(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
小片化された木質原料を保管するための原料ホッパーと、前記原料ホッパーから供給される原料を移送するためのコンベアベルトを含む原料供給移送部と、本体フレームの上側に設置されている投入部材と、円筒状のドラム缶となっており、前記ドラム缶の前方に形成された開口を介して前記投入部材から木質原料が前記ドラム缶の内部に供給され、前記ドラム缶の中央に形成された水平回転軸が前記本体フレームに回転可能に結合され、前記水平回転軸を中心に回転される回転ドラム缶と、前記回転ドラム缶を回転させるためのモータ部材と、前記回転ドラム缶の外側に設けられ、前記回転ドラム缶を加熱させるための加熱部材を含み、前記原料供給移送部から前記投入部材を介して投入された木質原料が前記モータ部材によって回転する前記回転ドラム缶内で急速高温熱加工処理されるように構成したウッドロースターを含むことを特徴とする木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記原料供給移送部のコンベアベルトは、その中央にスクリーンを備える水平コンベアベルトで行われて、前記スクリーンを介して原料を移送しながらスクリーニングすることを特徴とする請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記原料供給移送部は、上方に傾斜して設置されモータによって駆動されるコンベアベルトとこのコンベアベルトに一定間隔で設置されている移送板とを含むインクラインド上昇移送装置をさらに含み、前記水平コンベアベルトから移送される木質原料が前記移送板に一定量ずつ保持されて前記ウッドロースターに供給されることを特徴とする請求項2に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記ウッドロースターの前記本体フレームの下部には、ロードセルが設けられ、前記ロードセルを介して前記ウッドロースターの内部に投入される原料の重量を数値として当該木材の連続及び急速熱加工処理システムの自動化コンソールボックスのディスプレイに表示することを特徴とする請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記ウッドロースターは、前記本体フレームの前方フレームに開成可能に設けられ、前記回転ドラム缶から木質原料を排出するための排出カバーを備えている請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記ウッドロースターの前記回転ドラム缶の外側には、前記回転ドラム缶を包み込むように形成される熱遮断カバーを含む外部ハウジングが形成されている請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記ウッドロースターから排出される木質原料が供給される排出ホッパーをさらに含み、前記排出ホッパーの上部にはスプリンクラーが設置されており、前記スプリンクラーにより水スプレーを噴射して火のついている原料を消火し、さらに発生する煙を緩和するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記ウッドロースターから熱加工処理完了した木質原料が供給され、パウダーの形態で粉砕するための破砕機が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記ウッドロースターで木質原料の熱加工処理中に発生される煙を除去するための除煙機をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
前記除煙機は、内部に排出ガスが供給されるハウジングと、該ハウジングの内部中央に設置され、該内部空間を上部空間と下部空間とに区画する中間隔壁フィルター部と、前記ハウジングの内部に垂直に設置され、その内部にフィルター部が備えられる除煙管と、前記除煙管で空気を吸入するための吸引ファンとを含み、該除煙機の上部空間に供給された排出ガスは、ハウジングの中間に設置された隔壁フィルター部によって1次フィルタリングされて前記下部空間に移動され、該下部空間に移動された排出ガスは前記除煙管の下部及び通気孔を介して該除煙管の内部に移動しながら排出ガスに含まれている小さな粉塵粉末は、それ自体の重量によって落下してハウジングの下部に収容されている水に沈殿され、前記除煙管の内部に移動した排出ガスはフィルター部を経て、煙が除去されるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の木材の連続及び急速熱加工処理システム。
