(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0011】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED:発光ダイオード)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部に発光ダイオード等の発光源を内蔵しかつ前面に透明もしくは半透明の部材を有し装飾や演出のために発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0012】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを備えた入力操作部25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0013】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25aを操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。
【0014】
また、この実施形態においては、入力操作部25を操作することで、枠装飾装置18や遊技盤に設けられている発光ダイオード等の発光源を内蔵した盤装飾装置42(
図4参照)における輝度(発光量)を調節できるようになっている。また、遊技機の裏面側には前面枠を開放した状態で操作可能(遊技者は操作不能)な多段階の輝度設定器47(
図4参照)が設けられており、この輝度設定器47の設定状態に応じて枠装飾装置18および盤装飾装置42の発光量を調節できるようにも構成されている。すなわち、遊技機の前面と裏面の両方の輝度設定手段(輝度調節スイッチ)が設けられている。
さらに、上記上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0015】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0016】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高め
る背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0017】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0018】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0019】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0020】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0021】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成さ
れた各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0022】
特
図1表示器と特
図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0023】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0024】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0025】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0026】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0027】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0028】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば4個)を限度に記憶される。
【0029】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0030】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器51または特
図2表示器52(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0031】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0032】
なお、特
図1表示器、特
図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器51、特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0033】
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶
がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0034】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0035】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0036】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0037】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0038】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0039】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0040】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0041】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0042】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0043】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0044】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0045】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0046】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0047】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0048】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(
図13参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0049】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0050】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0051】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0052】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0053】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0054】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0055】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0056】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0057】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0058】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0059】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー
