(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
複数の経由場所を経由して物品を配送する場合に、表示装置上の次経由場所が不用意に切り替えられて配送エラーとなることを防止するという目的を、配送ルート上の各経由場所で作業者に操作される作業者端末により、現経由場所に対する次の経由場所情報を配送管理装置から取得し、取得した次経由場所情報によって表示装置で表示中の情報を書き換える配送管理システムにより実現した。
【0014】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
[配送管理システムの構成]
図1は、本発明の一実施例に係る配送管理システムを示すブロック図である。
【0015】
本実施例の配送管理システム1は、
図1に示すように、配送対象となる物品9に配送伝票として機能する電子ペーパー8を付し、物品9の配送を管理するものである。本実施例の物品9は、最終配送先までの間に複数の経由場所A,B,Cを経由した配送ルートRによって配送される。なお、経由場所A,B,Cは、例示であり、物品9の配送ルートRに応じて変更されるものである。
【0016】
電子ペーパー8は、粒子の電気泳動を利用したシート状の表示装置であり、表裏にわたって電圧が印可されることで書き込まれた情報を表示可能とする。本実施例の電子ペーパー8は、配送伝票のための情報、物品9を識別可能とする識別情報及び次の経由場所を示す次経由場所情報が表示される。
【0017】
識別情報は、物品9自体を識別する情報又は物品9の配送ルートRを識別する情報である。具体的には、物品9の配送サービスを依頼した際にサービス会社から発行される発注番号や発注者の発注者ID等の情報を用いることができる。次経由場所情報は、各経由場所A,B,Cに対して、次に経由すべき経由場所を特定する情報である。
【0018】
各経由場所A,B,Cでは、作業者が電子ペーパー8に表示されている次経由場所情報を確認し、物品9を次の経由場所へ向けて配送するための作業が行われる。このとき、電子ペーパー8は、表示中の情報が次の経由場所を示す次経由場所情報に書き換えられることになる。
【0019】
本実施例の配送管理システム1は、配送管理装置としての配送管理サーバー3と、複数の作業者端末4(ここでは、便宜的に、作業者端末4A,4B,4Cのみ示す)とがネットワーク7を介して通信可能に構成され、配送管理サーバー3及び作業者端末4によって各経由場所A,B,Cでの電子ペーパー8の情報の書き替え及びこれに基づく物品9の配送管理を可能とする。
【0020】
図2は、
図1の配送管理サーバーの構成を示すブロック図である。
【0021】
配送管理サーバー3は、複数の経由場所A,B,Cを経由して配送される物品9の配送ルートRを管理する情報処理装置であり、ネットワークインターフェイス部31、記憶部32、制御部33を備えている。
【0022】
ネットワークインターフェイス部31は、作業者端末4及び画像形成装置6を含む外部装置との間で、ネットワーク7を介した通信によるデータの送受信を行うインターフェイスである。
【0023】
制御部33は、プログラムを実行して配送管理サーバー3の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)等の演算装置を有する。
【0024】
記憶部32は、各種のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、補助記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)等を有する。
【0025】
本実施例の配送管理サーバー3は、制御部33が記憶部32内のプログラムを実行することで、次経由場所情報管理部331、ルート特定部332、配送ルートエラー判断部333、経由場所時間取得部334、配送時間エラー判断部335、エラー通知情報送信部336、次経由場所情報送信部337、スケジュール管理部338、配送履歴管理部339として動作する。
【0026】
