特許第5973497号(P5973497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973497
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】電動自動車用の取付けフレーム
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20160809BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20160809BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20160809BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20160809BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   B62D21/00 Z
   B62D21/15 C
   B62D25/20 C
   B60K1/04 Z
   B60L9/18 J
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-120202(P2014-120202)
(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公開番号】特開2015-720(P2015-720A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2014年6月12日
(31)【優先権主張番号】10 2013 106 085.4
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ファビアン メルケル
【審査官】 森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−190438(JP,A)
【文献】 特開2007−039020(JP,A)
【文献】 特開2012−006545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/00
B60K 1/04
B60L 9/18
B62D 21/15
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自動車(10)用の取付けフレーム(20)であって、2つのフレームビーム(34、36)を備え、前記フレームビーム(34、36)が、前記自動車(10)の長手方向(18)に向けられ、前記自動車(10)を駆動させるための電気駆動ユニット(22)が、前記フレームビーム(34、36)に取り付けられ、取付けフレーム(20)がさらに、電気構成要素(28)を備え、前記電気構成要素(28)が、前記電気駆動ユニット(22)とは別個に形成され、前記電気構成要素(28)が、曲げ剛性を有するハウジング(40)内に収納され、前記ハウジング(40)が、前記取付けフレーム(20)に取り付けられ、前記フレームビーム(34、36)が、前記長手方向(18)で外方向に開いたフレーム構成を形成し、前記電気構成要素(28)の前記ハウジング(40)が、前記2つのフレームビーム(34、36)に機械的に固定接続されて、前記フレームビーム(34、36)と共に閉じたフレーム区域を形成しており、
前記長手方向(18)に沿って見て、前記ハウジング(40)が、前記電気駆動ユニット(22)の下方に配置されている、ことを特徴とする取付けフレーム(20)。
【請求項2】
前記フレームビーム(34、36)が、互いに平行に配置されることを特徴とする請求項1に記載の取付けフレーム。
【請求項3】
前記フレームビーム(34、36)が、中空形状ビームであり、変形エネルギーを吸収するための座屈区域(42、44)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の取付けフレーム。
【請求項4】
前記電気駆動ユニット(22)が、前記フレームビーム(34、36)の間に配置され、前記2つのフレームビーム(34、36)に取り付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の取付けフレーム。
【請求項5】
前記電気構成要素(28)の前記ハウジング(40)が、前記フレームビーム(34、36)の間に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の取付けフレーム。
【請求項6】
