特許第5973141号(P5973141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5973141ブラシレスモータと、これを利用する電動パワーステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973141
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】ブラシレスモータと、これを利用する電動パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/18 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   H02K1/18 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-171165(P2011-171165)
(22)【出願日】2011年8月4日
(65)【公開番号】特開2013-38860(P2013-38860A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109093
【氏名又は名称】ダイヤモンド電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西村 雅之
(72)【発明者】
【氏名】安永 一樹
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−048467(JP,A)
【文献】 特開2007−166705(JP,A)
【文献】 特開昭60−144123(JP,A)
【文献】 特表2009−514492(JP,A)
【文献】 特開平09−009597(JP,A)
【文献】 特開2005−295758(JP,A)
【文献】 実開昭60−093460(JP,U)
【文献】 特開2006−191789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00−1/16
H02K 1/18−1/26
H02K 1/28−1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、コイルが巻装された筒状体を成し且つ当該筒状体の軸方向に略平行な複数のステータ側貫通穴が形成されたステータと、当該ロータの中心軸を貫通するシャフトと、軸方向に開口が形成された略円柱状を成すものであって且つ前記シャフト及び前記ロータ及び前記ステータをこの順にて同軸的に配置させた組合体を内部へ収容させたケースと、前記ケースに設けられた複数のケース側貫通穴の各々と前記複数のステータ側貫通穴の各々との双方に挿通され且つネジ端部が前記ケースの外方へ突出するステータ貫通ネジと、前記ネジ端部の各々に係合される複数のタップが設けられ且つ当該複数のタップが一体的構造に形成されたタップ形成部材と、を備えることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
前記タップ形成部材は、前記ケースに設けられた固定溝へ嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のブラシレスモータを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスモータのステータの固定構造と、これを利用する電動パワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コイルが巻装されたステータと、ケース内の中心軸上で回転するロータを有したブラシレスモータにおいて、ステータはケースに圧入されているが、ブラシレスモータの高性能化及び小型化からブラシレスモータが高温状態になり易いため、ステータとケースの熱膨張係数の差からステータとケースの間に隙間が生じ、ケースに対してステータが回転してしまい、ステータの固定を行いにくいという問題が生じた。
【0003】
このような問題を解決するために、従来のブラシレスモータでは、接着材を用いてステータを固定する構成が知られているが、接着材を使用すると、接着材の量によって品質にばらつきが生じるため、回り止め部材を介してブラケットとステータコアとを係合する構成が提案されており、例えば特開2008−141942号公報(以下「特許文献1」)が知られている。
【0004】
