【実施例】
【0010】
(パチンコ機10の概略構成について)
図1または
図2に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、遊技店に設けられた図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11と、該外枠11に対して着脱および開閉可能に設けられ、各種制御装置等の遊技機構成部品が設置される本体枠としての中枠12と、該中枠12に着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域20aが画成された遊技盤20と、該中枠12の前面側に着脱および開閉可能に設けられると共に遊技盤20を透視保護する装飾枠としての前枠14とを基本的に備えている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球を貯留可能な2つの球皿部材16,17が前枠14の下部に上下の関係で一体的に配設されており、前枠14の開閉動作に合わせて両球皿部材16,17が開閉するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前枠14が中枠12の前側で開閉可能な開閉体として機能すると共に、該前枠14が球皿部材16,17としても機能している。そして、パチンコ機10の前面側(実施例では前枠14)における右下部位置には、パチンコ球の発射を制御する発射・払出制御手段S1(
図2参照)に電気的に接続された発射操作ハンドル18が配設されており、遊技者による発射操作ハンドル18の回動操作により球送り装置および打球発射装置(何れも図示せず)が作動して、上側の上球皿部材16の上球受け皿16aに貯留されたパチンコ球が遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるよう構成されている。
【0011】
(遊技盤20について)
図5に示すように、遊技盤20は、円弧状に湾曲する外レール21および内レール22が盤面(前面)に配設されて、該内外レール21,22の内側に画成される略円形の遊技領域20a内に、各種図柄の変動などの遊技演出が行われる図柄表示装置13や、入賞装置24,25,26等の遊技用部品が配置されている。また、遊技盤20には、可動役物31,32が配設され、遊技に際して図柄表示装置13に表示される図柄等の遊技演出や、大当りなどの遊技状態等に応じた所定のタイミングで可動役物31,32に所定の動作を行わせ、遊技者の興趣を高めるようになっている。なお、実施例の遊技盤20には、横軸周りに回転動作を行う第1可動役物31と、図柄表示装置13の表示領域の外側方と該表示領域の前側との間で回動動作を行う第2可動役物32とが配設されている。遊技盤20の左側部に位置する外レール21および内レール22は、パチンコ球が通過可能な距離だけ離間した状態で遊技領域20aの径方向に重なるよう構成されて、図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球を遊技領域20aへ案内する発射通路23を画成している。そして、発射通路23から打ち出されて遊技領域20aを流下する過程で入賞装置24,25,26の入賞口に入賞したパチンコ球を入賞検出センサ(図示せず)が検出することで、中枠12に配設された賞球や貸球の払出しを制御する発射・払出制御手段S1(
図2参照)に入賞検出信号が入力され、該入賞検出信号の入力に応じて球払出装置28(
図2参照)が作動制御されて所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例では、パチンコ球の発射制御および賞球や貸球の払い出し制御を、1つの発射・払出制御手段S1で行うよう構成したが、別々の制御手段で行ってもよい。
【0012】
(前枠14について)
