(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973876
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】物干竿等の支持装置
(51)【国際特許分類】
D06F 57/12 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
D06F57/12 Q
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-240963(P2012-240963)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-90735(P2014-90735A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148070
【氏名又は名称】株式会社川口技研
(72)【発明者】
【氏名】日向野 健
【審査官】
村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−307231(JP,A)
【文献】
特開2012−000282(JP,A)
【文献】
特開2005−279191(JP,A)
【文献】
実開平06−010532(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒天等の被取付体に固定される支持具に支柱を取り付け、支柱の下部に物干竿等を掛ける掛具を設けてあり、支柱は、外筒と内軸を有し、外筒に対して内軸を上下移動かつ回動可能に設けて、内軸に取り付けた掛具の高さが調整可能である物干竿等の支持装置において、内軸においては、外周に一段低くなって上下方向に伸びる溝状の制限溝を設けると共に、その上部には、制限溝の略中央から外方に付勢された係合具を突出・没入可能に設けて成り、外筒においては、内周に上下方向に伸びて突出し制限溝より小さい幅寸法の突条を設け、突条には、幅方向の一側に偏った位置に内外に貫通する係止孔を上下方向に間隔をおいて複数設け、係止孔が設けられていない幅方向の他側内周面を摺動面とし、突条が制限溝内に位置するように内軸を外筒に挿入して組み立て、係合具が付勢されて係止孔のいずれかに選択的に係合し得るように成し、内軸は、突条が制限溝の中で相対的に回動できる範囲内で、外筒に対して回動可能であって、制限溝の一端縁が突条の一端縁に当接した状態では、係合具は、係止孔が上下方向に設けられている位置で上下に移動できるよう案内され、係合具が係止孔に係合している状態から上方に移動すると、係合具は係止孔から外れて内軸は回動可能となり、内軸を回動して、制限溝の他端縁を突条の他端縁に当接させると、係合具は、摺動面に接触した状態で上下に移動できるよう案内される構成としたことを特徴とする物干竿等の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒天等の被取付体に取り付けて物干竿等を支持する支持装置であって、支柱の内軸に取り付けた掛具の高さを調整可能に構成した物干竿等の支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、外筒に対して内軸を上下移動可能に設けられて、内軸に取り付けた掛具の高さが調整可能である物干竿等の支持装置は種々の発明が提案されており、例えば、特開2005−279191号発明(従来例)においては、内ポール(内軸)に設けた前後方向に移動可能な突出片(係止ピン)を設けて、外ポール(外筒)に設けた複数の係合孔(係止孔)に選択的に係合させ得るように成し、内ポール(内軸)に取り付けた竿掛けアーム(掛具)の高さを調整可能としたものであり、内ポール(内軸)を持ち上げて、突出片(係止ピン)を外ポール(外筒)の係合孔(係止孔)から抜脱し、回動してから上下に移動することによって、竿掛けアーム(掛具)の高さを調整するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−279191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例においては、内ポール(内軸)を持ち上げて回動する際に、その回動する角度が規制されていないため、次の係合孔(係止孔)に係合させる操作が極めて難しいという問題や、上下に移動させる時に、同じ経路を摺動するとそこだけが磨り減って外ポール(外筒)の強度が低