発明により、一方では太陽と遊星の間の、他方では遊星とリングギヤ部材の間のトラクション比を互いに依存せずにそれぞれ最適化することが可能になるので、全体として、本発明によるトラクション伝動装置の効率が最適化される。
【0015】
有利には、リングギヤ部材に対応する、対称に形成された遊星の接触面が、太陽に対応する遊星の接触面よりも小さい直径を備え、太陽に対応する接触面が、軸方向に、リングギヤ部材に対応する接触面の間に配置されている。これは、遊星ローラの特に有利な造形を表す。遊星ローラは、回転対称の物体として説明することができ、これらは、その軸近くの領域にその軸から離れた領域よりも大きい幅を備え、この軸近くの領域及び軸から離れた領域は、好ましくは横断面がウェブ状の結合部によって互いに結合されている。この造形により、総重量と、特に慣性モーメントが、この種の従来技術による造形に対して低減される。同時に、このような段付き遊星の結果として生じる段部は、明らかに省略することができ、これは、大きい変速比の実現を可能にする。
【0016】
当業者が認めるように、本発明によるトラクション伝動装置の場合、軸方向に可動ないくつかの要素が関与している。それにもかかわらず、本発明による伝動装置を、他の要素、例えば別の伝動装置段及び/又は駆動装置と、空間的及び動力伝達的に関係付けることができる不動の基準点の少なくとも1つの箇所を必要とする。第1のリングギヤ部材が不動に、第2のリングギヤ部材が回転不能に、ハウジングと結合されている場合が、特に有利であるとわかった。換言すれば、第1のリングギヤ部材が前に挙げた不動の基準点を構成するということである。以下で説明する有利な実施形態は、特に有利に、このような空間的な基準点と関係して使用可能である。しかしながら、例えば太陽又は太陽軸を不動の基準点として使用する他の形成も考えられる。以下で説明する実施形態の関係させた詳細を、ここに開示された教示の立場から適合させることは、当業者にとって簡単なことである。
【0017】
好ましくは、太陽に対応する軸方向移動装置が、第2の太陽の第1の太陽とは反対側で軸方向に太陽軸に支持された、太陽軸に対して回転不能のランプキャリヤを備え、このランプキャリヤと第2の太陽の間に、これら両方と接触する1セットのスペーサを備え、これらスペーサが、ランプキャリヤ及び/又は第2の太陽のランプガイド内に案内されている。この場合、第2の太陽は、可動に太陽軸に支承されている。従って、かかっているトルクに応じて、第2の太陽とランプキャリヤの間に相対回転が生じ、この相対回転は、スペーサとランプガイドを介して第2の太陽のトルクに依存した軸方向移動に変換される。この依存性の具体的な形態は、ランプガイドの特殊な形状から得られる。例えば、直線的な、しかしながらまた明らかに複雑なトルク依存性も実現することができる。
【0018】
ランプキャリヤとして、例えば太陽軸と不動に結合された要素を使用することができる。しかしながらこれは、製造及び組立てを顧慮して不利である。従って、好ましい実施形態の場合、ランプキャリヤが、太陽軸と軸方向に不動に結合された支持リングを備え、この支持リングの太陽側に、この支持リングに支持された、太陽軸と回転不能に結合されたランプキャリヤスリーブを備える。これは、太陽軸上に要素を嵌めることによる簡単な組立てを可能にする。支持リングは、例えば太陽軸の溝内の簡単なスナップリングとして形成することができる。
【0019】
太陽の軸方向移動装置の形成と同様に、本発明の好ましい実施形態の場合、リングギヤ部材に対応する軸方向移動装置が、第2のリングギヤ部材の第1のリングギヤ部材とは反対側でハウジングと不動に結合されたランプキャリヤを備え、このランプキャリヤと
