【実施例】
【0067】
本材料及び合成をさらに例示するために以下の実施例を示す。実施例は、限定的ではなく、例示的であることを意図されている。
【0068】
(例1)
材料。ゼオライト合成及び層間剥離で使用したすべての試薬は、試薬グレード品質のものであり、受領したままで使用した。N
2ガス物理吸着に使用したUSYゼオライトは、Zeolyst Internationalから受領した(CBV760、60のSi/Al比)。TONゼオライトは、Chevron Energy Technology Companyで合成された。
【0069】
MCM−22(P)の合成。ゼオライトは、文献の方法によって合成した。ヒュームドシリカ(Sigma Aldrich、3.54g)を、脱イオン水(46.6g)中の水酸化ナトリウム(EMD Chemicals、97%、0.372g)、ヘキサメチレンイミン(Sigma Aldrich、99%、2.87g)、及びアルミン酸ナトリウム(Riedel−de Haen、0.108g)を含有する水溶液に、激しく撹拌しながら添加した。混合物を6時間撹拌した後、ゲルを4つのポーションに分割し、各ポーションをテフロン(登録商標)で裏打ちされたParr反応器(23mL)中に装填した。各反応器をしっかりと密閉し、反応器を転がしながら、対流オーブン内で、408Kで11日間加熱した。11日間加熱した後、反応器を室温に冷却し、遠心分離機によって生成物を分離した。分離した生成物を脱イオン水で徹底的に洗浄し、最後に313Kで一晩乾燥させた。
【0070】
合成MCM−22(P)を特徴づける粉末X線回折(PXRD)パターン、
図7、パターンAは、文献データと合致し、それぞれ3.3(約27Å)及び6.7(約13Å)で001及び002回折ピークを示す。これらのピークは、MCM−22(P)のラメラ構造を表す。
【0071】
従来方法によるMCM−22(P)の層間剥離(ITQ−2ゼオライトの合成)。先のセクションで調製したMCM−22(P)を、文献の方法によって層間剥離させた。一般に、MCM−22(P)の水性スラリー(3.00g、20重量%の固体)を、臭化セチルトリメチルアンモニウム(Sigma Aldrich、約98%、3.38g)、水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(Alfa Aesar、40重量%、3.67g)と混合し、混合物を353K(80℃)で16時間加熱した。16時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、超音波処理に1時間かけた。濃HCl水溶液を添加することによってスラリーのpHを2に調整し、その後、溶液を遠心分離して生成物を分離した。最後に、生成物を313K(40℃)で一晩乾燥させた。生成物の収率は75%であった。生成物の粉末X線回折パターン(
図7、パターンB)は、MCM−22(P)のラメラ構造に特徴的なすべてのピークの著しい減少を示し、文献の結果と一致する。
【0072】
MCM−22(P)の層間剥離を介したUCB−1の合成。アズメイドのMCM−22(P)(1.00g)を、脱イオン水(25.9g)中の臭化セチルトリメチルアンモニウム(1.92g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(Fluka、≧90%、1.92g)、及び塩化テトラブチルアンモニウム(Sigma Aldrich、1.68g)の混合物に添加した。40%の水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液を添加することによってスラリーのpHを約9に調整し、スラリーを353K(80℃)で16時間加熱した。混合物を冷却した後、ドラフト内で濃HCl水溶液を添加することによって、混合物のpHを約2に調整した。混合物をスクリューキャップ付きの遠心瓶に移し、急速に遠心分離して溶液から固体を分離した。上清溶液を慎重に廃棄し、残っている固体を、ドラフト内で、313K(40℃)で一晩乾燥させた。生成物の収率は90%であった。
【0073】
特徴づけ。Cu Kα放射線を使用して、Siemens D5000回折計で粉末X線回折(XRD)パターンを収集した。
図7Cを参照。透過型電子顕微鏡法画像を、Tecnai 20又はJEOL JEM−2010(200kV)で記録した。
図10C及び
図10Dを参照。窒素ガス吸着を、77K(−194℃)で、Micromeritics ASAP2020で測定した。測定する前に、試料を623K(350℃)で4時間排気した。
図8を参照。
29Si 固体状態MAS NMRスペクトルを、ワイドボア11.7T磁石を有するBruker Avance 500MHz分光計を使用し、Bruker 4mm MASプローブを使用して測定した。スペクトル周波数は、
