特許第5973303号(P5973303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973303
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20160809BHJP
   H01L 21/683 20060101ALN20160809BHJP
【FI】
   B32B27/00 C
   B32B27/00 L
   B32B27/00 M
   !H01L21/68 N
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-214913(P2012-214913)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-69345(P2014-69345A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−182815(JP,A)
【文献】 特開2000−160117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C09J 7/00−7/04
H01L 21/683
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状の接着シートと、
前記接着シートの一方の面側に積層された第1剥離シートと、
前記接着シートの他方の面側に積層された第2剥離シートと
前記接着シートの面方向外側に設けられたスペーサ部とを備え、
前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち一方の剥離シートと前記接着シートとの間には、第1処理によって、それらの仮着力である一方のシート仮着力の制御が可能な第1仮着力可変材が設けられ
前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち他方の剥離シートと前記スペーサ部との間には、前記第1処理およびこれと異なる第2処理のうち一方の処理によって、それらの仮着力である他方のスペーサ仮着力の制御が可能な第2仮着力可変材が設けられ、
前記第1仮着力可変材は、当該第1仮着力可変材に対する前記第1処理がなされていないときに、前記一方のシート仮着力が前記他方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である他方のシート仮着力よりも大きく、前記第1処理がなされたときに、前記一方のシート仮着力が前記他方のシート仮着力よりも小さくなるように制御可能であり、
前記第2仮着力可変材は、当該第2仮着力可変材に対する前記一方の処理がなされていないときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である一方のスペーサ仮着力よりも大きく、前記一方の処理がなされたときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方のスペーサ仮着力よりも小さくなるように制御可能であることを特徴とする積層体。
【請求項2】
所定の形状の接着シートと、
前記接着シートの一方の面側に積層された第1剥離シートと、
前記接着シートの他方の面側に積層された第2剥離シートと、
前記接着シートの面方向外側に設けられたスペーサ部とを備え、
前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち一方の剥離シートと前記接着シートとの間には、第1処理によって、それらの仮着力である一方のシート仮着力の制御が可能な第1仮着力可変材が設けられ、
前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち他方の剥離シートと前記スペーサ部との間には、前記第1処理およびこれと異なる第2処理のうち一方の処理によって、それらの仮着力である他方のスペーサ仮着力の制御が可能な第2仮着力可変材が設けられ、
前記第1仮着力可変材は、当該第1仮着力可変材に対する前記第1処理がなされていないときに、前記一方のシート仮着力が前記他方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である他方のシート仮着力よりも小さく、前記第1処理がなされたときに、前記一方のシート仮着力が前記他方のシート仮着力よりも大きくなるように制御可能であり、
