(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように酸化膜を構成したとしても、耐摩耗性を長期にわたって維持することには困難を伴う。そのため、ひとたび酸化膜に損耗を生じた場合、該損耗部位から腐食(錆の形成)が進行する。そのような錆が形成された場合、摺動部が固着し、機器の動作に不具合を生じる可能性がある。
さらに、酸化膜形成を含む表面処理を金属部材に施した場合、一般的に硬度が増すため、当該部材と摺接する部材を摩耗させる可能性がある。加えて、表面処理を施した部材に損傷が生じた場合、部材全体を交換する必要があるためメンテナンスコストが上昇することも考えられる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、長期にわたって使用できるとともに、メンテナンス性を向上させた蒸気弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用する。
本発明の一の態様に係る蒸気弁は、蒸気流路上に弁座を有する弁本体と、該弁座に接触することで蒸気流路を閉塞するとともに弁座から移動することで蒸気流路を開放する弁棒と、該弁棒をその移動方向に摺動可能に案内するガイド部と、を備え、該ガイド部は、弁棒をその径方向外側から囲うガイド本体と、該ガイド本体の内側に着脱可能に固定されるとともに内面が前記弁棒の外周面に摺接し、耐食性を有する材料形成されたガイドブッシュと、を有する。
【0008】
このような構成によれば、ガイドブッシュは耐食性を有する金属から形成されるとともに、ガイド本体に対して着脱可能に固定されることから、腐食を生じずに長期にわたって使用できる。加えて、ガイドブッシュを交換する必要が生じた際にはガイド本体から取り外すことで、容易に新しいガイドブッシュと交換することができる。
【0009】
さらに、本発明の他の態様に係る蒸気弁では、ガイドブッシュは、弁棒を形成する材料よりも硬度の低い材料で形成されていてもよい。
【0010】
このような構成であれば、ガイドブッシュが弁棒に対して損傷を与えることを抑制することができる。
【0011】
加えて、本発明の他の態様に係る蒸気弁では、ガイドブッシュは、黄銅で形成されていてもよい。
【0012】
このような構成であれば、黄銅が有する耐食性により、ガイドブッシュに生じる腐食を抑制することができる。
【0013】
さらに、本発明の他の態様に係る蒸気弁は、前記移動方向に沿って延在し、一端が前記弁棒に固定されるとともに、他端が前記ガイド本体に当接することで、前記弁棒を前記弁座に接触させる方向に付勢する蒸気弁バネをさらに備え、前記ガイド本体は、前記ガイドブッシュよりも高い剛性率を有する金属から形成される構成であってもよい。
【0014】
このような構成であれば、蒸気弁バネの弾性力を高い剛性率を有するガイド本体が受け止めることができる。ここで、一般に耐食性の高いながらも剛性率の低い黄銅によって、ガイド部を1つの部材として形成した場合、蒸気弁バネの弾性力によってガイド部に変形を生じる可能性がある。しかしながら、ガイド部はガイド本体と、ガイドブッシュの2つの部材から形成されるとともに、ガイドブッシュよりも剛性率の高いガイド本体が蒸気弁バネの弾性力を受け止める。したがって、ガイド部が変形する可能性を低減することができる。
【0015】
さらに、本発明の第二の態様に係る蒸気タービンは、上述の各態様に記載した蒸気弁を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の蒸気弁、及び蒸気タービンによれば、メンテナンス性を向上することができるとともに、長期にわたって供用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の一実施形態に係る蒸気タービンを図面に基づき説明する。
図1は、この実施形態の蒸気タービン10の構成を示す図である。
図1に示すように、この実施形態の蒸気タービン10は、タービン本体11と、作動流体としての蒸気が流通する蒸気流路12と、蒸気弁13と、レバー部材(弁体進退機構)14と、蒸気弁駆動機構15と、を備える。
