(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示板及びタイミング制御部を含む表示板部、前記タイミング制御部に入力映像信号を伝達する統合制御部、左眼シャッタと右眼シャッタを含むシャッタ部材、及びシャッタタイミング決定部を含む立体映像表示装置において、
前記統合制御部または前記タイミング制御部からの入力映像信号をシャッタ部材制御ソース信号として前記シャッタタイミング決定部に入力する段階、
前記入力映像信号から複数の画素に対する階調を合算して合算値を計算する段階、
シャッタタイミング情報を生成する段階、及び
前記シャッタタイミング情報によって前記シャッタ部材の前記左眼シャッタまたは前記右眼シャッタの1フレームに対する開閉時間を調節する段階
を含み、
前記シャッタタイミング情報を生成する段階は、前記合算値を計算する段階において計算された合算値が大きくなるほど、シャッタタイミング情報の値を大きくなるように、シャッタタイミング情報を生成し、
前記シャッタタイミング情報の値が大きくなるほど、前記左眼シャッタまたは前記右眼シャッタの1フレームに対して開いている時間である開放時間が大きくなる、
立体映像表示装置の駆動方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0021】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。
【0022】
最初に、
図1、
図2及び
図3を参照して、本発明の一実施形態による立体映像表示装置について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置のブロック図であり、
図2は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作を概略的に示す図面であり、
図3は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置のシャッタ部材及びシャッタ部材を制御する部分のブロック図である。
【0024】
図1及び
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による立体映像表示装置は、統合制御部(integration controller)650、映像を表示する表示板部(display panel assembly)100、バックライト制御部950、シャッタ部材(shutter member)60、シャッタタイミング制御部700、及び
図3に示されているシャッタタイミング決定部710を含む。
【0025】
本発明の一実施形態による統合制御部650は、外部から映像情報(DATA)を受信して、入力映像信号(IDAT)、3Dイネーブル信号(3D_En)、3Dタイミング信号(3D_TM)、及び入力映像信号(IDAT)の表示を制御する入力制御信号(CONT1などを生成する。統合制御部650は、入力映像信号(IDAT)、3Dイネーブル信号(3D_En)、及び入力制御信号(CONT1)などを表示板部100のタイミング制御部600に伝達することができ、3Dイネーブル信号(3D_En)及び3Dタイミング信号(3D_TM)をバックライト制御部950に伝達することができる。入力映像信号(IDAT)は、輝度(luminance)情報を含み、輝度は定められた数、例えば、1024(=2
10)、256(=2
8)または64(=2
6)個の階調(gray)を有することができる。3Dイネーブル信号(3D_En)は3Dモードで動作するように指示し、3Dタイミング信号(3D_TM)は3Dモードによる動作のタイミング情報を含んでいる。入力制御信号(CONT1)は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、メインクロック(MCLK)、及びデータイネーブル信号(DE)などを含むことができる。
【0026】
表示板部100は、プラズマ表示装置(plasma display panel、PDP)、液晶表示装置(liquid crystal display)、有機発光表示装置(organic light emitting display)などを含む多様な表示装置のいずれか一つとすることができる。このような多様な表示装置は、この分野の通常の知識を有する者に公知となっている全ての表示装置を含むことができる。
【0027】
本発明の一実施形態による表示板部100は、映像を表示する表示板(displaypanel)300、これに接続されたゲート駆動部400及びデータ駆動部500、これらを制御するタイミング制御部(timing controller)600、及び表示板300に光を供給するバックライト部(backlight unit)900を含む。
【0028】
