(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973516
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】後付けブロー排水量低減ユニットおよびボイラブロー水排水システムおよびボイラブロー水冷却方法
(51)【国際特許分類】
F22B 37/54 20060101AFI20160809BHJP
F22B 37/56 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
F22B37/54 B
F22B37/56 A
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-203439(P2014-203439)
(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公開番号】特開2016-70640(P2016-70640A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】西 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】村田 和弥
(72)【発明者】
【氏名】藤永 孝則
(72)【発明者】
【氏名】部坂 洋
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−48023(JP,A)
【文献】
特開2013−213660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/54 − 37/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を貯留するブロータンクと、このブロータンクから送給される前記ボイラブロー水に冷却水を混合して減温する冷却槽と、この冷却槽に供給する前記冷却水である用水を貯留する用水タンクと、前記冷却槽から送給されるブロー排水を貯留するブロー排水槽と、このブロー排水槽からオーバーフローした前記ブロー排水を系外に放流する放流配管と、からなるボイラブロー水排水系統に対して後付けされるユニットであって、
前記ブロー排水槽から送給される前記ブロー排水を貯留するブロー冷却水槽と、
このブロー冷却水槽に貯留される前記ブロー排水を抽出し冷却して前記ブロー冷却水槽に返送する冷却設備と、
前記ブロー冷却水槽から前記冷却槽に直接又は間接的に前記ブロー排水を前記用水の少なくとも一部に代えて前記冷却水として送給する送給配管と、を有することを特徴とする後付けブロー排水量低減ユニット。
【請求項2】
前記冷却設備は、空冷式であることを特徴とする請求項1記載の後付けブロー排水量低減ユニット。
【請求項3】
前記ボイラブロー水排水系統は、前記放流配管に前記ブロー排水から重金属を除去する重金属除去装置を備えており、
前記ブロー冷却水槽と前記重金属除去装置の上流側の前記放流配管とを接続する排出配管を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の後付けブロー排水量低減ユニット。
【請求項4】
前記冷却設備から前記ブロー冷却水槽に前記ブロー排水を返送する返送配管は、冷却済の前記ブロー排水を直接又は間接的に前記冷却槽に送給する分岐配管を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の後付けブロー排水量低減ユニット。
【請求項5】
少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を貯留するブロータンクと、このブロータンクから送給される前記ボイラブロー水に冷却水を混合して減温する冷却槽と、この冷却槽に供給する前記冷却水である用水を貯留する用水タンクと、前記冷却槽から送給されるブロー排水を貯留するブロー排水槽と、このブロー排水槽からオーバーフローした前記ブロー排水を系外に放流する放流配管と、からなるボイラブロー水排水システムであって、
前記ブロー排水槽から送給される前記ブロー排水を貯留するブロー冷却水槽と、
このブロー冷却水槽に貯留される前記ブロー排水を抽出し冷却して前記ブロー冷却水槽に返送する冷却設備と、
前記ブロー冷却水槽から前記冷却槽に直接又は間接的に前記ブロー排水を前記用水の少なくとも一部に代えて前記冷却水として送給する送給配管と、を有することを特徴とするボイラブロー水排水システム。
【請求項6】
前記冷却設備は、空冷式であることを特徴とする請求項5記載のボイラブロー水排水システム。
【請求項7】
前記ボイラブロー水排水システムは、前記放流配管に前記ブロー排水から重金属を除去する重金属除去装置を備えており、
前記ブロー冷却水槽と前記重金属除去装置の上流側の前記放流配管とを接続する排出配管を備えていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のボイラブロー水排水システム。
【請求項8】
前記冷却設備から前記ブロー冷却水槽に前記ブロー排水を返送する返送配管は、冷却済の前記ブロー排水を直接又は間接的に前記冷却槽に送給する分岐配管を備えていることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のボイラブロー水排水システム。
【請求項9】
少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を冷却水と混合して冷却するボイラブロー水冷却工程と、
前記ボイラブロー水と前記冷却水との混合体であるブロー排水を貯留しつつ、その一部を抽出してさらに冷却して返戻することを繰り返すブロー排水冷却工程と、を有し、
