(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品供給装置に出し入れ自在にセットされ電子部品を収納する複数の部品収納部を配置した矩形のトレイの少なくとも1つのコーナーに設けられたセット方向確認マークをカメラにより撮像し、この撮像した画像に基づいて、前記トレイの前記部品供給装置へのセット方向を把握するトレイのセット方向判断方法であって、
前記トレイは、長方形のトレイであってかつ1つのコーナーにのみ前記セット方向確認マークを有するものであり、
当該セット方向判断方法は、
前記部品供給装置にトレイが正常にセットされた場合に前記セット方向確認マークが存在するコーナーの位置を予め記憶部に記憶する工程と、
セットされたトレイのうち、前記記憶部に記憶されているコーナーの位置および当該コーナーと対角線上で対向するコーナーの位置のみを前記カメラで撮像する工程と、
前記カメラが撮像した画像に基づき、前記記憶部に記憶されているコーナーの位置にのみ前記セット方向確認マークが存在するか否かを判別し、存在する場合には、トレイのセット方向が正常であると把握し、存在しない場合には、表示装置によってトレイセット方向が異常であることを表示する工程とを含む、ことを特徴とするトレイのセット方向判断方法。
部品供給装置に出し入れ自在にセットされ電子部品を収納する複数の部品収納部を配置した矩形のトレイから電子部品を取出部材が取出して基板上に装着する電子部品装着装置において、
前記トレイは、長方形のトレイであってかつ前記部品供給装置へのセット方向を把握するためのセット方向確認マークを1つのコーナーにのみ有するものであり、
当該電子部品装着装置は、
前記部品供給装置にトレイが正常にセットされた場合に前記セット方向確認マークが存在するコーナーの位置が予め記憶された記憶部と、
セットされたトレイのうち、前記記憶部に記憶されているコーナーの位置および当該コーナーと対角線上で対向するコーナーの位置のみを撮像するカメラと、
前記カメラが撮像した画像に基づき、前記記憶部に記憶されているコーナーの位置にのみ前記セット方向確認マークが存在するか否かを判別することにより、前記部品供給装置へのトレイのセット方向を把握する把握装置と、
前記把握装置により把握されたトレイのセット方向が間違っていた場合に、セット方向が異常であることを表示する表示装置と、を備えたことを特徴とする電子部品装着装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は電子部品装着装置1の平面図であり、電子部品装着装置1の装置本体2上の前部及び後部の4つのブロックに第1部品供給装置3A、3B、3Cと、第2部品供給装置3Dとが併設されている。前記第1部品供給装置3A、3B、3Cは、並んで載置された複数の部品供給ユニット5を備え、部品供給側の先端部がプリント基板Pの搬送路に臨むように装置本体2に連結具(図示せず)を介して着脱可能に配設され、連結具を解除し把手(図示せず)を引くと下面に設けられたキャスタによりカート台が移動できる構成である。
【0015】
そして、対向する前記第1部品供給装置3A及び3Bと、第1部品供給装置3C及び第2部品供給装置3Dの間には、基板搬送機構を構成する供給コンベア、位置決め部8(コンベアを有する)及び排出コンベアが設けられている。前記供給コンベアは上流側装置より受けた複数のプリント基板Pを前記位置決め部8に搬送し、位置決め部8で図示しない位置決め機構により位置決めされた該基板P上に電子部品が装着された後、排出コンベアに搬送され、その後下流側装置に搬送される。
【0016】
そして、Y方向リニアモータ61(
図8参照)の駆動によりガイドレール9に沿ってY方向にビーム10が移動する構成であり、各ビーム10にはX方向リニアモータ62(
図8参照)の駆動によりX方向に移動する装着ヘッド6が設けられる。また、装着ヘッド6には、電子部品を吸着して取出す取出部材としての吸着ノズル7が設けられる。そして、吸着ノズル7は、上下軸モータ63及びθ軸モータ64(
図8参照)により上下動が可能で、且つ鉛直軸周りに回転可能である。なお、取出部材としては、吸着ノズル7の他に、例えば電子部品を掴んで取出す機構を備えた把持部材などでもよい。
【0017】
4はプリント基板Pの位置確認用の認識マークを撮像するときなどに使用される基板認識カメラで、各装着ヘッド6に搭載されている。12は前記装置本体2に前記装着ヘッド6に対応して設けられる部品認識カメラで、部品供給装置3より取出されて吸着ノズル7に吸着保持された電子部品を撮像して、認識処理装置53により吸着ノズル7に対する電子部品の位置が認識処理される。
【0018】
次に、電子部品装着装置1に着脱可能に取り付けられる第2部品供給装置3Dについて、
図2乃至
図7に基づいて以下詳述する。
【0019】
第2部品供給装置3Dは、一側面が開設された開口部を覆うと共にマガジン15を上中下の各位置で交換のため取出すための開口を開閉可能な扉体19を有する蓋体20を備えた供給装置本体21と、この供給装置本体21内に縦横に等間隔に形成した複数の平面視四角形状の窪んだ部品収納部41内にそれぞれ電子部品を整列配置した平面視矩形のトレイ13(
