(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
保存すべき対象データを生成するデータ生成装置と、前記データ生成装置と通信可能な携帯端末と、前記対象データを管理するデータ管理サーバとを含む、データ管理システムであって、
前記携帯端末は、
前記対象データを前記データ生成装置から受け取ることができる対象データ準備部と、
位置を表す位置データを準備することができる位置データ準備部と、
前記対象データと、前記位置データを、前記データ管理サーバに送信することができるデータ中継部と、を備え、
前記データ管理サーバは、
前記携帯端末ごとに、前記対象データを前記位置データと対応づけて保存することができるデータ保存部と、
前記携帯端末から所定条件の前記対象データのダウンロード要求があった場合に、前記対象データおよび前記対象データに対応づけられている前記位置データの組合せであって前記所定条件を満足する組合せを、ダウンロードさせることができるダウンロード管理部と、を備える、データ管理システム。
保存すべき対象データを生成するデータ生成装置と、前記データ生成装置と通信可能な携帯端末と、前記対象データを管理するデータ管理サーバとを使用して、データを管理する方法であって、
(a)前記携帯端末が、前記対象データを前記データ生成装置から受け取る工程と、
(b)前記携帯端末が、位置を表す位置データを準備する工程と、
(c)前記携帯端末が、前記対象データと、前記位置データを、前記データ管理サーバに送信する工程と、
(d)前記データ管理サーバが、前記携帯端末ごとに、前記対象データを前記位置データと対応づけて保存する工程と、
(e)前記データ管理サーバが、前記携帯端末から所定条件の前記対象データのダウンロード要求があった場合に、前記対象データおよび前記対象データに対応づけられている前記位置データの組合せであって前記所定条件を満足する組合せを、ダウンロードさせる工程と、を備える、データ管理方法。
保存すべき対象データを生成するデータ生成装置と、前記データ生成装置と通信可能な携帯端末と、前記対象データを管理するデータ管理サーバとにおいて、データを管理するためのコンピュータプログラムであって、
前記携帯端末において実行され、
前記対象データを前記データ生成装置から受け取る機能と、
位置を表す位置データを準備する機能と、
前記対象データと、前記位置データを、前記データ管理サーバに送信する機能と、
を前記携帯端末に実現させるプログラムと、
前記データ管理サーバにおいて実行され、
前記携帯端末ごとに、前記対象データを前記位置データと対応づけて保存する機能と、
前記携帯端末から所定条件の前記対象データのダウンロード要求があった場合に、
前記対象データおよび前記対象データに対応づけられている前記位置データの組合せであって前記所定条件を満足する組合せを、ダウンロードさせる機能と、
を前記データ管理サーバに実現させるプログラムと、を含む、コンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.第1実施形態:
A1.データ管理システムの構成:
図1は、本発明の実施形態としてのデータ管理システム1000を示す図である。データ管理システム1000は、データ生成装置100としてのカーナビゲーション装置100A、パーソナルコンピュータ100B、およびデジタルスチルカメラ100Cと、携帯端末200としてのスマートフォン200A,200Bと、データ管理サーバ300と、を備える。データ生成装置100と携帯端末200とは、有線接続または無線接続により、データ通信を行うことができる。携帯端末200とデータ管理サーバ300とは、無線接続およびインターネットを介することにより、データ通信を行うことができる。
【0019】
カーナビゲーション装置100Aは、自動車に搭載されて、ユーザに対して経路案内を行う装置である。カーナビゲーション装置100Aは、GPSユニット110Aと、コマンド入力部120Aと、表示パネル130Aと、音声出力部140A、短距離通信部150Aと、メモリ160Aと、それらを制御する制御部180Aとを備える。
【0020】
GPSユニット110Aは、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット110Aは、カーナビゲーション装置100Aの現在位置を表す原位置データセットを生成することができる。原位置データセットは、カーナビゲーション装置100Aの位置を表す原位置データと、原位置データが表す位置の精度を表す原精度データと、原位置データが生成された時刻を表す原時刻データと、を含む。
コマンド入力部120Aは、カーソルキーおよび確定キーを含む。ユーザは、カーソルキーおよび確定キーを介してカーナビゲーション装置100Aに情報を入力する。
【0021】
表示パネル130Aは、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部140Aは、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。短距離通信部150Aは、ブルートゥースによる短距離通信により、スマートフォン200A,200Bとデータ通信をすることができる。なお、本明細書において、「短距離通信」とは、通信機器間の距離が、所定の距離(たとえば100m未満)よりも近い場合に通信を行うことを想定した通信規格に沿った通信をいう。「短距離通信」には、Bluetooth(登録商標)、IrDAが含まれる。
【0022】
メモリ160Aは、様々なデータを格納する。たとえば、メモリ160Aは、カーナビゲーション装置100Aの機種を表す機種データを格納している。
【0023】
パーソナルコンピュータ100Bは、ユーザが携帯することが可能ないわゆるラップトップコンピュータである。パーソナルコンピュータ100Bは、アプリケーションソフトウェアを実行されることにより、さまざまなデータを生成することができる。パーソナルコンピュータ100Bは、コマンド入力部120Bと、表示パネル130Bと、音声出力部140B、短距離通信部150Bと、メモリ160Bと、それらを制御する制御部180Bとを備える。
【0024】
コマンド入力部120Bは、いわゆるキーボードおよびマウスを含む。ユーザは、キーボードおよびマウスを介してパーソナルコンピュータ100Bに情報を入力する。
【0025】
表示パネル130Bは、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部140Bは、スピーカを含む装置であって、音声を出力できる装置である。短距離通信部150Bは、ブルートゥースによる短距離通信により、スマートフォン200A,200Bとデータ通信をすることができる。
【0026】
メモリ160Bは、様々なデータを格納する。たとえば、メモリ160Bは、パーソナルコンピュータ100Bの機種を表す機種データを格納している。メモリ160Bは、揮発性および不揮発性の半導体メモリと、ハードディスクとを含む呼称である。
【0027】
デジタルスチルカメラ100Cは、外部の情景を撮影することにより、さまざまな静止画データおよび動画データを生成することができる。デジタルスチルカメラ100Cは、撮像部105Cと、コマンド入力部120Cと、表示パネル130Cと、音声出力部140C、短距離通信部150Cと、メモリ160Cと、それらを制御する制御部180Cとを備える。
【0028】
撮像部105Cは、外部の光を取り込む光学ユニットと、撮像素子とを備える。撮像部105Cは、光学ユニットを介して取り込んだ光を電気信号に置き換えることにより、静止画データおよび動画データを生成する。
【0029】
表示パネル130Cは、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部140Cは、スピーカを含む装置であって、音声を出力できる装置である。短距離通信部150Cは、USB(Universal Serial Bus)による有線接続により、スマートフォン200A,200Bとデータ通信をすることができる。
メモリ160Cは、様々なデータを格納する。たとえば、メモリ160Cは、デジタルスチルカメラ100Cの機種を表す機種データを格納している。
【0030】
スマートフォン200Aは、携帯電話回線網を通じて他の電話と音声データ通信をすることができ、かつ、データ通信網を介して外部とデータ通信をすることができる。スマートフォン200Aは、撮像部205Aと、GPSユニット210Aと、コマンド入力部220Aと、表示パネル230Aと、音声出力部240A、通話制御部245A、短距離通信部250Aと、長距離通信部255Aと、メモリ260Aと、それらを制御する制御部280Aとを備える。
【0031】
撮像部205Aは、外部の光を取り込む光学ユニットと、撮像素子とを備える。撮像部205Aは、光学ユニットを介して取り込んだ光を電気信号に置き換えることにより、静止画データおよび動画データを生成する。
【0032】
GPSユニット210Aは、GPSの衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット210Aは、スマートフォン200Aの現在位置を表す中継位置データセットを生成することができる。中継位置データセットは、スマートフォン200Aの位置を表す中継位置データと、中継位置データが表す位置の精度を表す中継精度データと、現在時刻を表す中継時刻データと、を含む。
