(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記タイヤのトレッドパターンが、トレッド部において周方向溝により画された陸部のうち、幅方向一方側の少なくとも最外側の第1列と次の第2列の陸部を含む領域が夏季性能に効果のある構成の夏向きパターン、他方側の少なくとも最外側の第1列と次の第2列の陸部を含む領域が冬季性能に効果のある構成の冬向きパターンである請求項1に記載の車両のタイヤ装着構造。
前記タイヤのトレッド部における夏向きパターンの陸部及び冬向きパターンの陸部にはそれぞれサイプが形成されており、夏向きパターンのサイプが直状、冬向きパターンのサイプが波状をなしている請求項2に記載の車両のタイヤ装着構造。
前記タイヤのトレッド部における夏向きパターンの陸部及び冬向きパターンの陸部にはそれぞれサイプが形成されており、夏向きパターンのサイプ密度が冬向きパターンのサイプ密度より小さく設定されてなる請求項2又は3に記載の車両のタイヤ装着構造。
前記タイヤのトレッド部における夏向きパターンのボイド比が、冬向きパターンのボイド比と同じかもしくは該ボイド比より大きく、夏向きパターンのシースルーボイド比が、冬向きパターンのシースルーボイド比より大きい請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両のタイヤ装着構造。
前記タイヤのトレッド部における夏向きパターンが、周方向溝により画され陸部が周方向に連続するリブ構造を基調とするパターン、冬向きパターンが、周方向溝により画され陸部が横溝により分断されて周方向に断続状をなすブロック構造を基調とするパターンである請求項2〜5のいずれか1項に記載の車両のタイヤ装着構造。
前記タイヤのトレッド部に4本以上の周方向溝を有し、夏向きパターンが幅方向一方側の最外側の陸部から第3列の陸部までを含めた領域に設定されてなる請求項2〜6のいずれか1項に記載の車両のタイヤ装着構造。
前記タイヤのトレッド部に4本以上の周方向溝を有し、冬向きパターンが幅方向他方側の最外側の陸部から第3列の陸部までを含めた領域に設定されてなる請求項2〜6のいずれか1項に記載の車両のタイヤ装着構造。
夏季性能に効果のある領域の側と、冬季性能に効果のある領域の側の少なくとも一方のタイヤ側面に、いずれの側であるかを示す標示を付し、この標示に基づいて、駆動輪側では夏季性能に効果のある領域の側を車両外側に、従動輪側では冬季性能に効果のある領域の側を車両外側に向けて装着してなる請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤの装着構造。
【背景技術】
【0002】
従来より、乗用車等の車両(自動車)のタイヤは、駆動輪側や従動輪側の別に関係なく同形のタイヤを使用するのが一般的であるが、冬季の積雪路面や凍結路面を走行するのに適した性能、すなわち冬季性能に優れる冬用タイヤと、積雪や凍結のない道路や高速道路等の主に夏季の通常の路面を走行するのに適した性能、すなわち夏季性能に優れる夏用タイヤとがあり、夏季等の通常時は夏用タイヤを装着しておき、積雪路面や凍結路面を走行する虞のある冬季には、冬用タイヤに取り換えて使用することが一般に行われていた。
【0003】
しかし、夏用タイヤと冬用タイヤとを取り換えて使用するのは、使用者は冬用と夏用の2種類のタイヤを購入して一方のタイヤを保管しておく必要があり、保管スペースを要する上に、前記のように面倒な取り換え作業も必要になる。また、冬季であっても殆ど雪が降らない地域では、通年夏用タイヤを装着しているのが普通であるため、時偶に雪が降った場合の走行が難しく、車以外の交通手段に切り替えたり、冬用タイヤをやむなく購入することがある。
【0004】
上記の問題を解決するために、例えばトレッド部の構成や車両に対する装着形態等を工夫することで、夏季性能と冬季性能とを共に発揮できるようにして、同形のタイヤを夏季、冬季を通して使用できるタイヤ、通年走れるタイヤが望まれている。
【0005】
車両に装着したタイヤは、その周面のトレッド部の領域のうち車両外側に位置する領域のほうが、タイヤの性能に寄与する程度が大きくなることから、トレッド部の構成を幅方向の一方側と他方側で異にしたタイヤを用い、前輪及び後輪に対する装着位置によってタイヤの方向を変えて取り付けることで、タイヤが発揮する性能を異ならせることが提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、トラックやバスにおいて、前輪と後輪の機能を充分に発揮させる目的で、タイヤ周面の一方側に他方側より剛性が大きくて耐偏摩耗性に優れた部分、他方側に駆動性能や制動性能に優れた部分を配したタイヤ、例えばパターンを異にする非対称パターンのタイヤを使用し、前輪においては、剛性が大きい側を車両の外側にして配し、後輪においては、二つのタイヤを複輪として、両タイヤの隣合う側に前記耐偏摩耗性に優れる剛性が大きい部分を位置させて、車両外側に駆動性能と制動性能に優れた部分が位置するように装着することが提案されている。
