(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理廃棄物が搬出される搬出元から前記処理廃棄物が最終処分される第2処理施設に至るまでの前記処理廃棄物の管理をマニフェストによって行う処理廃棄物のマニフェスト管理システムであって、
複数の搬出元から第1処理施設に搬入される複数の処理廃棄物におけるそれぞれに対応する処理品目に関する所定ユニット単位の搬出量に関する搬出情報を取得する搬出情報取得手段と、
前記処理廃棄物を前記第1処理施設で処理品目ごとに仕分けする際の仕分けに関する仕分け情報を取得する仕分け情報取得手段と、
仕分けされた前記処理品目ごとに、前記複数の搬出元から前記第1処理施設に受け入れられた前記処理廃棄物の総量に対して各搬出元からそれぞれどれだけ受け入れられたかを示す受入比率を取得する受入比率取得手段と、
仕分けされた前記処理廃棄物が前記第1処理施設で中間処理される際の中間処理に関する中間処理情報を取得する中間処理情報取得手段と、
前記第1処理施設で中間処理され、前記第1処理施設から前記第2処理施設に搬入される前記処理廃棄物の最終処分の完了に関する最終処分完了情報を取得する最終処分完了情報取得手段と、
前記仕分け情報取得手段で得られた前記仕分け情報、前記受入比率取得手段で得られた前記処理廃棄物の受入比率、前記中間処理情報取得手段で得られた前記中間処理情報、および前記最終処分完了情報取得手段で得られた前記最終処分完了情報に基づいて、前記複数の搬出元から搬出された前記複数の処理廃棄物における処理品目ごとの処理完了情報を取得し、
取得した前記処理完了情報と前記搬出情報取得手段で取得された前記搬出情報に基づいて、前記搬出元から搬出された処理品目ごとの前記所定ユニット単位の処理廃棄物のうち、最終処分である搬出元処理廃棄物最終処分が完了した処理廃棄物の量を判定する搬出元処理廃棄物最終処分完了判定手段と、
を含むことを特徴とする処理廃棄物のマニフェスト管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。以下の各実施形態におけるマニフェスト管理方法では、排出事業者が中間処理場や最終処分場に処理廃棄物の処理を委託する際に、マニフェストによる管理を行うマニフェスト制度を利用している。
【0020】
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係る処理廃棄物の管理方法が行われる諸施設の全体構成を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る処理廃棄物のマニフェスト管理方法を実行する際には、中間処理場1に対して、排出事業者2から処理廃棄物が搬送される。中間処理場1においては、搬送された処理廃棄物を処理品目ごとに仕分けして、中間処理を行う。それから、仕分けられた処理廃棄物である仕分け処理廃棄物が中間処理場1から最終処分場3A,3B…に搬送される。最終処分場3A,3B…では、処理品目に応じた最終処分を行うものである。マニフェスト制度では、排出事業者2と中間処理場1と最終処分場3A,3B…の間の処理廃棄物の搬送工程および排出事業者2および最終処分場3A,3B…における処理等に基づいて、処理廃棄物の管理を行う。ここで、中間処理場1は、本発明の第1処理施設に相当し、排出事業者2は、本発明の搬出元に相当する。さらに、最終処分場3A,3B…は、本発明の第2処理施設に相当する。
【0021】
また、中間処理場1、排出事業者2、および最終処分場3A,3B…には、処理廃棄物の管理を行うための図示しない管理端末が設けられている。中間処理場1、排出事業者2、および最終処分場3A,3Bに設けられた管理端末は、本発明の管理施設である管理センター4に設けられたサーバシステムとの間で情報の送受信を行うことができるものである。
【0022】
排出事業者2は、事業所内から収集されてきた処理廃棄物が仮置きされる仮置き場を備えている。排出事業者2では、仮置き場にある程度の量の処理廃棄物が溜まった時点で、処理廃棄物をトラックTなどに積み込み、中間処理場1に向けて搬出する。この排出事業者から中間処理場1に対する搬出を1次運搬と称する。また、処理廃棄物を中間処理場1に搬出するにあたって、廃棄物の処理内容、数量、および委託先等が記入されたマニフェストをトラックTごとに作成する。作成したマニフェストは、処理廃棄物とともに中間処理施設に送付され、あるいはトラックの運転手によって持参される。
【0023】
中間処理場1は、トラックTなどに積載された処理廃棄物が排出事業者2から搬送されてくる。中間処理場1では、排出事業者2から搬送されてきた処理廃棄物を受け入れる。さらに、処理廃棄物を受け入れると、マニフェストに記載された処理廃棄物の内容を確認するとともに、処理廃棄物の量(重量)を計量する。
【0024】
そして、処理廃棄物の内容および重量がマニフェストに記載された内容と一致していることを確認して、処理廃棄物を受け入れる。処理廃棄物の受け入れが完了すると、受入日、受け入れた処理廃棄物の内容および重量をマニフェスト番号に対応付けて管理端末に入力する。その後、入力内容を管理センター4に送信する。
【0025】