【0019】
(タービン本体)
タービン本体11は、筒状のケーシング111と、ケーシング111に設けられた軸受112と、軸受112に回転可能に支持されてケーシング111内部に配されたロータ113と、このロータ113の回転速度を検出する速度検出センサ114と、を有している。そして、ロータ113は、回転軸115と、この回転軸115に固定された複数枚のブレード116とを備えている。
このように構成されるブレード116が蒸気により回転し、その回転力により、圧縮機18が駆動される。
【0020】
(蒸気流路)
蒸気流路12は、タービン本体11に対して作動流体としての蒸気を供給する流路である。
蒸気流路12は、その一端側の蒸気導入口121から蒸気が導入される。蒸気流路12の他端側の蒸気供給口122は、タービン本体11に接続されている。また、蒸気導入口121と蒸気供給口122との間には、その流路幅が狭く絞られた弁座123が設けられている。なお、この実施形態では、この発明に係る「蒸気流路」として、タービン本体11に対して供給する蒸気が流通する流路を例に説明するが、蒸気流路12は、これに限られず、例えばタービン本体11から抽気した蒸気が流通する流路であってもよい。
【0021】
(レバー部材)
レバー部材14は、蒸気弁駆動機構15の出力を蒸気弁13に伝達し、弁体132を蒸気流路12に対して進退させる部材である。このレバー部材14は、その長手方向基端部が回動可能に支持されている。レバー部材14の長手方向の先端部にはレバー側ロッド19の一端部が回動可能に取り付けられている。また、レバー部材14の長手方向の中間部には、蒸気弁13を構成する弁棒131の他端部が回動可能に取り付けられている。さらに、レバー部材14は、後述する蒸気弁の弁棒131の取付位置よりも先端側に、引きバネ20の一端が取り付けられている。この引きバネ20は、強制的に蒸気弁13を閉塞させる強制閉塞手段として機能する。引きバネ20の他端は、蒸気流路12のフレーム(図示せず)等に固定され、移動不能とされている。つまり、引きバネ20は、外力が作用しない状態では、レバー部材14を
図1における反時計回りに回動させる引張力を付与している。
【0022】
(蒸気弁駆動機構)
蒸気弁駆動機構15は、蒸気弁13を駆動する機構である。蒸気弁駆動機構15は、アクチュエータ23(シリンダ)を備えている。アクチュエータ23は、固定して設置された一対のブラケット21と、これらブラケット21によって回動可能に支持された保持部材22と、を備えている。この保持部材22には、アクチュエータ23が保持されている。
【0023】
(蒸気弁)
続いて、蒸気弁13の構造について、
図2から
図4を参照して説明する。蒸気弁13は、タービン本体11に供給する蒸気の量を調整する。蒸気弁13は、棒状の弁棒131と、弁棒131の一端部に設けられるとともに概ね円柱状をなす弁体132と、蒸気流路12上に弁座123を有する弁本体133と、弁本体133に接続されるとともに、弁棒131をその径方向外側から囲う筒体134と、筒体134の上端に設けられたガイド部135と、ガイド部135に着脱可能に固定される蓋体136と、を備えている。
なお、以下の説明では、弁本体133から筒体134に向かう方向を上方向とし、上方向と反対の方向を下方向と定義する。
【0024】
弁棒131は、略棒状の部材であって、弁棒131は、その他端部が、レバー部材14の長手方向の中間部に回動可能に取り付けられている。より詳細には、弁棒131は、上部と下部とで径方向の寸法が異なるように形成されている。すなわち、弁棒131の上下方向における中途には径方向の寸法が急激に変化する段差が設けられている。該段差よりも上方の部分は径が比較的に大きく設定されてシリンダ部131Aとされている。一方、段差よりも下方に位置する部分はシリンダ部131Aよりも小さな径に設定されて接続体131Bをなしている。
【0025】
