(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つ以上の保持部材は、前記複数のセンサファイバが回転対称に配設されるように、前記複数のセンサファイバを保持していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のファイバ湾曲センサ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1Aと
図1Bとを参照して第1の実施形態について説明する。なお図示の明瞭化のために、一部の図面では部材の一部の図示を省略している。
図1Aに示すように、ファイバ湾曲センサ10は、光を出射する光源21と、光源21から出射された光を導光する少なくとも1本の光供給ファイバ41と、光供給ファイバ41と光結合し、光供給ファイバ41によって導光された光を伝播する光結合部材61と、光結合部材61と光結合し、光結合部材61によって伝播された光を導光する複数のセンサファイバ81と、センサファイバ81によって導光された光の強度を測定する光強度測定部101と、光供給ファイバ41とセンサファイバ81とを保持する保持部材121とを有している。
【0011】
図1Aに示すように、光供給ファイバ41は、光源21と光結合する一端部と、光結合部材61と光結合する他端部とを有している。一端部は、例えば図示しない光学的に透明な接着材によって光源21に接着している。他端部も、例えば図示しない光学的に透明な接着材によって光結合部材61に接着している。
【0012】
図1Bに示すように、光供給ファイバ41は、コア41aと、コア41aを密着して覆うクラッド41bと、クラッド41bを密着して覆うジャケット41cとによって形成されている。光供給ファイバ41とコア41aとは円柱形状を有しており、クラッド41bとジャケット41cとは円筒形状を有している。
【0013】
光結合部材61は、例えば反射膜を有するガラスロッドなどである。光結合部材61は、光をセンサファイバ81に向けて反射する。光結合部材61は、1つのみ配設されている。
【0014】
図1Aに示すように、センサファイバ81は、光結合部材61と光結合する一端部と、光強度測定部101と光結合する他端部とを有している。一端部は、例えば図示しない光学的に透明な接着材によって光結合部材61に接着している。他端部も例えば図示しない光学的に透明な接着材によって光源21に接着している。
【0015】
図1Aと
図1Bとに示すように、センサファイバ81は、光供給ファイバ41の湾曲状態が多点的に検出されるために、例えば複数配設されている。この湾曲状態は、例えば、センサファイバ81の湾曲の向きとセンサファイバ81の湾曲量とを示す。
図1Aに示すように、センサファイバ81は、光供給ファイバ41に対して平行に配設されている。
図1Bに示すように、センサファイバ81は、ファイバ湾曲センサ10の周方向において光供給ファイバ41を囲うように、例えば6個配設されている。センサファイバ81は、光供給ファイバ41を中心に同心円上に配設されている。なおセンサファイバ81は、光供給ファイバ41を中心に回転対称に配設されていることが好適である。またセンサファイバ81は、例えば周方向に互いに等間隔離れて配設されているが、これに限定する必要はない。ファイバ湾曲センサ10が湾曲した際の各センサファイバ81の曲率半径は、それぞれ異なる。
【0016】
図1Aに示すように、センサファイバ81と光強度測定部101とは、同数配設されている。1本のセンサファイバ81は、1つの光強度測定部101と光結合している。
【0017】
このようなセンサファイバ81も、
図1Bに示すように、光供給ファイバ41と同様に、コア81aと、コア81aを密着して覆うクラッド81bと、クラッド81bを密着して覆うジャケット81cとによって形成されている。
【0018】
また
図1Aに示すように、センサファイバ81は、光損失部83を有している。光損失部83は、ジャケット81cの一部がクラッド81bの一部から剥離し、剥離した部分に図示しない吸収体が配設されることで、形成される。吸収体は、センサファイバ81が導光する光の一部を吸収する。これにより、光強度測定部101は、センサファイバ81によって導光され、吸収体によって吸収されなかった光の強度を測定する。後述の通り、当該光の強度は、光損失部83の湾曲状態、例えば、光損失部83の湾曲の向きと、光損失部83の湾曲量とによって変化する。よって、光強度測定部101で測定された値から光損失部83の湾曲状態が分かる。換言すれば、光強度測定部101は、光損失部83の湾曲状態を検出する。
