(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973915
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】回転型の医用マニホールド
(51)【国際特許分類】
A61M 39/22 20060101AFI20160809BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
A61M39/22 100
A61M5/14 510
【請求項の数】17
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-529115(P2012-529115)
(86)(22)【出願日】2010年9月18日
(65)【公表番号】特表2013-505035(P2013-505035A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】CN2010077084
(87)【国際公開番号】WO2011032514
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】12/562,996
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512069924
【氏名又は名称】ユナイテッド メディカル イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】United Medical Innovations,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ユンチン
(72)【発明者】
【氏名】リ,チュン
【審査官】
小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−243108(JP,A)
【文献】
特開昭49−109942(JP,A)
【文献】
特開昭62−268565(JP,A)
【文献】
特表2005−508224(JP,A)
【文献】
特表2006−519053(JP,A)
【文献】
特開2009−233154(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/155938(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0017328(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0171279(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00− 5/34,39/22
F16K 11/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心キャビティ、輸出ポート、第1液体ポート及び第2液体ポートを有するマニホールド本体と、
前記中心キャビティに摺動可能に嵌め込まれたバルブステムと、を備える装置であって、
前記バルブステムは、
注入ポートに接続される一つの中心縦方向延長液体通路と、
前記中心縦方向延長液体通路に交差し、前記バルブステムが第2回転位置に位置したとき、前記中心縦方向延長液体通路と前記輸出ポートとの間で液体伝送を行う第2垂直液体通路と、
前記中心縦方向延長液体通路に交差し、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポート及び前記第2液体ポートから選ばれた一つの液体ポートとの間で選択的に液体伝送を行い、前記バルブステムが第1回転位置に位置したとき、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポートとの間で液体伝送を行い、前記バルブステムが第3回転位置に位置したとき、前記中心縦方向延長液体通路と前記第2液体ポートとの間で液体伝送を行う第1垂直液体通路と、を備え、
前記バルブステムの近端部分は、前記バルブステムを前記中心キャビティ内で回転させ、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポート、前記第2液体ポート及び前記輸出ポート中の一つのポートとの間で液体伝送を行い、
前記マニホールド本体は圧力トランスデューサーポートを含み、前記圧力トランスデューサーポートは液体の流通過程で選択的に前記輸出ポートに接続され、前記圧力トランスデューサーポートは前記輸出ポート箇所の液体圧力を検出するように圧力トランスデューサーに接続され、
前記バルブステムは、トランスデューサー液体通路を含み、
前記トランスデューサー液体通路は、前記バルブステムの縁部に位置した半円形の溝を含む装置。
【請求項2】
前記マニホールド本体は、前記バルブステムを前記第1回転位置、第2回転位置又は第3回転位置に完全位置決めする自己バイアス装置を備え、
前記自己バイアス装置は、
それぞれに前記第1回転位置、前記第2回転位置及び前記第3回転位置に位置した複数のデテントキャビティと、
前記バルブステムが前記複数のデテントキャビティにおける一つのデテントキャビティ中に位置したとき、前記バルブステムの回転を阻止するデテントボールと、
前記デテントボールを前記複数のデテントキャビティにおける一つのデテントキャビティ中に押し込むデテントバイアス装置と、を備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バルブステムは階段型の柱体を含み、前記階段型の柱体は、前記輸出ポートに位置した第1円柱直径と、前記第1液体ポート及び前記第2液体ポートに位置した第2円柱直径と、を有する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記トランスデューサー液体通路は、前記圧力トランスデューサーが前記注入ポートからの液体圧力を受けることを抑制又は阻止するものである請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記輸出ポートに接続され、前記輸出ポート中の液体内の気泡を検出する気泡検出器をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記気泡検出器は、前記輸出ポート中の液体を突き通る光波の変化により、気泡を検出する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
中心キャビティ、輸出ポート、第1液体ポート及び第2液体ポートを有するマニホールド本体と、
前記中心キャビティに摺動可能に嵌め込まれたバルブシステムと、を備える装置であって、
前記バルブシステムは、
注入ポートに接続される回転弁体、静止弁体、バルブステム及び中心縦方向延長液体通路と、
前記中心縦方向延長液体通路に交差し、前記回転弁体が第2回転位置に位置したとき、前記中心縦方向延長液体通路と前記輸出ポートとの間で液体伝送を行う第2液体通路と、
前記中心縦方向延長液体通路に交差し、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポート及び前記第2液体ポートから選ばれた一つの液体ポートとの間で選択的に液体伝送を行い、前記回転弁体が第1回転位置に位置したとき、前記第1液体ポートと液体伝送を行い、前記回転弁体が第3回転位置に位置したとき、前記第2液体ポートと液体伝送を行う第1液体通路と、を備え、
前記回転弁体は、前記バルブステムに付着されるか、又は前記バルブステムと集積され、
前記バルブステムの近端部分は、前記回転弁体を前記中心キャビティ内で前記静止弁体に対して回転させ、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポート、前記第2液体ポート及び前記輸出ポート中の一つのポートとの間で選択的に液体伝送を行い、
前記マニホールド本体は圧力トランスデューサーポートを含み、前記圧力トランスデューサーポートは液体の流通過程で選択的に前記輸出ポートに接続され、前記圧力トランスデューサーポートは前記輸出ポート箇所の液体圧力を検出するように圧力トランスデューサーに接続され、前記回転弁体は、トランスデューサー液体通路を含み、
前記トランスデューサー液体通路は半円形の溝をさらに有し、前記回転弁体の上辺縁部に位置している装置。
【請求項8】
前記トランスデューサー液体通路は、前記圧力トランスデューサーが前記注入ポートからの液体圧力を受けることを抑制又は阻止するものである請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記回転弁体及び前記静止弁体は前記中心キャビティに収納され、前記回転弁体及び前記静止弁体は平行に設けられている請求項7に記載の装置。
【請求項10】
気泡検出器は前記輸出ポートに接続され、前記輸出ポート中の液体内の気泡を検出する請求項7に記載の装置。
【請求項11】
気泡検出器は前記輸出ポート中の液体を突き通る光波の変化により、気泡を検出する請求項7に記載の装置。
【請求項12】
一つの中心液体通路を有する中心回転バルブにより、注入ポート、第1液体ポート、第2液体ポートと患者端輸送ポートとの間を選択的に互いに接続させるマニホールドを備え、
