特許第5973458号(P5973458)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973458
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】マルチリザーバポンプパッチ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   A61M5/14
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-540400(P2013-540400)
(86)(22)【出願日】2011年11月28日
(65)【公表番号】特表2013-544161(P2013-544161A)
(43)【公表日】2013年12月12日
(86)【国際出願番号】EP2011071131
(87)【国際公開番号】WO2012072555
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2014年10月14日
(31)【優先権主張番号】10192989.1
(32)【優先日】2010年11月29日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/433,800
(32)【優先日】2011年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ギャレン・コーヨムジャン
(72)【発明者】
【氏名】マルコム・スタンリー・ボイド
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・トーマス・デ ソースマレズ リンテル
【審査官】 鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−529961(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/137777(WO,A2)
【文献】 特表2004−521667(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0173772(US,A1)
【文献】 特表2001−509063(JP,A)
【文献】 特開平5−200107(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/072010(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
a.使用者の皮膚に直接、取り外し可能に張り付けるように構成される底面(5)を有するハウジング(8);
b.ハウジング内に収容された薬剤マニホールド(3);
c.遠位端及び近位端を有し、近位端がマニホールドに流体連通され、遠位端がハウジングを通って突出し、使用者皮膚中の皮下設置用に構成される、単一投薬インターフェース(4);
d.マニホールドに各々連結された第1のリザーバ(1)及び第2のリザーバ(2);及び
e.第1のリザーバに収容された一次薬剤を、マニホールドを通して、単一投薬インターフェースの近位端の中に、次いで遠位端の外へ連続的に投薬するように構成された第1のリザーバに連結されたポンプ(6);
を含み、
第2のリザーバ(2)は、入口(41a)及び出口(40a)を有し、そしてハウジング内の装入口(42)を通して交換可能であり、第2のリザーバは、第1のリザーバ(1)から流れる一次薬剤が二次リザーバの入口に入り出口から外へ流れるようにマニホールドに連結されることを特徴とする、
上記薬物送達デバイス。
【請求項2】
単一投薬インターフェースがニードルカニューレ(4)を含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項3】
第2のリザーバ(2)が少なくとも1回の用量を含む、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
第2のリザーバ(2)が、ハウジングの外部に位置する二次薬剤の外部ソース(33)から、二次薬剤を備えた第2のリザーバの充填を可能にするように構成された充填口(30)を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
単一投薬インターフェースの遠位端が、ハウジング(8)の底面(5)を通して突出するカニューレ(4)を含み、そして一次及び二次薬剤を皮下に投薬するように構成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
さらに、2つの流路位置を有する可動(回転可能又は摺動)内部ハウジングを含んでなる請求項のデバイスであって;ここで、第1の位置において、第2のリザーバが第1のリザーバとインラインに置かれ、そして第2の位置において、第2のリザーバが第1のリザーバとラインから外れて配置される、
上記デバイス。
【請求項7】
内部ハウジング(51)が、一次薬剤が第2のリザーバから二次薬剤を投薬フラッシュ又は駆動するように、軸(52)の周り回転て第2のリザーバ(2)をマニホールド(3)とインラインに置く、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
内部ハウジング(51)がさらに流路(50)を含み、内部ハウジング(51)が第2の位置にあるとき、流路(50)がマニホールド(3とインラインに置かれる、請求項又はに記載のデバイス。
【請求項9】