表示板300は、等価回路から見れば、複数の表示信号線と、これに接続されて、ほぼ行列状に配列された複数の画素(PX)を含む。表示信号線は、ゲート信号(「走査信号」ともいう)を伝達する複数のゲート線(GL1〜GLn)と、データ信号を伝達する複数のデータ線(DL1〜DLm)とを含む。各画素(PX)は、当該ゲート線(GL1、…、GLn)及びデータ線(DL1、…、DLm)に接続されている薄膜トランジスタなどのスイッチング素子(図示せず)と、これに接続された画素電極(図示せず)とを含むことができる。
【0029】
タイミング制御部600は、ゲート駆動部400及びデータ駆動部500などの動作を制御する。タイミング制御部600は、統合制御部650から入力映像信号(IDAT)、3Dイネーブル信号(3D_En)、及び入力制御信号(CONT1)を受信する。タイミング制御部600は、入力映像信号(IDAT)と入力制御信号(CONT1)に基づいて入力映像信号(IDAT)を表示板300の動作条件に合うように適切に処理し、ゲート制御信号(CONT2)及びデータ制御信号(CONT3)などを生成した後、ゲート制御信号(CONT2)をゲート駆動部400に伝送し、データ制御信号(CONT3)と処理した映像信号(DAT)をデータ駆動部500に伝送する。
【0030】
データ駆動部500は、表示板300のデータ線(DL1〜DLm)に接続され、階調電圧生成部(図示せず)からの階調基準電圧を分圧して全体階調に対する階調電圧を生成するか、または複数の階調電圧を外部から受信することができる。データ駆動部500は、データ制御信号(CONT3)によって一行の画素(PX)に対するデジタル映像信号(DAT)を受信し、階調電圧から各デジタル映像信号(DAT)に対応する階調電圧を選択することによって、デジタル映像信号(DAT)をデータ電圧(Vd)に変換した後、これを当該データ線(DL1〜DLm)に印加する。データ電圧(Vd)は左眼データ電圧と右眼データ電圧を含むことができる。
【0031】
ゲート駆動部400は、ゲート線(GL1〜GLn)に接続され、ゲートオン電圧(Von)とゲートオフ電圧(Voff)の組み合わせからなるゲート信号をゲート線(GL1〜GLn)に印加する。ゲート駆動部400は、タイミング制御部600からのゲート制御信号(CONT2)によってゲートオン電圧(Von)をゲート線(GL1〜GLn)に印加して、このゲート線(GL1〜GLn)に接続されたスイッチング素子を導通させる。このことにより、データ線(DL1〜DLm)に印加されたデータ電圧(Vd)が導通したスイッチング素子を通じて当該画素(PX)に印加できる。
【0032】
バックライト部900は、表示板300の裏側に配置してもよく、光源を含む。光源の例としては、CCFL(cold cathode fluorescent lamp)のような蛍光ランプ、及びLED(light emitting diode)などがある。また、バックライト部900は反射板、導光板、輝度向上フィルムなどをさらに含むことができる。
【0033】
表示板部100は、1水平周期(「1H」と記し、水平同期信号(Hsync)及びデータイネーブル信号(DE)の一周期と同一である。)を単位として、全てのゲート線(GL1〜GLn)に対して順次にゲートオン電圧(Von)を印加し、全ての画素(PX)にデータ電圧(Vd)を印加して、1フレーム(frame)の映像を表示する。
【0034】
バックライト制御部950は、統合制御部650から3Dタイミング信号(3D_TM)と3Dイネーブル信号(3D_En)などを受信して、これらに基づいてバックライト制御信号(CONT4)を生成し、これをバックライト部900に伝送する。これとは異なって、バックライト制御部950はタイミング制御部600から制御信号を受信することも可能である。バックライト部900はバックライト制御信号(CONT4)の制御によって所定時間点灯または消灯される。
【0035】
シャッタタイミング決定部710は、統合制御部650からシャッタタイミングイネーブル信号(ST_EN)を受信し、これによって3Dモードが動作するか否かを決定することができる。例えば、シャッタタイミングイネーブル信号(ST_EN)がハイレバルである場合、シャッタタイミング決定部710は動作し、シャッタタイミングイネーブル信号(ST_EN)がローレベルである場合、シャッタタイミング決定部710は動作しない。以下、シャッタタイミングイネーブル信号(ST_EN)がハイレバルである場合を仮定して説明する。
【0036】