前記第2仮着力可変材は、当該第2仮着力可変材に対する前記一方の処理がなされていないときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である一方のスペーサ仮着力よりも小さく、前記一方の処理がなされたときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方のスペーサ仮着力よりも大きくなるように制御可能であることを特徴とする積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状のダイボンディングシートと、当該ダイボンディングシートの一方の面側に仮着された帯状のベースシートと、当該ダイボンディングシートの他方の面側に仮着された帯状のカバーシートとにより構成されたシート基材を用い、ダイボンディングシートをウェハに貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
剥離シート上の接着シートとは異なる位置に保護材を積層した積層体は、例えば、特許文献2に開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−306516号公報
【特許文献2】特開2004−35836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート貼付装置に採用されるシート基材は、先ずカバーシートのみを剥離してから、接着シートをウェハに貼付しなければならないので、接着シートがカバーシートと共に剥離してしまわないように、ベースシートと接着シートとの仮着力をカバーシートと接着シートとの仮着力よりも大きく設定しなければならない。また、特許文献1に記載されたシート貼付装置に、特許文献2に記載のような積層体が採用された場合は、各剥離シートと接着シートとの仮着力のみならず、各剥離シートと保護材との仮着力をも考慮しなければならない。
【0005】
しかしながら、例えば、両面接着シートや単層の接着シート等のように、貼付方向がない接着シートの場合、上述のように仮着力を設定すると、積層体が逆向きにセットされてしまうと、今度は、接着シートがベースシートとともに巻取りローラで巻き取られてしまい、接着シートを被着体に貼付できないという不都合を招来する。
【0006】
本発明の目的は、第1、第2剥離シートの内、接着シートを仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができる積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の積層体は、所定の形状の接着シートと、前記接着シートの一方の面側に積層された第1剥離シートと、前記接着シートの他方の面側に積層された第2剥離シートと、前記接着シートの面方向外側に設けられたスペーサ部とを備え、前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち一方の剥離シートと前記接着シートとの間には、第1処理によって、それらの仮着力である一方のシート仮着力の制御が可能な第1仮着力可変材が設けられ、前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち他方の剥離シートと前記スペーサ部との間には、前記第1処理およびこれと異なる第2処理のうち一方の処理によって、それらの仮着力である他方のスペーサ仮着力の制御が可能な第2仮着力可変材が設けられ、前記第1仮着力可変材は、当該第1仮着力可変材に対する前記第1処理がなされていないときに、前記一方のシート仮着力が前記他方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である他方のシート仮着力よりも大きく、前記第1処理がなされたときに、前記一方のシート仮着力が前記他方のシート仮着力よりも小さくなるように制御可能であり、前記第2仮着力可変材は、当該第2仮着力可変材に対する前記一方の処理がなされていないときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である一方のスペーサ仮着力よりも大きく、前記一方の処理がなされたときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方のスペーサ仮着力よりも小さくなるように制御可能である、という構成を採用している。
【0008】