下してしまうという問題があり、本発明は、これらの問題を解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためのもので、軒天等の被取付体に固定される支持具に支柱を取り付け、支柱の下部に物干竿等を掛ける掛具を設けてあり、支柱は、外筒と内軸を有し、外筒に対して内軸を上下移動かつ回動可能に設けて、内軸に取り付けた掛具の高さが調整可能である物干竿等の支持装置において、内軸においては、外周に一段低くなって上下方向に伸びる溝状の制限溝を設けると共に、その上部には、制限溝の略中央から外方に付勢された係合具を突出・没入可能に設けて成り、外筒においては、内周に上下方向に伸びて突出し制限溝より小さい幅寸法の突条を設け、突条には、幅方向の一側に偏った位置に内外に貫通する係止孔を上下方向に間隔をおいて複数設け、係止孔が設けられていない幅方向の他側内周面を摺動面とし、突条が制限溝内に位置するように内軸を外筒に挿入して組み立て、係合具が付勢されて係止孔のいずれかに選択的に係合し得るように成し、内軸は、突条が制限溝の中で相対的に回動できる範囲内で、外筒に対して回動可能であって、制限溝の一端縁が突条の一端縁に当接した状態では、係合具は、係止孔が上下方向に設けられている位置で上下に移動できるよう案内され、係合具が係止孔に係合している状態から上方に移動すると、係合具は係止孔から外れて内軸は回動可能となり、内軸を回動して、制限溝の他端縁を突条の他端縁に当接させると、係合具は、摺動面に接触した状態で上下に移動できるよう案内される構成としたことを特徴とする物干竿等の支持装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、突条は制限溝の範囲内で相対的に回動可能であって、制限溝の一端縁が突条の一端縁に当接した状態では、係合具は、係止孔が上下方向に設けられている位置で上下に移動できるよう案内され、制限溝の他端縁が突条の他端縁に当接した状態では、係合具は、摺動面に接触した状態で上下に移動できるよう案内される構成としたので、係合具を係止孔に係合させる操作が容易で、内軸を簡単に上下調整することができるという効果と、内軸を上下に摺動する際には、係合具は肉厚が厚くなっている突条の摺動面を上下に摺動するようになっているので、その摺動面が磨り減ったとしても外筒の強度が大きく低下することがなく、長期の使用に耐えられるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】
図3の状態から、内軸を上方に移動させた状態の縦断面図である。
【
図6】
図5の状態から、内軸を上方に移動させた状態の断面図である。
【
図7】
図6の状態から、内軸を回動させた状態の断面図である。
【
図9】正面側から見た保持具及び内軸の上部の斜視図である。
【
図10】裏面側から見た保持具及び内軸の上部の斜視図である。
【
図13】
図12の状態から、内軸を回動させた状態の断面図である。
【
図14】内軸を下方に移動させていく過程を示す縦断面図である。
【
図15】内軸を下方に移動させていく過程を示す縦断面図で、
図14よりさらに下方へ移動させ、内軸が下方へ移動しつつ回動させられ始めている状態の縦断面図である。
【
図16】内軸を下方に移動させていく過程を示す縦断面図で、
図15よりさらに下方へ移動させた状態で、内軸が下方へ移動しつつ回動させられて、係合具が最下方の係止孔に係合した状態(ここには図示されていない)の縦断面図である。
【実施例1】
【0008】
本実施例の物干竿等の支持装置は、軒天に取り付けられる支持具1に、支柱2の上端を取り付け、支柱2の下端には、物干竿を掛ける複数の竿受部18・・・18を設けた掛具5を取り付けてある。
【0009】
支柱2は、上部の外筒3と下部の内軸4とから成り、外筒3は、横断面形状が略円形パイプ状で、内周には、内方向に突出する断面略台形状の突条8が上下方向に伸びて設けられ、外周には、突条8に対応する位置に凹溝状の隠し溝9が幅方向の一側に偏って上下方向に伸びて設けられている。さらに、隠し溝9には、間隔をおいて複数の縦長方形状の係止孔11・・・11を内外に貫通するように設けてある。そして、突条8には、係止孔11・・・11が設けられていない幅方向の他側内周面を上下方向に伸びる摺動面10としてある。また、外筒3の下部で、突条8と反対の内周面には、内方に突出する略円形の突起17を設けてある。
【0010】