詳細には、例えば光損失部83が外側に位置するようにファイバ湾曲センサ10が湾曲すると、光損失部83に入射する光は、言い換えると光損失部83が吸収する光は多くなる。また例えば光損失部83が内側に位置するようにファイバ湾曲センサ10が湾曲すると、光損失部83に入射する光は、言い換えると光損失部83が吸収する光は少なくなる。光損失部83に入射する光量に応じて、光強度測定部101が受光する光の量は増減する。この受光する光の量の増減を、光強度測定部101で測定した値を基に光損失部83の湾曲状態を求めることができる。
このように光損失部83を有するセンサファイバ81と光強度測定部101とは、光供給ファイバ41の湾曲状態を多点的に検出するために、湾曲状態検出手段として配設される。
なお、
図1Aに示すように、センサファイバ81の軸方向において、2本の光損失部83は例えばX方向については同じ位置に配設されていて、一方の光損失部83は例えばY方向の湾曲を検出し、他方の光損失部83は例えばZ方向の湾曲を検出する。このY方向は、例えば、センサファイバ81の径方向を示す。Z方向は、例えば、センサファイバ81の径方向を示し、Y方向に対して直交している。なお、ここでは一例としてセンサファイバ81は、光供給ファイバ41を中心に同心円上に回転対称に配設されている。また例えば光損失部83は、1本のセンサファイバ81に1つ配設されている。
本実施形態では、なお、湾曲状態検出部の一部は、光損失部83を一例として説明しているが、これに限定されない。湾曲状態検出部の一部は、例えば発光体である蛍光体や量子ドットなどであっても良い。
【0019】
図1Bに示すように、センサファイバ81において、コア81aは円柱形状を有し、クラッド81bは円筒形状を有している。
【0020】
図1Bに示すように、ジャケット81cは、円筒の一部がセンサファイバ81の軸方向に沿って切り欠かれ、クラッド81bの側面の一部が外部に露出するように、形成されている。つまりジャケット81cは、C字形状の断面を有している。このようにジャケット81cは、略C字の筒形状を有している。
【0021】
またセンサファイバ81は、非円柱形状を有している。詳細には、センサファイバ81は、ジャケット81cによって、円柱の一部がセンサファイバ81の軸方向に沿って切り欠かれ、クラッド81bの側面の一部が外部に露出するように、形成されている。このようにセンサファイバ81は、非円形の断面85を有している。この断面85は、1本の直線85aと1本の円弧85bとによって形成されている。この直線85aは、断面85の直径85cよりも短い。なお断面85の面積は、直径85cを有する半円の面積よりも大きい。円弧85bは、直線85aの両端部と接している。円弧85bは、ジャケット81cの縁に該当する。
【0022】
直線85aを含むセンサファイバ81の側面87aは、平面状に形成されている。この側面87aは、センサファイバ81の一端部からセンサファイバ81の他端部まで配設されている。円弧85bを含むセンサファイバ81の外周面87bは、ジャケット81cの外周面に該当し、センサファイバ81の一端部からセンサファイバ81の他端部まで配設されている。
【0023】
図1Aに示すように、保持部材121は、例えば3個配設されている。保持部材121は、光供給ファイバ41の軸方向に沿って互いに離れて配設されている。保持部材121は、光損失部83の両脇に配設されている。言い換えると、光損失部83は、光供給ファイバ41の軸方向において保持部材121によって挟まれている。
【0024】
図1Aに示すように、保持部材121は、光供給ファイバ41を保持するために光供給ファイバ41が貫通する貫通孔123と、センサファイバ81を保持するためにセンサファイバ81が貫通する貫通孔125とを有している。これにより保持部材121は、センサファイバ81が光供給ファイバ41を中心に回転対称に配設されるように、光供給ファイバ41とセンサファイバ81とを保持している。
【0025】