第2のリングギヤ部材の間に、これら両方に接触する1セットのスペーサを備え、これらスペーサが、ランプキャリヤ及び/又は第2のリングギヤ部材のランプガイド内に案内されている。この軸方向移動装置の機能方式については、同様に太陽の軸方向移動装置に対して前に述べたことを参照することができる。しかしながらこの形成は、第1のリングギヤ部材によって既に不動の基準点が与えられているので、極僅か簡単である。太陽側の軸方向移動装置の場合に第1の太陽から太陽軸を介してランプキャリヤへ行なわれる力の短絡は、リングギヤ部材側の軸方向移動装置の場合は、第1のリングギヤ部材からハウジングを介してランプキャリヤへ行なわれる。第1のリングギヤ部材ではなく、例えば太陽軸が空間的な基準点として使用される本発明の既に述べた変更例の場合、当業者は、相応の適合をする。
【0020】
好ましくは、少なくとも一方の軸方向移動装置のランプガイドが、波状の端面カムとして形成されている。ランプキャリヤ、特にランプキャリヤスリーブは、この実施形態の場合、それぞれ切離すべき要素の側のその端面に、スペーサの当接部として使用される波状のカムを備える。選択的又は付加的に、それぞれ切離すべき要素、即ち第2の太陽及び/又は第2のリングギヤ部材は、それぞれ対応するランプキャリヤの側のその端面に、このような波状の端面カムを備えることができる。当業者は、機能方式が、公知のボールランプガイドのものに一致すること、及び、このようなボールランプガイドが、実際に可能な形成形態であることを認める。しかしながら好ましくは、少なくとも一方の軸方向移動装置のスペーサが、半径方向に整向されたシリンダ体として形成されている。この形成は、2つの利点を有する。一方では、強制的にスペーサのためのガイド溝を備える必要のない端面カムの形成は、強制的に、半円形の溝底を有する溝を必要とするボールランプガイドの場合よりも明らかに簡単である。他方では、スペーサのシリンダ状の形成(と相応の端面カムの形成)によって、軸方向移動装置が半径方向力を受け止めることも防止されるが、これは、典型的なボールランプガイドの場合には、ガイド溝の側壁を介して常にそうである。
【0021】
トルクに依存せずにベーストラクションを使用するため、好ましくは、ランプガイドが、スペーサの方向に軸方向に予荷重を受けている。例えば、ランプキャリヤの端面カムは、皿バネとして形成するか、皿バネを背後に配置することができる。
【0022】
当業者が認めるように、遊星の軸方向の可動性は、本発明の範囲内では省略不能である。この場合、この可動性が、軸受ボルト上での遊星の可動性又は軸受ボルト自身の軸方向可動性から結果として生じるかどうかは、些細なことである。両接触圧制御の互いの独立性と共に、これは、リングギヤ部材と遊星の間の接触圧の圧力適合が遊星の軸方向移動を生じさせ、この軸方向移動は、太陽と遊星の間の接触圧制御において相当するものがないことを意味する。ここでバランスを取るため、好ましくは、太陽軸とこれと共に第1の太陽が、軸方向に可動に支承されている。選択的に太陽軸上での第1の太陽の軸方向可動性を設けることもできるが、これは、構造的に複雑である。ここでも、当業者は、ハウジングに固定の第1のリングギヤ部材によるものとは違うように空間的な基準点を実現する場合には相応の適合を行なうべきであることを認める。
【0023】
本発明によるトラクション伝動装置の好ましい使用分野は、それぞれ遊星段として形成されかつ互いに同軸に配置された入力段と、負荷段と、ディファレンシャル段とを有する変速及び差動伝動装置の入力段としてである。この変速及び差動伝動装置は、負荷段の出力軸及びディファレンシャル段の入力軸として、それぞれその遊星キャリヤ軸が使用され、負荷段の遊星及びディファレンシャル段の遊星が、共に、これら両伝動装置段に共通の一貫した軸受ボルトに支承されている場合、特にコンパクトに形成することができる。
【0024】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の詳細な説明と図面からわかる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】