上記特許文献1のブラシレスモータにおいて、 コイルを巻装したステータコアをステータハウジングの内周に配置し、前記ステータコアの内側にロータを回転自在に配置したブラシレスモータであって、 前記コイルを巻装した前記ステータコアを前記ステータハウジングの内周に固定し、前記ステータコアに隣接して、前記ステータハウジングと前記ステータコアとを回り止めする回り止め部を備えている。また、前記回り止め部は、前記ステータハウジングに回転不能に嵌合する第1の爪部と、前記ステータコアに回転不能に嵌合する第2の爪部とで構成されたプレートを有するプレートを設けたブラシレスモータが提案されている。
【0005】
また、別の構成として特開2011−067056号公報(以下「特許文献2」)が知られている。
【0006】
上記特許文献2のブラシレスモータの断面図を図8に、回り止め部の斜視図を図9にそれぞれ示す。図8及び図9において、開口部210aを有するステータハウジング210の内周面に、コイル212が巻装されたステータコア214を内嵌固定すると共に、前記ステータハウジング210の前記開口部210aに、これを閉塞するようにブラケット216を設けたブラシレスモータ220において、前記ステータコア214と前記ブラケット216との間に、前記ステータコア214の回り止めを行うための回り止め部材218を設け、前記回り止め部材218は、前記ステータコア214の一部と係合する第一係合部220と、前記ブラケット216の一部に係合する第二係合部222とを有している。
【0007】
また、前記ステータコア214の外周面には、少なくとも前記ブラケット216側の端部に、第一溝が形成されている一方、前記ブラケット216の内周面には、少なくとも前記ステータコア214側の端部に、第二溝が形成されており、前記回り止め部材218の前記第一係合部220は、前記第一溝に挿入可能に形成されている一方、前記回り止め部材218の前記第二係合部222は、前記第二溝に挿入可能に形成されている。
【0008】
また、前記回り止め部材218は、前記ステータコア214に取り付けられているインシュレータ224の軸方向端部に載置可能な環状の本体部226を有し、 前記本体部226の外周縁に、前記第一係合部220が前記ステータコア214側に向かって突設されていると共に、前記本体部226の内周縁に、前記第二係合部222が前記ブラケット216側に向かって突設されており、少なくとも前記第一溝、および前記第一係合部220がそれぞれ3つ以上設けられているブラシレスモータ230が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−141942号公報
【特許文献2】特開2011−067056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来のブラシレスモータでは次のような問題が生じている。即ち、特許文献1において、ステータコアの外周面に溝を形成する一方、ステータハウジングに圧入されるプレートに、ステータコアの溝に勘合する爪を形成し、この爪によってステータコアの回転を防止しようとしているが、ステータハウジングにプレートを圧入しているので、ステータハウジングの線膨張係数とプレートの線膨張係数とが異なると、使用温度条件が高い場合において、ステータハウジングに対してプレートが回転してしまう。
【0011】
また、特許文献2においても、回り止め部材を介してブラケットとステータコアとを係合することができるが、ブラシレスモータが小型化すると回り止め部材も小型になるため、個体差による不具合が生じる。さらに、ブラシレスモータの小型化による製造時の組み立て性の悪化も生じる。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ステータの回転を防止し、高性能化や小型化による影響を受けず、製造時の組み立て性の優れたブラシレスモータを実現し、これを用いた電動パワーステアリング装置を提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明は次のようなブラシレスモータの構成とする。即ち、ロータと、コイルが巻装された筒状体を成し且つ当該筒状体の軸方向に略平行な複数のステータ側貫通穴が形成されたステータと、当該ロータの中心軸を貫通するシャフトと、軸方向に開口が形成された略円柱状を成すものであって且つ前記シャフト及び前記ロータ及び前記ステータをこの順にて同軸的に配置させた組合体を内部へ収容させたケースと、前記ケースに設けられた複数のケース側貫通穴の各々と前記複数のステータ側貫通穴の各々との双方に挿通され且つネジ端部が前記ケースの外方へ突出するステータ貫通ネジと、前記ネジ端部の各々に係合される複数のタップが設けられ且つ当該複数のタップが一体的構造に形成されたタップ形成部材とを備えることとする。
【0014】
好ましくは、前記タップ形成部材は、前記ケースに設けられた固定溝へ嵌合されることとする。特に、これらの発明は、電動パワーステアリング装置に用いられると良い。