発明の他の積層体は所定の形状の接着シートと、前記接着シートの一方の面側に積層された第1剥離シートと、前記接着シートの他方の面側に積層された第2剥離シートと、前記接着シートの面方向外側に設けられたスペーサ部とを備え、前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち一方の剥離シートと前記接着シートとの間には、第1処理によって、それらの仮着力である一方のシート仮着力の制御が可能な第1仮着力可変材が設けられ、前記第1剥離シートおよび前記第2剥離シートのうち他方の剥離シートと前記スペーサ部との間には、前記第1処理およびこれと異なる第2処理のうち一方の処理によって、それらの仮着力である他方のスペーサ仮着力の制御が可能な第2仮着力可変材が設けられ、前記第1仮着力可変材は、当該第1仮着力可変材に対する前記第1処理がなされていないときに、前記一方のシート仮着力が前記他方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である他方のシート仮着力よりも小さく、前記第1処理がなされたときに、前記一方のシート仮着力が前記他方のシート仮着力よりも大きくなるように制御可能であり、前記第2仮着力可変材は、当該第2仮着力可変材に対する前記一方の処理がなされていないときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方の剥離シートと前記接着シートとの仮着力である一方のスペーサ仮着力よりも小さく、前記一方の処理がなされたときに、前記他方のスペーサ仮着力が前記一方のスペーサ仮着力よりも大きくなるように制御可能であるという構成を採用している
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明の積層体によれば、第1仮着力可変材を設けたため、第1、第2剥離シートの内、接着シートを仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができ(第1、第2剥離シートの内、接着シートを仮着しないで剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができ)、例えば、先行文献1のような装置に積層体が何れの向きでセットされたとしても、接着シートを被着体に貼付できなくなるという不都合を解消することができる。
【0010】
また、第1、第2剥離シートの内、スペーサ部を仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができ(第1、第2剥離シートの内、スペーサ部を仮着しないで剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができ)、例えば、先行文献1のような装置に積層体が何れの向きでセットされたとしても、スペーサ部が貼付装置内の周辺機器に接着してしまい、当該貼付装置を汚染するという不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る積層体の斜視図、(B)は(A)の断面図。
図2】第1実施形態および第2実施形態に係るシート貼付装置の正面図。
図3】(A)〜(D)は、第1実施形態に係るシート貼付装置の動作説明図。
図4】(A)は第2実施形態に係る積層体の斜視図、(B)は(A)の断面図。
図5】(A)〜(D)は、第2実施形態に係るシート貼付装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態における積層体LS1は、図1に示すように、所定の形状の接着シートASと、接着シートASの一方の面(図1(B)中上面)側に積層された第1剥離シートRL1と、接着シートASの他方の面(図1(B)中下面)側に積層された第2剥離シートRL2と、接着シートASの面方向外側に設けられるとともに、一方の面(図1(B)中上面)側に第1剥離シートRL1が積層され、他方の面(図1(B)中下面)側に第2剥離シートRL2が積層されたスペーサ部SPと、第1剥離シートRL1と接着シートASとの間に設けられ、それらの仮着力の制御が可能な第1仮着力可変材VL1と、第2剥離シートRL2とスペーサ部SPとの間に設けられ、それらの仮着力の制御が可能な第2仮着力可変材VL2とを備えて構成されている。
【0013】
接着シートASは、単体の接着剤層からなり、1μm〜5000μm程度の厚みを有するものが例示でき、それ以上の厚みでもよいしそれ以下の厚みのものでもよく、第1仮着力可変材VL1と第2剥離シートRL2との間に所定の間隔で設けられている。
スペーサ部SPは、帯状に構成されるとともに、接着シートASの外周に対応した円弧状の凹部SPAを備え、第2仮着力可変材VL2と第1剥離シートRL1との間に設けられている。スペーサ部SPを構成するものとしては、接着シートASと同じ組成、構成のもの、紙、樹脂、ニス、印刷用インキ等で構成されるもの、また、それらを適宜組み合わせたもの等が例示でき、熱風、紫外線、赤外線、マイクロ波、冷風、自然風等によって硬化可能なもの用いてもよい。
