特許第5973373号(P5973373)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973373
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】電子部品装着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   H05K13/04 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-71205(P2013-71205)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195023(P2014-195023A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 将敏
(72)【発明者】
【氏名】狩野 良則
(72)【発明者】
【氏名】福島 吉晴
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−112611(JP,A)
【文献】 特開2008−243839(JP,A)
【文献】 特開2010−103387(JP,A)
【文献】 特開2011−015525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
H02G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に移動可能なビームに、このビームに沿った方向に移動可能な装着ヘッドを設け、この装着ヘッドによって電子部品を保持して基板上に装着する電子部品装着装置において、複数のケーブルを並べてケーブルの長手方向に屈曲可能に形成したフラットケーブルと、このフラットケーブルの上方に設けられ前記フラットケーブルの移動と共に移動して前記フラットケーブルの上方への変形を押さえるケーブル押えとを備え、このケーブル押えの前記フラットケーブルとの当接部に、下方へ突出する回転部材を設けたことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項2】
水平方向に移動可能なビームに、このビームに沿った方向に移動可能な装着ヘッドを設け、この装着ヘッドによって電子部品を保持して基板上に装着する電子部品装着装置において、前記装着ヘッドに設けられた駆動源に信号を送るための信号線により形成された信号線ケーブルと、前記駆動源に電力を供給するための動力線により形成される電力ケーブルとを平板状に並べてケーブルの長手方向に屈曲可能に形成し前記ビームの移動方向に設けられフラットケーブルと、このフラットケーブルの上方に設けられて前記ビームと共に移動して前記フラットケーブルの上方への変形を押さえるケーブル押えとを備え、このケーブル押えの前記フラットケーブルとの当接部に、前記ビームの移動方向と直交する方向に軸を備えて前記フラットケーブルに接触して回転するローラを設けたことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項3】
前記ケーブル押えは、前記フラットケーブルの長手方向にほぼ水平に設けられ、前記ケーブル押えの先端部に形成され上方へ湾曲した当接部の中間部に前記回転部材或いは前記ローラを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に移動可能なビームに、このビームに沿った方向に駆動源により移動可能な装着ヘッドを設け、この装着ヘッドによって電子部品を保持してプリント基板上に装着する電子部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した従来の電子部品装着装置は、例えば特許文献1等に開示されている。そして、装着ヘッドにはノズルの上下動手段やθ回転手段の駆動手段等に電力を供給するためのケーブルやエアを供給するエアチューブをまとめてフラットケーブルとし、さらに、フラットケーブルをその途中で固定部材により支持し、ビームに沿って支持し、更に、ビームの端部の方向変換部でフラットケーブルの配設方向をビームと直交する方向に変え、ビームの移動方向(図1でのX方向)に配設する技術が開示されている。
【0003】
そして、例えばビームと直交する方向、即ち、ビームの移動方向に配設されたフラットケーブルは、上部に略水平方向に配設された上部水平部と、この上部水平部から略U字状に下方へ延びてUターン部と、このUターン部の下端から前記上部水平部とは反対方向に略水平に延びた下部水平部とを備えている。
【0004】
更に、ビームの端部の方向変換部には、この方向変換部から延びた上部水平部の上方に略水平方向に配置され、ビームの移動に伴い、ケーブルの形状が変化したときに、上部水平部の跳ね上がり(暴れ)を押さえるケーブル押え緒さえが取付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−246284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビームの移動に伴い、ビームの移動方向(図1でのX方向)に配設されたケーブルの形状が変化したとき、変化に伴いケーブルの上部水平部の上面がケーブル押えの下面に当たり擦れる虞があり、ケーブルの上部水平部の上面とケーブル押えの下面との間の摩擦が長年に亘り発生すると、ケーブルが傷む虞があった。