前記第1液体ポートは造影剤供給源に接続され、
前記第2液体ポートは生理塩水供給源に接続され、
前記注入ポートは注入装置に接続され、
前記注入装置は、
前記回転バルブが第1回転位置に位置したとき、前記造影剤供給源から液体を抽出し、
前記回転バルブが第3回転位置に位置したとき、前記生理塩水供給源から液体を抽出し、
前記回転バルブが第2回転位置に位置したとき、前記患者端輸送ポートにより液体を輸出し、
前記マニホールドは圧力トランスデューサーポートを含み、前記圧力トランスデューサーポートは液体の流通過程で選択的に前記患者端輸送ポートに接続され、前記圧力トランスデューサーポートは前記患者端輸送ポート箇所の液体圧力を検出するように圧力トランスデューサーに接続され、
前記患者端輸送ポートは、前記回転バルブに備えられた半円形圧力通路により前記圧力トランスデューサーポートに接続される液体伝送システム。
【請求項13】
前記マニホールドに位置した圧力トランスデューサーポートに接続された圧力トランスデューサーをさらに備える請求項12に記載の液体伝送システム。
【請求項14】
前記中心回転バルブが前記第1回転位置及び前記第3回転位置のいずれか一つの回転位置に位置したとき、前記マニホールドが前記患者端輸送ポートと前記圧力トランスデューサーポートとの間を互いに接続するようにする請求項13に記載の液体伝送システム。
【請求項15】
前記患者端輸送ポートに接続された気泡検出器をさらに備える請求項12に記載の液体伝送システム。
【請求項16】
前記気泡検出器は前記患者端輸送ポート中の液体を突き通る光波の変化により、気泡を検出する請求項15に記載の液体伝送システム。
【請求項17】
前記造影剤供給源、前記生理塩水供給源及び前記注入装置の少なくとも一つを備える請求項12に記載の液体伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は医療機器分野に関し、特に患者端輸送装置により複数種類の液体を輸送する回転型の医用マニホールドに関する。
【0002】
〔背景技術〕
通常、医療処置は針、カテーテル又はある類似的な患者端輸送装置で複数種類の異なる液体を患者の体内に注射する必要がある。場合によって、ある医療処置は患者端輸送装置を切らずに、複数種類の液体が注射可能である点で役に立つ。このような上述の医療処置として血管造影法がある。なお、血管造影法は人体内部の血管及び器官が観察できる医学影像技術である。通常、血管造影法は血管の閉塞又は血管の狭窄に対して、特に患者の心臓中又は心臓周りの閉塞した血管又は狭窄な血管を検出する。なお、血管造影法はX線撮影技術付けの不透明造影媒質(通常、「造影剤」と称する)を患者の血液循環システムに輸入する必要がある。このような血管造影法において、患者体内の注目領域の周りに設けられたカテーテルを介して造影剤を患者の血管システムに注入することができる。一旦造影剤が供給されると、X線により血管が見えるように、このような造影剤を血液中に入れる。
【0003】
通常、造影剤は手動注射器及びそれに接続されたマニホールド装置によって注入され、ここでマニホールドはカテーテル、造影剤供給源及び生理食塩水供給源までの液体に対する接続通路を有している。したがって、線状コネクターを使用し、特にルアーテーパーのコネクターによってマニホールド、注射器及びカテーテルの間を接続する。
【0004】
一般的に用いられる医用マニホールドは液体供給源毎をマニホールドに接続するための複数の単独バルブを有する。例えば、代表的な血管造影術において、造影剤流、生理食塩水供給源及び患者端輸送装置にはそれぞれマニホールドの各接続端と接続される少なくとも一つのバルブを有する。なお、この処置は医者によって適切な順番に従って適切に各単独バルブをオン、オフする必要がある。
【0005】
〔先行技術文献〕
〔特許文献〕
<特許文献1> CN101313168A
【0006】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
ここで、本発明者は従来慣用されているマニホールドが一連の複雑なバルブ操作により例えば血管造影術などの通常の医療処置を完成する必要があることに意識した。同時に、本発明者は医療機器販売分野の医用マニホールドが多くの必要のない製造コスト及び生産原理を消費するとともに、通常医療処置で発生した医療廃料が増加していることに意識した。
【0007】
〔課題を解決するための手段〕
本発明の実施形態1に提供される装置は、マニホールド本体と、バルブステムと、選択可能な回転盤とを備える。なお、マニホールドは中心キャビティ、輸出ポート、第1液体ポート及び第2液体ポートを有する。バルブステムは、中心キャビティに摺動可能に嵌め込まれ、一つの中心縦方向延長液体通路と、第1垂直液体通路と、第2垂直液体通路とを有する。なお、中心縦方向延長液体通路は注入ポートに接続されている。バルブステムが
第2回転位置に位置したとき、第1垂直液体通路は中心縦方向延長液体通路に交差し、中心縦方向延長液体通路と前記輸出ポートとの間で選択的に液体伝送を行い、第2垂直液体通路は中心縦方向延長液体通路に交差し、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポート及び前記第2液体ポートから選ばれた一つの液体ポートとの間で選択的に液体伝送を行い、前記バルブステムが
第1回転位置に位置したとき、第2垂直液体通路は前記第1液体ポートと液体伝送を行い、前記バルブステムが前記第3回転位置に位置したとき、第2垂直液体通路は前記第2液体ポートと液体伝送を行う。そして、回転盤はバルブステムに接続され、このバルブステムを中心キャビティ内で選択的に回転させ、前記中心縦方向延長液体通路と前記第1液体ポート、前記第2液体ポート及び前記輸出ポート中の一つの液体ポートとの間で選択的に液体伝送を行う。
【0008】
本発明の実施形態2は、以下の装置を提供している。実施形態1に記載の装置中において、バルブステムを第1回転位置、第2回転位置又は第3回転位置に完全位置決めする自己バイアス装置を備えるマニホールド本体を提供している。自己バイアス装置は、それぞれに前記第1回転位置、前記第2回転位置及び前記第3回転位置に位置した複数のデテントキャビティと、前記バルブステムが前記複数のデテントキャビティにおける一つのデテントキャビティ中に位置したとき、前記バルブステムの回転を阻止するデテントボールと、前記デテントボールを前記複数のデテントキャビティにおける一つのデテントキャビティ中に押し込むデテントバイアス装置と、を備える。
【0009】
本発明の実施形態3は、以下の装置を提供している。実施形態1及び2中の一つの装置又は任意の組合装置中において、バルブステムは階段型の柱体を含み、前記階段型の柱体は、前記輸出ポートに位置した第1円柱直径と、前記第1液体ポート及び前記第2液体ポートに位置した第2円柱直径と、を有している。
【0010】
本発明の実施形態4は、以下の装置を提供している。実施形態1から3中の一つの装置又は任意の組合装置中において、マニホールド本体は圧力トランスデューサーポートを含み、前記圧力トランスデューサーポートは液体の流通過程で選択的に輸出ポートに接続され、前記圧力トランスデューサーポートは前記輸出ポート箇所の液体圧力を検出するように圧力トランスデューサーに接続され、前記バルブステムは、トランスデューサー液体通路を含む。
【0011】
本発明の実施形態5は、以下の装置を提供している。実施形態1から4中の一つの装置又は任意の組合装置中において、前記トランスデューサー液体通路は、前記バルブステムの縁部に位置した半円形の溝を含む。
【0012】
本発明の実施形態6は、以下の装置を提供している。実施形態1から5中の一つの装置又は任意の組合装置中において、前記トランスデューサー液体通路は、前記圧力トランスデューサーが注入ポートからの液体圧力を受けることを抑制又は阻止するものである。
【0013】
本発明の実施形態7は、以下の装置を提供している。実施形態1から6中の一つの装置又は任意の組合装置中において、前記バルブステムは、前記マニホールド本体の中心キャビティに摺動可能に嵌め込まれている。
【0014】
本発明の実施形態8は、以下の装置を提供している。実施形態1から7中の一つの装置又は任意の組合装置中において、輸出ポートに接続され、前記輸出ポート中の液体内の気泡を検出する気泡検出器をさらに備える。
【0015】
本発明の実施形態9は、以下の装置を提供している。実施形態1から8中の一つの装置又は任意の組合装置中において、前記気泡検出器は、前記輸出ポート中の液体を突き通る光波の変化により、気泡を検出する。
【0016】
本発明の実施形態10は装置を提供し、装置は、中心キャビティ、輸出ポート、第1液体ポート及び第2液体ポートを有するマニホールド本体と、前記中心キャビティに摺動可能に嵌め込まれたバルブシステムと、を備え、前記バルブシステムは、前記注入ポートに接続される回転弁体、静止弁体、バルブステム及び中心縦方向延長液体通路と、前記回転弁体が第2回転位置に位置したとき、中心縦方向延長液体通路に連通され、中心縦方向延長液体通路と輸出ポートとの間で選択的に液体伝送を行う第1垂直液体通路と、中心縦方向延長液体通路に連通し、中心縦方向延長液体通路と第1液体ポート及び第2液体ポートから選ばれた一つの液体ポートとの間で選択的に液体伝送を行い、回転弁体が