第1および第2剥離シートRL1、RL2は、1μm〜5000μm程度の厚みを有するものが例示でき、それ以上の厚みでもよいしそれ以下の厚みのものでもよく、紙、樹脂等で構成されるもの、また、それらを適宜組み合わせたもの等の帯状部材で構成され、少なくとも一方の面(図2(B)中向き合う双方の面)にシリコン処理等の剥離剤が積層されている。なお、第1または第2仮着力可変材VL1、VL2が積層される部分には剥離剤がなくてもよい。
【0014】
第1および第2仮着力可変材VL1、VL2は、1μm〜5000μm程度の厚みを有するものが例示でき、それ以上の厚みでもよいしそれ以下の厚みのものでもよい。第1および第2仮着力可変材VL1、VL2は、紫外線、赤外線、マイクロ波などのエネルギー線を照射することで、接着力が低下する接着剤で形成することができ、それらは同じ組成、構成のものでもよいし、異なる組成、構成のものでもよい。
これにより、接着シートASと第1剥離シートRL1との仮着力(以下「第1シート仮着力」と言う)を接着シートASと第2剥離シートRL2との仮着力(以下「第2シート仮着力」と言う)よりも大きく設定しておくことで、エネルギー線を照射しないときは、第1シート仮着力が第2シート仮着力以下になることはなく、図1(B)左下の図に示すように、接着シートASが第2剥離シートRL2から剥離される剥離態様となる。一方、エネルギー線を照射したときは、第1シート仮着力が第2シート仮着力以下になり、図1(B)右下の図に示すように、接着シートASが第1剥離シートRL1から剥離される剥離態様となる。これにより、第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、接着シートASを仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができる。
また、スペーサ部SPと第2剥離シートRL2との仮着力(以下「第2スペーサ仮着力」と言う)をスペーサ部SPと第1剥離シートRL1との仮着力(以下「第1スペーサ仮着力」と言う)よりも大きく設定しておくことで、エネルギー線を照射しないときは、第2スペーサ仮着力が第1スペーサ仮着力以下になることはなく、図1(B)左下の図に示すように、スペーサ部SPが第1剥離シートRL1から剥離される剥離態様となる。一方、エネルギー線を照射したときは、第2スペーサ仮着力が第1スペーサ仮着力以下になり、スペーサ部SPが第2剥離シートRL2から剥離される剥離態様となる。これにより、第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、スペーサ部SPを仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができる。
第1仮着力可変材VL1は、第1剥離シートRL1の中央において長手方向に沿って設けられ、エネルギー線の照射不照射を問わず、第1仮着力可変材VL1と接着シートASとの仮着力は、被着体としてのウェハWFと接着シートASとの接着力よりも小さく設定されている。
第2仮着力可変材VL2は、スペーサ部SPに形成された凹部SPAに対応した凹部VL2Aを備え、第2剥離シートRL2の両側において長手方向に沿って設けられている。
【0015】
次に、積層体LS1の接着シートASを被着体としてのウェハWFに貼付するシート貼付装置について説明する。
なお、以下において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、前、後といった方向を示した場合は、全て図2を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥方向とする。
【0016】
シート貼付装置1は、積層体LS1を繰り出す繰出手段2と、積層体LS1を層間剥離する剥離手段としての第1剥離手段3と、第1仮着力可変材VL1および第2仮着力可変材VL2への所定の処理の実施、不実施によって、第1剥離手段3で接着シートが仮着されて剥離される剥離シートを選択可能な処理手段4と、当該処理手段4に対し、積層体LS1の繰出方向上流側に設けられ、積層体LS1を検査する検査手段5と、第1剥離手段3で層間剥離され、接着シートASが仮着された第1および第2剥離シートRL1、RL2の内いずれか一方上から接着シートASをウェハWFに押圧して貼付する押圧手段7と、ウェハWFに貼付された接着シートASから第1および第2剥離シートRL1、RL2の内いずれか一方を剥離する第2剥離手段8とを備え、図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段によってウェハWFを支持する支持面91を備えたテーブル92の上方においてその全体が図示しないフレームに支持される。
