(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
全体として符号90で示す分割型端面機械的密封組立体は、本開示の特徴、進歩および利点を例示するものであり、かつそれらを具現化する。
図1に、分割型端面機械的密封組立体90の切取斜視図を示し、
図2に、外側から見た正面図を示し、
図3に、部分側断面図を示す。組立体構成部材の特定の構成および関係を、その他の図においてさらに明確にするために示す。
【0014】
図示するように、分割型端面機械的密封組立体90は、外側面93においてハウジング92を通って延在している回転可能な軸91のための流体的に強固な密封を提供するために取り付けられている。ハウジング92は、ハウジング内の液体を加圧するように回転可能な羽根車(図示せず)を有するポンプを備えることができる。この開示では、「内側」という用語はハウジングの内部に向かうことを意味し、「外側」という用語はハウジングの外側に向かうことを意味する。同様に、「内部」または「内向き」という用語は、密封組立体の長手方向中心線に半径方向に向かうことを意味し、「外部」または「外向きの」という用語は、長手方向中心線から半径方向に離れることを意味する。
【0015】
説明を通して、環状であるものとして説明するかまたはリングとして識別する構成部材は、実際には、直径線に沿って分割され、2つの半円形区画から形成されていることを理解することも重要である。同様に、いくつかのエラストマー構成部材をリングとして説明する場合もあるが、実際には、端部が当接し半円形状に湾曲して協働して円形密封リング構成を形成する直線状区画である。
【0016】
分割型端面機械的密封組立体90は、グランドプレート組立体100、嵌合リング組立体200、主リング組立体300および付勢組立体400を具備する。
図3に示すように、グランドプレート組立体100は、その内側面107に沿って、軸91を包囲するハウジング92の外側面93に固定されている。グランドプレート組立体100は、軸91を包囲する環状密封チャンバ94を画定し、その内部で、組み立てられた密封の構成部材が動作する。
【0017】
グランドプレート組立体100は、接触面において当接する対向する横方向端部109によって分割されたグランドプレート区画110を具備する。区画110は、各々、フランジ部112および本体部114を具備する。区画110のうちの一方は、横方向端部109に隣接するフライス加工された段108を具備する。
図1および
図2に最もよく示されているように、その区画110は、各横方向端部109においてねじなしカウンタボア105が開放しているねじ穴を具備する。グランドプレート区画110の他方は、区画110が、横方向端部109が当接して配置される時にカウンタボア105と位置合せされるねじ穴106を具備する。固定ボルト135が、ねじなしシャンク137とともに第1区画の穴にねじ込まれる。ボルト135は、グランドプレート区画110を合わせて接続するために使用されるまで、ねじなしカウンタボア105内にねじ端部とともに存在する。そして、それらは、他方の区画110の位置合せされたねじ穴106内にねじ込まれることにより、区画を合わせて固定してグランドプレート組立体110を形成する。
図10および
図11に示すダウエルピン131は、各グランドプレート区画110の一方の横方向端部109において固定されている。それは、他方のグランドプレート区画110の横方向端部109の嵌合穴と係合して、区画の位置合せを確実にする。
【0018】
各グランドプレート区画110のフランジ部112はスロット116を有し、それを通して、ボルト139または他の締結具が延在して、分割型端面機械的密封組立体90を取付面93においてハウジング92に接続する。各グランドプレート区画110の本体部114の内側面107は、Oリング状エラストマー封止片119を受け入れる半円形封止溝117を含み、Oリング状エラストマー封止片119は、ハウジング92の外側取付面93と流体密封接触するように圧縮される。特に、半円形封止溝117は、先細断面を有し、それにより、その開口部は、Oリング型封止片119の外形より幾分か小さくなる。この関係により、片119が溝117内に保持される。
【0019】
図3および
図11に示すように、各グランドプレート区画110の本体部114の半円形密封リング溝124は、密封チャンバ94に対して開放している。溝124には、Oリング状エラストマー封止片126が設けられている。封止片126は、後に説明するように、軸方向に移動可能な主リング組立体300とグランドプレート組立体100との間に二次密封を提供する。溝117の場合のように、溝124への入口は、片を溝124内に保持するために、Oリング状封止片126の直径より小さい。
