特許第5973376号(P5973376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973376
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】加熱調理容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   A47J37/06 366
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-90315(P2013-90315)
(22)【出願日】2013年4月23日
(65)【公開番号】特開2014-212840(P2014-212840A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】今井 健次
(72)【発明者】
【氏名】杉本 喜輝
(72)【発明者】
【氏名】相墨 智
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真貴子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 利沙
【審査官】 木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3159585(JP,U)
【文献】 特開2005−237465(JP,A)
【文献】 特開昭58−216561(JP,A)
【文献】 特開2003−153811(JP,A)
【文献】 特開2005−237464(JP,A)
【文献】 米国特許第06931985(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱庫内を上方から加熱する加熱源を少なくとも備えたグリル装置にて使用可能な加熱調理容器であって、食材を収容する容器本体と、容器本体の上部開口を上方から覆う蓋体とからなり、
容器本体の底壁外周部の上面に沿って、底壁中央部の上面より下方に凹没する凹部が設けられ、
蓋体の上壁外周部の上面に沿って、上壁中央部より厚肉で且つ上壁中央部の上面より上方に隆起する凸部が設けられ、
蓋体の上壁中央部に複数の導熱孔が設けられ、
前記導熱孔の総開口面積が、前記加熱源の下面視における放熱部の投影面積より広く設定され
前記凹部が凸部によって上方から覆われるように構成された、加熱調理容器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理容器において、
容器本体の底壁上面が、中央から底壁外周部上面へ向かって下方に傾斜した、加熱調理容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にグリル装置の加熱庫内で食材の加熱調理に使用される加熱調理容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンロに組み込まれたグリルや焼き物器などのグリル装置を利用して、加熱調理容器により食材のオーブン調理を行う方法が提案されているが、このようにグリル装置の加熱庫内で使用可能な従来の加熱調理容器において、加熱庫内上部に設けられた加熱源からの輻射熱や熱気によって容器内の食材が直接的に加熱されるよう、容器本体の上部開口を覆う蓋体の中央部が上方へ向けて開口したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−237465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の加熱調理容器は、蓋体の中央部が略全体に亘って開口しているため、加熱調理中に食材の表面から放出された油が上記開口を通じて加熱庫内にまで飛散し、加熱庫内の油汚れを十分に防止できなかった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、グリル装置の加熱庫内で使用可能な加熱調理容器において、食材表面の焼き色や熱の通り具合の均質化を図ると共に、加熱庫内の油汚れを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、加熱庫内を上方から加熱する加熱源を少なくとも備えたグリル装置にて使用可能な加熱調理容器であって、食材を収容する容器本体と、容器本体の上部開口を上方から覆う蓋体とからなり、容器本体の底壁外周部の上面に沿って、底壁中央部の上面より下方に凹没する凹部が設けられ、蓋体の上壁外周部の上面に沿って、上壁中央部より厚肉で且つ上壁中央部の上面より上方に隆起する凸部が設けられ、蓋体の上壁中央部に複数の導熱孔が設けられ、前記導熱孔の総開口面積が、前記加熱源の下面視における放熱部の投影面積より広く設定され、前記凹部が凸部によって上方から覆われるように構成されたものである。
【0007】
