(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
今日、開閉自在としたOリングやDリングなどの種々の綴込みリングを備えたリングバインダーが使用されている。
【0003】
このようなリングバインダーでは、環状のOリングを背表紙の内側に備えたものや、一部を直線状とした環状のDリングを裏表紙の内側における背表紙の近くに備えるものが多く用いられている。
【0004】
このリングバインダーは、厚紙又は厚紙状の樹脂板により表表紙及び裏表紙と背表紙とを形成し、背表紙の内側又は背表紙の近くの裏表紙の内側にリング固定板が固定され、このリング固定板に複数個の綴込みリングを有するものである。
【0005】
この綴込みリングは、綴込みリングを直接に指で摘んでリングを開閉するものや、リング固定板の両端にレバーを有し、該レバーを指で押えて綴込みリングを開き、開いた状態の綴込みリングを両側から指で挟んでリングを閉じるようにするもの、などがある。
【0006】
そして、これらのリングバインダーの綴じ部に設けられる綴込みリングは、リング固定板の内側に弾性体を有し、綴込みリングを閉じた状態と、綴込みリングを開いた状態の2つの状態で綴込みリングを維持することができる様にされている。
【0007】
また、これらのリングバインダーでは、バインダーに紙葉を綴った状態で不用意にリングが開かないように、例えば当該リングバインダーを落としたとき、落下の衝撃でリングが開いて綴った紙葉がバインダーから外れないようにするものがある。
【0008】
この、綴込みリングが不用意に開かないようにする構造のもとして、リング固定板の内部に鋼球を組み込み、背表紙を下にして綴じ部を上面にした状態としたときにだけ綴込みリングを開くことができるようにしたバインダーが提案されている(例えば特許文献1)。
【0009】
また、リング固定板の上面カバーを綴じ部の軸方向に沿って摺動可能とし、上面カバーを一方に移動させて綴込みリングを開閉自在とし、上面カバーを他方に移動させたとき、綴込みリングの基部外側を押えて綴込みリングが開かないようにするバインダーも提案されている(例えば特許文献2)。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るバインダーのロック補助装置を装着したリングバインダーの一例を示す斜視図。
【
図2】本発明に係るバインダーのロック補助装置を装着した綴じ部のリングの開きが阻止された状態を示す斜視図及び平面図。
【
図3】本発明に係るバインダーのロック補助装置を装着した綴じ部のリングの開きが可能とされた状態を示す斜視図及び平面図。
【
図4】本発明に係るバインダーのロック補助装置を装着した綴じ部のリングを開いた状態を示す斜視図。
【
図5】本発明に係るバインダーのロック補助装置と綴じ部とを分離分解した状態を示す斜視図。
【
図6】本発明に係るバインダーのロック補助装置を分解した状態を示す下面斜視図。
【
図7】本発明に係るバインダーのロック補助装置の他の形態のものを装着した綴じ部のリングの開きが阻止された状態を示す斜視図。
【
図8】本発明に係るロック補助装置の他の形態のものを装着した綴じ部のリングの開きが可能とされた状態を示す斜視図。
【
図9】本発明に係るバインダーのロック補助装置の他の形態のものを装着した綴じ部のリングを開いた状態を示す斜視図。
【
図10】本発明に係るバインダーのロック補助装置の他の形態のものを分解した状態を示す斜視図。
【
図11】本発明に係るバインダーのロック補助装置のその他の形態のものを装着した綴じ部のリングの開きが阻止された状態を示す斜視図。
【
図12】本発明に係るバインダーのロック補助装置のその他の形態のものを装着した綴じ部のリングの開きが可能とされた状態を示す斜視図。
【
図13】本発明に係るバインダーのロック補助装置のその他の形態のものを装着した綴じ部のリングを開いた状態を示す斜視図。
【
図14】本発明に係るバインダーのロック補助装置のその他の形態のものの上面斜視図及び下面斜視図。
【
図15】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に別の形態のものを装着した綴じ部のリングの開きが阻止された状態を示す斜視図。
【
図16】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に別の形態のものを装着した綴じ部のリングを開いた状態を示す斜視図。
【