内部ハウジング(51)の第2の位置への再位置決めが、ハウジング内の開口部(図示せず)を通して、リザーバ(2)の交換を可能にする、請求項のいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの薬物作用物質(drug agent)を、別々のリザーバ又は容器から送達する医療デバイス及び方法に関する。より具体的には本発明は、単一投薬インターフェースを通じて、薬剤を患者に送達するために使用できる、パッチ状の、装着可能な(wearable)、内装型の物質注入デバイスに関わる。薬物作用物質は、2つ又はそれ以上のリザーバ、容器又は包装にて利用可能で、各々は独立に(単一薬物化合物)又はプレミックスされた(共製剤化多剤薬物化合物(co-formulated multiple drug compounds))薬物作用物質を含む。
【背景技術】
【0002】
特定の疾患は1つ又はそれ以上の異なる薬剤を用いる処置を必要とする。幾つかの薬物化合物は、最適治療用量を送達するために、互いに特定の関連において送達する必要がある。本開示は、併用療法が望ましい、しかしながら限定されるものではないが、安定性、不十分な治療効果及び毒性などの理由で単一製剤では可能でない場合に特に有利である。
【0003】
例えば、ある場合には、長時間作用型インスリンで、及びプログルカゴン遺伝子の転写産物から由来するグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)で糖尿病患者を処置することは有利であり得る。GLP−1は体内に見出され、消化管ホルモンとして腸管L細胞により分泌される。GLP−1は、それ(及びそのアナログ)を糖尿病の有力な処置法として広範囲な検討の対象とする幾つかの生理学的性質を有する。
【0004】
2つの薬剤又は活性剤(active agents)を同時に送達するとき、多くの潜在的な問題がある。2つの活性剤は、製剤の長期、貯蔵期間保存中に互いに相互作用し得る。従って、活性成分を別々に保存すること、及び送達、例えば注射、無針注射、ポンプ、又は吸入の時点でそれらをただ組み合わせることは有利である。しかしながら、2つの作用物質(agents)を組み合わせる方法は、使用者が確実に反復してそして安全に実施できるように単純かつ簡便である必要がある。
【0005】
更なる問題は、併用療法を構成する各活性作用物質の量及び/又は割合は、各使用者で又はそれらの療法の異なる段階で変える必要があり得ることである。例えば1つ又はそれ以上の活性剤は、患者を「維持」用量まで徐々に導くのに調節期間(titration period)を必要とし得る。更なる例は、1つの活性剤が無調整固定用量を必要とする一方で、他の活性剤は患者の症状又は身体状況に応じて変わる場合である。この問題は、これらのプレミックス製剤が、医療関係者又は使用者により変動することができない活性成分の固定比率を有する可能性があることから、複数の活性作用物質のプレミックス製剤は好適ではない可能性があることを意味する。
【0006】
更なる問題は、多くの使用者が1つの薬物送達システムより多く使用しなければならず、又は所要用量組み合わせの必要な正確な計算をする必要があるのに対処することができないために、多剤化合物療法が必要な場合に生じる。これは特に器用さ又は計算困難な使用者に具体的に当てはまる。状況次第では、薬剤を投薬する前にデバイス及び/又は針カニューレのプライミング手順を行うことも必要となり得る。同様に、場合によっては、1つの薬物化合物をバイパスして、別々のリザーバから単一の薬剤だけを投薬することが必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、使用者が行うのに簡単な単回注射又は送達工程において、2つ又はそれ以上の薬剤の送達のためのデバイス及び方法を提供する強い必要性が存在する。我々の発明は、次いで単回送達手順中にただ組み合わせて及び/又は患者に送達される2つ又はそれ以上の活性薬物作用物質用の別々の保存容器を備えることにより、上記の問題を克服し得る。必ずしもではないが、好ましくは、流量調整で1つの薬剤の用量を設定することは、自動的に第2の薬剤(即ち非使用者設定可能)の用量を固定又は決定する。我々の発明はまた、1つ又は両方の薬剤の量を変えるための機会を与え得る。例えば、1つの流体量は注射デバイスの性質を変えることにより変更することができる(例えば使用者可変用量をダイヤルするか又はデバイスの「固定」用量を変化させる)。第2の流体量は、第2の活性作用物質の異なる容量及び/又は濃度を含有する各バリアントを備えた種々の二次薬物含有包装を製造することにより変えることができる。次いで使用者又は医療関係者は、最も適切な二次包装、又は特定の処置計画のための一連の異なる包装若しくはその一連の組み合わせを選択し得る。ある場合には、我々の発明のパッチポンプデバイスは、薬剤の2つの個別のリザーバが、単一投薬インターフェースによって異なった流量でポンプされるか注入されるように、遠隔にプログラムされ得る。
【0008】
我々の発明はまた、一次薬剤と流体連通にあり、そして単一投薬インターフェース、好ましくは皮下に置かれた針を通して使用者に注入されるマニホールドに、二次薬剤が投薬されるのを自動的に可能にするために、パッチポンプハウジングの外部にある外部のポートと取り外し可能に係合できる薬用モジュールを提供する。そのような構成は、パッチポンプ内に収容された(contained)第2のリザーバからの二次薬剤の流量を、手動で設定又は調整する使用者のニーズを排除する
【0009】
これらの及び他の利点は発明の下記のより詳細な記述から明らかになるものである。