1H核について500.23MHzであり、
29Si核について99.4MHzであった。
29Si MAS NMRスペクトルは、強い
1Hデカップリングパルスを施して、4μs−90度パルスの後に得た。回転速度は12kHzであり、リサイクル遅延時間(recycle delay time)は300秒であった。NMRシフトは、テトラメチルシラン(TMS)を外部から参照したときの百万分率(ppm)で報告した。
図6Cを参照。水銀ポロシメトリーは、水銀圧入ポロシメトリーによる触媒の細孔容積分布決定の標準試験法(ASTM D428)に従って行った。
図9、曲線3を参照。
【0074】
(例2)
塩化物を用いないMCM−22(P)の層間剥離。塩化テトラブチルアンモニウムを用いず、2倍のフッ化テトラブチルアンモニウムを用いたことを除いて、上述したものと同じ条件下で、MCM−22(P)の層間剥離を試みた。層間剥離は成功しなかった。
図1を参照。
【0075】
(例3)
ERB−1の合成。ERB−1を文献の方法によって合成した。(Milliniら、Microporous Materials、(1995)、4巻、221頁)。水酸化ナトリウム(EMD Chemicals、97%、0.653g)及びピペリジン(Sigma Aldrich、99%、6.360g)を、脱イオン水(16.228g)中に溶解させた。ホウ酸(J.T.Baker、4.396g)を混合物に添加し、ホウ酸が完全に溶解するまで323Kで混合物全体を撹拌した。溶液を室温まで冷却した後、ヒュームドシリカ(Sigma Aldrich、3.300g)を1時間にわたって徐々に添加した。混合物全体をさらに5時間撹拌し、半分に分割した。各ゲルをテフロン(登録商標)で裏打ちされたオートクレーブ(Parr instrument、23mL)中に移した。各反応器をしっかりと密閉し、反応器を転がしながら、対流オーブン内で、448Kで7日間加熱した。7日間加熱した後、反応器を室温に冷却し、遠心分離によって生成物を分離した。分離した生成物を脱イオン水で徹底的に洗浄し、最後に313Kで一晩乾燥させた。合成ERB−1を特徴づける粉末X線回折(PXRD)パターン(
図12中のパターンA)は、文献データと合致し、それぞれ3.4°及び6.8°で001及び002回折ピークを示す。これらのピークは、ERB−1のラメラ構造を表す。
【0076】
フッ化物/塩化物陰イオンで促進される剥離によるアズメイドのERB−1の層間剥離。アズメイドのERB−1(0.381g)を、脱イオン水(15.51g)中の臭化セチルトリメチルアンモニウム(Sigma Aldrich、2.192g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(Fluka、≧90%、0.761g)、及び塩化テトラブチルアンモニウム(Sigma Aldrich、0.638g)の混合物に添加した。40%の水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液を添加することによってスラリーのpHを約9に調整し、スラリーを353Kで16時間加熱した。混合物を冷却した後、ドラフト内で濃HCl水溶液を添加することによって、混合物のpHを約2に調整した。混合物をスクリューキャップ付きの遠心瓶に移し、急速に遠心分離して固体を分離した。上清溶液を廃棄し、固体を313K(40℃)で一晩乾燥させた。次いで、生成物を例1と同様に特徴づけた。
図12、パターンBを参照。
【0077】
(例4)
材料。ゼオライト合成及び層間剥離で使用したすべての試薬は、試薬グレード品質のものであり、受領したままで使用した。
【0078】
PREFERの合成。PREFERの一般的な合成は、ヒュームドシリカ1.60gをアルミナ(ボヘマイト、Catapal B)0.38gと混合することによって行った。NH
4F 1.47gとHF(49%)0.50gの混合物をその後添加し、非常に粘性のゲルを、均質になるまでスパーテルを使用して撹拌した。4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(Aldrich、98%)4.16gとH
2O(脱イオン化)4.43gの混合物を添加し、ゲルを均質なるまで撹拌した。25mLのテフロン(登録商標)で裏打ちされたParrステンレス鋼オートクレーブにゲルを移し、オーブンを60rpmで転がしながら175℃で5日間加熱した。
図16は、PREFERを特徴づける走査電子顕微鏡法画像である。
【0079】