次経由場所情報管理部331は、次経由場所情報管理機能を実現し、物品9に関連付けて配送ルートRと配送ルートR上の各経由場所A,B,Cに対する次経由場所情報とを管理する。配送ルートR及び次経由場所情報は、記憶部32内に記憶されている。
【0027】
ルート特定部332は、ルート特定機能を実現し、後述する各経由場所A,B,Cの作業者端末4から送信された物品9の識別情報に基づいて物品9の配送ルートRを特定する。
【0028】
配送ルートエラー判断部333は、配送ルートエラー判断機能を実現し、物品9が配送ルートRから外れている配送ルートエラーの有無を判断する。具体的には、配送ルートエラー判断部333は、後述する各経由場所A,B,Cの作業者端末4から送信された現在の経由場所を示す現経由場所情報を取得し、対応した現経由場所がルート特定部332により特定された配送ルートR内に存在しない配送ルートエラーの有無を判断する。
【0029】
経由場所時間取得部334は、経由場所時間取得機能を実現し、後述する各経由場所A,B,Cの作業者端末4から現経由場所情報を送信した送信時間又は現経由場所情報を受信した受信時間を経由場所時間として取得する。
【0030】
配送時間エラー判断部335は、配送時間エラー判断機能を実現し、特定の時間内に物品9が経由場所を経由していない配送時間エラーの有無を判断する。具体的には、物品9の配送ルートエラーがない場合に、経由場所時間が後述するスケジュール管理部338で管理される経由場所の配送スケジュール時間帯の範囲外であることを示す配送時間エラーの有無を判断する。
【0031】
エラー通知情報送信部336は、エラー通知情報送信機能を実現し、配送ルートエラーがある場合に、現経由場所の作業者端末4に対して配送ルートエラーを通知するエラー通知情報を送信する。また、エラー通知情報送信部336は、エラー通知情報を物品9の所有者の通知先に送信する。所有者の通知先は、電子メールのアドレスや携帯電話番号等とすることができ、例えば物品9の配送を受け付ける際等に事前に設定されて記憶部32内に記憶される。
【0032】
本実施例のエラー通知情報送信部336は、配送時間エラーがある場合にも、作業者端末4及び物品の所有者の通知先にエラー通知情報を送信する。
【0033】
次経由場所情報送信部337は、次経由場所情報送信機能を実現し、配送ルートエラー及び配送時間エラー(以下、これらを「配送エラー」と総称することがある)がない場合に現経由場所に対する次経由場所情報を現経由場所の作業者端末4に送信して取得させる。なお、エラー通知情報送信部336が配送ルートエラー時にのみエラー通知情報を送信する場合は、配送ルートエラーがない場合にのみ、次経由場所情報送信部337が次経由場所情報を送信すればよい。
【0034】
スケジュール管理部338は、スケジュール管理機能を実現し、物品9の配送ルートR上の経由場所毎に物品9の経由が予定される時間帯を配送スケジュール時間帯(配送スケジュール情報)として管理する。配送スケジュール情報は、記憶部32に記憶されて管理されている。
【0035】
配送履歴管理部339は、配送履歴管理機能を実現し、各経由場所の作業者端末4から送信された現経由場所情報に基づく配送履歴情報を管理する。配送履歴情報は、例えば、物品9に関連する各経由場所A,B,Cの作業者端末4からの現経由場所情報を受信した順(時系列)に記憶し管理する。本実施例の配送履歴情報は、各経由場所A,B,Cでの経由場所時間、配送ルートエラー、及び配送時間エラーの情報も有する。
【0036】
図3は、
図1の作業者端末の構成を示すブロック図である。
【0037】
作業者端末4は、物品9の配送ルートR上の各経由場所A,B,Cで、例えば、前の経由場所から配送されてきた物品9を次の経由場所に向けて配送する時に作業者に操作されるものである。作業者端末4は、ネットワークインターフェイス部40、入力部41、書込部42、表示部43、操作部44、記憶部45、制御部46を備えている。
【0038】
ネットワークインターフェイス部40は、配送管理サーバー3を含む外部装置との間で、ネットワーク7を介した通信によるデータの送受信を行うインターフェイスである。
【0039】