【0010】
我々の発明は、単回薬物送達システム内で多剤薬物化合物の複合組み合わせを可能にする。発明は、使用者が、単一投薬インターフェースを通して多剤薬物化合物の送達を引き起こす単一投薬レート(dispense rate)を設定することを可能にできる。この単回用量レート(dose rate)設定器は、一次レートが設定され、そして薬剤が単一投薬インターフェースを通して送達されるとき、個々の薬物化合物の事前に定義された組み合わせが送達されるようにデバイスの機構を制御する。
【0011】
より具体的には、我々の発明は、使用者に直接1つ又はそれ以上の薬剤を投与するために内部ポンプを使用するように設計されているパッチポンプに関連する。ポンプは、皮下に置かれた単一の針カニューレのような、投薬インターフェース経由の一次薬剤の継続用量を使用者に提供するように意図される。デバイスはまた、この同じ投薬インターフェースを経て、1つ又はそれ以上の二次薬物を投薬する能力を有する。一つより多い薬剤が使用者に処方されたか、又は短期間の追加薬剤が、より長期のパッチポンプ送達薬剤と組み合わせで必要とされる場合、これは治療の柔軟性を提供する。パッチ型ポンプは、駆動システム、薬物リザーバ及びデバイスを一体的に又は遠隔的に操作するための制御を特徴づけ得る又は特徴づけしないかもしれない単一デバイスにおける投薬インターフェースを含有する内蔵ユニット、を収容する内蔵ユニットを形成するように意図される。好ましくは、パッチポンプは、使用者の皮膚に装着されるように、又は取り外し可能に取り付けられるように設計されている、
【発明の効果】
【0012】
我々の発明を組み込むことができるパッチポンプ型デバイスの例は、交付済み特許US6,749,587に記載されている。‘587の特許は、構造並びに駆動機構、コントローラ、推進の手段、流路、ニードルアセンブル及びポンプパッチ式注射デバイス用のハウジング設計、具体的には、用量設定及び用量の間、電子回路、推進手段及び薬剤リザーバの相互作用の構造及び機能を記述する。US6,749,587に開示されたパッチポンプ型の注入デバイスの詳細な記述は、参照によって本明細書に取り入れられている。
【0013】
我々の発明のパッチポンプの実施態様は、薬剤が皮下に針を通して液体として注入され、そして遠隔的に制御されているか否かを体に残す、糖尿病の治療に使用されるそれらと類似するけども、我々の発明は、別の形式の薬物(ガス、粉末など)が使用者又は患者(静脈内、呼吸、口頭、など)に、いかなる形態の共用投薬インターフェース(針、マスク、気管チューブなど)を通じて、経時的に供給される同様のデバイスによって用いられよう。重要なことには、本明細書の実施態様に記載の二次薬剤は、一次薬物、例えば、基礎インスリン流(一次)に追加されたインスリンボーラス(二次)への別の化合物である必要がない。第2の化合物が、一次薬物のための希釈剤又は担体化合物であることは、適切でさえあり得る。そのような担体、例えば、生理食塩水の使用は、短期間の間偏差が求められる組まれた治療プロファイル又は治療効果を一時的に変化させ得る。
【0014】
本発明の実施態様のそれぞれは、少なくとも1つのリザーバがポンプパッチハウジング内に収容され、マニホールドを通してそして投薬インターフェースの外へ一次薬剤を投薬するように設計されている少なくとも2つの個別のリザーバ、好ましくはパッチポンプのハウジングを通して突出するカニューレを必要とする。追加のリザーバは、薬用モジュールの実施態様のように、ハウジングの内部にあってよく又はハウジング上のポートに取り外し可能に取り付けできる。一つ又は複数の二次リザーバがハウジング内に収容されている構成では、一つ又は複数のリザーバが、使用者への送達の前に(使い勝手を向上させる、又は充填エラーを最小化するために)プレフィルドされ、又は、最新の、従来のインスリンポンプでの一次リザーバと同じ方法で使用者によって充填されよう。この場合、二次薬物のリザーバが、一次薬剤(インライン配置)の流れによってフラッシュされるか、独立に一次リザーバ(平行投薬)から作動され、そして、単一投薬インターフェースを通じての使用者への投薬の間、一次薬剤と組み合わせられよう。
【0015】
追加のリザーバは、ポート、例えばハウジング内の装入口(loading port)に取り外し可能に取り付けられるハウジングの内部であってよい。追加の又は第2のリザーバは、入口及び出口を有してもよく、二次リザーバが、第1の貯蔵器から流れている一次薬剤が二次リザーバの入口にそして出口から外へ流れるようなマニホールドに連結し得るハウジング、例えば、ポンプパッチハウジングを通して交換可能であり得る。
【0016】
あるいは、二次リザーバは、外部デバイス、例えば、二次薬剤が必要とされるような時に一次デバイスに導入される薬用モジュールに収容できる。本明細書で使われるように、薬用モジュールは、ハウジングがパッチポンプ上の外部ポートに取り付け可能である薬剤の単回投与のキャビティ又はリザーバを収容するハウジングを含むスタンドアロン・デバイスのいかなるタイプも含む。パッチポンプに取り付けられるとき、薬用モジュールの起動(activation)によって、二次薬剤は、パッチポンプのマニホールドに流れ込まされ、最終的には、単一投薬インターフェース、好ましくは、ニードルを通して使用者に送達される。再び、この導入は一次薬剤とインライン出会ってよく並びに投薬前に並行又は一緒になってもよい。
【0017】