さらに、シリンダ部131Aの上下方向における概ね中央には、径方向の寸法が急激に変化する段差が設けられている。この段差位置には、後述の蒸気弁バネSを支持するとともに、その弾性力を受け止めるバネ支持体131Dが設けられている。バネ支持体131Dは、シリンダ部131Aの外周全体にわたって延在する外形視円環状の部材である。バネ支持体131Dが設けられる段差位置よりも上方における部分は、シリンダ上側体131Cとされている。
【0026】
弁体132は、下端が略半球状に形成されるとともに、全体が概ね円柱状に形成された部材である。
【0027】
弁本体133は、おおむね円筒状をなす部材であって、その内部には弁棒131、及び弁体132が配置される。また、弁本体133の下端部には、上述の弁座123が設けられている。より詳細には、弁本体133の上部は、高さ方向でその外径、及び内径が概ね一定に設定されて大径部133Aとされている。さらに、大径部133Aから、下部に向かうに従って、その径は次第に縮径して縮径部133Bをなす。縮径部133Bの下方は、上下方向で一定の径を有する小径部133Cとされている。小径部133Cの径は、大径部133Aの径よりも小さく設定されるとともに、縮径部133Bの下方における径と略同一に設定されている。さらに、小径部133Cの径方向内側における上端部は、上下方向の所定の寸法にわたってわずかに拡径されてなる切欠き部133Dが設けられている。
【0028】
弁本体133の小径部133Cの径方向内側の面には、上下方向にわたって弁座123が設けられている。弁座123は、肉厚が上下方向にわたって概ね一定に設定された円筒状の部材である。弁座123の上端部には径方向外側に向かって概ね板状に延在するフランジ部123Aが設けられている。フランジ部123Aは、弁本体133の小径部133Cに設けられた切欠き部133Dと嵌合する。また、弁本体133の内側の空間は、蒸気流路12の一部をなしている。さらに、該空間は弁本体133における大径部133Aの側面に設けられた不図示の管路を通じて、残余の蒸気流路12と互いに連通している。
【0029】
筒体134は、弁本体133の上部に接続される円筒状の部材である。筒体134の上下方向における中途位置には、径方向外側に向かって板状に延在する筒体フランジ部134Aが設けられている。筒体フランジ部134Aよりも下方における部分である筒体下部134Bは、前述の弁本体133の内部に挿入されている。筒体フランジ部134Aよりも上方における部分である筒体上部134Cは、上述のシリンダ部131Aの外径と略同一の内径を有する円筒状に形成されて、筒体上部134Cとされている。一方で、筒体フランジ部134Aを含む筒体下部134Bの内径は、上述の接続体131Bの外径と略同一に設定されている。
【0030】
ガイド部135は、上述の筒体134の上端部に設けられた外形視で概ね円環状をなす部材である。ガイド部135は、径方向外側の領域をなすガイド本体135Aと、ガイド本体135Aの内側に脱着可能に固定されたガイドブッシュ135Bと、を有する。ガイドブッシュ135Bの内径は、上述の弁棒131におけるシリンダ上側体131Cの外径と略同一に設定されて、互いに摺動可能となっている。すなわち、ガイドブッシュ135Bの内面と、弁棒131の外周面とは、互いに摺動するように形成されている。
【0031】
ガイド本体135Aは、外形視円筒状の部材であり、その内周面における上下方向所定の領域は、径方向内側に向かって突出して突出部135Cをなしている。さらに、突出部135Cの上側をなす面は、上下方向と直交する平面上に延在して、突出部受け面135Eを形成している。突出部受け面135Eは、外形視円環状をなしている。加えて、突出部受け面135Eの径方向外側の端部は上方向に向かって延びて、受け面側部135Fを形成している。
また、ガイド本体135Aの内周面における上端部は、内周面における下端部よりも大きな内径を有するように形成されている。突出部135Cの内周における寸法は、後述のガイドブッシュ135Bにおけるガイドブッシュ筒体138の外径と略同一になるように設定されている。
ガイド本体135Aは、後述のガイドブッシュ135Bよりも高い剛性率を有する金属材料で形成される。
【0032】