第1回転位置に位置したとき、第1液体ポートと液体伝送を行い、回転弁体が前記第3回転位置に位置したとき、前記第2液体ポートと液体伝送を行う第2垂直液体通路と、を備え、前記回転弁体は、前記バルブステムに付着されるか、又は前記バルブステムと集積され、バルブステムの近端部分は、回転弁体を中心キャビティ内で静止弁体に対して回転させ、中心縦方向延長液体通路と第1液体ポート、第2液体ポート及び輸出ポート中の一つのポートとの間で選択的に液体伝送を行う。
【0017】
本発明の実施形態11は、以下の装置を提供している。実施形態10に記載の装置中において、マニホールド本体は圧力トランスデューサーポートをさらに有し、回転弁体はトランスデューサー液体通路をさらに有している。
【0018】
本発明の実施形態12は、以下の装置を提供している。実施形態11に記載の装置中において、トランスデューサー液体通路は半円形の溝をさらに有し、回転弁体の上辺縁部に位置している。
【0019】
本発明の実施形態13は、以下の装置を提供している。実施形態11に記載の装置中において、マニホールド本体は圧力トランスデューサーポートを含み、前記圧力トランスデューサーポートは液体の流通過程で選択的に前記輸出ポートに接続され、前記圧力トランスデューサーポートは前記輸出ポート箇所の液体圧力を検出するように圧力トランスデューサーに接続され、前記回転弁体は、トランスデューサー液体通路を含む。
【0020】
本発明の実施形態14は、以下の装置を提供している。実施形態11に記載の装置中において、前記トランスデューサー液体通路は、前記圧力トランスデューサーが前記注入ポートからの液体圧力を受けることを抑制又は阻止するものである。
【0021】
本発明の実施形態15は、以下の装置を提供している。実施形態10に記載の装置中において、前記回転弁体及び前記静止弁体は前記中心キャビティに収納され、前記回転弁体及び前記静止弁体は平行に設けられている。
【0022】
本発明の実施形態16は、以下の装置を提供している。実施形態10に記載の装置中において、気泡検出器は前記輸出ポートに接続され、前記輸出ポート中の液体内の気泡を検出する。
【0023】
本発明の実施形態17は、以下の装置を提供している。実施形態10に記載の装置中において、
気泡検出器は前記輸出ポート中の液体を突き通る光波の変化により、気泡を検出する。
【0024】
本発明の実施形態18は、以下の液体伝送システムを提供している。該液体伝送システムは一つの中心液体通路を有する中心回転バルブにより、注入ポート、第1液体ポート、第2液体ポートと患者端輸送ポートとの間を選択的に互いに接続させるマニホールドを備え、前記第1液体ポートは造影剤供給源に結合され、前記第2液体ポートは生理塩水供給源に結合され、前記注入ポートは注入装置に結合され、前記注入装置は、前記回転バルブが第1回転位置に位置したとき、前記造影剤供給源から液体を抽出し、前記回転バルブが
第3回転位置に位置したとき、前記生理塩水供給源から液体を抽出し、前記回転バルブが
第2回転位置に位置したとき、前記患者端輸送ポートにより液体を輸出する。
【0025】
本発明の実施形態19は、以下の液体伝送システムを提供している。実施形態18に記載の液体伝送システム中において、前記マニホールドに位置した圧力トランスデューサーポートに接続された圧力トランスデューサーをさらに備える。
【0026】
本発明の実施形態20は、以下の液体伝送システムを提供している。実施形態18及び19中の一つの液体伝送システム又は任意の組合において、前記中心回転バルブが前記第1回転位置及び前記第2回転位置のいずれか一つの回転位置に位置したとき、前記マニホールドが前記患者端輸送ポートと前記圧力トランスデューサーポートとの間を互いに接続するようにする。
【0027】
本発明の実施形態21は、以下の液体伝送システムを提供している。実施形態18から20中の一つの液体伝送システム又は任意の組合において、前記患者端輸送ポートに接続された気泡検出器をさらに備える。
【0028】
本発明の実施形態22は、以下の液体伝送システムを提供している。実施形態18から21中の一つの液体伝送システム又は任意の組合において、前記気泡検出器は前記患者端輸送ポート中の液体を突き通る光波の変化により、気泡を検出する。
【0029】
本発明の実施形態23は、以下の液体伝送システムを提供している。実施形態18から22中の一つの液体伝送システム又は任意の組合において、前記造影剤供給源、前記生理塩水供給源及び前記注入装置の少なくとも一つを備える。
【0030】
本発明の実施形態24は、医療造影過程に回転型のマニホールドを使用する方法を提供し、以下の操作を含んでいる。中心回転バルブ、注入ポート、輸出ポート、第1液体ポート及び第2液体ポートを有する回転型のマニホールドを提供し、前記中心回転バルブは一つの中心縦方向延長液体通路を有し、前記中心縦方向延長液体通路は前記注入ポートに接続され、第1液体供給源を前記第1液体ポートに接続させ、第2液体供給源を前記第2液体ポートに接続させ、注射器を前記回転型のマニホールドの前記注入ポートに接続させ、患者端輸送装置を前記輸出ポートに接続させ、前記中心回転バルブの第1回転位置を選択し、前記第1回転位置は前記第1液体供給源と前記注射器とを互いに接続させ、液体を前記第1液体供給源から抽出して前記注射器に注入し、前記中心回転バルブの第2回転位置を選択し、前記第2回転位置は前記輸出ポートにより前記注射器と前記輸出ポートとを接続させ、前記第1液体供給源からの液体を、前記輸出ポートにより前記注射器から前記患者端輸送装置に注入し、前記中心回転バルブの第3回転位置を選択し、前記第3回転位置は前記注射器と前記第2液体供給源を互いに接続させ、液体を前記第2液体供給源から前記注射器に注入し、前記中心回転バルブの前記第2回転位置を選択し、前記第2液体供給源からの液体を、前記輸出ポートにより前記注射器から前記患者端輸送装置に注入する。
【0031】
本発明の実施形態25は、以下の方法を提供している。実施形態24に記載の方法において、前記中心回転バルブの第4回転位置を選択し、前記第4回転位置は前記患者端輸送装置の圧力を監視・制御するように輸出ポートを圧力トランスデューサーポートに接続させる。
【0032】
本発明の実施形態26は、以下の方法を提供している。実施形態24から25中の一つの方法又は任意の組合において、前記回転バルブの第2位置は前記輸出ポートから前記注入ポートと密封領域になっている。実施形態24から25中の一つの方法又は任意の組合において、前記第1回転位置と、前記第2回転位置と、前記第3回転位置との回転位置は90度を隔たっている。
【0033】
本発明の実施形態27は、以下の方法を提供している。実施形態24から26中の一つの方法又は任意の組合において、液体を注入するステップは、前記輸出ポートで気泡を検出することを含む。
【0034】
本発明の実施形態28は、以下の方法を提供している。実施形態24から27中の一つの方法又は任意の組合において、前記輸出ポートで気泡を検出するステップは、前記患者端輸送装置に注入された液体を突き通る光波の変化により、検出することを含む。
【0035】
上述の発明は本発明が保護を求める客体を提供したが、本発明に対して唯一又は全部の解釈を提供したことではない。以下の実施形態では、本発明に関するより多い情報を提供している。
【0036】
〔発明の効果〕
本発明者によれば、簡単なバルブ操作により実現でき、製造コストを低下し、医療廃料を少なくしたものが得られる。
【0037】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の図面において、同一の符号は各図面で類似する部材を標記するが、各部材は一定の比率に従って描かれたものではない。なお、異なる末数字付けの類似符号は類似する部材の異なる例の表示に用いられる。また、本発明は例を挙げることにより本発明の異なる実施形態を示しただけで、本発明を限定するものではない。
【0038】
<
図1>
本発明の実施形態における、回転型のマニホールドを用いて複数種類の液体を注入する構成図である。
【0039】
<
図2A>
本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【0040】
<
図2B>
本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【0041】
<
図2C>
本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【0042】
<
図2D>
本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【0043】
<
図3A>
回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【0044】
<
図3B>
回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【0045】
<
図3C>
回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【0046】