信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0060】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された遊技場管理装置へ送信される。
【0061】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0062】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0063】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0064】
次に、
図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0065】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
【0066】
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。このうち主制御用マイコン(1stCPU)311のRAM311aは、電源装置400のバックアップ電源420によって電源遮断中もデータを保持可能にされている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0067】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用されるフレームバッファとしての超高速VRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。
【0068】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0069】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0070】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0071】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0072】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられ遊技者が操作可能な入力操作部25の演出ボタン25aやセレクトボタン25bに内蔵されているスイッチ(入力操作SW)の検出信号や、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ44aのオン/オフ状態を示す検出信号、遊技機の裏面側に設けられ遊技者が操作不能な輝度設定器47からの信号を、主制御用マイコン(1stCPU)311へ入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0073】
前述したように、本実施形態においては、遊技者が入力操作部25を操作することにより枠装飾装置18や盤装飾装置42の発光量を調節できるように構成されている。具体的には、例えばセレクトボタン25bを用いて表示装置41に表示させた各種機能の中から輝度調節機能を選択して、
図15に示すような輝度調節画面を表示させる。この輝度調節画面において、セレクトボタン25bを操作して画面の下部に表示されている「−」または「+」が表示されている機能ボタンF1,F3のいずれかにカーソル(太枠)を移動させて所望のボタンを選択する。そして、演出ボタン25aを操作して音量レベルを選択した後、セレクトボタン25bを操作して「決定」が表示されている機能ボタンF2に移動させ、演出ボタン25aを操作することにより音量を確定するように構成することで実現できる。なお、
図15には、入力操作部25の操作に応じて輝度を9段階に設定できるようにする場合の輝度調節画面の例が示されている。
【0074】
従って、本実施形態の遊技機は、演出のための発光が可能な発光装置(枠装飾装置18や盤装飾装置42)と、前記発光装置の発光量を変更可能な輝度設定手段(入力操作部25や輝度設定器47)と、遊技の進行を管理する遊技制御手段としての遊技制御装置100からの制御指令信号に基づいて、前記発光装置における発光制御を行う演出制御手段としての演出制御装置300とを備えることとなる。
そして、本実施形態の遊技機は、上記輝度設定手段として、遊技機の裏面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作不可能な第1輝度設定手段(47)と、遊技機の前面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作可能な第2輝度設定手段(25)と、を含み、
演出制御手段としての演出制御装置300は、
前記発光装置の発光量を、前記輝度設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、前記第2輝度設定手段による輝度の設定操作では、前記第1輝度設定手段で設定された輝度を前記第2輝度設定手段で設定可能な輝度の上限とし、該上限以下の範囲で輝度が設定可能に構成されている発明が含まれていることが分かる。
かかる発明によれば、遊技機の前面と裏面にそれぞれ輝度設定手段を設けたとしても、遊技機の前面遊技者が操作可能な第2輝度設定手段(25)による輝度変更は、遊技機の裏面に設けられた第1輝度設定手段(47)で設定された輝度の範囲内で変更できるように制限されることにより、遊技者による輝度調整で遊技店が意図しないような明るい輝度に設定されてしまうといった事態が生じるのを避けることができる。また、これにより、消費電力を下げた節電モードによる営業を確実に実行することが可能となる。
【0075】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0076】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0077】
図5には、演出制御装置300を構成するLED制御装置332(333)および盤装飾装置42の構成例を示すブロック図が示されている。
盤装飾装置42は、発光ダイオード(LED)が4個直列に接続されたものと、3個直列に接続されたものと、2個直列に接続されたものとがあり、各ダイオード列には同一のLED電源電圧Vledが印加されている。LEDは、流れる電流によって明るさが異なる一方、ダイオード1個当たりの電圧降下は一定(順方向電圧Vf)である。そのため、
図5に示すように、接続個数の異なるダイオード列に対して単に同一の電圧Vledを印加すると、個数の少ないダイオード列ほど大きな電流が流れて、ダイオード1個当たりの明るさが変わってしまう。そこで、本実施例では、各ダイオード列に直列抵抗R0〜R15を
設け、ダイオードの接続個数に応じて抵抗値を変えることとした。
【0078】
具体的には、最も数の多い4個のダイオード列(LED0)には抵抗値がRtのバラツキ調整用抵抗R0を接続し、3個のダイオード列(LED15)には抵抗値がRt+Rdの抵抗を接続し、2個のダイオード列(LED1,LED2)には抵抗値がRt+2Rdの抵抗を接続した。なお、抵抗値Rdは流れる電流をI0とすると、Rd×I0=Vfとなる大きさの抵抗値である。このような抵抗を各ダイオード列に接続すると、ダイオードと抵抗で生じる電圧降下がすべてのダイオード列で同一となる。つまり、同一の電圧Vledを印加したときに、各ダイオード列に同一の大きさの電流I0を流すことができ、それによってダイオード1個当たりの明るさを等しくすることができる。枠装飾装置18も同様である。
【0079】
