特許第5974098号(P5974098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5974098オフセット伝導性要素を備えた電気外科装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974098
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】オフセット伝導性要素を備えた電気外科装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20160809BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】20
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-532195(P2014-532195)
(86)(22)【出願日】2012年8月27日
(65)【公表番号】特表2014-531932(P2014-531932A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】CA2012050591
(87)【国際公開番号】WO2013044378
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】13/249,908
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デニス・テメリ
(72)【発明者】
【氏名】ニール・ゴダラ
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0185082(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0077644(US,A1)
【文献】 特表2010−508960(JP,A)
【文献】 特表2003−522566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病変を形成するための装置であって、
それを通過する経路を定義し、前記経路の一端に取り付け構造を有するハブと、
前記ハブに取り付けられ、それを貫いて縦軸を持つ内腔を定義するシャフトであって、前記シャフトが、前記ハブに取り付けられ、前記経路と連通した近位端および前記ハブから遠ざかって延びる遠位端を持ち、前記シャフトが、内部表面の少なくとも一部分上の伝導性材料および外部表面の少なくとも一部分上の伝導性材料を含むシャフトと、
縦軸を持つ伝導性部材であって、前記伝導性部材が前記経路を通して前記内腔内に延びるよう、また少なくとも前記ハブ付近で前記伝導性部材の縦軸が前記内腔縦軸から間隔を置いており、それによって、前記伝導性部材の外部表面と前記シャフト内部表面との間の電気接点の形成を助けるように、前記伝導性部材が前記ハブの前記取付け構造と結合可能な取付け構造に取り付けられている伝導性部材を備える装置。
【請求項2】
前記シャフトおよび前記伝導性部材の少なくとも1つが、少なくともその長さの一部分に沿って柔軟性をもつ、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記伝導性部材が、前記内腔から選択的に除去できる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記内腔を定義する前記シャフトがカニューレを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記伝導性部材が、高周波発生器に接続可能な、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記伝導性部材がハイポチューブを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記シャフトが外科手術部位に挿入された時点で前記内腔を実質的に埋めるために、前記内腔に取り外し可能なように挿入可能な閉塞具をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記閉塞具が前記シャフト内部表面の直径より小さな外径を持つ、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記伝導性部材が、完全に挿入したときに内腔から延長する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記内腔を定義する前記シャフトが、あるゲージサイズを持ち、前記伝導性部材が、前記内腔の前記ゲージサイズよりも小さなゲージサイズを持つ、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
病変を形成するためのもので、それを貫く経路を定義し前記経路の一方の端に取付け構造を持つハブに挿入可能であり、シャフトが前記ハブに取り付けられ、それを貫き縦軸を持つ内腔を定義し、近位端が前記経路と連通して前記ハブに取り付けられ、前記シャフトが前記ハブから離れて延びる遠位端を持ち、前記シャフトが、内面の少なくとも一部分上の伝導性の材料および外面の少なくとも一部分上の伝導性の材料を含む装置であって、