【発明の効果】
【0018】
上記の通り、ケースの軸方向の一端にタップを備え、ステータの径方向外周部に少なくとも1つステータの軸方向の両端を結ぶ貫通孔を形成し、ケースの軸方向の他端に備えられるベースを貫通してステータの貫通孔からネジ等を挿入し、ネジ等はケースの軸方向の一端を貫通してタップに固定することで、ステータの回転を防止し、高性能化や小型化による影響を受けず、製造時の組み立て性の優れたブラシレスモータが実現できる。
【0019】
また、タップをケースで嵌合することで、タップが単体で回転してネジから外れるのを防ぐことができる。さらに、市場からブラシレスモータの高性能化及び小型化が求められ、常に振動が生じる自動車に備えられる電動パワーステアリング装置においては、より高い効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施例とするブラシレスモータの断面図である。
図2図1のブラシレスモータの分解斜視図である。
図3】第1の実施例とするステータの斜視図である。
図4】第1の実施例とするタップ及びケースの斜視図である。
図5】本発明の第2の実施例とするブラシレスモータの断面図である。
図6図5のダップ及びケースの斜視図である。
図7】本発明の第3の実施例とする電動パワーステアリング装置の一例を示す模式図である。
図8】特許文献2のブラシレスモータの断面図である。
図9】特許文献2の回り止め部の斜視図の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を示す実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
本発明の第1の実施例とするブラシレスモータの断面図を図1に、図1のブラシレスモータの分解斜視図を図2に、ステータの斜視図を図3に、タップ及びケースの斜視図を図4にそれぞれ示す。
【0023】
図1乃至図4において、ブラシレスモータ80は、アルミの薄板をプレス加工して成形された円筒形状のケース20と、当該ケース20内にステータ10及びロータ50、シャフト40a,40bから構成され、当該シャフト40aの外周に当該ロータ50を配置し、当該ロータ50の外周に当該ステータ10を配置し、当該ステータ10の外周に当該ケース20を配置し、当該シャフト40a及び当該ロータ50、当該ステータ10、当該ケース20は同軸上に配置されている。また、当該ステータ10はリング状に成形された珪素鋼板の薄板を複数枚重ね合わせて筒状に構成され、当該ステータ10は軸方向に突出するように6個のスロット14を備えている。さらに、当該スロット14は珪素鋼板の薄板を複数枚重ね合わせた別部品で構成されており、当該スロット14は外周にコイル12を巻き回され、当該スロット14は当該ステータ10の軸心から径方向に等間隔の角度で配置されている。
【0024】
また、前記ステータ10の対向する前記スロット14はU相又はV相、W相が各2個ずつ割り当てられており、当該U相又は当該V相、当該W相に対応した前記コイル12の巻き始めと巻き終わりが前記ブラシレスモータ80の外部と電気的に接続されている。さらに、前記ステータ10の径方向外周に前記ステータ10の軸方向両端を結ぶ貫通孔16a,16b,16cを3箇所形成し、当該貫通孔16a,16b,16cは前記ステータ10の軸心から径方向に等間隔の角度及び距離に形成されている。
【0025】
また、前記ロータ50及び前記シャフト40a,40bは中心軸を同軸とし、前記ロータ50は円筒状に成形され、中心部に前記シャフト40aを圧入固定している。さらに、前記ロータ50は軸方向外周に複数の永久磁石52を備え、当該永久磁石52は前記ロータ50の軸方向外周に極性が交互になるように配置されている。
【0026】
また、前記ケース20の軸方向の他端20bは開口面を有しており、前記ケース20の軸方向の他端20bにはベース70が備えられ、当該ベース70は外部装置と接続され、前記シャフト40bは当該ベース70を貫通し、回転動力を外部装置に伝達している。さらに、前記ケース20の軸方向の一端20a及び当該ベース70に備えられたベアリング42a,42bにより前記シャフト40aを保持し、前記ロータ50が回転自在となっている。
【0027】
また、前記ケース20の軸方向の前記一端20aにはタップ30が備えられ、当該タップ30は前記ケース20の軸心から径方向に等間隔の角度に係合部32を3個形成し、当該係合部32は前記ケース20の軸方向の前記一端20aに形成された固定部22に嵌合され回転しないように固定されている。さらに、前記ステータ10は前記ベース70側から挿入された3本のネジ60a,60b,60cによって回転しないように固定されている。