LED制御装置332(333)は、上記各ダイオード列に接続されたオープンドレインの電流引き込みトランジスタQ0,Q1,Q2……Q15からなるドライバ回路341と、主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されてくる制御データのノイズを除去するフィルタ342と、ノイズ除去されたデータを受けて対応する処理を行うメイン制御回路343と、電源装置400からのリセット信号RESETを受け、メイン制御回路343等に対するリセット信号を生成するリセット信号生成回路344と、メイン制御回路343から出力される輝度調整データを保持する輝度調整レジスタ345と、各ダイオード列を点灯させるか否か示す出力設定データを保持する出力設定レジスタ346と、輝度調整レジスタ345および出力設定レジスタ346のデータに基づいて上記ドライバ回路341の駆動信号を生成し出力する出力制御回路347と、出力制御回路347が必要とする動作クロック信号を生成する発振回路348などから構成されている。特に限定されないが、この実施例の出力制御回路347はPWM(パルス幅変調)方式でLEDの輝度調整制御を行う。ただし、振幅制御でLEDに流れる電流を制御して輝度調整を行うようにしてもよい。
【0080】
なお、輝度調整レジスタ345および出力設定レジスタ346はそれぞれ16ビットで構成されており、最大で16本のダイオード列をオン、オフ制御するとともに、選択的にオン状態にされたダイオード列の明るさを16段階で調整することができるようになっている。
また、輝度を制御したいダイオード列が17本以上ある場合には、
図6に示すように、2以上のLED制御装置332A,332B……を設けて、16本ずつのグループに分けて制御すればよい。この実施例においては、
図6のLED制御装置332A,332B……には、自己に割り当られたアドレスを弁別する機能が設けられ、主制御用マイコン(1stCPU)311からは制御データDATAとともにアドレス情報ADDが送信される。アドレス情報ADDを送信する代わりに、破線で示すようにデバイス選択信号CE0,CE1を供給して活性化制御するように構成しても良い。
【0081】
図7には、
図5に示すLED制御装置332(333)および盤装飾装置42の第1の変形例が示されている。
この変形例は、各ダイオード列の抵抗値を変える代わりに、発光ダイオードLEDと直列に、発光ダイオードでない通常のダイオードをダミーのダイオードDMDとして接続して、すべてのダイオード列の順方向電圧の総和が同一となるように構成したものである。ダミーのダイオードDMDの順方向電圧は発光ダイオードLEDと同一でなくても、数を調整することで各ダイオード列のトタールの電圧が同一になるようにすればよい。
【0082】
図8には、
図5に示すLED制御装置332(333)および盤装飾装置42の第2の変形例が示されている。
この変形例は、LED制御装置332(333)を構成するメイン制御回路343に、
直列接続のダイオードの数が異なるダイオード列同士が選択されないようにする、つまり出力設定レジスタ346に設定されるデータを制限する機能を設けるとともに、ダイオードが何個の列が選択されているか示す信号もしくはデータが、LEDの電源電圧Vledを生成するLED電源装置349へ供給され、LED電源装置349はダイオードの数に応じた電圧Vledを出力するようにしたものである。
【0083】
この変形例では、LED電源装置349は、例えば、4個のダイオード列が選択された時はVled≒4Vfの電圧を発生し、3個のダイオード列が選択された時はVled≒3Vfの電圧を発生し、2個のダイオード列が選択された時はVled≒2Vfの電圧を発生し、1個のダイオード列が選択された時はVled≒Vfの電圧を発生するように動作する。
なお、盤装飾装置42の各ダイオード列にはそれぞれバラツキ調整用抵抗Rtのみが接続される。また、LED電源装置349には、各ダイオードに流れる電流に比例した検出電圧(例えば図示しないセンス抵抗により電流−電圧変換された電圧)がフィードバックされ、LED電源装置349はLEDの駆動電流を一定して、定電流でLEDを駆動するような制御が行われる。このとき、ダイオードの数が同じ複数のダイオード列のうちいずれか1つのダイオード列からの検出電圧が、LED電源装置349にフィードバックされるように構成することができる。また、直列のダイオードの数が異なるものごとに出力電圧の異なるLED電源装置を設けるようにしても良い。
【0084】
次に、遊技制御装置100において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0085】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、CPU111Aは、乱数値の取得条件検出手段および乱数値取得手段として機能する。
【0086】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。従って、CPU111Aは、乱数値を判定して遊技に係わる決定処理を行う遊技結果決定手段として機能する。
【0087】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0088】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0089】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0090】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
【0091】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0092】
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図9及び
図10に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0093】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0094】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0095】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、
図10のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0096】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、
図10のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図10のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0097】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0098】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
【0099】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0100】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0101】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0102】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0103】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0104】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0105】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0106】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について
図11のフローチャートを用いて説明する。
図11に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0107】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0108】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0109】