ここで、管理センター4に送信する情報が、本発明における「搬出元から第1処理施設に搬入される複数の処理廃棄物におけるそれぞれに対応する処理品目に関する所定ユニット単位の搬出量に関する搬出情報」となる。また、本発明における「所定ユニット単位」とは、本実施形態では「トラック単位」、または「日にち単位」とされている。管理センター4が、この情報を受信して取得する工程が本発明の搬出情報取得工程となる。
【0026】
また、中間処理場1では、本実施形態に係る管理システムを利用するA社の排出事業者2のほかに、管理システムを利用しないB社およびC社における排出事業者2A,2B等からも処理廃棄物が送付されてくる。B社およびC社から搬送されてくる処理廃棄物についても、A社から搬送されている処理廃棄物と同様に、マニフェストが作成されている。中間処理場1では、A社以外のB社やC社のマニフェストについても、受け入れを完了した後に、受入日、受け入れた処理廃棄物の内容および重量をマニフェスト番号に対応付けて管理端末に入力し、入力内容をマニフェスト情報として管理センター4に送信する。
【0027】
さらに、中間処理場1では、これらの排出事業者2,2A,2Bから搬送されてきた処理廃棄物を処理品目ごとに仕分けする。具体的に、搬送されてきた処理廃棄物を「可燃物」、「木くず」、「金属」、「廃棄プラスチック(以下「廃プラ」という)」に分類する。処理廃棄物を仕分けする際、どの排出事業者から搬送されてきた処理廃棄物であるかについては区別することなく処理品目ごとに仕分けを行い、重量を計量する。ここで、処理品目ごとに仕分けした仕分け情報を管理端末に入力して管理センター4に送信し、管理センター4は、送信された仕分け情報を受信する。この工程が仕分け情報取得工程となる。
【0028】
中間処理場1では、どの排出事業者から搬送されてきた廃棄物であるかについては区別することなく処理品目ごとに仕分けを行い、処理品目ごとの総量(総重量)を計測する。このとき、複数の排出事業者2,2A,2Bから送付されているマニフェストの情報に基づいて、処理廃棄物の処理品目ごとの総量(総重量)に対して各排出事業者からそれぞれどれだけ受け入れたかを示す受入比率を算出して取得する。中間処理場1では処理品目ごとの受入比率を管理端末に入力し、管理センター4に送信する。管理センター4は、送信された受入比率を受信するこの工程が本発明の受入比率取得工程となる。
【0029】
また、中間処理場1では、仕分けた処理品目の中間処理を行う。中間処理では、焼却や粉砕によって処理廃棄物を減量する。減量の形としては、重量を減少させる重量減少や容積を減少させる減容がある。具体的に、処理廃棄物のうち、たとえば「可燃物」については焼却処理を行って重量減少による減量を図る。また、「廃プラ」については、粉砕により減容を図る。「廃プラ」の場合、粉砕をしても重量は変化しないので、減量を行った際の重量の減少割合としての減量率は1であるが、容積の減少割合である減容率は1未満の値となる。本実施形態では、減量として重量減少を管理しているが、減容率などを合わせて管理したり、減容率のみを管理したりすることもできる。中間処理による重量の減少割合(以下「減量率」という)は、過去の経験等に基づいてあらかじめおおよそ決まっている。中間処理場1では、その減量率を記憶している。中間処理場1は、記憶している減量率を管理センター4に送信し、管理センター4は、送信された減量率を中間処理情報として受信する。この工程が中間処理情報取得工程となる。
【0030】
さらに、中間処理場1では、仕分け処理廃棄物を最終処分場3A,3B…に向けて搬出する。このとき、仕分け処理廃棄物の種類に応じて、搬出する処理廃棄物を決定する。たとえば、減容後の「可燃物」については、第1最終処分場3Aに向けてトラックTなどに積み込んで搬出し、「木くず」については第2最終処分場3Bに向けて搬出する。その他、図示はしないが、それぞれの仕分け処理廃棄物について、対応する最終処分場に向けて搬出する。中間処理場1から最終処分場3A,3B…に対する搬出を2次運搬と称する。
【0031】
中間処理場1では、最終処分場に仕分け処理廃棄物を搬出する際に、搬出した仕分け処理廃棄物の種類を管理端末に入力し、管理センター4に送信する。仕分け処理廃棄物の種類を入力する際に、仕分け処理廃棄物の搬出量や搬送先となる最終処分場3A,3B…も合わせて入力して送信する。
【0032】
最終処分場3A,3B…は、中間処理場1から搬送されてきた仕分け処理廃棄物を最終的に処分する施設である。最終処分場3A,3B…には、その施設に対応した種類に仕分け廃棄物が搬送されてくる。最終処分の方法は、仕分け処理廃棄物の種類に応じて異なっており、「可燃物」などについては廃棄処理などが行われ、「金属」、「廃プラ」などはリサイクル処理が行われる。
【0033】
最終処分場3A,3Bでは、仕分け廃棄物を受け入れた際に、その受入日と受入重量を管理端末に入力して、管理センター4に送信する。また、仕分け廃棄物の最終処分が完了した後、最終処分完了情報を管理端末に入力して、管理センター4に送信する。最終処分場3A,3B…では、これらの入力および送信を一定期間ごと、たとえば日にち単位で行う。管理センター4は、送信された最終処分完了情報を受信する。この工程が最終処分完了情報取得工程となる。