外部デバイスの1つの実施態様は、安全なニードルガードを有する、改良された単回使用薬物リザーバの針であろう。そのようなデバイスを使用して、パッチポンプポートに押し付けられているニードルガードの起動は、追加の/二次薬剤が必要とされるとき、二次薬剤をパッチポンプのマニホールドシステムに追い込む(drive)ことができる。種々の二次薬剤が、一定の一次薬剤フローと比較して、時間間隔を変化させることで必要とされる場合、このシステムはが使用できよう。使用者又は医師は次いで、必要とされるとき、それを追加注射のための注入口の形として使用して、それによって追加の皮膚穿刺に伴う感染の不快感及びリスクを減らして、別の薬剤を追加できよう。
【0018】
二次薬剤のインライン導入の場合、二次薬剤は、一次薬剤の送達と直列に置かれるカプセルとして供給され得て、その送達がこの二次薬剤を押す、又は通り抜けてフラッシュする(すなわち、単一駆動機構が両方の薬剤を送達する)。別の態様において、二次薬剤リザーバは入口及び出口を含み得て、ハウジング内の装入口、例えばパッチポンプデバイスのハウジングを通して交換可能であり得る。第1のリザーバから流れている一次薬剤は入口にそして二次リザーバの出口から外へ流れるように、二次薬剤リザーバはマニホールドに連結され得る。追加の実施態様において、二次薬剤が必要でないとき、使用者に一次薬物だけの流れを可能にするために、バイパスルートがデバイスの設計に組み込まれ得る。薬物の流れは次いで、流路の直線的に又は回転的に起動されたセクションによって必要とされるとき、二次リザーバを介して別の経路に切り替えることができる。一方向性バルブの簡単なシステムは、システムからの還流、偶発的な混合や漏れを防止するために使用できる。
【0019】
発明に記載の薬物送達デバイスはさらに、2つの流路の位置を有する可動の内部ハウジングを含み得る。1つの位置、即ち第1の位置、において、第2のリザーバは、第1のリザーバとインラインで置かれる。別の位置、即ち第2の位置、において、第2のリザーバは、第1のリザーバと外れて置かれる。ハウジングは、摺動可能、又は、回転可能であり得る。薬物送達デバイスは、回転可能な内部ハウジングを含み得て、ここで内部ハウジングは、一次薬剤が二次薬剤を第2のリザーバから、投薬、フラッシュ、又は追い込むように、マニホールドとインラインの第2のリザーバを置く軸の回りで回転し得る。薬物送達デバイスは、さらに流路含む内部ハウジングを含み得る。内部ハウジングが第2の位置にあるとき、流路は、マニホールドとインラインに置かれ得る。これは、二次薬剤の送達が必要とされない状況において、薬物送達デバイスの使用を可能にする便益を提供する。しかしながら、デバイスは、第1の位置と第2の位置の間で内部ハウジングの再位置決めを可能にするように構成され得る。薬物送達デバイスは、ハウジング及び可動内部ハウジング内に又は上に、開口部又は装入口を含み得る。第2の位置への内部ハウジングの位置決めは、薬物送達デバイスのハウジング内の開口部(示されていない)を通して第2のリザーバの交換を可能にし得る。これは、第1のリザーバからの薬剤が送達されている間、二次リザーバの交換を可能にする便益を提供する。
【0020】
平行投薬に関連する別の実施態様では、使用者が、いつこれらが必要とされ、そして必要に応じてそれらを一次薬剤のマニホールド及び流れに投薬するかを決め得るように、パッチポンプデバイスは、装填された、いくつかの追加の二次薬剤を供給され得る。この類の他の実施態様と同様に、一方向性のバルブのシステムは、システムからの逆流、偶発的混合及び漏れを防ぐために使用でき、同じ投薬インターフェースを介して併用薬剤の効率的な送達を可能にする。
【0021】
個別の薬物化合物の間の治療的関係を定義することによって、我々の送達デバイスは、患者/使用者が、彼らがデバイスを使用する度に、使用者が算出して正しい用量組み合わせを設定しなければならない複数の入力に関連する固有のリスク無しに多薬物化合物デバイスから最適な治療の併用投与を受けることを確かにするのに役立つだろう。薬剤は流体であり得て、明細書に定義されるように、流れることができ、そしてその形状を変更し易い力によって作動される時、安定した比率で形状を変更する液体、ガス又は粉末として定義される。あるいは、薬剤の1つは、キャリーされる、可溶化される、又は、別の流体薬物又はキャリアーで投薬され得る固体であってもよい。
【0022】
本発明の1つの特定の態様によると、この発明は、単一入力及び関連した事前に定義された治療プロファイルは、使用者がデバイスを使用する度に彼らの処方用量を彼らが計算する必要性を取り除き、そして単一入力は、組み合わされた化合物の設定や投薬をかなり容易にすることを可能にするので、器用さ又は計算上の問題を抱かえた使用者にたいして特別の便益がある。
【0023】
好ましい実施態様において、インスリンなどの原薬又は一次薬物化合物は、薬剤の連続用量及び/又は薬剤のパルス(ボーラス)を送達できる注入デバイスの業界には公知の小型化されたポンプ機構に連結された複数用量の第1のリザーバ内に収容される。ポンプ機構は好ましくは、手動で及び/又は遠隔に操作され及び/又はプログラミングされた1つ又はそれ以上の電子回路によって、バッテリー操作されそして制御される。ポンプ機構はマニホールドと流体連通状態にあり、そして、例えば、接着剤によって使用者の皮膚に取り外し可能に取り付けられるように構成された底面を有するハウジング内に収容される。同様に、マニホールドとの流体連通において、遠位及び近位端を有するカニューレがあり、そこでは、パッチポンプのハウジングを通して、好ましくは底面内の開口部を通して、遠位端が突出する。好ましいカニューレは、遠位端が注射針の先端部のように鋭くされているものである。あるいは、カニューレは、改善された使用者の快適性のための可撓性材料であるかもしれなく、そしてカニューレの挿入後、デバイスによって引っ込められる別の針(注射針に似ている)によって挿入されないかもしれない。