【0020】
図10に示すように、Oリング型封止片119は、溝117の半円形の広がりより幾分か長い。伸長する端部は、グランドプレート区画110の接合部において合わせて圧縮される。片126は、溝124の半円形の広がりより幾分か長い。伸長する端部は、グランドプレート区画110の接合部において合わせて圧縮され、流体密封を形成する。
【0021】
特に、
図11に示すように、各グランドプレート区画110の一方の横方向端部109には、適切に形成された溝に弾性密封部材140が設けられている。それを、エラストマー封止片119、エラストマー封止片126または両方の一体部分として成形してもよい。1つのこうした密封部材140が、各区画110において一方の横方向面に設けられている。区画110の接続時、それは、他方の区画の横方向端部109の対向する面に対して封止する。
【0022】
グランドプレート区画110の本体部114は、付勢組立体400を収容する密封チャンバ94の付勢チャンバ部127を画定する。半径方向環状壁128が、グランドプレート区画110の外側の広がりを画定する。区画110が合わせて組み立てられると、半径方向環状壁128が、内側に面している、半径方向環状の内側に面する反作用面129を画定し、それに対して、付勢組立体400が、主リング組立体300を嵌合リング組立体200に向かって付勢するように作用する。
【0023】
付勢チャンバ部127は、半円形密封リング溝124から外側に間隔を空けて配置されている半径方向環状壁128と半径方向環状棚132との間に延在する軸方向円柱状壁130を具備する。この棚は、半径方向当接面133を提供し、それに対して、付勢組立体400が、グランドプレート組立体100のハウジング92の外側取付面93に対する取付の完了の前に付勢される。
【0024】
各区画110の半径方向壁128は、
図3aおよび
図10に示す2つの穴125を含み、各々が、横方向端部109から約30度(30°)の半径方向線に配置されている。完全に組み立てられた分割型端面機械的密封組立体90では、穴125は、付勢組立体400の部材と協働して、主リング組立体300の回転に抵抗する。
【0025】
ここで
図1および
図3、特に
図6および
図7を参照すると、嵌合リング組立体200は、軸91と回転するように固定されている。それは、嵌合リング支持体またはアダプタ組立体250内で弾性コネクタ片240上に弾性的にまたは軸方向に非堅固に支持されている、直径方向に分割された密封面を画定する嵌合密封リング230を具備する。面画定密封リング区画を、特定の封止用途に応じて、炭化ケイ素またはセラミックから作製してもよい。
【0026】
嵌合密封リング230は、軸91を自由に包囲するような寸法であり、半径方向端部が接触面234に沿って係合して、2つの半円形区画に分割される。接合されたリング区画は、外側に面している連続した半径方向環状封止面236を形成する。反対側の内側半径方向面237には、嵌合密封リング230の区画の各々が、
図3および
図6に最もよく示す半径方向スロット238を具備する。それは、接触面234において係合した端部の間の中間に位置する。
【0027】
図4および
図5に最もよく示すように、嵌合密封リング230は、外向き軸方向円柱状面242を具備する。それは、内側に面する半径方向環状面243および最外軸方向円柱状面244をさらに画定する。外向きの軸方向円柱状面242は、外側に向けられた半径方向捕捉溝245によって内側に面する半径方向環状面243に接合されている。内向きに向けられた軸方向捕捉溝246は、外側に向けられた半径方向捕捉溝245から内側に、外向き軸方向円柱状面242から半径方向内向きに延在している。
【0028】
嵌合リング支持体またはアダプタ組立体250は、区画化された嵌合密封リング230を収容する金属支持構成部材である。それは、横方向端部252を有する半円形区画251から形成されている。
図6に最もよく示すように、嵌合リングアダプタ区画251のうちの一方は、横方向端部252に隣接するフライス加工された段253を具備する。その区画251は、ねじなしカウンタボア254が各横方向端部252において開放しているねじ穴を具備する。他方の嵌合リングアダプタ区画は、区画251が、横方向端部252が当接して配置される時にカウンタボア254と位置合せされるねじ穴255を具備する。ねじなしシャンク239を備えた固定ボルト235は、ねじなしカウンタボア254を有する区画251の穴にねじ込まれる。ボルトのねじ端部は、嵌合リングアダプタ区画251を合わせて接続するために使用されるまで、ねじなしカウンタボア254内に存在する。そして、それらは、他方の区画230の位置合せされたねじ穴255内にねじ込まれることにより、区画を合わせて固定して単体の嵌合リングアダプタ組立体250を形成する。各嵌合リングアダプタ区画251の一方の横方向対向端部252に固定された、