このブロー排水冷却工程において冷却された冷却済ブロー排水を、前記ボイラブロー水冷却工程における前記冷却水として注入することを特徴とするボイラブロー水冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所等の発電用ボイラ設備から排出されるブロー排水の量を低減するために既存のボイラブロー水排水系統に後付される後付けブロー排水量低減ユニットおよびそれを備えたボイラブロー水排水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、火力発電所等の発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水は高温であるため、用水を混合して環境に悪影響を与えない程度の温度にまで減温、冷却してから必要に応じて重金属を除去する処理を行った後に系外に排出していた。
通常、火力発電所等においては、処理が必要なブロー排水量を予想して十分な処理能力を有するボイラブロー水排水系統を設置しているが、発電用ボイラ設備の増設や、設備点検後の試運転を行ったり、あるいは、想定を超えた雨水の流入によりボイラブロー水排水系統の処理能力を超える事態が起きていた。
この場合、ボイラブロー水排水系統に何らかの改良を加える必要がある反面、そのためのコストも最少限度にする必要があった。
本願発明に関連する技術分野の先行技術文献としては以下に示すようなものが知られている。
【0003】
特許文献1には「補助蒸気系のドレン低減装置」という名称で、プラントの所内蒸気負荷に蒸気を供給する補助蒸気系に係り、特に、補助ボイラのドレン系へ排出されるドレン量の低減を図った補助蒸気系のドレン低減装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、特許文献1中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、補助ボイラ21を有する補助蒸気系に、復水タンク23の水位を一定に制御するために復水を連続的に給水ドレンタンク26に給水する復水流量調整系と、給水ドレンタンク26に補給される補給水の流量を給水ドレンタンク26の水位に応じて制御する補給水流量調整系と、ブロー水冷却器35に給水される補給水を冷却して循環させる閉じた冷却水系とを設けてなることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、復水タンクの水位を一定に制御し、連続的に復水を給水ドレンタンクに移送すると共に、給水ドレンタンクに水位に応じた補給水量を供給するので、給水ドレンタンクの水位が急激に上昇してオーバーフローするのを防止することができる。
また、ブロー水等を冷却するブロー水冷却器の冷却水を閉ループの冷却水系に循環させるので、ピットに排水される補給水量を低減し、運転コストを低減することができる。
【0004】
特許文献2には「ブロータンク排水冷却方法とそのシステム」という名称で、火力発電所のボイラ建屋内に設置した各種ドレンからの高温排水を集めたブロータンクから排水槽に排水する間に、高温排水を減温、冷却する方法とシステムに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される発明は、特許文献2中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、火力発電所のボイラ建屋内に設置した各種ドレン2の高温排水を集めたブロータンク1から排水槽5に向かう排水管路に、冷却水4により減温する減温器3を設けて減温すると共に、ボイラ建屋への流入空気を利用するクーリング装置6により空気冷却し、クーリング後の排水温度により前記減温器3の冷却水量を制御してなることを特徴とするものである。
特許文献2に開示される発明によれば、火力発電所のボイラ建屋内に設置した各種ドレンからの高温排水を集めたブロータンクから排水槽に向かう排水管路に冷却水により減温する減温器を設けて減温すると共に、ボイラ建屋への流入空気を利用するクーリング装置を設けて空気冷却し、クーリング後の排水温度を検出して前記減温器の冷却水量を制御してなる構成を有することにより、ブロータンクから排水槽に向かう高温排水を、ボイラ建屋への流入空気を利用してクーリング装置により空気冷却することができるので、それだけ安価で簡便なクーリング装置で冷却できる。また、減温器の冷却水による冷却率を低くすることができるから冷却水の量を減らすことができると共に、空気冷却によるクーリング後の排水槽に流入する排水の温度を検出して、減温器の冷却水量を制御することにより、正確且つ確実に排水温度の冷却ができるという効果を有する。
【0005】
特許文献3には「ボイラブロー水の冷却方法」という名称で、冷却塔を有する動力プラントのボイラブロー水の冷却方法に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示される発明は、特許文献3中に記載に記載される符号をそのまま用いて説明すると、冷却塔1のブローダウン水を調整バルブ7を経てブローダウンライン4よりボイラブロー水ライン8を流れるボイラブロー水に混合させ、ボイラブロー水の温度を適温以下の設定温度に調整した上で排水することを特徴とするものである。
特許文献3に開示される発明によれば、冷却塔のブローダウン水を有効利用してボイラブロー水を冷却することにより、プラント全体の水消費量を低減させることができ、真水が容易に使い捨てられない砂漠地帯や水の無い離島などに適用できるという効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−223207号公報
【特許文献2】特開2009−243727号公報
【特許文献3】特開平9−126407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に開示される発明は、補助ボイラから送給されるボイラブロー水を間接的に冷却するための冷却水を循環利用するという技術思想に基づくものであり、ボイラブロー水の冷却にそのボイラブロー水そのものを冷却して使用するという技術思想に基づくものではない。