【0017】
繰出手段2は、積層体LS1を支持する支持ローラ21と、ガイドローラ22と、駆動機器としての回動モータ23によって駆動する駆動ローラ24と、駆動機器としての回動モータ25によって駆動され、第1剥離手段3で剥離されて左側に繰り出される積層体LS1部分(以下「左行部分シートLS1L」と言う)を巻き取る駆動ローラ26と、駆動ローラ26との間に左行部分シートLS1Lを挟み込むピンチローラ27と、駆動機器としての回動モータ28によって駆動し、左行部分シートLS1Lを回収する回収ローラ29とを備えている。
【0018】
第1剥離手段3は、当該第1剥離手段3で剥離されて右側に繰り出される積層体LS1部分(以下「右行部分シートLS1R」と言う)が巻き掛けられる剥離ローラ31と、ガイドローラ32と、駆動機器としての回動モータ33によって駆動され、右行部分シートLS1Rを回収する回収ローラ34とを備えている。
【0019】
処理手段4は、積層体LS1を挟んだ両側に配置され、第1仮着力可変材VL1または第2仮着力可変材VL2に対し、所定の処理として第1および第2エネルギー線EW1、EW2を照射する第1および第2エネルギー線照射手段41、42を備えている。
【0020】
検査手段5は、光学センサ、超音波センサ、カメラ等の撮像手段、接触型センサ等からなるセンサ51を備え、積層体LS1を挟んだ両側にそれぞれ設けられ、例えば、接着シートAS、スペーサ部SP、第1、第2仮着力可変材VL1、VL2の折れ、汚れ、欠け、ずれなどの異常を検査したり、積層体LS1の層間における第1仮着力可変材VL1の位置、積層体LS1の層間における第2仮着力可変材VL2の位置等の検査(位置確認)を行ったりすることができる。
【0021】
押圧手段7は、駆動機器としてのリニアモータ71の第1スライダ72に支持された駆動機器としてのリニアモータ73と、リニアモータ73のスライダ74に回転可能に支持された押圧ローラ75とを備えている。
【0022】
第2剥離手段8は、リニアモータ71の第2スライダ76に支持された駆動機器としてのリニアモータ81と、リニアモータ81のスライダ82に駆動機器としての回動モータ83を介して支持された剥離ローラ84と、剥離ローラ84との間に左行部分シートLS1Lを挟み込むピンチローラ85とを備えている。
【0023】
以上のシート貼付装置1において、ウェハWFに接着シートASを貼付する手順を説明する。
先ず、オペレータが積層体LS1を図2に示すようにセットする。その際、剥離ローラ31を境に積層体LS1を右行部分シートLS1Rと左行部分シートLS1Lとに分けるとき、第1シート仮着力が第2シート仮着力よりも大きく、また、第2スペーサ仮着力が第1スペーサ仮着力よりも大きいため、接着シートASは、簡単に第2剥離シートRL2から剥離され、スペーサ部SPは、簡単に第1剥離シートRL1から剥離される。これにより、オペレータに何の技術も強要することなく、第1仮着力可変材VL1を介して接着シートASが仮着された第1剥離シートRL1が左行部分シートLS1Lとして形成されるとともに、第2仮着力可変材VL2を介してスペーサ部SPが仮着された第2剥離シートRL2が右行部分シートLS1Rとして形成される。
【0024】
次いで、繰出手段2が各回動モータ23、25、28を駆動し、第2剥離手段8が回動モータ83を駆動するとともに、第1剥離手段3が回動モータ33を駆動し、積層体LS1を繰り出して接着シートASが所定の位置に到達したことが図示しない検知手段に検知されると、繰出手段2、第2剥離手段8、第1剥離手段3が各回動モータ23、25、28、83、33の駆動を停止する。この繰り出しのとき、検査手段5がセンサ51を駆動し、積層体LS1の検査を行って接着シートASに異常が確認されなかった場合、図3(A)に示すように、第1仮着力可変材VL1を介して接着シートASが仮着された第1剥離シートRL1が左行部分シートLS1Lとされるとともに、第2仮着力可変材VL2を介してスペーサ部SPが仮着された第2剥離シートRL2が右行部分シートLS1Rとされる。
【0025】
その後、図示しない搬送手段によってテーブル92の支持面91上にウェハWFが載置されると、図示しない吸引手段が駆動し、当該ウェハWFを吸着保持する。これにより、図2に示すように、接着シートASの直下にウェハWFが位置することとなる。