入力部41は、電子ペーパー8上に表示されている物品9の識別情報を入力するものである。本実施例の入力部41は、例えばスキャナーによって構成され、電子ペーパー8上の識別情報を読み取る構成となっている。これに対応して、識別情報は、例えば、一次元又は二次元のバーコードやARマーカー等の入力部41で読み取り可能なコードとなっている。なお、電子ペーパー8上の識別情報を文字列等とした場合は、文字列等の操作入力により識別情報の入力を行わせることも可能である。
【0040】
書込部42は、電子ペーパー8に対して情報の書き込みを行う。書込部42は、電子ペーパー8に対する周知の書込装置を利用することができる。例えば、書込部42は、電子ペーパー8を挟んで表裏に電圧を印可可能な電極を有し、電圧の印可によって電子ペーパー8の情報の書込又は表示中の情報を書き換える。
【0041】
表示部43は、配送管理サーバー3との間で送受信する情報や電子ペーパー8から読み取った情報の表示等を行う表示画面である。
【0042】
操作部44は、入力部41による識別情報の読み取り、書込部42による情報の書込、及び表示部43による情報の表示等に対する操作入力を可能とする。
【0043】
制御部46は、プログラムを実行して上記各部を制御するCPU等の演算装置を有する。記憶部45は、各種のプログラムを記憶するROM、作業領域としてのRAM、補助記憶装置としてのHDD等を有する。
【0044】
本実施例の作業者端末4は、制御部46が記憶部45内のプログラムを実行することで、入力受付部461、現経由場所情報取得部462、次経由場所情報取得部463、書換部464として動作する。
【0045】
入力受付部461は、入力受付機能を実現し、物品9の次の経由場所へ向けた作業時に電子ペーパー8上に表示されている物品9の識別情報の入力を受け付ける。具体的には、入力部41で読み取った電子ペーパー8上の識別情報を、入力受付部461が取得して受け付ける。
【0046】
現経由場所情報取得部462は、現経由場所情報取得機能を実現し、識別情報の入力を受け付けた現経由場所に関する現経由場所情報を取得する。現経由場所情報としては、例えば、自端末を識別する端末識別情報や自端末の位置情報等とすることができるが、配送管理サーバー3が各経由場所を現経由場所として認識できるものであれば良い。
【0047】
次経由場所情報取得部463は、次経由場所情報取得機能を実現し、入力受付部461により受け付けた識別情報及び現経由場所情報取得部462により取得された現経由場所情報を配送管理サーバー3に送信して次経由場所情報を取得する。
【0048】
書換部464は、書換機能を実現し、次経由場所情報取得部463により取得された次経由場所情報によって、電子ペーパー8で表示中の情報を書込部42の制御を通じて書き換える。また、書換部464は、配送管理サーバー3からのエラー通知情報によって、電子ペーパー8で表示中の情報を書込部42の制御を通じて書き換える。
[配送サービス]
図4は、本実施例の配送管理が適用される配送サービスの一例を示す概念図である。
図4の例は、特に、旅行に際して提供される物品の配送サービスである。
【0049】
本実施例の配送サービスにおいては、所有者(旅行者)が事前に申し込んだ物品(この例では、旅行カバン)9の配送サービスに応じ、発送元である所有者の自宅で集荷された物品9が、発空港、トランジット地、着空港をそれぞれ経由場所A,B,Cとして順に経由し、配送先である宿泊ホテルまで配送される。
【0050】
物品9には、例えば、発送元での物品9の集荷時等に、作業者側で用意した電子ペーパー8が付される。物品9に付される電子ペーパー8には、物品9の識別情報と、最初の経由場所(次の経由場所)となる経由場所A(発空港)を示す経由場所情報(次経由場所情報)とが初期表示されている。このため、集荷した作業者は、電子ペーパー8の次経由場所情報を確認して物品9に対して経由場所Aへ向けた配送作業を行うことができる。
【0051】
経由場所Aでは、物品9が配送されてくると、作業者が作業者端末4Aを用いて、物品9の集荷チェックとして電子ペーパー8上の識別情報を読み取る。このとき、電子ペーパー8に表示中の次経由場所情報を次の経由場所Bを示す次経由場所情報に書き換える。そして、経由場所Aの作業者は、書き換えられた次経由場所情報を確認し、物品9に対して次の経由場所Bへ向けた配送作業を行うことができる。