この加熱調理容器によれば、加熱調理中に容器本体内の食材の表面から上方へ放出された油は、蓋体の上壁中央部に設けられた複数の導熱孔の周縁部に接触するから、加熱庫内に油が飛散し難い。さらに、このものでは、加熱庫内の上部に設けられた加熱源からの輻射熱や熱気が、蓋体の上壁中央部に設けられた複数の導熱孔を通って確実に容器本体内まで到達するから、食材の表面全体を直接的且つ均一に加熱できる。
【0008】
しかも、このものでは、蓋体の上壁外周部上面に沿って、上壁中央部の上面より上方に隆起する凸部が設けられているため、たとえ導熱孔から上壁中央部の上面に油や水分が漏出しても、上壁外周部の凸部によってそれら油や水分が加熱庫内に流れ落ちるのを阻止できる。また、上壁外周部が上壁中央部に比べて厚肉に形成されるため、上壁外周部に多くの熱が蓄積される。従って、加熱源をオフにした後も、上壁外周部から放出される輻射熱によって容器本体内の外周域まで加熱することができる。
【0009】
さらに、このものでは、加熱調理中に食材から漏出した油、容器本体の底壁外周部上面に沿って設けられた凹部に集められるから、容器内の中央域での油の飛散量を低減できる。また、たとえ上記凹部から上方へ油が飛散しても、その油は、凹部を上方から覆う蓋体の上壁外周部の下面に接触するから、加熱庫内への油の飛散をより効果的に防止できる。
【0010】
上記加熱調理容器は、好ましくは、容器本体の底壁上面が、中央から底壁外周部上面へ向かって下方に傾斜している。
【0011】
このものでは、加熱調理中に食材から漏出した油が、容器内の外周側へ集められるから、容器内の中央域での油の飛散量を低減できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容器内から加熱庫内へ油が飛散し難いから、加熱庫内の油汚れを防止することができる。また、食材表面の略全体を加熱源からの輻射熱や熱気によって直接的且つ均一に加熱できるから、食材表面の焼き色や熱の通り具合の均質化を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器を使用可能なガスコンロの斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器を使用可能なガスコンロの正面視概略縦断面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器を使用可能なガスコンロの上火バーナの下面視図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器を示す分解斜視図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器の第1変形例を示す上面視図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器の第2変形例を示す上面視図である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器の第3変形例を示す上面視図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器の第4変形例を示す上面視図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器の第5変形例を示す上面視図である。
図10図10は、本発明の実施の形態に係る加熱調理容器の第6変形例を示す上面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る加熱調理容器3を使用可能な所謂ビルトイン式のガスコンロ1であり、天板100の上面に複数のコンロバーナ11が設けられ、コンロ本体10に食材のグリル調理やオーブン調理を行うためのグリル2が設けられている。グリル2の加熱庫20は、コンロ本体10の内部に設けられており、コンロ本体10の前面に開口部200を有している。尚、加熱庫20の内部空間は、図示しない排気筒を通じて天板100の上面に設けられた排気口12に繋がっている。
【0018】
加熱庫20の開口部200には、前後にスライド開閉するグリル扉21が設けられている。グリル扉21の後面部には、加熱庫20内へ向かってトレー受け枠210が延設されており、さらにトレー受け枠210の上部には、食材の油や水分を受けるための皿状のグリルトレー22が載置されている。図示しないが、食材のグリル調理を行う場合は、グリルトレー22の上面に焼き網が載置される。一方、加熱調理容器3を用いて食材のオーブン調理を行う場合は、焼き網に代えて容器固定枠23がグリルトレー22の上面に取り付けられ、容器固定枠23の上部に加熱調理容器3が載置される。
【0019】
容器固定枠23は、金属製の複数の線材により構成されており、その上部(以下、「固定枠上部」という)230は、加熱調理容器3の容器本体3Aの底部形状に合致する凹状に形成されている。加熱調理容器3は、固定枠上部230に嵌め込むようにして載置され、グリル扉21が閉じられることで、常に加熱庫20内の一定位置に収容される。
【0020】