図1に示すダウエルピン231が、他方の嵌合リングアダプタ区画251の一方の横方向対向端部252において嵌合穴と係合して、区画の位置合せを確実にする。
【0029】
そのように接合されると、嵌合リングアダプタ組立体250は、全体的に環状であり、軸91の外径に合うようにサイズが決められた内部ボア256を画定する。各嵌合リングアダプタ区画251は、止めねじ257とともに半径方向ねじ穴を含み、それにより、嵌合リングアダプタ組立体250を軸91に軸とともに回転するように固定する。各嵌合リングアダプタ区画251は、内部ボア256に半径方向溝258を具備する。密封溝258におけるOリング状エラストマー密封片259は、軸91の外面と流体密封関係を提供する。溝258は、密封・片259を適所に保持するように、グランドプレート区画110の溝117に類似する先細断面を有している。すなわち、その開口部は、片259の外径より幾分か小さい。片259はまた、嵌合リングアダプタ組立体250の各区画251における溝258の半円形の広がりより幾分か長い。広がる端部は、合わせて、ボルト235により区画251の接合部に対して圧縮されて、流体密封を形成する。
【0030】
図1および
図7に示すように、嵌合リングアダプタ区画251の横方向端部252の間の接触面234には、弾性エラストマー密封部材290が設けられている。1つのこうした密封部材290は、適切に形成された溝における一方の対向している横方向端部252の各区画230に設けられている。それを、エラストマー封止片259、弾性コネクタ片240または両方の一体部分として成形してもよい。区画230の接続時、それは、他方の嵌合リングアダプタ区画251の反対に面している横方向端部252に対して封止する。
【0031】
嵌合リングアダプタ組立体250は、軸方向に非堅固な支持関係で嵌合密封リング230を受け入れる外側に面するカウンタボアを画定する。それは、外側に面する半径方向壁274を具備する。
図1および
図6〜
図8に最もよく示すように、軸方向ピン272が、半径方向壁274から外側方向に延在している。各軸方向ピン272は、嵌合密封リング230の区画の半径方向スロット238に配置されており、嵌合リングアダプタ組立体250と嵌合密封リング230との間に駆動係合を提供する。軸方向ピン272は、嵌合リングアダプタ組立体250の各区画251の横方向対向端部252の間の中間に配置されている。したがって、嵌合密封リング230の各区画は、嵌合リングアダプタ組立体250の区画のピン272と係合する。特に、半径方向スロット238は、軸方向ピン272の直径より半径方向において実質的に長く、半径方向に十分な隙間を提供する。したがって、ピン272は、スロット238の半径方向側壁のみに沿って嵌合密封リング230の区画と係合する。
【0032】
嵌合リングアダプタ区画251は、各々、弾性コネクタ片240を収容する半円形保持溝280を具備する。
図3〜
図5に最もよく示すように、保持溝280は、嵌合密封リング230を受け入れる外側に面するカウンタボアの半径方向外向きに嵌合リングアダプタ区画251に形成されている。したがって、弾性コネクタ片240は、嵌合密封リング230の半径方向外向きの軸方向円柱状面242の半径方向外向きに存在する。
【0033】
図4を参照すると、保持溝280は、丸みが付けられた角283において接合された外側に面する半径方向環状壁282および軸方向に延在する半円柱状壁284によって画定されている。軸方向に延在する半円柱状壁284における保持溝280の外側端部は、半円形肩部288によって画定された外側切欠き286を具備する。
【0034】
嵌合密封リング230の個々の区画は、各々、嵌合密封リング230の区画の分割された端部が、嵌合リングアダプタ区画251の横方向対向端部252と位置合せされて、嵌合リングアダプタ組立体250の区画251によって画定される外側に面する嵌合リングカウンタボア内に存在する。嵌合密封リング230の外側軸方向円柱状面242および最外軸方向円柱状面244は、外側に面する嵌合リングカウンタボアに対してわずかな隙間を提供するようなサイズであり、それにより、嵌合密封リング230の各区画は、弾性コネクタ片240によって各嵌合リングアダプタ区画251内に軸方向に非堅固に支持される。さらに、嵌合密封リング230の各区画は、弾性コネクタ片240によって、事前に組み立てられたサブ組立体としてその関連する嵌合リングアダプタ区画251に、弾性的に軸方向にかつ半径方向に支持される。