コマンド入力部220Aは、タッチパネルおよび確定キーを含む。ユーザは、タッチパネルおよび確定キーを介してスマートフォン200Aに情報を入力する。
【0033】
表示パネル230Aは、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部240Aは、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。通話制御部245Aは、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0034】
スマートフォン200Aは、ブルートゥース接続部252Aと、USB接続部254Aとを備える。ブルートゥース接続部252Aは、ブルートゥースによる短距離通信により、カーナビゲーション装置100A、パーソナルコンピュータ100Bと通信をすることができる。USB接続部254Aは、USBによる有線接続により、デジタルスチルカメラ100Cとデータ通信をすることができる。本明細書では、スマートフォン200Aの機能部としてのブルートゥース接続部252AとUSB接続部254Aとをまとめて、「短距離通信部250A」と呼ぶ。
【0035】
長距離通信部255Aは、携帯電話会社や他のデータ通信サービス業者が提供するデータ通信網、およびインターネットを介して、データ管理サーバ300とデータ通信をすることができる。カーナビゲーション装置100Aの短距離通信部150A、パーソナルコンピュータ100Bの短距離通信部150B、およびスマートフォン200Aの短距離通信部250A(ブルートゥース接続部252A)は、最大100m程度の距離における通信を想定し相手との直接通信を行うブルートゥースを利用する。また、デジタルスチルカメラ100Cの短距離通信部150Cや、スマートフォン200Aの短距離通信部250A(USB接続部254A)は、USBケーブルによる相手との有線接続を要する。これらの相手との直接的な通信を行う通信部に対して、データ通信網およびインターネットを介して通信を行う通信部255Aを、「長距離通信部255A」と呼ぶ。
【0036】
メモリ260Aは、様々なデータを格納する。たとえば、メモリ260Aは、スマートフォン200Aの機種を表す機種データを格納している。また、メモリ260Aは、データ管理システム1000において、スマートフォン200Aに固有に割り当てられた識別情報(たとえば、ID:12345678)を表す識別データを格納している。
【0037】
スマートフォン200Bの構成は、スマートフォン200Aの構成と略同様である。スマートフォン200Aの各構成には、末尾にAを有する符号が付されている。スマートフォン200Aの各構成にそれぞれスマートフォン200Bの構成には、末尾にAに代えてBを有する符号を付して
図1において示す。
【0038】
ただし、スマートフォン200Bの機種はスマートフォン200Aの機種とは異なる。また、スマートフォン200Bが利用するデータ通信網を提供する携帯電話会社は、スマートフォン200Aが利用するデータ通信網を提供する携帯電話会社とは異なる。このため、スマートフォン200Bのメモリ260Bに格納されている機種データが表す情報は、スマートフォン200Aのメモリ260Aに格納されている機種データが表す情報とは異なっている。また、スマートフォン200Bがデータ通信網を介してデータ管理サーバ300に送信する中継位置データセットは、スマートフォン200Aがデータ通信網を介してデータ管理サーバ300に送信する中継位置データセットとは、データ形式が異なる。
【0039】
さらに、携帯端末200には、それぞれ固有の識別情報が付与されるため、スマートフォン200Bのメモリ260Bに格納されている識別データが表す情報(たとえば、ID:56789012)は、スマートフォン200Aのメモリ260Aに格納されている識別データが表す情報(たとえば、ID:12345678)とは異なっている。他の点については、スマートフォン200Bの各部の機能およびその機能を奏するための構成は、スマートフォン200Aの対応する構成と同じである。
【0040】
データ管理サーバ300は、携帯端末200としてのスマートフォン200A,200Bから送られてきたデータを蓄積し、スマートフォン200A,200Bを介したデータ送信要求(ダウンロード要求)に応じて、蓄積したデータから所定のデータを選択して、指定されたダウンロード先にダウンロードさせる。データ管理サーバ300は、通信部355と、メモリ360と、それらを制御する制御部380とを備える。
【0041】
通信部355は、インターネットを介して、携帯端末200としてのスマートフォン200A,200Bとデータ通信をすることができる。メモリ360は、スマートフォン200A,200Bから送られてきたデータを蓄積する。
【0042】
なお、本実施形態の「カーナビゲーション装置100A」、「パーソナルコンピュータ100B」、および「デジタルスチルカメラ100C」が、「課題を解決するための手段」における「データ生成装置」に相当する。「スマートフォン200A,200B」が「携帯端末」に相当する。「データ管理サーバ300」が「データ管理サーバ」に相当する。
【0043】
A2.カーナビゲーション装置からのデータのアップロード:
図2は、カーナビゲーション装置100Aからデータ管理サーバ300にデータのアップロードを行う際の処理を示す図である。スマートフォン200Aは、自己の周囲の所定の範囲(たとえば、半径3m以内の範囲)にあるブルートゥース接続が可能な機器を、所定の時間間隔(たとえば、1分ごと)で繰り返し検出している。スマートフォン200Aのユーザがスマートフォン200Aを携帯して、カーナビゲーション装置100Aが搭載された自動車に乗り込むと、スマートフォン200Aはブルートゥース接続が可能な機器としてカーナビゲーション装置100Aを検出する(S205)。
【0044】
所定の時間(たとえば3分)以上、カーナビゲーション装置100Aが接続可能な機器として引き続いて検出された場合には、その後、スマートフォン200Aとカーナビゲーション装置100Aとは、接続処理を行う(S210,S110a)。その結果、スマートフォン200Aとカーナビゲーション装置100Aとは、短距離通信部250Aと短距離通信部150Aにより相互にデータ通信が可能な状態となる。
【0045】
このように、スマートフォン200Aを携帯してユーザが出かけた先の機器100と、そのスマートフォン200Aとが自動的に接続状態となることにより、ユーザによる煩雑な接続手続きを経ることなく、出かけた先の機器100のデータをスマートフォン200Aを介してデータ管理サーバ300にアップロードできる状態にすることができる。
【0046】
また、上記態様においては、スマートフォンとデータ生成装置とが短距離通信により接続される。このため、ユーザが使用していると推定される機器のみを、携帯端末200としてのスマートフォン200Aに接続することができる。なお、携帯端末200としてのスマートフォン200Aは、短距離通信が可能な機器の検出の際の出力を適切に設定することにより、自己の周囲の所定の範囲(たとえば、半径3m以内の範囲)に限定して、短距離通信が可能な機器を検出することができる。
【0047】
さらに、上記態様においては、いったん短距離通信が可能な機器を検出しても、所定の時間以上、引き続いて検出されない場合には、接続状態とはしない。このため、短距離通信が可能な機器のそばをユーザが通り過ぎただけの場合や、短距離通信が可能な機器を持った他人がユーザのそばを通り過ぎただけの場合に、スマートフォンとその機器が接続されてしまい、他人のデータがデータ管理サーバにアップロードされてしまう可能性が低い。
【0048】
その後、カーナビゲーション装置100Aがルートガイドを開始すると、カーナビゲーション装置100Aの制御部180Aは、GPSユニット110Aを使用して、原位置データセットを所定の時間間隔(たとえば、1秒間隔)でメモリ160Aに記録する(S115a)。原位置データセットは、カーナビゲーション装置100Aの位置を表す原位置データと、原位置データが表す位置の精度を表す原精度データと、原位置データが生成された時刻を表す原時刻データと、を含む。
【0049】
なお、ステップS115aにより原位置データセットに含まれる原位置データを生成するカーナビゲーション装置100Aの制御部180Aの機能部を、位置データ生成部182Aとして
図1に示す。
【0050】
なお、
図2のステップS205,S210,S110aの処理と、ステップS115aの処理は、互いに前後しうる。すなわち、スマートフォン200Aとカーナビゲーション装置100Aとが相互にデータ通信が可能な状態となる前に、カーナビゲーション装置100Aにおいて、原位置データセットの記録が開始されてもよい。
【0051】
カーナビゲーション装置100Aの制御部180Aは、原位置データセットの生成間隔よりも長い所定の時間間隔(たとえば、1分間隔)で、それまでに記録した原位置データセットのうち、まだデータ管理サーバ300に送信していない原位置データセットを、データ管理サーバ300に向けて送信する(S120a)。より具体的には、カーナビゲーション装置100Aの制御部180Aは、カーナビゲーション装置100Aのメモリ160Aに格納された機種データ、および宛先としてのデータ管理サーバ300を表すデータとともに、原位置データセットを、短距離通信部150Aを介してスマートフォン200Aに送信する。