前記電気構成要素(28)の前記ハウジング(40)が、前記自動車(10)の前記長手方向(18)に、前記電気駆動ユニット(22)に対してずらされて配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の取付けフレーム。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記長手方向(18)に、前記電気駆動ユニット(22)に対して外方向にずらされるように配置されることを特徴とする請求項6に記載の取付けフレーム。
【請求項8】
前記電気構成要素(28)が、前記ハウジング(40)に機械的に固定接続された曲げ剛性を有する冷却体を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の取付けフレーム。
【請求項9】
前記電気構成要素(28)が、充電ユニット(28)であり、外部電気エネルギー源と前記自動車(10)の電気エネルギー貯蔵装置(32)との間で電気エネルギーを交換するように設計されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の取付けフレーム。
【請求項10】
前記電気構成要素(28)が、前記電気駆動ユニット(22)を制御するためのインバータ構成であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の取付けフレーム。
【請求項11】
支持フレーム(12)と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の取付けフレーム(20)とを備える電動自動車(10)であって、前記取付けフレーム(20)が、前記支持フレーム(12)に配置され、前記支持フレーム(12)に機械的に固定接続される電動自動車(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自動車用の取付けフレームであって、2つのフレームビームを備え、フレームビームが、自動車の長手方向に向けられ、自動車を駆動させるための電気駆動ユニットが、フレームビームに取り付けられ、取付けフレームがさらに、電気構成要素を備え、電気構成要素が、電気駆動ユニットとは別個に形成され、電気構成要素が、高い曲げ剛性を有するハウジング内に収納され、ハウジングが、取付けフレームに取り付けられる取付けフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプの取付けフレームは、電動自動車の駆動構成要素を自動車の支持フレームまたはシャーシに固定して取り付けるよう機能する。
【0003】
上記のタイプの取付けフレームは、(特許文献1)の実施例から知られており、その特許文献では、自動車の車体のビーム構造が、閉じた弧形状を成し、自動車構成要素のハウジングが、互いに対して角度を付けられたビーム構造の2つの区域の間で、個別のビームによって自動車の車体に取り付けられる。
【0004】
この取付けフレームの欠点は、自動車構成要素のハウジングが、さらなる2つのビームによって自動車の車体に取り付けられることにより、全体の構成が技術的に複雑になり、自動車の重量が増加されることにある。
【0005】
自動車の構成要素の別の取付け構成が、(特許文献2)から知られている。前記特許文献では、電気自動車構成要素が、閉じた自動車支持フレームの一部に取り付けられる。この取付け構成の欠点は、自動車構成要素のハウジングが、一般に自動車支持フレームの安定性に何も影響を及ぼさないことである。
【0006】
一般に、電気自動車用の既知の自動車支持フレームおよび取付けフレームは、内燃機関および/またはトランスミッションユニットの構成要素が存在しないため、一般に自動車支持フレームの安定性が低下し、自動車が衝突した場合に乗員の受動安全性を保証するために追加の補剛(剛性補強)手段が必要となるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2011/066884A1号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0031689A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、電動自動車用の取付けフレームであって、技術的経費をあまりかけずに、乗員の受動安全性を高める取付けフレームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、本発明によれば、冒頭で述べた取付けフレームにおいて、フレームビームが、長手方向で外方向に開いた(長手方向外側が開放された)フレーム構成を形成し、電気構成要素のハウジングが、2つのフレームビームに機械的に固定接続されて、フレームビームと共に閉じたフレーム区域を形成することによって実現される。
【0010】
上記の目的は、また、支持フレームと、本発明による取付けフレームとを備える電動自動車であって、取付けフレームが、自動車の支持フレームに配置され、支持フレームに機械的に固定接続される電動自動車によって実現される。