シャッタタイミング決定部710は、外部からシャッタ部材制御ソース信号を受信してシャッタ部材60の開閉時間、さらに具体的に、シャッタ部材60の左眼シャッタ及び右眼シャッタの開閉維持時間及び開閉タイミングに対する信号(以下、シャッタタイミング情報という)を生成して、これをシャッタタイミング制御部700に伝達する。シャッタ部材制御ソース信号は、シャッタ部材60のシャッタの開閉時間を定めるベースとなる信号であって、その例としては統合制御部650またはタイミング制御部600から提供される入力映像信号(IDAT)であってもよく、入力映像信号(IDAT)と同期されている別途の制御信号であってもよく、シャッタ部材60の開閉時間に関する外部の命令信号であってもよく、外部照度に関する情報であってよい。シャッタタイミング決定部710は、本発明の種々の実施形態によって統合制御部650の中に配置されるか、または表示板部100に配置されてもよい。シャッタタイミング決定部710を表示板部100に配置する場合、タイミング制御部600の内部に配置することも可能である。
【0037】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態によるシャッタタイミング決定部710は、統合制御部650またはタイミング制御部600からシャッタ部材制御ソース信号として入力映像信号(IDAT)を受信して、これに基づいてシャッタタイミング情報(TIM)を生成することができる。このようなシャッタタイミング決定部710の具体的な構造及び動作については後述する。
【0038】
シャッタタイミング制御部700は、シャッタタイミング決定部710からシャッタタイミング情報(TIM)を受信し、これに基づいてシャッタ部材制御信号(CONT5)を生成する。シャッタタイミング制御部700は、シャッタタイミング決定部710のように統合制御部650の中に配置するか、または表示板部100に配置することができる。シャッタタイミング制御部700を表示板部100に配置する場合、タイミング制御部600の内部に配置することも可能である。
【0039】
シャッタ部材60は、シャッタタイミング制御部700からシャッタ部材制御信号(CONT5)を受信し、これによってシャッタを開閉する。シャッタ部材60は、表示板部100と同期されていてもよい。シャッタ部材60のシャッタの開閉によって使用者は表示板部100が表示する映像を立体と認識することができる。
【0040】
本発明の一実施形態によるシャッタ部材60は、
図2に示した左眼シャッタ(61、61')及び右眼シャッタ(62、62')を含むシャッタ眼鏡とすることができる。しかしシャッタ部材60はこれに限定されず、機械式シャッタ眼鏡(ゴーグル)、光学式シャッタ眼鏡、ヘッドマウント、マイクロ電子機械システム(micro electromechanical system、MEMS)(メムスという)を利用したシャッタからなるシャッタ眼鏡などとすることができる。
【0041】
それでは、このような立体映像表示装置及びシャッタ部材を通じて使用者が立体映像を見る原理について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0042】
図2を参照すれば、表示板部100に示された矢印方向は、ほぼ行方向に延びている複数のゲート線(GL1〜GLn)にゲートオン電圧(Von)が印加される順序を示す。即ち、表示板部100の第1ゲート線(GL1)から最後のゲート線(GLn)までゲートオン電圧(Von)が順次に印加される。
【0043】
本発明の一実施形態によるシャッタ部材60はシャッタ眼鏡であって、左眼シャッタ61、61'と右眼シャッタ62、62'を含む。表示板部100が左眼映像101、102と右眼映像101'、102'を交互に表示すれば、シャッタ部材60の右眼シャッタ62、62'と左眼シャッタ61、61'は表示板部100に同期されて交互に光を遮断する。左眼シャッタ61、61'は、開いた状態の左眼シャッタ61または閉じた状態の左眼シャッタ61'であってもよく、右眼シャッタ62、62'は、閉じた状態の右眼シャッタ62または開いた状態の右眼シャッタ62'であってもよい。例えば、右眼シャッタが開いた状態である間に、左眼シャッタは閉じた状態でありえ、反対に左眼シャッタが開いた状態である間に、右眼シャッタは閉じた状態でありうる。しかし、表示モードによって左眼シャッタと右眼シャッタは全て開くか、または全て閉じた状態でありうる。
【0044】
図2を参照すれば、表示板部100に左眼映像101、102が出力されると、シャッタ部材60の左眼シャッタ61は光が透過する開いた状態となり、右眼シャッタ62は光を遮断する閉じた状態となる。表示板部100に右眼映像101'、102'が出力されると、シャッタ部材60の右眼シャッタ62'は光が透過する開いた状態となり、左眼シャッタ61'は光を遮断する閉じた状態となる。したがって、一定の時間は左側目によってのみ左眼映像が認識され、その後一定の時間は右側目によってのみ右眼映像が認識される。したがって、左眼映像と右眼映像の差によって奥行き感を有する立体映像が認識される。これについて、
図2に示したものを例に挙げて、具体的に説明する。
【0045】