そして、押圧手段7がリニアモータ73、71を駆動し、押圧ローラ75を下降させるとともに、当該押圧ローラ75を右方向に移動させることで、接着シートASが第1剥離シートRL1上から押圧されてウェハWFに貼付される。その後、押圧ローラ75が図2中二点鎖線で示す位置に到達したことが図示しない検知手段に検知されると、押圧手段7がリニアモータ71の駆動を停止する。
【0026】
次いで、第2剥離手段8がリニアモータ81を駆動し、剥離ローラ84およびピンチローラ85を下降させた後、回動モータ83を駆動し、剥離ローラ84を回転させると同時に、押圧手段7がリニアモータ71を駆動し、各ローラ84、85を右方向に移動させる。これにより、第1剥離シートRL1が接着シートASから剥離され、接着シートASがウェハWFに貼付される。その後、各ローラ84、85が図2中二点鎖線で示す位置に到達したことが図示しない検知手段に検知されると、押圧手段7および第2剥離手段8がリニアモータ71および回動モータ83の駆動を停止した後、リニアモータ73、81を駆動し、押圧ローラ75および各ローラ84、85を上昇させる。
次いで、図示しない吸引手段が停止し、ウェハWFの吸着保持を解除した後、図示しない搬送手段が接着シートが貼付されたウェハWFを保持して別の工程へと搬送する。
【0027】
そして、第2剥離手段8が回動モータ83を停止させた状態で、押圧手段7がリニアモータ71を駆動し、押圧ローラ75および各ローラ84、85を図2中実線で示す位置まで復帰させる。この移動に同期して繰出手段2が各回動モータ23、25、28を駆動し、支持ローラ21から積層体LS1を繰り出して回収ローラ29で左行部分シートLS1Lを巻き取るとともに、第1剥離手段3が回動モータ33を駆動し、右行部分シートLS1Rを回収ローラ34で巻き取る。そして、以降上述と同様の動作が繰り返される。
【0028】
ここで、検査手段5によって接着シートASに異常が確認された場合、処理手段4が第1エネルギー線照射手段41を駆動し、図3(B)に示すように、第1仮着力可変材VL1に第1エネルギー線EW1を照射する。これにより、第1シート仮着力が第2シート仮着力よりも小さくなり、異常が検出された接着シートASは、第1剥離手段3によって右行部分シートLS1Rに仮着された状態で繰り出され、回収ローラ34で回収される。
【0029】
また、図2中二点鎖線で示すように、積層体LS1が支持ローラ21に逆向きにセットさた場合、第1または第2仮着力可変材VL1、VL2が積層されている位置を検査手段5が検査することで、当該逆向きセットを確認することができる。この確認を受けた場合、処理手段4が第1および第2エネルギー線照射手段41、42を駆動し、図3(C)に示すように、第1および第2仮着力可変材VL1、VL2に第2および第1エネルギー線EW2、EW1を照射する。これにより、第1シート仮着力が第2シート仮着力よりも小さくなるとともに、第2スペーサ仮着力が第1スペーサ仮着力よりも小さくなる。その結果、接着シートASと第2仮着力可変材VL2とが仮着された第2剥離シートRL2が左行部分シートLS1Lとして形成されるとともに、スペーサ部SPと第1仮着力可変材VL1とが仮着された第1剥離シートRL1が右行部分シートLS1Rとして形成される。
この場合、検査手段5によって接着シートASに異常が確認された場合、処理手段4が第1エネルギー線照射手段41の駆動は停止することなく、第2エネルギー線照射手段42の駆動を停止し、図3(D)に示すように、第1仮着力可変材VL1に第2エネルギー線EW2を照射することを止める。これにより、第1シート仮着力が第2シート仮着力よりも大きいので、異常が検出された接着シートASは、第1剥離手段3によって右行部分シートLS1Rに仮着された状態で繰り出され、回収ローラ34で回収される。
【0030】
以上のような第1実施形態によれば、第1仮着力可変材VL1を設けたため、第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、接着シートASを仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができ(第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、接着シートASを仮着しないで剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができ)、積層体LS1が何れの向きにセットされたとしても、接着シートASをウェハWFに貼付できなくなるという不都合を解消することができる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の積層体LS2は、第1実施形態の積層体LS1に対し、第1仮着力可変材VL1および第2仮着力可変材VL2の代わりに、第1仮着力可変材VR1および第2仮着力可変材VR2を設けた点が相違する。