<
図3D>
回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【0047】
<
図4A>
本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0048】
<
図4B>
本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0049】
<
図4C>
本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0050】
<
図4D>
本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0051】
<
図5A>
本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0052】
<
図5B>
本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0053】
<
図5C>
本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0054】
<
図5D>
本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0055】
<
図5E>
本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【0056】
<
図6>
本発明の一実施形態における、液体中の気泡を検出する構成図である。
【0057】
<
図7A>
本発明の一実施形態における、気泡検出装置の構成図である。
【0058】
<
図7B>
本発明の一実施形態における、気泡検出装置の構成図である。
【0059】
<
図8>
本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドを使用する方法のフローチャートである。
【0060】
<
図9>
本発明の一実施形態における、液体中の気泡を検出する方法のフローチャートである。
【0061】
〔発明を実施するための形態〕
上記のように、血管造影法と類似する医療処置では、カテーテル又はそれに類似する装置によって各種の液体を患者の体内に注入する必要がある。また、標準的な医用マニホールドを用いる造影において、更に、複数種類のバルブを上手に取り扱う必要があり、異なる液体と患者の輸送装置との間で転換を繰り返す必要がある。しかし、後述の回転型のマニホールドは、液体供給源間の転換プロセスを簡略化することができ、圧力感知機能及び気泡検出機能のようなより多い機能を有することができる。
【0062】
本発明は回転型のマニホールドシステムの実施形態を開示している。
【0063】
図1は本発明の実施形態における、回転型のマニホールドシステム100を利用して複数種類の液体を注射する構成図である。なお、回転型のマニホールドシステム100は、回転型のマニホールド105と、注射器135と、造影剤供給源140と、生理食塩水供給源145と、患者端輸送装置(カテーテル)150とを含む。本実施形態において、回転型のマニホールド105は、注入ポート110と、第1液体ポート115と、第2液体ポート120と、輸出ポート125と回転盤130とを有する。いずれの実施形態において、このような回転型のマニホールドは圧力トランスデューサーポート155を更に有してもよい。ある実施形態において、回転型のマニホールドシステム100は圧力トランスデューサー160を更に有してもよいし、該圧力トランスデューサーは圧力トランスデューサーポート155に接続される。一実施形態において、この回転型のマニホールドシステム100は輸出ポート125に接続するか、又は輸出ポート125と共に集積された気泡検出器180を更に含んでもよい。なお、ある実施形態において、この造影剤供給源140と生理食塩水供給源145とは逆止め弁165、170を介して回転型のマニホールド105に接続されてもよい。
【0064】
一実施形態において、注射器135は注入ポート110を介して回転型のマニホールド105に接続されてもよい。ある実施形態において、この注射器135は手動式針管であり得る。注射器について、以下でさらに説明する。なお、注射器135は液体供給源(例えば、造影剤供給源140又は生理食塩水供給源145)から液体を抽出し、その後回転型のマニホールド105によって液体を患者端輸送装置150への注入に用いられる。なお、他の実施形態において、手動注射器を装置の一部とするか、又は装置の一部としていない動力注射器190をこの注射器135として使用してもよい。ある実施形態において、この動力注射器190はコンピュータコントローラー195を有し得る。なお、このコンピュータコントローラー195は回転型のマニホールド105のモーター付きバージョン(motorized version)を制御する。モーター付きの回転型マニホールド105を使用する実施形態において、回転盤130は回転型のマニホールド105内でバルブステムを移動する一つの標準ステッピングモーター(又は類似装置)を有することができ、回転型のマニホールド105を選択的に通ることにより異なる液体に対する連通特性の選択を実現する。なお、コンピュータコントローラー195は動力注射器190と協調して動作し、回転型のマニホールド105を適用する液体注入が自動化プロセスになるようにする。
【0065】
一実施形態において、第1液体ポート115を介して造影剤供給源140と回転型のマニホールド105を相互接続させることができる。また、いずれの実施形態において、逆止め弁165を介して造影剤供給源140と第1液体ポート115とを相互接続させることができる。同様に、第2液体ポート120を介して生理食塩水供給源145と回転型のマニホールド105とを相互接続させることもできる。また、ある実施形態において、逆止め弁170を介して生理食塩水供給源145と第2液体ポート120とを相互接続させることもできる。なお、逆止め弁165と逆止め弁170とは被動装置であり、これらの逆止め弁は回転型のマニホールド105から液体供給源容器に液体が逆流するのを防止するのに用いられるだけである。ここで、ある実施形態において、複数の液体供給源を第1液体ポート115(又は、第2液体ポート120)に接続することができる。これらの実施形態において、液体をこの注射器135に注入する際に必要な液体混合物を形成するように、複数の液体供給源を計測することができる。
【0066】
同時に、輸出ポート125を介して患者端輸送装置150を回転型のマニホールド105に接続させることができる。特定の実施形態において、患者端輸送装置150はカテーテルであり得る。特定の実施形態において、回転型のマニホールド105により注入ポート110と第1液体ポート115、第2液体ポート120、又は輸出ポート125との間における選択的な液体連通特性を実現することができる。同時に、回転盤130により必要な液体連通特性の選択を実現することができる。
【0067】
ある実施形態において、気泡検出器180は輸出ポート125と患者端輸送装置150との間に接続される。また、ある実施形態において、気泡検出器180は回転型のマニホールド105の輸出ポート125に集積される。一実施形態において、気泡検出器180は、気泡が回転型のマニホールドに入る前に検出されるように、注入ポート110に集積される。このような構造において、気泡検出器180は液体を注射器135から排出する際にのみ気泡を検出し、液体を注射器135に注入する時は、誤警報を最低に抑える。他のある実施形態において、操作する時に回転型のマニホールドシステム100に気体が入らないように確保するために、複数の気泡検出器を注入ポート110、第1液体ポート115、生理食塩水供給源145及び輸出ポート125を有するいずれか一つのポートの組合せに接続又は集積することができる。その中、気泡検出器180は液体を患者端輸送装置150に注入する際に、液体中の気泡を検出することができる。同時に、この気泡検出器180は、操作者が患者の健康に危険な気泡が存在することに注意するように、聴覚警報装置及び/又は視覚警報装置に接続されることができる。以下、
図5、
図6A〜6B及び
図8を参照して、気泡検出器180の構造及び操作方法について詳細に説明する。
【0068】
一実施形態において、回転型のマニホールド105は圧力トランスデューサーポート155を有し、圧力トランスデューサー160と接続されることにより患者体内の血圧のような圧力を感測することができる。回転型のマニホールド105は、液体が患者端輸送装置150に注入する際に、この圧力トランスデューサー160の敏感度により圧力トランスデューサーポート155と注入ポート110の間、又は圧力トランスデューサーポート155と輸出ポート125の間に連通(例えば、液体伝達)が発生することを防止することができる。
【0069】
本発明は回転型のマニホールドの具体的な実施形態も開示している。
【0070】
図2Aないし
図2Dは患者端輸送装置と複数の液体供給源を接続する回転型のマニホールドの管路図である。なお、