左側目で認識される映像は、N番目フレーム(F(N))の映像であって、四角形の左眼映像101及び三角形の左眼映像102が距離αほど離れている映像である。一方、右側目で認識される映像は(N+1)番目フレーム(F(N+1))の映像であって、四角形の右眼映像101'及び三角形の右眼映像102'が距離βほど離れている映像である。ここで、αとβは互いに異なる値を有することができる。このように両眼で認識される複数の映像間の距離が互いに異なると、四角形の後に三角形が離れていると認識するようになって奥行き感が感じられる。三角形と四角形が離れている距離α及びβを調節して、二つの形状が離れていると感じる距離(奥行き感)を調節することができる。
【0046】
以下、
図4、
図5及び
図6と前述した
図1乃至
図3を共に参照して、本発明の一実施形態による立体映像表示装置のシャッタタイミング決定部を含む構造について説明する。前述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明を省略する。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置のシャッタ部材及びシャッタ部材を制御する部分のブロック図であり、
図5は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置の入力映像信号の階調を合算した値によるシャッタ部材の開閉タイミングを例示的に示したルックアップテーブルであり、
図6は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置のシャッタ部材及びシャッタ部材を制御する部分のブロック図である。
【0048】
まず、
図1、
図3及び
図4を参照すれば、上述した通り、本発明の一実施形態による立体映像表示装置は、シャッタ部材60、シャッタ部材60のシャッタの開閉タイミングを制御するシャッタタイミング制御部700、及びシャッタタイミング制御部700にシャッタタイミング情報(TIM)を提供するシャッタタイミング決定部710を含む。
【0049】
本発明の一実施形態によるシャッタタイミング決定部710は、映像輝度合算部720、レベル指定部730、及びルックアップテーブル740を含む。
【0050】
映像輝度合算部720は、統合制御部650またはタイミング制御部600から入力映像信号(IDAT)を受信して、複数の画素(PX)に対する階調を合算する。例えば、映像輝度合算部720は、1フレームに対する入力映像信号(IDAT)から全ての画素(PX)に対する階調を合算することができる。
図5のルックアップテーブルを参照すれば、画素(PX)が赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)画素を含み、各画素(PX)が表現する階調が0階調から255階調であり、表示板300の解像度(Res)が1920×1080である時、1フレームに対して全ての画素(PX)の階調の合計は、
図5のルックアップテーブルの第2列のように計算できる。この時、計算の便宜のために0階調を1階調にし、255階調を256階調にしており、全てのR、G、B画素(PX)の階調が同一であるとされたが、これに限定されないのは勿論である。
【0051】
ルックアップテーブル740は、全ての画素(PX)の階調の合計をnレベル(nは、2以上の自然数)で分ける。最後のレベルである第nレベルは、全ての画素(PX)の階調値が最高値である場合に該当する。
図5のルックアップテーブルは、全ての画素(PX)の階調の合計を第0レベルから第10レベルまで分けた例を示している。例えば、全ての画素(PX)の階調が全て25.6階調であり、全ての画素(PX)の階調の合計が159252480である場合、映像輝度の合計は第1レベルに指定される。全ての画素(PX)の階調の合計がルックアップテーブル740における第(n−1)レベル(nは、2以上の自然数)に対応する階調の合算値を超え、第nレベルに対応する階調の合算値以下である場合、その階調の合計が第nレベルに属することとされる。あるいは、全ての画素(PX)の階調の合計が、第(n−1)レベルの階調の合算値以上、第nレベルの階調の合算値の未満である場合、全ての画素(PX)の階調の合計が第(n−1)レベルに属することとされてもよい。したがって、例えば、全ての画素(PX)の階調の合計が6220800と159252480の間である場合、第0レベルまたは第1レベルに指定される。
【0052】
映像輝度の合計のレベルの個数(n)は、
図5に示したルックアップテーブルに限定されず、nは無限大となってもよい。nが無限大の場合、全ての画素(PX)の階調の合算値とレベルは互いに一対一対応となって、一次関数のような関数式によって階調の合算値が属するレベルを連続的な値に定めることも可能である。
【0053】