図1Bに示すように、貫通孔123は、円柱形状を有している。貫通孔123には、光供給ファイバ41を保持部材121に接着する接着材123aが配設されている。これにより保持部材121は、光供給ファイバ41の軸方向への保持部材121の移動と光供給ファイバ41の軸周りへの保持部材121の回転とが固定されるように、接着材123aによって光供給ファイバ41に固定されている。よって、保持部材121の間の距離は、光供給ファイバ41によって保持され、所望に維持される。
【0026】
図1Bに示すように、貫通孔125は、非円柱形状を有している。詳細には、貫通孔125は、円柱の一部が保持部材121の軸方向に沿って切り欠かれた形状を有している。貫通孔125の断面127は、非円形断面を有している。この断面127は、1本の直線127aと1本の円弧127bとによって形成されている。この直線127aは、断面127の直径127cよりも短い。なお断面127の面積は、直径127cを有する半円の面積よりも大きい。
【0027】
図1Bに示すように、このような貫通孔125の断面127は、例えば、センサファイバ81の断面85と略合同の形状、または断面85よりも大きい略相似の形状を有している。1つの貫通孔125には、1本のセンサファイバ81が貫通する。よって、貫通孔125とセンサファイバ81との間には、隙間部151が形成される。
【0028】
このとき直線127aを含む貫通孔125の平面状の内面129aは、直線85aを含むセンサファイバ81の平面状の側面87aと対向する。内面129aの大きさは、内面129aに対向している側面87aの大きさと略同一である。また、円弧127bを含む貫通孔125の周面129bは、円弧85bを含むセンサファイバ81の外周面87bと対向する。周面129bの大きさは、周面129bに対向している外周面87bの大きさと略同一である。なお隙間部151には、接着材123aは配設されていない。
【0029】
よって、センサファイバ81は、センサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能である。このように保持部材121は、センサファイバ81がセンサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能となるように、センサファイバ81を保持している。また側面87aと内面129aとは、センサファイバ81が貫通孔125に対してセンサファイバ81の軸周りに回転することを抑止する回転抑止機構として機能する。
【0030】
[作用・効果]
次に本実施形態の作用と、作用に対応する効果とについて
図1Aと
図1Bとを参照して説明する。
【0031】
[作用1]
ファイバ湾曲センサ10が湾曲する際、回転抑止機構である側面87aと内面129aとによって、センサファイバ81は、貫通孔125に対してセンサファイバ81の軸周りに回転することを抑止される。またこのとき、センサファイバ81は、センサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能である。また光供給ファイバ41と保持部材121とは、接着材123aによって互いに固定されている。
【0032】
[効果1]
ファイバ湾曲センサ10が湾曲する際、センサファイバ81の曲率半径がそれぞれ異なっていても、センサファイバ81は、回転抑止機構である側面87aと内面129aとによって貫通孔125に対するセンサファイバ81の軸周りへのセンサファイバ81の回転を抑止され、センサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能である。よって、歪みがファイバ湾曲センサ10にて生じにくくなり、歪みに伴う応力が発生しにくい。このため当該応力に対応する力の分だけより大きな力によってファイバ湾曲センサ10を湾曲させる必要がない。これによりセンサファイバ81が複数配設されても、ファイバ湾曲センサ10の湾曲性を向上できる。
同時に、センサファイバ81は貫通孔125に対してセンサファイバ81の軸周りに回転することを回転抑止機構によって抑止される。この結果、光損失部83も貫通孔125に対してセンサファイバ81の軸周りに回転することを抑止されるため、光強度測定部101が受光する光の量は光損失部83の湾曲状態に応じて正確に増減する。これにより、湾曲状態が正確に検出される。
また複数のセンサファイバ81がファイバ湾曲センサ10に配設され、ファイバ湾曲センサ10の剛性が上がるが、前記によって、ファイバ湾曲センサ10の湾曲性を向上できる。よって光供給ファイバ41の湾曲状態を多点的に検出することには、好適である。