図2のトラクション伝動装置の部分的に切断した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明によるトラクション伝動装置を使用するために特に適した電気的に駆動される自動車の駆動系10の概略図を示す。電気機械20によって発生されたトルクは、変速及び差動伝動装置30を介して、駆動される車軸の脚40a,bへ伝達される。電気機械20、変速及び差動伝動装置30並びに軸脚40a,bは、互いに同軸に配置されている。変速及び差動伝動装置30は、入力段32、負荷段34及びディファレンシャル段36を有する。入力段の入力軸として、その太陽軸321が使用され、この太陽軸は、電気機械の出力軸21と結合されている。遊星キャリヤ322は、1セットの段付き遊星323を支持し、その大きい段は太陽軸321と、その小さい段はリングギヤ部材324と、作用結合されている。リングギヤ部材324は、詳細には図示してない伝動装置ハウジング38と回転不能に結合されている。入力段32の出力軸として、遊星キャリヤ322の軸が使用される。この軸は、1セットの負荷段34の太陽軸341と結合されている。その遊星キャリヤ342は、1セットの単純な遊星343を支持し、この遊星は、一方では太陽軸341と、他方ではハウジング固定のリングギヤ部材344と、協働する。負荷段の出力軸として、遊星キャリヤ342の軸が使用される。この軸は、ディファレンシャル段36の遊星キャリヤ362と結合されている。ディファレンシャル段36の遊星キャリヤ362は、2重の遊星セット363を支持し、その個々の遊星は、対で互いに協働し、2つの太陽軸361a,bのそれぞれ一方と協働する。太陽軸361a,361bは、ディファレンシャル段36の出力軸として使用され、同時に変速及び差動伝動装置30の伝動装置出力軸として使用される。特に、太陽軸361aは軸脚40aと、太陽軸361bは軸脚40bと、結合されている。
【0027】
負荷段34とディファレンシャル段36が、そのそれぞれの遊星キャリヤ342,362の軸を介して互いに結合されていることが認められる。特にコンパクトな構造を実現するため、負荷段34の遊星343とそれぞれこれに対応するディファレンシャル段36の2重遊星セットの遊星は、共通の一貫した軸受ボルトに支承することができる。
【0028】
本発明は、主に、トラクション伝動装置又は摩擦ローラ式伝動装置としての入力段32の好ましい形成に関するが、このような伝動装置は、有利には、単独で又は
図1に示したものとは違う組合せで使用可能である。
【0029】
図2〜4は、異なった図示で、このようなトラクション伝動装置の特に有利な実施形態を示すが、特に
図1の構造からのトラクション伝動装置100の独立性を強調するために、
図1に依存しない符号が使用される。統一的な符号システムを備える
図2〜4を、以下で共に議論する。
【0030】
トラクション伝動装置100は、遊星セットとして形成されている。2重矢印P1によって図示したように限定された程度で軸方向に可動なその太陽軸102は、不動に、この例では特にこれと一体的に結合される太陽104を支持する。特許請求の範囲では第1の太陽として請求されるこの太陽は、この詳細な説明の範囲内では容易な理解のために固定太陽104と呼ばれる。固定太陽104に隣接して、別の太陽106が太陽軸102に可動に支承されている。特許請求の範囲では第2の太陽として請求されるこの太陽は、この詳細な説明に範囲内では容易な理解のために可動太陽106と呼ばれる。両太陽104,106は、内方へ、即ち互いに向かって薄肉になる凹に湾曲した接触面を供する。これら接触面は、これに対応するように凸に形成された段付き遊星108の接触面と接触しているが、これら段付き遊星のうち、