前記前枠14は、外枠11の開口形状に略整合する矩形状に形成されると共に、前後に貫通する窓口が開口する枠状に形成されており、該前枠14を中枠12に対して閉鎖した状態で、遊技盤20に形成された遊技領域20aが窓口を介して前方に露出するよう構成されている。そして、前枠14の後面側には、窓口の開設位置に対応してガラス板等の透明な透視保護板(図示せず)が着脱可能に配設されており、パチンコ機10の前側から遊技盤20を視認可能な状態で透視保護している。なお、
図1では、前枠14に取り付けられる透視保護板の図示を省略してある。また、前枠14は、左側部が中枠12に対して開閉可能に連結されており、該前枠14を中枠12に対して閉鎖した際に、中枠12の前面全体が前枠14で被覆されるよう構成されている。
【0013】
(球皿部材16,17について)
図1に示すように、前枠14の前面側には、上方へ開口する上球受け皿16aを備えた上球皿部材16が窓口15aの下方位置に取り付けられており、該上球受け皿16a内に所定数のパチンコ球を一時的に貯留し得るようになっている。また、前枠14(前枠基体部15)の後面側には、前記発射・払出制御手段S1に電気的に接続する球送り装置が上球受け皿16aの下流端部に連通するよう設置されている。そして、発射操作ハンドル18の回動操作に基づいて球送り装置が作動して、上球受け皿16aに貯留されたパチンコ球を、中枠12に配設された打球発射装置に1球ずつ送り出すよう構成されている。また、前枠14(前枠基体部15)の左側部には、前後に貫通する上皿給出口16bが設けられ、この上皿給出口16bを介して中枠12側からパチンコ球(賞球や貸球)が上球受け皿16aへ給出されるようになっている。ここで、上球皿部材16は、該上球皿部材16の前面および下面を画成する球皿外殻部33と、この球皿外殻部33と前枠14との間に間に配設され、前枠14との間に上球受け皿16aを画成する球皿形成部34と、球皿外殻部33の上縁と球皿形成部34の上縁との間に配設され、該上球皿部材16の上面をなす球皿上面部35とから基本的に構成されている(
図3および
図4参照)。また
図1に示すように、前枠14の前面側には、上方へ開口する下球受け皿17aを備えた下球皿部材17が上球皿部材16の下方位置に取り付けられており、該下球受け皿17a内に所定数のパチンコ球を一時的に貯留し得るようになっている。
【0014】
このように、実施例のパチンコ機10は、パチンコ球を貯留する球受け皿16a,17aを前面側に上下2つ備えた所謂「二枚皿タイプ」として構成されている。また、上球皿部材16の上面右側には、貸球操作ボタン30(
図4参照)が設けられており、該貸球操作ボタン30を遊技者が押下することで、発射・払出制御手段S1に貸球払出し信号が入力され、中枠12に設けられた球払出装置28が作動されて所定数の貸球が上球受け皿16aに払い出されるようになっている。また、上球皿部材16の上面中央部には、遊技者が操作可能な操作ボタンを備えた演出操作ユニット(操作手段)40が設けられ、パチンコ機10は、操作ボタンの操作に応じて図柄表示装置13や可動役物31,32などによる遊技演出を切り替え得るようになっている。
【0015】
(演出操作ユニット40について)
図3に示すように、演出操作ユニット40は、球皿上面部35に上方へ開口する凹状に形成されたユニット収容部36に収容され、後述するユニットカバー48でユニット収容部36の上方開口を塞ぐと共に該球皿上面部35に対して後述するユニットベース50,51をネジ止め固定している。ここで、ユニット収容部36は、球皿外殻部33と球皿形成部34との間の空間に収まっており、上球受け皿16aの下流部でパチンコ球を集合させるために前枠14に近接しした球皿形成部34の右側部分と球皿外殻部33との間のスペースを有効利用して演出操作ユニット40が配設されている。
【0016】
図4〜