すなわち、積層体LS2は、図4に示すように、所定の形状の接着シートASと、接着シートASの一方の面(図4(B)中上面)側に積層された第1剥離シートRL1と、接着シートASの他方の面(図4(B)中下面)側に積層された第2剥離シートRL2と、接着シートASの面方向外側に設けられるとともに、一方の面(図4(B)中上面)側に第1剥離シートRL1が積層され、他方の面(図4(B)中下面)側に第2剥離シートRL2が積層されたスペーサ部SPと、第2剥離シートRL2と接着シートASとの間に設けられ、それらの仮着力の制御が可能な第1仮着力可変材VR1と、第1剥離シートRL1とスペーサ部SPとの間に設けられ、それらの仮着力の制御が可能な第2仮着力可変材VR2とを備えて構成されている。
【0032】
第1および第2仮着力可変材VR1、VR2は、紫外線、赤外線、マイクロ波などのエネルギー線を照射することで、接着力が増加する接着剤等によって、例えば第1仮着力可変材VL1および第2仮着力可変材VL2とそれぞれ同様の厚みおよび形状の帯状に形成することができる。
これにより、第2シート仮着力および第1スペーサ仮着力をそれぞれ第1シート仮着力および第2スペーサ仮着力よりも小さく設定しておくことで、エネルギー線を照射しないときは、図4(B)左下の図に示すように、接着シートASおよびスペーサ部SPがそれぞれ第2剥離シートRL2および第1剥離シートRL1から剥離される剥離態様となる。一方、エネルギー線を照射したときは、図4(B)右下の図に示すように、接着シートASおよびスペーサ部SPがそれぞれ第1剥離シートRL1および第2剥離シートRL2から剥離される剥離態様となる。これにより、第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、接着シートASを仮着して剥離する側の剥離シートを意のままに選択することができる。
【0033】
このような積層体LS2を図2に示すシート貼付装置1に採用した場合でも、剥離ローラ31を境に積層体LS2を右行部分シートLS2Rと左行部分シートLS2Lとに分けるとき、更には、図2に示すシート貼付装置1の自動運転中において、接着シートASに異常が確認されなかったとき、接着シートASは、簡単に第2剥離シートRL2から剥離されるとともに、スペーサ部SPは、簡単に第1剥離シートRL1から剥離される。これにより、図5(A)に示すように、接着シートASと第2仮着力可変材VR2とが仮着された第1剥離シートRL1が左行部分シートLS2Lとして形成されるとともに、スペーサ部SPと第1仮着力可変材VR1とが仮着された第2剥離シートRL2が右行部分シートLS1Rとして形成される。
そして、検査手段5によって接着シートASに異常が確認された場合、処理手段4が第2エネルギー線照射手段42を駆動し、図5(B)に示すように、第1仮着力可変材VR1に第2エネルギー線EW2を照射する。これにより、第2シート仮着力が第1シート仮着力よりも大きくなり、異常が検出された接着シートASは、第1剥離手段3によって右行部分シートLS2Rに仮着された状態で繰り出され、回収ローラ34で回収される。
【0034】
また、図5(C)で示すように、積層体LS2が支持ローラ21に逆向きにセットされた場合、検査手段5の確認を受け、処理手段4が第1および第2エネルギー線照射手段41、42を駆動し、同図に示すように、第1および第2仮着力可変材VR1、VR2に第1および第2エネルギー線EW1、EW2を照射する。これにより、第2シート仮着力が第1シート仮着力よりも大きくなるとともに、第1スペーサ仮着力が第2スペーサ仮着力よりも大きくなる。その結果、第1仮着力可変材VR1を介して接着シートASが仮着された第2剥離シートRL2が左行部分シートLS2Lとして形成されるとともに、第2仮着力可変材VR2を介してスペーサ部SPが仮着された第1剥離シートRL1が右行部分シートLS1Rとして形成される。
この場合、検査手段5によって接着シートASに異常が確認された場合、処理手段4が第2エネルギー線照射手段42の駆動は停止することなく、第1エネルギー線照射手段41の駆動を停止し、図5(D)に示すように、第1仮着力可変材VR1に第1エネルギー線EW1を照射することを止める。これにより、第2シート仮着力が第1シート仮着力よりも小さいので、異常が検出された接着シートASは、第1剥離手段3によって右行部分シートLS2Rに仮着された状態で繰り出され、回収ローラ34で回収される。
【0035】