【0052】
経由場所B及びCにおいても、経由場所Aと同様の配送作業が行われ、最終的に物品が宿泊ホテルまで配送されることになる。そして、物品9に付された電子ペーパー8は、物品9を配送先まで配送し終えて所有者に渡す前に物品9から取り外されて回収される。
【0053】
このような物品9の配送に際し、各経由場所A,B,Cでは、作業者端末4での電子ペーパー8上の識別情報の読み取りを通じて、物品9の配送管理が行われる。
[作業者端末での配送管理処理]
図5は、作業者端末での物品の配送管理処理を示すフローチャートである。
【0054】
図5の処理は、
図4の各経由場所A,B,Cの作業者が物品9に付されている電子ペーパー8上の識別情報を入力部41で読み取ることで開始される。
【0055】
ステップS1では、まず「識別情報の取得」が行われる。すなわち、入力受付部461は、作業者端末4の入力部41で読み取られた識別情報を取得して入力を受け付ける。このようにしてステップS1が完了すると、ステップS2へ移行する。
【0056】
ステップS2では、「現経由場所情報の取得」が行われる。すなわち、現経由場所情報取得部462は、現経由場所情報として、例えば自端末の端末識別情報を取得する。こうしてステップS2が完了すると、ステップS3へ移行する。
【0057】
ステップS3では、「識別情報及び現経由場所情報の配送管理サーバーへの送信」が行われる。すなわち、次経由場所情報取得部463は、ステップS1で取得した識別情報とステップS2で取得した現経由場所情報とを配送管理サーバー3に送信する。こうしてステップS3が完了すると、ステップS4へ移行する。
【0058】
ステップS4では、「配送管理サーバーからの応答の受信」が行われる。すなわち、次経由場所情報取得部463は、ステップS3での識別情報及び現経由場所情報の送信に対し、配送管理サーバー3からの応答を受信する。こうしてステップS4が完了すると、ステップS5へ移行する。
【0059】
ステップS5では、「応答はエラー通知情報か?」が行われる。すなわち、次経由場所情報取得部463は、ステップS4で受信した配送管理サーバー3からの応答が次経由場所情報であるかエラー通知情報であるかを判断する。
【0060】
応答が次経由場所情報である場合は、つまりエラー通知情報ではない場合はステップS6に移行し(NO)、応答がエラー通知情報である場合は、ステップS8に移行する(YES)。
【0061】
なお、応答としての次経由場所情報は、作業者端末4からの識別情報及び現経由場所情報に基づいて、物品9が配送ルートRに乗って配送されていると判断される場合に配送管理サーバー3が作業者端末4に送信する。詳細は後述する。
【0062】
逆に、上述の配送ルートエラー又は配送時間エラーの配送エラーがあると判断される場合には、配送管理サーバー3からエラー通知情報が作業者端末4に送信される。
【0063】
ステップS6では、「次経由場所情報の取得」が行われる。すなわち、次経由場所情報取得部463は、ステップS4で受信した応答に応じて次経由場所情報を取得する。こうしてステップS6が完了することにより、ステップS7に移行する。
【0064】
ステップS7では、「電子ペーパーの次経由場所情報の書き換え」が行われる。すなわち、書換部464は、ステップS6で取得した次経由場所情報によって、電子ペーパー8で現在表示中の次経由場所情報を書き換える。こうしてステップS7が完了すると、
図5の作業者端末での配送管理処理が終了する。
【0065】
一方、ステップS5での応答が配送エラー通知であった場合は、ステップS8において「エラー通知情報の書き込み」が行われる。すなわち、書換部464は、ステップS4で受信した応答に応じてエラー通知情報を取得し、取得したエラー通知情報によって電子ペーパー8で表示中の情報を書き換える。
【0066】
これにより、作業者は、電子ペーパー8上に表示されたエラー通知情報を確認し、前の経由場所で物品9の発送に携わった作業者に問い合わせる等のエラー対応処理を行うことができる。なお、エラー通知情報には、配送エラーが生じた旨の他、エラー対応処理方法を含めておくことで、作業者に円滑なエラー対応を行わせることが可能となる。