レベル指定部730は、映像輝度合算部720から階調の合算値を受信して、ルックアップテーブル740で階調の合算値に対応するレベルを指定または選択する。このようなレベルの選択によって、レベル指定部730はシャッタ部材60に対するシャッタタイミング情報(TIM)をシャッタタイミング制御部700に伝達する。シャッタタイミング情報(TIM)は、
図5に示したように、シャッタ部材60が開いている時間の比率(%)の値を有することができ、全ての画素(PX)の階調の合算値が大きいほど、シャッタタイミング情報(TIM)の値が大きい。この他、シャッタタイミング情報(TIM)はシャッタ部材60が開く開始点、シャッタ部材60が開いている区間の分布などの情報をさらに含むこともできる。
【0054】
シャッタタイミング制御部700は、シャッタタイミング情報(TIM)によってシャッタ部材60のシャッタの開閉を制御するシャッタ部材制御信号(CONT5)を生成する。本発明の一実施形態によるシャッタ部材制御信号(CONT5)は、入力映像信号(IDAT)の全ての画素(PX)に対する階調の合算値、即ち、表示板300が表示する映像の輝度の合計によってシャッタ部材60のシャッタが開いている時間を制御することができる。
【0055】
図6を参照すれば、本発明の他の実施形態によるシャッタタイミング決定部710は、映像輝度合算部720及びシャッタタイミング計算部750を含む。
【0056】
本実施形態による映像輝度合算部720及びシャッタタイミング制御部700は、前述した
図4に示した実施形態と同一なので、詳細な説明は省略する。シャッタタイミング計算部750は、
図4に示した実施形態で説明した通り、ルックアップテーブル740のレベルの個数が無限大である場合に、全ての画素(PX)の階調の合算値に対応するシャッタタイミング情報(TIM)を、関数式を利用して計算することができる。例えば、シャッタタイミング計算部750は、線形関数などの式によって全ての画素(PX)の階調の合算値に対応するシャッタタイミング情報(TIM)を直接計算可能である。そのために、全ての画素(PX)の階調の合算値が大きいほど、シャッタタイミング情報(TIM)の値は大きい。
【0058】
図7、
図8、
図9及び
図10は、それぞれ本発明の一実施形態による立体映像表示装置の駆動方法を示す波形図であり、
図11及び
図12は、本発明の実施形態による立体映像表示装置のシャッタ部材を通じて見た実際映像の一例である。
【0059】
図1、
図7〜
図10を参照すれば、ゲート駆動部400がゲート線(GL1〜GLn)に順次にゲートオン電圧(Von)を印加し、データ駆動部500がデータ線(DL1〜DLm)にデータ電圧(Vd)を印加すると、表示板300の画素(PX)に当該データ電圧(Vd)が印加されて、当該階調の映像を表示する。データ電圧(Vd)が含む右眼データ電圧(R1)と左眼データ電圧(L1、L2)はフレームごとに交互に入力される。
【0060】
右眼データ電圧(R1)の入力区間と、左眼データ電圧(L1、L2)の入力区間との間には、垂直空白区間(VB)があり、垂直空白区間(VB)ではデータ電圧(Vd)が入力されない。垂直空白区間(VB)は1フレームごとに1つずつ存在するとよい。
【0061】
垂直空白区間(VB)のうちの少なくとも一部の時間の間に、シャッタ部材60の左眼シャッタ及び右眼シャッタのいずれか1つは閉じた状態であり、他の一つは開いた状態であるとよい。また、バックライト部900は、バックライト制御部950からのバックライト制御信号(CONT4)によって、垂直空白区間(VB)の少なくとも一部の時間の間に発光する。例えば、左眼データ電圧(L1、L2)が表示板300に全て入力されると、右眼シャッタは閉じた状態であり、左眼シャッタは開いた状態である。この時、バックライト部900が垂直空白区間(VB)の少なくとも一部時間の間に発光して、左眼シャッタを通じて表示板300に表示された左眼映像が視聴される。右眼データ電圧(R1)が表示板300に全て入力されると、左眼シャッタは閉じた状態であり、右眼シャッタは開いた状態であって、バックライト部900が垂直空白区間(VB)の少なくとも一部時間の間に発光して、右眼シャッタを通じて表示板300に表示された右眼映像が視聴される。
【0062】
バックライト部900は、左眼データ電圧(L1、L2)または右眼データ電圧(R1)の入力が完了した時から予め定められた第1時間(t1)が経過すると点灯される。第1時間(t1)は、左眼シャッタまたは右眼シャッタが完全に閉じる十分な時間であるとよい。即ち、垂直空白区間(VB)で閉じるシャッタが当該垂直空白区間(VB)の開始点で閉じる場合に、そのシャッタが完全に閉じた後にバックライト部900が発光するようにして、左眼映像と右眼映像が重なって見られるクロストーク(crosstalk)現象を防止することができる。第1時間(t1)は、シャッタ部材60の応答速度によって自動または手動で調節可能であり、0であってもよい。例えば、垂直空白区間(VB)で閉じるシャッタが、当該垂直空白区間(VB)の開始点以前に既に閉じている場合、第1時間(t1)は0であってもよい。