【0011】
フレームビームが長手方向で外方向に開いたフレーム構成を形成することにより、技術的経費をあまりかけずに取付けフレームを製造することができ、横方向接続体を必要としないため軽量であり、また、電気構成要素のハウジングが2つのフレームビームに機械的に固定接続されて閉じたフレーム区域を形成するので、電気構成要素のハウジングは、概して取付けフレームを補剛するよう機能することができる。その理由は、取付けフレームとハウジングがブロックを形成し、それにより、概して取付けフレームの機械的剛性が増加されるからである。電気構成要素の高い曲げ剛性を有するハウジングの利用および関連のブロック形成によって取付けフレームを上記のように補剛することにより、電動自動車の乗員の受動安全性を高めることができる。
【0012】
したがって、本発明の目的が完全に実現される。
【0013】
好ましい実施形態では、フレームビームが、互いに平行に配置される。
【0014】
このようにすると、長手方向にて自動車が衝突した場合の自動車の安定性を高めることができる。
【0015】
また、フレームビームが、中空形状ビームであり、変形エネルギーを吸収するための座屈区域を有することが好ましい。
【0016】
このようにすると、長手方向ビームの制御された座屈挙動を実現することができる。それにより、衝突時に、制御された様式で衝突エネルギーを散逸させることができ、したがって乗員の受動安全性がさらに高められる。
【0017】
また、電気駆動ユニットが、フレームビームの間に配置され、2つのフレームビームに取り付けられることが好ましい。
【0018】
このようにすると、堅固であり高い曲げ剛性を有する金属ハウジングを通常は有する電気駆動ユニットが、ブロックの形成にも寄与し、したがって、概して自動車の受動安全性を高めることができる。
【0019】
また、電気構成要素のハウジングが、フレームビームの間に配置されることが好ましい。
【0020】
このようにすると、電気構成要素の高い曲げ剛性を有するハウジングを、フレームビームの接続を補剛するために最適に利用することができ、構成要素によるブロックの形成を最適化することができる。
【0021】
また、電気構成要素のハウジングが、自動車の長手方向で、電気駆動ユニットに対してずらされて配置されることが好ましい。
【0022】
このようにすると、長手方向で前後に配置された高い曲げ剛性を有する構成要素によって、前後に配置された接続点により、取付けフレームのねじり剛性および取付けフレームの安定性を改良することができる。
【0023】
特に、ハウジングが、長手方向で、電気駆動ユニットに対して外方向にずらされるように配置されることが好ましい。
【0024】
このようにすると、自動車が衝突した場合に、電気駆動ユニットを電気構成要素によって保護することができ、場合によっては、電気駆動ユニットの損傷による過電圧および高電流を防止することができる。
【0025】
また、長手方向に沿って見て、ハウジングが、電気駆動ユニットの下方に配置されることが好ましい。
【0026】
このようにすると、自動車が衝突した場合に、ハウジングを電気駆動ユニットの下に押し込むことができ、それにより、概して取付けフレームの座屈挙動が改良される。したがって、より大きなクラッシャブルゾーンを提供することができ、概して自動車の受動安全性がさらに高められる。
【0027】
また、電気構成要素が、ハウジングに機械的に固定接続された高い曲げ剛性を有する冷却体を有することが好ましい。
【0028】
このようにすると、電気構成要素のハウジングの機械的安定性を改良することができ、それにより、概して取付けフレームの補剛を改良することができる。
【0029】
また、電気構成要素が、充電ユニットであり、外部電気エネルギー源と自動車の電気エネルギー貯蔵装置との間で電気エネルギーをやり取りするように設計されることが好ましい。
【0030】
このようにすると、自動車が衝突した場合の乗員の安全性を高めることができる。その理由は、充電ユニットが、電気エネルギー貯蔵装置を充電するためにのみ電気的に使用されるので、衝突時には非通電状態であり、そのため、乗員を危険にさらす可能性がある過電圧が生じないからである。
【0031】
また、電気構成要素が、電気駆動ユニットを制御するためのインバータ構成であることが好ましい。
【0032】
このインバータ構成は、パワーエレクトロニクス機器の電力損失が大きいので、通常は堅固な金属冷却体を備える。それにより、前記構成要素は特に高い剛性を有し、したがって概して取付けフレームの剛性を向上させる。
【0033】
上述した特徴および以下にさらに説明する特徴は、それぞれ指定された組合せでのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく他の組合せで、または単独でも使用することができることは明らかである。