図11に示すように、演出操作ユニット40は、押圧操作可能な演出操作ボタン(操作ボタン)42と、該演出操作ボタン42に対応して設けられ、演出操作ボタン42の押圧変位を検知する演出ボタン検出手段(検出手段)43とを有している。そして、パチンコ機10は、演出ボタン検出手段43による演出操作ボタン42の操作検知に伴って遊技演出を切り替え可能に構成されている。また、演出操作ユニット40は、演出操作ボタン42とは別に、押圧操作可能な右選択操作ボタン44および左選択操作ボタン45を有し、右選択操作ボタン44および左選択操作ボタン45の夫々に対応する選択ボタン検出手段46,46による当該選択操作ボタン44,45の操作検知に伴って、パチンコ機の10遊技演出を切り替え可能になっている。実施例の演出操作ユニット40では、上面左側に演出操作ボタン42が配置され、演出操作ボタン42の右側に2つの選択操作ボタン44,45が左右に並べて配置されている。演出操作ユニット40は、上球皿部材16の表側に臨むユニットカバー(カバー)48と、このユニットカバー48の裏側(下側)に設けられ、部材の設置基盤となるベース50,51とを有している。実施例の演出操作ユニット40では、演出操作ボタン42および該演出操作ボタン42に関連する部材を支持する演出ボタンベース50と、左右の選択操作ボタン44,45および該選択操作ボタン44,45に関連する部材を支持する選択ボタンベース51とが互いに独立して設けられている。
【0017】
図7および
図9に示すように、演出操作ボタン42は、ユニットカバー48に設けられた演出ボタン開口部(開口部)48aを介して表側に臨み、ユニットカバー48と演出ボタンベース50との間に配設された演出ボタン基体52に表裏方向へ進退移動可能に保持されている。また、演出操作ボタン42は、該演出操作ボタン42と演出ボタン基体52との間に介挿された演出ボタン弾性体(弾性体)54によって表側(上側)へ向けて弾力的に付勢されている。演出ボタン基体52には、該演出ボタン基体52を振動し得る振動発生源56が配設され(
図5(b)および(c)参照)、振動発生源56による演出ボタン基体52の振動に伴って演出操作ボタン42を振動し得るよう構成されている。演出ボタン基体52は、ユニットカバー48および演出ボタンベース50から離れた状態で、演出ボタンベース50に対して防振体58を介して支持されている。ここで、演出ボタン基体52に保持された演出操作ボタン42は、ユニットカバー48および演出ボタンベース50から離れた状態となっている。そして、演出ボタン基体52と演出ボタンベース50との間には、演出ボタン検出手段43を備えた演出ボタン基板60が、演出ボタン基体52および防振体58と離れた状態で演出ボタンベース50に配設されている。
【0018】
(ユニットカバー48および演出ボタンベース50について)
図1および
図3に示すように、ユニットカバー48は、ユニット収容部36の上方開口を塞いで上球皿部材16の上面の一部を構成する板状部材であって、左側に上下に貫通する略楕円形状の演出ボタン開口部48aが形成されると共に、左側に上下に貫通する略三角形状の選択ボタン開口部48bが2つ形成されている。ここで、演出ボタン開口部48aは、演出操作ボタン42(後述の演出ボタンカバー)の外周形状に合わせた形状で、かつ該外周寸法よりも僅かに大きく形成されている。すなわち、演出ボタン開口部48aから表側に臨む演出操作ボタン42の外周と該演出ボタン開口部48aとの間には僅かな隙間があり、演出操作ボタン42の外周面がユニットカバー48から離れた状態になっている(
図7および
図9参照)。演出ボタンベース50は、上方へ開口する箱形状に形成されており、上方開口がユニットカバー48で覆われた状態で、ユニットカバー48に対してネジ止め等により組み付けられている。そして、ユニットカバー48と演出ボタンベース50との間には、演出操作ボタン42の下部、演出ボタン基体52、演出ボタン弾性体54、振動発生源56および演出ボタン基板60が収容されている。
【0019】
(演出操作ボタン42について)
図11に示すように、演出操作ボタン42は、該演出操作ボタン42において表側に臨む外殻を構成する演出ボタンカバー62と、この演出ボタンカバー62の下側に取り付けられた演出ボタン台部63とを備えている。演出ボタンカバー62は、下方に開口する箱状に形成されており(
図7および