図17】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に別の形態のものの上面斜視図及び下面斜視図。
【
図18】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に変形形態としたものを装着した綴じ部のリングの開きが阻止された状態を示す斜視図。
【
図19】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に変形形態としたものを装着した綴じ部のリングを開いた状態を示す斜視図。
【
図20】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に変形形態としたものの上面斜視図。
【
図21】本発明に係るバインダーのロック補助装置の更に変形形態としたものの上面図及び下面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るバインダーのロック補助装置の実施例は、
図1に示すように、リングバインダー10の綴じ部20における綴込みリング25の部分に付加するバインダーのロック補助装置100である。
【0019】
このリングバインダー10は、A版やB版などの所定の紙葉を綴込みリング25で綴ることのできるリングバインダー10であって、
図1に示したように、背表紙15の両側に紙葉に合せた所定の大きさの表表紙13と裏表紙17とが配置され、所定幅とされた背表紙15の中央に綴じ部20が設けられているものである。
【0020】
この綴じ部20は、平板状にして内部に綴込みリング25を閉状態や開状態に維持する機構が組み込まれたリング固定板21の両端近傍に、Oリングと呼ばれる円環状の綴込みリング25が2個設けられているものである。
【0021】
そして、このバインダーのロック補助装置100は、合成樹脂製の固定部材140と可動部材110とにより形成されるものであって、
図2に示すように、2個の綴込みリング25における一方の綴込みリング25の位置に固定部材140により取り付けられ、固定部材140における可動体ガイド部153と、略S字状をした可動部材110の外縁を形成する円弧状の規制部113とにより、綴込みリング25の基部外周を囲み、リングが開くことを阻止することができるものである。
【0022】
また、このバインダーのロック補助装置100は、
図3に示すように、可動部材110を回転させて綴込みリング25基部の外方を規制部113から開放させることにより、
図4に示すように綴込みリング25を開くことを可能としているものである。
【0023】
このロック補助装置100は、
図5及び
図6に示すように、固定部材140と可動部材110とで構成され、固定部材140は、リング固定板21を両側から挟んで固定部材140をリング固定板21に固定する2本の棒状体とされる挟持部141を平行に有し、この挟持部141の端部上方を連結する円弧状の連結部151を有し、連結部151の上方に可動体ガイド部153を、また、この連結部151の一方の連結部151からは、外方に突出する中央が窪んだ板状体とされた固定部165を有しているものである。
【0024】
そして、連結部151における挟持部141の近傍となる連結部151の端部近辺上面と挟持部141の中央部分の上面とは同一平面として摺接面157を形成し、連結部151の中央近傍部分の上方に可動体ガイド部153を有して可動体ガイド部153の両端部分を各々可動規制壁159としている。
【0025】
また、可動部材110は、略S字状であって、可動体ガイド部153の内径に合せた円弧状の規制部113を直線板状体とされた上面本体部111の両端から各々左右の一方向に延設するように有するものである。
【0026】
この規制部113は、各々円弧状とされて上面本体部111の一端から上面本体部111の他端に向けて一方向に延設され、且つ、その先端と上面本体部111の他端との間に間隙を有するものである。
【0027】
そして、この規制部113の外縁に沿った上方を内側に後退させることにより水平面状の段部とした摺接段部117が形成され、上面本体部111と接続される基部側に対向する先端には可動部材110の外方に突出するつまみ部121を有し、つまみ部121よりも先端側に突出する係合突出部123を有して係合突出部123の上面高さ位置を摺接段部117の高さに一致させている。
【0028】