【0028】
また、前記ネジ60a,60b,60cはそれぞれが対応した前記ステータ10に形成された前記貫通孔16a,16b,16cに挿入され、前記ベース70及び前記ケース20の軸方向の前記一端20a、前記タップ30の前記係合部32には前記貫通孔16a,16b,16cに位置する箇所にネジ穴62が形成されて前記ネジ60a,60b,60cが挿入されている。さらに、前記ベース70及び前記ケース20の軸方向の前記一端20aの当該ネジ穴62は貫通されており、前記ネジ60a,60b,60cの先端は前記タップ30の当該ネジ穴62で固定されている。
【0029】
なお上記実施例1の変形例として、前記ステータ10に形成される前記貫通孔16a,16b,16c及び前記ネジ60a,60b,60c、前記タップ30に形成される前記係合部32、前記ケース20の軸方向の前記一端20aに形成される前記固定部22の個数は設計事情によって任意の個数に変更してもよい。また、前記タップ30の前記係合部32の形状は設計事情によって任意の形状に変更してもよい。さらに、前記ネジ60a,60b,60cは前記ステータ10の前記貫通部16a,16b,16cの前記ケース20の軸方向の前記他端20b側から挿入され、前記ケース20の軸方向の前記一端20aの前記ネジ穴62を通って前記タップ30の前記係合部32で固定し、前記ベース70は前記ケース20とネジ止め又はカシメ等で接続する構造としてもよい。
【0030】
また、前記ネジ60a,60b,60c及び前記ステータ10の前記貫通孔16a,16b,16cの径方向の長さは設計事情によって任意に変更してもよいし、前記ネジ60a,60b,60cの代わりにボルトを使用してもよい。さらに、前記ステータ10の前記貫通孔16a,16b,16c及び前記タップ30の前記係合部32の形成位置及び形状は設計事情によって任意の形成位置及び形状に形成してもよい。
【0031】
また、前記タップ30と前記ケース20の固定方法は設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記ステータ10に備えられる前記スロット14の個数は前記ブラシレスモータ80に必要な性能によって任意の個数に変更してもよいし、前記ケース20及び前記ステータ10、前記永久磁石52の材質は設計事情によって任意の材質に変更してもよいし、前記ブラシレスモータ80の基本的な構造は設計事情によって任意に変更してもよい。
【実施例2】
【0032】
次に、本発明の第2の実施例とするブラシレスモータの断面図を図5に、図5のダップ及びケースの斜視図を図6にそれぞれ示す。当該第2の実施例においては、前記第1の実施例で説明したステータ10に形成された貫通孔16a,16b,16cにネジ60a,60b,60cを挿入して固定されている構造を除いた他の構成は前記第1の実施例と同一であるため説明は省略する。
【0033】
図5及び図6において、前記ステータ10の径方向外周に前記ステータ10の軸方向両端を結ぶ貫通孔16a,16b,16cを3箇所形成し、当該貫通孔16a,16b,16cは前記ステータ10の軸心から径方向に等間隔の角度及び距離に形成されている。また、前記ケース20の軸方向の前記一端20aにはタップ30が備えられ、当該タップ30は前記ケース20の軸心から径方向に等間隔の角度に係合部32を3個形成し、当該係合部32は前記ケース20の軸方向の前記一端20aに嵌合され回転しないように固定されている。さらに、当該係合部32はそれぞれにピン34a,34b,34cを形成し、前記ステータ10は当該ピン34a,34b,34cによって回転しないように固定されている。
【0034】
また、前記ピン34a,34b,34cはそれぞれが対応した前記ステータ10に形成された前記貫通孔16a,16b,16cに挿入され、前記ケース20の軸方向の前記一端20a及び前記ベース70には前記貫通孔16a,16b,16cに位置する箇所にネジ穴62が形成されて前記ピン34a,34b,34cが挿入されている。さらに、前記ケースの軸方向の前記一端20aの当該ネジ穴62は貫通されており、前記ピン34a,34b,34cの先端は前記ベース70の当該ネジ穴62で固定され、前記ベース70は前記ケース20とネジ止め又はカシメ等で接続されている。
【0035】
なお上記実施例2の変形例として、前記ステータ10に形成される前記貫通孔16a,16b,16c及び前記タップ30に形成される前記係合部32と前記ピン34a,34b,34c、前記ケース20の軸方向の前記一端20aに形成される前記固定部22の個数は設計事情によって任意の個数に変更してもよい。また、前記タップ30の前記係合部32の形状は設計事情によって任意の形状に変更してもよい。さらに、前記ピン34a,34b,34cは前記ケース20の軸方向の前記一端20aを通って前記ステータ10の前記貫通部16a,16b,16cで固定する構造としてもよい。