図9参照)、少なくとも上面(実施例では全体)が透明(実施例)または半透明などとされて、光を透過し得るようになっている。演出ボタン台部63は、上下に連通する筒状本体63aの下縁に径方向外方へ延出する鍔部63bを有し、筒状本体63aを演出ボタンカバー62の内側に嵌め合わせて、演出ボタンカバー62に対して組み付けられる。また、演出ボタン台部63における筒状本体63aの内側には、光を透過し得ると共に光を拡散し得る演出ボタン光拡散体64が嵌め込まれ、この演出ボタン光拡散体64によって筒状本体63aの上方開口が塞がれている。演出ボタン光拡散体64は、半透明の合成樹脂材からなり、演出ボタン光拡散体64の上面は、外周縁から中央部に向かうにつれて高くなる段状に形成されると共に中央部から放射状に延びる複数の溝が形成され、これらの段および溝が複合して光を拡散するようになっている(
図11参照)。演出ボタンカバー62の下縁には、径方向外方へ延出する抜止片62aが全周に亘って形成され、この抜止片62aの外周寸法が演出ボタン開口部48aよりも大きく設定されている(
図7および
図9参照)。すなわち、演出操作ボタン42は、抜止片62aが演出ボタン開口部48aの開口縁下面に引っ掛かるので、上方へ抜けないようになっている。
【0020】
(演出ボタン基体52について)
図11に示すように、演出ボタン基体52は、演出操作ボタン42を保持する演出ボタン配設部(ボタン配設部)52aと、この演出ボタン配設部52aの右側方に設けられて、振動発生源56が配設される発生源配設部52bとを有する架台状の部材である。演出ボタン基体52は、ユニットカバー48および演出ボタンベース50で画成される空間よりも小さく形成され、該空間にユニットカバー48および演出ボタンベース50から離れた状態で配設されている。演出ボタン配設部52aには、上方に位置する演出ボタン台部63における筒状本体63aの内側に対向する位置に、上下に貫通する2つの発光開口53,53が左右に並べて形成されており、該発光開口53の夫々に演出ボタン発光体66が臨むようになっている(
図9参照)。なお、演出ボタン配設部52aにおいて、両発光開口53,53の周りは、該発光開口53から外周縁に向かうつれて上方傾斜するように形成されており、両発光開口53,53の周りが上方に拡開するすり鉢状になっている。また、ボタン配設部52aには、発光開口53の周りの傾斜面裏側に空洞部55が設けられて、軽量化が図られている。
【0021】
(演出ボタン弾性体54について)
図11に示すように、演出ボタン弾性体54は、演出操作ボタン42における演出ボタン台部63の鍔部63b下面と演出ボタン基体52のボタン配設部52a上面との間に配設され、演出操作ボタン42の荷重を支持している(
図7および
図9参照)。演出ボタン弾性体54は、演出操作ボタン42を演出ボタン基体52から離間するよう付勢する一方、演出操作ボタン42の下方への押圧操作に伴って弾力的に圧縮変形可能になっている。なお、実施例では、演出ボタン弾性体54として、コイルばねが用いられている。ここで、演出ボタン台部63における鍔部63bの下面には、下方へ向けて延出する上部ばね保持片67が演出ボタン弾性体54の上部外周に合わせて複数箇所(4箇所)設けられ、演出ボタン弾性体54の上部は、複数の上部ばね保持片67によって外周が保持されて前後左右方向の移動が規制されている。また、演出ボタン配設部52aの上面には、上方へ向けて延出する下部ばね保持片68が演出ボタン弾性体54の下部内周に合わせて複数箇所(2箇所)設けられ、演出ボタン弾性体54の下部は、円弧状に延在する下部ばね保持片68によって内周が保持されて前後左右方向の移動が規制されている。
【0022】
(演出操作ボタン42の演出ボタン基体52に対する保持構造について)