また図示しない駆動源がファイバ湾曲センサ10を湾曲させる駆動力を発生する際、前記によって、駆動力を発生のための消費エネルギを小さくでき、省エネルギ化もできる。
【0033】
[作用2・効果2]
保持部材121は、センサファイバ81が光供給ファイバ41を中心に回転対称に配設されるように、光供給ファイバ41とセンサファイバ81とを保持している。よって、ファイバ湾曲センサ10の各湾曲方向に対する剛性を比較的均一にでき、ファイバ湾曲センサ10をどの向きにも容易に湾曲できる。
【0034】
[作用3]
センサファイバ81は、貫通孔125を貫通し、センサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動する。このとき、保持部材121は、センサファイバ81がセンサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能となるように、センサファイバ81を保持している。
【0035】
[効果3]
センサファイバ81の曲率半径がそれぞれ異なっていても、センサファイバ81に歪みが発生しにくい。そして歪みに伴う応力が発生しにくい。よってファイバ湾曲センサ10の耐久性を向上できる。
またファイバ湾曲センサ10の湾曲半径を小さくできる。
【0036】
[作用4]
保持部材121は、光供給ファイバ41の軸方向への保持部材121の移動と光供給ファイバ41の軸周りへの保持部材121の回転とが固定されるように、光供給ファイバ41に固定されている。
【0037】
[効果4]
光供給ファイバ41は、光を供給する機能と、保持部材121同士の間の距離と保持部材121の回転位置の関係とを保持する機能とを有することとなる。よって、1つの部材が光供給と位置決めとの2つの機能を有するため、低コストと小型にできる。
【0038】
[第1の実施形態の第1の変形例]
図2Aに示すように、断面85は、2本の直線85aと2本の円弧85bとによって形成されている。これにより側面87aと外周面87bとは、2つ形成される。
【0039】
[作用・効果]
ジャケット81cが両脇から押圧されることで、2本の直線85a(2つの側面87a)は形成される。
本変形例では、2本の直線85a(2つの側面87a)は、センサファイバ81を両脇から押圧する荷重と押圧時の温度とを管理すれば、再現良く製造できるので、2本の直線85a(2つの側面87a)をより容易に形成できる。本変形例では、センサファイバ81の設計や製造方法の自由度を向上できる。
【0040】
[第1の実施形態の第2の変形例]
図2Bに示すように、直線85a(側面87a)は、クラッド81bにも形成される。
【0041】
[作用・効果]
本変形例では、センサファイバ81の設計の自由度をより向上できる。
【0042】
[第1の実施形態の第3の変形例]
図2Cに示すように、本変形例では、ジャケット81cは、円筒形状を有している。よってセンサファイバ81は円形の断面85を有し、センサファイバ81は円柱形状を有している。センサファイバ81は、センサファイバ81(ジャケット81c)の外周面と密着するフェルール155によって覆われている。
【0043】
フェルール155は、非円筒形状を有している。フェルール155は、例えばセンサファイバ81の屈曲部分を除いて、センサファイバ81を覆っている。少なくともフェルール155は、光損失部83のある部位に設けないようにする。詳細には、フェルール155は、例えば、センサファイバ81において、保持部材121によって保持される部分のみ覆っている。フェルール155は、円筒の一部がセンサファイバ81の軸方向に沿って切り欠かれるように、形成されている。そしてフェルール155は、回転抑止機構として機能する平面状の側面155aを有している。
【0044】
フェルール155の一部は保持部材121によって保持され、フェルール155の他部は保持部材121によって保持されない。側面155aは、フェルール155の一端部からフェルール155の他端部まで配設されている。保持部材121によって保持されるフェルール155において、側面155aは、貫通孔125の平面状の内面129aに対向する。
【0045】
このようにセンサファイバ81は、センサファイバ81(ジャケット81c)の外周面に配設される別部材であるフェルール155によって、非円形断面を有することとなる。この非円形断面は、貫通孔125の断面127と略相似で、断面127よりも小さい。非円形断面は、断面127と略合同であっても良い。