また、特許文献1に開示される発明は、給水ドレンタンク26の水位調整を主眼としたものであるため、個々の発電用ボイラ設備毎に個別に特許文献1に開示される発明を設ける必要があり、複数の発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を一元化して冷却水として利用する技術ではなかった。
【0008】
特許文献2に開示される発明では、本願発明の従来技術に相当する技術内容を有するものであり、本願発明が有する解決すべき課題については開示はおろか示唆や言及までも全くない。
【0009】
特許文献3に開示される発明は、ボイラ10から送給されるボイラブロー水ラインに、復水器3を含む循環水ラインから冷却済の復水を送給することで、ボイラブロー水を低温化させることができるものの、排水処理されるボイラブロー水の量を実質的に減らすことはできなかった。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を冷却しつつ貯留して、この貯留水を新たに排出されるボイラブロー水の冷却水として利用可能にし、これにより従来冷却水として使用していた用水の使用量を減らして、結果として、ボイラブロー水排水系統から排出されるブロー排水の量を減らすことができる後付けブロー排水量低減ユニット及びそれを備えたボイラブロー水排水システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明であるブロー排水量低減ユニットは、少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を貯留するブロータンクと、このブロータンクから送給されるボイラブロー水に冷却水を混合して減温する冷却槽と、この冷却槽に供給する冷却水である用水を貯留する用水タンクと、冷却槽から送給されるブロー排水を貯留するブロー排水槽と、このブロー排水槽からオーバーフローしたブロー排水を系外に放流する放流配管と、からなるボイラブロー水排水系統に対して後付けされるユニットであって、ブロー排水槽から送給されるブロー排水を貯留するブロー冷却水槽と、このブロー冷却水槽に貯留されるブロー排水を抽出し冷却してブロー冷却水槽に返送する冷却設備と、ブロー冷却水槽から冷却槽に直接又は間接的にブロー排水を用水の少なくとも一部に代えて冷却水として送給する送給配管と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の請求項1記載の発明において、ボイラブロー水排水系統を構成するブロータンクは、少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を貯留するという作用を有する。また、冷却槽はブロータンクから送給されるボイラブロー水に冷却水を混合して減温する際にボイラブロー水及び用水を収容するという作用を有する。さらに、用水タンクは冷却水である用水を貯留するという作用を有する。そして、ブロー排水槽は冷却槽から送給されるブロー排水を貯留するという作用を有する。そして、放流配管は、ブロー排水槽からオーバーフローしたブロー排水を系外に放流するという作用を有する。
また、請求項1記載の発明において後付されるブロー冷却水槽は、ブロー排水槽から送給される(抽出した)ブロー排水を貯留するという作用を有する。また、後付される冷却設備は、ブロー冷却水槽に貯留されるブロー排水を抽出し冷却した後にブロー冷却水槽に返送するという作用を有する。さらに、後付される送給配管は、ブロー冷却水槽から冷却槽に直接又は間接的にブロー排水を用水の少なくとも一部に代えて冷却水として送給するという作用を有する。
そして、上述のような、ブロー冷却水槽、冷却設備、送給配管からなる後付けブロー排水量低減ユニットを、既存のボイラブロー水排水系統に設けることで、既存の少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を空冷して冷却水として使用可能にするという作用を有する。つまり、少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を、それよりも前に排出されたボイラブロー水により冷却可能にするという作用を有する。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の後付けブロー排水量低減ユニットであって、冷却設備は、空冷式であることを特徴とするものである。
上記構成の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、冷却設備を空冷式とすることで、シンプルな構造でかつコストをかけることなくブロー排水(ボイラブロー水)を低温化させて冷却水として使用可能にするという作用を有する。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の後付けブロー排水量低減ユニットであって、ボイラブロー水排水系統は、放流配管にブロー排水から重金属を除去する重金属除去装置を備えており、ブロー冷却水槽と重金属除去装置の上流側の放流配管とを接続する排出配管を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明と同じ作用に加えて、ボイラブロー水排水系統に設けられる重金属除去装置は、放流配管を流動するブロー排水中から重金属を除去するという作用を有する。また、排出配管は、ブロー冷却水槽と重金属除去装置の上流側の放流配管とを接続して、重金属除去装置の上流側にブロー排水を送給して重金属除去装置による処理を可能にするという作用を有する。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の後付けブロー排水量低減ユニットであって、冷却設備からブロー冷却水槽にブロー排水を返送する返送配管は、冷却済のブロー排水を直接又は間接的に冷却槽に送給する分岐配管を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の発明と同じ作用に加えて、返送配管に設けられる分岐配管は、冷却済のブロー排水を直接又は間接的に冷却槽に送給するという作用を有する。これにより、冷却設備において冷却されて最も温度が低下した状態のブロー排水を冷却槽に送給することを可能にするという作用を有する。