【0007】
しかしながら、この提案の場合、車両旋回時に車両外側に大きい負荷のかかる前輪の耐偏摩耗性と、後輪の駆動性能や制動性能との機能性を考慮しているものであって、夏季性能と冬季性能とを両立させるものではなく、そのため、夏用タイヤと冬用タイヤの取り換えを省略することを目的とするものではない。
【0008】
また、特許文献2には、タイヤのトレッドが、新品時には非対称パターンであり、摩耗時にはタイヤ赤道を中心とする点対称パターンとなるタイヤを使用し、点対称パターンとなったときに、タイヤの装着の向きを変えずにローテーションを行うことで、タイヤの偏摩耗を是正することが示されている。
【0009】
しかしながら、この特許文献2のものは、従来同様に、前後輪の双方、及び駆動輪と従動輪の全てのタイヤに、トレッド部の同じパターンの側を、車両外側に向けて装着して使用するもので、夏季性能と冬季性能の両立を図るためのものではなく、冬季においては、夏用タイヤから冬用タイヤに取り替える必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、車両のトラクション性が発揮される駆動輪と、トラクション性が発揮されない従動輪に同形の1種類のタイヤを装着する構造において、タイヤの装着の向きを変えることで、夏季性能と冬季性能を両立でき、タイヤの取り換えを要することなくオールシーズン通して使用できる車両のタイヤ装着構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、車両の前後一方の駆動輪と他方の従動輪とに同形のタイヤが装着された車両のタイヤ装着構造であって、トレッド部に、3本以上の周方向溝と、該周方向溝により画された陸部を有するタイヤで、トレッド部の幅方向一方側の領域が夏季性能に効果のある構成、他方側の領域が冬季性能に効果のある構成をなしているタイヤを用い、駆動輪側のタイヤは、前記夏季性能に効果のある構成の側を車両外側にして装着し、従動輪側のタイヤは、前記冬季性能に効果のある構成の側を車両外側にして装着してなることを特徴とする。
さらに、本発明では、前記の車両のタイヤ装着構造において、前記タイヤのトレッド部における幅方向一方側の夏季性能に効果のある領域と、幅方向他方側の冬季性能に効果のある領域とが、物性を異にする2種のゴム材料により形成され、トレッド部における幅方向一方側の夏季性能に効果のある領域のゴム材料と、幅方向他方側の冬季性能に効果のある領域のゴム材料との界面が、一つの周方向溝の付近にあって、かつ、トレッド表面に垂直な面に対し横方向に傾斜しており、前記一つの周方向溝から横方向に延びる横溝部分の底面が、前記両ゴム材料の界面に沿って傾斜しているものとする。
【0013】
本発明のタイヤ装着構造によれば、駆動輪側は充分トラクション性を発揮できるため、夏季性能に効果のある構成の側を車両外側にして装着することで、当該タイヤの偏摩耗を防止できるとともに、通常のDRY路面やWET路面での操縦安定性も確保できる。また、従動輪側は駆動輪側に対してトラクション性が得られ難いため、冬季性能に効果のある構成の側を車両外側にして装着することで、積雪路面や凍結路面等を走行するための駆動性や制動性等の冬季性能を確保できる。そのため、夏季性能と冬季性能を両立でき、夏季、冬季の別なくオールシーズン通して使用できる。
さらに、トレッド部における幅方向一方側の夏季性能に効果のある領域と、幅方向他方側の冬季性能に効果のある領域とが、物性を異にする2種のゴム材料により形成され、夏季性能に効果のある領域のゴム材料と、冬季性能に効果のある領域のゴム材料との界面が、一つの周方向溝の付近にあって、かつ、トレッド表面に垂直な面に対し横方向に傾斜しており、前記一つの周方向溝から横方向に延びる横溝部分の底面が、両ゴム材料の界面に沿って傾斜しているため、異種物性のゴム材料の界面の波打ちが抑制される。
【0014】
前記の車両のタイヤ装着構造において、前記タイヤのトレッドパターンが、トレッド部において周方向溝により画された陸部のうち、幅方向一方側の少なくとも最外側の第1列と次の第2列の陸部を含む領域が夏季性能に効果のある構成の夏向きパターン、他方側の少なくとも最外側の第1列と次の第2列の陸部を含む領域が冬季性能に効果のある構成の冬向きパターンであるものとする。
【0015】
前記の車両のタイヤ装着構造において、前記タイヤのトレッド部における夏向きパターンの陸部及び冬向きパターンの陸部にそれぞれサイプが形成されており、夏向きパターンのサイプが直状、冬向きパターンのサイプが波状をなしているものとする。また、夏向きパターンのサイプ密度が冬向きパターンのサイプ密度より小さく設定されてなる物とすることもできる。