PREFERの層間剥離によるUCB−2の合成。25mLのテフロン(登録商標)で裏打ちされたParrステンレス鋼オートクレーブ内で、ジメチルホルムアミド(DMF)10.00g、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)0.85g、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)0.85g、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl)0.85g、及びPREFER 0.50gを混合することによって、PREFERを膨潤させた。60rpmで転がるオーブン内で、100℃で16時間、混合物を加熱した。膨潤させた後、濃HCl水溶液約20滴を添加し、きめ細かいガラスフィルターを通して濾過することによって生成物を回収した。
図17は、アズメイドのUCB−2を特徴づける固体状態
27Al MAS NMR スペクトルである。
【0080】
塩化物を用いないPREFERの層間剥離。塩化テトラブチルアンモニウムを用いず、2倍のフッ化テトラブチルアンモニウムを用いたことを除いて、上述したものと同じ条件下で、PREFERの層間剥離を試みた。塩化物の非存在下で、PREFERを膨潤させる。これは、PXRDパターンにおける200ピークの消失、及び3つの新しいピークの出現によって示される。しかし、スラリーにHClを添加すると、これらの新しいピークが完全に消失し、焼成PREFERに類似するピークが出現する。これらの結果は、塩化物が存在しないと、酸性化後に層が圧縮され、層間剥離しないことを示唆する。
【0081】
フッ化物を用いないPREFERの層間剥離。フッ化テトラブチルアンモニウムを用いず、2倍の塩化テトラブチルアンモニウムを用いたことを除いて、上述したものと同じ条件下で、PREFERの層間剥離を試みた。フッ化物の非存在下でDMFを用いてPREFERを処理すると、PREFERが膨潤しない。この結果は、フッ化物が層間剥離に必要な成分であることを示す。
【0082】
膨潤と層間剥離の間の可逆性試験。酸性化工程により層が非可逆的に圧縮されるか否かを試験するために、層間剥離したUCB−2を水で5回徹底的に洗浄し、CTAB、TBAF、及びTBAClを用いて新しい層間剥離プロセスにかけた。目的は、この処理により材料が膨潤し得るか否かを知ることであった。洗浄したUCB−2 0.50gを、25mLのテフロン(登録商標)で裏打ちされたParrステンレス鋼オートクレーブ内で、CTAB 0.85g、TBAF 0.85g、及びTBACl 0.85g、及びDMF 10.00gと混合した。60rpmで転がるオーブン内で、100℃で16時間、この混合物を加熱した。
図18は、DMF中の膨潤したPREFER、酸性化したPREFER、及び酸性化したPREFERを膨潤させることによって形成される材料を特徴づける粉末XRDパターンを示す。
【0083】
特徴づけ。Cu Kα放射線を使用して、Bruker D8 Advance回折計で粉末X線回折(XRD)パターンを収集した。透過型電子顕微鏡法画像を、JEOL JEM−2010(200kV)で記録した。アルゴンガス吸着等温線を、86Kで、Micromeritics ASAP2020で測定した。測定する前に、試料を623Kで4時間排気した。
29Si固体状態MAS NMRスペクトルを、ワイドボア11.7T磁石を有するBruker Avance 500MHz分光計を使用し、Bruker 4mm MASプローブを使用して測定した。スペクトル周波数は、1H核について500.23MHzであり、
29Si核について99.4MHzであった。
29Si MAS NMRスペクトルは、強い
1Hデカップリングパルスを施して、4μs−90度パルスの後に得た。回転速度は12kHzであり、リサイクル遅延時間は300秒であった。
【0084】
(例5)
PREFERの層間剥離によるUCB−3の合成及び特徴づけ
N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中のPREFER(0.20g)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB、0.22g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF、0.34g)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl、0.34g)の混合物を、密閉したPFAチューブ内で、373Kで16時間加熱した。16時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、濾過によって固体を分離した。固体を脱イオン水で大規模に洗浄し、323Kで一晩乾燥させた。合成された材料をUCB−3と指定した。やはりPREFER層間剥離から生じる、UCB−2と比べたこの合成手順の利点は、酸性化工程も酸も必要とされないことである。
【0085】
図19に示したUCB−3を特徴づける粉末XRD(PXRD)は、PREFERのものと比較した場合、200ピーク(6.8°、13Å)の著しい減少及び広幅化を示し(