【0024】
第1のリザーバは、カートリッジなどの、いかなるタイプの容器であってもよく、送達の前に、使用者への一次薬剤を充填できる、又は、ハウジング内のポートを通して標準のシリンジなどの外部ソースを用いることによって、使用の前に、使用者(又は、医療提供者)によって充填できる。第1のリザーバは、再使用可能な、使い捨て又は非交換式であってよい。ハウジング内に収容されるとき、第2のリザーバは、第1のリザーバ、好ましくは交換可能コンテナ、最も好ましくは二次薬物の単回用量を収容する同じ設計であり得る。
【0025】
我々の開示は、具体的にインスリン、インスリンアナログ又はインスリン誘導体、及び2つの可能な薬物組み合わせとしてGLP−1又はGLP−1アナログを述べるが、鎮痛薬、ホルモン、βアゴニスト又はコルチコステロイドなどの他の薬物若しくは薬物組み合わせ、又は上記薬物のいずれかの組み合わせが、我々の発明と共に使用し得る。
【0026】
我々の発明の目的のために、用語「インスリン」は、ヒトインスリン又はヒトインスリンアナログ若しくは誘導体を含む、インスリン、インスリンアナログ、インスリン誘導体又はその混合物を意味するものとする。インスリンアナログの例は、限定されるものではなく、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリン、ここでB28位置のプロリンはAsp、Lys、Leu、Val又はAlaによって置換されてよく、そしてここでB29位置においてLysはProによって置換されてよい;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン又はDes(B30)ヒトインスリンである。インスリン誘導体の例は、限定されるものではなく、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイル−ヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0027】
本明細書で使用される用語「GLP−1」は、限定されるものではなく、エキセナチド(エキセンジン−4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2)のペプチド、エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH2)を含む、GLP−1、GLP−1アナログ、又はその混合物を意味するものとする。
【0028】
βアゴニストの例は、限定されるものではなく、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、メシル酸ビトルテロール、サルメテロール、ホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロールである。
【0029】
ホルモンは、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、例えば脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0030】
我々の発明の1つの実施態様では、近位端、遠位端、及び外面を有する外部ハウジングを含むパッチポンプ薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールが提供される。二次薬物を収容するハウジング内にリザーバがある。我々の発明の薬用モジュール組立は、使用の前後の偶発的針穿刺のリスクを減らすことができるとともに、使用者がモジュールの二次薬剤がすでに放出された後の時間にモジュールを用いることを防止できるニードルガードを収容する。パッチポンプハウジング内のポートに押し付けられるとき及び取り外されるとき、可動ニードルガード又はシールドは、遠位及び近位端方向の両方に軸方向に動くように構成される。ニードルアセンブリがポートから取り外されるとき、ガードは、さらなる実質的な軸方向運動からのガードをしっかりとロックするために、使用後の拡張位置に戻る。「実質的な」動きによって、我々はシステムに典型的な“遊び”を意味しないが、代わりに、ガード及び/又は遠位ニードルが、軸方向に一旦、ロックアウトされるとき、カニューレの遠位端が露出する距離を移動しないことを私たちは意味する。
【0031】
薬用モジュールのハウジングの内部に、リザーバ内の薬物の単回用量を含むカプセルを収容するキャビティがある。ニードルガードが、アプリケーションの間、パッチポンプハウジングのポートに引っ込められるにつれて、デバイス上のトリガーボタンは、ロックを解除される。このトリガーボタンの起動は、モジュールの端部のカニューレにカプセルを押しつけ(force)、さらにカプセルを圧縮するように作用する何らかの形の貯蔵内部エネルギー(圧縮ばね、加圧ガス又は電槽(electric battery)などの)を解除し、このようにしてその容量を減らし、そしてその内容物を投薬する。これによって、カプセルのシールは、薬剤がリザーバからそしてパッチポンプハウジング内のマニホールド内に放出されるように針カニューレによって貫通されるのを可能にする。我々の発明の薬用モジュールは好ましくは、非適切な薬用モジュールの非一致デバイスへの取り付けを防止するために、専用の/コード化された/排他的な機能の使用によって、その使用を1つの排他的パッチポンプデバイス(又は、一群のデバイス)に限定するような方法で設計される。