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について
図12のフローチャートを用いて説明する。
図12(A)に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS410)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS420)とからなる。
【0110】
コマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS410)の詳細は
図12(B)に示されている。払出コマンド送信処理は、本発明と直接関係しないので説明を省略する。
演出制御コマンド送信処理においては、
図12(B)に示すように、先ず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックする(ステップS411)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS412)。
【0111】
このステップS412の判定で、設定コマンドなし(ステップS412;No)と判定した場合には当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS412の判定で、コマンドが設定されている(ステップS412;Yes)と判定した場合には次のステップS413でリードカウンタを更新(+1)する。そして、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS414)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS415)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS416)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS417)。しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS418)へ移行する。
【0112】
なお、演出制御コマンド出力処理においては、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して、コマンドデータ出力処理を実行する。これにより、演出制御コマンドの前半の8ビット(MODE)が出力される。その後、コマンド(ACTION)を出力し、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備してから、コマンドデータ出力処理を実行する。
そして、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードしてから、制御情報としての演出制御コマンドを出力ポート132へ出力し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する。
【0113】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0114】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
【0115】
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
【0116】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0117】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0118】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0119】
その後、各分岐処理で準備したテーブルの各データを作業領域にセーブする(ステップA16)。そして、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17へ移行して、それ以降の処理を行う。
【0120】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、
図14に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
先ず、1stメイン処理について
図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図14に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、1stCPU311の初期化処理(ステップB2)を行う。
【0121】
次に、RAMの所定の領域のデータをチェックしてRAM311aに異常があるか否か判定する(ステップB3)。ここで、RAMに異常あり(Yes)と判定すると、ステップB4でRAMを0クリアする処理を行った後、RAMに初期値を設定する処理(ステップB5)を行い、輝度設定器47(
図4参照)により設定されている輝度調整値(設定値)を取得する処理(ステップB6)を行ってステップB8へ移行する。一方、ステップB3で、RAMに異常なし(No)と判定した場合は、ステップB7へ移行してRAMに記憶されている輝度調整値(後述のように前面側の演出ボタンにより調整されている場合にはその値が、輝度調整されていない場合には輝度設定器47の設定値が記憶されている)を取得してステップB8へ進む。RAM311aはバックアップ電源420(
図4参照)によりバックアップされているため、電源遮断前に設定もしくは調整された輝度による装飾装置の発光制御が可能となる。なお、RAMクリアされた場合にも輝度設定器47により設定されている輝度調整値を取得することとなる。停電フラグを設けて停電発生時にのみRAMに記憶されている輝度調整値を取得し、通常の営業開始の際の電源投入時は輝度設定器47により設定されている輝度調整値を取得するようにしても良い。
次に、ステップB8では、乱数値すなわち乱数カウンタの値を初期化する乱数初期化処理を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB9)を行い、割込みを許可する(ステップB10)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB11〜B21を行う。
【0122】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB11)を行う。そして、演出ボタンSW25aからの入力処理(ステップB12)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB13)を行う。演出ボタン入力処理(ステップB12)については、後に詳しく説明する。
ステップB13の遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
【0123】
続いて、テストモード処理(ステップB14)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB15)を行う。
次いで、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB16)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB17)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB18)、前面枠12に設けられた枠装飾装置18や盤装飾装置42の発光を制御する装飾制御処理(ステップB19)、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB20)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB21)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB11)に戻る。
【0124】