【背景技術】
【0002】
一般的に、山地から立木の状態ですぐに伐採された木材は、樹種に応じて異なるが、乾燥重量に対し約50%以上(針葉樹100%以上、広葉樹50%以上)に該当する多量の水分が含まれており、立木の状態から伐採した木材をそのまま加工して木材製品を製作することになると、生材に含まれる水分が天然乾燥過程に応じて木材の内部に存在する木材細胞壁が収縮したり、膨張して木材製品の変形が発生するため、製品を作る前に原材料として使用されている木材に含まれる水分を十分に乾燥させた後、家具、建築用の木材製品で製作しなければならない。
【0003】
これらの木材の乾燥は、木材内の水分含有量を減少させ、軽量化されるので、これを利用した木材製品の運搬費を削減し、これを安全に保管することができ、木材の収縮による破損を防止、耐久性の増加、耐候性の増加、耐吸湿性、木材の強度と硬度の増加などの効果を得ることができる。
【0004】
前記のように木材に含まれる水分を乾燥させる方法では、伐採された生材を木材乾燥場から約3〜5年の長期間放置しておく天然乾燥法と、角材(Timber)、材木(Lumber)のような建築用又は家具用の製材木で1次加工された生材を乾燥室に積載した後、乾燥室の内部を56〜120℃あるいはそれ以上の高温で数日に渡って乾燥する人工乾燥法とがある。
【0005】
天然乾燥法は、木材を屋外に積んで大気の状態に露出させて乾燥する方法で、特別な乾燥装置と技術が必要ない。しかし、これは、人工乾燥法よりも乾燥時間が長く気乾含水率以下(10〜20%)で乾燥が困難であり、気候や立地に応じて水分含有量が影響を受ける欠点がある。
【0006】
人工乾燥法は、木材の内部の水分を除去するために必要なエネルギーを人為的に付与して木材を乾燥する方法で、熱気乾燥が最も一般的で、加えて高温乾燥、真空乾燥、除湿乾燥、高周波乾燥、及び過熱蒸気乾燥など、さまざまな方法がある。
【0007】
人工乾燥法は、人為的に設定した乾燥条件を利用して、自然乾燥法では到達できない低含水率まで乾燥させることができ、乾燥欠陥を少なくしながら、損傷することなく木材を乾燥させるものである。
【0008】
このような従来の人工乾燥法に使用される従来の乾燥炉が、
図1に示されている。
図1に示された乾燥炉(100)は、製材木として一次加工された生材をレール(20)上に積載して乾燥室に移動させた後、熱風装置(1)を用いて約56〜120℃の高温で積載された生材を数日内に乾燥する機器を示したもので、これらの方法は、処理する生材を一括して熱風装置あるいは火鉢に積載し、これを乾燥した後、乾燥完了した木材を一括して回収する必要があるという欠点がある。また、汎用の人工乾燥法は、どのような製品を作るかに応じて、適用される温度条件が違う。単に木材内の水分を除去するためには、100℃乃至105℃〜150℃の乾燥温度が適用される。これはまた、木材の内部に存在する水分吸着点などを消失させて、水分が吸着されていないため、木材の収縮や膨張などの問題から安定的に維持させることがあり、木材製品の変形を防止することができ、またこれに伴い耐久性などを改善することができる。
【0009】
一方、一般的に間伐材の場合、密集した森林の特性を持ち比較的受領が短いため、木の直径が細くてほとんど家具材又は建築材料などの高付加価値材として使用されずに間伐後、産地にそのまま放置されている場合が多く、最近では間伐材を活用して、MDFやPB又はパルプ用チップ、燃料用ペレットなどに使用が試みられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、このようなペレット、木材チップや、松材線虫病及びブナ科樹木萎凋病のような病虫害の被害木などを利用して、木材チップなどに加工及び生産する場合、
図1のような乾燥炉を用いて製品を製作する時に時間がかかり、費用面で効率が落ち、連続的な生産ができないという欠点がある。
【0011】
また、最近、国内(韓国内)の森林被害の現状の中で「松材線虫病」、「ブナ科樹木萎凋病」などの森林における病虫害の被害木の個体数が増加している傾向がある。これに対して国(韓国)は松材線虫病の病気防除特別法(2013年10月6日施行)などを制定しており、凡例的に国が解決すべき問題として浮上しているのが実情である。また、病害虫の被害木の場合、完全防除することは困難であり、他の目的で処理されるには限界があり、これを解決することができる方法を見出す時点である。
【0012】