【0035】
図8および
図9に、主密封リング組立体300を最もよく示す。それは、軸91を自由に包囲するようにサイズが決められた主密封リング330を具備する。それは、半径方向端部が接触面334に沿って係合して、2つの半円形区画に分割される。接合された区画が、内側に面する連続的な半径方向環状封止面336を形成している。主密封リング330の区画の対向する外側環状面337各々は、その半径方向外向き端部に面取り部339がある半径方向スロット338を有している。それは、接触面334において係合した端部の間の中間に位置する。
【0036】
主密封リング330の区画は、半径方向外側に軸方向に延在する円柱状密封面340を画定する。それは、グランドプレート組立体100の上のOリング状封止片126の摺動封止係合のための面を提供し、それにより、軸91の周囲で主リング組立体300を中心に支持する。主密封リング330の面画定リング区画を、特定の封止用途に応じて炭化ケイ素または炭素から作製してもよい。嵌合密封リング230用のセラミック材料および主密封リング330用の炭素材料は、混合機の容器における等の乾式運転用途に特に適している組合せである。
【0037】
半径方向内向きの溝342が、円柱状密封面340の内側端部において主密封リング330を包囲している。
図8および
図9に示すように、主密封リング組立体300は、主密封リング330の区画を合わせて環状構成で解放可能に固定するリテーナリング350を具備する。それは、全体として半円形であるが、半円より幾分か大きい円の区画を形成する。すなわち、その端部352は、合わせて、溝342の内径より狭い間隔で配置されている。リテーナリング350の端部352は、内縁が外向きに延在するように成形されている。この形状により、主密封リング330の区画を合わせて固定するように、半径方向溝342内における保持リング350の挿入が容易になる。
【0038】
図3、
図12および
図13に示すように、付勢組立体400は、グランドプレート組立体100の本体部114の付勢チャンバ部127に存在する。分割型端面機械的密封組立体90は、ハウジング92と軸91との間の適所にあると、主密封リング330に対して、内側に面する半径方向環状密封面336を、嵌合密封リング230の外側に面する半径方向環状密封面236と相対的に回転封止する関係になるように付勢する、軸方向の力を提供する。
【0039】
特に
図12および
図13を参照すると、付勢組立体400は、横方向端部432が形成されている一対の略半円形状付勢リング区画430を具備する。各付勢リング区画430は、各々、グランドプレート組立体100の環状付勢チャンバ部127の軸方向円柱状壁130よりわずかに小さい半径に形成された外側軸方向面431を具備する。
【0040】
図12に示すように、付勢リング区画430は幾分か先端が切断されており、横方向端部432は、各グランドプレート区画110の本体部114の付勢チャンバ部127内において組み立てられた状態で付勢リング区画430の外側軸方向面431によって形成された円の仮想横方向中心線「C」から、
図12において「P」で示す距離、間隔が空けられている。
【0041】
付勢リング区画430は、半径方向環状壁128の半径方向環状の内向きに面する反作用面129に面する、外側に面する半径方向壁436と、内側に面する半径方向壁437とを具備する。付勢チャンバ127の半径方向環状壁128と棚132との間の軸方向間隔は、内側に面する半径方向壁437と外側に面する半径方向壁436との間の付勢リング区画430の軸方向の広がりより大きい。したがって、付勢リング区画430は、付勢チャンバ127内で軸方向に移動可能である。
【0042】
各付勢リング区画430は、半径方向環状壁128の反作用面129に向かって開放している、
図3bおよび
図12に示す複数のばねポケット438を具備する。複数の軸方向圧縮コイルばね440は、各々、ばねポケット438の底部と反作用面129との間に延在し、各付勢リング区画430の内側に面する半径方向壁437を、環状棚132の半径方向当接面133と当接関係になるように付勢する。
【0043】