次に、本実施形態の遊技機における装飾用ランプ(盤装飾装置および枠装飾装置)の輝度調整の方法について説明する。本実施形態においては、装飾用ランプの輝度調整を遊技店の係員の他に遊技者が行えるようにしている。具体的には、遊技機の裏面側に前述した輝度設定手段としての輝度設定器47を設けるとともに、遊技者が入力操作部25を操作することによって装飾用ランプの輝度調整を行えるように構成されている。ただし、輝度設定器47による設定を優先する、すなわち遊技機裏面側の輝度設定器47による設定値を上限として、前面側の「演出SW」の操作による輝度レベルの設定を可能にするようになっている。なお、いずれの手段による調整の際にも、調整を支援するために、遊技機前面側の表示装置41に、
図15に示すような輝度レベルを表示する画像が表示されるようになっている。
【0125】
図15に示すように、本実施例では、20%〜100%の範囲で10%ずつ9段階に装飾用ランプの明るさを調整できるようにされている。具体的には、入力操作部25の操作により輝度調整モードが選択されると、
図15に示すように輝度レベル表示と、「−」「+」および「決定」等の機能ボタンF1,F2,F3の表示を行う。この画面を見ながら遊技者が入力操作部25のセレクトボタン25bを操作してカーソル(太枠で表示)を移動させて演出ボタン25aの操作で指令を入力すると、希望する明るさに設定されるようになっている。
【0126】
図15(A)と(B)には、輝度設定器47による設定値が100%の明るさである場合に、入力操作部25の操作により50%または70%の明るさに設定が変更された際に表示装置41に表示される輝度レベルの様子が示されている。
図15(C)には、輝度設定器47による設定値が80%の明るさである場合に、入力操作部25の操作により70%の明るさに設定が変更された際に表示装置41に表示される輝度レベルの様子が示されている。そして、この輝度レベルの表示においては、輝度設定器47の設定が例えば「100」であれば、
図15(A)のように、最大輝度レベルが「100」までであることが分かるように表示し、輝度設定器47の設定が例えば「80」であれば、
図15(C)のように、90以上のバーを表示しないことで最大輝度レベルが「80」までであることが分かるように表示するようにしている。
【0127】
本実施形態においては、遊技者が入力操作部25を操作することによって行う装飾用ランプの輝度調整の際の表示装置41における輝度調整画面の表示を、演出制御装置300が実行する
図14の1stメイン処理中の演出ボタン入力処理(ステップB12)および装飾制御処理(ステップB19)で行うようになっている。以下、これらの処理について詳しく説明する。
図16には、演出ボタン入力処理(ステップB12)の具体的な手順の一例が示されている。
【0128】
図16に示すように、この演出ボタン入力処理では、先ず、入力操作部25の操作による輝度調整の選択入力があったか否か判定する(ステップB111)。ここで、輝度調整の選択入力なし(No)と判定した場合は、ステップB112,B113をスキップして当該演出ボタン入力処理から抜ける。一方、輝度調整モードの選択入力があった(ステップB111;Yes)と判定すると、ステップB112へ進み、選択された輝度設定に対応する輝度調整値を取得し、取得した輝度調整値をRAM311aの所定の領域に記憶する(ステップB113)。RAM311aはバックアップ電源420(
図4参照)によりバックアップされているため、電源が遮断されたとしても電源遮断前に調整された輝度による装飾装置の発光制御が可能である。ここで、輝度調整値は、選択された輝度設定が「100」の場合には「0」、選択された輝度設定が「90」の場合には「10」、選択された輝度設定が「80」の場合には「20」……、のように決定される。
なお、図示しないが、演出ボタン入力処理には、上記ステップB111〜B113の処理のみでなく、変動表示ゲーム実行中にも演出ボタン25aが有効にされて入力される信号を受けて対応する制御を実行する処理も含まれる。
【0129】
図17には、装飾制御処理(ステップB19)の具体的な手順の一例が示されている。
図17に示すように、この装飾制御処理では、先ず、表示装置41のフレーム更新タイミングであるか否か判定する(ステップB161)。ここで、フレーム更新タイミングでない(No)と判定した場合は、何もせずに当該装飾制御処理から抜ける。一方、ステップB161において、フレーム更新タイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB162へ進み、予め用意されている変動表示ゲームの際の変動パターンや大当りのシーンなど複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブル(
図18参照)をROMより取得する。
【0130】
そして、該輝度データテーブルから現在のフレーム数(フレーム番号)に対応する輝度データを取得する(ステップB163)。それから、取得した輝度データは予め設定した下の閾値(下限値)以下であるか否か判定する(ステップB164)。ここで、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下である(Yes)と判定した場合は、ステップB168へ進み、取得した輝度データを輝度調整レジスタ345(
図5参照)に書き込むように指示してステップB171へ進む。なお、装飾制御処理における上記フレームは、表示装置41の表示制御処理におけるフレームに1:1で対応させても良いし、表示装置41の表示制御処理におけるn個のフレームに対して装飾制御処理における1つのフレームを対応させても良い。
一方、ステップB164で、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下でない(No)と判定した場合は、ステップB166へ進み、取得した輝度データから、前記演出ボタン入力処理のステップB113でRAMに記憶した輝度調整値を減算する。
【0131】
それから、減算後の輝度は下の閾値(下限値)以下であるか否か判定する(ステップB167)。ここで、取得した輝度データは下の閾値以下である(Yes)と判定した場合は、ステップB169へ進み、下の閾値に相当する輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB171へ進む。
また、ステップB167で、減算後の輝度は下の閾値以下でない(No)と判定した場合は、ステップB170へ進み、算出結果の輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB171へ進む。
ステップB171では、点灯させたいダイオード列を指定する点灯データを取得してその点灯データを出力設定レジスタ346(
図5参照)に書き込むように指示して、当該装飾制御処理から抜ける。なお、以上の処理を制御対象のダイオード(
図5のLED0〜LED15)分だけ行う。
【0132】
図18には、輝度データテーブルの例が示されている。
図18において、フレームとは表示装置41における表示フレームに対応するものであり、表示フレームに対応して
図18の輝度データテーブルの各フレームの輝度設定データと点灯データが、左から右へ順次、ペアで読み出されて輝度調整レジスタ345および出力設定レジスタ346レジスタに設定されることで、枠装飾装置18や盤装飾装置42内の対応する発光ダイオードが点灯制御されることとなる。
図18はダイオードLED0に関するものであり、図示しないが、このようなテーブルがダイオード列(
図5のLED0〜LED15)ごとに用意されている。
なお、
図18において、(A)は
図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更される前のテーブルデータを、(B1)と(B2)は
図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更された後のテーブルデータを示している。
【0133】
図19には、
図17の装飾制御処理を実行することにより、輝度データテーブルの各フレームの輝度設定データと点灯データに従って、発光ダイオードを点灯制御する場合のタイミングチャートが示されている。
なお、
図19において、(A)は
図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更される前の輝度データテーブルのデータを使用した場合のタイミングチャートを、(B)は
図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更された後の輝度データテーブルのデータを使用した場合のタイミングチャートを示している。