【0015】
請求項5記載の発明であるボイラブロー水排水システムは、少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を貯留するブロータンクと、このブロータンクから送給されるボイラブロー水に冷却水を混合して減温する冷却槽と、この冷却槽に供給する冷却水である用水を貯留する用水タンクと、冷却槽から送給されるブロー排水を貯留するブロー排水槽と、このブロー排水槽からオーバーフローしたブロー排水を系外に放流する放流配管と、からなるボイラブロー水排水システムであって、ブロー排水槽から送給されるブロー排水を貯留するブロー冷却水槽と、このブロー冷却水槽に貯留されるブロー排水を抽出し冷却してブロー冷却水槽に返送する冷却設備と、ブロー冷却水槽から冷却槽に直接又は間接的にブロー排水を用水の少なくとも一部に代えて冷却水として送給する送給配管と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の請求項5記載の発明は、請求項1記載の後付けブロー排水量低減ユニットを備えたボイラブロー水排水系統をこれらが一体化されたボイラブロー水排水システムとして捉えたものであり、それぞれの構成要素による作用は請求項1記載の発明を構成するそれぞれの構成要素と同じである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のボイラブロー水排水システムであって、冷却設備は、空冷式であることを特徴とするものである。
上記構成の請求項6記載の発明による作用は、請求項2記載の発明による作用と実質的に同じである。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のボイラブロー水排水システムであって、ボイラブロー水排水システムは、放流配管にブロー排水から重金属を除去する重金属除去装置を備えており、ブロー冷却水槽と重金属除去装置の上流側の放流配管とを接続する排出配管を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の請求項7記載の発明による作用は、請求項3記載の発明による作用と実質的に同じである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のボイラブロー水排水システムであって、冷却設備からブロー冷却水槽にブロー排水を返送する返送配管は、冷却済のブロー排水を直接又は間接的に冷却槽に送給する分岐配管を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の請求項8記載の発明による作用は、請求項4記載の発明による作用と実質的に同じである。
【0019】
請求項9記載の発明であるボイラブロー水冷却方法は、少なくとも1つの発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を冷却水と混合して冷却するボイラブロー水冷却工程と、ボイラブロー水と冷却水との混合体であるブロー排水を貯留しつつ、その一部を抽出してさらに冷却して返戻することを繰り返すブロー排水冷却工程と、を有し、このブロー排水冷却工程において冷却された冷却済ブロー排水を、ボイラブロー水冷却工程における冷却水として注入することを特徴とするものである。
上記構成の請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明を方法の発明として捉えたものである。請求項9記載の発明におけるボイラブロー水冷却工程は、ボイラブロー水を冷却水と混合して冷却するという作用を有し、請求項1記載の発明における冷却槽による作用に対応している。また、ブロー排水冷却工程は、ブロー排水を冷却水として使用可能な程度に低温化させるという作用を有し、請求項1記載の発明におけるブロー冷却水槽及び冷却設備による作用に対応している。さらに、ブロー排水冷却工程において冷却された冷却済ブロー排水を、ボイラブロー水冷却工程における冷却水として注入することで、冷却水として用水を使用することなく、あるいは、冷却水としての用水の使用を最小限度にしながらボイラブロー水を冷却するという作用を有する。この点については請求項1記載の発明における冷却槽及び送給配管による作用に対応している。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1記載の発明によれば、発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水(ブロー排水)を用いて、新たに排出されるボイラブロー水を冷却(低温化)することができる。
この結果、ボイラブロー水の冷却水として用いられる用水の量を大幅に削減できる。これにより、ボイラブロー水排水系統から排出されるブロー排水の量を大幅に削減することができる。
この場合、ボイラブロー水の冷却方法として、ボイラブロー水と冷却済のブロー排水とを混合するという直接法を採用することで、例えば、熱交換器等の冷却設備を用いてボイラブロー水を冷却する間接法を採用する場合に比べて、配管の構造及び設備をシンプルにできる。これにより、ボイラブロー水の冷却を効率的にかつコストをかけることなく行うことができる。
また、ブロー排水槽とは別にブロー冷却水槽を設けることで、未低温化状態のブロー排水と、冷却済のブロー排水とを分離して貯留しておくことができる。さらに、ブロー冷却水槽を備えることで、低温化済のブロー排水を必要量だけプールしておくことができるというメリットもある。
この結果、ブロー冷却水槽に貯留されるブロー排水を冷却槽に送給することで、ボイラブロー水を、用水を用いることなく、あるいは、必要な用水の量を最少にしながら迅速かつ効率良く低温化することができる。これにより、この後に冷却槽から新たに排出されるブロー排水を冷却水として使用する際の、冷却槽における低温化も効率良く行うことができる。