図3aに最もよく示すように、2つの保持ピン444は、各付勢リング区画430の外側に面する半径方向壁436の外側に延在している。ピン444は、グランドプレート区画110の半径方向環状壁128本体部114の穴125内に摺動可能に配置されることにより、グランドプレート組立体100の関連するグランドプレート区画110内で付勢リング区画430を支持する。ピン444および穴125は、各付勢リング区画430が、外部軸方向面431が付勢チャンバ127の軸方向円柱状壁130に近い間隔で配置されるように、付勢チャンバ部127内に支持されるように配置されている。
【0044】
付勢リング区画430の各々の横方向端部432は、グランドプレート区画110の横方向端部109の接触面に対して概して平行である。この関係において、付勢リング区画430は、圧縮コイルばね440の軸方向の力が、内側に面する半径方向壁437を、グランドプレート組立体100によって画定される密封チャンバ127の付勢チャンバ部127内において半径方向環状棚132の半径方向当接面133と当接対向関係になるように付勢するように配置されている。この状態で、付勢リング区画430は、各々、グランドプレート区画110のうちの1つの中に保持され、分割型端面機械的密封組立体90の取付用の事前に組み立てられたサブ組立体を形成する。
【0045】
付勢リング区画430の外部軸方向面431と半径方向環状棚132によって画定される開口部によって画定される相対的な直径とともに、グランドプレート区画110の半径方向環状壁128における穴125に対する保持ピン444の位置のために、付勢リング区画430をグランドプレート区画110に組み込むには、ピン444を半径方向環状壁128の穴125に係合させ、内側に面する半径方向壁437を半径方向環状棚132の後方に挿入するために、付勢リング区画430の端部432を付勢チャンバ部127の半径方向環状の内側に面する反作用面129に向かって傾斜させることが必要である。そのように取り付けられると、圧縮コイルばね440の軸方向の力は、事前に組み立てられた取付構成部材として、付勢リング区画430のチャンバ部127内に各付勢リング区画430を保持する。特に、先端が切断された端部432により傾斜が可能になり、それにより、ピン444の外側端部が半径方向環状壁128の穴125に入る際に、付勢リング区画430の外部軸方向面431が棚132を通過する。
【0046】
各付勢リング区画430の内側に面する半径方向壁437は、横方向端部432の間の中間に配置された軸方向ピン448を具備する。
図3に示すように、分割型端面機械的密封組立体90の完全に組み立てられた状態では、各区画のピン448は、主密封リング330の区画のうちの1つの半径方向スロット338に存在し、それにより、主密封リング330は、その関連する付勢リング区画430に対して回転不能になる。
【0047】
各付勢リング区画430は、各グランドプレート区画110の本体部114の半径方向壁128の穴125内に保持ピン444を配置することにより、グランドプレート組立体100に対して回転しないように固定される。特に、穴125は、ハウジング92と軸91との間に分割型端面機械的密封組立体90を取り付ける間に、ピン444が自由に摺動して、ばね440がグランドプレート組立体100の内側軸方向移動を通してハウジング92の外側面93に向かって軸方向に圧縮されるのを可能にするように、サイズが決められている。こうした軸方向移動は、内側に面する半径方向壁437が主密封リング330の外側半径方向環状面337との係合する際に発生する。
【0048】
分割型端面機械的密封組立体90の取付中、嵌合密封リング封止面236の軸方向位置は、ハウジング92の外側面93と軸91に固定された嵌合リングアダプタ組立体259とに対して所定位置に設定される。主密封リング封止面336は、嵌合リング封止面236と当接係合するように配置される。グランドプレート区画110は、付勢リング区画が取り付けられると、主密封リング組立体300の周囲に配置される。ボルト139の固定により、グランドプレート組立体100のハウジング92の外側面93に向かう軸方向移動をもたらす。付勢リング区画430の内側に面する半径方向壁437は、半径方向当接面133から分離し、コイルばね440を圧縮する。こうした圧縮により、主密封リング封止面336を嵌合密封リング230の封止面236と封止関係になるように付勢する所望の軸方向予荷重が提供される。
【0049】
ここで特に
図4および