【0063】
また、バックライト部900は、当該垂直空白区間(VB)を通過して左眼データ電圧(L1、L2)または右眼データ電圧(R1)が表示板300に入力され始めた後、第2時間(t2)の間にも発光状態を維持することができる。例えば、液晶表示装置のように表示板300にデータ電圧(Vd)が入力されても、液晶分子の応答速度によって表示板300に当該映像が表示されるのが遅くなる場合、バックライト部900が第2時間(t2)の間にさらに発光してもクロストーク現象が現れない。第2時間(t2)は表示板300の表示応答速度によって調節可能であり、0であってもよい。
【0064】
垂直空白区間(VB)をはじめとする全体区間(左眼データ電圧(L1、L2)または右眼データ電圧(R1)が入力される区間を含む)で、シャッタ部材60の左眼シャッタ及び右眼シャッタの開閉状態及び開閉時間は、シャッタ部材制御信号(CONT5)またはシャッタタイミング情報(TIM)によって異なる。これについて、
図7、
図8、
図9及び
図10を参照して具体的に説明する。
【0065】
図7は、全ての画素(PX)の階調の合計が、
図5に示したルックアップテーブルで映像輝度の合計が第0レベルに該当する場合、即ち、シャッタタイミング情報(TIM)が0%である場合、右眼シャッタ及び左眼シャッタの開閉状態を例として示す。この場合、右眼シャッタは、右眼データ電圧(R1)が全て入力された以降の垂直空白区間(VB)の少なくとも一部の間に開いた状態を維持し、左眼シャッタは、左眼データ電圧(L1、L2)が全て入力された以降の垂直空白区間(VB)の少なくとも一部の間に開いた状態を維持することができる。
【0066】
右眼シャッタ及び左眼シャッタは、垂直空白区間(VB)が開始して第3時間(t3)が経過すれば開いて、当該垂直空白区間(VB)でバックライト部900が点灯される前、または同時に開く。また、右眼シャッタ及び左眼シャッタは、バックライト部900が消灯された後の時間である当該垂直空白区間(VB)終了時から第4時間(t4)が経過した時に閉じる。第3時間(t3)及び第4時間(t4)の少なくとも1つは0であってもよい。ただし、
図7に示した内容とは異なり、右眼シャッタ及び左眼シャッタは垂直空白区間(VB)が開始する前に開いてもよく、バックライト部900が消灯される前に閉じてもよい。
【0067】
このように、第0レベルで右眼シャッタまたは左眼シャッタが1つの垂直空白区間(VB)に対応して開いている時間を基準開放時間(reference opening time)(Top_0)という。この場合、シャッタタイミング情報(TIM)の値は0%である。
【0068】
図8は、全ての画素(PX)の階調の合計(または映像輝度の合計)が、
図5に示したルックアップテーブルの第1レベルに該当する場合、即ち、シャッタタイミング情報(TIM)が10%である場合における、右眼シャッタ及び左眼シャッタの開閉状態を例示する。この場合、右眼シャッタ及び左眼シャッタは、1つの垂直空白区間(VB)に対して基準開放時間(Top_0)より長い第1開放時間(Top_1)の間、開いている状態を維持する。この時、左眼シャッタ及び右眼シャッタが開いている区間は、第0レベルで左眼シャッタ及び右眼シャッタが開いている基準開放時間(Top_0)に対応する区間を含むとよい。即ち、第1開放時間(Top_1)は基準開放時間(Top_0)を含むとよい。
【0069】
図9は、
図8のように
図5に示したルックアップテーブルで映像輝度の合計が第1レベルに該当する場合、即ち、シャッタタイミング情報(TIM)が10%である場合の右眼シャッタ及び左眼シャッタの開閉状態の別の一例を示す。しかし、
図9に示した実施例では、1つの垂直空白区間(VB)に対応する左眼シャッタ及び右眼シャッタが開いた区間は少なくとも二区間を含む。即ち、第1レベルに該当する左眼シャッタ及び右眼シャッタの第1開放時間(Top_1)は、基準開放時間(Top_0)と追加開放時間(Top_a)を含む。第1開放時間(Top_0)を構成する基準開放時間(Top_0)及び追加開放時間(Top_a)は所定時間離れていてもよく、追加開放時間(Top_a)は基準開放時間(Top_0)より先に、または後に位置してもよい。追加開放時間(Top_a)は当該垂直空白区間(VB)以前の垂直空白区間(VB)が終了した後、または当該垂直空白区間(VB)の次の垂直空白区間(VB)が開始する前に位置することができる。追加開放時間(Top_a)の長さは、
図5に示したルックアップテーブルの映像輝度の合計のレベルの高さなどの種々の設定により異なって決められる。
【0070】