内軸4は、横断面形状が略円形パイプ状で、外周におよそ60度に亘って一段低くなって上下方向に伸びる溝状の制限溝7を設け、さらに、その反対側におよそ40度に亘って一段低くなって上下方向に伸びる溝状の逃げ溝19を設けてある。また、内軸4には、制限溝7の幅方向の中央に、上端部から縦長に切り欠かれた切欠部27を、逃げ溝19の幅方向ほぼいっぱいに、上端部から縦長に切り欠かれた切欠部28を設けてある。そして、内軸4の上部には、保持具6の一部を内部に挿入して固定してある。
【0011】
保持具6は、略円柱状の胴部21の上部に一段直径が大きい略円柱状の頭部20を設けて成るもので、胴部21には、縦長の収納溝22を設け、その裏側に上からの垂直線に傾斜線が続いている一段高く突出している案内部16を設けてある。収納溝22には、下端部に係合部24を設けてある板状の係合具12を、軸13で回動可能に、かつばね14で前方に付勢して、取り付けてある。また、頭部20には、内軸4と同様に制限溝及び逃げ溝を設けてあり、さらに横長の収納凹部23を設けて、そこに戻し具15を収納するようになっている。戻し具15は、略C字状の合成樹脂製のばねでその両端には、外方に突出している当接突起25・26を設けてあり、一方の当接突起25を収納凹部23の縁に当接させてある。
【0012】
保持具6は、戻し具15を収納凹部23に収納し、ばね14を入れてから係合具12を収納溝22に収納して軸13で支持させ、内軸4の上端部から、係合具12を切欠部27に、案内部16を切欠部28に対応させて挿入し、保持具6を内軸4の上部にねじ止めして取り付ける。この取付状態においては、保持具6の頭部20が内軸4の上部から突出し、案内部16が切欠部28から露出し、係合具12が切欠部27から突出している状態となっている。
【0013】
突条8が制限溝7内に位置するように、内軸4の下端を外筒3の上端から挿入し、上端部の係合具12を押し込んで引っ込ませて、外筒3の突条8に接触させるようにすると共に、戻し具15の他方の当接突起26を突条8の突出している縁に当接させて、内軸4とその上端の保持具6を外筒3の中に入れ込む。そして、外筒3の上端部に支持具1を取り付け、内軸4の下端部に掛具5を取り付ければ組立は完了する。
【0014】
図1及び
図2の状態、すなわち、係合具12の係合部24が一番上の係止孔11の下端縁に係合している状態(
図1、
図2、
図3及び
図5参照)から、掛具5を持って内軸4を上方へ移動させると、係合具12は、係止孔11の上端縁に当接してその斜面により、ばね14に抗して内方に回動し、係止孔11から外れる(
図4及び
図6参照)。なお、係合具12の係合部24が係止孔11の下端縁に係合している状態では、係合具12は隠し溝9から、突出することがないので(
図5参照)、使用中に誤って係合具12の先端を押して、その係合を外してしまう危険が少ない。
【0015】
その状態から、内軸4を左に回動すると、係合具12の先端が突条8の摺動面10に接触する状態となり(
図7参照)、その垂直線上には係止孔11・・・11がないので、上下に移動可能な状態となるので、適当な位置で内軸4を右に回動すると、係合具12の係合部24がその位置にある係止孔11と係合し、掛具5の高さ位置を変更することができる。内軸4を上下に移動させる時に、外方に付勢されている係合具12は、主に、突条8の摺動面10に接触している状態であるので、摺動面10が磨り減ったとしても、摺動面10は肉厚が厚く外筒3の強度が大きく低下することを回避することができる。また、内軸4を左に回動すると、戻し具15が変形し、その復元力で内軸4を戻そうとする力が働き、係合具12の先端が突条8の摺動面10に接触した状態のまま、内軸4に取り付けた掛具5が落下するのを防止するようになっている。
【0016】
なお、係合具12をより上の係止孔11に係合させる場合は、単に掛具5を持って内軸4を上方へ移動させるだけで、係合具12が引っ込んで次の係止孔11の位置に到達すると、ばね14の力でその係止孔11に係合することになる。
【0017】
また、係合具12の先端が突条8の摺動面10に接触している状態で、内軸4を下方に摺動していくと(
図14参照)、保持具6の案内部16が外筒3の突起17に接触し(
図15参照)、案内されて内軸4は回動し、さらに内軸4を下方に摺動していくと(
図16参照)、係合具12が最下部の係止孔11に係合するようになっており、内軸4が外筒3から抜けないようになっている。
【符号の説明】
【0018】
1 支持具
2 支柱
3 外筒
4 内軸
5 掛具
7 制限溝
8 突条
10 摺動面
11 係止孔
12 係合具