更に、この規制部113は、その内側に斜め上方に向いた面とされる傾斜部115を有し、基部側よりも先端側を上面本体部111の中央からの距離を僅かに大きくし、
図2に示したようにこの規制部113の基部近傍を綴込みリング25の基部外側に位置させたとき、規制部113における傾斜部115が綴込みリング25の基部外面に接するように規制部113の内径を定めている。
【0029】
また、可動体ガイド部153の上端には、
図5及び
図6に示したように、内方に突出する内方突出部155を有し、該内方突出部155の下面が規制部113の外周に設けた摺接段部117と接触し、可動部材110が上方に外れない様にしつつ可動体ガイド部153の内径を規制部113の外径と一致させることにより、可動体ガイド部153の内周に規制部113の外周を摺接させて可動部材110を回転可能に支持しているものである。
【0030】
そして、つまみ部121を連結部151よりも外方に突出させ、
図2に示したように、つまみ部121の側部を可動体ガイド部153の端部である可動規制壁159に接する閉状態から、
図3に示したように、つまみ部121の逆の側部を可動体ガイド部153の他端部である可動規制壁159に接する開状態までの範囲で可動部材110を回動可能としている。
【0031】
そして、可動体ガイド部153と規制部113とを円環状とした閉状態では、規制部113先端の係合突出部123を可動体ガイド部153の内側にして内方突出部155の下側に位置させ、
図6に示した係合突出部123の外方に設けた係止凸部125を連結部151及び可動部材110ガイド部153の内側に設けた係止凹部161に係合させて閉状態を維持させるようにしている。
【0032】
このように、規制部113の先端に係合突出部123を設け、この係合突出部123を可動体ガイド部153の内側に位置させて規制部113の基部近くを綴込みリング25の外面に接触させておけば、綴込みリング25が開くことを確実に阻止することができる。
【0033】
なお、2個の挟持部141は、各々その中央上面に窪み形状の開口凹部147を有し、綴込みリング25を開くとき、綴込みリング25の作動を阻害しないようにしている。
【0034】
そして、このバインダーのロック補助装置100をリングバインダー10の綴じ部20に取付けるに際しては、挟持部141の下端内側に突出する係合部145をリング固定板21の両側からリング固定板21の下側に食い込ませるようにして2本の挟持部141によりリング固定板21を側方から挟むものであって、固定部165に設けたビス穴167を用いてリング固定板21の端部へ固定ビスにより位置決めを行うように固定し、可動体ガイド部153の円弧中心を綴込みリング25の位置に合せるものである。
【0035】
なお、固定部165を有することなく、単に、挟持部141によりリング固定板21を両側から強く挟持して係合部145をリング固定板21の下側に位置させることにより、当該ロック補助装置100を綴じ部20の所定位置に固定するように取り付けることもある。
【0036】
この場合は、2本の挟持部141を相互に強く開くようにしてロック補助装置100を綴じ部20に取り付けるものであり、当該ロック補助装置100の着脱を容易に行うことができる。
【0037】
このように、綴じ部20に固定する固定部材140と該固定部材140に対して摺動回転可能な可動部材110とを有し、可動部材110は閉じた状態の綴込みリング25の基部外側に接する内径の規制部113であってその先端と上面本体部111の端部との間に間隙を有する円弧状としているロック補助装置100は、固定部材140により綴じ部20にこのロック補助装置100を固定し、規制部113を綴込みリング25の基部外側に当接して綴込みリング25が開くことを阻止し、可動部材110を回転させて規制部113の先端と上面本体部111の端部との間隙を綴込みリング25の位置合わせると綴込みリング25を開くことができるものである。
【0038】
そして、規制部113は外縁に当該規制部の上面よりも低い位置とされた摺接段部117を有し、固定部材140の可動体ガイド部153は、その上端内側に摺接段部117の上面に接する内方突出部155を有することにより、可動部材110が固定部材140から外れることなく、容易に回転摺動させることができるものである。
【0039】
さらに、規制部113は、先端につまみ部121を有し、該つまみ部121を可動体ガイド部153よりも外方に突出させることにより、可動部材110の回転操作を容易とすると共に、回転範囲を規定して規制部113による綴込みリング25の開き阻止位置と開放位置との位置合わせを容易としているものである。