図11に示すように、演出ボタン台部63には、鍔部63bの下面外周縁から下方へ延出する演出ボタン係合片69が複数箇所形成されている。実施例の演出ボタン台部63は、該演出ボタン台部63の右側部位に前後に対向配置された2つの演出ボタン係合片69,69と、該演出ボタン台部63の左側部位に前後に対向配置された2つの演出ボタン係合片69,69とを有している。各演出ボタン係合片69は、上下方向に延在する2本の側片部と、両側片部の下端間に架設された下片部とからなる枠状に形成されている。ここで、各演出ボタン係合片69は、両側辺部間の隙間が下から上に向かうにつれて僅かに広くなるよう形成されている。演出ボタン配設部52aの外周面には、演出ボタン係合片69に対応した位置に外方へ突出する演出ボタン係合突起70が形成されている。実施例では、演出ボタン配設部52aの前面において左右に離間配置された2つの演出ボタン係合突起70,70と、演出ボタン配設部52aの後面において左右に離間配置された2つの係合突起70,70とを有し、4箇所の演出ボタン係合片69に対応して演出ボタン係合突起70が演出ボタン配設部52aに4箇所形成される。各演出ボタン係合突起70は、上方から下方へ向かうにつれて演出ボタン配設部52aの外周面から突出するように形成されている。そして、演出ボタン係合片69の両側片部の間に演出ボタン係合突起70が嵌るように構成され、演出ボタン係合片69と演出ボタン係合突起70とが係合したもとで演出操作ボタン42が演出ボタン基体52に対して所定範囲の上下変位が許容される一方、前後左右に位置規制された状態で保持される。また、演出ボタン係合片69の下片部が演出ボタン係合突起70に引っ掛かることで、演出ボタン弾性体54の付勢による演出操作ボタン42の上方変位が規制される。ここで、演出ボタン係合片69と演出ボタン係合突起70とからなる演出操作ボタン42の演出ボタン基体52に対する保持構造は、ユニットカバー48の下方に位置する演出操作ボタン42の抜止片62aが演出ボタン開口部48aの開口縁下面に当接する前に、演出ボタン係合突起70が演出ボタン係合片69の下片部に引っ掛かるように構成されている。このように、演出操作ボタン42は、該演出操作ボタン42が押圧操作されてない通常状態においてユニットカバー48から離れた状態になっており(
図9(a)参照)、振動発生源56によって演出操作ボタン42が振動しても該演出操作ボタン42がユニットカバー48に接触しないように構成されている。
【0023】
(振動発生源56について)
図5(b)および(c)に示すように、振動発生源56は、取付ベース72に取り付けられた駆動手段としての駆動モータ73と、この駆動モータ73の回転軸に取り付けられ、駆動モータ73の駆動により回転される偏心錘74とから基本的に構成されている。なお、駆動モータ73としては、ステッピングモータなどのパルス制御可能な電動機が好適である。取付ベース72は、回転軸を後方へ向けた姿勢で駆動モータ73を底面から離した状態で支持し、発生源配設部52bの右側縁に立ち上がる壁や底部に設けられたベース保持爪71によって保持されている(
図8参照)。実施例の偏心錘74は、略半円柱形状の金属製のブロック体であって、重心が駆動モータ73の回転軸からずれるように該回転軸に取り付けられている。これにより、振動発生源56は、駆動モータ73の駆動により偏心錘74を回転すると、重心が回転軸より径方向外方へずれた偏心錘74の遠心力によって振動するようになっている。このように、演出操作ボタン42および振動発生源56は、左右方向(演出操作ボタン42の進退移動方向と交差する方向)に隣接して演出ボタン基体52に配設されており(
図9参照)、振動発生源56の振動が演出ボタン基体52を介して演出操作ボタン42に間接的に伝わるようになっている。
【0024】
(防振体58について)
前記防振体58は、ゴムなどの弾力性を有する材料で形成されている。
図11に示すように、防振体58は、円筒形に形成されており、軸方向の中間部分に外周面全周に亘って取付溝58aが凹状に形成され、取付溝58aを挟む上下に支持受部58b,58bが設けられている。なお、演出ボタン基体52は、複数(実施例では3つ)の防振体58で支持されているが、実施例では全て同じ形態の防振体58が用いられている。演出ボタンベース50の底板には、防振体58の取付溝58aに合わせた直径寸法で取付開口部75が開設され(
図7および