図5を参照すると、弾性コネクタ片240と、嵌合密封リング230の区画との、その関連する嵌合リングアダプタ区画251に対する弾性的な軸方向および半径方向支持の詳細が記載されている。こうした関係により、嵌合リングアダプタ組立体250の外側に面するカウンタボア内の嵌合密封リング230の軸方向の非堅固な支持が提供される。理解することができるように、各嵌合リングアダプタ区画251は、弾性コネクタ片240の一部が配置される保持溝280を具備する。保持溝280および同様にコネクタ片240は、嵌合リングアダプタ区画251の横方向対向端部252の間に半円形状に延在する。片240は、溝の半円形の広がりより幾分か長い。このため、各区画における片240の端部は、横方向対向端部252を超えて延在する。嵌合リングアダプタ区画251を合わせて固定すると、これらの端部は当接しかつ変形して、嵌合リングアダプタ組立体区画250の区画251の横方向対向端部252において流体密封接合部を形成する。
【0050】
図4および
図5に示すように、各弾性コネクタ片240は、概して断面が矩形である。それは、内側半径方向環状面260、外側半径方向環状面264、内向き軸方向面266および外向き軸方向面268を具備する。伸縮性があって弾性的であるように選択される弾性コネクタ片240の材料によって、可撓性が提供される。適切なタイプの材料はまた、密封環境の作動流体に対するそれらの抵抗に基づいて選択され、エチレンプロピレン(EPDM)、フルオロカーボンポリマー等のエラストマー材料を具備することができる。
【0051】
内側半径方向環状面260および外向き軸方向面268は、滑らかな丸み270で接合する。内側半径方向環状面260および内向き軸方向面266は、内向き軸方向面266から半径方向内向きに延在する内向きに向けられたビード262によって接合される。ビード262は、略半円形断面を有している。
【0052】
内向き軸方向面266および外側半径方向環状面264は、外側半径方向環状面264から軸方向外側に延在する軸方向外側延在ビード267によって接合される。ビード267は、略半円形断面を有している。
【0053】
外側軸方向環状面264および外向き軸方向面268は、外側半径方向環状面264の外側に延在する外側に向けられたリブ269によって接合される。
【0054】
1つの弾性コネクタ片240は、その半円形保持溝280内の各嵌合リングアダプタ区画251に接続されている。
図5に示すように、内側半径方向環状面260は、嵌合リングアダプタ区画251の外側に面する半径方向環状壁282に接して存在する。外側軸方向面268は、軸方向に延在する半円柱状壁284に接して存在し、弾性コネクタ片240の外側に向けられたリブ269が、嵌合リングアダプタ区画251の肩部288によって画定される外側切欠き286内に捕捉される。弾性コネクタ片240は、肩部288と外側に面する半径方向環状壁282との間で幾分か圧縮されるようにサイズが決められている。この関係は、保持溝280内に弾性コネクタ片240を保持するのに十分な保持力を提供するのに適切である。
【0055】
図5に示すように、各弾性コネクタ片240はまた、嵌合密封リング230の区画に弾性的に取り付けられている。したがって、嵌合密封リング230の各区画は、嵌合リングアダプタ区画251上に軸方向にかつ半径方向に支持され、嵌合密封リング230の接触面234が、関連する嵌合リングアダプタ区画251の横方向対向端部252と位置合せされる。合わせて、嵌合密封リング230の区画と嵌合リングアダプタ組立体250の関連する区画251とが、取り付けるための取付可能サブ組立体を形成する。そのように軸91の周囲に取り付けられると、弾性コネクタ片240は、嵌合リングアダプタ組立体250内に嵌合リング230のための軸方向の非堅固な支持を提供する。
【0056】
弾性コネクタ片240は、半径方向外向き軸方向円柱状面242において嵌合密封リング230に弾性的に取り付けられている。弾性コネクタ片240の内向き軸方向面266は、嵌合密封リング230の区画の外向き軸方向円柱状面242の上に載っている。弾性コネクタ片240の外側半径方向環状面264は、嵌合密封リング230の内側に面する半径方向環状面243に寄りかかっている。弾性コネクタ片240の半径方向内向きに向けられたビード262は、内向きに向けられた軸方向捕捉溝246内に存在し、軸方向外側に向けられたビード267は、外側に向けられた半径方向捕捉溝245に存在している。弾性コネクタ片240は、半径方向環状の内側に面する面243と、半径方向内向きに向けられた軸方向捕捉溝246に配置された軸方向内向きに向けられたビード262との間で幾分か圧縮されるようにサイズが決められている。この関係は、弾性コネクタ片240を、半径方向外向き軸方向円柱状面242において嵌合密封リング230の区画に取り付けるために十分な保持力を提供するのに適切である。したがって、各弾性コネクタ片240は、嵌合リング組立体200を回転可能な軸91に取り付ける前に、嵌合密封リング230の区画をその関連する嵌合リングアダプタ区画251内に、偶発的に外れないように弾性的に支持する。弾性コネクタ片240を嵌合密封リング230または嵌合リングアダプタ組立体250の区画251に付着させるために接着剤は不要である。