【0052】
なお、ステップS120aにより原位置データをスマートフォン200Aに送信するカーナビゲーション装置100Aの制御部180Aの機能部を、データ送信部184Aとして
図1に示す。
【0053】
スマートフォン200Aの制御部280Aは、短距離通信部250Aを介して、カーナビゲーション装置100Aから、カーナビゲーション装置100Aの機種データと、宛先を表すデータと、原位置データセットとを受信する(S220)。そして、スマートフォン200Aの制御部280Aは、カーナビゲーション装置100Aの機種データと原位置データセットとを改変することなく、さらに、スマートフォン200Aの識別データを付して、指定された宛先であるデータ管理サーバ300に送信する(S225)。より具体的には、各データは、スマートフォン200Aの長距離通信部255Aを介して、データ管理サーバ300に送信される。
【0054】
データ管理サーバ300の制御部380は、通信部355を介して、カーナビゲーション装置100Aの機種データと、原位置データセットと、スマートフォン200Aの識別データとを受信する(S325)。
【0055】
なお、ステップS220により原位置データセットに含まれる原時刻データを準備するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部を、対象データ準備部282Aとして
図1に示す。また、ステップS220により原位置データセットに含まれる原位置データを準備するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部を、位置データ準備部284Aとして
図1に示す。そして、ステップS225により原位置データセットに含まれる原時刻データおよび原位置データをデータ管理サーバ300に送信するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部を、データ中継部286Aとして
図1に示す。また、そして、ステップS325によりカーナビゲーション装置100Aが生成した原位置データセットの原位置データを受け取るデータ管理サーバ300の制御部380の機能部を、データ受信部386として
図1に示す。
【0056】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、カーナビゲーション装置100Aの機種データと、原位置データセットと、スマートフォン200Aの識別データとを、統一した形式のデータに変換する(S330)。この「統一した形式」とは、カーナビゲーション装置100Aの機種やスマートフォン200Aの機種、さらに利用されたデータ通信網の提供業者によらない形式である。なお、原位置データセットの統一形式への変換の際には、カーナビゲーション装置100Aの機種データが参照される。
【0057】
たとえば、カーナビゲーション装置100Aは、原位置データとして、各時刻における位置(緯度と経度)の情報を生成し、スマートフォン200Aに送信する(
図2のステップS115a,S120a)。しかし、他のあるカーナビゲーション装置は、原位置データとして、経路案内を行う際に使用される経路ネットワークデータのリンクが有するリンクIDおよびノードが有するノードIDの集合を生成し、外部(たとえば、スマートフォン200B)に送信する。この場合には、リンクIDおよびノードIDの集合が、携帯端末200を介して、原位置データとしてデータ管理サーバ300に送信される(
図2のステップS225参照)。
【0058】
ここで、経路案内に使用される経路ネットワークデータは、ノード情報とリンク情報とを含む。ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表す情報である。各ノードには固有のIDが割り当てられている。各ノード情報は、対応するノードの地点の緯度および経度の情報を含んでいる。リンク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるリンクに関する情報である。各リンクには固有のIDが割り当てられている。各リンク情報は、それぞれのリンクに含まれる多数の地点の緯度および経度の情報を含んでいる。したがって、各時刻におけるリンクIDとノードIDの少なくとも一方を特定することによって、各時刻においてそのカーナビゲーション装置がいた場所を特定することができる。ただし、リンクIDおよびノードIDと位置との対応関係は、経路ネットワークデータを生成したメーカによって異なる。
【0059】
データ管理サーバ300の制御部380は、カーナビゲーション装置100Aの機種データを参照して、原位置データセットを、統一した形式のデータに変換する(S330)。ここでは「統一した形式」のデータが表す位置情報は、世界測地系(The Japanese Geodetic Datum 2000)にしたがって緯度と経度で位置を表す情報であるものとする。受信した原位置データセットが、原位置データとして、経路ネットワークデータのリンクIDおよびノードIDの集合を含むものである場合にも、制御部380は、その原位置データを生成したカーナビゲーション装置の機種データを参照して、原位置データを、世界測地系による緯度と経度で位置を表す位置情報に変換する。その際、機種データに基づいて、カーナビゲーション装置の機種に応じた変換処理が行われることにより、ノードIDおよびリンクIDは、位置情報に変換される。
【0060】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、原位置データセットに含まれる原時刻データが表す時刻情報と、同じく原位置データセットに含まれる原位置データが表す位置情報と、機種データが表すカーナビゲーション装置100Aの機種情報とを、スマートフォン200Aの識別データが表す識別情報ごとに、メモリ360に記録する(S335)。
【0061】
なお、ステップS330,S335により原時刻データと原位置データとを対応づけて保存するデータ管理サーバ300の制御部380の機能部を、データ保存部382として
図1に示す。
【0062】
カーナビゲーション装置100Aがルートガイドを行っている間、ステップS115a,S120a,S220,S225,S325〜S335の処理が繰り返される。
【0063】
図3は、データ管理サーバ300のメモリ360に蓄積された識別情報ごとのデータの内容を示す表である。最上段の行R1に示すように、
図3の最前部に示すデータは、識別情報としてのID:12345678を有するスマートフォン200Aについてのデータである。スマートフォン200Aのデータとして、日付と時刻を表す時刻情報C1(たとえば、最上段の2012.3.1, 12:32:01)、緯度と経度を表す位置情報C2(たとえば、最上段の(X1, Y1))、データを生成した装置の機種情報C3(たとえば、カーナビゲーション装置100Aの機種名である最上段のCM-GP510VP)が格納されている。その下、2行分のデータも、機種情報が「CM-GP510VP」であることから分かるように、カーナビゲーション装置100Aから送信されたデータに関連するデータである。なお、右端列の生成データについては、後に説明する。
図3において横方向に並んで配されているデータは、データ管理サーバ300において、互いに関連づけられて格納されているデータである。
【0064】
なお、以上では、データ管理サーバ300は、スマートフォン200Aからデータを受信し保存しているが、同様の処理により、他の携帯端末200(たとえば、スマートフォン200B)からもデータを受信し保存することができる。
図3の前から2個目に示すデータは、識別情報としてのID:56789012を有するスマートフォン200Bについてのデータである。
【0065】
このような態様においては、ユーザが通常、他人に携帯させることなく自己のために携帯するスマートフォンを介して、データがデータ管理サーバ300にアップロードされる。そして、データ管理サーバ300が、各スマートフォンに固有に割り当てられた識別情報ごとにデータを保存し、管理する。このため、複数人で共有する自動車に取りつけられたカーナビゲーション装置100Aが生成するデータであっても、データ管理サーバ300において、ユーザ個人の単位でそのデータを管理することができる。
【0066】
なお、上記の態様においては、位置情報の精度などによらず、スマートフォン200AのGPSユニット210Aが生成した位置データの情報ではなく、カーナビゲーション装置100AのGPSユニット110Aを保存している。このため、同じ機器が生成した位置データを時系列的記録することができる(
図3の上段3行のデータ参照)。言い換えれば、断続的で不自然はない、連続的な位置情報を記録することができる。また、スマートフォン200AのGPSユニット210Aが生成した位置データの情報を記録する場合に比べて、実際にカーナビゲーション装置100Aが移動した場所に近い厳密な情報を記録することができる。
【0067】
なお、本実施形態のカーナビゲーション装置100Aの「位置データ生成部182A」が「課題を解決するための手段」における「位置データ生成部」に相当する。「データ送信部184A」が「データ送信部」に相当する。スマートフォン200Aの「データ中継部286A」が「データ中継部」に相当する。「対象データ準備部282A」が「対象データ準備部」に相当する。「位置データ準備部284A」が「位置データ準備部」に相当する。データ管理サーバ300の「データ受信部386」が「データ受信部」に相当する。「データ保存部382」が「データ保存部」に相当する。