したがって、本発明は、前記の従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、特に木質系バイオマスの処理が困難な病虫害木などを高効率燃料として製品化するために、既存の長時間処理時間と一括処理原料回収などの問題点を持つ従来の乾燥の代わりに間伐材をはじめ、製品化に限界がある病虫害木なども連続的に急速高温熱処理工程を経て高効率燃料用製品に製造することができる木材の連続及び急速熱加工処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る木材の連続及び急速熱加工処理システムは、小片化された木質原料を保管するための原料ホッパーと、前記の原料ホッパーから供給される原料を移送するためのコンベアベルトを含む原料供給移送部と、本体フレームの上側に設置されている投入部材と、円筒状のドラム缶となっており、ドラム缶の前方に形成された開口を介して前記の投入部材から木質原料がドラム缶の内部に供給され、前記のドラム缶の中央に形成された水平回転軸が前記の本体フレームに回転可能に結合され、前記の水平回転軸を中心に回転される回転ドラム缶と、前記の回転ドラム缶を回転させるためのモータ部材と、前記の回転ドラム缶の外側に設けられ、前記の回転ドラム缶を加熱させるための加熱部材を含み、前記の原料供給移送部から前記の投入部材を介して投入された木質原料が前記のモータ部材によって回転する前記回転ドラム缶内で急速高温熱加工処理されるように構成したウッドロースターを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記の原料供給移送部は、モータによって駆動チェーンが駆動されて、駆動チェーンが駆動されることによって駆動チェーンに設置された多数のバケットが原料ホッパーから原料が積載される積載容器から原料を入れて垂直に上昇し、コンベアベルトに原料を落下させるバケット移送装置をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記のウッドロースターの投入部材は、回転ドラム缶と接続されて木材チップを回転ドラム缶内部に供給するための投入管を含めている、前記の投入管の一側には、排出ガスを排気するための煙管が接続され、前記の煙管と接続されている投入管の一側には、前記の煙管と前記の投入管を選択的に開閉する開閉バルブが設置されることを特徴とする。
【0016】
また、前記のウッドロースターには、前記の本体フレームから前方フレームに開放可能に設けられ、前記の回転ドラム缶から木質原料を排出するための排出カバーが備えられることを特徴とする。
【0017】
また、前記のウッドロースターの回転ドラム缶の外側には、前記回転ドラム缶を包み込むように形成される熱遮断カバーを含め行われる外部ハウジングが形成されることを特徴とする。
【0018】
また、前記のウッドロースターから排出される木質原料が供給される排出ホッパーをさらに含み、前記の排出ホッパーの上部にはスプリンクラーが設置されて前記のスプリンクラーにより水スプレーを噴射して着火されている原料を消化させ、さらに発生する煙を緩和させることを特徴とする。
【0019】
また、前記のウッドロースターから熱加工処理が完了した木質原料が供給されパウダーの形態で粉砕するための破砕機が備えられることを特徴とする。
【0020】
また、前記のウッドロースターで木質原料の熱加工処理中に発生される煙を除去するための除煙機をさらに含んでなり、前記の除煙機は、内部に排出ガスが供給されるハウジングと、ハウジングの内部中央に設置されて内部空間を上部空間と下部空間に区画する中間隔壁フィルター部と、ハウジングの内部に垂直に設置され、その内部にフィルター部材が備えられる除煙管と、除煙管で空気を吸入するためのブロアーを含めなっており、除煙機の上部空間に供給された排出ガスは、ハウジングの中間に設置された隔壁フィルター部によって1次フィルタリングされ、下部空間に移動され、下部空間に移動された排出ガスは、除煙管の下部と通気孔を介して除煙管の内部に移動しながら、排出ガスに含まれている小さな粉塵粉末は、それ自体の重量によって落下してハウジングの下部に収容されている水に沈殿され、除煙管の内部に移動した排出ガスは、フィルター部を経て、煙が除去されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特に製品化には限界がある病虫害木などを連続的に急速高温熱処理して高効率燃料用製品に製造することができる木材の連続及び急速熱加工処理システムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態による木材の連続及び急速熱加工処理システムを図面を参照して、詳細に説明する。