ガイドブッシュ135Bは、耐食性を有する材料から形成される。高い耐食性を有する材料としては、例えば黄銅等の銅合金や、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム合金(例えばA4032等のアルミニウム―シリコン系合金)、ニッケル合金(ニッケルクロム鋼)、チタン合金等が好適である。ここでは、シリンダ部131Aを含む弁棒131は一般的に炭素鋼で形成されることに鑑みて、炭素鋼よりも低い硬度を有する黄銅をガイドブッシュ135Bに用いることが最も好ましい。
なお、ガイドブッシュ135Bは、上述の各材料(銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム合金、ニッケル合金、チタン合金等)と同等の耐食性を有する樹脂材料によって形成されていてもよい。
【0033】
ガイドブッシュ135Bの詳細な形状について、
図4を参照して説明する。
図4は、水平面に載置した状態におけるガイドブッシュ135Bを斜め上方から見た斜視図である。
図4に示すように、ガイドブッシュ135Bは、外径、及び内径がともに上下方向にわたって一定に設定されたガイドブッシュ筒体138と、該ガイドブッシュ筒体138の上端から径方向外側に向かって板状に延在する外形視円環状のガイドブッシュフランジ部137と、から構成される。ガイドブッシュフランジ部137の下側の面は、ガイドブッシュ筒体138の軸線と直交する面上に延在して、フランジ部下面137Aをなしている。フランジ部下面137Aと上下方向に対向する面は、フランジ部下面137Aと平行な面上に延在するように形成されて、フランジ部上面137Bをなしている。さらに、フランジ部下面137Aとフランジ部上面137Bとは、上下方向にかけて外形視円筒状に延在するフランジ部側面137Cとされている。ガイドブッシュ135Bの内周面139は、上下方向にわたって平滑に形成されている。
【0034】
このように構成されたガイド本体135Aとガイドブッシュ135Bとは互いに着脱可能に固定されて、ガイド部135を形成する。より詳細には、ガイド本体135Aにおける突出部135Cは、ガイドブッシュ筒体138の外周面と隙間なく当接する。ガイド本体135Aの突出部受け面135Eは、ガイドブッシュフランジ部137のフランジ部下面137Aと隙間なく当接する。さらに、ガイド本体135Aにおける受け面側部135Fは、ガイドブッシュフランジ部137のフランジ部側面137Cと隙間なく当接する。さらに、ガイド本体135Aとガイドブッシュ135Bの下側におけるそれぞれの端面は、互いに平滑な1つの平面をなすように形成されている。
図3に示すように、ガイド部135の径方向内側における下部には空間が形成される。該空間には後述の蒸気弁バネSの上端部が収容されて、バネ収容部135Dをなしている。バネ収容部135Dの上側の面は、上述のガイド部本体135Aとガイドブッシュ135Bにおけるそれぞれの下側の端面によって形成される。
このとき、蒸気弁バネSの端部は、バネ収容部上面135Gにするように、バネ収容部135Dに固定される。
このように、ガイド部135の径方向内側における下面は、バネ収容部135Dとされるため、蒸気弁バネSの弾性力が作用する。したがって、ここでガイド本体135Aとガイドブッシュ135Bとをともに一体の部材として黄銅で形成した場合、黄銅の有する剛性率の低さから、ガイド部135が蒸気弁バネSの弾性力によって変形してしまう可能性がある。
しかしながら、上述のように本実施形態ではガイド部135は、ガイド本体135Aとガイドブッシュ135Bの2つの部材によって形成されている。加えて、蒸気弁バネSの弾性力を受け止めるガイド本体135Aはガイドブッシュ135Bよりも高い剛性率を有する金属材料で形成されている。
よって、蒸気弁バネSの弾性力によってガイド部135が変形を生じる可能性を低減することができる。
【0035】
また、ガイド部135の上面部には、ガイド部135の上面部を覆うようにして、蓋体136がボルト40によって固定されている。蓋体136は外形視円環状の部材であり、径方向内側の内面の開孔径がシリンダ上側体131Cの外径と略同一となるように形成されている。より詳細には、径方向内側の内面は、蓋体136がガイド部135の上面部に固定された状態において、弁棒131の外周面と一定の距離だけ離間するように形成されている。