図19)、その理由は、PREFERがこの処理によって層間剥離されるためである。
【0086】
焼成材料のアルゴンガス物理吸着等温線を
図20に示す。表2は、マイクロ細孔容積、外側表面積、及び全細孔容積を表す。これらの結果を比較すると、PREFER層の層間剥離について予期されるように、焼成PREFERと比べて、外側表面積の増大とともに、UCB−3のマイクロ細孔容積の著しい減少が示される。
【表2】
【0087】
(例6)
PREFERの層間剥離によるUCB−4の合成及び特徴づけ
N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中のPREFER(0.20g)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB、0.22g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF、0.34g)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl、0.34g)の混合物を、密閉したPFAチューブ内で、373Kで16時間加熱した。室温に冷却した後、氷浴中で1時間、スラリーを超音波処理にかけた。次いで、固体を濾過によって分離し、DMF約50mLで洗浄した。濾過によって分離した後、固体を323Kで一晩乾燥させた。合成された材料をUCB−4と指定した。この合成は、UCB−3の合成と同様に、酸性化及び酸の使用の必要性を不要にするが、UCB−3と異なり、これは超音波処理を伴う。
【0088】
図21に示したUCB−4を特徴づける粉末XRD(PXRD)は、上述した処理の後、PREFERのものと比較した場合、200ピーク(6.8°、13Å)の消失を示す(
図21)。UCB−3と比べたUCB−4の独特の利点は、
図21中に(200)ピークが完全に存在しないこと(即ち、
図19中のこの広いピークの強度に匹敵する)によって示唆されるように、より高い程度の層間剥離である。焼成材料のアルゴンガス物理吸着を
図22に示す。UCB−4は、0.001cm
3/g未満であるマイクロ細孔容積、171m
2/gの外側表面積、及び0.51cm
3/gの全細孔容積からなる。
【0089】
これらの結果を、焼成PREFER及び焼成UCB−3の結果と比較すると、PREFER及びUCB−3の両方と比べて、UCB−4のマイクロ細孔容積の著しい減少、及び外側表面積の増大が示される。これらのデータは、UCB−4におけるPREFERの層間剥離、及びUCB−3よりUCB−4において、さらに大きい程度のPREFERの層間剥離と一致する。
【0090】
(例7)
Al−SSZ−70の合成
水酸化アルミニウム(Al2O3として53重量%、0.171g)、蒸留水(6.88g)、水酸化ジイソブチルイミダゾリウム溶液(0.50mmol/g、35.6g)、水酸化ナトリウム溶液(1N、8.89g)、及びヒュームドシリカ(5.50g)からなるゲルを、4つのポーションに分割した。23mLのテフロン(登録商標)で裏打ちされたオートクレーブ内で、423Kで転がしながら11日間、それぞれのゲルを加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、固体を濾過によって分離し、その後、蒸留水で洗浄した。固体を353Kで一晩乾燥させた。
【0091】
Al−SSZ−70の層間剥離によるUCB−5の合成及び特徴づけ
N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中のAl−SSZ−70(0.20g)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB、0.22g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF、0.34g)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl、0.34g)の混合物を、密閉したPFAチューブ内で、373Kで16時間加熱した。室温に冷却した後、氷浴中で1時間、スラリーを超音波処理にかけた。次いで、固体を濾過によって分離し、DMF約50mLで洗浄した。濾過によって分離した後、固体を323Kで一晩乾燥させた。合成された材料をUCB−5と指定した。
【0092】
アズメイドのAl−SSZ−70及びUCB−5を特徴づける粉末XRD(PXRD)を
図23に示す。Al−SSZ−70を特徴づけるパターン(
図23a)は、6.6°(13.4Å)でピークを示し、このピークは、この材料のラメラ構造を表す。UCB−5についてのパターン(
図23b)は、このピークの完全な消失を示し、その理由は、Al−SSZ−70の層が、層間剥離した状態になったためである。