【0016】
前記の車両のタイヤ装着構造において、前記タイヤのトレッド部における夏向きパターンのボイド比が、冬向きパターンのボイド比と同じかもしくは該ボイド比より大きく、夏向きパターンのシースルーボイド比が、冬向きパターンのシースルーボイド比より大きいものであるのが、WET路面走行時のハイドロプレーニング性能や操縦安定性の点から好ましい。
【0017】
前記の車両のタイヤ装着構造において、前記タイヤの夏向きパターンが、周方向溝により画された少なくとも1列の陸部が周方向に連続するリブ構造を基調とするパターン、冬向きパターンが、周方向溝により画された陸部が横溝により分断されて周方向に断続状をなすブロック構造を基調とするパターンであるものとする。
【0018】
前記の車両のタイヤ装着構造において、前記タイヤのトレッド部に4本以上の周方向溝を有し、夏向きパターンが幅方向一方側の最外側の陸部から第3列の陸部までを含めた領域に設定されてなるものとすることができる。または、冬向きパターンが幅方向他方側の最外側の陸部から第3列の陸部までを含めた領域に設定することができる。
【0020】
前記の車両のタイヤ装着構造において
、前記一方側の領域のゴム硬度及び35℃における tanδ(損失正接)が、前記他方側の領域のゴム硬度及び tanδより高くされることにより、前記一方側の領域が夏季性能に効果のある構成とされ、前記他方側の領域が冬季性能に効果のある構成とされているものとすることができる。
【0021】
ここで、本発明で規定する35℃における tanδは、(株)ユービーエム社製の粘弾性スペクトロメータを用いて、加硫温度183℃、加硫時間10分で得た幅5mm×厚み1mm×長さ20mmの試料につき、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み1%の条件にて、温度35℃で測定した値とする。
【0022】
また、本発明で規定する前記粘弾性Tαは、前記 tanδと同様の測定条件の下で、 tanδがピークとなる温度(℃)をTαとする。また、前記脆化温度は、JIS K 6261に準拠して測定した温度である。
【0024】
前記の車両のタイヤ装着構造において、夏季性能に効果のある領域の側と、冬季性能に効果のある領域の側の少なくとも一方のタイヤ側面に、いずれの側であるかを示す標示を付し、この標示に基づいて、駆動輪側では夏季性能に効果のある領域の側を車両外側に、従動輪側では冬季性能に効果のある領域の側を車両外側に向けて装着してなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
上記したように、本発明の車両のタイヤ装着構造によれば、駆動輪側ではタイヤトレッド部における夏季性能に効果のある構成の側を車両外側にして装着していることで、通常の路面や高速道路の走行及びWET路面の走行に適した性能を発揮できる。また、従動輪側では、冬季性能に効果のある構成の側を車両外側にして装着していることで、積雪路面の走行等の冬季のタイヤに求められる性能を確保できる。
【0026】
従って、車両の駆動輪及び従動輪にタイヤを装着した状態において、夏季性能と冬季性能を両立でき、夏季及び冬季の別なくオールシーズン通して使用でき、夏季と冬季の季節や路面状態の変化に伴うタイヤ交換を不要にできる。またそのため、夏用タイヤと冬用タイヤの2種のタイヤを保持する必要がなくなり、予備のタイヤを保管するスペースも不要になる。
さらに、上記のように、トレッド部における幅方向一方側の夏季性能に効果のある領域と、幅方向他方側の冬季性能に効果のある領域との、異種物性のゴム材料の界面の波打ちが抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0029】
本発明によるタイヤ装着構造において使用するタイヤ10は、基本的に従来のタイヤと同様に構成され、例えば、
図3の断面図に例示するように、主としてインナーライナー1、トレッドゴム2、サイドウォール3等の各部が、カーカス層4やベルト層5等のコードを含むタイヤ用補強部材と組み合されて構成されている。図中の6はビードコア7を含むビード部である。
【0030】
そして、
図2、
図4〜
図7の各図に示すように、タイヤ周面のトレッドゴム2からなるトレッド部11には、タイヤ周方向に延びる3本以上の周方向溝12と、該周方向溝12により画された4列以上の陸部13を有し、前記陸部13が、タイヤ周方向に連続するリブ構造、あるいは前記周方向溝12に対して例えば斜めに交差する横溝14によりブロック状に分断されて周方向に断続するブロック構造、あるいはこれらを組み合わせた構造のトレッドパターンが形成されている。通常、各陸部13には溝幅が1.5mm以下の細溝からなるサイプ16,17が形成されている。