図12を参照)が搭載されたパレット14を複数段収納する2つのマガジン15と、いずれかのマガジン15の所定のパレット14を所定の移動レベル位置である引出しレベル位置(電子部品装着装置1に設けられたシュート16の位置)やマガジン15の交換位置まで鉛直方向に搬送するエレベータ機構17と、パレット14をエレベータ機構17から装置本体2のピックアップ領域まで水平方向に搬送するパレット導入機構18とから構成される。
【0020】
エレベータ機構17は、
図4及び
図5に示すように、2本のガイドレール22と、このガイドレール22に沿って上下移動可能なスライダ23を側部に備えると共にマガジン15を載置する2つの断面がL字形状のマガジンベース24と、2本のガイドレール22間において上下の固定ブロック25に固定される1本のボールネジ26と、2個の正逆転可能なエンコーダ機能付きの昇降駆動モータ27と、各昇降駆動モータ27の出力軸とボールネジ26に回動可能なプーリ28との間に張架されたベルト29と、このベルト29と共に回動するとボールネジ26に沿って移動するナット30とを備え、マガジンベース24にはスライダ23の他に昇降駆動モータ27も固定され、このマガジンベース24とナット30との間にはベアリング体(図示せず)が設けられている。
【0021】
従って、昇降駆動モータ27が正逆駆動すると、ベルト29を介してプーリ28及びナット30がボールネジ26の回りを回動し、前記ベアリング体(図示せず)によりマガジンベース24は回動することなくガイドレール22に沿ってスライダ23を介して上下移動する。
【0022】
このように構成されたエレベータ機構17による昇降動作では、上下段のマガジン15の所望のパレット14のレベル位置と、シュート16のレベル位置とを一致させてパレット導入機構18によりパレット14のトレイ13をピックアップ領域に導入させて、吸着ノズル7により吸着取出しが可能となる。
【0023】
パレット導入機構18は、装置本体2に配設したシュート16と、このシュート16に沿って進退する係止アーム31と、この係止アーム31を進退させる駆動機構32とで構成される。そして、係止アーム31の先端には、パレット14に係脱するフックが設けられており、駆動機構32により係止アーム31を前進させて、このフックをマガジン15に収容したパレット14の先端に係止し、次に係止アーム31を後退させて、パレット14をシュート16に沿ってピックアップ領域に導入する。
【0024】
なお、上段の扉体19には上段のマガジン15上昇のための操作スイッチ35が、中段の扉体19には上段又は下段のマガジン15昇降のための操作スイッチ36、37が、下段の扉体19には下段のマガジン15下降のための操作スイッチ38が設けられている。また、夫々の扉体19には把手19A及び透明又は半透明な窓19Bが同様に設けられている。
【0025】
プリント基板Pの段取替えのためにマガジン15の交換を行なう場合や、所定部品を収納するトレイ13を載置する多数のパレット14を交換する場合に、電子部品装着装置が停止しているときにいずれかの操作スイッチ35、36、37、38を操作すると、電子部品装着装置を統括的に制御する制御装置であるCPU50(
図8参照)は対応するマガジン15の上下移動のための昇降駆動モータ27を駆動させて扉体19に対応する位置に移動させ、この移動停止に伴い、扉体19のロック機構(図示せず)の駆動源を駆動させてロックを解除させる。
【0026】
即ち、操作スイッチ35を操作すると上部の昇降駆動モータ27の駆動により上段のマガジン15を上部の扉体19に対応する位置に移動させ、操作スイッチ36を操作すると上部の昇降駆動モータ27の駆動により上段のマガジン15を中間部の扉体19に対応する位置に移動させ、前記操作スイッチ37を操作すると下部の昇降駆動モータ27の駆動により下段のマガジン15を中間部の扉体19に対応する位置に移動させ、前記操作スイッチ38を操作すると下部の昇降駆動モータ27の駆動により下段のマガジン15を下部の扉体19に対応する位置に移動させるように、前記CPU50が制御する構成である。
【0027】
次に、
図8の制御ブロック図について説明する。電子部品装着装置1には、本装着装置1を統括制御する制御装置(判断装置を兼ねている。)としてのCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)50と、CPU50にバスラインを介して接続されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)51及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)52が備えられている。そして、CPU50はRAM51に記憶されたデータに基づいて、ROM52に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU50は、インターフェース54及び駆動回路57を介してY方向リニアモータ61、X方向リニアモータ62、上下軸モータ63及びθ軸モータ64等の駆動を制御すると共に各部品供給ユニット5を制御する。