図8参照)、この取付開口部75の開口縁の一部は、防振体58の取付溝58aの直径よりも小さい幅で外方へ連通するように切り欠かれている。防振体58は、取付開口部75の切欠部分75a(
図5(d)参照)から取付溝58aを挿脱可能になっており、取付溝58aを取付開口部75の開口縁に嵌め合わせて、上下の支持受部58b,58bによって該開口縁(演出ボタンベース50の底板)を挟持して取り付けられる。演出ボタン基体52は、該演出ボタン基体52の下面から下方へ延出する取付ボス76を防振体58の通孔に挿入し、演出ボタンベース50の下面に臨む取付ボス76に対して平ワッシャ付きの取付ネジ77を締結して取り付けられる。そして、防振体58は、上側の支持受部58bが演出ボタン基体52の下面と演出ボタンベース50の底板上面との間に介在して、上側の支持受部58bの厚み分だけ演出ボタン基体52を演出ボタンベース50から離した状態で支持するようになっている。また、防振体58は、下側の支持受部58bが演出ボタンベース50の底板下面と取付ネジ77の平ワッシャとの間に介在して、取付ネジ77を演出ボタンベース50に接触しないように離間させている。なお、実施例の防振体58は、上側の支持受部58bが下側の支持受部58bよりも厚く設定されている。
【0025】
前記演出ボタン基体52は、演出ボタン配設部52aが、複数の防振体58で支持されると共に、発生源配設部52bが、1つの防振体58で支持されている(
図7および
図8参照)。実施例では、演出ボタン配設部52aが演出ボタン基体52の左側に偏倚した位置に前後に離間配置された2つの防振体58,58で支持され、発生源配設部52bが駆動モータ73の下方位置に配置された1つの防振体58で支持される。ここで、発生源配設部52bを支持する防振体58は、偏心錘74から前方(回転軸の延在方向)にずれた位置に配置され、これにより偏心錘74の回転に伴う演出ボタン基体52の振動が妨げられず、演出ボタン基体52を効率よく振動し得るようになっている。また、演出ボタンベース50の底板上面には、取付開口部75に取り付けられた防振体58の支持受部の外周縁に合わせて該取付開口部75を囲んで上方に突出する囲い片78が設けられ(
図7および
図8参照)、防振体58を取付開口部75に取り付けた際に上側の支持受部58bが囲い片78によって位置決めされるようになっている。この囲い片78は、上側の支持受部58bの厚みよりも演出ボタンベース50からの突出寸法が小さく設定されて、該支持受部58bによる演出ボタン基体52の弾力的な支持を妨げないようになっている。また、演出ボタンベース50の底板下面には、垂下壁部79が防振体における下側の支持受部58bの外周に合わせて形成されており、取付開口部75の開口縁を囲うように設けられた垂下壁部79によって下側の支持受部58bが位置決めされる。
【0026】
(演出ボタン基板60について)
図5(d)に示すように、演出ボタン基板60は、演出ボタンベース50の底板上に設置されている。演出ボタン基板60の上面には、演出操作ボタン42の押圧操作を検知する演出ボタン検出手段43が配設されている(
図9参照)。実施例の演出ボタン基板60には、左右に離間配置された2つの演出ボタン検出手段43,43を有し、各演出ボタン検出手段43のレバーが演出操作ボタン42に垂下形成された演出ボタン押圧部80によって押されることで、演出操作ボタン42の押圧操作を検知するようになっている。このように、実施例の演出ボタン検出手段43は、該演出ボタン検出手段43の上部に傾動可能に設けられたレバーの変位によって接点が開閉する機械的なスイッチが用いられている。各演出ボタン検出手段43は、制御手段に電気的に接続されて、検出ボタン検出手段の検知信号が制御手段に入力される。なお、パチンコ機10では、両方または何れか一方の演出ボタン検出手段43だけの検知によって、演出操作ボタン42が押圧操作されたものして制御手段において処理している。
【0027】