さらに、請求項1記載の発明によれば、上述のような効果を発揮させるために必要な設備は、ブロー冷却水槽と、冷却設備と、送給配管のみであり、極めて簡素である。従って、設備投資にかかるコストを最小限度にしながら、ボイラブロー水排水系統から排出されるブロー排水の量を大幅に低減することができるという独自の効果を有する。
また、請求項1記載の発明によれば、複数の発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を一元的に低温化する必要がある場合でも、個々の発電用ボイラ設備に対して個別に請求項1記載の発明を設ける必要がない。すなわち、複数の発電用ボイラ設備から排出されるボイラブロー水を一元的に低温化する場合でも、ボイラブロー水排水系統に請求項1記載の発明を1つ設けるだけで対処できる。よって、請求項1記載の発明は拡張性が高く、設備投資のためのコストがかからないユニット設備である。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同じ効果に加えて、冷却設備の冷却方式を空冷式にすることで、簡素な設備でかつコストをかけることなく効率的にブロー排水を低温化させることができる。この結果、請求項2記載の後付けブロー排水量低減ユニットを既存のボイラブロー水排水系統に取設する際のコストを一層廉価にできるという効果を有する。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、系外に排出しようとするブロー排水から重金属を除去することができる。また、請求項1乃至請求項3に記載の発明では、主にブロー排水を用いてボイラブロー水を冷却しているので、請求項1乃至請求項3に係る後付けブロー排水量低減ユニットを備えないボイラブロー水排水系統においてボイラブロー水の冷却を行う場合と比較して、用水によるブロー排水の重金属の希釈が起こり難い。
この結果、請求項3記載の発明によれば、系外に排出しようとするブロー排水から効率良く重金属を除去することができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の発明と同じ効果に加えて、返送配管に分岐配管を設けることで、冷却設備において冷却されたブロー排水を冷却槽に供給することが可能になる。
この場合、ブロー排水によるボイラブロー水の冷却効果を最大にすることができる。この結果、系外に排出されるブロー排水の量を大幅に低減しながら、効率良くブロー排水によりボイラブロー水を低温化することができる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の後付けブロー排水量低減ユニットを既存のボイラブロー水排水系統に設置した状態のものをボイラブロー水排水システムとして捉えたものであり、構成上は請求項1記載の発明と実質的に同じである。よって、請求項5記載の発明の効果は、請求項1記載の発明による効果と同じである。
【0025】
請求項6記載の発明の構成は、請求項2に記載の発明と実質的に同じである。よって、請求項6記載の発明による効果は、請求項2記載の発明による効果と実質的に同じである。
【0026】
請求項7記載の発明の構成は、請求項3に記載の発明と実質的に同じである。よって、請求項7記載の発明による効果は、請求項3記載の発明による効果と実質的に同じである。
【0027】
請求項8記載の発明の構成は、請求項4に記載の発明と実質的に同じである。よって、請求項8記載の発明による効果は、請求項4記載の発明による効果と実質的に同じである。
【0028】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明を方法の発明として捉えたものであり、その効果は請求項1記載の発明と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット及びそれを備えたボイラブロー水排水システムの概念図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るボイラブロー水冷却方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の変形例に係る後付けブロー排水量低減ユニット及びそれを備えたボイラブロー水排水システムの概念図である。
【
図4】従来技術に係るボイラブロー水排水系統の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
はじめに、本発明の実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニットの設置対象である従来技術に係るボイラブロー水排水系統について
図4を参照しながら詳細に説明する。
図4は従来技術に係るボイラブロー水排水系統の概念図である。
図4に示すように従来技術に係るボイラブロー水排水系統2は、発電所の発電用ボイラ設備3から排出されるボイラブロー水を貯留するブロータンク4と、このブロータンク4から送給されるボイラブロー水に用水を混合して減温する冷却槽5と、この冷却槽5に供給する冷却水である用水を貯留する用水タンク6と、冷却槽5から送給されるブロー排水を貯留するブロー排水槽7と、このブロー排水槽7からオーバーフローしたブロー排水を系外に放流するオーバーフロー配管8とからなり、このオーバーフロー配管8には放流配管8a〜8dや、必要に応じてブロー排水を処理するための処理装置が接続されている。
より具体的には、例えば、放流配管8a〜8dには、オーバーフロー配管8から導出されるブロー排水を貯留するための中間排水槽15、一時貯留槽16、並びに、ブロー排水中の重金属を除去するための重金属処理装置12や、放流ピット17が放流配管8a〜8dを介しながらこの順序で直列に設けられている。特に、放流配管8dにポンプ21を設けることで、放流ピット17から発電所外にブロー排水を流動させることができる。