【0034】
さらに、管理センター4では、中間処理場1から送信された仕分け情報、受入比率、および中間処理情報と、最終処分場3A,3B…から送信された最終処分重量情報と、に基づいて、複数の排出事業者から搬出された処理品目ごとの処理完了情報を算出して取得する。また、管理センター4は、取得した処理完了情報と、中間処理場1から送信されたマニフェスト情報とに基づいて、排出事業者2のマニフェストに表示された処理廃棄物の最終処分が完了したか否かを判定している。この判定工程が、本発明の搬出元処理廃棄物最終処分完了判定工程となる。また、管理センター4は、排出事業者2のマニフェストに表示された処理廃棄物の最終処分が完了した量(重量)の判定結果を排出事業者2における管理端末に送信して提供する。この工程が本発明の搬出元処理廃棄物最終処分判定結果情報提供工程となる。
【0035】
次に、本実施形態に係る管理システムにおける各施設における処理の手順について順次説明する。
図2は、排出事業者におけるより手順を示すフローチャート、
図3は、中間処理場における処理手順を示すフローチャートである。また、
図4は、最終処分場における処理手順を示すフローチャート、
図5は、管理システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【0036】
排出事業者2においては、処理廃棄物をトラックTに積み込む際に、
図2に示すように、マニフェストを作成する(S11)。ここで作成するマニフェストには、
図6(a)に示すように、搬出日、マニフェスト番号、処理廃棄物の種類および種類ごとの重量と排出量合計が記載されている。たとえば、排出事業者2を有するA社の1月11日のマニフェスト番号1の場合、可燃物の重量が8.0t、木くずの重量が2.0t、金属が0.0t、廃プラが0.0tであり、その排出量合計は10.0tである。ここでは、可燃物が80%の重量比率を占め、木くずが20%の重量比率を占めている。
【0037】
図6(a)に示す例では、1月11日にA社から10台のトラックによって処理廃棄物が搬出され、10枚のマニフェストが作成されている。また、1月12日にA社から8台のトラックによって処理廃棄物が搬出され、8枚のマニフェストが作成されている。以後の日についても、同様にしてマニフェストが作成される。ここでは、トラック単位が「所定のユニット単位」となっており、各トラックについてマニフェストが作成されている。
【0038】
他の排出事業者においてもマニフェストが作成されている。たとえば、
図6(b)に示すように、B社の排出事業者では1月11日に排出量合計が60.0tのマニフェストが作成され、
図6(c)に示すように、C社の排出事業者では排出量合計が40.0tのマニフェストが作成されている。ただし、これらのB社およびC社のマニフェストについては本実施形態における管理システムの管理対象から外れたものとなっている。
【0039】
排出事業者2では、マニフェストを作成したら、作成したマニフェストに関するマニフェスト情報を中間処理場1に送付する(S12)。それから、トラックTに積み込まれた処理廃棄物を中間処理場1に向けて搬出する(S13)。こうして、排出事業者2における処理が完了する。ここで、マニフェストの送付は、処理廃棄物の搬出後に行うこともできる。また、マニフェストの送付に代えて、処理廃棄物を積み込んだトラックのドライバがマニフェストを中間処理場1まで持参することもできる。
【0040】
排出事業者2から搬出された処理廃棄物は、1次運搬として中間処理場1に搬送される。次に、中間処理場1における処理について説明する。中間処理場1では、排出事業者2から搬送されてきた処理廃棄物を受け入れるとともに、処理廃棄物に関するマニフェスト情報を受信する(S21)。マニフェスト情報を受信したら、中間処理場1における担当社は、マニフェストに記載されている日付、処理廃棄物の種類である処理品目、および処理品目ごとの重量と排出量合計、さらには排出量合計に対する重量比率が、トラックによって搬出された処理廃棄物のものと一致していることを確認する。マニフェスト情報とトラックによって搬出された処理廃棄物の確認が済んだら、中間処理場1は、マニフェスト情報を管理センター4に送信する(S22)。
【0041】
続いて、受け入れた処理廃棄物をその種類ごとに仕分ける仕分け作業を行う(S23)。仕分け作業では、処理廃棄物を処理品目ごとに分類して仕分けを行い、仕分け処理廃棄物とする。処理廃棄物の仕分けが済んだら、仕分け処理廃棄物ごとの受入重量を計量して取得する(S24)。受入重量を計量して取得することで、マニフェストの内容が正しいことを確認する。処理品目ごとの仕分けが済んだら、仕分け情報を管理端末に入力し、管理センター4に送信する。
【0042】
それから、処理廃棄物ごとの受入比率を算出する(S25)。ここでの受入比率とは、複数の排出事業者2,2A,2Bから処理廃棄物を受け入れた際の排出事業者2,2A,2Bごとの比率である。いま、中間処理場における処理品目ごとの処理廃棄物の受入重量を
図7(a)に示す。