【0024】
図2は本発明の第1の実施形態に係る木材の連続及び急速熱加工処理システムの全体図であり、
図3は
図2のウッドロースターの側面図であり、
図4は
図2のウッドロースターの正面図であり、
図5は本発明の破砕機を示す図であり、
図6は本発明の除煙機を示す図であり、
図7は本発明に基づいて加工したウッドチップを示す図である。
【0025】
本発明の第1の実施形態に係る木材の連続及び急速熱加工処理システムは、ウッドチップなどの小片化された木質材料である原料を継続的に供給するための原料供給移送部と、木質原料を急速高温熱加工するためのウッドロースター(300)と、熱処理完了原料を破砕するための破砕機(400)と、ウッドロースター(300)から発生される煙を除去するための除煙機(500)とを含んでいる。
【0026】
上述した原料供給移送部は小径材、間伐材などから木材チップのような小片化された木質原料を連続的にウッドロースター(300)に供給するためのもので、
図2に示すように、木質原料を保存するための原料ホッパー(210)と、バケット移送装置(250)と、コンベアベルト(260)とで構成される。
【0027】
原料ホッパー(210)は、小片化された木質原料を保存するためのもので、原料ホッパー(210)の下部には、モータ(211)によって駆動されるスクリューコンベア(212)が設置されて原料ホッパー(210)内に貯留される原料がスクリューコンベア(212)によってバケット移送装置(250)の下側の積載容器(220)に供給される。
【0028】
バケット移送装置(250)は、原料ホッパー(210)から供給される原料をコンベアベルト(260)に移送するためのもので、上、下部にそれぞれ設置されて、モータ(図示せず)によって駆動される駆動プーリ(251)及び従動プーリ(252)と、この駆動プーリ(251)と従動プーリ(252)との間に巻かれ駆動される駆動チェーン(253)と、駆動チェーン(253)に一定の間隔で設置されて積載容器(220)から原料を込めて移送するための多数のバケット(254)を含んでいる。したがって、バケット移送装置(250)は、モータによって駆動チェーン(253)が駆動され、駆動チェーン(253)が駆動されることによってこの駆動チェーン(253)に設置された多数のバケット(254)が原料ホッパー(210)からの原料が積載されている積載容器(220)で原料を入れて垂直に上昇し、バケット移送装置(250)の上部にあるコンベアベルト(260)に原料を落下することになる。次に、コンベアベルト(260)に落下された原料は、コンベアベルト(260)によって移送され、一時貯蔵槽(270)に投入される。
【0029】
一時貯蔵槽(270)は、ウッドロースター(300)の上側に設置され、コンベアベルト(260)によって移送される原料を一時貯蔵するためのもので、
図3に示すように、空気排出管(272)が設置されるカバー(271)で上部が覆われている。一時貯蔵槽(270)の下部には、モータ(274)によって駆動される攪拌部材(273)が設置されている。攪拌部材(273)は、モータ(274)によって駆動される駆動軸(275)に多数の攪拌翼(276)が設置されて構成されている。また、一時貯蔵槽(270)には、除煙機(500)により煙の除去された高温の空気が空気移動管(570)を介して供給される。攪拌翼(276)がモータ(274)によって回転しながら一時貯蔵槽(270)に格納された原料を混ぜ、高温の空気によって原料が予備加熱されて乾燥熱処理される。一時貯蔵槽(270)に供給された空気は、カバー(271)に形成される空気排出管(272)を介して外部に排出される。
【0030】
一時貯蔵槽(270)の下部には、油圧シリンダ(278)によって作動されるゲートバルブ(277)が設置されており、原料が定期的にウッドロースター(300)に供給される。
【0031】
このウッドロースター(300)は、供給される木質原料を急速高温熱処理するためのものであり、本体フレーム(310)にそれぞれ設置されている投入部材(320)と、回転ドラム缶(330)と、回転ドラム缶(330)を回転させるためのモータ部材(340)と、回転ドラム缶(330)を加熱させるための加熱部材(350)を含んでいる。
【0032】