縦軸を持つ伝導性部材であって、前記伝導性部材が前記経路を通して前記内腔内に延びるよう、また少なくとも前記ハブ付近で前記伝導性部材の縦軸が前記内腔縦軸から間隔を置いており、それによって、前記伝導性部材の外部表面と前記シャフト内部表面との間の電気接点の形成を助けるように、前記伝導性部材が前記ハブの前記取付け構造と結合可能な取付け構造に取り付けられている伝導性部材を備える装置。
【請求項12】
前記シャフトおよび前記伝導性部材の少なくとも1つが、少なくともその長さの一部に沿って柔軟性を持つ、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記伝導性部材が、前記内腔から選択的に除去できる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記内腔を定義する前記シャフトがカニューレを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記伝導性部材が、高周波発生器に接続可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記伝導性部材がハイポチューブを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記シャフトが外科手術部位に挿入された時点で前記内腔を実質的に埋めるために、前記内腔に取り外し可能なように挿入可能な閉塞具をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記閉塞具が前記シャフト内部表面の直径より小さな外径を持つ、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記伝導性部材が、完全に挿入したときに内腔から延長する、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記内腔を定義する前記シャフトが、あるゲージサイズを持ち、前記伝導性部材が、前記内腔の前記ゲージサイズよりも小さなゲージサイズを持つ、請求項11の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー、特に高周波電気エネルギーを患者の身体に適用するための医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性の背痛は、世界中、特に米国内で心配の原因であり、全アメリカ人の80%が一生のある時点で罹患する。腰痛は、脊椎骨それ自体や、椎間板および脊柱の椎間関節の状態を含むがこれに限定されない、数々の原因から発生しうる。背痛の正確な原因はいまだ議論を要するが、これらの構造内に存在する神経が、これらの疼痛信号の感覚や伝達に関与していることが認識されている。よって、背痛の治療におけるいくつかの最近の進歩は、痛覚に関与しているとみなされる神経の治療に焦点が置かれてきた。
【0003】
高周波電流を送達する低侵襲の技術が、多数の患者での限局痛を和らげることが示されてきた。高周波電流は、一般に、発生装置から患者の身体内に配置されている一つ以上の電極を介して送達される。電極の先端での高周波電流に対する抵抗は、隣接組織を加熱させ、温度が十分に上昇すると組織が凝固する。無髄神経構造が凝固するのに十分な温度は45℃であり、その時点で病変が形成され、疼痛信号が遮断される。この処置は、組織除神経として知られており、通常は結果的に疼痛が著しく軽減される。高周波(RF)除神経は、RFレンジ内のエネルギーを使用した組織除神経を意味する。この技術は、背痛、より特定的には、腰痛の治療において特に有益であることが実証されてきた。
【0004】
数ある中で、米国特許第6,736,835 B2号(2004年5月18日発行)、米国特許第5,571,147号(1996年11月5日)およびPCT特許出願第WO 01/45579 A1号(2001年6月28日発行)は、脊椎骨、椎間板および脊柱の椎間関節を含む、背部の様々な組織のRF除神経を実施するための方法および装置を開示している。一般に、処置には、体内への電気外科装置の導入、治療対象の神経組織に近接した装置の配置、および組織を除神経するためのRF電気エネルギーの適用を伴う。
【0005】
さらに具体的に言えば、中空のシャフトおよびその内部に取り外し可能な探査針を持つカニューレを備えた電気外科装置が、患者の身体に挿入され、希望の治療部位に配置される。カニューレは、一般に細長い絶縁領域、並びに電気的に伝導性で、露出された遠位チップを備える。一旦カニューレの遠位チップが所定位置にくると、探査針は引き出され、プローブの遠位端が少なくとも、露出したカニューレの遠位チップと同じ高さとなるまで、高周波電気エネルギーを送達できるプローブの遠位端が挿入される。プローブの近位端は、高周波電流を発生できる信号発生装置に接続される。一旦プローブの遠位端が所定の位置にくると、プローブを介して、発生装置によってエネルギーが供給され、プローブの遠位端に近接した組織が除神経される。
【0006】
プローブおよびカニューレが、その長さに沿って、うまく電気接触しない場合には、RFエネルギーの損失が、プローブに沿って不均一となりうるので望ましくない。ホットスポットが発生することがあり、チップ領域へのエネルギーの完全または均一な伝達が希望どおりになされない可能性がある。カニューレ内のプローブ部分が実質的にカニューレよりも薄い状況で、この接触の欠如または断続的な接触がさらに顕著になることがある。
【0007】
従って、体組織のRF治療に使用されるシステムの改善の継続的な必要があり、従来技術の限界の一部または全部が改善および/または克服された装置およびシステムを持つことは利益となる。