図2Aは一実施形態による回転型のマニホールド105の管路端面図である。ここで、回転型のマニホールド105は、輸出ポート125と、圧力トランスデューサーポート155と、中心キャビティ210と、輸出通路220と、圧力通路230とを有する。なお、輸出ポート125と圧力トランスデューサーポート155は
図1と同様の符号を使用している。これらのポートは回転型のマニホールド105に物理的な接続及び液体による連通性を提供する。一実施形態において、ルアーテーパーは液体に対する小型接続に用いられる標準システムであり、このような標準システムはオステーパー部材とメステーパー部材の間で漏れがない接続を提供できる。一実施形態において、造影剤供給源140、生理食塩水供給源145、注射器135及び患者端輸送装置150に位置するメステーパー部材と接続するように、回転型のマニホールド105のポートにオステーパー部材を配置する。
【0071】
一実施形態において、輸出ポート125は輸出通路220によって中心キャビティ210と相互接続する。なお、中心キャビティ210は一つのバルブステムを有し、当該バルブステムは輸出通路220及び圧力通路230のような他の液体又は圧力通路に選択的な液体連通特性を提供できる。ここで、圧力通路230と圧力トランスデューサーポート155とは相互連結され、且つ中心キャビティ210に通じる。
【0072】
一実施形態において、中心キャビティ210は階段の構造を有し、当該階段の構造は異なる液体通路と調和させた異なる直径250及び直径255(例えば、直径255は輸出通路220と圧力通路230に関わる)を有する。同時に、この中心キャビティ210は更に固定フランジ240を有し、当該固定フランジ240はバルブステムを中心キャビティ210に固定するために用いられる。一実施形態において、この固定フランジ240は、更に中心キャビティ210とバルブステムとの間で係合部材の連結を提供する。
【0073】
図2Bは一実施形態による回転型のマニホールド105の管路断面図である。ここで、
図2Bに示される回転型のマニホールド105は、第1液体ポート115と、第2液体ポート120と、輸出ポート125と、中心キャビティ210と、輸出通路220と、第1液体通路260と、第2液体通路265とを有する。一実施形態において、第1液体ポート115は第1液体通路260によって中心キャビティ210と相互接続される。同時に、第2液体ポート120は第2液体通路265によって中心キャビティ210と相互接続される。なお、他の実施形態において、バルブステム(図示されていない)と結合された第1液体通路260は、第1液体ポート115と注入ポート110の間で液体による接続を形成し得る。同様に、バルブステムと接続された第2液体通路265は第2液体ポート120と注入ポート110の間で液体による接続を形成し得る。
【0074】
図2Cは回転型のマニホールド105のB−B線管路断面図である。
図2Cの断面図において、回転型のマニホールド105は、第1液体ポート115と、第2液体ポート120と、第1液体通路260と、第2液体通路265と、中心キャビティ210とを有する。
【0075】
図2Dは回転型のマニホールド105の
A−A線管路断面図である。
図2Dの断面図において、回転型のマニホールド105は、圧力トランスデューサーポート155と、圧力通路230と、輸出通路220と、中心キャビティ210とを有する。
【0076】
図3Aないし
図3Dは回転型のマニホールドに用いられるバルブステムの管路図である。
図3Aは回転型のマニホールド105に用いられるバルブステム300の一実施形態の縦断面図である。このようなバルブステム300は、注入ポート110と、中心液体通路310と、複数のリブ材315(
図3Cを参照)と、複数のデテント部位320A、320C(320と総称する)と、第1垂直液体通路330と、第2垂直液体通路340と、圧力通路350と末端360とを有し得る。
【0077】
一実施形態において、中心液体通路310は、注入ポート110と第1液体ポート115、第2液体ポート120又は輸出ポート125の間でメイン液体線路を提供する。同時に、この中心液体通路310と接続されたものとして、更に、第1液体ポート115、第2液体ポート120及び輸出ポート125を選択的に中心液体通路310に接続する二つの別途の液体通路(例えば、第1垂直液体通路330と第2垂直液体通路340)がある。一実施形態において、注入ポート110の回転位置によって液体ポートを接続することができる。
【0078】
なお、複数のデテント部位320は、それぞれ第1液体ポート115、第2液体ポート120及び輸出ポート125が中心液体通路310と接続する位置に対応する。例えば、デテント部位320Aにおいて、第1垂直液体通路330によって第1液体ポート115を中心液体通路310に接続することができる。同時に、このデテント部位320Aにおける他のポート(例えば、第2液体ポート120、輸出ポート125、或いは圧力トランスデューサーポート155)は中心液体通路310と接続されていない。第3デテント部位
320Cにおいて、第1垂直液体通路330によって第2液体ポート120を中心液体通路310に接続することができる。また、第2デテント部位
320B(図3Aに図示されていない)において、第2垂直液体通路340によって輸出ポート125を中心液体通路310に接続することができる。なお、第3デテント部位において、注入ポート110に接続された注射器135は、第2垂直液体通路340によって液体を中心液体通路310に注入し、また輸出通路220と輸出ポート125によって液体が回転型のマニホールド105から流れるようにする。
【0079】
一実施形態において、第1垂直液体通路330の回転位置がどこにあっても、半円形の圧力通路350は中心液体通路310と液体による接続を形成することができない。よって、圧力トランスデューサー160は注射器135と直接接続することができない。ここで、注入ポート110と圧力トランスデューサーポート
155の間で液体による接続が存在しないため、圧力トランスデューサー160が注射器135による高圧を受けることを防止できる。
【0080】
図3Bは回転型のマニホールド105内のバルブステム300のA−A線管路断面図である。
図3Bに示されるバルブステム300の断面図には、中心液体通路310と、第2垂直液体通路340と、半円形圧力通路350とが含まれている。この実施形態の特徴として、圧力通路350と中心液体通路310の間に接続関係が存在しない。
【0081】
図3Cは回転型のマニホールド105内のバルブステム300のB−B線管路断面図である。
図3Cに示されるバルブステム300の断面図には、中心液体通路310と、リブ材315Aないし315N(リブ材315と統称する)とが含まれている。本発明の実施形態において、回転盤130はリブ材315によってバルブステム300に接続される。
【0082】
図3Dは回転型のマニホールド105内のバルブステム300のC−C線管路断面図である。
図3Dに示されるバルブステム300の断面図には、中心液体通路310とデテント部位320が含まれている。本実施形態において、デテント部位320Aないしデテント部位320Dを90度の回転角度間隔で相互分離させる。なお、他の実施形態において、デテント部位320は異なる回転方向を有し得る。例えば、0度(デテント部位320A)と、
90度(デテント部位320B)と、
180度(デテント部位320C)と、270度(デテント部位320D)と有する。一実施形態において、これらのデテント部位320はそれぞれ第1液体ポート115と、第2液体ポート120と、輸出ポート125と関わる回転位置に位置合わせる。なお、いずれかの実施形態において、第3デテント部位は異なる回転位置において第1液体ポート115及び第2液体ポート120と同様の平面に含まれる。なお、他の実施形態において、液体ポートと輸出ポートの数量によって、バルブステム300は四個未満又は四個以上のデテント部位を含むことができる。
【0083】
図4Aから
図4Dは、一実施形態における回転型のマニホールドの管路図であり、なお、
図4Aは回転型のマニホールド400の断面図である。本実施形態において、この回転型のマニホールド400は、マニホールド本体405と、注入ポート410と、中心液体通路415と、第1液体ポート420と、第2液体ポート430と、バルブステム440と、輸出ポート460と、回転盤470とを含んでもよい。一実施形態において、この第1液体ポート420は第1液体通路422を含んでもよい。バルブステム440が第1回転位置、例えば
図4Aに示された回転位置にあるとき、この第1液体通路422が第1垂直液体通路445に連結される。また、第2液体ポート430は第2液体通路432を含んでもよい。一実施形態において、バルブステム440を第3回転位置まで回転させて第1垂直液体通路445と第2液体通路432とを位置合わせて、注入ポート410と第2液体ポート430との間に液体連通性を提供することができる。本実施形態に説明された第1回転位置と第2回転位置とは相対位置にすぎず、絶対位置を説明するために意識的に設定したものではないとの点に注意する必要がある。例えば、他の一実施形態において、第1垂直液体通路445と第2液体通路432とを位置合わせたとき、第1回転位置を用いて説明してもよい。同時に、バルブステム440は第2垂直液体通路450と半円形圧力通路455とを含んでもよい。一実施形態において、この回転型のマニホールド400はスナップリング収納装置475を含んでもよいし、このスナップリング収納装置475はバルブステム440のマニホールド本体