投入部材(320)は、一時貯蔵槽(270)から供給された木質原料を回転ドラム缶(330)に供給するためのものであり、投入案内部材(321)と、投入案内部材(321)の下部に接続されている投入管(322)とを備えている。投入案内部材(321)は、コーン形状に構成されており、この投入案内部材(321)の上部に投入された原料がコーン形状に沿って投入管(322)に案内され、回転ドラム缶(330)に連結されたこの投入管(322)を介して回転ドラム缶(330)の内部に供給されるように構成されている。
【0033】
投入管(322)には、原料の熱加工処理によって発生する排出ガスを排気するための煙管(327)が接続されており、この煙管(327)には、排出ガスに含まれている粉塵粉などを一次除去するための金属網(328)が設置されている。また、煙管(327)が接続されている投入管(322)の一方の側には、煙管(327)と投入管(322)とを選択的に連通する開閉バルブ(323)が設置されている。この開閉バルブ(323)には、旋回シリンダ(324)が設置されている。この旋回シリンダ(324)の作動により、煙管(327)の端部を閉じて、投入管(322)を開くことにより、原料が回転ドラム缶(330)の内部に供給され、原料の供給が終了すると、投入管(322)に接続された煙管(327)の端部を開くとともに、投入管(322)を閉じることにより、回転ドラム缶(330)から発生される排出ガスが煙管(327)から排出される。
【0034】
回転ドラム缶(330)は、その内部に供給された木質原料を回転させながら連続的に急速高温乾燥及び熱処理するためのものであり、円筒状のドラム缶(330)の中央に形成される水平回転軸(331)の両端が本体のフレーム(310)の前、後方フレーム(311、312)にそれぞれ回転可能に結合されている。また、回転ドラム缶(330)の前方が開口されて投入部材(320)の投入管(322)と連通されることにより、投入部材(320)から供給される原料は回転ドラム缶(330)内に供給される。そして、回転ドラム缶(330)には、パンチング板(332)が設置されており、加熱部材によって加熱された空気がこのパンチング板(332)を介して回転ドラム缶(330)の内部に流入され、この加熱空気は、また、加熱部材(350)と協働して原料の熱加工処理を手伝うことになる。
【0035】
モータ部材(340)は、回転ドラム缶(330)をその回転軸(331)を中心にして回転させるためのものであり、本体フレーム(310)の下部で回転ドラム缶(330)の下側に設置され、モータ部材(340)の駆動プーリが回転ドラム缶(330)の回転軸(331)の一端に形成される従動プーリとベルトで接続され、これにより、モータ部材(340)の回転力が回転ドラム缶(330)に伝達される。
【0036】
加熱部材(350)は、回転ドラム缶(330)の外側から回転ドラム缶(330)を加熱させるためのもので、本実施形態では、ガスバーナーが回転ドラム缶(330)の下側に設置されている。ガスタンク(図示せず)から供給されるガスがこのガスバーナーに供給され、回転ドラム缶(330)を加熱させる。
【0037】
また、回転ドラム缶(330)の、加熱部材(350)によって加熱される部分を除いた残りの部分を覆うようにこの回転ドラム缶(330)の周方向に外部ハウジング(313)が設置されている。この外部ハウジング(313)は、内側熱遮断カバー(313a)と、これと離隔した外側熱遮断カバー(313b)とで構成されている。
【0038】
本体フレーム(310)の前方フレーム(311)の一方の側には、
図4に示すように、原料の加工過程を観察することができるように透視窓(314)が設けられ、さらに、回転ドラム缶(330)の温度を表示する温度計(315)が設置されている。
【0039】
一方、本体フレーム(310)の前方フレーム(311)には、熱処理が完了した原料を排出するためにこの前方フレーム(311)に開放可能に設置される排出カバー(360)が設置されている。一定時間が経過して原料の熱処理が完了すると、排出カバー(360)に取り付けられた旋回シリンダ(361)によってこの排出カバー(360)が開かれる。排出カバー(360)が開かれると、回転ドラム缶(330)内の周面に形成された移送ブレード(図示せず)によって原料が前進して回転ドラム缶(330)の前方開口を介して排出するように構成されている。熱処理完了した原料の排出を案内するために、前方フレーム(311)には、排出案内管(370)が下方傾斜した態様で設置されている。
【0040】