【発明の概要】
【0008】
本開示のある一定の態様によれば、病変を形成するための装置には、それを貫く経路を定義し、経路の一方の端に取付け構造を持つハブと、ハブに取り付けられ、それを貫通して縦軸を持つ内腔を定義するシャフトを含む。シャフトは、経路と連通するハブに取り付けられた近位端と、ハブから離れて延びる遠位端を持つ。シャフトは、内部表面の少なくとも一部分上の伝導性材料と、外部表面の少なくとも一部分上の伝導性材料を含む。伝導性部材は、縦軸を持ち、伝導性部材が経路を通して内腔内に延びるよう、また少なくともハブ付近で伝導性部材の縦軸が内腔縦軸から間隔を置いており、それによって、伝導性部材の外部表面とシャフト内部表面との間の電気接点の形成を助けるように、ハブの取付け構造と結合可能な取付け構造に取り付けられる。様々なオプションおよび修正が可能である。
【0009】
例えば、シャフトおよび/または伝導性部材は、少なくともその長さの一部に沿って、柔軟性をもたせうる。伝導性部材は、内腔から選択的に取り外し可能とすることができ、またシャフトは、カニューレの一部とすることも、カニューレを含むこともできる。内腔を定義するシャフトは、あるゲージサイズを持つことができ、また伝導性部材は、内腔のゲージサイズよりも小さなゲージサイズを持つことができる。
【0010】
伝導性部材は、高周波発生器に接続可能とすることができ、またハイポチューブを含めることができる。シャフトが外科手術部位に挿入された時点で内腔を実質的に埋めるために、内腔に取り外し可能なように挿入可能な閉塞具を提供しうる。閉塞具は、シャフト内部表面の直径より小さな外径を持ちうる。伝導性部材は、完全に挿入したときに内腔から延長しうる。
【0011】
開示のある一定のその他の態様によれば、病変を形成するためのもので、それを貫く経路を定義し、経路の一方の端に取付け構造を持つハブに挿入可能な装置が開示されている。シャフトは、ハブに取り付けられ、それを貫き縦軸を持つ内腔を定義し、近位端が、経路と連通するハブに取り付けられている。シャフトは、ハブから離れて延びる遠位端を持ち、内部表面の少なくとも一部分上の伝導性材料および外部表面の少なくとも一部分上の伝導性材料を含む。装置自体には、縦軸を持つ伝導性部材が含まれる。伝導性部材は、伝導性部材が経路を通して内腔内に延びるよう、また少なくともハブ付近で伝導性部材の縦軸が内腔縦軸から間隔を置いており、それによって、伝導性部材の外部表面とシャフト内部表面との間の電気接点の形成を助けるように、ハブの取付け構造と結合可能な取付け構造に取り付けられる。上記のとおり、様々なオプションおよび修正が可能である。
【0012】
これらの特徴およびその他の特徴は、下記の詳細な説明で明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明を簡単に理解できるようにするために、発明の実施形態は、添付図面での例によって説明される。
【0014】
図1図1は、カニューレおよび探査針の分解斜視図である。
図2図2は、図1のカニューレおよび探査針を組み立てた斜視図である。
図3図3は、RFプローブ組立品の分解斜視図である。
図4図4は、図3のRFプローブ組立品の斜視図である。
図5図5は、オフセット伝導性部材を示す図3のRFプローブ組立品の一部の部分断面図である。
図6図6は、図5と同様の部分断面図であり、図3のプローブ組立品が図1のカニューレに結合されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、図面に対する特定の参照を詳細にするが、図示した細目は、例を挙げるためであり、本発明の一部の実施形態についての例証による考察をすることのみを目的とし、また発明の原理および概念的な態様について、最も有用であると考えられていること、および簡単に理解される説明を提供するために提供している。これに関連して、発明の構造的な詳細を、発明の基本的な理解のために必要以上に詳細に示そうとはしておらず、図面を交えて行った説明は、発明のさまざまな形態が実際にどのように具現化されるかを当業者にとって明らかにしている。
【0016】
少なくとも一つの本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は明細書において、下記の説明に記載または図面に図示された構成の詳細および構成要素の配置に限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明は、その他の実施形態が可能であり、あるいは様々な方法での実施または遂行が可能である。また、本書で採用した表現および用語は、説明を目的とするもので、限定をするものとしてはみなされるべきでないことが理解される。
【0017】
本発明の目的のために、近位は、一般に(その装置が使用中のとき)ユーザーのそばまたはより近くにある装置またはシステムの部分を表わす一方、遠位という用語は、(その装置が使用中のとき)ユーザーからより離れた部分を示す。
【0018】