【0093】
焼成材料のアルゴンガス物理吸着データを
図24に示す。表3は、対応するマイクロ細孔容積、外側表面積、及び全細孔容積を要約する。これらの結果を比較すると、Al−SSZ−70層の層間剥離について予期されるように、外側表面積の増大とともに、UCB−5のマイクロ細孔容積の著しい減少が示される。
【表3】
【0094】
(例8)
B−SSZ−70の合成
ホウ酸(0.172g)、蒸留水(2.52g)、水酸化ジイソブチルイミダゾリウム溶液(0.48mmol/g、17.7g)、水酸化ナトリウム溶液(1N、4.20g)、及びヒュームドシリカ(2.60g)からなるゲルを、2つのポーションに分割した。23mLのテフロン(登録商標)で裏打ちされたオートクレーブ内で、423Kで17日間、転がしながらそれぞれのゲルを加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、固体を濾過によって分離し、その後、蒸留水で洗浄した。固体を353Kで一晩乾燥させた。
【0095】
B−SSZ−70の層間剥離によるUCB−6の合成及び特徴づけ
N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中のB−SSZ−70(0.20g)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB、0.22g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF、0.34g)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl、0.34g)の混合物を、密閉したPFAチューブ内で、373Kで16時間加熱した。室温に冷却した後、氷浴中で1時間、スラリーを超音波処理にかけた。次いで、固体を濾過によって分離し、DMF約50mLで洗浄した。濾過によって分離した後、固体を323Kで一晩乾燥させた。合成された材料をUCB−6と指定した。
【0096】
アズメイドのB−SSZ−70及びUCB−6を特徴づける粉末XRD(PXRD)を
図25に示す。B−SSZ−70を特徴づけるパターン(
図25a)は、6.6°(13.4Å)でピークを示し、このピークは、この材料のラメラ構造を表す。UCB−6のパターン(
図25b)は、このピークの著しい減少及び広幅化を示し、層間剥離したB−SSZ−70層と一致する。
【0097】
焼成材料のアルゴンガス物理吸着データを
図26に示す。表4は、対応するマイクロ細孔容積、外側表面積、及び全細孔容積を要約する。これらの結果を比較すると、B−SSZ−70層の層間剥離について予期されるように、外側表面積の増大とともに、UCB−6のマイクロ細孔容積の著しい減少が示される。
【表4】
【0098】
UCB−1約30mgを、熱重量分析器(TA Instruments、モデルTA2920)内で乾燥窒素を流しながら、550℃で2時間焼成した。焼成されたUCB−1を同じ乾燥窒素ストリーム下で150℃に冷却した後、ピリジン塩基プローブ分子50μLを、シリンジを介して入口ガスフローライン中に注入した。プローブ分子は、UCB−1の酸部位に吸着した。温度を150℃に30時間保った後、試料の温度を250℃まで上昇させ、そこで2時間保持した。次いで、試料の温度を350℃まで上昇させ、そこで2時間保持した。2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(DTBP)及びコリジンなどのかさ高いピリジンを用いて、同じセットの実験を行った。
【0099】
図27は、150〜350℃での塩基分子の化学吸着された量を示す。結果は、ピリジンにとってアクセス可能な酸部位の約30〜45%は、DTBP又はコリジンにとってもアクセス可能であることを示す。DTBP又はコリジンにとってアクセス可能な部位のこの大部分は、UCB−1中の層間剥離した層の結果として、外側表面付近の酸部位の大部分に起因する。
【0100】
本明細書で参照したすべての特許及び刊行物は、本明細書と矛盾しない程度に、参照により本明細書に組み込まれている。ある特定の上述した構造、機能、及び上述した実施形態の操作は、本発明を実施するために必要ではなく、例示的な1つ又は複数の実施形態の完全性のために単に説明において含まれていることが理解されるであろう。さらに、上述した、参照した特許及び刊行物に示された特定の構造、機能、及び操作は、本発明とともに実施することができるが、これらは、本発明を実施するのに必須ではないことが理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の主旨及び範囲から実際に逸脱することなく、具体的に記載した以外の方法で実施することができることが理解されるべきである。