図19(B)において、符号aが付されている輝度範囲は特許請求の範囲における第1の範囲に相当し、符号bが付されている輝度範囲は第2の範囲に相当する。本実施例においては、輝度調整操作がなされても第1の範囲では輝度調整をせずに元の輝度のままとし第2の範囲でのみ輝度調整をしているが、例えば第2の範囲では調整値を大きくし、第1の範囲では調整値を小さくするなど、第1の範囲と第2の範囲とで輝度調整の量を変えるようにしても良い。
また、第1の範囲に比べて第2の範囲を広くすることで、遊技者によって調整可能な輝度の範囲を広くすることができ、遊技者はより自分の好みにあった輝度を選択することができる。
【0134】
前述したように、本実施例では、輝度の調整において、下の閾値(
図19では「20」)が設定されているため、第6フレーム(T6)のように、輝度調整が「50」に設定された場合(調整値は「50」)、変更前の輝度レベルが「30」であっても調整後は「20」に制限される(下の閾値がないと「0」になる)。これにより、遊技者による輝度調整で輝度が低レベルに変更された場合に、輝度が低くなりすぎることによって、どのような演出あるいは報知が行われているのか分かりにくくなってしまう状態が発生するのを回避することができる。また、発光装置としての枠装飾装置や盤装飾装置による演出が意図しない演出となってしまうことにより、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、本実施例では、輝度レベルの変更を表示フレームに同期して行っている(
図17のステップB161参照)ため、
図19に示すように、例えば第6フレーム(T6)の途中で、例えば輝度調整の設定が「50」から「70」に変更された場合にも、次のフレームから設定が反映されるため、表示装置41の表示フレームの切り替えと同期して枠装飾装置18や盤装飾装置42内の発光ダイオードの輝度の変更が行われることとなる。その結果、発光装置の輝度を変更する際に、遊技者の視覚に違和感を与えることがないという利点がある。
【0135】
以上の説明から、上記実施形態には、
遊技機の前面に設けられた発光装置と、
前記発光装置の発光量の設定を変更可能な輝度設定手段と、
遊技の進行を管理する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記発光装置における発光制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記発光装置の発光量を規定する輝度データを含む演出データを記憶する演出データ記憶手段と、
所定の更新タイミングとなった場合に、所定の輝度データ格納手段に格納されている前記輝度データに基づいて前記発光装置の発光制御をする発光制御手段と、
前記輝度設定手段により設定された設定値に基づいて調整量を決定し、前記輝度データを調整する輝度調整手段と、を備え、
前記輝度データを調整する範囲として第1の範囲と第2の範囲が設定され、
前記輝度データが該第1の範囲又は第2の範囲のいずれかに位置するかによって前記輝度データの調整が異なり、
第1の範囲にある輝度データは第1の範囲内で調整し、第2の範囲にある輝度データは第2の範囲内で調整し、該調整した輝度データを前記輝度データ格納手段に格納するようにした発明が含まれることが分かる。
【0136】
かかる発明によれば、遊技者によって発光装置の発光量を調整することが可能となるため、遊技者は自己の好みに応じた明るさで発光装置による演出を楽しむことができる一方、遊技者が発光量を調整したことによって、発光装置による演出が意図しない演出となってしまうことにより、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
【0137】
また、上記実施形態には、前記第2の範囲には、第1の範囲よりも輝度の高い範囲が設定され、前記輝度データが第2の範囲に位置する場合には、前記輝度データから前記調整量を減算し、前記減算結果が前記第1範囲の上限を規定する閾値以下の場合には該閾値を前記輝度データとして前記輝度データ格納手段に格納し、前記減算結果が前記第1範囲の上限を規定する閾値より大きい場合には前記減算結果を前記輝度データ格納手段に格納するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、輝度データが第2の範囲に位置する場合には、輝度データから調整量を減算して減算結果が第1範囲の上限を規定する閾値以下の場合には該閾値を輝度データとして輝度データ格納手段に格納するので、遊技者による輝度の調整でもともと閾値よりも高い輝度データが閾値以下に変更されることがないので、遊技者が発光装置の発光量を調整したことによって、発光装置が意図しないタイミングで消灯状態に近い低輝度に変更されて意図しない演出となり、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
【0138】
さらに、上記実施形態には、前記演出制御手段は、前記輝度調整手段により前記輝度データを調整する前に前記輝度データが第1の範囲に位置する場合には、前記調整量に基づく前記輝度データの調整を行わずに該輝度データを前記輝度データ格納手段に格納するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、輝度データが第1の範囲に位置する場合には、調整量に基づく輝度データの調整を行わずに該輝度データを輝度データ格納手段に格納するので、遊技者が発光装置の発光量を調整したことによって、発光装置において輝度の低い発光態様で実行される低輝度演出が全く見えなくなって、遊技の興趣が低下してしまうような事態が発生するのを回避することができる。
【0139】
また、上記実施形態には、変動表示ゲームを実行する表示装置を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示装置に表示する描画データをフレームバッファに格納し、所定のフレーム更新タイミングとなった場合に、前記フレームバッファに格納された前記描画データに基づいて前記表示装置で表示可能な表示データを生成して出力する表示制御手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
前記表示装置における表示のフレーム更新タイミングに同期させて、前記発光装置の発光量を前記輝度データ格納手段に格納された輝度データに基づく発光量に変更するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、表示装置の表示と同期させて発光装置の発光量を変更するようにしたので、発光装置の発光量を調整する操作が行われた場合に、発光装置の発光量を、遊技者に視覚的な違和感を与えることなく変更することができる。
【0140】
さらに、上記実施形態には、前記輝度設定手段は、
遊技機の裏面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作不可能な第1輝度設定手段と、遊技機の前面に設けられて遊技者が遊技中に設定操作可能な第2輝度設定手段と、を含み、
前記演出制御手段は、
前記発光装置の発光量を、前記輝度設定手段による設定に基づいて制御する機能を有し、
前記第2輝度設定手段による輝度の設定操作では、前記第1輝度設定手段で設定された輝度を前記第2輝度設定手段で設定可能な輝度の上限とし、該上限以下の範囲で輝度が設定可能に構成した発明が含まれる。
【0141】
そして、かかる発明によれば、遊技機の前面と裏面にそれぞれ輝度設定手段を設けたとしても、遊技機の前面に設けられた遊技者が操作可能な第2輝度設定手段による輝度変更は、遊技機の裏面に設けられた第1輝度設定手段で設定された輝度の範囲内で変更できるように制限されることにより、遊技者による輝度調整で遊技店が意図しないような明るい輝度に設定されてしまうといった事態が生じるのを避けることができる。また、これにより、消費電力を下げた節電モードによる営業を確実に実行することが可能となる。
【0142】
(第2実施例)
次に、発光ダイオードの輝度調整を可能に構成した遊技機の第2の実施例について説明する。
上述した第1の実施例においては、輝度調整の際に下の閾値(例えば「20」)を設けてそれ以下には調整できないように制限しているのに対し、第2の実施例は、上記下の閾値の他に上の閾値(例えば「80」)を設けてそれ以下には調整できないように制限するものである。