405への保持に用いられる。
【0084】
図4Bは、回転型のマニホールド400の断面管路図である。この実施形態において、回転型のマニホールド400は、マニホールド本体405と、注入ポート410と、中心液体通路415と、バルブステム440と、輸出ポート460と、回転盤470と、デテントボール480と、デテントバイアス装置485と、圧力トランスデューサーポート490とを含んでもよい。本実施形態において、圧力トランスデューサーポートは圧力通路492を含んでもよいし、この圧力通路492はバルブステム440の外縁を分割することにより形成された半円形圧力通路455に接続されてもよい。本実施形態において、半円形圧力通路455は同一の垂直平面で第2垂直液体通路450と位置合わせる。しかし、
図4Aに示されたように、少なくとも本実施形態において、第2垂直液体通路450は半円形圧力通路455と交差しない。本実施形態において、示された半円形圧力通路455は圧力通路492及び輸出通路462を介して圧力トランスデューサーポート490と輸出ポート460との間に液体接続が形成される。
【0085】
一実施形態において、第2垂直液体通路450と輸出通路462とを位置合わせるように、第2垂直液体通路450を回転させて、中心液体通路415を介して注入ポート410と輸出ポート460との間に液体接続が形成される。
【0086】
ここで、バルブステム440を回転盤470によりマニホールド本体405中で回転させる。同時に、完全位置決めを提供するために、バルブステム440の機能的な回転位置ごとに、デテントバイアス装置485に接続されるデテントボール480を設けてもよい。なお、これら機能的な回転位置は、第1液体ポート420、第2液体ポート430又は輸出ポート460のいずれか一つのポートと注入ポート410との間に液体接続を形成する複数の位置を含んでいる。また、他の一実施形態において、そのほかの機能的な回転位置は他の液体又は廃料ポート(図示しない)と注入ポート410との間に液体接続が形成される回転位置でもよい。
【0087】
該実施形態において、注入ポート410が輸出ポート460に接続されなければ、半円形圧力通路455は全ての機能的な回転位置で輸出ポート460と圧力トランスデューサーポート490との間に液体接続を提供する。また、注入ポート410が輸出ポート460に接続されたとき、ポートの他の部分により圧力トランスデューサーポート490を密封してもよい。
【0088】
図4Cは、A−A方向の回転型のマニホールド400の断面管路図である。
図4Cに示されたA−A方向の回転型のマニホールド400の断面図は、中心液体通路415と、第1液体ポート420と、第2液体ポート430と、バルブステム440と、第2垂直液体通路450と、半円形圧力通路455と、輸出通路
462と、回転盤470と、圧力トランスデューサーポート490と、圧力通路492とを含んでいる。
【0089】
本発明の実施形態において、バルブステム440は一つの回転位置に位置し、この回転位置は圧力トランスデューサーポート490を半円形圧力通路455により輸出通路
462に接続させることができる。この位置では、圧力トランスデューサーポート490に接続された圧力トランスデューサーは患者体内の圧力を検出することができる。同時に、この実施形態において、該回転位置では、例えば、輸出ポート460が輸出通路を介して圧力トランスデューサーポート490に接続されたとき、中心液体通路415が輸出ポート460に接続されていない。
【0090】
図4Dは、B−Bの回転型のマニホールド400の断面管路図である。回転型のマニホールド400のB−B方向の断面図は、中心液体通路415と、第1液体ポート420と、第1液体通路
422と、第2液体ポート430と、第2液体通路432と、バルブステム440と、第1垂直液体通路445と、回転盤470とを含んでいる。本実施形態において、バルブステム440は一つの回転位置に位置し、この回転位置は第1液体ポート420を第1液体通路422及び第1垂直液体通路445により中心液体通路415に接続させることができる。本実施形態において、中心液体通路415と第2液体ポート430とが接続されるように、バルブステム440を180度回転することができる。
【0091】
図4A及び
図4Bに示された実施形態において、回転型のマニホールド400は第1回転位置と、第2回転位置と、第3回転位置との三つの回転位置を含んでいる。なお、
図4Dに示された第1回転位置は、第1液体ポート420を中心液体通路415及び第1垂直液体通路
445により注入ポート410に接続させることができる。第1回転位置から反時計方向に90度回転して得られた第2回転位置は、輸出ポート460を中心液体通路415及び第2垂直液体通路450により注入ポート410に接続させることができる。また、第2回転位置から反時計方向に90度回転して得られた第3回転位置は、第2液体ポート430を中心液体通路415及び第1垂直液体通路445により注入ポート410に接続させることができる。本実施形態において、第1回転位置及び第3回転位置では輸出ポート460を半円形圧力通路455により圧力トランスデューサーポート490に接続させることができる。
【0092】
図5Aから
図5Eは、本発明の他の一実施形態における回転型のマニホールドに用いられるバルブステムを示した管路図である。
図5Aから
図5Eは本発明の説明のみに用いられ、実際の比例で描かれているものではない。この実施形態において、回転型のマニホールド500はマニホールド本体505及びバルブシステムを含み、なお、マニホールド本体505は中心キャビティと、注入ポート510と、第1液体ポート520と、第2液体ポート530と、輸出ポート560とを含み、バルブステムシステムは回転弁体541と、静止弁体542と、バルブステム540とを含んでいる。ここで、回転弁体541及び静止弁体542はマニホールド本体505の中心キャビティ内に互いに平行にデテントられている。一実施形態において、回転弁体541はバルブステム540に接続されるか、バルブステム540と一体集積されて、両者が一緒に回転する。同時に、この回転型のマニホールド500は回転盤570をさらに含み、この回転盤570はバルブステム540を回転させるためにバルブステム540にデテントられている。そのほか、マニホールド本体505
は圧力トランスデューサーポート(図示しない)をさらに含んでいる。なお、第1液体ポート520は第1液体通路522を含み、且つ第2液体ポート530は第2液体通路532を含んでもよい。本実施形態において、
図5B、
図5C、
図5D及び
図5Eに示されたように、回転弁体541は延長液体通路545及び半円形圧力通路555を含んでいる。同時に、この回転弁体541は、第1回転位置(
図5Aに示されたように)と、第2回転位置と、第3回転位置を有している。なお、静止弁体542は四つの貫通孔(
図5Eに示されたように)を有する構成であり、これら貫通孔は第1液体通路、第2液体通路、輸出通路及び圧力通路にそれぞれ接続されている。一実施形態において、延長液体通路545を第1液体通路に接続された静止弁体542の貫通孔に位置合わせるように、そのバルブステム540は回転弁体541とともに第1回転位置まで回転して、注入ポート510と第1液体ポート520との間に液体接続が形成される(
図5Aに示されたように)。また、第1回転位置では、中心回転バルブが第1回転位置又は第3回転位置のいずれか一つの回転位置に位置しているとき、そのマニホールドが輸出ポートと圧力トランスデューサーポートとの間に内部相通構成を形成することができる。なお、第1回転位置と第3回転位置とは相対位置にすぎず、絶対位置を説明するために意識的に設定したものではないとの点に注意する必要がある。例えば、他の一実施形態において、第3回転位置を用いて、延長液体通路545が第2液体通路532に接続された静止弁体542の貫通孔に位置合わせたときの場合を説明する。
【0093】
図5Bから
図5Dはそれぞれに静止弁体542に対する回転弁体541の第1、第2及び第3回転位置を示し、また、
図5Eは回転弁体541及び静止弁体542の構成を示している。上述のように、第1回転位置では回転弁体541の延長液体通路545が静止弁体542の貫通孔に位置合わせ、この静止弁体542が第1液体通路ポートの第1液体通路に接続して、注入ポート510と第1液体ポート520との間に液体接続が形成される。同時に、輸出ポート560が圧力通路を介して圧力トランスデューサーポートに接続される。また、第1回転位置から時計方向に90度回転して到着した第2回転位置(
図5Cに示されたように)では、回転弁体541の延長液体通路545が輸出ポート560に接続された静止弁体542の貫通孔と位置
合わせて、注入ポート510と輸出ポート560との間に液体接続が形成される。第2回転位置から時計方向に90度回転して到着した第3回転位置(
図5Dに示されたように)では、回転弁体541の延長液体通路545が第2液体ポート530に接続された静止弁体542の貫通孔と位置