【0067】
こうしてステップS8が完了すると、
図5の作業者端末での配送管理処理が終了する。
[配送管理サーバー側での配送管理処理]
図6は、配送管理サーバー側での物品の配送管理処理を示すフローチャートである。
図6の処理は、
図5の処理のステップS3において作業者端末4が識別情報及び現経由場所情報を送信することで開始される。
【0068】
ステップS21では、まず「識別情報及び現経由場所情報の受信」が行われる。すなわち、ルート特定部332は、作業者端末4により送信された識別情報及び現経由場所情報を受信し取得する。こうしてステップS21が完了すると、ステップS22へ移行する。
【0069】
ステップS22では、「配送ルートの特定」が行われる。すなわち、ルート特定部332は、ステップS21で取得した識別情報に基づき、識別される物品9の配送ルートRを特定する。具体的には、次経由場所情報管理部331が管理している配送ルートから識別情報に対応する配送ルートRを検索し特定する。これによりステップS22が完了し、ステップS23に移行する。
【0070】
ステップS23では、「現経由場所は配送ルート内の経由場所?」が行われる。すなわち、配送ルートエラー判断部333は、ステップS22で特定した配送ルートR中に、ステップS21で取得した現経由場所情報により識別される経由場所が存在するか否かを判断する。
【0071】
現経由場所が特定された配送ルートR内に存在する場合は、配送ルートエラーがないものとしてステップS24に移行し(YES)、現経由場所が配送ルートR内の経由場所でない場合は、配送ルートエラーがあるものとしてステップS26に移行する(NO)。
【0072】
ステップS24では、「現経由場所での配送スケジュール時間帯の範囲内?」が行われる。ここでは、まず、経由場所時間取得部334が経由場所時間を取得する。経由場所時間は、上述のとおり、作業者端末4から配送管理サーバー3に対して現経由場所情報を送信した送信時間(
図6のステップS3参照)又は配送管理サーバー3が現経由場所情報を受信した受信時間(ステップS21参照)である。
【0073】
経由場所時間が作業者端末4での送信時間の場合は、識別情報及び現経由場所情報と共に送信時間を作業者端末4に送信させればよい。経由場所時間が配送管理サーバー4での受信時間の場合は、ルート特定部332が識別情報及び現経由場所情報を受信した時間を取得すればよい。
【0074】
次に、配送時間エラー判断部335は、取得した経由場所時間がスケジュール管理部338で管理される経由場所の配送スケジュール時間帯の範囲内であるか否かを判断する。
【0075】
経由場所時間が配送スケジュール時間帯内の場合は、配送時間エラーが無いものとしてステップS25に移行し(YES)、経由場所時間が配送スケジュール時間帯外の場合は、配送時間エラーが有るものとしてステップS26に移行する(NO)。
【0076】
ステップS25では、「作業者端末への次経由場所情報の送信」が行われる。すなわち、次経由場所情報送信部337は、ステップS22で特定された配送ルートR中、現経由場所に対する次経由場所情報を記憶部32から読み出し、読み出した次経由場所情報をステップS21で受信した識別情報及び現経由場所情報の送り先の作業者端末4に対して送信する。ステップS25の処理が完了することにより、
図6の配送管理サーバー側での配送管理処理が終了する。
【0077】
一方、ステップS26では、「エラー通知」が行われる。すなわち、エラー通知情報送信部336は、上述した配送ルートエラー(ステップS23参照)又は配送時間エラー(ステップS24参照)の配送エラーを通知するためのエラー通知情報を生成し、生成したエラー通知情報を現経由場所の作業者端末4及び所有者に送信する。
【0078】
これにより、配送ルートエラー又は配送時間エラーの配送エラーが発生したことを作業者及び所有者に知らせることができる。
【0079】
エラー通知情報には、上述のとおり、配送エラーが生じた旨の他、エラー対応処理方法を含めておくことも可能であるが、エラー対応処理方法は、作業者と所有者とで当然異なったものとなる。