【0036】
蒸気弁バネSは、筒体134の径方向内側に、上下方向にわたって設けられる弾性部材である。蒸気弁バネSは上下方向における両端部が互いに離間する方向に向かうように付勢されている。上述のように、蒸気弁バネSの上端部はガイド本体135のバネ収容部135Dによって支持され、蒸気弁バネSの下端部は弁棒131に設けられたバネ支持体131Dによって支持されている。
【0037】
次に、上述のように構成された蒸気弁の動作について説明する。
まず、上述の蒸気弁駆動機構15が駆動することにより、レバー部材14が動作する。レバー部材14は、弁棒131に接続されているため、弁棒131はレバー部材14の動作に伴って、直線運動をする。
【0038】
さらに、蒸気流路12に沿って弁棒131が直線運動することに伴って、その先端部の弁体132が蒸気流路12の弁座123に対して嵌合または離間する。このとき、弁棒131の直線運動、すなわちシリンダ上側体131Cは、ガイド部135に摺動することで、その移動方向が案内される。
【0039】
これにより、弁座123と弁体132との間の開口の大きさが変化する。その結果、この弁座123を介して蒸気流路12、及びタービン本体11に供給される蒸気の流量が変化する。蒸気弁13の弁体132が蒸気流路12の弁座123に嵌合(接触)している状態を閉塞状態と呼ぶ。一方で、弁体132が弁座123から離間している状態を開放状態と呼ぶ。また、閉塞状態と開放状態との間を遷移させる操作を開閉操作と呼ぶ。
【0040】
タービン本体11の運転に際しては、その運転状況や要請される出力に応じて、蒸気弁13の開閉操作を行うことが必要とされる。開閉操作を繰り返す場合、弁棒131の直線運動に伴って、ガイド部135のガイドブッシュ135Bと、弁棒131のシリンダ上側体131Cとが、互いに摺動する。
【0041】
また、ここで、蒸気弁13が開状態にある時は、シリンダ上側体131Cは筒体134から一部が露出して、外気に曝露される。したがって、タービン本体11が、例えば海洋沿岸地域等、大気中の水分量が多く、かつ塩分も含まれるような環境に設置されている場合、シリンダ上側体131Cの外表面では酸化による腐食が進行しやすい。このような腐食が進行すると、錆によってシリンダ上側体131Cとガイドブッシュ135Bとが互いに固着してしまう可能性がある。
【0042】
しかしながら、本実施形態に係る蒸気弁13では、ガイドブッシュ135Bが耐食性の高い金属(黄銅)で形成されているため、ガイドブッシュ135Bは酸化等による錆を生じにくい。したがって、仮にシリンダ上側体131Cが酸化によって錆を生じたとしても、その錆はガイドブッシュ135Bには侵食しない。すなわち、そのような錆によるシリンダ上側体131Cとガイドブッシュ135Bとが互いに固着することを抑止することができる。したがって、長期にわたって使用できるとともに、メンテナンス性を向上させた蒸気弁13、及び蒸気弁13を備えた蒸気タービン10を提供することができる。
【0043】
加えて、本実施形態にあっては、ガイドブッシュ135Bは、シリンダ上側体131C(弁棒131)を形成する材料よりも硬度の低い材料で形成されている。したがって、ガイドブッシュ135Bがシリンダ上側体131C(弁棒131)にキズをつけるなどして損傷を生じることを抑制することができる。したがって、長期にわたって使用できるとともに、メンテナンス性を向上させた蒸気弁13、及び蒸気タービン10を提供することができる。
【0044】
また、本実施形態では、ガイド部135の上面部には、該上面部を覆うようにして、蓋体136がボルト40によって固定されている。これにより、ガイド部135の、外気に対して曝露する面積が減少するため、ガイド部135(ガイドブッシュ135B)に腐食が生じる可能性をさらに低減することができる。したがって、長期にわたって使用できるとともに、メンテナンス性を向上させた蒸気弁13、及び蒸気タービン10を提供することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。