【0031】
特に、本発明で使用するタイヤ10においては、前記トレッド部11の幅方向一方側の接地面内の所定領域が夏季性能に効果のある構成、すなわちDRY路面やWET路面の操縦安定性、耐偏摩耗性その他の夏季性能を重視した構成をなし、また幅方向他方側の接地面内の所定領域が冬季性能に効果のある構成、すなわち積雪路面走行時の駆動性や制動性その他の冬季性能を重視した構成をなすように設定されている。図中の符号Wが接地面相当幅を示し、11aが夏季性能に効果のある領域、11bが冬季性能に効果のある領域を示している。
【0032】
前記幅方向一方側の夏季性能に効果のある領域11a、及び、他方側の冬季性能に効果のある領域11bとして、両領域11a,11bの性能に差をつけるために、例えば、トレッドパターンを前記領域11a,11bで異にした構成にするか、あるいはトレッド部11のトレッドゴム2として前記両領域11a,11bで物性を異にした2種のゴム材料を用いて構成することができる。さらに、前記の異なるパターン構成と物性の異なる2種のゴム材料の使用とを併用することができる。
【0033】
前記トレッドパターンを前記領域11a,11bで異なるパターン構成にする場合、トレッド部11の幅方向一方側の少なくとも最外側の第1列と次の第2列の陸部13を含む領域11aを、夏季性能に効果のある構成の夏向きパターンとし、また幅方向他方側の少なくとも最外側の第1列と次の第2列の陸部13を含む領域11bを、冬季性能に効果のある構成の冬向きパターンとして設定することとし、前記両領域11a,11bで例えばサイプの形状や密度の一方又は双方を異にする。
すなわち、後述する
図2、
図4、
図5、
図7の実施例のように、夏向きパターンの側の前記一方側の領域11aの陸部13には直状のサイプ16を形成し、冬向きパターンの側の前記他方側の領域11bには波状のサイプ17を形成するとともに、冬向きパターンのサイプ密度を夏向きパターンのサイプ密度より高くすることにより、両領域11a,11bで異なったパターンとする。サイプ形状が直状の場合は、波状に比してWET路面走行時の排水効果等から夏向きパターンに適し、サイプ形状が波状の場合は、積雪路面でのグリップ性等が直状に比して高く、冬向きパターンに適している。サイプ密度は、後述するように、高いほうが冬向きパターン、低いほうが夏向きパターンに適している。
【0034】
前記直状のサイプ16、波状のサイプ17は、長さ方向の所要の個所で屈折した形状の場合も、長さ方向にカーブしている場合もあり、いずれの場合も、長さ方向に波形をなして延びている溝部分を有するサイプを波状とし、波形をなしている部分を有さないサイプを直状とする。
【0035】
また、前記のようにサイプ16、17の形状や密度等を異にするのとは別に、例えば、後述する
図2、
図4、
図5、
図6の実施例のように、トレッド部11の幅方向一方側の領域11aを、該領域11a内の少なくとも1列の陸部13が周方向に連続するパターン、つまりリブ構造を基調とするパターンとし、幅方向他方側の領域11bを、該領域11b内の陸部13が周方向溝12に対して例えば斜めに交差する横溝14によりブロック状に分断されて周方向に断続するパターン、つまりブロック構造を基調とするパターンとすることもできる。
【0036】
特に、前記両領域11a,11bで異なったパターン構成としては、前記サイプ16、17の形状や密度等の差異のみ、あるいはリブ構造とブロック構造の陸部形状の差異のみでもよいが、実施上は、
図2、
図4、
図5の実施例のように、サイプ形状や密度等の差異とリブ構造やブロック構造とを併用して、夏向きパターン、冬向きパターンを設定しておくのが望ましい。
【0037】
図2の実施例の場合、タイヤ10のトレッド部11に、3本の周方向溝12と、該周方向溝12により画された4列の陸部13(13a,13b)を有し、該トレッド部11の幅方向一方側の最外側の陸部13aと次の第2列の陸部13aを含む領域11aが、該領域11a内の両陸部13aに直状のサイプ16が形成されることにより、夏季性能に効果のある夏向きパターンとして設定され、また、前記トレッド部11の幅方向他方側の最外側の陸部13bと次の第2列の陸部13bを含む領域11bが、該領域11b内の両陸部13bに波状のサイプ17が形成され、かつ前記直状のサイプ16よりサイプ密度が高くされることにより、冬季性能に効果のある冬向きパターンとして設定されている。さらに、前記一方側の領域11aは、前記第2列の陸部13aが周方向に連続するリブ構造を基調とするパターンをなし、最外側の陸部13aが横溝14aにより分断されて断続したパターンをなしている。他方側の領域11bは、両陸部13bが横溝14によりブロック状に分断されて周方向に断続したブロック構造を基調とするパターンをなしている。