【0080】
ステップS26の配送エラー処理が完了することにより、
図6の物品の配送管理処理が終了する。
【0081】
図6の配送管理処理の実行中、配送履歴管理部339は、ステップS21での各経由場所の作業端末4からの現経由場所情報、経由場所時間、ステップS25での次経由場所情報の送信時間、ステップS23での配送ルートエラーやS24での配送時間エラーの発生時間等に基づき、識別情報(物品9又は配送ルートR)に関連付けた配送履歴情報を生成し、生成した配送履歴情報を例えば記憶部32に記憶して管理する。
【0082】
配送履歴情報は、物品9の所有者が情報処理装置を用いて閲覧し或いは印刷出力することが可能である。例えば、エラー通知情報に配送履歴情報へのアクセス情報を含めておくことで実現できる。また、物品9の配送が完了した場合には、配送履歴情報へのアクセス情報を含む配送完了情報を所有者へ送信すればよい。
【0083】
また、配送履歴情報は、配送管理サーバー3にネットワーク7を介して通信可能な画像形成装置6(
図1の二点鎖線)によって印刷出力する構成としてもよい。
[実施例の効果]
本実施例の配送管理システム1は、配送管理サーバー3が、物品9に関連付けて配送ルートR上の各経由場所A,B,Cに対する次経由場所情報を管理する次経由場所情報管理部331を備え、作業者端末4が、次の経由場所へ向けた作業時に電子ペーパー8上の物品9を識別可能とする識別情報の入力を受け付ける入力受付部461と、識別情報の入力を受け付けた現経由場所に関する現経由場所情報を取得する現経由場所情報取得部462と、識別情報及び現経由場所情報を配送管理サーバー3に送信して次経由場所情報を取得する次経由場所情報取得部463と、取得した次経由場所情報によって電子ペーパー8で表示中の情報を書き換える書換部464とを備える。
【0084】
従って、本実施例では、複数の経由場所A,B,Cを経由して物品9を配送する場合に、電子ペーパー8上に次経由場所を表示すると共に表示中の次経由場所が不用意に切り替えられることを防止できる。結果として、本実施例では、作業者に次経由場所へ向けた正確な作業を促すことができ、配送エラーを抑制することが可能となる。
【0085】
また、本実施例の作業者端末4は、入力受付部461で識別情報の入力を受け付けるスキャナーとしての入力部41を備え、識別情報が入力部41で読み取り可能なコードである。
【0086】
従って、本実施例では、電子ペーパー8から物品9を識別可能とする識別情報を容易且つ確実に取得でき、次経由場所情報の書き替えも確実に行うことができる。
【0087】
また、本実施例の配送管理サーバー3は、作業者端末4から送信された識別情報から物品9の配送ルートを特定するルート特定部332と、作業者端末4から送信された現経由場所情報に対応した現経由場所が特定された配送ルート内に存在しない配送ルートエラーの有無を判断する配送ルートエラー判断部333と、配送ルートエラーがない場合に現経由場所に対する次経由場所情報を作業者端末に送信して取得させる次経由情報送信部337とを備える。
【0088】
従って、本実施例では、配送ルートエラーが発生していない場合にのみ、電子ペーパー8上での次経由場所情報の書き換えを行うことができ、常に現経由場所にとっての正しい次経由場所情報を電子ペーパー8に表示できる。このため、より確実に作業者に次の経由場所へ向けた正確な作業を促すことができ、配送エラーを抑制することが可能となる。
【0089】
また、次経由場所情報の書き換えが行われなかった場合は、作業者に配送ルートエラーが生じていることを認識させることができ、配送ルートエラーに対する迅速な処理を可能として配送の信頼性を向上することができる。
【0090】
また、本実施例の配送管理サーバー3は、配送ルート上の経由場所毎に物品9の配送スケジュール時間帯を管理するスケジュール管理部338と、作業者端末4から現経由場所情報を送信した送信時間又は現経由場所情報を受信した受信時間を経由場所時間として取得する経由場所時間取得部334と、配送ルートエラーがない場合に経由場所時間がスケジュール管理部338で管理される対応した経由場所の配送スケジュール時間帯の範囲外であることを示す配送時間エラーの有無を判断する配送時間エラー判断部335とを備え、次経由情報送信部337が、配送時間エラーがない場合に次経由場所情報の送信を行う。