【0031】
さらに、従来技術に係るボイラブロー水排水系統2においては、用水タンク6と冷却槽5とが用水供給配管24aにより接続されており、さらに、この24からブロータンク4に用水を供給する用水供給配管24bが分岐している。そして、用水タンク6からブロータンク4又は冷却槽5に対する用水の供給は用水供給配管24aに設けられるポンプ21によりなされ、用水供給配管24a,24bのそれぞれは、ブロータンク4,冷却槽5への用水の供給を制御するための弁20を備えている。
また、従来技術に係るボイラブロー水排水系統2では、用水タンク6から供給される用水(冷却水)の不足を補えるように、放流配管8a〜8dを通じて系外に排出されたブロー排水を用水供給配管24aに返戻するための補助配管25及びポンプ21を備えている。
加えて、従来技術に係るボイラブロー水排水系統2においては、補助配管25から返戻されるブロー排水を用いてもなお冷却水の量が不足する場合に備えて、遊水池18を設けておき、この遊水池18の水を脱フッ素処理装置19及び放流配管8a〜8d及び補助配管25を介して冷却槽5に送給できるように構成されている。
なお、用水タンク6から十分な量の用水を供給できる場合は、補助配管25や遊水池18及び脱フッ素処理装置19を備える必要は必ずしもない。
【0032】
上述のような従来技術に係るボイラブロー水排水系統2において、発電用ボイラ設備3から排出されるボイラブロー水は100℃に近い高温であるためそのまま系外に排出することはできず、ブロータンク4に貯留したボイラブロー水を冷却槽5に送給して、冷却水である用水と混合して十分に低温化した上で、ブロー排水槽7に貯留しておき、ブロー排水槽7からオーバーフローしたブロー排水を必要に応じて、重金属処理装置12において重金属を除去してから系外に放流していた。
このような、従来技術に係るボイラブロー水排水系統2においては、冷却槽5においてボイラブロー水に用水を混合して直接冷温化する方法を採用しているため、ブロー排水の量が極めて大きくブロー排水の量を削減する必要があった。加えて、発電用ボイラ設備3の増設や、発電用ボイラ設備3の点検後の試運転によるボイラブロー水の排出、あるいは、遊水池18への雨水の流入に伴って、ボイラブロー水排水系統2の処理能力が超えてしまうこともあり、発電用ボイラ設備3の運転に支障をきたす事態も生じていた。
【0033】
本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A及びそれを備えたボイラブロー水排水システム23Aについて
図1を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット及びそれを備えたボイラブロー水排水システムの概念図である。なお、
図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図1に示すように、本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aは、先の
図4に示す従来技術に係るボイラブロー水排水系統2に対して後付で設置されるユニット設備である。なお、
図1では、本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aを構成する一連の設備を破線で囲んで示している。
本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aは、
図1に示すように、ブロー排水槽7からブロー排水を抜き取って貯留するブロー冷却水槽9と、このブロー冷却水槽9に貯留されるブロー排水を抽出して冷却した後ブロー冷却水槽9に返戻する冷却設備10と、ブロー冷却水槽9から用水供給配管24aに冷却済ブロー排水を供給する送給配管11とにより構成されるものである。
そして、
図4に示す従来技術に係るボイラブロー水排水系統2に、上述のような本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aを設置してなるものが本実施の形態に係るボイラブロー水排水システム23Aである。
【0034】
このような本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)によれば、冷却槽5において冷却されてブロー排水槽7に送給されたブロー排水を抜き取ってブロー冷却水槽9において貯留しつつ、その一部を冷却設備10に送給して冷却しながらブロー冷却水槽9と冷却設備10の間を循環させることで、ブロー冷却水槽9内に貯留されるブロー排水全体を一層冷却することができる(後段におけるブロー排水冷却工程:ステップS02に相当)。
そして、ブロー冷却水槽9から冷却済ブロー排水を送給配管11から用水供給配管24aを通じて冷却槽5に供給することで、ブロータンク4を介して冷却槽5に送給されるボイラブロー水を、冷却済ブロー排水との混合により冷却することができる(後段におけるボイラブロー水冷却工程:ステップS01に相当)。
すなわち、先に発電用ボイラ設備3から排出されたボイラブロー水を用いて後から排出されるボイラブロー水を冷却することができる。
そして、仮に冷却槽5に供給される冷却水の全てをブロー冷却水槽9から供給される冷却済ブロー排水で賄うことができた場合は、先の
図4に示す従来技術に係るボイラブロー水排水系統2において冷却槽5に冷却水として供給していた用水を使用しなくてよいことになる。
つまり、ボイラブロー水の冷却のために注入されていた用水の量に相当する量のブロー排水の処理を行なう必要がなくなるのである。
あるいは、
図4に示すボイラブロー水排水系統2において用水タンク6から供給される用水の一部を、ブロー冷却水槽9から送給される冷却済のブロー排水に置き換えるだけでも本実施の形態に係るボイラブロー水排水システム23Aから排出されるブロー排水の量の十分な低減効果が期待できる。
【0035】
また、