合わせている。そして、輸出ポート560を半円形圧力通路555により圧力トランスデューサーポートに接続することができる。本実施形態において、第1回転位置及び第3回転位置では、いずれも輸出ポート560を半円形圧力通路555により圧力トランスデューサーポートに接続することができる。
【0094】
ここで、マニホールド本体505において、回転弁体541の回転過程は回転盤570により完成することができる。なお、回転弁体541の機能的な回転位置ごとに、デテントバイアス装置(図示しない)付けのデテントボールを用いて完全位置決めを提供することができる。なお、これら機能的な回転位置は、注入ポート510と、第1液体ポート520、第2液体ポート530又は輸出ポート560のいずれか一つのポートとの間に液体連通性を形成する複数の位置である。また、ある実施形態において、そのほかの機能的な回転位置は、他の液体又は廃料ポート(図示しない)と注入ポート510との間に液体連通性を形成するための回転位置をさらに含んでいる。
【0095】
図4Aから
図4Dに示された実施形態において、マニホールドはプラスチックからなる回転可能な中空円筒をプラスチックからなる管筒状の円柱体に対して回転させることにより形成されたものである。また、
図4Aから図4Dに示された実施形態とは異なり、図5Aから
図5Eに示された実施形態において、マニホールドは回転可能な円柱状セラミック片をそれに平行な静態円柱状セラミック片に対して回転させることにより形成されたものである。
【0096】
本発明は、気泡検出器の実施形態をさらに開示している。
図6は、液体中の気泡に対して検出するためのシステム600の構成図である。なお、このシステム600はコンピュータ620と接続された気泡検出器180を含んでもよい。ある実施形態において、このコンピュータ620はコネクタ625及びコントローラ630を含んでもよい。また、ある実施形態において、このシステム600は聴覚警報装置640及び視覚警報装置650を含んでもよい。一実施形態において、この気泡検出器はコンピュータ620におけるコネクタ625と感応接続してもよい。また、コントローラ630は、気泡検出器180を制御し信号を聴覚警報装置640及び/又は視覚警報装置650に伝送するように、プログラム(ソフトウェア、又は現場プログラム可能なゲートアレイなどのプログラム可能なハードウェア)を含んでもよい。
【0097】
図7A及び
図7Bは、気泡検出
器180の一つの実施形態の構成図である。なお、この気泡検出器180は、トランスデューサー本体705と、発光装置710と、検出器720とを含んでもよい。この実施形態において、発光装置710は発光装置710からの光照射の制御に用いられる回路接続715を含んでもよい。同時に、検出器720は検出器720の制御に用いられる回路接続725を含んでもよい。なお、発光装置の回路接続715と検出器の回路接続725とはコンピュータ620に感応接続されてもよい。同時に、検出器の回路接続725は、分析のために、検出器720から受け取った光照射に関する情報をコンピュータ620に伝送する。
【0098】
なお、
図7Aは、輸出ポート125における一般的な流体が流れるときの気泡検出器180の実施形態を示した構成図である。
図7Aに説明された条件では、検出器720が発光装置710から安定で連続的な光波を受け取れる。
図7Bは、輸出ポート125内の液体の流れに気泡を含んでいるときの気泡検出器180の実施形態を示した構成図である。
図7Bに示された実施形態では、検出器720が発光装置710から受け取れた光波の不連続を検出して、検出器720が液体の中に気泡があるとのメッセージを送り出す。
【0099】
同時に、本発明は回転型のマニホールドの使用方向の実施形態を開示している。
図8は、回転型のマニホールドの使用方法800のフローチャートである。使用方法800は、回転型のマニホールドの配置(ステップ805)と、第1液体供給源及び第2液体供給源をマニホールドへの接続(ステップ810及びステップ815)と、注射器の注入ポートへの接続(ステップ820)と、患者端輸送装置の輸出ポートへの接続(ステップ825)と、第1回転位置の選択(ステップ830)と、第1液体供給源からの液体の抽出(ステップ835)と、第2回転位置の選択(ステップ840)と、注射器からの液体の釈放(ステップ845)と、第3回転位置の選択(ステップ850)と、第2液体供給源からの液体の抽出(ステップ855)と、第2回転位置の選択(ステップ860)と、注射器からの液体の釈放(ステップ865)とを含んでもよい。
【0100】
ここで、回転型のマニホールド105を配置したとき、医者又は技術者はステップ805からこの使用方法800を実施してもよい。また、本実施形態の他の部分については、上述の過程が実施できる医療業務員を技術者と称するが、前記技術者は医者、看護士、放射課業務員又はその他の医者資格を持っている医療業務員であればよい。ステップ810では、技術者が第1液体供給源、例えば造影剤供給源140を第1液体ポート115に接続して、この使用方法800の実施を続けることができる。次のステップ(ステップ815)では、技術者が第2液体供給源、例えば生理塩水供給源145を第2液体ポート120に接続して、この使用方法800の実施を続けることができる。同時に、ステップ810及びステップ815は、技術者が複数の逆止め弁(逆止め弁165、逆止め弁170)を回転型のマニホールド105と造影剤供給源140、生理塩水供給源145との間にそれぞれ接続させる。
【0101】
ステップ820では、技術者が注射器135(又は、その他の類似している注入装置)を回転型のマニホールド105の注入ポート110に接続することで、この使用方法800の実施を続けることができる。ステップ825では、技術者が患者端輸送装置、例えばカテーテル150を輸出ポート125に接続することで、この使用方法800の実施を続けることができる。同時に、技術者は、気泡検出器180をカテーテル150に接続する前に、気泡検出器180を予め選択的に輸出ポート125に接続することができる。
【0102】
ステップ830では、技術者は回転盤130を介して第1回転位置を選択することができる。この回転盤130は、回転位置ごとを指示する視覚指示信号、例えば液体種類又は各位置で完成したステップを表示するキャラクターを含んでいる。血管の造影法を一例として、造影剤の符号「C」で第1回転位置を表示することができる。また、その他の回転位置も視覚信号を含み、例えば符号「S」で生理塩水を表示し、符号「O」で輸出を表示する。回転盤130上の視覚信号は1、2、3、4などで選択的に簡単に各回転位置を表示することができる。
【0103】
ステップ835では、技術者が造影剤供給源140中の液体を注射器135内に抽出することで、この使用方法800の実施を続けることができる。なお、液体を注射器135中に抽出する過程に用いられる方式は、マニホールドがない場合に液体を注射器に注入する方式に類似している(例えば、簡単に注射器のピストンを引っ張り、注射器内を真空状態に形成して液体を注射器に抽出する)。
【0104】
ステップ840では、技術者が回転盤130により回転型のマニホールド105の第2回転位置を選択することで、この使用方法800の実施を続けることができる。本実施形態において、第2回転位置は注入ポート110を輸出ポート125に接続させることができる。第2回転位置にあるとき、技術者は回転型のマニホールド105を介して注射器135からの液体を患者端輸送装置150に注入して、この使用方法800のステップ845の実施を続ける。
【0105】
ステップ850では、技術者が回転盤130により回転型のマニホールド105の第3回転位置を選択する。なお、この回転盤130の回転は回転盤130に接続されたバルブステム300を回転することができる。この実施形態において、第3位回転位置は注入ポート110を第2液体ポート120に接続させることができる。ステップ855では、技術者
が生理塩水供給源145(例えば、第2液体供給源)からの液体を注射器135に注入することで、この使用方法800の実施を続けることができる。
【0106】
ステップ860では、技術者が回転盤130を第2回転位置に回転戻せることで、注入ポート110を再び輸出ポート125に接続して、この使用方法800の実施を続けることができる。第2回転位置に戻り、技術者は注射器135からの液体をカテーテル150に注入することで、この使用方法800の実施を続けることができる。この実施形態において、ステップ865でカテーテル150に注入される液体は第2液体供給源(例えば、生理塩水供給源145)からのものである。
【0107】
ここで、使用方法800は例えば血管造影法の医療処置に応用される回転型のマニホールド105の実施方法である。ところが、上述のステップのいずれの組み合わせにより、この回転型のマニホールド105に用いられる異なる液体を注射することができる。また、この処置で二種類以上の液体又は余分な液体を処理する廃液ポートが必要であれば、一つ又は複数の付加ポートを有する回転型のマニホールドが用いられてもよい。
【0108】
上述のように、使用方法800に示された処置において、圧力トランスデューサー160を圧力トランスデューサーポート155に接続して、患者の体内の圧力を検出することができる。例えば、この回転型のマニホールド105は、圧力トランスデューサー160が使用方法800に説明されたように第1回転位置及び第3回転位置における圧力対して検出するようにする。