【0032】
我々の発明の特別の便益は、要求されたとき、特に調節期間が特定の薬物に必要なとき、薬用モジュールが、用法をあつらえる(tailor)ことを可能にるることである。薬用モジュールは、調節を容易にするために特別の順序で、患者が供給された薬用モジュールを使用するように指図されるように、限定されるわけではないが、機能又はグラフィック、ナンバリングなどの美学デザインのような、明らかな差別化機能を備えた多くの調整レベルで供給できよう。あるいは、処方医師は、患者に多くの“レベル1”調節薬用モジュールを与え、次いで、これらが終わったとき、医師は次のレベルを処方できよう。この調節プログラムの重要な利点は、一次デバイスは期間中ずっと一定である。
【0033】
患者が以前に使われた薬用モジュールを再使用しようとするならば、我々の発明は、針のガード/挿入の第1の事前に定義された移動/後退の後に起動されるロッキングニードルガードを含む。ロックニードルガードは、この状況と、二回目はモジュールを使用できないことを患者に警告するだろう。可視的な警告(例えば:一旦、挿入及び/又は流体流れが起こったとき、モジュール上の表示窓内の色の変更及び/又は警告テキスト/インディシア(indicia))もまた使用できる。加えて、同様に、触覚フィードバック(使用に続いて、モジュールハブの外面上の触覚機能の有無)を用いることができよう。
【0034】
これら並びに本発明の種々態様の他の利点は、添付図面を適切に参照して下記の詳細な説明を読むことにより当業者に明らかになるものである。
【0035】
代表的な実施態様は以下において図面を参照して本明細書に記載される:
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第一及び第二のリザーバを収容する我々の発明の1つの可能な薬物送達デバイスの断面図を図示する。
図2】複数の第二のリザーバを備えた本発明の別の実施態様の断面図を図示する。
図3】リザーバがシリンジなどの外部手段によって充填できる、我々の発明の別の実施態様の略図を図示する。
図4】リザーバがインラインフロー構成である、我々の発明の別の実施態様の略図を図示する。
図5】二次薬剤のリザーバが、インラインフロー構成においてモジュール式で且つ交換可能である、我々の発明の別の実施態様の略図を図示する。
図6】第二のリザーバが、一次薬剤の流路に移動できる内部ハウジングの部分である、我々の発明のさらに別の実施態様の略図を図示する。
図7】第二のリザーバが、デバイスハウジングに取り付け可能な薬用モジュールの部分である、我々の発明の別の概略的断面図を図示する。
図8】複数の薬用モジュールが、デバイスのハウジングに取り付けられる、我々の発明の別の実施態様の略図を図示する
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1〜8は本発明に従って構築された流体送達デバイス(10)の例示的な実施例を図示する。本発明の流体送達デバイスによって送達できる液体のタイプは、制限されるわけではないが、インスリン、抗生物質、栄養輸液、完全静脈栄養又はTPN、鎮痛薬、モルヒネ、ホルモン又はホルモン薬、遺伝子治療用医薬品、抗凝固薬、鎮痛薬、心血管系薬剤、AZT又は化学療法剤を含む。本発明の流体送達デバイスが治療するために使用される得る病状のタイプは、制限されるわけではないが、糖尿病、心血管疾患、疼痛、慢性疼痛、癌、神経疾患、アルツハイマーの疾患、ALS、肝炎、パーキンソン病又は痙縮を含む。
【0038】
先ず図1を参照すると、本発明は、改善された流体送達デバイス10を提供する、ここで、デバイス10の部材のある部分のみが示されている、即ち、一次薬剤の貯蔵のためのリザーバ1、二次薬剤の貯蔵のためのリザーバ2、両方のリザーバ及び単一投薬インターフェース又はカニューレ4と流体連通にあるマニホールド3。電子回路、コントローラ、プロセッサ、電源などは、簡潔さ及び明確さのために図示されない。推進又はポンプの機構6及び7は、各薬剤をリザーバ1及び2から、それぞれ、マニホールド3へ、及びカニューレ4の遠位端の外に流れさせるための駆動力を提供する。各ポンプ機構は、一次及び二次の薬剤の相対的な流れ又は量が、所定の調節プロファイルに対応するように変えることができるように、それぞれ独立して又は従属的に制御できる。
【0039】
デバイス10は底面5を備えたハウジング8を有する。デバイスは、使用のために一緒に組み立てられる二つ又はそれ以上のアセンブリを含むことができ、そしてここで、アセンブリの1つは使い捨てで、アセンブリの他は、再利用できる。例えば、再利用可能なアセンブリは、使い捨てアセンブリに取り外し可能に取り付けできる、ここで、再利用可能なアセンブリは、流体送達デバイス10のより高価な部材を含むように設計され得る。好ましくは、アセンブリを取り付けられた流体送達デバイス10は、大よそクレジットカードのサイズの断面積及び1インチ未満の厚さの小ささで、使用者による耐久性(wearability)を助ける。ハウジング8の底面5は好ましくは、患者の皮膚に貫入する剛性の又は可撓性のカニューレ4のような経皮的患者アクセスツールを含む出口ポートアセンブリ9を含む。
【0040】
示されていないけども、プロセッサ又は電子マイクロコントローラは、電源及び推進手段に連結され、マイクロプロセッサ、電子メモリ、電子クロック発振器、アナログデジタル変換器及びマルチプレクサを含むことができる。
【0041】