【0040】
そして、規制部113は、つまみ部121よりも先端側に係合突出部123を有することにより、規制部113を係合突出部123を綴込みリング25の基部外側に当接させるとき、係合突出部123を可動体ガイド部153の内側に位置さて規制部113による綴込みリング25が開くことの阻止を確実としているものである。
【0041】
また、規制部113は、円弧状とされた内縁に斜め上方に向けた面とする傾斜部115を有するため、該傾斜部115を綴込みリング25の基部外側に接触させ、綴込みリング25の基部に確実に規制部113を当接させることができる。
【0042】
そして、規制部113は、円弧状とされた内縁の可動部材中心からの距離を先端側でわずかに大きくしているため、可動部材110を回転させて規制部113を綴込みリング25の基部外側に接触させる際、容易に規制部113を綴込みリング25の外側に位置させるように可動部材110を回転させることができるものである。
【0043】
また、上記実施例は可動部材110を回転移動させるものであるも、本発明のバインダーのロック補助装置として、可動部材110をリング固定板21の軸方向に摺動移動させる構成とすることもある。
【0044】
この実施例におけるバインダーのロック補助装置は、僅かに湾曲した平板状の矩形形状とされる上面本体部211を有する可動部材210と固定部材240とを組み合わせるものであって、
図7に示すように、上面本体部211に形成された開口部219に綴込みリング25を通し、固定部材240における挟持部241に沿って上面本体部211の両側に設けられた側壁部235から内側に突出して開口部219の幅を狭くする規制部213を綴込みリング25の外面に接触させるものである。
【0045】
そして、可動部材210を綴じ部20の内側方向に移動させると、
図8及び
図9に示すように、側壁部235から可動部材210の中央への突出量を規制部213よりも小さくして開口部219の幅を広くする開放壁部227を綴込みリング25の位置とし、綴込みリング25を開くことができるようにするものである。
【0046】
この実施例におけるバインダーのロック補助装置200は、
図10に示すように、固定部材240の両側に平行に配置される棒状の挟持部241をリング固定板21の両側に沿わせてリング固定板21に固定されるものであり、挟持部241の中央には下方に突出する中央突起243を有し、中央突起243の内側には内方に突出する係合部245を有してリング固定板21に固定されるものであることは、
図2等に示した前記の実施例と同様である。
【0047】
そして、各挟持部241の両端を各々接続する直線状の棒状体とした連結部251を挟持部241の上方に有して挟持部241の上面を摺接面257とし、連結部251の内側側面を可動規制壁259とするものである。
【0048】
また、一方の連結部251から外方に突出する中央が窪んだ板状の固定部265を有し、該固定部265にビス穴を有してビスにより綴じ部20に固定されることも
図2等に示した実施例と同様である。
【0049】
なお、この実施例においても、固定部265を有することなく、単に、挟持部241によりリング固定板21を両側から強く挟持して係合部245をリング固定板21の下側に位置させることにより、当該ロック補助装置200を綴じ部20の所定位置に固定するように取り付けることもある。
【0050】
さらに、この実施例の可動部材210は、略矩形の上面本体部211の両側から各々下方に垂下する側壁部235を有し、各側壁部235の両端近傍の下方位置から内側に突出する把持突出部237を有し、この把持突出部237を固定部材240の挟持部241下面に摺接させることにより、可動部材210が固定部材240に対して摺接面257に沿って摺動可能としている。
【0051】
そして、上面本体部211の中央に大きく開口する開口部219を有し、該開口部219は摺動方向に直交する方向における開口幅を異ならせ、側壁部235から内側に突出する量の大きな規制部213を形成する位置の開口幅を狭く、側壁部235からの突出量が少ない開放壁部227を有する部分の開口幅を広くし、側壁部235の端部近傍は板状の上面本体部211により左右の側壁部235を接続するようにしている。
【0052】
なお、規制部213の開口部219側の端面は、斜め上方に向けた面とした傾斜部215とし、閉じた状態の綴込みリング25の基部外側に傾斜部215を接触させるようにしている。