【0028】
RAM51には、部品装着に係るプリント基板Pの種類毎に装着データが記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX方向(Xで示す)、Y方向(Yで示す)及び角度(Zで示す)情報や、各部品供給ユニット5の配置番号情報等が格納されている。
【0029】
また、RAM51には、各プリント基板Pの種類毎に前記各部品供給ユニット5の部品供給ユニット配置番号(レーン番号)及び第2上下段のいずれのマガジン15内のトレイ13の配置番号に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報、即ち部品配置情報が格納されており、この部品配置情報は前記カート台上のどの位置にどの部品供給ユニット5を搭載するかに係るデータ及びどのマガジン15内のどの位置にどのトレイ13を載置するかのデータである。更にはこの部品ID毎に電子部品の特徴等に関する部品ライブラリデータが格納されている。
【0030】
また、RAM51には、第2部品供給装置3Dのライブラリデータとして、
図9に図示した「トレイ部品セット向き確認機能」のデータが格納されている。この「トレイ部品セット向き確認機能」のデータは、トレイがセットされた方向(向き)を確認するかしないかのデータであり、「しない」、「する(異常処理)」及び「する(装着処理)」があり、作業者による後述するモニタ55の操作により何れかが選択される。
【0031】
そして、「する(異常処理)」が選択された場合は、トレイのセット向きが間違っていたときに装置異常として、電子部品装着装置1を停止する。また、「する(装着処理)」が選択された場合は、トレイのセット向きが間違っていたときには取り出した電子部品をトレイの向きに対応して回転させ、電子部品を基板に装着する。
【0032】
また、RAM51には、第2部品供給装置3Dの部品ライブラリデータとして、
図12に示したトレイ13のセット向きを判断するときに使用する
図10に示した「トレイの面取りデータ」が格納されている。トレイ13の左上のコーナーには、コーナーを45度の角度で切り欠いた面取り(セット方向確認マーク)43が形成され、「トレイの面取りデータ」はトレイの4つの角毎の面取りの有無及び面取りの寸法から構成されている。即ち、「トレイの面取りデータ」は、トレイ13の左上のコーナーに面取り43が形成され、その寸法43Xは縦横同じ寸法の1mmであり、他の左下、右下及び右上の各コーナーには面取りが無いことを示している。
【0033】
ここで、
図12に示したトレイ13では、左上のコーナーに形成された面取り43が分かり易いように、実際も寸法より大きく記載している。
【0034】
なお、面取り43は、
図12に示したように直線状のC面取り限らず、曲線状のR面取りでもよい。また、2つ以上の各コーナーに形状が異なる、或いは寸法が異なる面取りを形成し、各コーナーを認識してトレイのセット方向を判断できるようにしてもよい。
【0035】
なお、トレイ13では、1つのコーナーの他のコーナーとの違いを判断できるように、面取り43を形成したが、面取りでなく、1つのコーナーにのみ例えばトレイの上面の周囲と区別できるように着色されたマークを付してもよい。また、対角線上の2つ以上のコーナーのそれぞれに色の異なる或いは形状が異なるマークを付し、各コーナーを認識してトレイのセット方向を判断できるようにしてもよい。
【0036】
更に、RAM51には、第2部品供給装置3Dの部品ライブラリデータとして、
図11に示した「トレイが回転(180度回転)してセットされても部品吸着位置が同じか否かの判断元になるトレイに関するデータ」が格納されている。このライブラリデータは、トレイ13についての各データであり、
図12の平面図を参照し、トレイサイズX、トレイサイズY、トレイのX方向に並んだ部品収納部41の数であるトレイマトリックスX、トレイのY方向に並んだ部品収納部の数であるトレイマトリックスY、側長X1、側長Y1、部品収納部41のX方向のピッチであるピッチX3、部品収納部のY方向のピッチであるピッチY3から構成されている。なお、側長X1、側長Y1は、例えば、
図12に示したように、トレイ13の右上のコーナーの部品収納部41の中心と各辺との距離であり、トレイ13をパレット14の右上のコーナーに寄せて載置したときに、パレット14の基準位置である右上のコーナーからトレイ13の中心位置までのX方向及びY方向の距離と等しい。
【0037】