図9に示した実施形態において、第1開放時間(Top_1)が2つの区間に分れたものを例として説明したが、これに限定されず、追加開放時間(Top_a)は複数の区間に分けられてもよい。
【0071】
次に、
図10は、全ての画素(PX)の階調の合算値が、
図5に示したルックアップテーブルで最後のレベルである第10レベルに該当する場合、即ち、シャッタタイミング情報(TIM)が100%である場合、右眼シャッタ及び左眼シャッタの開閉状態を例として示す。右眼シャッタ及び左眼シャッタは、1つの垂直空白区間(VB)に対応して第10開放時間(Top_10)の間に開いている状態を維持する。第10開放時間(Top_10)は全レベルに対する開放時間のうち最も長くするとよい。例えば、第10開放時間(Top_10)は、
図7に示した基準開放時間(Top_0)に、
図9に示した追加開放時間(Top_a)の10倍を加えた時間であってもよい。第10開放時間(Top_10)は、
図9に示した実施形態による第1開放時間(Top_1)のように時間的に互いに離れている複数の区間に分けられてもよい。
【0072】
この時、第10開放時間(Top_10)が終了する点は、次の垂直空白区間(VB)の開始点から第5時間(t5)前であり、第10開放時間(Top_10)の開始点は、直前の垂直空白区間(VB)が終了した後第6時間(t6)が経過した点である。第5時間(t5)及び第6時間(t6)の少なくとも一つは0であってもよい。
【0073】
このように
図7乃至
図10に示した実施形態によれば、入力映像信号(IDAT)の全ての画素(PX)の階調を合算した合算値をn個のレベルに分けた場合、シャッタタイミング情報(TIM)は、分けられたレベルに比例する値を有することができる。シャッタ部材60の左眼シャッタまたは右眼シャッタは、1フレームに対する1つの垂直空白区間(VB)に対してシャッタタイミング情報(TIM)が大きくなるにつれて長くなるシャッタ開放時間を有することができる。この時、シャッタ部材60の左眼シャッタまたは右眼シャッタの1フレームに対する開放時間は、シャッタタイミング情報(TIM)の値に比例する。
【0074】
シャッタ開放時間は、
図9に示したように、複数の区間に分けられてもよい。第nレベルに対応するシャッタタイミング情報(TIM)によるシャッタの開放時間(例えば、第n開放時間)は、第(n−1)レベルに対応するシャッタタイミング情報(TIM)によるシャッタ開放時間(例えば、第(n−1)開放時間)より長くするとよい。第n開放時間に対応する区間は基準開放時間(Top_0)に対応する区間を含むとよく、基準開放時間(Top_0)を基準として第n開放時間が拡張された方向及びその長さは自由に決められる。また、隣接するレベルのシャッタ開放時間の差を追加開放時間とした時、追加開放時間は全てのレベルにわたって一定であるとよい。
【0075】
nが無限大である場合、シャッタタイミング情報(TIM)は全ての画素(PX)の階調の合算値に比例する値を有することができ、シャッタ部材60のシャッタが1つの垂直空白区間(VB)に対して開いているシャッタ開放時間は、シャッタタイミング情報(TIM)の値に比例する。
【0076】
このように、表示板300の全ての画素(PX)の階調の合算値、即ち、表示板300が表示する映像の輝度の合計によってシャッタ部材60のシャッタが開く時間を制御することによって、シャッタ部材60で表示板300を見る時、共に見られる表示板300周辺の輝度が映像の輝度によって変化されるので、現実感と躍動感がさらに向上した立体映像を楽しめる。
【0077】
図11を参照すれば、表示板300に表示される映像が、例えば、洞窟の中または夜のように相対的に暗い輝度を有する場合、シャッタタイミング情報(TIM)も映像の輝度に比例して相対的に小さい値を有し、シャッタ部材60のシャッタが開いている時間もシャッタタイミング情報(TIM)に比例して相対的に短くなるように制御される。したがって、シャッタの開いた時間が基準開放時間(Top_0)、またはそれに近い時間を有するように制御されて、シャッタ部材60を通じて見られる表示板300周辺の輝度も低く視認される。このことにより、立体映像表示装置の使用者が実際の洞窟に入ってきたような感じを与えたり、実際の夜であるような感じを与えたりして、立体映像の現実感を増加させることができる。
【0078】
図12を参照すれば、表示板300に表示される映像が相対的に明るい輝度を有する場合、シャッタタイミング情報(TIM)も映像の輝度に比例して高い値を有し、シャッタ部材60のシャッタが開いている時間もシャッタタイミング情報(TIM)に比例して相対的に長くなるように制御される。このことにより、シャッタ部材60を通じて見られる表示板300周辺の輝度も高く視聴される。したがって、使用者に実際に明るい場所に居るような感じを与えることができる。
【0079】