【0053】
また、規制部213は、その開口部219側への突出量につき、開放壁部227に隣接する規制部213の開放壁部227側の突出量を僅かに少なくしているものである。
【0054】
このように、このバインダーのロック補助装置200は、固定部材240と可動部材210とにより形成され、固定部材240の両側に平行に配置される棒状の挟持部241に沿って可動部材210を綴じ部20の軸線方向に摺動させるため、可動部材210の摺動移動を容易に行うことができるものである。
【0055】
そして、可動部材210の矩形平板状とした上面本体部211に開口部219を有して綴込みリング25を貫通させるものであって、この開口部219は、閉じた状態の綴込みリング25の基部外側に接する規制部213を側方に有し、この規制部213に隣接させた開放壁部227を有し、摺動方向となる綴じ部20の中心線方向において中心線と直交する方向の幅を規制部213の個所と開放壁部227の個所とで異ならせて開放壁部227の個所の開口部219の幅を広くしているものである。
【0056】
従って、
図7に示したように、上面本体部211の一端を連結部251の内側側面である可動規制壁259に当接して規制部213を綴込みリング25の位置に位置させると、規制部213が綴込みリング25の基部外側に接して綴込みリング25が開くことを阻止することがきる。
【0057】
また、
図8及び
図9に示すように、可動部材210を固定部材240に対して摺動移動させ、上面本体部211の他端を他方の連結部251の可動規制壁259に当接して開放壁部227を綴込みリング25の位置に位置させると、綴込みリング25を開くことができるものである。
【0058】
また、規制部213は、開口部219側の端面に斜め上方に向けた面とする傾斜部215を有するものとしているため、閉じた状態の綴込みリング25の基部外側に傾斜部215を接触させ、綴込みリング25の基部に確実に規制部213を当接させることができるものである。
【0059】
そして、規制部213は開放壁部227に隣接する規制部213の開放壁部227側の突出量を少なくすることにより、規制部213を綴じた綴込みリング25の外側に位置させるに際して規制部213の角が綴込みリング25の外側に当たって移動を阻害することなく、且つ、徐々に突出量が大きくすることにより可動部材210を移動させるにつれて確実に規制部213が綴込みリング25の外側に圧接されることとなる。
【0060】
このため、綴じたリングの外側に規制部213を位置させるように可動部材210を移動させ易くすると共に、規制部213の開放壁部227から離れた位置を綴込みリング25の基部外側に確実に圧接して綴込みリング25の開放を阻止させることができるようにしているものである。
【0061】
さらに、他の実施例は、固定部材を有することなく、可動部材を直接にリング固定板21に摺動可能に取付けるバインダーのロック補助装置300とするものである。
【0062】
この可動部材310は、
図11乃至
図14に示すように、僅かに湾曲した平板状の矩形形状とされる上面本体部311に綴込みリング25が貫通する開口部319を有し、側壁部335から可動部材310の中央に向けて内側に突出して開口部319の幅を異ならせる規制部313と開放壁部327とを上面本体部311に有するものである。
【0063】
この可動部材310は、
図11に示すように、側壁部335でリング固定板21を左右から挟持し、規制部313を綴込みリング25の基部外側に接触させてリングが開くことを阻止し、
図12に示すように、リング固定板21に対して可動部材310を摺動移動させて開放壁部327を綴込みリング25の位置に位置させると、
図13に示すように綴込みリング25を開くことができるものである。
【0064】
このバインダーのロック補助装置300は、
図14(a)の上面斜視図及び
図14(b)の下面斜視図に示すように、上面本体部311の左右両辺から垂下する側壁部335の下端から内方に突出する把持突出部337を有し、側壁部335によりリング固定板21を左右から挟んで把持突出部337をリング固定板21の下側に僅かに食い込ませてリング固定板21に摺動可能に取付けられるものであり、綴込みリング25を開口部319に貫通させて規制部313によりリングが開くことを阻止するものである。
【0065】