53はインターフェース54を介して前記CPU50に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ12により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置53にて行われ、CPU50に処理結果が送出される。即ち、CPU50は、部品認識カメラ12に撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置53に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置53から受取るものである。
【0038】
55は部品画像や各種データ設定のための画面などの表示装置であるモニタで、このモニタ55には入力手段としての種々のタッチパネルスイッチ56が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチ56を操作することにより、種々の設定を行うことができる。
【0039】
次に、第2部品供給装置3Dでのトレイ13をセットしたときのセット向きの判断について、
図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
先ず、ライブラリデータにて「トレイ部品セット向き確認をする」となっていて、例えば、生産する基板の機種が切り替わった直後の生産開始時、或いは部品補給時のトレイ13及びパレット14を第2部品供給装置3Dにセットしたとき、CPU50は、
図11のトレイ13のライブラリデータ中のトレイサイズに基づいてX方向のサイズとY方向のサイズとが等しいか否かを判断する(ステップS1)。
【0041】
そして、等しくないと判断されたとき(トレイ13が長方形のとき)には、
図6に図示されたように引き出されたパレット14上のトレイ13の上方へ基板認識カメラ4は移動し、基板認識カメラ4によりトレイ13の2箇所のコーナーが撮像される。このとき、
図10の面取りデータに基くCPU50の制御のより、基板認識カメラ4は、面取りデータでの他のコーナーとデータが異なるコーナー、即ち、
図10の面取りデータでの面取り「有り」の左上のコーナーと、このコーナーの対角に位置する右下のコーナーとの2箇所の上方へ移動し、それぞれのコーナーを撮像する(ステップS2)。
【0042】
次に、CPU50は、撮像され認識処理装置53にて認識された各コーナーの画像に基づいてそれぞれの箇所について面取りが有るか否かを判断する(ステップS3)。
【0043】
面取りの有無判断では、CPU50は、
図12に示した位置に予め設定されていた2つの判定位置66、67の認識結果に基づいて、判定位置66がパレット14の表面の色と同じ白であり、判定位置67がトレイ13の上面の色にほぼ等しい黒であった場合には、トレイ13が有り、面取りが形成されたコーナーであると判定し、また、判定位置66と判定位置67との双方がトレイ13の上面の色にほぼ等しい黒であった場合には、トレイが有り面取りが形成されていないコーナーであると判定し、更に、判定位置66と判定位置67との双方が白であった場合には、トレイが無いと判定する。
【0044】
そして、上述した判断に基づいて、1箇所のみ面取り有りとなっているかを判断する(ステップS4)。ここで、1箇所のみ面取有りとなっていると判断されたとき、CPU50は、面取りが有ると判断された箇所がライブラリデータで設定されている位置(
図10のライブラリデータでは左上の箇所)と一致するか否かを判断する(ステップS5)。
【0045】
そして、一致していた場合には、CPU50は、トレイ部品セット向き、即ち、トレイ13を第2部品供給装置3Dにセットした向きが正常であると判断する(ステップS6)。その後、正常であると判断されたトレイ13から電子部品を供給することができ、供給された電子部品が基板に装着される。
【0046】
また、上述したステップS4の判断で、1箇所のみ面取り有りとなっていなかったとき、即ち、面取りが無かったとき、或いは面取りが2箇所認識されたときは、トレイのセット向きが判断できない場合であり、モニタ55にトレイセット異常が表示される(ステップS7)と共に、トレイセット確認の指示がモニタ55に表示される(ステップS8)。
図14は、モニタ55での表示部57、58に「トレイセット方向異常」及び「トレイセット方向確認」が表示された状態を示した図である。
【0047】
このように、ステップS4の判断で、1箇所のみ面取り有りとなっていなかったとき、即ち、面取りが無かったとき、或いは面取りが2箇所認識されたときであり、トレイのセット向きが判断できない場合には、そのトレイから電子部品が供給されることを回避でき、この結果、誤った方向でセットされたトレイ13から取り出された電子部品が基板に誤装着されることを回避することができる。
【0048】
また、上述したステップS5の判断で、面取りが有ると判断された箇所がライブラリデータで設定されている位置と一致していない判断された場合、CPU50は、
図9に示した部品ライブラリデータでのトレイ部品セット向き確認の設定が「する」で且つ(装着処理)か否かを判断する(ステップS9)。ここで、「する」で且つ(装着処理)ではないと判断されとき、即ち、部品ライブラリデータでのトレイ部品セット向き確認の設定が「しない」のとき、或いは「する」で(異常処理)のときには、上述したステップS7及びステップS8に進み、モニタ55に「トレイセット方向異常」及び「トレイセット方向確認」が表示される。