また、排出案内管(370)の下側には、排出ホッパー(380)が設置され、排出ホッパー(380)の上部には、スプリンクラー(381)が設けられている。熱加工処理完了直後には火のついている(燃えている)原料が存在する可能性があるが、スプリンクラー(381)によって水スプレーを噴射して、消火し、さらに発生する煙を緩和させる。排出ホッパー(380)を経た原料は、傾斜して設置されたコンベアベルト(390)によって破砕機(400)に運ばれる。
【0041】
破砕機(400)は、上部に熱加工処理完了した原料が投入される投入口(410)と、投入口(410)から、その内部に原料が投入される破砕筒(420)と、破砕筒(420)の内部に設置されて原料を破砕するための、モータ(430)によって回転する破砕刃とを含んでおり、回転する破砕刃によって熱加工処理完了した木質原料が粉末形態に粉砕されるように構成されている。
【0042】
除煙機(500)はウッドロースター(300)で原料の熱加工処理によって発生する排出ガスから煙を除去するためのもので、排出ガスが内部に供給されるハウジング(510)と、ハウジング(510)の内部中央に設置されている中間隔壁フィルター部(520)と、ハウジング(510)の内部に垂直に設置されている除煙管(530)と、除煙管(530)で空気を吸入するための吸引ファン(560)とを含んでいる。
【0043】
中間隔壁フィルター部(520)は、活性炭フィルター(521)と、フィルター(522)が積層された構造になっており、これにより上部空間に流入した排気ガスが1次フィルタリングされ、下部空間に移動せしめられる。ハウジング(510)の内部に垂直に設置されている除煙管(530)の上部、下部は、ハウジング(510)の上部空間(511)と下部空間(512)とにそれぞれ配置されている。除煙管(530)の下部は、その下端が開放されて外周面に多数の通気孔(531)が形成されてハウジング(510)の下部空間(512)に配置されており、ハウジング(510)の上部空間(511)に位置する除煙管(530)の上部には、フィルター部材(540)が設置されている。このフィルター部材(540)は、3段のフィルター(542)と、これらフィルター(542)間に交互に配置される活性炭フィルター(541)とを備えている。
【0044】
したがって、除煙機(500)の上部空間(511)に供給された排出ガスは、ハウジング(510)の中間に設置された隔壁フィルター部(520)によって、1次フィルター処理されて下部空間(512)に移動される。下部空間(512)に移動された排出ガスは、除煙管(530)の下部の通気孔(531)を介して除煙管(530)の内部に移動するが、このとき、排出ガスに含まれている小さな粉塵粉末は、それ自体の重量によって落下してハウジング(510)の下部に収容されている水(550)内に沈殿する。また、除煙管(530)の内部に移動した排出ガスは、除煙管(530)に沿って上部に移動し、上部に設置された活性炭フィルター(541)及び3段のフィルター(542)を経ることにより水蒸気と煙が削除される。
【0045】
このような排出ガスの移動は、ハウジング(510)の外部に延長された除煙管(530)に設置された吸引ファン(560)によって行われ、吸引ファン(560)の空気吸入によって加えられる除煙機(500)の負圧を適切に調節するために、煙管(327)には、ゲートバルブ(329)が設置されている。除煙機(500)によって煙が除去された高温の空気は、空気移動管(570)を使用して一時貯蔵槽(270)に供給され、原料の予熱に使用される。
【0046】
一方、本発明では、上述した木材の連続及び急速熱加工処理システムを自動的に駆動させることができる自動化コンソールボックス(図示せず)が設けられており、この自動化コンソールボックスには、ディスプレイが備えられる。ウッドロースター(300)のフレーム下部には、4つのロードセルが設置され、このロードセルを介してウッドロースター(300)の内部に投入される原料の量を、数値としてコンソールボックスのディスプレイに表示する。
【0047】
また、コンソールボックスのディスプレイにはウッドロースター(300)に蓄積されている原料の量が表示され、コンソールボックスには投入される原料の重量が記録及び蓄積され、これがディスプレイに表示されることにより総括的な生産量を把握することができる。
【0048】
また、コンソールボックスのディスプレイを介して、ウッドロースター(300)内で原料の熱処理過程で原料の水分及び各種の揮発成分の揮発に伴い減少する重量を把握することができ、これにより、ウッドロースター内の原料の重量変化率だけで炭化度を究明することができる。
【0049】
次に、以上のような構成を有する木材の連続及び急速熱加工処理システムの動作について説明する。