そして、このバインダーのロック補助装置300は、可動部材310の開口部319に綴込みリング25を貫通させるようにして側壁部335をリング固定板21の両側に位置させて側壁部335を僅かに開くように強くロック補助装置300をリング固定板21に押し付けて容易に綴じ部20に取り付けることができる。
【0066】
なお、規制部313の開口部319側の端面は斜め上方に向けた傾斜部315として綴込みリング25の基部を安定的に支えると共に、開放壁部327に隣接する規制部313の開放壁部327側の突出量を少なくして綴じたリングの外側に規制部313を位置させるようにロック補助装置300とした可動部材310を移動させ易くすると共に、規制部313の開放壁部327から離れた位置を綴込みリング25の基部外側に確実に圧接させることができるようにしている。
【0067】
また、この実施例は、規制部313を上面本体部311の左右両側に設けているも、
図15乃至
図17に示すように、上面本体部411に設ける開口部319を大きく開口させ、規制部413を一方の側壁部435から突出させるようにすることもある。
【0068】
この規制部を片側に設けるロック補助装置400においても、上面本体部411の両側の側壁部435でリング固定板21を挟み、側壁部435の下端で内側に突出する把持突出部437の先端をリング固定板21の下方に位置させてリング固定板21に対して摺動可能に取付けるものであり、規制部413によりリングの一方が開く様に作動することを防止するものである。
【0069】
なお、リングバインダー10の綴込みリング25は、左右のリング片が同時に開閉動作を行うものである為、リング片の一方の動作を規制することにより綴込みリング25の開閉動作を規制することができる。
【0070】
さらに、可動部材510に規制部513と開放壁部527とを設けるに際し、規制部513の開口部519への突出量を順次少なくして滑らかに規制部513を開放壁部527に連続させることもある。
【0071】
この実施例も、
図18乃至
図21に示すように、僅かに湾曲した平板状の矩形形状とされる上面本体部511に開口部519を有し、開口部519の幅を異ならせる規制部513と開放壁部527とを側壁部535の上端から内側へ突出させているものである。
【0072】
この可動部材510も、
図18に示すように、側壁部535でリング固定板21を左右から挟持し、湾曲形状として突出量を滑らかに変化させた規制部513を綴込みリング25の基部外側に接触させて綴込みリング25が開くことを阻止し、
図19に示すように、リング固定板21に対して可動部材510を摺動移動させて開放壁部527を綴込みリング25の位置に位置させると、綴込みリング25を開くことができるものである。
【0073】
この実施例のバインダーのロック補助装置500は、
図20の上面斜視図や
図21(a)の上面図及び
図21(b)の下面図に示すように、上面本体部511の左右両辺から垂下する側壁部535の下端から内方に突出する把持突出部537を有し、側壁部535によりリング固定板21を左右から挟んで把持突出部537をリング固定板21の下側に僅かに食い込ませてリング固定板21に摺動可能に取付けられるものである。
【0074】
そして、
図18に示したように、綴込みリング25を開口部519に貫通させ、湾曲形状とされ滑らかに突出量を変化させた規制部513の最大突出位置により綴込みリング25が開くことを阻止するものである。
【0075】
更に、規制部513の開口部519側に位置する先端側は、最大突出量の位置には斜め上方に向けた傾斜部515を設けて綴込みリング25の基部を安定的に支えることができるようにしており、また、規制部513の突出量として、開放壁部527から離れた位置の突出量が最大であり、開放壁部527に向かって規制部513の先端形状を滑らかな湾曲状として突出量を順次減少させることにより、規制部513における開放壁部527側の端部を開放壁部527に滑らかに連続させる規制部513の形状としている。
【0076】
このため、
図19に示した綴込みリング25を開いた状態から、綴込みリング25を綴じた後、
図18に示したように規制部513の最大突出位置を綴込みリング25の基部外側に当接させるように可動部材510を移動させることができる。
【0077】
また、この規制部513には、規制部513から側壁部535に至る補助開口部529を設け、規制部513の先端部分を板状の湾曲形状とし、規制部513に弾力性を与えると共に資材の節用を図っている。
【0078】