【0046】
[作用・効果]
本変形例では、センサファイバ81の設計の自由度を向上できる。
【0047】
[第1の実施形態の第4の変形例]
図2Dに示すように、本変形例では、ジャケット81cは、円筒形状を有している。よってセンサファイバ81は円形の断面85を有し、センサファイバ81は円柱形状を有している。
【0048】
ジャケット81cの一部は、貫通孔125に配設され、保持部材121によって保持される。このジャケット81cの一部の外周面には、回転抑止機構として機能し、外周面から凸設される接着材157が塗布される。
【0049】
センサファイバ81は、センサファイバ81(ジャケット81c)の外周面に配設される別部材である接着材157によって、非円形断面を有することとなる。
【0050】
貫通孔125は、接着材157を含むセンサファイバ81の非円形断面と略相似の形状を有している。貫通孔125は、このセンサファイバ81の非円形断面よりも大きい。貫通孔125は、センサファイバ81の非円形断面と略合同であっても良い。
【0051】
[作用・効果]
本変形例では、センサファイバ81の設計の自由度を向上できる。
【0052】
[第1の実施形態の第5の変形例]
図2Eに示すように、一部のセンサファイバ811は、円柱形状を有している。このセンサファイバ811は、センサファイバ811(ジャケット81c)の外周面と密着するフェルール155によって覆われている。フェルール155は、保持部材121によって保持される部分にのみ配設されている。
【0053】
フェルール155は、抑止機能として機能し、フェルール155の外周面から凸設される凸部155bを有している。
【0054】
センサファイバ811は、センサファイバ81(ジャケット81c)の外周面に配設される別部材である凸部155bを有するフェルール155によって、非円形の断面85を有することとなる。
【0055】
一部の貫通孔1251において、貫通孔1251の断面127は、フェルール155を含むセンサファイバ811の断面85と略相似の形状を有している。断面127は、断面85よりも大きい。断面127は、断面85と略合同であっても良い。よって貫通孔1251は、凸部155bが嵌めこまれる凹部131を有している。貫通孔1251は、貫通孔123を中心に回転対称に配設される。このような貫通孔1251を有する保持部材121は、例えば、第1の実施形態における
図1Aに示す構成のように、光損失部83の近接にのみ配設されている。
【0056】
センサファイバ811は、凹部131と凸部155bとによって、センサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔1251を摺動可能であり、貫通孔1251に対してセンサファイバ811の軸周りに回転することを抑止される。このように保持部材121は、センサファイバ811がセンサファイバ811の軸方向に沿って貫通孔1251を摺動可能となり、センサファイバ811が貫通孔1251に対してセンサファイバ811の軸周りに回転することを抑止されるように、センサファイバ811を保持している。
【0057】
他部のセンサファイバ81は、フェルール155によって覆われておらず、円柱形状を有している。
【0058】
他部の貫通孔125において、貫通孔125の断面127は、他部のセンサファイバ81の断面85と略相似の形状を有している。断面127は、断面85よりも大きい。断面127は、断面85と略合同であっても良い。
【0059】
他部のセンサファイバ81は、センサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能であり、センサファイバ81の貫通孔125に対して軸周りに回転可能である。このように保持部材121は、他部のセンサファイバ81がセンサファイバ81の軸方向に沿って貫通孔125を摺動可能となり、他部のセンサファイバ81が貫通孔125に対してセンサファイバ81の軸周りに回転可能となるように、センサファイバ81を保持している。
【0060】
[作用・効果]
第3の変形例に比べて、フェルール155の全体の数を減らすことができ、センサファイバ81の1本当たりのフェルール155の配設数を減らすことができる。よってフェルール155の費用を抑えることができ、センサファイバ811にフェルール155を取り付ける手間を省くことができる。また本変形例では、フェルール155の配設面積を減らすことができるため、保持部材121を小径にできる。