【0068】
A3.パーソナルコンピュータからのデータのアップロード:
図4は、パーソナルコンピュータ100Bからデータ管理サーバ300にデータのアップロードを行う際の処理を示す図である。なお、
図4においては、
図3中の特定の処理と対応する処理に対しては、
図3のその特定の処理と同じ番号を付す。ただし、カーナビゲーション装置100Aが行う処理の符号については、その末尾に「a」を付していたのに対して、パーソナルコンピュータ100Bが行う処理の符号については、その末尾に「b」を付す。
【0069】
スマートフォン200Aのユーザがスマートフォン200Aを携帯して、パーソナルコンピュータ100Bの前に座ると、スマートフォン200Aは、
図2のステップS205と同様の処理により、ブルートゥース接続が可能な機器としてパーソナルコンピュータ100Bを検出する(S205)。以下、S210,S110bの処理は、
図2のS210,S110aの処理と同じである。その結果、スマートフォン200Aとパーソナルコンピュータ100Bとは、相互にブルートゥースによるデータ通信が可能な状態となる。
【0070】
一方、ユーザは、パーソナルコンピュータ100Bのコマンド入力部120Bを介して、パーソナルコンピュータ100Bで実行されているアプリケーションソフトウェアを操作し、所定のデータ(たとえば、B_spec01.doc)を生成して、メモリ160Bに格納する(S115b)。なお、このようにデータ生成装置100で生成されアップロードの対象となるデータを、本明細書において「生成データ」という。
【0071】
なお、S205,S210,S110bの処理と、S115bの処理は、互いに前後しうる。すなわち、スマートフォン200Aとパーソナルコンピュータ100Bとが相互にデータ通信が可能な状態となる前に、パーソナルコンピュータ100Bにおいて、データが生成され記憶されてもよい。
【0072】
パーソナルコンピュータ100Bの制御部180Bは、コマンド入力部120Bを介して、ユーザから所定のデータのアップロードの指示を受けると、指示されたデータ(たとえば、B_spec01.doc)を、データ管理サーバ300に向けて送信する(S120b)。ステップS120bでは、パーソナルコンピュータ100Bの制御部180Bは、より具体的には、パーソナルコンピュータ100Bのメモリ160Bに格納された機種データ、および宛先としてのデータ管理サーバ300を表すデータとともに、生成データを、短距離通信部150Bを介してスマートフォン200Aに送信する。
【0073】
スマートフォン200Aの制御部280Aは、短距離通信部250Aを介して、パーソナルコンピュータ100Bから、パーソナルコンピュータ100Bの機種データと、宛先を表すデータと、生成データとを受信する(S220)。スマートフォン200Aの制御部280Aは、その後、GPSユニット210Aを使用して、中継位置データセットを生成する(S222)。中継位置データセットは、スマートフォン200Aの位置を表す中継位置データと、中継位置データが表す位置の精度を表す中継精度データと、現在時刻を表す中継時刻データと、を含む。
【0074】
なお、ステップS222により中継位置データセットに含まれる中継時刻データを準備するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部は、対象データ準備部282Aである(
図1参照)。また、ステップS222により中継位置データセットに含まれる中継位置データを準備するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部は、位置データ準備部284Aである(
図1参照)。
【0075】
そして、スマートフォン200Aの制御部280Aは、パーソナルコンピュータ100Bの機種データと生成データとを改変することなく、さらに、中継位置データセットの中継位置データおよび中継時刻データと、スマートフォン200Aの機種データおよび識別データとを付して、宛先であるデータ管理サーバ300に送信する(S227)。
【0076】
なお、ステップS227により中継位置データセットに含まれる中継時刻データおよび中継位置データをデータ管理サーバ300に送信するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部は、データ中継部286Aである(
図1)。
【0077】
データ管理サーバ300の制御部380は、通信部355を介して、パーソナルコンピュータ100Bの機種データおよび生成データと、スマートフォン200Aの中継位置データ、中継時刻データ、機種データおよび識別データとを受信する(S327)。
【0078】
なお、ステップS327によりスマートフォン200Aが生成した中継時刻データおよび中継位置データを受け取るデータ管理サーバ300の制御部380の機能部は、データ受信部386である(
図1参照)。
【0079】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、パーソナルコンピュータ100Bの機種データおよび生成データを、パーソナルコンピュータ100Bの機種データを参照して、統一した形式のデータに変換する(S332)。また、データ管理サーバ300の制御部380は、スマートフォン200Aの中継位置データおよび中継時刻データを、スマートフォン200Aの機種データを参照して、統一した形式のデータに変換する(S330)。この統一した形式は、
図2のステップS330の処理で使用した形式と同じ形式であり、パーソナルコンピュータ100Bの機種やスマートフォン200Aの機種、さらに利用されたデータ通信網の提供業者によらない形式である。
【0080】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、中継時刻データが表す時刻情報と、中継位置データが表す位置情報と、パーソナルコンピュータ100Bの機種データが表す機種情報と、生成データとを、スマートフォン200Aの識別データが表す識別情報ごとに、メモリ360に記録する(S335)。
【0081】
なお、ステップS332,S335により中継時刻データと中継位置データとを対応づけて保存するデータ管理サーバ300の制御部380の機能部は、データ保存部382である(
図1参照)。
【0082】
図3においては、スマートフォン200Aのデータとして、日付と時刻を表す時刻情報C1(たとえば、中段の2012.3.5, 16:16:05)、緯度と経度を表す位置情報C2(たとえば、中段の(X4, Y4))、データを生成した装置の機種情報C3(たとえば、パーソナルコンピュータ100Bの機種名である中段のCE-SX2)、生成データC4(たとえば、中段のB_spec01.doc)が格納されている。
【0083】
このような態様においては、複数人で共有するパーソナルコンピュータ100Bが生成するデータであっても、ユーザ個人(スマートフォン)の単位でデータを管理することができる。
【0084】
また、上記の態様においては、データ管理サーバ300は、スマートフォン200AのGPSユニット210Aが生成した位置データの情報を受け取って、パーソナルコンピュータ100Bが生成した生成データと対応づけて保存している(
図3参照)。このため、自らの現在位置データを生成し得ない機器で生成された生成データについても、その生成場所に近い場所を表す位置データを、生成データと対応づけて保存することができる。このため、ユーザは、後に、時間と場所を限定することによって、求める生成データを探すことができる。
【0085】
A4.スマートフォンが生成したデータのアップロード:
図5は、スマートフォン200Aが生成したデータをデータ管理サーバ300にアップロードする際の処理を示す図である。なお、
図5においても、
図2および
図4中の特定の処理と対応する処理に対しては、
図2および
図4のその特定の処理と同じ番号を付す。
【0086】
ユーザは、スマートフォン200Aを操作して所定の生成データを生成し、メモリ260Aに格納する(S215)。たとえば、ユーザは、スマートフォン200Aのコマンド入力部220Aを操作して、撮像部205Aにより画像データ(たとえば、2001.jpg)を生成する。スマートフォン200Aの制御部280Aは、その後、GPSユニット210Aを使用して、中継位置データセットを生成する(S222)。
【0087】
そして、スマートフォン200Aの制御部280Aは、生成データに、さらに、中継位置データセットの中継位置データおよび中継時刻データと、スマートフォン200Aの機種データと、スマートフォン200Aの識別データとを付して、データ管理サーバ300に送信する(S228)。
【0088】
データ管理サーバ300の制御部380は、通信部355を介して、スマートフォン200Aの機種データ、生成データと、中継位置データ、中継時刻データおよび識別データとを受信する(S328)。
【0089】
なお、ステップS328によりスマートフォン200Aが生成した中継時刻データおよび中継位置データを受け取るデータ管理サーバ300の制御部380の機能部は、データ受信部386である(
図1参照)。