【0038】
前記トレッド部11の周方向溝12は、必ずしもタイヤ周方向に直線状に延びる比較的溝幅の大きい溝には限らず、タイヤ周方向にジグザグ状をなして延びる溝、あるいは他の周方向溝に比してやや細幅の直線状又はジグザグ状をなしている溝であってもよい。
【0039】
図4の実施例の場合、トレッド部11には、ジグザグ状をなして周方向に延びるやや細幅の溝12cを含めて4本の周方向溝12,12cと、該周方向溝12,12cにより画された5列の陸部13(13a,13b,13c)を有している。そして、トレッド部11の幅方向一方側の最外側の陸部13aから第3列の陸部13cまでを含めた領域11aが、該領域11a内の陸部13a,13cに直状のサイプ16が形成されることにより、夏季性能に効果のある夏向きパターンとして設定され、残余の幅方向他方側の最外側の陸部13bと次の第2列の陸部13bを含む領域11bが、該領域11b内の陸部13bに波状のサイプ17が形成され、かつ前記直状のサイプ16よりサイプ密度が高くされることにより、冬季性能に効果のある冬向きパターンとして設定されている。さらに、前記一方側の領域11aは、前記第2列の陸部13aが周方向に連続するリブ構造を基調とするパターンをなし、最外側の陸部13aと第3列の陸部13cが横溝14a,14cにより分断されて断続したパターンをなしている。他方側の領域11bは、両陸部13bが横溝14によりブロック状に分断されて周方向に断続したブロック構造を基調とするパターンをなしている。
【0040】
図5の実施例の場合、トレッド部11には、前記同様のやや細幅の溝12cを含む4本の周方向溝12,12cと、該周方向溝12,12cにより画された5列の陸部13(13a,13c,13b)を有している。そして、トレッド部11の幅方向一方側の最外側の陸部13aと第2列の陸部13aの領域11aが、該領域11a内の陸部13aに直状のサイプ16が形成されることにより、夏季性能に効果のある夏向きパターンとして設定され、残余の幅方向他方側の最外側の陸部13bから第3列の陸部13cまでを含めた領域11bが、該領域11b内の陸部13b,13cに波状のサイプ17が形成され、かつ前記直状のサイプ16よりサイプ密度が高くされることにより、冬季性能に効果のある冬向きパターンとして設定されている。さらに、前記一方側の領域11aは、前記第2列の陸部13aが周方向にリブ状に連続してリブ構造を基調とするパターンをなし、最外側の陸部13aが第2の横溝14aにより分断されて断続したパターンをなしている。他方側の領域11bは、各陸部13b,13cが横溝14,14cによりブロック状に分断されて周方向に断続したブロック構造を基調とするパターンをなしている。
【0041】
上記した実施例は、トレッド部11の幅方向一方側の領域11aの夏向きパターン、及び、幅方向他方側の領域11bの冬向きパターンとして、サイプ形状及び密度の差異と陸部形状の差異を併用した場合を示しているが、このほか、サイプ形状や密度等の差異のみ、あるいは陸部形状の差異のみで、夏向きパターンと冬向きパターンを設定することができる。
【0042】
例えば、
図6の実施例では、前記
図2の実施例と同様に、3本の周方向溝12と4列の陸部13(13a,13b)を有するものにおいて、トレッド部11の幅方向一方側の領域11aは、第2列の陸部13aをタイヤ周方向にリブ状に連続することで夏季性能に効果のあるリブ構造を基調とする夏向きパターンをなし、また、前記他方側の領域11b内の両陸部13bは、横溝14によりブロック状に分断されて周方向に断続して冬季性能に効果のあるブロック構造を基調とする冬向きパターンをなしている。そして、前記両領域11a,11bの各陸部13(13a,13b)には共に直状のサイプ16が形成されているが、冬向きパターンの前記他方側の領域11bのサイプ密度が、夏向きパターンの前記一方側の領域11aのサイプ密度より高くされている。
【0043】
図7の実施例の場合は、
図2の実施例と同様に、3本の周方向溝12、4列の陸部13(13a,13b)を有するものにおいて、トレッド部11の幅方向一方側の領域11a、及び、幅方向他方側の領域11bを、いずれも陸部13a及び13bが左右で点対称をなすブロック構造のパターンとし、陸部13a及び13bに形成したサイプ16,17の形状を、一方側の領域11aでは直状にすることにより夏季性能に効果のある夏向きパターン、他方側の領域11bでは波状にして、かつ、そのサイプ密度を前記一方側の領域11aよりも高くすることにより冬向きパターンとして設定した場合を示している。このように、リブ構造やブロック構造による左右対称のパターンや点対称パターンであっても、前記直状のサイプ16と波状のサイプ17との形状の違いや密度を異にすることにより、夏季、冬季の性能を異ならせることができる。