図2には1つだけが図示されている。太陽側の接触面と遊星側の接触面の間の具体的な接点は、
図2には概略的に図示され、K1aとK1bで指示されている。接点K1a,K1bのそれぞれの回転軸に対して垂直な間隔は、接触半径であり、
図2にはr
Sもしくはr
P1として指示されている。これら太陽半径及び第1の遊星半径は、以下で説明するリングギヤ部材半径と第2の遊星半径と共にトラクション伝動装置100のための公称変速比に対して責任がある。
【0031】
遊星108は、太陽軸102に対して同軸に配置された遊星キャリヤ軸122と結合された遊星キャリヤ112の軸受ボルトに支承されている。図示した実施形態の場合、支承は、ニードル軸受114を介して行なわれ、このニードル軸受は、遊星108の回転以外にその軸方向の移動も可能にし、この軸受ボルト110は、遊星キャリヤ122と不動に結合されている。遊星108は、回転対称であり、横断面が、2重鏡面対称に構成されている。遊星は、広幅の遊星ボディ116を有し、この遊星ボディから、中央の狭幅の遊星ネック118が延在し、この遊星ネックは、再び幅が広がる遊星ヘッド120上に、既に前で説明した太陽102,104と接触するための接触面を支持する。遊星ボディ116の肩は、別の対の接触面を構成する。これら接触面は、凸に形成され、これに対応するように凹に形成された2つのリングギヤ部材124,126の接触面に沿って転動する。特許請求の範囲では第1のリングギヤ部材124として請求される符号124を備えるリングギヤ部材は、図示した実施形態の場合、詳細には図示してないハウジング128と不動に結合され、この詳細な説明の範囲内では容易な理解のために固定リングギヤ部材124と呼ばれる。特許請求の範囲内では第2のリングギヤ部材126として請求されるリングギヤ部材126は、この詳細な説明の範囲内では容易な理解のために可動リングギヤ部材126と呼ばれる。この可動リングギヤ部材は、2重矢印P2が象徴するように、回転不能であるが、軸方向には可動にハウジング128と結合されている。
【0032】
リングギヤ部材124,126と遊星108の肩の間の具体的な接点は、
図2には概略的に図示され、K2aもしくはK2bで指示されている。対応する要素の回転軸もしくは対称軸からのその間隔が接触半径であり、これら接触半径は、
図2にはr
HR及びr
P2で指示されている。
【0033】
詳細には、r
Sが太陽半径を、r
HRがリングギヤ部材半径を、r
P1が第1の遊星半径を、そしてr
P2が第2の遊星半径を示し、両遊星半径は、異なっているので、機能的に段付き遊星が実現されている。この場合、太陽104,106が大きい遊星段と相互作用をし、リングギヤ部材124,126が小さい遊星段と相互作用をする。それぞれの接触面の間の接点で作用する接触圧の制御、特にトルクに依存した制御をするため、特殊な軸方向移動装置が設けられている。トラクション伝動装置100の内部領域で、可動太陽106は、固定太陽104に対して相対的に軸方向に移動可能である。このため、太陽軸102の溝内にスナップリング130が配置され、このスナップリングは、ランプキャリヤスリーブ132を軸方向に支持する。ランプキャリヤスリーブ132自身は、太陽軸102と回転不能に結合されている。遊星ヘッド120との可動太陽106の接触により、軸方向外方へ整向された力が可動太陽106に作用し、この可動太陽は、半径方向に整向されたシリンダ状のスペーサ136を介してランプキャリヤスリーブ132に支持される。ランプキャリヤスリーブの可動太陽106側の端面は、周方向に波状に形成されているので、端面カム構造が実現されている。従って、現在支配する接触圧の現在かかっているトルクへの不順応時に生じるランプキャリヤスリーブ132に対する可動太陽106の相対回転が生じた場合、可動太陽106の軸方向移動が生じ、これにより接触圧の変化が生じ、特にかかっているトルクへのその適合が生じる。遊星108の軸方向可動性に基づいて、同じ程度で遊星ヘッド120と固定太陽104の間の接触圧も変化する。従って、太陽と遊星の間のトラクションを介するトルク伝達は、対称のままである。