【0034】
本発明の例示的実施形態を図面に示し、以下の説明でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】電気構成要素を取り付けるための取付けフレームを有する自動車の概略図である。
図2】電気構成要素を取り付けるための取付けフレームを有する自動車の斜視概略詳細図である。
図3】電気構成要素を取り付けるための取付けフレームを有する自動車であって、取付けフレームに充電ユニットのハウジングが取り付けられた自動車の概略斜視詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に、電動自動車が概略的に示されており、全体を参照番号10で表されている。自動車10は、支持フレーム12を有し、支持フレーム12に自動車10の車輪14が取り付けられる。自動車10は、一般に長手方向軸線16を有する。自動車10は、矢印18によって示されるように、実質的に長手方向軸線16に平行な長手方向に移動する。
【0037】
一般に自動車10の電気駆動構成要素を取り付けるために、取付けフレーム20が支持フレーム12に固定される。取付けフレーム20には電気駆動機械(電気駆動ユニット)22が取り付けられる。駆動機械22のシャフト24は、自動車10を駆動させるために、トランスミッション26を介して車輪に接続される。また、取付けフレーム20には、さらなる電気構成要素28が取り付けられる。電気構成要素28は、ここで例示する実施形態では充電ユニット28として機能する。充電ユニット28は、電気接続ユニット30に接続されることにより、外部電気エネルギー源に接続される。充電ユニット28は、さらに、電気エネルギー貯蔵装置32に電気的に接続される。電気エネルギー貯蔵装置32は、電気駆動機械22に電気エネルギーを供給するよう機能する。充電ユニット28は、電気エネルギー貯蔵装置32を充電するために、外部エネルギー源からの電気エネルギーを直流電圧に変換するよう機能する。充電ユニット28は、電気エネルギー貯蔵装置32を充電するために、対応する充電スタンドに自動車10が接続されたときにのみ使用される。したがって、自動車10の走行中、充電ユニット28は非通電状態にあり、したがって走行中には受動要素とみなされるべきである。
【0038】
取付けフレーム20は、2つの細長いフレームビーム34、36を有する。フレームビーム34、36は、長手方向軸線16に平行に、外方向に延在する。フレームビーム34、36は、自動車の横方向ビーム38または支持フレーム12に取り付けられる。フレームビーム34、36は、長手方向18で外方向に開いたフレーム構成を形成する。フレームビーム34、36は、フレームビーム34、36の外端部に横方向ストラットを有さず、自由端を有するビームとして、自動車10の端部に向かって、長手方向軸線16に平行に延在する。電気駆動機械22は、フレームビーム34、36の間に配置されて取り付けられる。電気構成要素28は、電気駆動機械22に対してずらされるように2つのフレームビーム34、36に取り付けられる。電気構成要素28は、高い剛性および曲げ剛性を有するハウジング40を有する。ハウジング40は、フレームビーム34、36に取り付けられ、2つのフレームビーム34、36を互いに機械的に接続する。ハウジング40は、外方向に開いたフレームビーム34、36と共に閉じたフレーム区域を形成するか、フレームビーム34、36を互いに接続するための横方向ストラットを成す。
【0039】
電気構成要素28のハウジング40は、長手方向18で電気駆動機械22に対して外方向にずらされるように配置される。それにより、ハウジング40は、実質的にフレームビーム34、36の末端部に取り付けられ、一方、電気駆動機械22は、フレームビーム34、36の中央区域に取り付けられる。
【0040】
したがって、電気構成要素28の堅固なハウジング40は、一般に取付けフレーム20を補剛するよう機能し、電気駆動形態では存在しない自動車10の構成要素の代わりとなる。それにより、取付けフレーム20は、ハウジング40および電気駆動機械22と共に堅固なブロックを形成し、このブロックは、自動車10が衝突した場合に、所要の安定性および対応するクラッシャブルゾーンを提供する。このようにすると、(通常は内燃機関を備える自動車用に構成される)支持フレーム12と取付けフレーム20を電動自動車にも使用することができ、内燃機関および所要のトランスミッションの対応する取付点が、電気駆動機械22および電気構成要素28を取り付けるために機能する。したがって、概して、例えば内燃機関ドライブトレインのエンジンブロックおよびトランスミッションなどの存在しない堅固な構成要素を、電気駆動機械22および電気構成要素28で代用することができる。
【0041】