【0036】
また、前記ピン34a,34b,34cは前記ケース20の軸方向の前記一端20aを通って前記ステータ10の前記貫通部16a,16b,16cで固定され、前記ベース70側からネジ又はボルトを挿入し、前記ステータ10の前記貫通部16a,16b,16cで固定される構造としてもよい。さらに、前記ピン34a,34b,34c及び前記貫通部16a,16b,16cの径方向の長さは設計事情によって任意に変更してもよい。
【0037】
また、前記ステータ10の前記貫通孔16a,16b,16c及び前記タップ30の前記係合部32と前記ピン34a,34b,34cの形成位置及び形状は設計事情によって任意の形成位置及び形状に形成してもよい。さらに、前記タップ30と前記ケース20の固定方法は設計事情によって任意に変更してもよい。
【0038】
また、前記ステータ10に備えられる前記スロット14の個数は前記ブラシレスモータ80に必要な性能によって任意の個数に変更してもよいし、前記ケース20及び前記ステータ10、前記永久磁石52の材質は設計事情によって任意の材質に変更してもよいし、前記ブラシレスモータ80の基本的な構造は設計事情によって任意に変更してもよい。
【実施例3】
【0039】
実施例3では上記実施例1又は2のブラシレスモータを電動パワーステアリング装置に用いた構成を取り上げる。
【0040】
本発明の第3の実施例とする電動パワーステアリング装置の一例を示す模式図を図7に示す。
【0041】
図7において、電動パワーステアリング装置120は、ステアリング100に入力される操舵トルクを検出するトルクセンサ104と、当該トルクセンサ104が検出した操舵トルクに応じて駆動する前記ブラシレスモータ80と、前記ブラシレスモータ80による補助トルクをステアリング軸102に伝達する減速機構を含む動力伝達機構106を備えている。また、当該動力伝達機構106は前記ブラシレスモータ80の前記ベース70と接続され、前記ブラシレスモータ80の前記シャフト40a,40bの回転動力が当該動力伝達機構106に伝達されている。さらに、当該ステアリング軸102はピニオン軸108に接続され、当該ピニオン軸108はピニオンラック機構110に接続され、当該ピニオンラック機構110はタイロッド112に接続されている。
【0042】
上記構成より、運転者が前記ステアリング100を左右どちらかに操舵するとトーションバーのねじれに基づいて、前記トルクセンサ104が前記ステアリング100に入力された操舵トルクを検出する。また、前記トルクセンサ104が検出した操舵トルクに基づいて、前記ブラシレスモータ80が図示しないECUのせいぎょによって駆動する。さらに、前記ブラシレスモータ80からの補助トルクが前記動力伝達機構106を介して前記ステアリング軸102に伝達される。これにより、運転者の操舵トルクが補助される。
【0043】
また、前記ステアリング軸102から前記ピニオン軸108を介して前記ピニオンラック機構110に伝達され、回転運動を左右の操舵運動に変換され前記タイロッド112に伝達される。これにより、車体の左右に配置される操舵輪114が前記タイロッド112に押し出されることによって操舵される。
【0044】
なお上記実施例3の変形例として、前記電動パワーステアリング装置120の構成要件は上記に限らず、ブラシレスモータを用いたパワーステアリング装置であれば設計事情によって任意に変更してもよい。また、前記ブラシレスモータ80を電動pワーステアリング装置に用いた例を取り上げたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、他のぬらしレスモータを使用する装置に用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10:ステータ
12:コイル
14:スロット
16a,16b,16c:貫通孔
20:ケース
20a:一端
20b:他端
22:固定部
30:タップ
32:係合部
34a,34b,34c:ピン
40a,40b:シャフト
42a,42b:ベアリング
50:ロータ
52:永久磁石
60a,60b,60c:ネジ
62:ネジ穴
70:ベース
80:ブラシレスモータ
100:ステアリング
102:ステアリング軸
104:トルクセンサ
106:動力伝達機構
108:ピニオン軸
110:ピニオンラック機構
112:タイロッド
114:操向輪
120:電動パワーステアリング装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9