【0090】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、スマートフォン200Aの機種データと、生成データと、中継位置データ、および中継時刻データを、統一した形式のデータに変換する(S333)。なお、生成データ、中継位置データおよび中継時刻データの統一形式への変換の際には、スマートフォン200Aの機種データが参照される。
【0091】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、中継時刻データが表す時刻情報と、中継位置データが表す位置情報と、機種データが表すスマートフォン200Aの機種情報と、生成データとを、スマートフォン200Aの識別情報ごとに、メモリ360に記録する(S335)。
【0092】
図3においては、スマートフォン200Aのデータとして、日付と時刻を表す時刻情報C1(たとえば、中段の2012.3.25, 11:01:02)、緯度と経度を表す位置情報C2(たとえば、中段の(X5, Y5))、データを生成した装置の機種情報C3(たとえば、スマートフォン200Aの機種名である中段のAB06-C)、生成データC4(たとえば、中段の2001.jpg)が格納されている。その下の行のデータも、機種情報が「AB06-C」であることから分かるように、スマートフォン200Aで生成され送信された動画データ(2002.mov)に関連するデータである。
【0093】
このような態様においては、携帯端末200がカメラ機能を備えたスマートフォンであり、そのスマートフォンで撮影した画像データなどについても、データ管理サーバ300にアップロードし、ユーザ個人(スマートフォン)の単位でデータを管理することができる。このため、データ中継機能しか持たない携帯端末200に比べて、携帯端末200としてのスマートフォン200Aを常に携帯するユーザの意欲を高めることができる。その結果、データ管理サーバ300へのアップロードの中継を行う携帯端末200を携帯することをユーザが忘れてしまい、データが蓄積されなくなる可能性を低減することができる。
【0094】
また、上記の態様においては、スマートフォン200AのGPSユニット210Aが生成した位置データの情報を、スマートフォン200Aが生成した生成データと対応づけて保存している。このため、ユーザは、後に、時間と場所を限定することによって、求める生成データを探すことができる。
【0095】
A5.パーソナルコンピュータへのデータのダウンロード:
図6は、パーソナルコンピュータ100Bにデータ管理サーバ300からデータをダウンロードする際の処理を示す図である。なお、
図6においても、
図2中の特定の処理と対応する処理に対しては、
図2のその特定の処理と同じ番号を付す。
【0096】
スマートフォン200Aのユーザがスマートフォン200Aを携帯して、パーソナルコンピュータ100Bの前に座ると、スマートフォン200Aはブルートゥース接続が可能な機器としてパーソナルコンピュータ100Bを検出する(S205b)。以下、S210,S110bの処理は、
図2のS210,S110aの処理と同じである。その結果、スマートフォン200Aとパーソナルコンピュータ100Bとは、相互にデータ通信が可能な状態となる。
【0097】
パーソナルコンピュータ100Bの制御部180Bは、コマンド入力部120Bを介して、位置の範囲の指定と時間の範囲の指定と伴うデータのダウンロードの指示を受ける(S150b)。より具体的には、位置の範囲の指定については、パーソナルコンピュータ100Bの制御部180Bは、たとえば、都道府県や市町村などの複数の階層の行政区画の中からの選択を促す画面を表示パネル130Bに表示し、コマンド入力部120Bとしてのキーボードおよびマウスを介して、ユーザから行政区画の選択を受け取る。また、時間の範囲の指定については、範囲の開始日時と、終了日時の指定を、キーボードおよびマウスを介して、ユーザから受け取る。そして、パーソナルコンピュータ100Bの制御部180Bは、指定された位置の範囲(たとえば、指定された行政区画)を表す指定位置データと、指定された時間の範囲を表す指定時間データと、を生成する(S155b)。
【0098】
その後、パーソナルコンピュータ100Bの制御部180Bは、パーソナルコンピュータ100Bの機種データと、指定位置データおよび指定時間データ、ならびに宛先としてのデータ管理サーバ300を表すデータとともに、ダウンロード要求を、短距離通信部150Bを介してスマートフォン200Aに送信する(S160b)。
【0099】
スマートフォン200Aの制御部280Aは、短距離通信部250Aを介して、パーソナルコンピュータ100Bから、パーソナルコンピュータ100Bの機種データと、指定位置データおよび指定時間データと、宛先を表すデータとともに、ダウンロード要求を受信する(S260)。
【0100】
そして、スマートフォン200Aの制御部280Aは、さらに、スマートフォン200Aの識別データを付して、パーソナルコンピュータ100Bの機種データと、指定位置データおよび指定時間データとともに、ダウンロード要求を、宛先であるデータ管理サーバ300に送信する(S265)。より具体的には、ダウンロード要求は、スマートフォン200Aの長距離通信部255Aを介して、データ管理サーバ300に送信される。
【0101】
なお、ステップS265によりダウンロード要求をデータ管理サーバ300に送信するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部を、ダウンロード要求部288Aとして
図1に示す。
【0102】
データ管理サーバ300の制御部380は、通信部355を介して、パーソナルコンピュータ100Bの機種データ、スマートフォン200Aの識別データ、指定位置データおよび指定時間データとともに、ダウンロード要求を受信する(S365)。
【0103】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、受信したデータを解析し、スマートフォン200Aの識別データが表す識別情報、指定位置データが表す位置の情報および指定時間データが表す時間区間の情報に基づいて、蓄積されたデータ(
図3参照)の中から、要求されているデータを選択する(S370)。より具体的には、データ管理サーバ300の制御部380は、互いに関連づけられてメモリ160Bに格納されている時刻データ、位置データ、機種データ、生成データのセットのうち、識別情報に対応するデータであって、時刻データ表す時刻が指定時間データが表す時間区間内であり、位置データが表す地点が指定位置データが表す位置の範囲内であるデータのセットを選択する。
【0104】
そして、データ管理サーバ300の制御部380は、選択したデータセットの時刻データ、位置データ、生成データを、ステップS365で受信した機種データが表す機種に対応した形式に変換する(S375)。その後、データ管理サーバ300の制御部380は、選択したデータを、通信部355を介して、スマートフォン200Aに向けて送信する(S380)。なお、本明細書においては、ダウンロード要求を受けて、データ管理サーバがデータを送信することを、「ダウンロードさせる」と言うことがある。
【0105】
なお、ステップS370〜S380により対象データをダウンロードさせるデータ管理サーバ300の制御部380の機能部を、ダウンロード管理部384として
図1に示す。
【0106】
スマートフォン200Aの制御部280Aは、長距離通信部255Aを介して、データ管理サーバ300から、指定した条件に該当したデータのセットを受信する(S280)。その後、スマートフォン200Aの制御部280Aは、受信した時刻データ、位置データ、および生成データを、改変せずに、短距離通信部250Aを介して、パーソナルコンピュータ100Bに送信する(S285)。パーソナルコンピュータ100Bは、短距離通信部150Bを介して、それらのデータを受信する(S185b)。ユーザは、パーソナルコンピュータ100Bで実行されているアプリケーションソフトウェアにおいて、時刻データ、位置データ、および生成データを利用することができる。
【0107】
このような態様においては、ユーザが自己のために携帯するスマートフォンを介してダウンロード要求がデータ管理サーバ300に送信される。そして、スマートフォンがダウンロード要求を仲介する際、スマートフォンの識別データが付与される。このため、データ管理サーバ300は、スマートフォンの識別データに基づいて、スマートフォンのユーザのデータを蓄積データの中から容易に選択することができる。
【0108】
また、上記の態様においては、データの蓄積は、統一した形式のデータに変換した後に行われる。このため、データ管理サーバ300は、異なる形式でデータが蓄積されている態様に比べて、指定された条件を満たすデータを短時間で選択することができる。また、データ生成装置100としてのパーソナルコンピュータ100Bにデータを送信する際には、ダウンロード要求とともに送信された機種データに応じたデータ形式に変換を行って、データを送信する。このため、幅広い機種の機器からデータを収集し、幅広い機種の機器にデータを提供することができる。また、統一した形式で蓄積されているデータを機種データに応じたデータ形式に変換すればよいため、様々な形式で蓄積されているデータを、機種データに応じたデータ形式に変換する態様に比べて、変換処理の負荷を小さくすることができる。
【0109】