図7(a)に示すように、たとえば、1月11日に受け入れた処理廃棄物のうち、可燃物の受入重量は、A社から50.0t、B社から30.0t、C社から20.0tである。これらの受入重量から、受入比率を算出すると、1月11日の可燃物は、A社から50%、B社から30%、C社から20%受け入れたこととなる。また、その他の木くず、金属、廃プラについても同様にして受入比率を算出する。
【0043】
処理廃棄物の受入比率を算出したら、受け入れた処理廃棄物の受入重量および受入比率を管理端末に入力する。そして、処理廃棄物の受入重量および受入比率に関する中間処理場受入情報を管理センター4に送信する(S26)。中間処理場受入情報の入力および送信処理は、1日の受入処理および受入比率の算出が完了してから行うこともできるし、複数の日にちの受入処理および受入比率の算出が完了し後、日にち単位でまとめて送信することもできる。
【0044】
なお、
図7において、搬出情報取得工程から得られる処理品目ごとの各排出事業者から搬出された処理廃棄物の重量の合計と、仕分け情報取得工程で得られる処理品目ごとの仕分け後の重量は、原則的に一致する。たとえば、1月11日における中間処理場1の受入量は、A社からの分が50.0t、B社からの分が30.0t、C社からの分が20.0tで合計が100tであり、1月1日における中間処理場1の受入量は、100.0tである。ただし、各排出事業者から搬出された処理廃棄物の重量の合計と、仕分け情報取得工程で得られる処理品目ごとの仕分け後の重量が一致しない場合には、適宜、処理品目ごとに搬出量と仕分け量との比で表される修正係数を設定することができる。この修正係数を設定する場合でも、受入比率が変更されることはない。仮に、搬出量が110.0tであって、仕分け量が100.0tであった場合には、修正係数を0.91と設定する。
【0045】
続いて、中間処理場1における中間処理を行う(S27)。中間処理の具体的な内容としては、処理廃棄物の種類ごとに定められた中間処理係数(減量率)を達成するように減量処理を行う。本実施形態では、各処理廃棄物について、
図7(b)に示す減量率が定められている。これらの減量率は、過去の実績に基づいて予め決定されている数値である。減量率は、適宜のタイミングで随時更新する。
【0046】
各仕分け処理廃棄物の減量率として、可燃物について0.4であり、その他の木くず、金属、廃プラについては1.0である。可燃物の減量処理は焼却処理であることから重量減少が生じ、その減量率は0.4となる。また、木くず、金属、廃プラに対する減量処理は、粉砕などであり、重量減少がないことから減量率が1となる。
【0047】
こうして中間処理が済んだら、中間処理終了後の各仕分け処理廃棄物の重量および重量比率を求める(S28)。
図7(c)に、中間処理後の各仕分け処理廃棄物の重量および重量比率の例を示している。
図7(c)に示す例では、1月11日受入分の可燃物のうち、A社から受け入れた分が20.0tで50%、B社から受け入れた分が12.0tで30%、C社から受け入れた分が8.0tで20%となっている。このときの重量比率は、処理廃棄物を受け入れたときと同一とされている。また、他の木くず、金属、廃プラについては、受け入れたときの重量および受入比率と同一の重量および重量比率となっている。
【0048】
中間処理後の仕分け処理廃棄物の重量および重量比率を算出したら、算出した仕分け処理廃棄物の重量および重量比率を処理廃棄物の種類ごとに管理端末に入力する。また、中間処理場1では、仕分け処理廃棄物の減量率を中間処理情報として管理センター4に送信する(S29)。そして、仕分け処理廃棄物をその種類ごとに分けてトラックTに積み込み、それぞれ対応する最終処分場3A,3B…に向けて搬出する(S30)。こうして、中間処理場1における処理が終了する。
【0049】
中間処理場1から搬出された仕分け処理廃棄物は、2次運搬として最終処分場3に搬送される。続いて、最終処分場における処理について説明する。
図4に示すように、最終処分場3A,3B…においては、中間処理場1から搬送されてきた仕分け処理廃棄物の受入処理を行う(S31)。受入作業では、仕分け処理廃棄物を受け入れた受入日およびその受入重量を取得する。最終処分場3A,3B…では、受入作業の際、仕分け処理廃棄物の受入日および受入重量を管理端末に入力し、管理センター4に送信する。
【0050】
それから、受け入れた仕分け処理廃棄物の最終処分を行う(S32)。最終処分の方法は、各最終処分場3A,3B…ごとに異なる。続いて、最終処分が完了した仕分け処理廃棄物の最終処分量である最終処分重量を取得し(S33)、最終処分重量情報として管理端末に入力して管理センター4に送信する(S34)。こうして、最終処分場3A,3B…における処理が終了する。
【0051】
続いて、管理センター4における処理について説明する。管理センター4では、排出事業者2から送信されたマニフェスト情報を受信し(S41)、次に、中間処理場1から送信される処理廃棄物ごとの受入重量および受入比率が含まれる中間処理場受入情報を受信する(S42)。続いて、中間処理後における仕分け処理廃棄物ごとの重量および重量比率が含まれる中間処理後情報を受信し(S43)。さらには最終処分場3A,3B…から送信される最終処分重量情報を受信する(S44)。
【0052】