【0044】
実施上は、前記のように周方向溝12により画された陸部13の形状をリブ構造を基調とするパターン、ブロック構造を基調とするパターンにして、各陸部に形成されたサイプ16、17の形状についても直状と波状し、さらにサイプ密度を異にしておくのが、夏季性能と冬季性能を確実に発現でき、より好ましい。
【0045】
なお、夏向きパターンとしては、夏季性能に効果のあるパターンであれば、どのようなパターン形状をなすものでもよい。
【0046】
すなわち、夏向きパターンがリブ構造を基調とするパターンである場合、該夏向きパターンの領域内の全ての陸部13が、タイヤ周方向に完全に連続するリブ構造をなしている必要はなく、少なくともと1列の陸部13がタイヤ周方向に連続したリブ構造をなしているものであれば、他の陸部については横溝等により実質的に断続しているものであっても構わない。例えば、上記した
図2、
図4〜
図6の各実施例の場合、幅方向一方側の領域11a内の最外側から第2列の陸部13aが周方向に連続するリブ構造とされ、最外側の陸部13aは横溝14aにより分断されて断続したパターンをなしている。前記横溝14aの一部の溝部分14a−1をサイプと同幅の溝にしたり浅い溝にして、陸部13aを実質的にタイヤ周方向に連続したものとする場合もある。また、
図4の第3列の陸部13cは陸部の幅方向中央で屈折して連続した横溝14cにより分断されて周方向に断続したブロック状をなしている。
【0047】
なお、本発明では、
図2,
図4,
図5及び
図6のパターン内の領域11aの最外側から第2列の陸部13aのように、細溝のサイプ16のみで分断されている陸部は実質的に周方向に連続するリブ構造とする。
【0048】
また、前記の冬向きパターンとしては、冬季性能に効果のあるパターンであれば、どのようなパターン形状をなすものでもよいが、実施上は、夏向きパターンがリブ構造を基調とするパターンの場合、冬向きパターンの領域11b内の全ての陸部13が、タイヤ周方向に断続するブロック構造をなすものとするのが好ましい。冬向きパターンとして、各陸部に波状のサイプ17を形成し、サイプ密度を高くして冬季性能に効果のあるパターン構成とする場合は、必ずしも全ての陸部がブロック構造であるものには限らず、一部の陸部をリブ構造とすることもできるが、実施上は、図のように全ての陸部をブロック構造とするのが好ましい。
【0049】
なお、前記夏向きパターンの直状のサイプ16及び冬向きパターンの波状のサイプ17については、上記したように、冬向きパターンのサイプ密度を夏向きパターンのサイプ密度より高く、言い換えれば、夏向きパターンのサイプ密度を、冬向きパターンのサイプ密度より小さく設定するのが好ましく、冬向きパターンのサイプ密度100に対して、夏向きパターンのサイプ密度40〜80(指数)に設定する。例えば、夏向きパターンのサイプ密度0.080〜0.010(mm/mm
2)に対し、冬向きパターンのサイプ密度0.050〜0.130(mm/mm
2)に設定するのが好ましい。すなわち、冬向きパターンのサイプ16については、積雪路面を走行する際のグリップ性等の冬季性能を確保する上でサイプ密度を高くするほうがよく、また夏向きパターンの場合は、剛性保持、偏摩耗防止等の通常の路面を走行する際の性能を保持する上で、サイプ密度を低くするほうがよいことから、前記のようにサイプ密度を設定するのが好ましい。
【0050】
また、前記トレッド部11の周方向溝12の構成に関して、当該パターン領域内の接地面積に対する周方向溝の割合を示すボイド比、及び、前記周方向溝をタイヤ周方向に見た場合に陸部が存在していない割合を示すシースルーボイド比については、実施上、夏向きパターンのボイド比は、冬向きパターンのボイド比と同じかもしくは該ボイド比より大きく、夏向きパターンのシースルーボイド比は、冬向きパターンのシースルーボイド比より大きいものとするのが好ましい。このため、夏向きパターンのボイド比は、冬向きパターンのボイド比100に対し100〜120(指数)とし、また夏向きパターンのシースルーボイド比は、冬向きパターンのシースルーボイド比100に対して130〜250(指数)とする。例えば、冬向きパターンの前記ボイド比が25.0〜38.0%、シースルーボイド比が8.5〜16.0%の場合、夏向きパターンの前記ボイド比は25.0〜43.0%、シースルーボイド比は18.4〜34.5%とする。これにより、積雪のない通常路面や高速道路等のWET路面走行時の排水性を確保することができる。
【0051】
前記のボイド比及びシースルーボイド比は、例えば図のように、リブ構造を基調とするパターンか、ブロック構造を基調とすパターンかによって容易に設定することができる。