なお、以上の説明では、データ管理サーバ300は、スマートフォン200Aからダウンロード要求を受信し、データをダウンロードさせている。しかし、同様の処理により、他の携帯端末200(たとえば、スマートフォン200B)からもダウンロード要求を受信し、データをダウンロードさせることができる。すなわち、本明細書においてスマートフォン200Aを使用して説明することは、スマートフォン200Bについても同様に当てはまる。そして、各データ生成装置100は、それらの携帯端末200との間で、選択的に、または並行して、処理を行うことができる。同様に、データ管理サーバ300も、それらの携帯端末200との間で選択的に、または並行して、処理を行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態のスマートフォン200Aの「ダウンロード要求部288A」が「課題を解決するための手段」における「ダウンロード要求部」に相当する。データ管理サーバ300の「ダウンロード管理部384」が「ダウンロード管理部」に相当する。そして、「機種データ」の送信(
図6のS160b,S265)がデータ形式の指定に相当する。
【0111】
A6.他のスマートフォンへのデータのダウンロード:
図7は、スマートフォン200Bにデータ管理サーバ300からデータをダウンロードする際の処理を示す図である。なお、
図7においても、
図2、
図6中の特定の処理と対応する処理に対しては、
図2、
図6のその特定の処理と同じ番号を付す。
【0112】
スマートフォン200Aの制御部280Aは、コマンド入力部220Aを介して、位置の範囲の指定と、時間の範囲の指定と、ダウンロード先の指定と、を伴うデータのダウンロードの指示を受ける(S250)。より具体的には、位置の範囲の指定および時間の指定については、
図6のステップS150bと同様にして行われる。ただし、キーボード、マウスに代えて、タッチパネル、確定キーが使用される。ダウンロード先の指定については、より具体的には、スマートフォン200Aの制御部280Aは、たとえば、ダウンロード先の候補の中からの選択を促す画面を表示パネル230Aに表示し、コマンド入力部220Aとしてのタッチパネルおよび確定キーを介して、ユーザからダウンロード先の選択を受け取る。
【0113】
そして、スマートフォン200Aの制御部280Aは、指定された位置の範囲(たとえば、指定された行政区画)を表す指定位置データと、指定された時間の範囲を表す指定時間データと、指定されたダウンロード先を表す宛先データ(たとえば、スマートフォン200BのIPアドレスのデータ)を生成しメモリ260Aに格納する(S255)。なお、ここでは、スマートフォン200BのIPアドレスは、固定されているものとする。
【0114】
その後、スマートフォン200Aの制御部280Aは、スマートフォン200Aの機種データと、指定位置データおよび指定時間データ、宛先データ、ならびにスマートフォン200Aの識別データとともに、ダウンロード要求を、長距離通信部255Aを介してデータ管理サーバ300に送信する(S267)。
【0115】
なお、ステップS267により宛先データを含むダウンロード要求をデータ管理サーバ300に送信するスマートフォン200Aの制御部280Aの機能部は、ダウンロード要求部288である(
図1参照)。
【0116】
データ管理サーバ300の制御部380は、通信部355を介して、スマートフォン200Aから、スマートフォン200Aの機種データ、指定位置データおよび指定時間データ、宛先データ、ならびにスマートフォン200Aの識別データとともに、ダウンロード要求を受信する(S367)。
【0117】
一方、スマートフォン200Bの制御部280Bは、コマンド入力部220Bを介してユーザからの指示を受けて、スマートフォン200Bの機種データを、長距離通信部255Bを介してデータ管理サーバ300に送信する(S168)。データ管理サーバ300の制御部380は、通信部355を介して、スマートフォン200Bから、スマートフォン200Bの機種データを受信する(S368)。
【0118】
その後、データ管理サーバ300の制御部380は、スマートフォン200Aから受信したデータを解析し、スマートフォン200Aの識別データが表す識別情報、指定位置データが表す位置の情報および指定時間データが表す時間区間の情報に基づいて、蓄積されたデータ(
図3参照)の中から、要求されているデータを選択する(S370)。
【0119】
また、データ管理サーバ300の制御部380は、スマートフォン200Bから受信した機種データを解析し、スマートフォン200Bの機種データが表す機種情報に基づいて、ステップS370で選択したデータセットの時刻データ、位置データ、生成データを、その機種データが表す機種に対応した形式に変換する(S377)。その後、データ管理サーバ300の制御部380は、宛先データに基づいて、選択したデータを、通信部355を介して、スマートフォン200Bに向けて送信する(S382)。
【0120】
なお、ステップS370〜S382により対象データをダウンロードさせるデータ管理サーバ300の制御部380の機能部は、ダウンロード管理部384である(
図1参照)。
【0121】
スマートフォン200Bは、長距離通信部255Bを介して、それらのデータを受信する(S187)。ユーザは、スマートフォン200Bで実行されているアプリケーションソフトウェアにおいて、時刻データ、位置データ、および生成データを利用することができる。
【0122】
このような態様においては、ユーザは、自己のために携帯するスマートフォン200Aや、自己がスマートフォン200Aを携帯しつつ操作する機器以外の機器にも、データをダウンロードさせることができる。また、上記態様においては、スマートフォン200Aからダウンロード要求を仲介する際、スマートフォン200Aの識別データが付与される。このため、データ管理サーバ300は、スマートフォン200Aの識別データに基づいて、スマートフォン200Aのユーザのデータを蓄積データの中から容易に選択することができる。
【0123】
また、上記の態様においては、ダウンロード先の機器であるスマートフォン200Bの機種情報は、ダウンロード先のスマートフォン200Bから送信される。このため、スマートフォン200Aのユーザは、スマートフォン200Bの機種の情報を知らなくとも、スマートフォン200Bへのダウンロード要求をデータ管理サーバ300に対してすることができる。また、スマートフォン200Bは、自己の機種に応じたデータをダウンロードすることができる。
【0124】
B.第2実施形態:
上記第1実施形態では、データの蓄積に先立つデータ変換(
図2のステップS330、
図4のステップS332、および
図5のステップS333参照)において、機種データが参照され、各データが、統一された方式のデータに変換される。また、ダウンロードに先立つデータ変換(
図6のステップS375、および
図7のステップS377参照)において、機種データが参照され、各データが、その機種データが表す機種に応じた方式のデータに変換される。第2実施例では、さらに、各機器のソフトウェアやデータの種類およびバージョンも考慮して、データの蓄積に先立つデータ変換およびダウンロードに先立つデータ変換が行われる。そして、各機器のソフトウェアやデータの種類およびバージョンも蓄積される。第2実施形態の他の点は、第1実施形態と同じである。
【0125】
第2実施形態においては、カーナビゲーション装置100Aの制御部180Aは、
図2のステップS120aの処理において、機種データ、原位置データセット、および宛先に加えて、カーナビゲーション装置100Aが使用している地図データのバージョンを表すソフトデータも、送信する。それらのデータを受け取ったスマートフォン200Aの制御部280Aは、それらのデータを改変することなく、さらに、スマートフォン200Aの識別データを付して、指定された宛先であるデータ管理サーバ300に送信する(S225)。
【0126】
それらのデータを受け取ったデータ管理サーバ300の制御部380は、カーナビゲーション装置100Aの機種データと、地図データのバージョンを表すソフトデータとを参照して、機種データと、ソフトデータと、原位置データセットと、スマートフォン200Aの識別データとを、統一した形式のデータに変換する(S330)。
【0127】
地図データ(経路ネットワークデータ)におけるノードIDやリンクIDと位置との対応関係は、同一のメーカによるデータであっても、バージョンが異なると、異なっている場合がある。しかし、上記のような態様とすることにより、たとえば、地図データのバージョンによって、ノードIDと位置の対応関係やリンクIDと位置(緯度および経度)の対応関係が異なっている場合にも、適切にノードIDやリンクIDを、位置情報を表すデータに変換することができる。
【0128】
図8は、第2実施形態において、データ管理サーバ300のメモリ360に蓄積された識別情報ごとのデータの内容を示す表である。
図8においては、
図3の要素に対応する要素については、同じ符号を付して示す。