【0143】
図20には、上記のような輝度調整範囲の制限を可能にする第2の実施例における装飾制御処理のフローチャートの一例が示されている。
図17のフローチャートとの差異は、
図20のフローチャートでは
図17のフローチャートにはないステップB165を設けている点のみにある。
図20の装飾制御処理では、先ず、表示装置41のフレーム更新タイミングであるか否か判定する(ステップB161)。ここで、フレーム更新タイミングでない(No)と判定した場合は、何もせずに当該装飾制御処理から抜ける。一方、ステップB161において、フレーム更新タイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB162へ進み、予め用意されている複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブル(
図18参照)を取得する。
【0144】
そして、該輝度データテーブルから現在のフレーム数(フレーム番号)に対応する輝度データを取得する(ステップB163)。それから、取得した輝度データは予め設定した下の閾値(下限値)以下であるか否か判定する(ステップB164)。ここで、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下である(Yes)と判定した場合は、ステップB168へ進み、取得した輝度データを輝度調整レジスタ345(
図5参照)に書き込むように指示してステップB171へ進む。
一方、ステップB164で、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下でない(No)と判定した場合は、ステップB165へ進み、ステップB163で取得した輝度データは予め設定した上の閾値(上限値)以上であるか否か判定する。ステップB165で、取得した輝度データは上の閾値以上である(Yes)と判定した場合は、ステップB168へ進み、取得した輝度データを輝度調整レジスタ345(
図5参照)に書き込むように指示してステップB171へ進む。
【0145】
ステップB165で、取得した輝度データは上の閾値以上でない(No)と判定した場合は、ステップB166へ進み、ステップB163で取得した輝度データから、前記演出ボタン入力処理のステップB113でRAMに記憶した輝度調整値を減算する。
それから、減算後の輝度は下の閾値(下限値)以下であるか否か判定する(ステップB167)。ここで、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下である(Yes)と判定した場合は、ステップB169へ進み、減算後の輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB171へ進む。
また、ステップB167で、減算後の輝度は下の閾値(下限値)以下でない(No)と判定した場合は、ステップB170へ進み、算出結果の輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB171へ進む。
ステップB171では、点灯させたいダイオード列を指定する点灯データを取得してその点灯データを出力設定レジスタ346(
図5参照)に書き込むように指示して、当該装飾制御処理から抜ける。以上の処理を制御対象のダイオード(
図5のLED0〜LED15)分だけ行う。
【0146】
図21には、
図20の装飾制御処理を実行することにより、輝度データテーブルの各フレームの輝度設定データと点灯データに従って、発光ダイオードを点灯制御する場合のタイミングチャートが示されている。なお、本明細書においては、
図21において、符号aが付されている輝度範囲を第1の範囲と称し、符号bが付されている輝度範囲を
第2の範囲と称し、符号cが付されている輝度範囲を
第3の範囲と称する。
図21のタイミングチャートにおいては、第1フレームと第2フレーム、第7フレーム、第9フレームの輝度データは予め設定した上の閾値(上限値)以上であるため調整されず、第3フレームと第4フレーム、第6フレームの輝度データは予め設定した下の閾値(下限値)以下であるため調整されずにもとの輝度のままである。一方、第5フレームの輝度データは、輝度調整で設定が「50」のレベルにされることで「70」(破線)から「20」(実線)に変更され、第8フレームの輝度データは、輝度調整で設定が「70」のレベルにされることで「70」(破線)から「40」(実線)に変更されている。この実施例でも輝度の変更はフレームに同期して行われる。
【0147】
本実施例においては、輝度調整操作がなされても第1及び第3の範囲では輝度調整をせずに元の輝度のままとし第2の範囲でのみ輝度調整をしているが、例えば第2の範囲では調整値を大きくし、第1及び第3の範囲では調整値を小さくするなど、輝度調整の量を変えるようにしても良い。
また、第1の範囲および第3の範囲に比べて第2の範囲を広くすることで、遊技者によって調整可能な調整の範囲を広くすることができ、遊技者はより自分の好みにあった輝度を選択することができる。
【0148】
以上の説明から、上記実施形態には、
遊技機の前面に設けられた発光装置(18,42)と、
前記発光装置の発光量の設定を変更可能な輝度設定手段(25,47)と、
遊技の進行を管理する遊技制御手段としての遊技制御装置100と、
前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記発光装置における発光制御を行う演出制御手段としての演出制御装置300と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記発光装置の発光量を規定する輝度データを含む演出データを記憶する演出データ記憶手段と、
所定の更新タイミングとなった場合に、所定の輝度データ格納手段に格納されている前記輝度データに基づいて前記発光装置の発光制御をする発光制御手段と、
前記輝度設定手段により設定された設定値に基づいて調整量を決定し、前記輝度データを調整する輝度調整手段と、を備え、
前記輝度データを調整する範囲として第1の範囲と、第2の範囲と、第3の範囲が設定され、前記第2の範囲には、第1の範囲よりも輝度の高い範囲が設定されるとともに、前記第3の範囲には、第2の範囲よりも輝度の高い範囲が設定され、
前記輝度データが該第1の範囲、第2の範囲、第3の範囲のいずれかに位置するかによって前記輝度データの調整が異なり、
前記輝度調整手段により前記輝度データを調整する前に、前記輝度データが第1の範囲及び第3の範囲に位置する場合には、前記調整量に基づく前記輝度データの調整を行わずに該輝度データを前記輝度データ格納手段に格納するようにした発明が含まれる。
【0149】
そして、かかる発明によれば、輝度データが第1の範囲及び第3の範囲に位置する場合には、調整量に基づく輝度データの調整を行わずに該輝度データを輝度データ格納手段に格納するので、遊技者が発光量を調整したことによって、発光装置において輝度の低い発光態様で実行される低輝度演出が全く見えなくなって、遊技の興趣が低下してしまうような事態が発生するのを回避することができるとともに、発光装置において輝度の高い発光態様で実行される高輝度演出の輝度が低下しまい高輝度演出による報知を遊技者や店員が見逃してしまうという不具合が発生するのを防止することができる。
【0150】
(変形例)
図22には、第1の実施例の第1の変形例におけるタイミングチャートが示されている。この変形例は、遊技機においてエラーが発生して検出された場合に、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されたエラーコマンドに基づいて、発光装置を点滅させる等のエラー報知を行う際に、入力操作手段(演出ボタン25a)の操作による輝度調整設定はもちろん、遊技機裏面の輝度設定器47の設定状態に関係なく、最大輝度「100」で点滅発光させるようにするものであり、T0の期間がエラー報知期間である。
従って、例えばエラー発生直前の期間T3に、輝度調整の設定が「20」等に変更されたとしても、報知期間中はその設定を無視して最大輝度「100」で点滅が行われる。なお、
図22では、このエラー報知もフレームに同期して行う場合が示されているが、エラー報知に関しては少なくとも点滅開始はフレームに同期させず実行するようにしても良い。この変形例は、第2の実施例にも適用することができる。