【0109】
ある実施形態の処置において、一つの注射過程により患者に複数種類の液体の混合物を注射する必要がある可能性もある。これら実施形態において、回転型のマニホールド105は、複数種類の液体を注射器135中に注入することができる。例えば、第1液体供給源140が注射器135に接続されるように、回転型のマニホールド105を回転することができる。この第1位置では、技術者が必要量に応じて第1液体を注射器135内に抽入することができる。そして、第2液体供給源145が注射器135に接続されるように、回転型のマニホールド105を回転することができる。この
第3位置では、必要な混合物を形成するように、技術者が第2液体を注射器135内に抽入することができる。最後に、輸出ポート125が注射器135にカップリングし混合液体が患者端輸送装置150中に注入されるように、回転型のマニホールド105を回転することができる。回転型のマニホールドがその他の液体ポートを含んでいるとき、このような混合物はその他の液体を含んでもよい点に注意する必要がある。
【0110】
図9は、液体中の気泡を検出する検出方法900のフローチャートである。このような検出方法900は、既知の波長の光波の発生(ステップ905)と;液体を通り抜けた光波の受け取り(ステップ910)と;受け取った光波波長の確定(ステップ915)と;受け取った光波波長中のいずれの変化の検出(ステップ920)と;制御信号の発生(ステップ925)とを含んでもよい。検出方法900は、聴覚警報信号の音の発生(ステップ930)と、視覚警報信号の触発(ステップ935)とを含むことが好ましい。
【0111】
なお、検出方法900はステップ905から始まり、すなわち、発光装置710が既知の波長で光波を発生する。実施形態において、光波は輸出ポート125で回転型のマニホールド105中の液体を通り抜ける。ステップ910では、検出器720により輸出ポート125中の液体を通り抜けた光波を受け取って検出方法900を続ける。一実施形態において、分析のために、検出器720が光波を受け取ったことを表示する情報をコンピュータ620に伝送することができる。また、ステップ915では、コンピュータ620により検出器720が受け取った光の波長を確定して、この検出方法900の実施を続けることができる。ステップ920では、この
検出方法
900において、コンピュータ620により検出器720で受け取った光照射中に波長の変化が検出されているか否かを確定することができる。波長の変化が検出されれば、ステップ925でコントローラ630により制御信号を発生して、この検出方法900の実施を続けることができる。ある実施形態において、コントローラ630は制御信号を聴覚警報装置640に伝送して、聴覚警報信号が音を発生するようにする。なお、この聴覚警報信号はこの患者端輸送装置150中に気泡が進入している可能性があると技術者に通知する。また、ある実施形態において、ステップ935ではコントローラ630により制御信号を視覚警報器に伝送することができる。また、この制御信号は一つの視覚警報信号を触発して、この患者端輸送装置150中に気泡が進入している可能性があると技術者に通知する。
【0112】
上述のように、気泡検出器180は輸出ポート125中に集積してもよい。同時に、気泡検出器180が注入ポート110、第1液体ポート115又は第2液体ポート120にカップリング又は集積してもよい。ある実施形態において、気泡が患者端輸送装置150に侵入を防止する技術者の能力を向上するために、複数の気泡検出器を回転型のマニホールド105に集積してもよい。
【0113】
上述の説明は、発明を実施するための形態の一部を構成する図面の説明を含んでいる。図示の内容により、本発明を実施するための形態を実施することができる。これら発明を実施するための形態は「実施形態」と呼ばれる。このような実施形態は表示及び説明された装置以外の装置を含んでもよい。ところが、本発明人は表示及び説明された装置のみを用いて技術が成熟した実施形態を提供している。
【0114】
本発明では単独に公開文献、特許技術及び特許文献を示しているが、これら公開文献、特許技術及び特許文献は全てが全文引用となる。本願と引用文献との異なる使用方法において、引用文献における使用方法は本発明の補足として理解し、両者の矛盾しているところは本発明を基準とする。
【0115】
本発明において、明細書に用いられた「一」又は「一つ」は一つ又は一つより多い場合を示しているが、「少なくとも一つ」又は「一つ又は複数」の使い方とは異なる。特に説明がなければ、本発明の「又は」は選択性を示し、例えば、「A又はB」は、「Aで、Bではない」、「Bで、Aではない」及び「同時にA及びBである」との意味を含んでいる。本願の請求項において、「含む(including)」及び「なお(in which)」は、英語の「からなる(comprising)」「そこで(wherein)」に相当する。同時に、本願の請求項では「含む」及び「からなる」は開放的な使い方で、換言すれば、記載された構成要件の以外に保護を求めたシステム、装置、物品又は方法も全てが保護の範囲に含まれている。また、本願の請求項において、「第1」、「第2」、「第3」などは分類にすぎず、番号で客体を制限するものではない。
【0116】
ここで、上述の説明は描写にすぎず、制限するものではない。例えば、上述の実施形態(又は実施形態の一つ又は複数の方面)は互いに結合することもできる。当業者は以上の描写により他の実施形態を適用することもできる。要約部分はアメリカ連邦法律§1.72(b)に一致し、読者がより早く本発明の本質特徴を確定することができる。しかし、この要約部分の提出は本願の請求項が保護しようとする範囲又は意味を解釈又は制限するものではない。同時に、本願をより合理化するために、上述の実施形態をグループにすることができる。しかし、請求項において保護を求めていない技術特徴が重要ではないとの意味ではない。また、本願の発明本体が備えている技術特徴は、説明された実施形態の技術特徴より少ない。そのため、各実施形態による各請求項自身は、本発明を実施するための形態に一致している。また、本願の保護範囲は、特許になった後の各請求項の全ての等価物の範囲により確定される。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】本発明の実施形態における、回転型のマニホールドを用いて複数種類の液体を注入する構成図である。
【
図2A】本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【
図2B】本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【
図2C】本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【
図2D】本発明における、回転型のマニホールドによって複数の液体供給源を患者端輸送装置に接続する管路図である。
【
図3A】回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【
図3B】回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【
図3C】回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【
図3D】回転型のマニホールドに用いられる回転バルブの管路図である。
【
図4A】本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図4B】本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図4C】本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図4D】本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図5A】本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図5B】本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図5C】本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図5D】本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図5E】本発明の他の一実施形態における、回転型のマニホールドの管路図である。
【
図6】本発明の一実施形態における、液体中の気泡を検出する構成図である。
【
図7A】本発明の一実施形態における、気泡検出装置の構成図である。
【
図7B】本発明の一実施形態における、気泡検出装置の構成図である。
【
図8】本発明の一実施形態における、回転型のマニホールドを使用する方法のフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態における、液体中の気泡を検出する方法のフローチャートである。