電気構成要素28は、好ましくは、電気エネルギー貯蔵装置32を充電するための充電ユニット28である。前記電気構成要素は、有利には、高い曲げ剛性および剛性を有する安定したハウジングを有し、充電ユニット28の電気インバータ構成要素の適当な冷却を行うための堅固な金属冷却板を備える。取付けフレーム20の補剛は、前記堅固な冷却板によってさらに改良することができる。上記のようにして形成された閉じたフレーム区域は、剛性ブロックを形成する。剛性ブロックは、概して受動安全性を向上させ、それと同時に、概して支持フレーム12および自動車10のねじれ振動を減少させることができる。充電ユニット28は、自動車10の走行中は非通電状態にあり、充電スタンドにあるときにのみ電気的に接続され、それに対応して電気的に使用されるので、衝突時に電気構成要素28の損傷により過電圧が生じることはない。
【0042】
フレームビーム34、36は、複数の座屈区域42、44を有する。座屈区域42、44は、フレームビーム34、36の所定の破壊点または座屈点として機能する。衝突時、座屈区域42、44が、取付けフレーム20の所定の曲げ挙動を概して保証し、支持フレーム構成要素の制御された曲げを概して実現することが意図される。このようにして、概して自動車10のクラッシャブルゾーンを改良することができる。
【0043】
衝突時の改良された座屈挙動を保証するために、長手方向軸線16に沿って見て、または長手方向軸線の方向での投影で、電気構成要素28またはハウジング40は、電気駆動機械22の上方または電気駆動機械22の下方に配置されることがある。それに対応して、ハウジング40は、電気駆動機械22の上または下に押し込まれる。
【0044】
したがって、一般に、電動自動車10の電気構成要素によってブロックを形成することができ、それにより概して自動車10の安定性が改良される。その理由は、例えばパワーエレクトロニクス機器の冷却板など電気駆動機構の堅固な構成要素が、安定性およびブロックの形成のために使用されることによって、自動車10と同じ総重量を維持しながら、または総重量の減少を実現しながら安定性を高めることができるからである。
【0045】
図2は、支持フレーム12を備える自動車10の斜視詳細図を概略的に示す。同一の要素には同一の参照符号が付されており、ここでは特別な特徴のみを説明する。
【0046】
図2に示される斜視詳細図では、分かりやすくするために、支持フレームは、充電ユニット28またはハウジング40なしで図示されている。フレームビーム34、36は、長手方向軸線16に平行に延在し、相応に重量を減らすために、長方形状を有する中空の細長い直線ロッドとして形成される。電気駆動機械22およびトランスミッション26は、フレームビーム34、36の間に取り付けられる。フレームビーム34、36は、中央区域46で2つの横方向ビーム48、50によって接続される。それにより、構成要素のための取付け機能が相応に改良され、前記領域での安定性が高まる。以下により詳細に示すように、堅固なハウジング40を有する充電ユニット28の形態での電気構成要素28は、それぞれ自由端の形態であるフレームビーム34、36の端部区域52に取り付けられる。それによりフレームビーム34は、互いに機械的に固定接続され、相応して閉じたフレーム区域を形成する。
【0047】
支持フレーム12の長手方向区域54、56は、それぞれフレームビーム34、36に横方向で隣接して形成される。前記長手方向区域は、支持フレーム12をバンパに接続するための接続区域58、60をそれぞれ有する。
【0048】
図3は、図2に示されるのと同様の自動車10の斜視詳細図を示す。ここでは、フレームビーム34、36が、充電ユニット28のハウジング40に固定接続されている。同一の要素には同一の参照符号が付されており、ここでは特別な特徴のみを説明する。
【0049】
ハウジング40は、横方向ビーム50とフレームビーム34、36の端部区域52との間に取り付けられ、それに対応して接続要素62によってフレームビーム34、36に固定接続される。接続要素62は、例えば溶接点として形成されることがある。この図では、長手方向軸線16に沿って見て、または長手方向軸線16に沿った投影で、ハウジング40は、電気駆動機械22の上方に配置されている。ハウジング40は、長手方向軸線16に沿って見て、電気機械22の下方に配置されることもある。
【0050】
堅固なハウジング40によるフレームビーム34、36の接続により、ブロックの形成を実現することができ、それにより、一般に自動車10の安定性が向上され、支持フレーム12のねじれ振動を減少させることができる。
【符号の説明】
【0051】
10 電動自動車
12 支持フレーム
18 長手方向
20 取付けフレーム
22 電気駆動ユニット
28 電気構成要素
32 電気エネルギー貯蔵装置
34、36 フレームビーム
40 ハウジング
42、44 座屈区域
図1
図2
図3