【0151】
従って、上記実施形態には、
遊技制御手段としての遊技制御装置100または演出制御手段としての演出制御装置300は、遊技機におけるエラー状態を検出するエラー検出手段を備え、
前記演出制御手段は、発光装置としての盤装飾装置42や枠装飾装置18の発光量を、輝度設定手段としての輝度設定器47または入力操作部25による設定に基づいて制御する際に、前記エラー検出手段によりエラーが検出されている場合には、第1輝度設定手段としての輝度設定器47または第2輝度設定手段としての入力操作部25による設定状態に関わらず、前記発光装置を最大輝度の発光量で発光するように制御可能に構成するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、輝度設定手段により発光装置の輝度が低下するように調整されていたとしても、エラーが検出された場合には発光装置が最大輝度の発光量で発光するように制御されることで、エラーが発生したことを遊技者や遊技店の係員に確実に知らしめることができるようになる。
【0152】
(第3実施例)
図23〜
図25には、第3の実施例が示されている。上述した第1の実施例(
図16,
図17)の場合には、各フレームを更新するタイミングで毎回輝度データの調整を行って発光制御に反映するリアルタイム方式であるのに対し、第3の実施例は、入力操作手段(演出ボタン25a)の操作により輝度調整の設定変更がなされた際に、一括で輝度データの調整を行っておく一括処理方式である。
図23には、第3の実施例における演出ボタン入力処理のフローチャートが示されている。この演出ボタン入力処理は
図16に代わるものである。
【0153】
図23の演出ボタン入力処理では、先ず、入力操作部25の操作による輝度調整の選択入力があったか否か判定する(ステップB111)。ここで、輝度調整の選択入力なし(No)と判定した場合は、ステップB112,B113をスキップして当該演出ボタン入力処理から抜ける。一方、輝度調整モードの選択入力があった(ステップB111;Yes)と判定すると、ステップB112へ進み、選択された輝度設定に対応する輝度調整値を取得し、取得した輝度調整値をRAMの所定の領域に記憶する(ステップB113)。ここで、輝度調整値とは、選択された輝度設定が「100」の場合には「0」、選択された輝度設定が「90」の場合には「10」、選択された輝度設定が「80」の場合には「20」……、のようにされる。その後、輝度変更処理(ステップB114)を実行する。
【0154】
図25には、
図23の演出ボタン入力処理中のステップB114の輝度変更処理のフローチャートが示されている。
この輝度変更処理のステップB141〜B148は、
図17の装飾制御処理のステップB162〜B170と同様な手順の処理である。すなわち、先ず予め用意されている複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブル(
図18参照)をROMより取得する(ステップB141)。
【0155】
次に、該輝度データテーブルから現在のフレーム数(フレーム番号)に対応する輝度データを取得する(ステップB142)。それから、取得した輝度データは予め設定した下の閾値(下限値)以下であるか否か判定する(ステップB143)。ここで、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下である(Yes)と判定した場合は、ステップB146へ進み、取得した輝度データを輝度調整レジスタ345(
図5参照)に書き込むように指示してステップB149へ進む。
一方、ステップB143で、取得した輝度データは下の閾値(下限値)以下でない(No)と判定した場合は、ステップB144へ進み、取得した輝度データから、
図23の演出ボタン入力処理のステップB113でRAMに記憶した輝度調整値を減算する。
【0156】
それから、減算後の輝度は下の閾値(下限値)以下であるか否か判定する(ステップB145)。ここで、取得した輝度データは下の閾値以下である(Yes)と判定した場合は、ステップB147へ進み、下の閾値に相当する輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB149へ進む。
また、ステップB167で、減算後の輝度は下の閾値以下でない(No)と判定した場合は、ステップB148へ進み、算出結果の輝度データを輝度調整レジスタ345に書き込むように指示してステップB149へ進む。
【0157】
ステップB149では、フレーム数(フレーム番号)を「+1」更新し、次のステップB150で、更新後のフレーム数が最大値を超えたか否か判定する。そして、フレーム数が最大値を超えていない(No)と判定すると、最初のステップB141へ戻り上記処理B141〜149を繰り返す。一方、ステップB150で、更新後のフレーム数が最大値を超えた(Yes)と判定すると、ステップB149へ進み、演出番号を「+1」更新し、次のステップB152で、更新後の演出番号が最大値を超えたか否か判定する。そして、演出番号が最大値を超えていない(No)と判定すると、最初のステップB141へ戻り上記処理B141〜149を繰り返す。また、ステップB152で、更新後の演出番号が最大値を超えた(Yes)と判定すると、当該輝度変更処理から抜ける。
上記のような制御を行うことによって、一括で輝度データの調整を行っておくことができる。
【0158】
図24には、第3の実施例における装飾制御処理のフローチャートが示されている。
図24の装飾制御処理は、
図17の装飾制御処理のステップB164〜B170を省略して、ステップB161、B162、B163およびB171のみとしたものである。また、ステップB162では、ROM内の輝度データテーブルではなく、
図25のステップB146〜B148でRAMに格納された輝度データテーブルを取得する点が異なる。
【0159】
図24の装飾制御処理では、先ず、表示装置41のフレーム更新タイミングであるか否か判定する(ステップB161)。ここで、フレーム更新タイミングでない(No)と判定した場合は、何もせずに当該装飾制御処理から抜ける。一方、ステップB161において、フレーム更新タイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB162へ進み、予め用意されている複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブル(
図18参照)をRAMより取得する。
そして、該輝度データテーブルから現在のフレーム数(フレーム番号)に対応する輝度データを取得する(ステップB163)。それから、ステップB171へ進み、点灯させたいダイオード列を指定する点灯データを取得してその点灯データを出力設定レジスタ346(
図5参照)に書き込むように指示して、当該装飾制御処理から抜ける。
【0160】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、遊技機の前面に設けられた演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを輝度設定手段として兼用するようにしているが、スライド式の設定スイッチあるいはダイヤル式の設定スイッチのような専用の輝度調節スイッチを設けるようにしてもよい。また、遊技機裏面の輝度設定器47も、スライド式の設定スイッチあるいはダイヤル式の設定スイッチのようなものであっても良い。
また、遊技者が操作可能な輝度設定手段(演出ボタン)を設ける代わりに、遊技者が保有するカードの情報あるいは携帯端末から送信された情報を遊技機が読み取って遊技を行うように構成されているシステムにおいては、遊技者に固有の情報の中に発光装置の輝度に関する情報を含ませておいて、遊技機の演出制御装置がプログラムによって読み取った輝度に関する情報に基づいて発光装置の輝度制御を行うようにしても良い。
【0161】
また、前記実施形態では、発光装置としてLEDランプまたはLEDを内蔵した装飾装置を用いたものを説明したが、発光装置はLEDに限定されず、バックライトを有する液晶装置もしくは有機ELパネルやフィラメント型または陰極管型のランプまたはそれらを内蔵した装飾装置であっても良い。
さらに、前記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。