図2および図3に示すように、加熱庫20の上壁201の中央部には、加熱庫20内の食材や加熱調理容器3を上方から加熱するための加熱源としてグリルバーナ(以下、「上火バーナ」という)24が設けられている。
【0021】
上火バーナ24は、下面部が複数の炎孔240を有するセラミック製の燃焼板241で構成されている。また、燃焼板241は、加熱庫20の上壁201の下面部に沿って略U字状に設けられており、このU字状部の略全体に炎孔240が開設されている。従って、点火した際には、燃焼板241の下面全体にガスの燃焼炎が形成され、その輻射熱および熱気が加熱庫20内の中央へ向けて下方に放射される。
【0022】
図2に示したように、加熱庫20の左右の側壁202の中央部より下方位置には、食材や加熱調理容器3を側方および下方から加熱するためのグリルバーナ(以下、「下火バーナ」という)25が設けられている。
【0023】
下火バーナ25は、加熱庫20の左右の側壁202に沿って前後方向に延設されており、この加熱庫20中央側の側端面に複数の炎孔250が形成されている。従って、点火した際には、炎孔250から噴射されたガスの燃焼排ガスが加熱庫20の中央下域へ向けて放出される。尚、本実施の形態に係る加熱調理容器3は、下火バーナ25を備えていない所謂片面焼き式のガスコンロにも適用できる。
【0024】
図2および図4に示すように、加熱調理容器3は、上方に開口する平面視略長方形状の平底型の容器本体3Aと、容器本体3Aの上部開口300を上方から覆う平面視略長方形状の蓋体3Bとからなり、加熱庫20で使用する際には、容器本体3Aの長辺側の側壁32が加熱庫20内の側壁202に対向する縦向きで容器固定枠23に載置される。尚、本実施の形態に係る加熱調理容器3は、鉄やアルミニウム合金等の金属材料で形成されるが、セラミック材料で形成されたものであってもよいし、容器本体3Aおよび蓋体3Bがそれぞれ異なる材料で形成されたものであってもよい。
【0025】
容器本体3Aの底壁33は、上方へ湾曲する緩やかな球面状に形成されており、底壁33の上面330は、中央から外周側へ向かって下方に傾斜している。また、容器本体3Aの底壁外周部34の上面340は、全周に亘って断面円弧凹状に形成されている。従って、食材から容器本体3A内に漏出した油や水分は、底壁33の上面330を伝って外周側へ導かれ、底壁外周部34の上面(凹部)340に集められる。
【0026】
蓋体3Bの上壁中央部35は、略水平板状に形成されている。また、上壁中央部35における上火バーナ24の燃焼板241との対向位置には、容器本体3A内と加熱庫20内とを繋ぐ複数の導熱孔350が形成されている。
【0027】
導熱孔350は、加熱調理容器3の前後方向(加熱庫20の前後方向)に延設される所定幅の直線状の長孔であり、加熱調理容器3の左右方向(加熱庫20の左右方向)へ略平行に複数並設されている。従って、加熱調理中に食材の表面から上方へ放出された油は、上壁中央部35における導熱孔350周縁の枠部351に接触する。
【0028】
また、上壁中央部35に複数設けられた導熱孔350の総開口面積は、上火バーナ24の下面視における放熱部の投影面積、即ち、上火バーナ24の炎形成面の総面積(ここでは、燃焼板241の下面全体の面積)より広く設定されている(例えば、炎形成面の総面積の1.1〜3倍)。従って、上火バーナ24から放射された輻射熱および熱気は、各導熱孔35を通って確実に容器本体3A内の食材まで到達する。
【0029】
蓋体3Bの上壁外周部36は、上面視において、容器本体3Aの底壁外周部34上面の凹部340を全周に亘って覆っている。従って、上記凹部340から上方へ飛散した油は、蓋体3Bの上壁外周部36の下面360に接触する。
【0030】
上壁外周部36は、下方へ湾曲する緩やかな断面円弧状に形成されており、上壁外周部36の下面360は、上壁中央部35の周縁から外側へ向かって下方に傾斜している。また、上壁外周部36の下面360の外周で且つ容器本体3Aの側壁32より内側の位置には、全周に亘ってリブ37が垂下形成されている。従って、上壁外周部36の下面360に付着した油や水分は、その外周側へ導かれ、さらにリブ37を伝って容器本体3A内の凹部340に滴下される。一方、食材から容器本体3A内に放出された蒸気や油煙は、上壁外周部36の下面360に沿って上壁中央部35の下域に集められ、導熱孔350を通じて加熱庫20内へ排出される。尚、加熱調理容器3から加熱庫20内に排出された蒸気や油煙は、上火バーナ24および下火バーナ25から放出されたガスの燃焼排ガスと共に、天板100上面の排気口12(図1参照)を通じてガスコンロ1の外部へ排出される。
【0031】
上壁外周部36の上面361は、全周に亘って上壁中央部35の上面位置より上方に隆起している。従って、たとえ導熱孔350から上壁中央部35の上面に油や水分が漏出しても、加熱庫20内には流れ落ち難い。また、上壁外周部36の上面(凸部)361が蓋体3Bをテーブル等に裏返して載置するときの脚にもなる。さらに、上壁外周部36は、上壁中央部35に比べて厚肉に形成されるため、加熱調理中、上壁外周部36に多くの熱が蓄積される。