それから、管理センター4では、ステップS42〜ステップS44で受信した中間処理場受入情報、中間処理後情報、および最終処分重量情報に基づいて、排出事業者2における処理品目ごとの処理完了情報を算出して取得する(S45)。その具体的な手順について、仕分け処理廃棄物が可燃物である場合について説明する。
【0053】
たとえば、
図8(a)に示すように、1月12日における可燃物の最終処分重量として、24.0tという最終処分重量情報が最終処分場3Aから送信された場合、中間処理場1から送信された中間処理後情報に含まれる受入比率に基づいて、排出事業者から搬出された可燃物のうちの最終処分重量を算出する。具体的に、A社から搬出された可燃物の受入比率は、全体の50%であるので、24.0tの50%に相当する12.0tの最終処分が完了したと算出される。
【0054】
12.0tの最終処分重量は、中間処理場1において中間処理された結果、中間処理係数に相当する割合分を減少させられた重量である。このため、算出された最終処分重量を中間処理係数(=減量率)で除することにより、A社から搬出された可燃物のうち、最終処分が完了した重量が換算される。A社から搬出された可燃物のうち、最終処分が完了した重量は、最終処分重量である12.0tを中間処理係数である0.4で除した値である30.0tとなる(S45)。
【0055】
同様に、B社から搬出された可燃物は、24.0tの30%に相当する7.2tを0.4で除した18.0tの最終処分が完了したと算出される。また、C社から搬出された可燃物は、24.0tの20%に相当する4.8tを0.4で除した12.0tの最終処分が完了したと算出される。
【0056】
管理センター4では、算出した処理品目ごとに最終処分が完了した最終処分重量と、中間処理場1から送信された排出事業者2のマニフェスト情報とを比較し、排出事業者2から排出された処理廃棄物のうち、処理品目ごとの最終処分が完了した重量を確認する(S46)。上記の例に沿ってA社における可燃物のうち、最終処分が完了した重量について説明すると、A社から搬出された可燃物のうち、最終処分が完了した重量は、30.0tであるので、
図6(a)に示すマニフェストNO1〜5までの可燃物の最終処分が完了したことになる。
【0057】
本実施形態においては、各排出事業者から排出された処理廃棄物の重量の合計と、仕分け情報工程で得られる処理品目ごとの仕分け後の重量とが一致しているが、両者が一致しない場合には処理品目ごとに設定した排出量と仕分け量の比で表される修正係数で除すことが必要となる。このように、仕分け情報工程で得られる処理品目ごとの仕分け後の重量とが一致しない場合でも受入比率は変更しない。仮に、搬出量が110.0tであって、仕分け量が100.0tであった場合には修正係数が0.91と設定されるが、この場合、修正係数0.91で除して最終処分が完了した重量を算出する必要がある。
【0058】
また、可燃物のほかの木くず、金属、廃プラについても同様の処理を行う。
図8(a)に示すように、1月12日における木くず、金属、廃プラ最終処分重量として、20.0t、10.0t、15.0tという最終処分重量情報が最終処分場3B…から送信された場合、中間処理場1から送信された中間処理後情報に含まれる受入比率に基づいて、排出事業者から搬出された可燃物のうちの最終処分重量を算出する。
【0059】
具体的には、A社から搬出された処理廃棄物のうち、木くずについては、最終処分重量が20.0t、受入比率が43%であるので、8.6tの最終処分が完了したと算出される。また、金属の場合、最終処分重量が10.0t、受入比率が50%であるので、5.0tの最終処分が完了したと算出される。さらに、廃プラの場合、最終処分重量が15.0t、受入比率が56%であるので、8.6tの最終処分が完了したと算出される。
【0060】
また、木くず、金属、廃プラの中間処理場1における中間処理前後の減量率である中間処理係数は1である。このため、A社から搬出された木くず、金属、廃プラの最終処分が完了した重量を換算すると、その重量は、それぞれ8.6t、5.0t、8.3tと算出される(S45)。
【0061】
管理センター4では、算出した処理品目ごとに最終処分が完了した最終処分重量と、中間処理場1から送信された排出事業者2のマニフェスト情報とを比較し、排出事業者2から排出された処理廃棄物のうち、処理品目ごとの最終処分が完了した重量を確認する。上記の例では、A社から排出された処理廃棄物である木くず、金属、廃プラのうち、最終処分が完了した重量は、それぞれ8.6t、5.0t、8.3tである。このため、
図6(a)に示すマニフェストでは、木くずについては、マニフェストNO1〜6の分までの最終処分が完了したこととなる。また、金属については、マニフェストNO1〜4の分までの最終処分が完了したこととなり、廃プラについてはマニフェストNO1〜5の分までの最終処分が完了したこととなる。
【0062】
さらに、管理センター4では、処理品目ごとに最終処分が完了した分の重量に基づいて、搬出元から搬出された処理廃棄物の最終処分が、「所定ユニット単位」で完了したか否かの判断である最終処分判定を行う(S47)。たとえば最終処分場3,3A,3B…から送信される1月12日の最終処分重量情報に基づく判断により、