【0007】
そこで本発明は、ケーブル押えを用いて、フラットケーブルの跳ね上がりを回避することができるのはもちろん、ケーブルが傷むことを防止することができる電子部品装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため第1の発明は、水平方向に移動可能なビームに、このビームに沿った方向に移動可能な装着ヘッドを設け、この装着ヘッドによって電子部品を保持して基板上に装着する電子部品装着装置において、複数のケーブルを並べてケーブルの長手方向に屈曲可能に形成したフラットケーブルと、このフラットケーブルの上方に設けられ前記フラットケーブルの移動と共に移動して前記フラットケーブルの上方への変形を押さえるケーブル押えとを備え、このケーブル押えの前記フラットケーブルとの当接部に、下方へ突出する回転部材を設けたことを特徴とすることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、水平方向に移動可能なビームに、このビームに沿った方向に移動可能な装着ヘッドを設け、この装着ヘッドによって電子部品を保持して基板上に装着する電子部品装着装置において、前記装着ヘッドに設けられた駆動源に信号を送るための信号線により形成された信号線ケーブルと、前記駆動源に電力を供給するための動力線により形成される電力ケーブルとを平板状に並べてケーブルの長手方向に屈曲可能に形成し前記ビームの移動方向に設けられフラットケーブルと、このフラットケーブルの上方に設けられて前記ビームと共に移動して前記フラットケーブルの上方への変形を押さえるケーブル押えとを備え、このケーブル押えの前記フラットケーブルとの当接部に、前記ビームの移動方向と直交する方向に軸を備えて前記フラットケーブルに接触して回転するローラを設けたことを特徴とする。
【0010】
更に、第2の発明は、第1または第2の発明において、前記ケーブル押えは、前記フラットケーブルの長手方向にほぼ水平に設けられ、前記ケーブル押えの先端部に形成され上方へ湾曲した当接部の中間部に前記回転部材或いは前記ローラを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フラットケーブルの跳ね上がりをケーブル押えにより回避することができと共に、ケーブル押えとの摩擦によりケーブルが傷むことを防止する電子部品装着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子部品装着装置の概略構成を平面図である。
図2】電子部品装着装置の概略構成を示す要部の正面図である。
図3】電子部品装着装置の概略構成を示す側面図である。
図4】ケーブル押えの上面図である。
図5】ケーブル押えの右側面図である。
図6】ケーブル押えの先端部(当接部)の側面図である。
図7】本願発明に係るフラットケーブルとケーブル押えとの状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本願発明の実施形態につき説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図で、図2は電子部品装着装置1の概略構成を示す要部の正面図で、図3は電子部品装着装置1の概略構成を示す側面図である。

1Aはビーム、2はリニアガイド、3はケーブル支柱、4は装置架台、5は装置外側フレーム、6は装置側ケーブル受け、7はケーブル支柱3に取り付けられてケーブルの跳ね上がりを防止するケーブル押え、8はフラットケーブル、10は装置カバー、11はリニアモータ、14は装着ヘッド(以下、ヘッドという。)、15はフィーダ、16は部品認識カメラ、17は基板である。
【0014】
ビーム1Aは、リニアモータ11の駆動によりリニアガイド2に沿って基板17や部品供給ユニットであるフィーダの部品取出し部(部品吸着位置)上方を個別にX方向に移動する。なお、リニアモータ11の代わりに、サーボモータ等を用いてネジ軸を回転させてビーム1Aを移動させても良い。 また、ヘッド14は、図示しないガイドに沿ってビーム1AをY方向に移動する。ヘッド14には、複数本の吸着ノズル30が環状に等間隔を存して設けられ、例えばサーボモータであるノズル選択モータにより複数本の吸着ノズル30のうちの任意の吸着ノズル30の吸着側端部が昇降するように選択される。

フラットケーブル8は、ヘッド14をビーム1Aに沿ったY方向に移動させるX軸モータ、ヘッド14に設けられたθ軸モータ、上下軸モータ及び各ノズル選択モータ等に電力を供給するための電力ケーブル、真空吸引するためのエアチューブ、エアを供給するためのエアチューブ、ヘッド14に設けられた駆動部に信号を送る信号線ケーブルである光ケーブル等から構成され、これらは可撓性の合成樹脂材料で構成されている。また、フラットケーブル8は、屈曲可能であり、上部に略水平方向に配設された上部水平部81と、この上部水平部81から略U字状に下方へ延びたUターン部82と、このUターン部82の下端から前記上部水平部とは反対方向に略水平に延びた下部水平部83とを備えている(図3等を参照)。 以下、ケーブル押え7について、図2図6に基づいて説明する。
【0015】