【0050】
まず、原料ホッパー(210)に保管された木材チップのような小片化された木質原料がスクリューコンベア(212)によって積載容器(220)に供給されるとバケット移送装置(250)が駆動され、これにより、バケット(254)が積載容器(220)に供給された原料を入れて上昇し、コンベアベルト(260)に移送することになる。その移送された原料は、コンベアベルト(260)によって 一時貯蔵槽(270)に供給され、一時貯蔵槽(270)は、攪拌部材(273)によって原料が混ざり、同時に除煙機(500)から煙が除去された高温の空気が供給され、予熱乾燥が行われる。
【0051】
予熱乾燥された原料は、一時貯蔵槽(270)からウッドロースター(300)の投入部材(320)に供給されることになるが、投入管(322)の一方の側に設置された開閉バルブ(323)が煙管(327)を閉じて投入管(322)を開いた状態で投入案内部材(321)に供給する。これにより、供給された原料は、投入案内部材(321)によって案内され、投入管(322)に沿って回転ドラム缶(330)の内部に供給されることになる。
【0052】
回転ドラム缶(330)内への所定量の原料の供給が完了すると、投入管(322)に設置された開閉バルブ(323)は、煙管(327)を開き、投入管(322)を閉じた状態とし、回転ドラム缶(330)から排出ガスが煙管(327)を介して排出されるようにする。
【0053】
次に、モータ部材(340)を作動させて回転ドラム缶(330)を回転させながら加熱部材(350)のガスバーナーを点火させて回転ドラム缶(330)を加熱する。回転ドラム缶(330)の加熱によってその内部の木質原料は、例えば、200℃乃至240℃の温度で10分〜20分間熱加工されることになる。
【0054】
一方、本発明では、従来の木材の乾燥工程とは違って熱気乾燥と昇温過程を経ずに、200℃乃至240℃の温度に到達した状態で、原料を投入し、急速に熱処理するため、木質原料が概ね黒く炭化する問題の発生することがあるが、前述したように、原料を回転ドラム缶(330)内で回転させながら熱処理することにより、この問題発生を防止しながら、連続的に短い時間内で処理できるようになる。
【0055】
このように熱処理が完了した原料は、排出案内管(370)を介して排出された後、スプリンクラー(381)が設置された排出ホッパー(380)を経て破砕機(400)に移送され、粉末形態に粉砕されることになる。
【0056】
一方、このような過程で回転ドラム缶(330)内の木質原料が熱処理されることによって発生する水蒸気を含む排出ガスは、投入管(322)に設置された開閉バルブ(323)が煙管(327)を開くように動作された状態で、投入管(322)を経て煙管(327)に排出される。煙管(327)に排出された排出ガスは、煙管(327)に設置された金属製の網(328)によって粉塵粉などが、1次除去され、除煙機(500)に供給される。除煙機(500)の上部空間に供給された排出ガスは、ハウジング(510)の中間に設置された隔壁フィルター部(520)によって、1次フィルター処理されて下部空間に移動される。下部空間に移動された排出ガスは、除煙管(530)の下部と通気孔(531)とを介して除煙管(530)の内部に移動し、除煙管(530)に沿って移動しながら、上部に設置された活性炭フィルター(541)と3段のフィルター(542)とを経て、その水蒸気と煙が削除される。
【0057】
したがって、上述したように、本発明に係る木材の連続及び急速熱加工処理システムによれば、従来乾燥炉で時間が長くかかり、コストの面で効率が落ち、連続的な生産が不可能な短所を補完して小片化された木質原料を連続的に急速高温熱加工処理をすることにより、低コストで高効率の燃料を製造することができ、特に活用価値が落ちる松材線虫病及びブナ科樹木萎凋病に感染した病虫害被害木なども高効率の燃料として製造することができるようになる。
【0058】
下記の表1は、このような本発明に基づいてウッドチップを加工した場合、生材(一般の松、オーク)、一般の炭の組成物及び発熱量を比較した表である。
【0059】
【表1】
この表1における実施例1は、ウッドチップを本発明に基づいて200℃で15分間熱処理した場合、実施例21は、210℃で5時間熱処理した場合である。この表1において、元素毎の重量比に応じた単位重量当たりの発熱量HHVは、物質の元素構成比率から発熱量を算出する下記の式1に基づくものである。