プロセッサは、別の、リモートコントロールデバイス(示されていない)からの流れ指示に基づいて、マニホールド3を通じて1つ又はそれ以上の薬剤の出口ポートアセンブリ9への流れを起こすようにプログラムされる。流体送達デバイス10は好ましくはさらに、別の、リモートコントロールデバイスから流れ指示を受け、そして流れ指示をプロセッサに送達するプロセッサに連結されたワイヤレスレシーバーを含む。あるいは、デバイスは多くの外部アクセス可能な使用者入力機能を有し、使用者又は医療提供者がデバイスをプログラムすることを可能にする。
【0042】
流体流れの制御は、ソレノイド、ピエゾアクチュエータ、磁気アクチュエータ、熱発電機又は他のメカニズムなどのアクチュエータの使用によって制御でき、リザーバと出口ポートアセンブルの間の1つ又はそれ以上の薬剤の流れを制御する力、温度勾配、電磁界又は他の媒体を生成する、向ける(direct)又は向け直す(redirect)。リザーバが周囲圧力に維持される場合、流れの計量は、回転蠕動ヘッド、リニア蠕動機構、電磁流体推進、容積型ポンプ又はリザーバから出口ポートアセンブリに流体を動かす他の手段を含むことができる。モータ駆動によって駆動される回転蠕動ヘッドは、そのような推進手段を達成し得る。リザーバが加圧される場合、1つ又はそれ以上のバルブは単に流れを制御し、流体を推進しないかもしれない。リザーバはシールされた区画に含まれ得て、そして加圧ガスは駆動力を提供する、又はリザーバは、ばね、別のエラストマー構造体、又はデバイスのハウジングに取り付けられたカンチレバービームのような力発生部材と接触してもよい。
【0043】
図に示されるように、ハウジング8は、デバイスに流れ指示を与えるために、プロセッサによってプログラムされた流量を調節する使用者に、そうでなければアクセス可能である、電気機械式スイッチ又はボタン又はインターフェースのような、使用者入力部材がない。デバイス10は小さくそして事実上部分的に又は完全に使い捨てであることに役立つように、使用者入力コンポーネントの不足によって、デバイス10のサイズ、複雑さ及びコストを実質的に減らすことを可能にする。ハウジング8の底面5は、一般の絆創膏に使われているもののような標準生体適合性接着剤を含む接着層(示されていない)を含有でき、患者の皮膚への取り付けの前に不必要な物に貼っている接着剤を避けるための保護被覆を含み得る。皮膚貫入カニューレ4は、それが患者の皮膚に取り付けられるのと同時に、又はそれが患者の皮膚に付けられた後に、患者の皮膚へデバイスの取り付ける前に、患者の皮膚を通して導入できる。貫入カニューレ4及びデバイスの取り付けによる患者の皮膚の同時の穿刺は、取付けを簡略化するのに好ましく、経皮穿刺の痛みを軽減するのに好ましい。患者と接触している部材の廃棄を可能にしながら、デバイスの本体の再利用を許可するように、カニューレ及び接着パッチを含むサブアセンブリは、ハウジング8から取り外し可能に設計され得る。
【0044】
図2は、一次薬剤がリザーバ1内に含有され、ポンプ機構6によってマニホールド3中に放出される我々の発明の別の実施形態を図示する、しかしながら、二次薬剤の単一リザーバの身の代わりに、デバイス10は、1つ又はそれ以上の二次薬剤を保持する1つ又は以上のリザーバ20を有すように構成できる。これらの追加のリザーバは、リザーバ1からの一次薬剤と並流にあり、そして各々はマニホールド3及びカニューレ4と流体連通状態にある。追加のリザーバ20は各々、二次薬剤をマニホールド内にパルス化されるように、又は、連続的に所定流量で導入されるように、独自に制御された推進メカニズム21を有すことができる。
【0045】
図3は、リザーバ1及び2が再利用可能であり、そしてポート31及び30によって、それぞれ、シリンジ32及び33などの、外部源から充填できる、我々の発明の別の実施形態を示す。これらのポートは好ましくは、シリンジの針によって簡単に穿刺できるセプタムを含む。この実施態様では、一次薬物リザーバ1を充填するポート31が、リザーバ1が一旦、デバイスが使用者の皮膚に取り付けられ、それによってデバイスを過負荷にすることを防ぐか、又は一次薬剤の過剰投与を強いるようにデバイスの下側に位置する。ポート30は定期的に二次薬剤を投与する必要がある度にリザーバ2を埋めるように使用できる。
【0046】
図4は、リザーバ2を除き図3に示す同じ実施態様を示すが、図3に示す平行流れの構成とは対照的にリザーバ1を備えたインラインフローの構成であり、そして、一旦、デバイスが使用者に取り付けられるとき、いずれか一方のリザーバの充填を防ぐためにデバイスの下側に位置するリザーバ充填口30及び31の両方を備えることを特徴とする。インラインフロー構成を使用することは、リザーバ2のための別の推進機構の必要性を排除できる、何故ならリザーバ1からの一次薬剤が、(面一の)リザーバ2からの二次薬剤をマニホールド3に無理に押す(フラッシュする)駆動力を提供するからである。
【0047】
図5は、図4のインラインフロー構成の別のバリエーションである。ここで、リザーバ2は、ハウジング8内の開口部42を通して交換できるモジュール式部材であるように設計されている。リザーバ2は、マニホールドコネクタ40b及び41bと流体連通された針カニューレ、好ましくは貫入可能セプタム)、のようなコネクタ40a及び41aを有してよい。図5のデバイスはまた、流路を完成するためにマニホールド3内に挿入できる「ブランク(blank)」リザーバ43を含むことができる、しかし、いかなる二次薬剤も含有しまない。図6は、回転可能又はすべり内部ハウジング51が2つの流路の位置を有するインラインのフロー構成の別のバリエーションである;一つはインラインにリザーバ2と共にそして第2はリザーバ無しで。図6は、一次薬剤がリザーバ2から二次薬剤を投薬、フラッシュ又は追い込むように、内部ハウジング51は、マニホールド3とインラインにリザーバ2を置くように、軸52の回りで回転させられる構成を図示する。二次薬剤の送達が必要とされない状況では、流路50がマニホールド3とインラインに置かれるように、内部ハウジングは再位置付けできる。内部ハウジングの再位置付けはまた、ハウジング8内の適当な開口部(示されていない)を通して新しいリザーバ2の交換を可能にできる。