ケーブル押え7はケーブル支柱3の上部にビスにより固定され、断面形状が略U字状であり、ケーブル支柱3に固定された固定部42と、この固定部から水平に延びた押え部43とを備えている。また、ケーブル押え7は、固定部42から押え部43に亘り略水平に延びた底板44と、この底板の両縁(図2では左右(図4では上下に位置している)の両縁から折曲して上方へ延びた左右の垂直板45と、固定部42において各垂直板45の上縁から外側下方へ折曲して各垂直板の外面に沿って下方へ延び底板43より下方に突出した外側垂直板46と、各外側垂直板46の下端から直角に外側に折曲して水平に延びた固定板47とを備え、各固定板47に形成された複数の開孔48を介してケーブル支柱3にビス止めされている。
【0016】
また、押え部43の先端には、フラットケーブル8が当接する当接部50が形成されている。そして、フラットケーブル8が当接部50に当たったとき、押え部43は僅かに変形し、当接部50は上下方向に振れる。
【0017】
以下、当接部50について説明する。
【0018】
当接部50は、R形状、即ち、円弧形状(図6を参照)に形成され、水平な部分51から上方へ延び、ビーム1Aと共にケーブル押え7が移動したときにフラットケーブル8が当接し易い部分である当接部50の中間位置より下の部分に例えば樹脂製の回転部材であるローラ52が回転自在に設けられている。尚、ローラ52は、フラットケーブル8が当たったときに、当接部50が上下に振れて衝撃を吸収し易いように、上述した樹脂のような軽量のものを用いるのが好ましく、ローラ52を、軽量の金属、例えばアルミニウム等の金属製にしてもよい。当接部50の底板44に、ローラ配置用の矩形の開口53が形成され、この開口53を介してローラ52の下部52Aが底板44から下方へ突出している。そして、開口53とローラ52との間には僅かな隙間54が設けられている。即ち、下部52Aが当接部50である湾曲形状の部分から突出しており、当接部50から突出していれば下部52Aの一部が水平な部分51にかかっていてもよい。
【0019】
また、ローラ52の左右両端(図4では上下の両端)には、端面から突出して左右の軸55が設けられている。そして、左右の軸55は、左右の垂直板45に夫々形成された左右開口56を貫通して回転自在に支持されている。また、垂直板45より僅かに外側の各軸55の位置には図示しない溝が形成され、それぞれの溝にワッシャ57が取付けられている。そして、各ワッシャ57と各垂直板45との当接により、ローラ52の左右方向の振れを防止することが可能になる。
【0020】
更に、底板44の先端には、各垂直板45の先端45Aより更に上方へ延びて先端支持部44Aが形成されている。
【0021】
60は、固定部42に位置し、底板44の下面に、例えば両面テープで取り付けられたウレタンシート等の弾性を有したシートであり、フラットケーブル8は、底板44の下面とケーブル支柱3の上面との間にシート60を介して挟まれる。この結果、弾性を有したシート58により、フラットケーブル8の振れを防止することができる。また、固定部42には、図7に記載されているように、一部が各固定板47とケーブル支柱3の上面との間に挟まれて固定された弾性を有して変形自在のケーブル受け61が取付けられている。ケーブル受け61は、固定部47からフラットケーブル8と同様の方向へ延び、固定部47近くのフラットケーブル8を受けて支持し、フラットケーブル8の下方への大きな撓みを防止する。
【0022】
図1図3において、ビーム1A、ケーブル支柱3、及びケーブル押え7は、リニアガイド2をガイドとして、装置架台4の上に載っている。また、ビーム1A、ケーブル支柱3及びケーブル押え7は、リニアモータ11によって、図3に示すように、X方向である左または右に移動する(矢印21の方向に移動する。)。

以下、電子部品装着装置1の運転、即ち、電子部品の基板への装着運転時の動作について、説明する。
【0023】
図1の電子部品装着装置1において、まずフィーダ15から部品を供給し、その部品をヘッド14の吸着ノズル30が、吸着して取り出し保持する。その後、リニアモータ11によってビーム1AがX方向右(矢印21参照)に移動し、ヘッド14も同様にX方向に移動し、部品認識カメラ16の上を通過する。部品認識カメラ16は、ヘッド14が部品認識カメラ16の上を通過する際に、ヘッド14が保持した部品を撮影する。この時取得された映像によって部品装着装置1は、部品の保持状態を認識する。そしてヘッド14が基板17へ移動したのち、ヘッド14が保持した部品を、部品認識カメラ16が撮像して得た認識結果に基づいて、装着位置を補正し、部品を目標位置へ装着する。各吸着ノズル30が吸着保持した電子部品を装着後、再びヘッド14はフィーダ15の位置まで、X方向左(矢印21参照)に戻る。このサイクルを繰り返す。
【0024】
上述したサイクルが繰り返され、ヘッド14がフィーダ15の上方から基板17の上方へ移動するとき、及び基板17の上方からフィーダ15の上方へ戻るとき、ビーム1Aの動作に引っ張られ、フラットケーブル8は跳ね上がる。
【0025】
以下、ビーム1Aの移動に伴うケーブル押え7の動作について、図3図7に基づいて説明する。 図3及び図7の(a)は、左側のヘッド14が電子部品装着装置1の左側、即ち、フィーダ15の上方に位置しているときの装置の平面図であり、図3に、破線で示したケーブル支柱3及びケーブル押え7がX方向右側の最大ストローク位置から、実線で示したX方向左側の最大ストローク位置へ矢印22に示すように移動したときの図である。