図6(a)に示す例において、最終処分判定では、マニフェストNO1〜4に対応するトラック単位の処理廃棄物の最終処分が完了したと判定する。一方、マニフェストNO5に対応するトラック単位の処理廃棄物については、金属について最終処分が完了していないので最終処分判定では最終処分が完了していないと判定する。同様に、マニフェストNO6に対応するトラック単位の処理廃棄物についても、最終処分が完了していないと判定する。
【0063】
管理センター4では、処理品目ごとの最終処分が完了した重量を搬出元処理廃棄物最終処分判定結果情報として排出事業者2に送信する(S48)。こうして、管理センター4における処理を終了する。排出事業者では、1月12日における可燃物の最終処分により、1月11日に搬出された可燃物のうち、マニフェストNO1〜5の分までの最終処分が完了したことを認識できる。以後、同様の処理を繰り返す。
【0064】
以後、管理センター4では、同様の処理を繰り返して、日ごとにA社から搬送された可燃物の最終処分が完了したと判定すると、管理センター4は、排出事業者2に対して最終処分完了情報を送信する。また、可燃物以外の木くず、金属、廃プラについても同様の処理を行って、最終処分完了情報をA社における排出事業者2に送信する。
【0065】
このように、本実施形態に係る処理廃棄物の管理システムにおいては、最終処分場3A,3B…における最終処分重量および中間処理場1が受け入れた処理廃棄物の受入比率に基づいて、排出事業者2から搬入された処理廃棄物の処理品目ごとの日にち単位における処理完了情報を取得する。このため、中間処理場1において受入比率に関する情報の入力を行い、最終処分場3A,3B…で最終処分の完了情報を入力することにより、マニフェストに記載された処理品目に関する日にち単位の処理管理情報を算出することができる。したがって、中間処理場1や最終処分場3A,3B…などの各処理事業者における廃棄物処理の管理負担を軽減するとともに、排出事業者における廃棄物の処理終了の確認を効率的に行うことができる。
【0066】
また、中間処理場1から送信される受入比率などの情報や最終処分場3A,3B…から送信される最終処分完了情報等を受信し、処理完了情報を取得する工程を管理センター4で行っている。このため、中間処理場1や最終処分場3A,3B…から発生する情報の管理を管理センター4で一括的に行うことができる。その結果、各処理事業者における廃棄物処理の管理負担をさらに軽減するとともに、排出事業者における廃棄物の処理終了の確認を効率的に行うことができる。
【0067】
なお、本実施形態では管理センター4を独立した位置づけとしたが、管理センター4の役割を排出事業者2、または中間処理場1が担ってもよい。あるいは、最終処分場3が管理センター4の役割を担ってもよい。
【0068】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る処理廃棄物の管理方法は、上記第1の実施形態と同様の施設によって行われるため、その説明は省略する。また、中間処理場1、排出事業者2、および最終処分場3A,3B…において行われる処理も上記第1の実施形態と同様である。第2実施形態では、排出事業者2で作成されるマニフェストの態様が異なっている。本実施形態として、排出事業者2で作成されるマニフェストの相違に基づく処理の相違点について主に説明する。
【0069】
本実施形態において、排出事業者2から中間処理場1に搬送されるマニフェストには、1日分の排出量合計が記載されており、処理品目ごとの重量は記載されていない。ただし、5日分の各処理品目の重量比率が記載されたマニフェストが5日ごとに排出事業者2から中間処理場1に送信される。中間処理場1では、5日ごとに送信されるマニフェストを受け取った後、過去5日分の処理廃棄物について、その重量および重量比率を算出する。
【0070】
第2の実施形態に係るマニフェストの例を
図9に示す。
図9中、(a)は、A社で作成されたマニフェストの例を示す図、(b)は、B社で作成されたマニフェストの例を示す図、(c)は、C社で作成されたマニフェストの例を示す図である。
図9(a)に示すように、本実施形態では、排出事業者2において、処理廃棄物の量(重量)を計量するにあたり、日にち単位では、処理品目ごとの分類を行うことなく総重量を計量するとともに、5日単位で処理品目ごとの重量を計量する。
【0071】
次に、5日単位で計量した処理品目ごとの重量に基づく重量比率を求め、この重量比率で各日における処理品目の重量を推定している。
図9(a)に示す例では、1月21〜25日までの処理品目の重量比率は、「可燃物」が50.0%、「木くず」が15.0%、「金属」が10.0%、「廃プラ」が25.0%と算出されている。各日における処理品目ごとの重量は、この重量比率を用いて算出する。
【0072】
具体的に、1月21日における「可燃物」の重量は、1月21日の排出量100.0tに、重量比率50.0%を乗じて50.0tと算出する。同様に、「木くず」の重量は、100.0tに15.0%を乗じて15.0tと算出し、「金属」の重量は、100.0tに10.0%を乗じて10.0tと算出する。また、「廃プラ」の重量は、100.0tに25.0%を乗じて25.0tと算出する。これらの算出値を各処理品目ごとの重量の推定値として用いる。