図1は、関連した探査針120を備えたカニューレ100の分解斜視図を示す一方、図2は、探査針120が挿入された状態のカニューレ100の斜視図である。オプションとして、カニューレ100は、伝導性かつ放射線不透過性の材料で製造され、カニューレ100のシャフト102は、絶縁材料104で少なくとも部分的に被覆される。絶縁材料104に適した材料には、パリレンおよびポリ四フッ化エチレン(PTFE)が含まれるが、これに限定されない。シャフト102の遠位チップ部分106は、露出して伝導性のままとなる。遠位チップ部分106の伝導性から、遠位チップ部分は、活性電極または活性チップとして描写されうる。遠位チップ部分106は、オプションとして、尖らせて患者の身体内への貫通を容易にする。代替的に、遠位チップ部分106は、平滑なもの、丸みを帯びたもの、真っ直ぐなもの、面取りを付けたもの、堅く曲がったものとしたり、あるいは特定の用途に応じてその他の形態をとりうる。X線蛍光透視撮像下でのシャフト102の位置の視覚化を助けるために、放射線不透過性の要素、ドット、バンド、マーカーなど(非表示)を、シャフト102上に任意に配置しうる。
【0019】
シャフト102は、カニューレ100の近位領域112から末端領域114まで縦軸方向に延びる内腔110を定義する。この第一の実施形態で、シャフトの遠位チップ部分106は、シャフト102の内腔110と連通する開口部116を定義する。内腔110と開口部116の組み合わせにより、流体またはその他の材料を患者の体内に導入することが可能となる。
【0020】
オプションとして、カニューレ100は、基部112に位置するか、それに隣接したハブ118をさらに備える。オプションとして、ハブ118は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)または類似した材料から製造され、内部領域119で様々な方法を使用してシャフト102に取り付けられうるが、これには、インサート成形、接着およびその他の形態の結合方法を含むがこれに限定されない。図1に示すとおり、ハブ118は、2つの部品であるが、ハブは単一の部品で形成しうる。
【0021】
本開示の文脈で、ハブという用語は、カニューレやプローブなどの別個の構成要素間の確実な接続を促進するためのフィッティングまたはその他任意の手段を示す。従って、オプションとして、ハブ118は、開口部108を経由してシャフト102に導入しうるプローブ、探査針、伝導性部材、またはその他の装置と協同的にかみ合い結合するような構造である。開口部108は、ハブ118を通した経路を定義し、その一部はシャフト102で塞がれる。オプションとして、シャフト102の内腔110は、探査針、プローブ、伝導性部材またはその他の装置と、診断薬または治療薬を同時に収容するサイズとしうる。診断薬または治療薬には、造影剤またはその他の化学薬剤、医薬品、および生物学的薬剤が含まれるが、これに限定されない。その他の実施形態では、内腔110は、診断薬または治療薬を収容する十分なスペースなしに、プローブ、探査針、伝導性部材またはその他の装置を受け入れるように設計しうる。こうした実施形態では、プローブ、探査針、伝導性部材またはその他の装置は、内腔110から取り外すことができ、希望に応じて、診断薬または治療薬の注射ができる。カニューレ100は単一の内腔を持つものとして説明してきたが、当然のことながら、複数の内腔を持つ代替的な実施形態も想定される。同様に、この実施形態は、単一の開口部を持つカニューレを描写しているが、複数の開口部をカニューレに沿って配置でき、一つ以上の開口部をカニューレ100に沿った様々な位置に配置でき、添付図面に示す位置には限定されない。
【0022】
探査針120をシャフト102の内腔110に挿入しうる。この実施形態では、探査針120は、治療領域に入れるために患者の皮膚および組織への穿孔を助けるよう適合される。当技術で周知のとおり、カニューレを患者体内に挿入する前に、探査針(閉塞具として機能)をカニューレに挿入することで、カニューレシャフトの任意の開口部をふさぐことで、組織がカニューレの内腔に強制的に入らないことを確実にするのに役立つ。オプションとして、探査針120は、カニューレ100のハブ118と協同的にかみあい結合するよう適合されたキャップ122と、キャップから延びる探査針シャフト124を備える。オプションとして、探査針シャフト124は尖ったチップ126を持ち、これは、カニューレ100および探査針120が患者の体内に導入されたときに、組織の貫通を容易にする、トロカール、円錐状、面取り、またはその他の形状としうる。チップ126およびチップ部分106の形状は、補完的なものとしうる。上記のとおり、放射線不透過性要素(非表示)は、オプションとして、透視診断法下でのシャフトの位置の識別に役立つよう、探査針シャフト124上のどこかに位置しうる。
【0023】
RFプローブ組立品130を、図3および4に示す。組立品130は、本開示に従い採用できる可能性のある多数の電気外科装置の一つに過ぎない。従って、本発明は、開示された装置、または一般にRF装置には限定されない。
【0024】
図示のとおり、RFプローブ組部品130は、ハブ118の取り付け構造(開口部108の近位端)と結合可能な取り付け構造134に取り付けられた伝導性部材132を含む。伝導性部材132は、ハイポチューブを備えることができ、また従来どおり様々な配線接続、熱電対、内部冷却などを含みうる。例えば、伝導性部材は、Kimberly-Clark,Inc.から入手可能なRF Nitinol Probeを備えうる。こうしたプローブは、これもKimberly-Clark, Inc.から入手可能な使い捨てカニューレと併用しうる。プローブおよびカニューレは、異なるゲージおよび長さで利用可能である。例えば、カニューレは、16〜22のゲージを持つことができ、また、まっすぐなものと曲がったものがあり、および伝導性部材は、選択したカニューレゲージ内にフィットするサイズであるべきである。代替的に、カニューレゲージは、意図される用途、伝導性部材ゲージ、カニューレと併用するその他の要素などを考慮して選択されうる。