以上のような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0036】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0037】
積層体LS1、LS2において、第1仮着力可変材VL1、VR1を第1剥離シートRL1の長手方向に沿って帯状に設けたが、接着シートASと同じ形状あるいは接着シートASより若干大きい円形や多角形の枚葉状として、点在させてもよい。
また、第2仮着力可変材VL2に形成した凹部SPAに対応した凹部VL2Aや、第2仮着力可変材VR2に形成した凹部SPAに対応した凹部VR2A(説明省略図示のみ)を備えることなく直線的な帯状に形成してもよい。
さらに、第1実施形態において、所定の処理によって仮着力が低下する第1仮着力可変材VL1および第2仮着力可変材VL2の内少なくとも一方の代わりに、所定の処理によって仮着力が増加するものを用いてもよいし、第2実施形態において、所定の処理によって仮着力が増加する第1仮着力可変材VR1および第2仮着力可変材VR2の内少なくとも一方の代わりに、所定の処理によって仮着力が低下するものを用い、所定の処理としての第1および第2エネルギー線EW1、EW2の照射を適切に制御してもよい。
さらに、積層体LS1、LS2を複数枚の接着シートASが仮着された帯状としたが、1枚の積層体LS1、LS2に1枚の接着シートASが仮着された枚葉状としてもよい。
また、上記実施形態では、シート貼付装置1を用いて積層体LS1、LS2の接着シートASをウェハWFに貼付したが、オペレータが手作業で接着シートASをウェハWFに貼付してもよい。
さらに、第1剥離シートRL1および第2剥離シートRL2の両方と接着シートASとの間に第1仮着力可変材VL1、VR1を設けてもよい。この場合、第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、接着シートASを仮着して剥離したい方の剥離力が他方の剥離シートの剥離力よりも大きくなるように、または、接着シートASを仮着しないで剥接したい方の剥離力が他方の剥離シートの剥離力よりも小さくなるように、処理手段4でエネルギー線を照射すればよい。
また、第1剥離シートRL1および第2剥離シートRL2の両方とスペーサ部SPとの間に第2仮着力可変材VL2、VR2を設けてもよい。この場合、第1、第2剥離シートRL1、RL2の内、スペーサ部SPを仮着して剥離したい方の剥離力が他方の剥離シートの剥離力よりも大きくなるように、または、スペーサ部SPを仮着しないで剥接したい方の剥離力が他方の剥離シートの剥離力よりも小さくなるように、処理手段4でエネルギー線を照射すればよい。
さらに、第1仮着力可変材VL1と第2仮着力可変材VL2とを第1、第2剥離シートRL1、RL2に対する同一の面側に設けてもよいし、第1仮着力可変材VR1と第2仮着力可変材VR2とを第1、第2剥離シートRL1、RL2に対する同一の面側に設けてもよい。これらの場合、処理手段がエネルギー線を照射する領域を同一面内で区分できればよい。
【0038】
また、本発明における接着シートASの種別や材質などは、特に限定されず、例えば、前記実施形態のように、単体の接着剤層からなるもの以外に、基材シートと接着剤層とからなる2層のものや、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するものや、他の層を有する等3層以上のものでもよい。また、半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示でき、このような半導体ウェハに貼付する接着シートは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムに限らず、その他の任意のシート、フィルム、テープ等、任意の用途、形状のシート等が適用できる。さらに、被着体が光ディスクの基板であって、接着シートが記録層を構成する樹脂層を有したものであってもよい。また、被着体としては、ガラス板、鋼板、樹脂板、基板等や、その他の部材のみならず、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。さらに、ウェハの表面にパターン回路が形成されたものも対象とすることができる。
【0039】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0040】
AS…接着シート
LS1、LS2…積層体
RL1、RL2…第1および第2剥離シート
SP…スペーサ部
VL1、VR1…第1仮着力可変材
VL2、VR2…第2仮着力可変材
図1
図2
図3
図4
図5