本変形例は、例えば第3の変形例を組み合わせても良い。
【0061】
なお本変形例において、センサファイバ811は、軸周りへの回転を抑止され、摺動できれば、これを実施するための部材の数と形状等は、特に限定されない。この点は、第1の実施形態と、各変形例についても同様である。
【0062】
[第2の実施形態]
本実施形態では、以下に、第1の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
図3に示すように、直線85aが配設されるセンサファイバ81の側面87aと、直線127aが配設される貫通孔125の内面129aとは、貫通孔123に対向している。貫通孔125は、貫通孔123を中心に、側面87aと内面129aとを含めて回転対称に配設されている。
【0063】
[作用・効果]
センサファイバ81はより厳密に回転対称に配設されるため、ファイバ湾曲センサ10の各湾曲方向に対する剛性を比較的均一にでき、ファイバ湾曲センサ10をどの向きにも容易に湾曲できる。
【0064】
[第3の実施形態]
本実施形態では、以下に、第1の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
図4Bに示すように、全てのセンサファイバ81と全ての貫通孔125とは、円柱形状を有している。
【0065】
保持部材121a,121bは、光損失部83の近傍に、詳細にはセンサファイバ81の軸方向において光損失部83の両脇に配設される。そして保持部材121a,121bの少なくとも一方は、貫通孔125に配設され、一部のセンサファイバ811を貫通孔125に固定する固定部材である接着材133を有している。センサファイバ811は、接着材133よって保持部材121aと保持部材121bとの少なくとも一方に固定されている。よって、保持部材121a,121bは、センサファイバ811がセンサファイバ811の軸方向に沿って貫通孔125を摺動せず、さらにセンサファイバ811が貫通孔125に対してセンサファイバ811の軸周りに回転することを抑止されるように、センサファイバ81を固定保持している。
【0066】
なお、センサファイバ811は、前記したように、接着材133よって保持部材121aと保持部材121bとの少なくとも一方に固定されているが、
図4Aに示すように光損失部83から離れて配設される保持部材121cには固定されていない。よってセンサファイバ811は、保持部材121cに対して、センサファイバ811の軸方向へ移動可能で、センサファイバ811の軸周りに回転可能となっている。
【0067】
また保持部材121a,121bは、保持部材121a,121bの外周面に配設され、センサファイバ811の軸周りにおいてセンサファイバ811を位置決めするための指標部135を有している。指標部135が参照されることで、一部のセンサファイバ811に配設されている光損失部83が所望の回転角度位置に位置決めされるように、センサファイバ811は配設される。本実施形態では、例えば、指標部135は、保持部材121aと保持部材121bとの間に配設される光損失部83を有するセンサファイバ811のために、光損失部83の近傍に配設される保持部材121aと保持部材121bとの少なくとも一方に配設される。
【0068】
なお図示はしないが、光損失部83は、他部のセンサファイバ81にも配設されている。この場合、光損失部83は、例えば保持部材121bと保持部材121cとの間に配設される。この場合、前記同様に、接着材133と指標部135とが、保持部材121bと保持部材121cとの少なくとも一方に配設されている。
【0069】
[作用1・効果1]
直線85aと側面87aとが形成される必要がない。よって、センサファイバ81のコストを削減できる。
【0070】
[作用2・効果2]
指標部135によってセンサファイバ811の回転角度位置を保持部材121に対して容易且つ正確に位置決めできる。よって、ファイバ湾曲センサ10の組立性を容易且つ正確にできる。
なお指標部135の形状や数や配設位置等は、特に限定されない。
【0071】
また本実施形態は、他の実施形態や各変形例と組み合わせることもできる。例えば、指標部135は、センサファイバ81の回転方向に対応するように保持部材121に配設されていてもよい。