【0032】
このように、上記実施の形態に係る加熱調理容器3によれば、加熱調理中に容器本体3A内の食材の表面から上方へ放出された油が、蓋体3Bの上壁中央部35に設けられた複数の導熱孔350周縁の枠部351に接触し、加熱庫20内まで飛散し難いから、加熱庫20内の油汚れを防止することができる。
【0033】
また、このものでは、加熱調理中に食材から漏出した油が、容器本体3Aの底壁33の上面330を伝って底壁外周部34上面の凹部340に集められるから、容器内の中央域における油の飛散量が少なく、加熱庫20内に油がより飛散し難い。これにより、加熱庫20内の油汚れを一層防止することができる。
【0034】
さらに、このものでは、上記凹部340から上方へ飛散した油が、蓋体3Bの上壁外周部36の下面360に接触し、加熱庫20内への油の飛散をより効果的に防止できるから、加熱庫20内の油汚れをより一層防止することができる。また、食材から漏出した油は、底壁33の上面330を伝って蓋体3Bの上壁外周部36の下域(凹部340)に集められるから、上火バーナ24によって上記油が直接的に加熱され難い。これにより、容器本体3A内における油の発火を防止できる。
【0035】
また、上記実施の形態に係る加熱調理容器3によれば、上火バーナ24からの輻射熱や熱気が、蓋体3Bの上壁中央部35に設けられた複数の導熱孔350を通って確実に容器本体3A内まで到達し、食材の表面全体を直接的且つ均一に加熱できるから、食材表面の焼き色や熱の通り具合の均質化を図ることも可能である。
【0036】
また、このものでは、たとえ上壁中央部35の上面に油や水分が付着滞留しても、上壁外周部36の凸部361によってそれら油や水分が加熱庫20内に流れ落ちるのを阻止できるから、加熱庫20内の油汚れを一層防止することができる。また、上火バーナ24を消火させた後も、上壁外周部36から放出される輻射熱によって容器本体3A内の外周域まで加熱することができるから、食材全体の仕上がり状態を一層均質にすることが可能であるし、調理後の保温性も向上する。
【0037】
さらに、このものでは、上壁外周部36が蓋体3Bをテーブル等に裏返して載置するときの脚になるから、上壁中央部35の上面に油や水分などが付着していたとしても、それら油や水分によってテーブル等を汚す虞がない。
【0038】
さらに、このものでは、導熱孔350周縁の枠部351によって蓋体3Bの強度が確保されるから、破損も生じ難い。また、導熱孔350が直線状の長孔であるため、導熱孔350の周縁に油や水分などの汚れが付着しても、容易に清掃することが可能である。従って、メンテナンス性も高い。
【0039】
尚、上記実施の形態では、導熱孔350が加熱調理容器3の前後方向に延設される直線状の長孔であるものを説明したが、導熱孔350は、総開口面積が上火バーナ24の下面視における放熱部の投影面積より広く設定されていれば、他の形状を採用してもよい。具体的には、図5に示すように、加熱調理容器3の左右方向に延設される直線状の長孔であり、加熱調理容器3の前後方向へ略平行に複数並設されたものであってもよいし、図6に示すように、加熱調理容器3の前方から斜め後方に延設される直線状の長孔であり、加熱調理容器3の前方から斜め後方へ略平行に複数並設されたものであってもよい。また、図7に示すように、加熱調理容器3の左右方向に延設される波形状の長孔であり、加熱調理容器3の前後方向へ略平行に複数並設されたものであってもよいし、図8に示すように、加熱調理容器3の左右方向に延設される直線状の長孔であり、加熱調理容器3の前後方向へ千鳥状に複数並設されたものであってもよい。また、図9に示すように、略L字状の長孔であり、加熱調理容器3の前後方向へ交互に向きを異ならせて複数配設されたものであってもよいし、図10に示すように、円孔であり、加熱調理容器3の前後左右に千鳥状に複数配設されたものであってもよい。
【0040】
本発明は、上述したようなガスコンロ1のグリル2で使用可能な加熱調理容器に限らず、上火バーナを備えた焼き物器など他のグリル装置で使用可能な加熱調理容器にも適用できる。また、本発明は、加熱庫20の上壁201の中央部に、加熱源として電気ヒータが設けられたグリル装置にて使用可能な加熱調理容器にも適用できる。このものでは、導熱孔350の総開口面積が、電気ヒータの下面視における放熱管部の投影面積より広く設定される。従って、電気ヒータの輻射熱が、各導熱孔350を通って確実に容器本体3A内の食材まで到達する。
【符号の説明】
【0041】
1 ガスコンロ
2 グリル(グリル装置)
20 加熱庫
24 上火バーナ(加熱源)
3 加熱調理容器
3A 容器本体
300 上面開口部
33 底壁
330 底壁上面
34 底壁外周部
340 底壁外周部上面(凹部)
3B 蓋体
35 上壁中央部
350 導熱孔
36 上壁外周部
360 上壁外周部下面
361 上壁外周部上面(凸部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10