(0.3491*C)+(1.1783*H)-(0.1034*O)-(0.0151*N)+(0.1005*S)-(0.0211*Ash) (式1)
ただし、Ash、C、H、N、O、Sは、それぞれ、灰成分、炭素成分、水素成分、窒素成分、酸素成分、及び硫黄成分の重量比である。
【0060】
表1からわかるように、炭化工程が適用されるに応じて、炭素の含有量が増加され、それにより、式1に従った単位重量当たりの発熱量HHVは、一般の炭が最も高いが、ウッドチップを本発明に基づいて200℃で15分間熱処理した実施例1と、210℃で5時間熱処理した実施例2は、元素成分が概ね類似して、本発明に基づいてウッドチップを加工する場合、連続的に急速高温熱処理が可能で、生産効率の向上を期待することができる。したがって、製品化には限界がある病虫害木なども連続的に急速高温熱処理工程を経て高効率燃料用製品に活用することができるようになる。
【0061】
次に、本発明の第2の実施形態に係る木材の連続及び急速熱加工処理システムについて説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る木材の連続及び急速熱加工処理システムの全体図である。
【0062】
第2の実施形態では、ウッドロースター(300)に小片化された木質原料を供給するための原料供給移送部が第1の実施形態の場合と相違する。
【0063】
本実施形態ではウッドロースター(300)に小片化された木質原料を供給するための原料供給移送部(200)は、小片化された木質原料を保管するための原料ホッパー(210)と、水平コンベアベルト(201)と、インクラインド(inclined)上昇移送装置(202)とを含んでいる。
【0064】
水平コンベアベルト(201)は、原料ホッパー(210)の下側に設置されており、原料ホッパー(210)から投入された原料を均等に伸ばしてインクラインド上昇移送装置(202)に移動させるように構成されている。水平コンベアベルト(201)は、小片である木質原料がどの地点にも集中せず、適切に分散され、これによって求める定量がインクラインド上昇移送装置(202)に移送されるように機能する。
【0065】
また、水平コンベアベルト(201)は、そのコンベアベルト(201)の中央に位置する金網形態のスクリーンによってスクリーニングして、原料のサイズを均一化させると同時に、原料を均一に分散させてインクラインド上昇移送装置(202)に移送する。
【0066】
本発明における木材の連続及び急速熱加工処理システムでは、原料の大きさが均一化されていることが重要である。これは原料の粒子が小さくなるほど、直接炭化される面積が徐々に大きくなる現象があるためである。これは、ウッドロースター(300)から高温熱処理を実行するための最適の処理時間を適用するのにも重要な因子となる。したがって、ランダムの形状をとっている原料で所定の大きさ以下の小さな原料が混合されていることを考慮して、これらの小さな原料をスクリーニングする方法を利用して除去し、ウッドロースター(300)の内部に投入される原料の形状を最大限に均一に調整することになる。
【0067】
また、水平コンベアベルト(201)で移送中、スクリーニング過程でコンベアベルト(201)のスクリーンの下方に落下する小さなかけらの原料を収集することができる保管路を形成し、一定量のかけらの原料が積載された場合、これを別途にインクラインド上昇移送装置(202)に定量ずつ積載してウッドロースター(300)に移送してもよい。
【0068】
インクラインド上昇移送装置(202)は、水平コンベアベルト(201)によって均等に分散された原料を受けてウッドロースター(300)に一定量に均等投入できるように設計されたものである。インクラインド上昇移送装置(202)は、上方に傾斜して設置されてモータによって駆動されるコンベアベルト(203)と、コンベアベルト(203)に一定の間隔で設置されている移送板(204)とを含んでいる。したがって、水平コンベアベルト(201)から移送される木質原料は、移送板(204)に一定量ずつ保持され、これら移送板(204)がウッドロースター(300)の上方に移動することにより、ウッドロースター(300)の投入部材(320)に供給される。
【0069】
その他の構成要素であるウッドロースター(300)、除煙機(500)、破砕機(400)などの構成及び効果は、第1の実施形態の場合と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0070】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。