【0057】
弾性コネクタ片240の延在するビード262、267およびリブ269、ならびに嵌合密封リング230および嵌合リングアダプタ区画251に画定されたこれらの輪郭に対する協働する受容部の特定の位置は、単に例示的なものであって限定するものではないことが言及されるべきである。これらの相互接続部材を、その他の場所に、たとえば、弾性コネクタ片240の外部画定面260、264、266または268に沿って、嵌合密封リング230および嵌合リングアダプタ区画251の協働する部材を対応して配置し直して、配置することができる。開示した配置は、その最も広い意味で、嵌合密封リング230を半径方向または軸方向に外れないように固定するように、嵌合リングアダプタ区画251および嵌合密封リング230の区画に弾性的に取り付けられる弾性コネクタ片240である。
【0058】
本開示の分割型端面機械的密封組立体90を、軸端部にアクセスすることなくハウジング92と回転可能な軸91との間に取り付けることができる。したがって、それは、軸が、好都合に取り外すことができる原動力に接続される取付において特に有用である。取付プロセスが簡略化され、完全かつ適切な取付が、本開示の分割型端面機械的密封組立体90のさまざまな特徴のために確実となる。
【0059】
特に、すべての弾性構成部材、すなわち、二次封止機能を行うさまざまな弾性エラストマー封止片が、一時的な接続を提供するために接着剤を使用することなく、関連する構成部材の適所に取り付けられる。嵌合リングアダプタ組立体250を形成するための嵌合リングアダプタ区画251の組立用の固定ボルト235は、ねじ端部がねじなしカウンタボア254内にあって、一方の嵌合リングアダプタ区画251によって支持される。組立時、これらのボルトは、他方の嵌合リングアダプタ区画251のねじ穴255内にねじ込まれる。したがって、ボルト235は、一方の嵌合リング区画251において、他方の嵌合リングアダプタ区画251に取り付けるために提供され、組立作業を簡略化する。
【0060】
同様に、グランドプレート組立体100の固定ボルト135は、ねじ端部がねじなしカウンタボア105内に存在して、一方のグランドプレート区画110の横方向端部109に緩く固定される。組立時、実施アクセスは、ボルトを、他方のグランドプレート区画110の横方向端部109においてねじ穴106に締結するために、ボルト135を支持しているグランドプレート区画110のみに対して必要である。
【0061】
嵌合密封リング230の区画は、各嵌合リングアダプタ区画251の外側に面するカウンタボア内に、弾性的に保持され、軸方向かつ半径方向に支持される。各区画251の軸方向ピン272は、嵌合密封リング230の区画のスロット238内に配置される。
【0062】
弾性コネクタ片240は、内側半径方向環状壁260および片240の外側に向けられたリブ269を、外側に面する半径方向環状壁282および保持溝280の外側切欠き286を形成する半円形肩部288と相互係合させることにより、保持溝またはチャネル280内で嵌合リングアダプタ区画251に弾性的に固定される。弾性コネクタ片240は、軸方向外側に向けられたビード267および半径方向内向きに向けられたビード262を、外側に向けられた半径方向捕捉溝245および内向きに向けられた軸方向捕捉溝246とそれぞれ相互係合させることにより、嵌合密封リング230の区画に弾性的に固定される。嵌合リングアダプタ区画251および嵌合密封リング230の弾性的に取り付けられた区画を、接続可能な一体的構成部材として、取り扱い、軸91に取り付けかつ固定することができる。上述したように、付勢組立体400は、同様に、付勢リング区画430がグランドプレート組立体100の関連する区画110内に収容されるように構成される。
【0063】