【0052】
上記の夏向きパターン及び冬向きパターンを設定するトレッド部12のゴム材料としては、従来と同様のゴム材料を使用することができる。例えば、ゴム材料としては、加硫成形されたタイヤとしての常温時のゴム硬度(JIS K 6253 に準拠して、加熱温度183℃、加硫時間10分で加硫した試料につき、23℃で、タイプAデュロメータを用いて測定したゴム硬度)が60〜80度、好ましくは65〜75度、脆化温度(JIS K 6261)が−50℃以下、下記 tanδの同様の測定条件で測定されるtanδがピークとなる温度で示す粘弾性Tαが、−50℃〜−30℃の物性を有するゴム材料が好適に用いられる。
【0053】
前記のように夏向きパターンと冬向きパターンの領域11a,11bを設定し、パターンの違いで両領域11a,11bの性能を異ならせる場合において、
図3のように両領域11a,11bに、前記の1種のゴム材料を用いることもできるし、
図8のように、両領域11a,11bに物性を異にする2種のゴム材料を用いることもできる。
【0054】
すなわち、上記したように、トレッド部11の幅方向の一方側の領域11aに夏向きパターン、他方側の領域11bに冬向きパターンを設定する場合に、
図8のように夏季性能に効果のある領域11a、および冬季性能に効果のあるの領域11bに物性が異なるゴム材料を用いて、両領域11a、11bの物性、特にはゴム硬度(JIS K 6253 A )、及び35℃時のtanδ(損失正接)を異ならせて、夏季性能に効果のある領域11aの側のゴム硬度及びtanδを、それぞれ冬季性能に効果のある領域11bの側よりも高くするのが好ましい。例えば、冬季性能に効果のある領域11bのゴム硬度を46〜68度、(株)ユービーエム社製の粘弾性スペクトロメータを用いて、加硫温度183℃、加硫時間10分で得た幅5mm×厚み1mm×長さ20mmの試料につき、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み1%の条件にて、温度35℃で測定したtanδを0.240〜0.265とし、夏季性能に効果のある側の領域11aのゴム硬度を60〜75度、tanδを0.266〜0.285とする。
【0055】
このように両領域11a,11bのゴム材料として物性の異なる材料を用いることにより、夏向きパターンの領域11aでは該夏向きパターンと相俟って夏季性能がさらに高められ、また、冬向きパターンの領域11bでは、該冬向きパターンと相俟って冬季性能がさらに高められる。
【0056】
前記のゴム硬度及びtanδ等の物性を異にするゴム材料を用いる場合、トレッドパターンについては、必ずしも図示する実施例のように、幅方向の一方側の領域と他方側の領域を夏向きパターンと冬向きパターンとに区分して形成していない、例えば左右対称のパターンや非対称パターンにおいて、幅方向一方側の領域と他方側の領域に物性のことなるゴム材料を用いて、前記のようにゴム硬度、tanδを異にすることで、夏季性能及び冬季性能の効果をそれぞれ発現できるようにすることも可能である。実施上は、上記したように、夏向きパターンと冬向きパターンを設定して、さらにゴム材料を前記のように異にして実施するのが好ましい。
【0057】
なお、前記のように、夏季性能に効果のある例えば夏向きパターンの領域11aと、冬季性能に効果のある例えば冬向きパターンの領域11bに、物性の異なる2種のゴム材料を使用する場合、両ゴム材料の界面が一つの周方向溝12(12c)の付近にあって、トレッド部11の表面に垂直な面に対し横方向に傾斜している。この場合、
図9のように、前記一つの周方向溝12c(又は12)から横方向に延びて終端する横溝部分14c(又は14b)の底面を、前記両ゴム材料の界面に沿って傾斜しているものとするのが、異種物性のゴム材料の界面の波打ちを抑制し、タイヤの均一性を確保する上で好ましい。
【0058】
本発明の車両のタイヤ装着構造においては、上記したようにトレッド部の幅方向一方側の領域11aが夏季性能に効果のある構成、例えば図のようにサイプを直状にした夏向きパターン及び/又はリブ構造を基調とする夏向きパターンをなし、幅方向他方側の領域11bが、冬季性能に効果のある構成、例えば図のようにサイプを波状にした冬向きパターン及び/又はブロック構造を基調とする冬向きパターンをなす、同形の1種類のタイヤ10を、車両のタイヤ装着位置の全てに配して使用する。
【0059】
図1は、前輪駆動のFF車における駆動輪側(前輪)と、従動輪側(後輪)とに、それぞれ例えば
図4のトレッドパターンの同形のタイヤ10を、車両内外方向の向きを異にして装着した場合を示している。
図2あるいは
図5、
図6、
図7のトレッドパターンの同形のタイヤ10の場合も同様に装着する。
【0060】