【0048】
上述実施態様のそれぞれは、全てのリザーバが投薬中ハウジング8内に位置していることを要求する。図7及び8は、一つ又は複数の二次薬物を含有する1つ又はそれ以上のリザーバがデバイス10の外部にある実施態様を図示する。図7は、薬用モジュール60が二次薬剤のリザーバ62を収容し、移動できるようにデバイス10のハウジング8内のポート61に取り外し可能に取り付け可能である構成を示す。各モジュールは、好ましくは内蔵型で、デバイス10のハウジング8上の取り付け手段と互換性の取り付け手段を持つ、シールされた及び滅菌の使い捨てモジュールとして提供される。示されないけれども、薬用モジュールは、使用者が滅菌薬用モジュールへのアクセスを得るように、シール又は容器自体を剥ぐ又は裂き開く、保護容器及び滅菌容器でメーカーによって供給されよう。場合によっては、薬用モジュールの各端に2つ又はそれ以上のシールを提供するのが望ましいかもしれない。
【0049】
一旦モジュール60がポート61に連結されると、使用者は、モジュール60をボタン又はトリガ63を押して活性化でき、二次薬剤をマニホールド3に投薬させる、そこでは、リザーバからの流れによってカニューレ4を通じて投薬が行われる。この二次化合物は、用量が送達されるまでモジュールが取り付けられたままであるように動流(live flow)に投薬できる、又はそれはマニホールド3に投薬可能でそして一次薬剤の流れによって徐々に使用者に投薬される。モジュール60及びポート61は、モジュールが非認定デバイスに連結することを防止するぴったり合った専用コネクタを有し得る。いかなる公知の取付け手段も、ねじ山、スナップロック、スナップ係合、ルアーロック、バヨネット、スナップリング、鍵付き、スロット及びそのような連結の組み合わせなどの全てのタイプの恒久的接続手段及び取り外し可能接続手段を含めて、デバイス10に薬用モジュールを取り付けるために使用できる。ガード64はまた、デバイス10への取り付けの前にモジュール及び/又は使用者の投薬インターフェースを保護するために使用できる。一旦、二次薬剤が投薬され、モジュールがポート61から連結を解除されれば、ガード64は所定の位置にロックし、デバイスに再取り付けされるのを防止するだろう。図8は、多数のモジュール6がデバイス10ハウジング8に取り付けることができる(取り外し可能に又は恒久的に)、図7の構成のさらなる実施態様を示す。モジュールのそれぞれは、他とは無関係に活性化できる。双方の実施態様において、デバイス10を使用者の体内から除去しないで、二次薬剤は複数回(多重薬用モジュールと共に)デバイスに導入できる。これは、デバイスによって既に使用者の中に挿入されたカニューレ4を共有することによって皮下に薬剤の導入を可能にし、それによって必要な注射部位の数及びそれに続く感染の不快さ及びリスクを減らす。
【0050】
薬用モジュール及びデバイス10のための構造物の材料は、限定されるものではないが、COC(環状オレフィン共重合体とも呼ばれるエチレン及びノルボルネンに基づく非晶質高分子、エチレン共重合体、環状オレフィン高分子、又はエチレン−ノルボルネン共重合体);LCP(アミド基によって連結された線形置換芳香族環を含み、そして更にp−ヒドロキシ安息香酸及び関連モノマーに基づく部分的結晶性芳香族ポリエステル及びまた高度芳香族ポリエステルを含むことができるアラミド化学構造を有する液晶高分子);PBT(ポリブチレンテレフタレート熱可塑性結晶性高分子又はポリエステル);COP(ノルボルネン又はノルボルネン誘導体の開環重合に基づく環状オレフィン重合体);HDPE(高密度ポリエチレン);及びSMMA(メチルメタクリレート及びスチレンベースのスチレンメチルメタクリレート共重合体)を含む。モジュール及びデバイス10の両方で使用される針穿孔可能なセプタム、栓、及び/又はシールは、TPE(熱可塑性エラストマー);LSR(液状シリコーンゴム);LDPE(低密度ポリエチレン)、及び/又はあらゆる種類の医療グレードゴム、天然及び合成ゴムを用いて製作することができる。
【0051】
本発明の例示的な実施態様が記載されている。しかしながら、当業者には当然のことながら、変更又は修正は、特許請求の範囲によって規定される本発明の真の範囲及び精神から逸脱することなくこれらの実施態様で行われてよい。
【0052】
参照番号リスト
1 リザーバ
2 リザーバ
3 マニホールド
4 単一投薬インターフェース/カニューレ
5 底面
6 推進/ポンプ機構
7 推進/ポンプ機構
8 ハウジング
9 出口ポートアセンブリ
10 デバイス
20 リザーバ
21 推進/ポンプ機構
30 ポート
31 ポート
32 シリンジ
33 シリンジ
40a コネクタ
40b マニホールドコネクタ
41a コネクタ
41b マニホールドコネクタ
42 ハウジング開口部
43 ブランクリザーバ
50 流路
52 軸
60 薬用モジュール
61 ポート
62 リザーバ
63 ボタン/トリガ
64 ガード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8