このように表示板300に表示される映像の輝度が高い時、シャッタ部材60を通じて見られる表示板300周辺の輝度を高く視聴されるようにし、表示板300に表示される映像の輝度が低い時、シャッタ部材60を通じて見られる表示板300周辺の輝度を低く視聴されるようにして、立体映像表示の効果をさらに高め、現実感を加えることができる。
【0080】
本発明の一実施形態において、バックライト部900が垂直空白区間(VB)の少なくとも一部時間の間に主に発光し、データ電圧(Vd)が入力される間の大部分の時間は消灯されているので、消費電力が節減される。
【0081】
以上、説明した実施形態においては、シャッタタイミング決定部710で入力映像信号(IDAT)の全ての画素(PX)に対する階調を合算してシャッタタイミング情報(TIM)を生成することと説明したが、これに限定されず、一部画素(PX)に対する階調を合算した値に基づいてシャッタ部材60のシャッタの開閉時間を制御することもできる。この時、一部画素(PX)は表示板300の中央部分に位置する複数の画素(PX)であってもよい。
【0082】
次に、
図13及び
図14をそれぞれ参照して、本発明の一実施形態による立体映像表示装置について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明を省略する。
【0083】
図13及び
図14は、それぞれ本発明の一実施形態による立体映像表示装置のシャッタ部材及びシャッタ部材を制御する部分のブロック図である。
【0084】
図13に示した実施形態によれば、シャッタタイミング決定部710は統合制御部650から周辺輝度制御信号(AL_DAT)を受信して、シャッタタイミング情報(TIM)を生成する。周辺輝度制御信号(AL_DAT)は表示板300の周辺輝度に対する情報であって、映像製作者または使用者などによって選択でき、入力映像信号(IDAT)の階調と無関係に選択できる。即ち、周辺輝度制御信号(AL_DAT)は、入力映像信号(IDAT)による映像の変化によって、または映像製作者などの意図によって変化される周辺輝度に関する情報を伝達する信号であるとよい。周辺輝度制御信号(AL_DAT)は、毎フレームの入力映像信号(IDAT)に追加のビットを有して割り当てられていてもよく、入力映像信号(IDAT)の毎フレームに同期されている別個の信号であってもよい。
【0085】
シャッタタイミング決定部710は、周辺輝度制御信号(AL_DAT)に対応する映像輝度のレベル及びシャッタタイミング情報(TIM)を選択して、これをシャッタタイミング制御部700に伝送する。この時、シャッタタイミング決定部710は、ルックアップテーブル741を利用してシャッタタイミング情報(TIM)を選択することができ、線形関数式を利用してシャッタタイミング情報(TIM)を計算することもできる。ルックアップテーブル741を利用する場合、ルックアップテーブル741はシャッタタイミング決定部710の内部、または外部に位置することができる。
【0086】
図13に示した実施形態によれば、映像製作者だけでなく、立体映像表示装置の使用者も、周辺輝度制御信号(AL_DAT)を通じて直接表示板300周辺の明るさを調節することで、好みに合うように立体映像を楽しめる。
【0087】
図14に示した実施形態による立体映像表示装置は、照度センサー30及び照度センサー30からの信号をA/D変換するA/D変換部32をさらに含む。統合制御部650に配置できる照度センサー30は、周辺輝度を感知して感知信号を生成し、これをA/D変換部32に伝送する。A/D変換部32は、周辺輝度に対する感知信号をA/D変換してデジタル信号である周辺輝度情報を生成し、これをシャッタタイミング決定部710に伝送する。シャッタタイミング決定部710は、周辺輝度情報を受信してシャッタタイミング情報(TIM)を生成する。この時、シャッタタイミング決定部710は、周辺輝度情報に対応するシャッタタイミング情報(TIM)をルックアップテーブル742で選択することができ、周辺輝度情報を変数とする関数式を利用してシャッタタイミング情報(TIM)を計算することも可能である。ルックアップテーブル742を利用する場合、ルックアップテーブル742はシャッタタイミング決定部710の内部、または外部に配置することができる。
【0088】
図14に示した実施形態によれば、立体映像表示装置の表示板300が位置する周辺輝度に応じて、能動的にシャッタ部材60のシャッタの開閉時間を調節して、シャッタ部材60を通じて見られる周辺輝度を制御することができる。例えば、周辺輝度が高すぎる場合、シャッタ部材60のシャッタの開放時間を小さく減らすことで、シャッタ部材60を通じて見られる周辺輝度を適当に調節することができる。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。