更に、規制部513が弾力性を有し、規制部513の最大突出量の位置に傾斜部515を設けて綴込みリング25の基部を安定的に支えることができるようにしているため、綴じた状態の綴込みリング25の基部を傾斜部515に嵌める際、規制部513が綴込みリング25の基部によって押し開かれるように僅かに変形し、ロック補助装置500の移動操作に抵抗感を与えつつ操作を容易に行うことができ、傾斜部515が綴込みリング25の位置に達すると抵抗感を無くして移動操作の完了を知らせることができる。
【0079】
また、規制部513の最大突出量の位置に傾斜部515を設けているため、傾斜部515よりも開放壁部527側の規制部513上面側の幅が僅かに狭くなっており、傾斜部515で綴込みリング25の基部外側を支えているとき、リングバインダー10の落下等による衝撃が加わっても、綴込みリング25の基部が傾斜部515から外れるようにロック補助装置500がずれることが無く、規制部513の傾斜部515により綴込みリング25の基部を外側から支持して綴込みリング25が開くことを防止することができる。
【0080】
なお、規制部513の最大突出量の位置には、規制部リブ531を形成するように補助開口部529を規制部513に形成すると共に補助開口部529に並べて切欠き部539を設けているものであって、綴込みリング25の基部外側に規制部513を圧接する状態では、規制部リブ531が綴込みリング25の外側に位置するようにして、規制部513の最大突出位置が変形することを防止し、綴込みリング25が開くことを確実に阻止するようにしている。
【0081】
また、この実施例では、規制部513の側方に移動阻止部533を形成するように開口部519の幅を規制部513の位置よりも狭くして開口部519を可動部材510の端部側に延設し、可動部材510の軸方向長さを確保しつつ資材の節用を図り、また、この移動阻止部533から側壁部535に至る個所にも穴形状の切欠き部539を設け、側壁部535の剛性を確保しつつ、側壁部535ひいては把持突出部537によるリング固定板21への把持力に適宜の弾性力を持たせている。
【0082】
従って、このバインダーのロック補助装置500も、可動部材510の開口部519に綴込みリング25を貫通させるようにして、両側壁部535をリング固定板21の両側に位置させて両側の側壁部535が相互に僅かに開くようにロック補助装置500を強くリング固定板21に押し付けることにより、容易に綴じ部20に取り付けることができるものである。
【0083】
このように本実施例におけるバインダーのロック補助装置は、固定部材の挟持部を相互に僅かに開くようにしてリング固定板21に、また、固定部材を有しないバインダーのロック補助装置は、可動部材の開口部に綴込みリング25を位置させて強くリング固定板21に押し付けて側壁部をリング固定板21の両側に位置させて係合部をリング固定板21の下方に位置させることにより、リングバインダー10のリング固定板21即ち綴じ部20への装着が容易に行えるものである。
【0084】
そして固定部を備えた固定部材を有するバインダーのロック補助装置は、固定部材の挟持部をリング固定板21の両側に位置させて強く押し込み、固定部のビス孔にビスを挿入することにより容易に位置決めを行って取付けることができ、可動体の摺動移動、即ちリングの開放規制と開放規制解除を円滑に行うことができる。
【0085】
そして、規制部413を一つとして綴込みリング25の片方だけでリングの開きを阻止するバインダーのロック補助装置400は、構造を単純として資材を節約することができるものである。
【0086】
なお、上記実施例は、Oリングと呼ばれる綴込みリング25を背表紙15の内側に設けたリングバインダー10としているも、綴込みリングの一部に直線部分を有するDリングと呼ばれる閉じた状態でリング固定板21と略垂直となる直線部分を備えた円環状の綴込みリングが裏表紙に設けられるリングバインダーであっても、リング固定板の綴込みリングの位置に上記実施例のロック補助装置を取り付けることができるものである。
【0087】
また、上記実施例は、綴込みリング25が2個設けられたリングバインダー10にロック補助装置を取り付けたものであるも、このバインダーのロック補助装置100,200,300,400,500は、綴込みリング25が3個又は4個などの2個よりも多い複数個の綴込みリング25を備えるリングバインダーであっても、複数個の綴込みリング25の内の端部に設けられた綴込みリング25など、適宜位置の綴込みリング25に取り付けて使用することもできるものである。