図8においては、スマートフォン200Aのデータとして、日付と時刻を表す時刻情報C1(たとえば、最上段の2012.3.1, 12:32:01)、緯度と経度を表す位置情報C2(たとえば、最上段の(X1, Y1))、データを生成した装置の機種情報C3(たとえば、カーナビゲーション装置100Aの機種名である最上段のCM-GP510VP)に加えて、地図データのバージョンを表すソフト情報C5(たとえば、カーナビゲーション装置100Aで使用されている地図データのバージョンを表す1.232)が格納されている。また、その下には、ソフト情報C5の例として、パーソナルコンピュータ100Bで実行されるアプリケーションソフトの製品番号であるAB-112223333、スマートフォン200AのOSのバージョンである5.617、デジタルスチルカメラ100C(機種情報IXV01S)のエンジンのバージョンである012598.7が示されている。これら、時刻情報C1、位置情報C2、機種情報C3、ソフト情報C5、および生成データC4は、データ管理サーバ300において、互いに関連づけられて格納されている。
【0129】
第2実施形態においては、スマートフォン200Bの制御部280Bは、
図6のステップS160bの処理において、所定のソフトデータを、パーソナルコンピュータ100Bの機種データと、指定位置データおよび指定時間データ、ならびに宛先を表すデータに加えて、スマートフォン200Aに送信する。このソフトデータは、データ管理システム1000を利用するに際してパーソナルコンピュータ100Bで実行されるアプリケーションソフトウェアの製品番号を表すデータである。なお、アプリケーションソフトウェアの製品番号は、そのアプリケーションソフトウェアの製品を特定できるだけではなく、バージョンをも特定することができる番号である。それらのデータを受け取ったスマートフォン200Aの制御部280Aは、それらのデータを改変することなく、さらに、スマートフォン200Aの識別データを付して、指定された宛先であるデータ管理サーバ300に送信する(S265)。
【0130】
それらのデータを受け取ったデータ管理サーバ300の制御部380は、時刻データ、位置データ、生成データを、ステップS365で受信した機種データが表す機種、およびソフトデータが表すソフトウェアに対応した形式に変換する(S375)。このような態様とすることにより、たとえば、アプリケーションソフトウェアおよびそのバージョンによって、データ形式が異なっている場合にも、各情報を表すデータを適切に変換することができる。
【0131】
C.変形例:
C1.変形例1:
上記実施形態においては、所定期間、短距離通信が可能であるデータ生成装置100と携帯端末200との間で自動的に接続が行われる。しかし、データ生成装置と携帯端末との間の接続は、ユーザに対して許可を求め、ユーザが許可した場合にのみ行われることもできる。また、自動的な検出は行われず、ユーザが自らデータ生成装置と携帯端末を指示した場合にのみ、検出および接続が行われる態様とすることもできる。
【0132】
C2.変形例2:
上記実施形態においては、携帯端末200としてのスマートフォン200Aは、中継位置データセットを生成することができる(
図1の210A参照)。しかし、携帯端末は、自らの現在位置を表すデータを生成できない態様とすることもできる。そのような態様においては、データ生成装置が自らの現在位置を表すデータを生成できることが好ましい。
【0133】
C3.変形例3:
上記実施形態においては、1台の携帯端末200としてのスマートフォン200Aを中心に、本願発明の各態様を説明した。しかし、上記の態様でスマートフォン200Aの処理として説明した各処理は、様々な携帯端末において、並行して、または前後して、実行可能である。そのような場合に、各携帯端末からアップロードされたデータは、データ管理サーバにおいて、携帯端末ごとに分類されて格納される。
【0134】
また、上記実施形態においては、1台のデータ生成装置と1台の携帯端末が、短距離通信規格による無線通信、または有線接続による通信を行っている。しかし、1台のデータ生成装置が複数台の携帯端末と通信を行う対応とすることもできる。また、複数台のデータ生成装置が1台の携帯端末と通信を行う対応とすることもできる。さらに、複数台のデータ生成装置が複数台の携帯端末と通信を行う対応とすることもできる。
【0135】
C4.変形例4:
上記実施形態においては、データ生成装置100と携帯端末200が、ブルートゥースによる無線通信を行っている。しかし、データ生成装置と携帯端末との通信方法は、これに限られるものではない。たとえば、データ生成装置と携帯端末は、IrDAに従った通信を行うこともできる。また、データ生成装置と携帯端末との通信方法は、短距離通信規格の無線通信に限られない。たとえば、
図1に示すように、データ生成装置100としてのデジタルスチルカメラ100Cと、携帯端末200としてのスマートフォン200AとをUSBケーブル190Cで有線接続して、データ通信を行うこともできる。ただし、データ管理サーバと携帯端末との間の通信方法は、データ生成装置と携帯端末との間の通信方法に比べてより遠い距離間での通信を可能とするものであることが好ましい。
【0136】
C5.変形例5:
上記第2実施形態においては、データのアップロードに際して、使用されているソフトウェア(地図データ)を特定することができるソフトデータが送信される(
図2のステップS120a)。そして、データのダウンロード要求に際して、使用されているソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)を特定することができるソフトデータが送信される(
図6のステップS160b)。しかし、ソフトデータは、あらかじめ送信されるのではなく、データ管理サーバ300からの要求に応じてデータ管理サーバ300に送信されてもよい。そのような態様においては、携帯端末200は、データ管理サーバ300からのソフトデータの要求を各機器に中継し、各機器から送信されるソフトデータをデータ管理サーバ300に中継する。
【0137】
C6.変形例6:
上記実施形態において、
図2の処理では、カーナビゲーション装置100Aが生成した原位置データがデータ管理サーバ300に蓄積される。しかし、原精度データが表す原位置データの位置の精度と、中継精度データが表す中継位置データの位置の精度とを比較して、より精度が高い方をデータ管理サーバ300に蓄積することもできる。
【0138】
そのような態様としては、携帯端末200としてのスマートフォン200Aが、原精度データと中継精度データの精度の比較に基づいて、精度が高い方の位置データをデータ管理サーバに送信する態様とすることもできる。また、携帯端末200としてのスマートフォン200Aは、原精度データ、原位置データ、中継精度データ、および中継位置データをデータ管理サーバ300に送信し、データ管理サーバ300において、原精度データと中継精度データの精度の比較に基づいて、精度が高い方の位置データを保存する態様とすることもできる。
【0139】
C7.変形例7:
上記実施形態においては、位置情報は、世界測地系に従った座標(緯度および経度)のデータとして蓄積される(
図3参照)。しかし、位置情報は、日本測地系、世界測地系1984(WGS 84)、国際地球基準座標系(ITRF、de:International Terrestrial Reference Frame)などの他の座標系に従った座標で蓄積されてもよい。
【0140】
また、データ管理サーバは、基準となる経路ネットワークデータにしたがって、以下のような形態で位置情報を蓄積することもできる。なお、基準となる経路ネットワークデータは、データ管理サーバが保持していてもよい。また、他の機器が保持している、基準となる経路ネットワークデータを、データ管理サーバが参照する態様としてもよい。
【0141】
たとえば、ノードIDやリンクIDからいったん緯度および経度を表す情報に変換した位置情報が、基準となる経路ネットワークデータにおいて、私有地などの道路ではないとされる場所における移動を示している場合には、道路上の位置への修正(いわゆる「引きこみ処理」)を行った後に、位置情報を保存してもよい。すなわち、経路ネットワークデータに基づいた補正の後に、位置情報を蓄積してもよい。
【0142】
また、原位置データが表す位置の情報を、基準となる経路ネットワークデータのノードIDやリンクIDに変換して、それらを、位置情報を表すデータ(
図3のC2参照)として保存してもよい。その際、原位置データが所定の経路ネットワークデータのノードIDやリンクIDで表されている場合には、いったん、緯度および経度を表す情報に変換した後に、さらに、基準となる経路ネットワークデータのノードIDやリンクIDに変換してもよい。また、所定の経路ネットワークデータのノードIDやリンクIDから、直接、基準となる経路ネットワークデータのノードIDやリンクIDに変換してもよい。
【0143】
C8.変形例8:
上記実施形態においては、ダウンロード要求の際は、場所と時間が指定される(
図6のS150b〜S160b、
図7のS250〜S267)。しかし、ダウンロード要求の際にダウンロードするデータを特定するための条件は、他の条件とすることもできる。たとえば、場所のみを指定することもできる。また、時間のみを指定することもできる。
さらに、他の特定の携帯端末が近傍にいたことを条件とすることもできる。
【0144】
他の特定の携帯端末が近傍にいたことを条件とする場合には、データ管理サーバ300において、互いに対応づけて保存されている時刻情報、位置情報、機種情報、生成データに加えて、近傍にいた携帯端末の識別情報をも、対応づけて蓄積していることが好ましい。近傍にいた携帯端末の識別情報は、たとえば、以下のような方法で取得することができる。
【0145】
たとえば、携帯端末が、ステップS205,S210,S110bと同様な方法で、時刻情報が表している時刻を含む所定の時間区間の間、短距離通信が可能であった他の携帯端末を検出し、当該携帯端末を特定するための識別情報を受信して記録する。そして、その情報を