図4に示す従来技術に係るボイラブロー水排水系統2において処理するブロー排水が、1つの発電用ボイラ設備3から排出されるものであるとは限らない。より具体的には、
図4に示す従来技術に係るボイラブロー水排水系統2においては、発電用ボイラ設備3の増設などにより複数の発電用ボイラ設備3から排出されるボイラブロー水を処理しなければならないような事態も起こり得る。
本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)によれば、このような場合でも、ボイラブロー水排水系統2に対して1つのユニット設備を設置するだけで、ボイラブロー水が1つの発電用ボイラ設備3から排出される場合でも、複数の発電用ボイラ設備3から排出される場合でもボイラブロー水排水系統2において一元的に対応することができる。この結果、ボイラブロー水排水系統2から排出されるブロー排水の量を確実に低減することができる。
すなわち、本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aはその拡張性が極めて高い設備である。
【0036】
また、本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aは、ブロー冷却水槽9と、ブロー排水槽7からブロー冷却水槽9にブロー排水を導く配管(ポンプ21を含む)と、冷却設備10と、ブロー冷却水槽9から冷却槽5に冷却済ブロー排水を送給するための配管(例えば、送給配管11及びポンプ21)から成るものであり、その構成は極めてシンプルである。よって、
図4に示すようなボイラブロー水排水系統2に対して本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aを設置する場合は、既存の設備を変更する必要がなく後付けブロー排水量低減ユニット1Aを付加するだけでよいので、その設置にかかるコストを大幅に廉価にできる。
より具体的に説明すると、
図4に示すような従来技術に係るボイラブロー水排水系統2に本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aを設置する場合は、少なくとも3台のポンプ21を追加する必要があるが、そのうちの一台として放流ピット17と用水供給配管24aとをつなぐ補助配管25に設けられるポンプ21を流用することができる。
よって、本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1Aを設置するための設備投資を極めて安価にできる。
【0037】
本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)において、ブロー冷却水槽9に貯留される冷却用のブロー排水の冷却方法を特定する必要は特にないが、空冷式にした場合はその設備をシンプルにできるというメリットがある。
本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)では、ブロー冷却水槽9からポンプ21により冷却設備10にブロー排水を送給し、冷却設備10から返送配管14を通じてブロー冷却水槽9に返戻する場合を例に挙げて説明しているが、冷却設備10の冷却方式に空冷式を採用しない場合には必要に応じて返送配管14にポンプ21を設けても良い。
【0038】
また、ブロー冷却水槽9に必要量を超えるブロー排水が貯留される場合や、ブロー冷却水槽9に収容されるブロー排水が不要になった場合に、速やかに系外に排出できるよう、ブロー冷却水槽9と放流配管8a〜8dとをつなぐ排出配管13を設けておいてもよい。なお、排出配管13を設ける目的が前者のみである場合は、排出配管13をオーバーフロー配管にすればよいが、後者の目的をも満たす必要がある場合は、排出配管13にポンプ21を設けておく必要がある。
【0039】
また、ボイラブロー水排水系統2において系外に排出するブロー排水から重金属を除去する必要がある場合は、すなわち、ボイラブロー水排水系統2が重金属処理装置12を備えている場合は、ブロー冷却水槽9と放流配管8a〜8dとをつなぐ排出配管13を重金属処理装置12の上流側に接続するとよい。
本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)によれば、冷却槽5においてボイラブロー水は主に冷却済ブロー排水により冷却されるので、ボイラブロー水の用水による希釈が起きにくい。また、ボイラブロー水を冷却済ブロー排水のみにより冷却する場合は、ブロー排水中の重金属を濃縮することができる。この結果、重金属処理装置12において効率良く重金属を除去できるという効果も有する。
【0040】
なお、
図1に示すような本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)では、ブロー冷却水槽9から送給される冷却済ブロー排水を、用水供給配管24aに供給することで間接的に冷却槽5供給する場合を例に挙げて説明しているが、ブロー冷却水槽9から直接冷却槽5に冷却済のブロー排水を供給できるよう送給配管11及びポンプ21を配設してもよい。
【0041】
次に、
図2を参照しながら本実施の形態に係るボイラブロー水冷却方法について説明する。
図2は本発明の実施の形態に係るボイラブロー水冷却方法のフローチャートである。
図1,4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係るボイラブロー水排水系統2ブロー冷却水槽9は、
図1に示す後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)を方法の発明として捉えたものである。
本実施の形態に係るボイラブロー水排水系統2のブロー冷却水槽9は、少なくとも1つの発電用ボイラ設備3から排出されるボイラブロー水26を冷却水28と混合して冷却するボイラブロー水冷却工程(ステップS01)と、ボイラブロー水26と冷却水28との混合体であるブロー排水27を貯留しつつ、その一部を抽出してさらに冷却して返戻することを繰り返すブロー排水冷却工程と、を有し、このブロー排水冷却工程(ステップS02)において冷却された冷却済ブロー排水28を、ボイラブロー水冷却工程(ステップS01)における冷却水28として注入することを特徴とするものである。