【0034】
これと同様に、リングギヤ部材124,126と遊星ボディ116の肩との間の接触圧を制御する外側の軸方向移動装置は作動する。ここで、ランプキャリヤ138は、ハウジング128と不動に結合されている。ランプキャリヤは、半径方向に整向されたシリンダ状のスペーサ140を介してリングギヤ部材126の外側の端面と接触している。ランプキャリヤ138のリングギヤ部材126側の端面は、周方向に波状に形成されているので、ここでも端面カムが実現されている。リングギヤ部材124,126と遊星ボディ116の肩との間の接触圧の不順応時に生じるランプキャリヤ138に対する可動リングギヤ部材126の相対回転が生じた場合、可動リングギヤ部材126の軸方向移動が生じる。これにより、接触圧が変化する。遊星108の軸方向可動性に基づいて、リングギヤ部材124,126と遊星ボディ116の肩との間のトラクションを介するトルク伝達は、対称のままである。
【0035】
当業者は、両軸方向移動装置による接触圧調整が完全に互いに依存しないことを認める。それにもかかわらず、遊星の軸方向移動によってある程度の相互作用がある。この相互作用は、太陽軸102の軸方向可動性によって補償することができる。これに反して、半径方向の力の成分の変化は、半径方向に不動に遊星キャリヤ内に配置された軸受ボルト110によって支持される。この軸受ボルトは、遠心力に依存した半径方向の力成分も支持する。
【0036】
当然、詳細な説明で議論した及び図に示した実施形態は、単なる本発明の図解用の実施例である。当業者には、ここでの開示の立場から、バリエーションの可能性における幅広い多様性が提供されている。特に、当業者は、ランプもしくは端面カムの具体的な形状を個々の場合の特殊な要件に適合させる。ここで、トラクション伝動装置100を作動させる時に期待すべきトルク及び回転数を考慮すべきである。特に、軸受ボルト110に作用する半径方向力を僅かに保つことが、典型的な設計目標の1つとなる。これは、ニードル軸受114の軽量の形成を可能にし、伝動装置100の効率を向上させる。しかしながら第一に、かかっているトルクが著しい過剰接触圧なしに直接的に伝達され得るように、接点K1a,K1bもしくはK2a,K2bにおける接触圧を正確に調整することが、設計目標となる。
【符号の説明】
【0037】
10 駆動系
20 電気機械
21 20の出力軸
30 変速及び差動伝動装置
32 30の入力段
321 32の太陽軸
322 32の遊星キャリヤ
323 32の遊星
324 32のリングギヤ部材
34 負荷段
341 34の太陽軸
342 34の遊星キャリヤ
343 34の遊星
344 34のリングギヤ部材
36 ディファレンシャル段
361a,b 36の太陽軸
362 36の遊星キャリヤ
363 36の2重遊星セット
38 ハウジング
40a,b 軸脚
100 トラクション伝動装置/摩擦ローラ式伝動装置
102 太陽軸
104 固定太陽/第1の太陽
106 可動太陽/第2の太陽
108 遊星
110 軸受ボルト
112 遊星キャリヤ
114 ニードル軸受
116 遊星ボディ
118 遊星ネック
120 遊星ヘッド
122 遊星キャリヤ軸
124 固定リングギヤ部材/第1のリングギヤ部材
126 可動リングギヤ部材/第2のリングギヤ部材
128 ハウジング
130 スナップリング
132 ランプキャリヤスリーブ
136 スペーサ
138 ランプキャリヤ
140 スペーサ
K1a,b 太陽/遊星の接点
K2a,b リングギヤ部材/遊星の接点
P1,P2 2重矢印
r
S 太陽半径
r
HR リングギヤ部材半径
r
P1 第1の遊星半径
r
P2 第2の遊星半径