【0091】
従って、本実施例では、配送ルートエラー及び配送時間エラーが発生していない場合にのみ、電子ペーパー8上の次経由場所情報を書き換えることができる。
【0092】
従って、次経由場所情報の書き換えが行われなかった場合は、作業者に配送時間エラーも生じていることを認識させることができ、配送時間エラーに対する迅速な処理を可能とする。特に、旅行者にとっては、物品9が予定される配送スケジュール時間通りに配送されていることが重要であるから、配送時間エラーに対する迅速な処理を通じて配送の信頼性を向上することができる。
【0093】
また、本実施例の配送管理サーバー3は、配送ルートエラー又は配送時間エラーの配送エラーがある場合に、現経由場所の作業者端末4に対して配送エラーを通知するエラー通知情報を送信するエラー通知情報送信部336を備え、作業者端末4の書換部464が、エラー通知情報によって電子ペーパー8で表示中の情報を書き換える。
【0094】
従って、作業者は、電子ペーパー8の表示内容を見て配送エラーが発生したことを確実に認識することができ、配送エラーに対する迅速且つ確実な処理が可能となる。
【0095】
また、本実施例では、配送管理サーバー3のエラー通知情報送信部336がエラー通知情報を事前に設定した物品9の所有者の通知先に送信する。
【0096】
従って、本実施例では、物品9の所有者も配送エラーを認識することができ、配送エラーに対する所有者側での迅速な処理を可能とする。しかも、作業者と物品の所有者とで配送エラーを二重にチェックすることができ、配送エラーが見過ごされたままとなる危険性を回避できる。
【0097】
また、本実施例の配送管理サーバー3は、各経由場所の作業者端末4から送信された現経由場所情報に基づく配送履歴情報を管理する配送履歴管理部339を備える。
【0098】
従って、本実施例では、物品9の所有者等に配送履歴を確認させることができ、所有者等の利便性を向上することができる。
【0099】
また、本実施例では、配送履歴情報を印刷出力可能な画像形成装置6を有する。従って、本実施例では、画像形成装置6で物品の配送履歴情報を印刷出力したうえで確認することができる。
【0100】
本実施例の配送管理プログラムは、配送管理サーバー3のコンピューター33に、物品9に関連付けて配送ルートR上の各経由場所に対する次経由場所情報を管理する次経由場所情報管理機能を実現させ、作業者端末4のコンピューター46に、次の経由場所へ向けた作業時に電子ペーパー8上の識別情報の入力を受け付ける入力受付機能と、識別情報の入力を受け付けた現経由場所に関する現経由場所情報を取得する現経由場所情報取得機能と、識別情報及び現経由場所情報を配送管理サーバー3に送信して次経由場所情報を取得する次経由場所情報取得機能と、取得した次経由場所情報によって電子ペーパー8で表示中の情報を書き換える書換機能とを実現させる。
【0101】
従って、本実施例の配送管理プログラムは、配送管理サーバー3及び作業者端末4のコンピューターでの機能を通じ、複数の経由場所A,B,Cを経由して物品9を配送する場合に、電子ペーパー8上に次経由場所を表示すると共に表示中の次経由場所が不用意に切り替えられることを防止可能なシステムを実現することができる。
【0102】
本実施例の配送管理方法は、配送管理サーバー3により、物品9に関連付けて配送ルートR上の各経由場所A,B,Cに対する次経由場所情報を管理し、作業者端末4により、次の経由場所へ向けた作業時に電子ペーパー8上の識別情報を入力すると共に識別情報が入力された現経由場所に関する現経由場所情報を取得し、且つ識別情報及び現経由場所情報を配送管理サーバー3に送信することで次経由場所情報を取得して電子ペーパー8で表示中の情報を書き換える。
【0103】
従って、本実施例の配送管理方法は、配送管理サーバー3及び作業者端末4を用い、複数の経由場所A,B,Cを経由して物品9を配送する場合に、電子ペーパー8上に次経由場所を表示すると共に表示中の次経由場所が不用意に切り替えられることを防止できる。