【0026】
即ち、実線で示したケーブル支柱3、フラットケーブル8及びケーブル押え7の位置が最も左に位置したときであり、このとき、ケーブル押え7の右側の端部から右に延びたフラットケーブル8の上部水平部81は一端下に撓みその先で斜め上方へ延び、左側のUターン部82は、ケーブル押え7より上に位置している。

尚、 図3に実線にて示したように、ビーム1A、ケーブル支柱3、ケーブル押え7及びフラットケーブル8がX方向右から左の位置に移動した場合には、移動の途中で、フラットケーブル8は撓みながら、Z方向の上方に引っ張られる。その結果、フラットケーブル8が上方に引っ張られ、上部水平部81及びUターン部82が跳ね上がると、フラットケーブル8が装置カバー10に接触する虞がある。この接触を防ぐために、上方へのフラットケーブル8の跳ね上がりをケーブル押え7によって抑制している。このとき、フラットケーブル8の上部水平部81のUターン部82近くの部分がケーブル押え7の当接部50に設けられたローラ52に当たり、フラットケーブル8の跳ね上がりは、ケーブル押え7により押さえられる。 次に、図3に実線にて示したように、ビーム1A、ケーブル支柱3、ケーブル押え7及びフラットケーブル8がX方向左側の最大ストローク位置に停止している状態からX方向の右方向に次第に移動したときのケーブル押え7お及びフラットケーブル8の状態について、図3及び図7の(a)〜(d)に基づいて説明する。
【0027】
図3及び図7(a)に示したように、ビーム1A、ケーブル支柱3、ケーブル押え7及びフラットケーブル8がX方向左の位置に停止しているときは、ケーブル押え7の当接部50は、フラットケーブル8と接触していなく、ローラ52とフラットケーブル8の上部水平部81との間には、間隔が形成されている。
【0028】
そして、ケーブル支柱3及びケーブル押え7が図7(a)に矢印71に示したように、X方向右の方向へ移動すると、図7(b)に示したように、移動の途中で上部水平部81のUターン部82側の部分が、ケーブル押え7の当接部50に設けられたローラ52に当たり、フラットケーブル8の跳ね上がりは、ケーブル押え7により押さえられる。また、フラットケーブル8が当接部50に当たったとき、押え部43が撓むので、衝撃は緩和される。
【0029】
その後、ケーブル支柱3及びケーブル押え7が、図7(b)に矢印72に示した方向であるX方向右の方向へ更に移動するとき、ケーブル押え7の当接部50が上部水平部81の上面に接触した状態でこの上部水平部81及びフラットケーブル8のUターン部82を潰しながら移動する。このとき、図7(b)及び(c)に示したように、当接部50のローラ52が回転し、フラットケーブル8の上部水平部81の上面を転がり移動するので、底板44が直接フラットケーブル8の上面に当たり擦れることを防止することができる。
【0030】
そして、図7(c)に示したように、当接部50のローラ52が、上部水平部81の上面に当たっている状態で、ケーブル支柱3及びケーブル押え7が、図7(c)に矢印73に示した方向へ更に移動すると、上述したように、ローラ52が上部水平部81の上面を転がる。このため、ケーブル支柱3及びケーブル押え7が図7(d)に示したX方向右側の最大ストローク位置まで移動する間に、底板44が直接フラットケーブル8の上面に当たり擦れることを確実に防止することができる。
【0031】
また、ローラ52は、ビーム1A、ケーブル支柱3及びケーブル押え7が移動したときに、フラットケーブル8が当たり易い部分である当接部50の中間位置より僅かに下の部分に設けられているので、ビーム1A、ケーブル支柱3及びケーブル押え7の移動に伴い、フラットケーブル8のUターン部82の形状が変化してもローラ52の下部52Aがフラットケーブル8の上面に当たる。この結果、当接部50の底板44が直接上部水平部81の上面に当たり擦れることを一層確実に防止することができる。
【0032】
そして、電子部品装着装置1の運転時、左右一対のビーム1AがX方向に往復移動するが、往復移動するときには、当接部50のローラ52が、上部水平部81の斜め上に延びた部分の上面に当たり、上面を転がり移動するので、底板44が直接フラットケーブル8の上面に当たり擦れることを防止することができ、この結果、フラットケーブル8が傷むことを回避することができる。
【0033】
尚、上述したように、ローラ52は、円弧形状の当接部50の中間位置より下の部分に設けたが、この部分より先端の上の位置にもローラを追加して設けてもよく、また、水平な部分1の当接部50の近傍にローラを追加して設けてもよい。このように、複数のローラを設けることにより、底板44が直接フラットケーブル8の上面に当たり擦れることを一層確実に防止することができる。
【0034】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0035】
1 電子部品装着装置
1A ビーム
3 ケーブル支柱
7 ケーブル押え
8 フラットケーブル
14 ヘッド
50 当接部
52 ローラ(回転部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7