【0049】
なお、ステップS5の判断で、面取りが有ると判断された箇所がライブラリデータで設定されている位置と一致していない判断された場合に、モニタ55にトレイセット方向が異常であることを表示させ、即ち、「トレイセット方向異常」及び「トレイセット方向確認」が表示されるようにしてもよい。
【0050】
また、「する」で且つ(装着処理)であると判断されときは、CPU50は、先ず、トレイ13の部品格納位置、即ち、部品収納部41の位置(部品をトレイから取り出すときの位置)がトレイを回転させてセット向きを180度変えても同じか否かを
図11に示したライブラリデータに基づいて判断する(ステップS10)。そして、部品を取り出す位置がずれる場合は、上述したステップS7及びステップS8に進み、モニタ55に「トレイセット方向異常」及び「トレイセット方向確認」が表示される。また、部品を取り出す位置がずれない場合は、CPU50からの信号に基づいてY方向リニアモータ61、X方向リニアモータ62、上下軸モータ63及びθ軸モータ64等の駆動が制御され、トレイ13の回転(180度)に合わせて、
図12に示した左下のコーナーの部品収納部から部品が順次取り出される(ステップS11)。このとき、トレイ13の回転(180度)に合わせて吸着ノズル7を回転(180度)させる。吸着ノズル7を回転させることにより、トレイの回転により回転して方向が逆になった電子部品の吸着面の形状が左右対称でない場合でも電子部品を確実に吸着することが可能になる。取出された後、更に、吸着ノズル7は180度回転或いは逆回転され、電子部品の装着方向が修正されてから電子部品は基板に装着される。このため、電子部品が左右で極性が異なっている場合でも誤装着を回避できる。また、吸着面の形状が左右対称な電子部品では、吸着前に吸着ノズルを回転させないで、吸着して取出した後に回転させて装着するようにしてもよい。
【0051】
なお、ステップS11において、トレイ13の回転(180度)に合わせて、
図12に示した左下のコーナーの部品収納部から部品を順次取り出すようにした方が、以後、部品を全て取り出していない途中のトレイ13を取り出し、再度セットするときの取り出しを開始する部品収納部を設定する際には好ましいが、トレイ13が回転(180度)したときも、部品の取出しを開始する位置を、回転していないときと同様に、
図12に示した右上のコーナーの部品収納部にしてもよい。
【0052】
更に、トレイ13から電子部品を供給しているとき、全ての部品供給部から電子部品を取り出す前、即ち、供給の途中でトレイ13を第2部品供給装置3Dから外し、再度、セットしたとき、作業者は、トレイ13において再度部品の取り出しを始める途中の部品供給部の位置及び取出す方向(X方向及びY方向)を設定する。そして、上述したステップS1からステップS10に至る判断により、部品を取り出す位置がずれないと判断された場合は、トレイ13の回転(180度)に合わせてトレイにおいて部品の取出しが開始される途中の部品収納部が自動的に設定され、CPU50からの信号に基づいてY方向リニアモータ61、X方向リニアモータ62、上下軸モータ63及びθ軸モータ64等の駆動が制御され、設定された部品収納部から順次部品が取り出される(ステップS11)。
【0053】
また、上述したようにステップS1において、CPU50は、トレイ13のライブラリデータ中のトレイサイズに基づいてX方向のサイズとY方向のサイズとが等しいか否かを判断する。このとき、等しいと判断されたとき(トレイ13が正方形のとき)には、
図6に図示されたように引き出されたパレット14上のトレイ13の上方へ基板認識カメラ4は移動し、基板認識カメラ4によりトレイ13のそれぞれ4箇所のコーナーが撮像される。このとき、対象のトレイについて格納されている面取りデータに基くCPU50の制御のより、基板認識カメラ4は、4箇所のコーナーの上方へ移動し、それぞれのコーナーを撮像する(ステップS12)。
【0054】
そして、その後は、上述した長方形のトレイときと同様に、ステップS3にてそれぞれの箇所の面取りの有無が判断され、以後、判断結果に基づいて、トレイの向きが正常化否かが判断され、また、ステップS7及びステップS8に進み、モニタ55に「トレイセット方向異常」及び「トレイセット方向確認」が表示される。
【0055】
なお、上述した実施形態では、トレイ13のコーナーに形成された面取り43の有無はトレイ13のコーナーを基板認識カメラ4により撮像して認識することで判断したが、高さ検出センサ(例えばレーザセンサを使用。)を用いてコーナー高さを検出して検出結果(面取りが形成されたコーナーの検出高さは低く、形成されていないコーナーの検出高さは高い。)に基づいて面取りの有無を判断してもよい。
【0056】
以上、本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。