【0073】
図9(b)に示されるマニフェストには、B社において、上記A社の手順と同様にして推定された処理品目ごとの重量が記載されている。さらに、
図9(c)には、C社において、上記A社の手順と同様にして推定された処理品目ごとの重量が記載されている。
図9(d)には、これらのA社〜C社から搬出される処理廃棄物の総排出量および処理品目ごとの排出量を示している。
【0074】
中間処理場1では、A社〜C社から搬出された処理廃棄物の処理品目ごとの重量を算出したら、
図10(a)に示すように、各受入日における処理廃棄物の受入重量および受入比率を算出する。その後は、
図10(a)に示す受入量および
図10(b)に示す減量率に基づいて中間処理後の各仕分け処理廃棄物の重量および比率を算出し、処理品目ごとに最終処分場3A,3B…に搬出する。
【0075】
最終処分場3A,3B…では、上記第1の実施形態と同様の処理を行い、
図11(a)に示す最終処分を行った日ごとの最終処分重量を求める。さらには、この最終処分重量および中間処理係数を用いて、
図11(b)に示す処理品目ごとの実最終処分重量を求める。以後は、中間処理場1および管理センター4において、上記第1の実施形態と同様の手順の処理を行い、最終的に排出事業者2に対して処理完了情報を送信する。
【0076】
以下に、管理センター4における処理について説明する。管理センター4では、中間処理場1から送信された中間処理後情報および最終処分場3A,3B…から送信された最終処分重量情報に基づいて、排出事業者2における処理品目ごとの処理完了情報を算出して取得する。
【0077】
たとえば、
図11(a)に示すように、1月22日における可燃物の最終処分重量として、24.0tという最終処分重量情報が最終処分場3Aから送信された場合、中間処理場1から送信された中間処理後情報に含まれる受入比率に基づいて、排出事業者から搬出された可燃物のうちの最終処分重量を算出する。具体的に、A社から搬出された可燃物の受入比率は、全体の55.6%であるので、24.0tの55.6%に相当する13.3tの最終処分が完了したと算出される。
【0078】
また、可燃物の中間処理場1における中間処理前後の減量率である中間処理係数は0.4である。このため、
図11(b)に示すように、A社から搬出された可燃物の最終処分が完了した重量を算出すると、最終処分重量である13.3tを中間処理係数である0.4で除した値である33.3tとなる。
【0079】
同様に、B社から搬出された可燃物は、24.0tの26.7%に相当する6.4tを0.4で除した16.0tの最終処分が完了したと算出される。また、C社から搬出された可燃物は、24.0tの17.8%に相当する4.3tを0.4で除した10.7tの最終処分が完了したと算出される。
【0080】
また、可燃物のほかの木くず、金属、廃プラについても同様の処理を行う。
図11(a)に示すように、1月22日における木くず、金属、廃プラ最終処分重量として、20.0t、10.0t、15.0tという最終処分重量情報が最終処分場3B…から送信された場合、中間処理場1から送信された中間処理後情報に含まれる受入比率に基づいて、排出事業者から搬出された可燃物のうちの最終処分重量を算出する。
【0081】
具体的には、A社から搬出された処理廃棄物のうち、木くずについては、最終処分重量が20.0t、受入比率が34.9%であるので、7.0tの最終処分が完了したと算出される。また、金属の場合、最終処分重量が10.0t、受入比率が38.5%であるので、3.8tの最終処分が完了したと算出される。さらに、廃プラの場合、最終処分重量が15.0t、受入比率が61%であるので、9.1tの最終処分が完了したと算出される。
【0082】
また、木くず、金属、廃プラの中間処理場1における中間処理前後の減量率である中間処理係数は1である。このため、A社から搬出された木くず、金属、廃プラの最終処分が完了した重量を換算すると、その重量は、それぞれ7.0t、3.8t、9.1tと算出される(S45)。
【0083】
管理センター4では、算出した処理品目ごとに最終処分が完了した最終処分重量と、中間処理場1から送信された排出事業者2のマニフェスト情報とを比較し、排出事業者2から排出された処理廃棄物のうち、処理品目ごとの最終処分が完了した重量を確認する。上記の例では、A社から排出された処理廃棄物である可燃物、木くず、金属、廃プラのうち、最終処分が完了した重量は、それぞれ33.3t、7.0t、3.8t、9.1tである。このため、
図9(a)に示すマニフェストでは、1月21日に搬出された分については、いずれの品目の処理も終了していないことが確認される。
【0084】
その後、管理センター4では、算出した処理品目ごとに最終処分が完了した最終処分重量と、中間処理場1から送信された排出事業者2のマニフェスト情報とを比較し、排出事業者2から排出された処理廃棄物のうち、処理品目ごとの最終処分が完了した重量を確認する。上記の例では、A社から排出された処理廃棄物である可燃物、木くず、金属、廃プラのうち、最終処分が完了した重量は、それぞれ33.3t、7.0t、3.8t、9.1tであり、1月21日に搬出された分については、いずれの品目の処理も終了していないこととなる。