分割型端面機械的密封組立体90の取付は、嵌合リング組立体200を軸91に取り付けることで開始する。嵌合密封リング構成部材の事前に組み立てられた組立体は、嵌合リングアダプタ組立体250の区画251と、エラストマー・密封部材290と、エラストマー封止片259と、弾性コネクタ片240に弾性的に支持されている嵌合密封リング230の区画とを備えている。これらの2つのサブ組立体は、軸を中心に、一方の区画251の横方向端部252が他方の区画の横方向端部252に対向するように配置される。ハウジング92の外側面93と嵌合密封リング230の外側に面する半径方向環状封止面236との間に、適切な間隔が確立される。この位置を、嵌合リングアダプタ組立体250の区画251に事前に組み込まれた使い捨てスペーサ(図示せず)を用いて設定することができる。スペーサは、適切な間隔を設定するように外側面93と接触する。一方の嵌合リングアダプタ区画251のボルト235が、他方の嵌合リングアダプタ区画251のねじ穴255にねじ込まれることにより、嵌合リングアダプタ組立体250が完成する。こうしたボルト235の締付時に、弾性密封部材290は、嵌合リングアダプタ区画251の横方向対向端部252を封止する。また、Oリング状弾性封止片259が、軸91に対して流体密封になるように圧縮される。そして、止めねじ257が締め付けられて、嵌合リングアダプタ組立体250が軸91に固定される。
【0064】
次に、主密封リング230の区画は、内側に面する半径方向環状封止面336が、嵌合密封リング230の外側半径方向環状封止面236と対向接触して、軸91の周囲に配置される。保持リング350は、主密封リング330の各区画の半径方向内向き溝242内に配置されて、グランドプレート組立体100の取付前に主密封リング区画を合わせて保持する。
【0065】
そして、グランドプレート区画110は、エラストマー・密封部材140およびOリング状エラストマー封止片126が適所にあって、主密封リング組立体300の上に重なる関係で配置され、付勢リング区画430の内側に面する半径方向壁437とともに、主密封リング330の区画の外側半径方向環状面337と対向接触するように位置決めされる。使い捨てプラスチックスペーサ(図示せず)を採用して、軸91を中心にして嵌合リングアダプタ組立体250を位置決めすることができる。また、各半円形状付勢リング区画430の軸方向ピン448を、主密封リング330の区画のうちの1つの半径方向スロット338内に挿入するように注意しなければならない。チャンバ339は、ピン448の適切な挿入に役立つ。
【0066】
一方の区画110の横方向端部109が他方の区画の横方向端部109に対向して、第1区画によって支持されるボルト135が、他方の区画110のねじ穴106内にねじ込まれることにより、グランドプレート組立体100が完成する。このようにボルト135を締めると、弾性密封部材140が、グランドプレート区画110の横方向対向端部109を封止する。
【0067】
また、Oリング状エラストマー封止スリップ126は、内径が、主密封リング330の区画の半径方向外側の軸方向に延在する半円柱状面340の外径より小さい、円形エラストマー・密封を画定する。このように、片126は、軸方向に移動可能な主密封リング330の区画の半径方向外側の軸方向に延在する半円柱状面340と、グランドプレート区画110との間に、二次封止機能を提供する。
【0068】
ボルト139は、グランドプレート区画110のフランジ部のスロット116に挿入される。ボルト139を締めることにより、グランドプレート組立体100が内側軸方向に移動する。グランドプレート組立体100が軸方向内側に移動すると、グランドプレート組立体100の外側端部の半径方向環状壁128が、主密封リング330の外側半径方向環状面337に向かって移動し、コイルばね440の圧縮をもたらす。半円形付勢リング区画430の内側に面する半径方向壁437は、半径方向環状棚132の半径方向当接面133から離れる方向に移動する。したがって、圧縮コイルばね440の軸方向の力が、主密封リング330の外側半径方向環状面337に加わり、嵌合密封リング230の外側に面する半径方向環状封止面236内への主密封リング330の内側に面する半径方向環状封止面336の軸方向予荷重が提供される。
【0069】
ボルト139を締めることにより、取付プロセスが完了する。グランドプレート区画110の溝117内のOリング状エラストマー封止片119が、ハウジング92の外側面93に対する静的密封を提供する。グランドプレート区画110の半円形密封リング溝124内のOリング状エラストマー封止片126は、主リング330の半径方向外側の軸方向に延在する円柱状面340に対して半径方向に圧縮され、軸91を中心に主リング組立体300を配置する。
【0070】
上述した説明は、開示したシステムおよび技法の例を提供することが理解されよう。しかしながら、本開示の他の実施態様は、上述した例と詳細が異なり得ることが企図されている。本開示またはその例に対するすべての言及が、その箇所で論じられている特定の例を言及するように意図されており、より一般的に本開示の範囲に関していかなる限定も示唆するようには意図されていない。