すなわち、駆動輪側の車輪軸21には、タイヤ10を、前記トレッド部11の幅方向一方側の夏季性能に効果のある領域11a、主に夏向きパターンの領域11aの側を車両外側に向けて装着しており、また従動輪側の車輪軸22には、前記タイヤ10を、夏季性能に効果のある領域11aの側を内側にし、幅方向他方側の冬季性能に効果のある領域11b、主に冬向きパターンの領域11bの側を車両外側に向けて装着している。
【0061】
このような駆動輪側と従動輪側のタイヤの装着形態は、後輪駆動のFR車においても同様であり、駆動輪側では、夏季性能に効果のある例えば夏向きパターンの領域の側を車両外側にしてタイヤを装着し、また、従動輪側では、冬季性能に効果のある例えば冬向きパターンの領域の側を車両外側にして装着する。さらに、前輪駆動の車両の場合は、全駆動輪について、前記同様に夏季性能に効果のある領域の側を車両外側にしてタイヤを装着すればよい。
【0062】
なお、同一のタイヤ10を方向を変えて装着するための作業操作を容易にするために、
図10に示すように、夏季性能に効果のある例えば夏向きパターンの領域11aの側及び/又は冬季性能に効果のある例えば冬向きパターンの領域11bの側のタイヤ側面に、当該側面がいずれの側であるか、また駆動輪外側であるか、従動輪外側であるかを示す、例えば「DRIVE SIDE/NODRIVE SIDE」及び/又は「SUMMER SIDE/WINTER SIDE」等の文字や、図形、記号等の標示18を設けておくのが好ましい。これにより、タイヤ10を車両の車輪軸に取り付け装着する際に、駆動輪側の外側であるか従動輪側の外側であるかを容易に確認することができ、装着作業を容易にできる。
【0063】
前記のように、車両の駆動輪側と従動輪側でタイヤの装着の方向を異にし、トラクション性を発揮できる駆動輪側では、夏季性能に効果のある領域11aの側を車両外側にして装着したことで、特に通常の道路や高速道路におけるDRY路面走行時やWET路面走行時の操縦安定性等を確保でき、夏季に求められる性能を発揮できる。また、駆動輪に対してトラクション性が得られ難い従動輪側では、冬季性能に効果のある領域11bの側を車両外側にして装着したことで、駆動性能や制動性能を確保でき、積雪路面を走行する際に求められるスノー性能等の冬季性能を発揮できる。すなわち、車両全体として夏季性能及び冬季性能を両立でき、夏季及び冬季の別なくオールシーズン通して使用でき、夏用と冬用の2種のタイヤを保持する必要がなく、また夏用タイヤと冬用タイヤの取り替えを不要にできる。
【0064】
以下、国産FF車(排気量1300ccクラスのコンパクトカー)において、本発明のタイヤ装着構造を適用した場合(実施例1〜実施例8)と、従来のタイヤ装着構造による場合(比較例1〜4)とについて、下記の比較テストを行った。その結果を下記「表2」に示す。
【0065】
使用したタイヤは、全てタイヤサイズ175/65R14のタイヤで、実施例1と実施例4は
図2のトレッドパターンのタイヤ、実施例2と実施例5は
図4のトレッドパターンのタイヤ、実施例3と実施例6は
図5のトレッドパターンのタイヤ、実施例7は
図6のトレツドパターンのタイヤ、実施例8は
図7のトレッドパターンのタイヤであり、それぞれ下記表1のとおりの構成を有している。また、実施例の各タイヤのトレッドゴムとしては、下記「表1」のように、実施例1〜3及び実施例7、8は、表1のゴム硬度、脆化温度、粘弾性Tαを有する単一のゴム材料を用い、実施例4〜6は、表1の夏向き(夏季性能に効果のある領域)のゴム硬度、35℃時のtanδと、冬向き(冬季性能に効果のある領域)のゴム硬度、tanδを有する物性を異にする2種のゴム材料を用いたものとした。
【0066】
比較例1〜3は、
図2のトレッドパターンのタイヤ、比較例4については、
図11のトレッドパターンのタイヤであり、それぞれ実施例1〜3及び実施例7、8と同様の単一のゴム材料を用いた。
【0067】
・DRY操安性
DRY路面での実施走行により操縦安定性について運転者の官能評価を行い、これを指数化して示し、指数値の大きいほうを良とする。
【0068】
・WET操安性
水深2mmのWET路面での実車走行により操縦安定性について運転者の官能評価を行い、これを指数化しして示し、指数値の大きいほうを良とする。
【0069】
・スノー性能
積雪路面での実車走行により運転者の官能評価を行い、これを指数化して示し、指数値の大きいほうを良とする。
【0070】
なお、前記性能の指数値は、実施例1〜8及び比較例1〜4のいずれも、比較例1を基準(指数100)にした値である。
【0073】
上記の試験の結果、本発明の装着構造にすることにより、実施例1〜8のいずれも、比較例1〜4に比して、夏季性能の低下を抑制しつつ優れた冬季性能を確保でき、両性能を両立できた。