【0025】
取り付け構造134は、図示したとおり、プローブ組立品130のハンドル部分136の遠位端を備えうる。図6に示すとおり、ハンドル部分136がハブ118内に挿入されると、伝導性部材132が、内腔110内に、またそれを通過して延びる。内腔110内に延びる伝導性部材132の外部表面138の少なくとも一部は、内腔の内側表面140の少なくとも一部と同じく伝導性である。
【0026】
シャフト106により定義される内腔110は、縦軸142を持ち、また伝導性部材132は縦軸144を持つ。これらの軸142、144は、ハンドル136がハブ118に取り付けられたとき、軸が縦方向に互いにある量146分の隔たりを持つように、結合構造108、134を基準にして整列する。希望に応じて、取り付け時に1つ以上の予め設定された向きを決定付けるために、溝やうねなどのなど(非表示)の相互作用要素を結合構造108、134上に提供することもできる。シャフト102および/または伝導性部材132は、挿入および使用中にいくらかの曲げが可能となるように、(硬いものではなく)比較的柔軟性をもつものとしうる。こうした曲げは、要素間の接触を向上させうる。
【0027】
図6に示すとおり、内腔内側表面140と伝導性部材の外部表面138との接触は、オフセット146によって向上される。従って、内腔110の近位端112および遠位端114と伝導性部材132との間の電気接続は、オフセットがない場合よりも実質的にさらに連続的である。エネルギーの流れおよび損失は、正常化され、比較的高温および低温のスポットが減小するか回避される。
【0028】
図5に示すとおり、こうしたオフセット軸を達成する一つの方法は、中心軸に対して、オフセットを持つハンドル結合構造134および伝導性部材132を形成すること、およびオフセットを持たないカニューレ結合構造108および内腔を形成することである。ただし、こうしたオフセットの位置は逆にしうる。あるいは、等しくても、等しくなくてもよいが、両側をなんらかの方法でオフセットすることができる。従って、本発明は、それによって、伝導性部材が内腔に挿入されたとき、中心軸をオフセットできる部品の何らかの配置を含む。可能かつ好ましいオフセットの量は、当然ながら、カニューレ内の内腔と伝導性部材のゲージ(およびそれらの差)、好ましい用途で他の要素が内腔内に延びているかどうか、内腔を定義するシャフトは曲がっているかまっすぐであるかなどに依存する。
【0029】
オフセットを達成するために、伝導性部材のゲージは、カニューレ内でシャフトによって定義される内腔のそれよりも小さいものを選択することができる。例えば、伝導性部材のサイズが、シャフト内の内腔よりも1ゲージサイズだけ小さい場合、ある一定量のオフセットが可能となる。2、3、4、5、6などのゲージサイズ分だけ小さくなるよう選択した場合には、より大きなオフセットが可能となる。結合構造134、108は、伝導性部材とカニューレの間の希望の接触を達成するために、ゲージサイズの差を考慮しそれに応じて調節される。ただし、発明のあらゆる態様でゲージサイズの差が必要であるわけではない。
【0030】
プローブ組立品130のその他の要素には、ハンドル136内の伝導性部材132に接続されるプローブケーブル148が含まれうる。ケーブル148は、希望する用途に応じて、(RFまたはそれ以外)を適用するための電気配線、冷却素子、熱電対などを備えうる。図示のとおり、3本の導体ケーブルには、RFエネルギーおよび熱電対用の付属品が提供されている。メインのハンドル部分150は、曲げリリーフセクション152、バックナット154、コレットコネクター156、電気コネクター部分158、およびハンドルベース160を含む。ケーブル148からのリード線は、ハンドル部分を通過して延び、およびコネクター部分158にある遠位要素162に接続される。近位要素164は、ハンドル部分150を、Kimberly-Clark、Inc.(旧称、Baylis Pain Management Generator)から入手可能なものなどのRF発生装置といったエネルギー源に接続するために使用されるケーブル上にあるコネクター(非表示)と接続される。ただし、当然のことながら、プローブ組立品構成要素に関する上述の説明は、一例に過ぎず、RFであるか他のエネルギーであるかによらず、エネルギーを送達するための多くのタイプのプローブが、本発明に従い使用されうる。こうして、上述の例からは、いかなる限定も意図されていないことが理解されるべきである。
【0031】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で記述されている本発明のある一定の特徴は、単一の実施形態の組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、明確にするために単一の実施形態の文脈で記述されている本発明の様々な特徴は、別個に、または適切な任意の部分的組合せで提供されることもできる。
【0032】
本発明は、その具体的な実施形態と関連して説明してきたが、多くの改造、修正および変化が当業者にとって明らかであることは明白である。従って、添付した請求の範囲の精神と幅広い範囲内に入る全ての改造、修正および変化が含まれることが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6