図2のステップS265において、他のデータとともにデータ管理サーバ300に送信する。そして、データ管理サーバ300は、時刻情報、位置情報、機種情報、生成データ(
図3参照)に加えて、近傍にいた携帯端末の識別情報をも、対応づけて蓄積する。
【0146】
また、近傍にいた携帯端末の識別情報をあらかじめ蓄積していない場合にも、以下のような態様で上記の処理は実現することができる。すなわち、ダウンロード要求があった際に、データ管理サーバ300が、蓄積している位置情報同士を比較して、互いに近傍、すなわち所定の距離より近い範囲内にいたと判定できる場合には、そのデータの組合せは、条件を満たすと判断することができる。
【0147】
このような態様においては、ダウンロード要求において情報を入力する際に(
図6のステップS150b、
図7のステップS250参照)、近傍にいたと思われる携帯端末の識別情報をユーザが入力する。そして、それらの携帯端末の識別情報がデータ管理サーバ300に送信される(
図6のステップS160b、S265、ならびに
図7のステップS267参照)。データ管理サーバ300は、それらの識別情報に基づいて、データを選択し、送信する(
図6のステップS370,S380、ならびに
図7のステップS370,S382参照)。なお、送信するデータには、時刻データ、位置データ、および生成データと対応づけて格納されている識別データを含めることができる。
【0148】
このような処理を行うことにより、ユーザは、たとえば、同行していた他のユーザの携帯端末の識別情報に基づいて、時刻データ、位置データ、および生成データを、パーソナルコンピュータ100Bやスマートフォン200Bなどの機器にダウンロードすることができる。そのような情報に基づいて、ユーザは、どこからどこまでをいつ、誰と移動したのかを知ることができる。また、たとえば、生成データがデジタルカメラ100Cで生成した画像データである場合には、ユーザは、ダウンロードした画像データに対応づけられていた識別情報に基づいて、その写真を撮ったときに誰と行動していたのかを知ることができる。
【0149】
さらに、上記の態様においては、データ管理サーバ300は、以下のような処理を行うこともできる。すなわち、メモリ360に蓄積された識別情報ごとのデータ(
図3参照)のうち、ある識別情報(たとえば、ID:12345678)に対するデータに対して、他の識別情報(たとえば、ID:56789012)を有する携帯端末からダウンロード要求があった場合には、データ管理サーバ300は、原則としてダウンロードを許可しない。ただし、ダウンロード要求の対象であるデータを生成または中継した携帯端末(たとえば、ID:12345678)がデータを生成または中継した際に、当該他の識別情報(たとえば、ID:56789012)を有する携帯端末が近傍にいたために、当該他の識別情報と対応づけて格納されているデータについては、ダウンロードを許可する。このような態様とすれば、ユーザは、たとえば、旅行中にデジタルカメラ100Cで生成した画像データを、同行者との間で共有することができる。
【0150】
C9.変形例9:
上記実施形態では、携帯端末を介さずにデータのダウンロードを行う場合には、ダウンロード先の指定は、ダウンロード要求とともにデータ管理サーバに送信される。しかし、ダウンロード先の指定は、あらかじめ登録しておくこともできる。また、ダウンロード先の指定がない場合には、ダウンロード要求をデータ管理サーバに送信した携帯端末を自動的にダウンロード先とするような態様とすることもできる。
【0151】
C10.変形例10:
上記実施形態においては、ダウンロード要求の際の場所の指定は、行政区画の選択によって行われる、しかし、ダウンロード要求の際の場所の指定は、地図上で所望の領域をドラッグして指定するなど、他の方法でなされてもよい。
【0152】
また、上記実施形態においては、ダウンロード要求の際の時間の指定は、開始日時と終了日時を指定することにより行われる。しかし、ダウンロード要求の際の時間の指定は、表示されたカレンダー上における日の選択など、他の方法でなされてもよい。
【0153】
さらに、上記実施形態においては、ダウンロード先の指定は、ダウンロード先の候補を選択させることにより行われる。しかし、ダウンロード先の指定は、IPアドレスの入力など、他の方法で行うこともできる。
【0154】
C11.変形例11:
上記実施形態においては、ダウンロードされるべきデータの形式は、ダウンロード先の機器の機種の情報として、データ管理サーバ300に伝達される。しかし、ダウンロードされるべきデータの形式は、他の形式でデータ管理サーバに伝えられてもよい。たとえば、ダウンロードされるべきデータを利用するアプリケーションソフトの名称やバージョン番号、製品番号などで特定することもできる。また、具体的な形式自体を表す情報(たとえば、ファイルの拡張子を指定する)でデータ管理サーバに伝えられることもできる。
【0155】
さらに、上記実施形態においては、ダウンロードされるべきデータの形式は、ダウンロード先の機器から発信されている。しかし、ダウンロードされるべきデータの形式は、携帯端末から発信されることもできる。そのような態様においては、ダウンロードされるべきデータの形式は、ユーザに候補を提示してそこからの選択を受け取る態様とすることもでき、ユーザから直接、文字や数字の情報として入力される態様とすることもできる。
【0156】
C12.変形例12:
上記実施形態では、ダウンロード要求があった後に、ダウンロードすべきデータ形式の変換を行っている(
図6のS375、
図7のS377)。しかし、ダウンロードすべきデータ形式の変換は、ダウンロード要求に先だってあらかじめ行うこともできる。そのような態様においては、たとえば、あらかじめ、データ管理サーバとデータ通信が可能なデータ生成装置や携帯端末からデータ形式の指定を受け取っておき、そのデータ形式に変換しておく態様とすることができる。
【0157】
C13.変形例13:
上記実施形態のデータ管理システムにおける携帯端末は、スマートフォンである
しかし、この携帯端末は、携帯電話などの他の機器とすることもできる。たとえば、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが個人用として携帯し、他の機器とサーバとの間のデータの中継をすることができ、現在位置の情報を取得することができる装置であることが好ましい。
【0158】
C14.変形例14:
上記実施形態では、携帯端末やデータ生成装置が現在位置情報を得るためにGPSを利用する態様について説明した。しかし、現在位置の情報の生成は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galile oなどのGPS以外の他の衛星測位システム(Satellite Navigation System)、言い換えれば、世界的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)によってもよい。また、たとえば、ユーザが携帯する端末が携帯電話である場合には、位置情報の生成は、携帯電話と基地局の電波の強さに基づいて得られる基地局と携帯電話との距離に基づいて、行ってもよい。そのような態様においては、ユーザが携帯する端末は、世界的航法衛星システムの受信装置を備えない態様とすることができる。さらに、ユーザが携帯する携帯端末において位置情報を生成する構成要素は、複数の方式、たとえば、衛星測位システムを利用した方式と、携帯電話の基地局を利用する方式を併用する態様とすることもできる。
【0159】
すなわち、携帯端末やデータ生成装置において位置情報を生成する構成要素は、現在位置の情報を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
【0160】
C15.変形例15:
本発明の実施形態のデータ管理システムにおけるデータ管理サーバは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、データ管理サーバは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。データを取得する機能、データを生成する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。
【0161】
上記実施形態において、データ管理サーバ300は、上記各機能を奏するための所定のハードウェアを備えたコンピュータとして実現することができる。上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、位置情報サービス部300(
図2)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0162】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0163】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0164】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0165】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。