【0085】
さらに、管理センター4では、処理品目ごとに最終処分が完了した分の重量に基づいて、搬出元から搬出された処理廃棄物の最終処分が、「所定ユニット単位」で完了したか否かの判断である最終処分判定を行う。たとえば最終処分場3,3A,3B…から送信される1月12日の最終処分重量情報に基づく判断により、
図9(a)に示す例において、最終処分判定では、1月21日に搬出された処理廃棄物の最終処分が完了していないと判定する。
【0086】
続いて、管理センター4では、同様の処理を繰り返して、日ごとにA社から搬送された可燃物、木くず、金属、廃プラの最終処分が完了したか否かの判断を行う。ここで、
図11(a)に示すように、1月23日における可燃物、木くず、金属、廃プラ最終処分重量として、36.0t、15.0t、10.0t、15.0tという最終処分重量情報が最終処分場3A,3B…から送信された場合、中間処理場1から送信された中間処理後情報に含まれる受入比率に基づいて、排出事業者から搬出された可燃物のうちの最終処分重量を算出する。
【0087】
具体的には、A社から搬出された処理廃棄物のうち、可燃物については、最終処分重量が36.0t、受入比率が55.6%であるので、20.0tの最終処分が完了したと算出される。同様に、木くずについては、最終処分重量が15.0t、受入比率が34.9%であるので、5.2tの最終処分が完了したと算出される。また、金属の場合、最終処分重量が10.0t、受入比率が38.5%であるので、3.8tの最終処分が完了したと算出される。さらに、廃プラの場合、最終処分重量が15.0t、受入比率が61%であるので、9.1tの最終処分が完了したと算出される。
【0088】
また、可燃物の中間処理場1における中間処理前後の減量率である中間処理係数は0.4、木くず、金属、廃プラの中間処理係数は1である。このため、A社から搬出された可燃物、木くず、金属、廃プラの最終処分が完了した重量を換算すると、その重量は、それぞれ20.0t、5.2t、3.8t、9.1tと算出される。
【0089】
管理センター4では、算出した処理品目ごとに最終処分が完了した最終処分重量と、中間処理場1から送信された排出事業者2のマニフェスト情報とを比較し、排出事業者2から排出された処理廃棄物のうち、処理品目ごとの最終処分が完了した重量を確認する。上記の例では、A社から排出された処理廃棄物である可燃物、木くず、金属、廃プラのうち、最終処分が完了した重量は、それぞれ50.0t、5.2t、3.8t、9.1tである。このため、1月23日までに最終処分が完了した処理品目ごとの重量は累計して、可燃物、木くず、金属、廃プラでそれぞれ83.3t、12.2t、7.6t、18.2tとなる。この場合、
図9(a)に示すマニフェストでは1月21日排出分の可燃物の最終処分が完了したことになる。しかし、木くず他の最終処理が完了していないことから、同様に、
図9(a)に示す1月21日に対応するマニフェストの処理は完了していないと判定する。
【0090】
同様にして、1月24日に最終処分場3A,3B…から送信された最終処分重量情報と受入比率とから算出される処理品目ごとの最終処分が完了した重量は、可燃物、木くず、金属、廃プラについてそれぞれ38.9t、8.7t、3.8t、12.2tである。このため、1月24日までに最終処分が完了した処理品目ごとの重量は累計して、可燃物、木くず、金属、廃プラでそれぞれ122.2t、20.9t、11.4t、30.4tとなる。この場合、
図9(a)に示すマニフェストでは1月21日に搬出された全ての処理品目の最終処分が完了したことになる。したがって、「所定ユニット単位」としての1月21日に対応する日にち単位のマニフェストの処理が完了したと判定する。以後、同様の処理を繰り返す。
【0091】
このように、本実施形態に係る処理廃棄物の管理方法においては、排出事業者2において各日に処理品目ごとの重量を計量することなく、5日単位で計量を行っている。このため、計量の手間を省くことができる。この場合、5日分の計量に基づいて各日における処理品目ごとの重量を推定している。したがって、各日の処理品目ごとの重量についても、精度よく推定することができる。
【0092】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態においては、管理施設として管理センター4を設けているが、中間処理場1を管理施設とすることもできる。あるいは、最終処分場や排出事業者を管理施設とすることもできる。
【0093】
また、上記実施形態では、所定ユニット単位を時間的単位である日にち単位としているが、日にち単位以外の時間的単位、たとえば2日や3日などの複数の日数、午前午後、8時〜14時14時〜18時などの時間単位とすることもできる。あるいは、日にち以外の単位とすることもできる。
【0094】
さらに、上記実施形態では、管理を行う排出事業者がA社のみであるが、複数の排出事業者を対象として管理を行うこともできる。また、第1処理施設および第2処理施設についても中間処理場1や最終処分場3A,3B…以外の施設とすることもできる。さらに、上記実施形態では、管理する量を重量としているが、重量以外の、たとえば容積を管理する量とすることもできる。