図2に示すボイラブロー水冷却方法29において、ステップS01のボイラブロー水冷却工程は、先の
図1における冷却槽5に対応する構成である。また、ステップS02のブロー排水冷却工程は、先の
図1におけるブロー冷却水槽9及び冷却設備10に対応する構成である。さらに、本実施の形態に係るボイラブロー水冷却方法29において、ブロー排水冷却工程(ステップS02)において冷却された冷却済ブロー排水28を、ボイラブロー水冷却工程(ステップS01)における冷却水28として注入する点は、ブロー冷却水槽9及び送給配管11に対応する構成である。
よって、上述のような本実施の形態に係るボイラブロー水冷却方法29による効果は、先に述べた本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)と同じである。
【0042】
次に、
図3を参照しながら本発明の変形例に係る後付けブロー排水量低減ユニットについて詳細に説明する。
図3は本発明の変形例に係る後付けブロー排水量低減ユニット及びそれを備えたボイラブロー水排水システムの概念図である。なお、
図1,2,4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本発明の変形例に係る後付けブロー排水量低減ユニット1B(ボイラブロー水排水システム23B)は、先の
図1に示す後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)において、冷却設備10で冷却されたブロー排水をブロー冷却水槽9に返戻することなく冷却槽5に送給できるように、返送配管14に分岐配管22を設けたものである。
【0043】
先の
図1に示す本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)では、ブロー排水槽7からブロー冷却水槽9にブロー排水を取り込んだ後、ブロー冷却水槽9と冷却設備10の間を循環させることでブロー冷却水槽9内のブロー排水全体の温度を低温化し、ブロー冷却水槽9内のブロー排水が十分に低温化されてから冷却槽5に送給配管11を介して送給する仕組みになっている。
この場合、ブロー冷却水槽9に貯留されるブロー排水は、冷却設備10から返送配管14を介して送給されるブロー排水の温度よりも高くなってしまう。この場合、ある程度まとまった量の冷却済ブロー排水を貯留しておくことができるというメリットを有する反面、冷却設備10において最大限低温化されたブロー排水を冷却槽5にダイレクトに送給することができないため、冷却済ブロー排水によるボイラブロー水の冷却効果を最大限に高めることはできなかった。
これに対して、本発明の変形例に係る後付けブロー排水量低減ユニット1B(ボイラブロー水排水システム23B)は、冷却設備10において冷却された冷却済ブロー排水をダイレクトに冷却槽5に供給できるので、冷却済ブロー排水によるボイラブロー水の冷却効果を最大限にできるというメリットがある。
これにより、ブロータンク4から送給されるボイラブロー水を所望の温度にまで低下させるために必要なブロー排水の量を少なくできるというメリットがある。
よって、本発明の変形例に係る後付けブロー排水量低減ユニット1B(ボイラブロー水排水システム23B)によれば、先の
図1に示す本実施の形態に係る後付けブロー排水量低減ユニット1A(ボイラブロー水排水システム23A)を利用する場合に比べて、ボイラブロー水排水系統2から排出されるブロー排水の量を一層少なくできる。
図3に示される変形例を用いることによれば、
図2を用いて説明したボイラブロー水冷却方法も変形例として、ブロー排水冷却工程(ステップS02)で得られた冷却済ブロー排水28をブロー冷却水槽9に返送することなく、冷却水28としてボイラブロー水冷却工程(ステップS01)に用いる構成が考えられる。すなわち、
図2における冷却済ブロー排水28の周囲に点線で囲む構成要素としてブロー冷却水槽9ではなく、冷却設備10そのものを用いることが可能である。
その際の効果も上述の変形例と同様である。
【0044】
なお、
図3に示すように送給配管11及び分岐配管22のそれぞれに弁20を設けておき、分岐配管22を送給配管11に設けられるポンプ21に接続することで、送給配管11に設けられるポンプ21でブロー冷却水槽9から冷却槽5に冷却済ブロー排水を送給することも、冷却設備10から冷却槽5にダイレクトに冷却済ブロー排水を送給することも可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように本発明は、発電用ボイラ設備3から排出されるボイラブロー水(ブロー排水)を冷却して新たに排出されるボイラブロー水の冷却に用いることで、発電用ボイラ設備の下流側におけるボイラブロー水排水系統から排出されるブロー排水の量を低減できる後付けブロー排水量低減ユニット及びボイラブロー水排水システムに関するものであり、発電設備に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1A,1B…後付けブロー排水量低減ユニット 2…ボイラブロー水排水系統 3…発電用ボイラ設備 4…ブロータンク 5…冷却槽 6…用水タンク7…ブロー排水槽 8…オーバーフロー配管 8a,8b,8c,8d…放流配管 9…ブロー冷却水槽 10…冷却設備 11…送給配管 12…重金属処理装置 13…排出配管 14…返送配管 15…中間排水槽 16…一時貯留槽 17…放流ピット 18…遊水池 19…脱フッ素処理装置 20…弁 21…ポンプ 22…分岐配管 23A,23B…ボイラブロー水排水システム 24a,24b…用水供給配管 25…補助配管 26…ボイラブロー水 27…ブロー排水 28…冷却水(冷却済ブロー排水) 29…ボイラブロー水冷却方法