【0072】
[第3の実施形態の第1の変形例]
本変形例では、以下に、第1,2,3の実施形態の構成とは異なる構成のみ説明する。
接着材133は、配設されない。これにより前記したように、保持部材121は、センサファイバ81の軸方向への保持部材121の移動とセンサファイバ81の軸周りへの保持部材121の回転とが固定され、保持部材121の間の距離が所望に保持されるように、接着材133によってセンサファイバ81に固定されているのみである。よって、保持部材121の間の距離は、センサファイバ811によって保持され、所望に維持される。
【0073】
[作用]
保持部材121は、センサファイバ811によって、位置を固定される。保持部材121の間の距離は、センサファイバ811によって保持される。またセンサファイバ811は、光強度測定部101に光を導光する機能と、保持部材121同士の間の距離と保持部材121の回転位置の関係とを保持する機能とを有することとなる。
【0074】
[効果]
よって、1つの部材が2つの機能を有するため、ファイバ湾曲センサ10を低コスト且つ小型にできる。特に本変形例では、接着材123aのコストと、接着材123aを塗布するためのコストとを削減できる。
【0075】
[第4の実施形態]
本実施形態の構成は、例えば第1の実施形態の構成をベースとしている。以下に、第1の実施形態の構成とは異なる点について説明する。
図5に示すように接着材123aは、配設されない。ファイバ湾曲センサ10は、全ての保持部材121と光結合部材61とが内部に配設されているシース159をさらに有している。シース159は、保持部材121を位置決めしている。つまりシース159は、センサファイバ81の軸方向とセンサファイバ81の周方向とへの保持部材121の移動を固定し、保持部材121の間の距離を所望に保持するように、保持部材121を保持している。
【0076】
シース159は保持部材121と接合しており、シース159の内周面は保持部材121の外周面と接合している。シース159は、保持部材121を一体的に保持している。シース159は、光結合部材61とにも接着固定されている。このように、シース159は、保持部材121同士を互いに連結する連結部材として機能する。
【0077】
[作用]
保持部材121は、シース159によって、位置を固定される。保持部材121の間の距離は、シース159によって保持される。またシース159は、ファイバ湾曲センサ10が他の部材に搭載される際に、センサファイバ81を保護する機能と、保持部材121の位置を固定する機能と、保持部材121の間の距離を保持する機能と、保持部材121同士を連結する機能とを有することとなる。
【0078】
[効果]
1つの部材が4つの機能を有するため、ファイバ湾曲センサ10を低コスト且つ小型にできる。特に本実施形態では、接着材133のコストと、接着材133を塗布するためのコストとを削減できる。
【0079】
[第5の実施形態]
本実施形態の構成は、例えば第1の実施形態の構成をベースとしている。以下に、第1の実施形態の構成とは異なる点について説明する。
図6に示すように、保持部材121を含むファイバ湾曲センサ10は、センサファイバ81によって測定される例え管状の測定対象物161に直接配設される。この場合、例えば、全ての保持部材121と光結合部材61とは、測定対象物161に挿入され、測定対象物161の内周面に例えば接着によって固定される。
【0080】
[効果]
本実施形態では、保持部材121が測定対象物161に固定されるため、保持部材121を固定するための部材が不要となる。よって本実施形態では、ファイバ湾曲センサ10のためのコストを削減でき、ファイバ湾曲センサ10を小型にできる。
【0081】
前述した各実施形態と各変形例とにおいて、1つのセンサファイバ81は、光損失部83を1つ有しているが、これに限定する必要は無く、複数の光損失部83を有していても良い。
センサファイバ81の本数は、複数であれば、特に限定されない。また貫通孔125の数は、センサファイバ81の本数に対応すればよい。
また光供給ファイバ41の数と貫通孔123の数とも、特に限定される必要は無く、例えば互いに同数であればよい。
【0082】
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。