図9に示すように、演出操作ボタン42の演出ボタン押圧部80は、演出ボタン台部63の鍔部63b下面より下方へ突き出るように形成され、演出ボタン台部63の左右に離間して2つ設けられている。右側の演出ボタン押圧部80は、演出ボタン配設部52aに形成された前記鉢状部分と発生源配設部52bとの間に上下に貫通形成された押圧部通口81に挿入され、演出操作ボタン42の押圧に伴って右側の演出ボタン検出手段43に近づき、該演出ボタン検出手段43のレバーを押圧するようになっている。これに対し、左側の演出ボタン押圧部80は、演出ボタン基体52の左側方に位置し、演出操作ボタン42の押圧に伴って左側の演出ボタン検出手段43に近づき、該演出ボタン検出手段43のレバーを押圧するようになっている。演出操作ボタン42は、左右方向に長軸が延在する楕円形状であるので、押圧操作の位置によって左右に傾いて押し込まれることがあるが、左右の何れに傾いても左右の何れかの演出ボタン検出手段43,43で演出操作ボタン42の押圧操作を検知し得るので、演出操作ボタン42の押圧操作の非検知といった事態が生じ難い。なお、各演出ボタン押圧部80は、演出ボタン検出手段43のレバーを押す押圧面の周りに下方へ突出する囲い80aが形成され、対応の演出ボタン検出手段43が囲い80aの内側に収容されている。これにより、押圧操作や振動発生源の振動などに伴って演出操作ボタン42が傾くなどの姿勢変位をしても、演出ボタン押圧部80が演出ボタン検出手段43から位置ズレすることを防いでいる。
【0028】
図5(d)に示すように、演出ボタン基板60の上面には、演出ボタン基体52に開設された発光開口53を介して演出操作ボタン42(上方)へ向けて光を照射する演出ボタン発光体66が配設されている。実施例では、LEDからなる演出ボタン発光体66が演出操作ボタン42の下方位置に、左右に離間して2つ配設されている(
図5(b)参照)。各演出ボタン発光体66は、演出ボタン基体52の発光開口53および演出操作ボタン42における演出ボタン台部63の筒状本体63a内側を介して、該筒状本体63aの上方開口を覆う演出ボタン光拡散体64に光を照射し、演出ボタン光拡散体64で拡散された光によって演出ボタン開口部48aから表側に臨む演出ボタンカバー62が全体的に照明される。
【0029】
図10に示すように、演出ボタンベースには、押圧操作により裏側(下方)へ向けて変位した演出操作ボタン42における当部82,83の下端面(裏側端面)を受け止める受部84,85が形成されている。先ず当部82,83について説明すると、演出操作ボタン42における演出ボタン台部63の右側に偏倚した部位には、鍔部63bの下面から下方へ延出する前後一対の第1当部82が形成され(
図7参照)、演出ボタン台部63の左側には、左側の演出ボタン押圧部80の途中位置から左側方へ延出する第2当部83が形成されている(
図9参照)。ここで、第1当部82は、演出操作ボタン42が演出ボタン基体52に保持された状態で、演出ボタン基体52の外面に沿って垂下しており、演出操作ボタン42が押圧操作されていない通常状態で第1当部82の下端面が演出ボタン基体52の下端と同じ(実施例)または上方に位置している。そして、第1当部82は、演出操作ボタン42の押圧操作に伴って下端面が演出ボタン基体52の下端よりも下方へ突き出るようになっている。第2当部83の下端面は、第1当部82の下端面よりも上方に位置しており、演出操作ボタン42の押圧操作および押圧操作の解除に伴って、演出ボタン基体52の側方を変位するようになっている。
【0030】
次に受部84,85について説明すると、演出ボタンベース50の内側には、2つの第1当部82,82の下方位置に夫々対応して、2箇所の第1受部84,84が左右方向略中央の前後縁部に離間して設けられ、演出ボタンベース50の内側左側には、第2当部83の下方位置に対応して第2受部85が設けられている(
図5(d)参照)。各第1受部84は、平坦な上面が演出操作スイッチ側に臨む台状部分であって、第1受部84の上面と演出ボタン基板60の上面との高さが揃っている(
図10参照)。第2受部85は、演出ボタンベース50において演出ボタン基板60の左側方に段状に立ち上がるように形成された部分であって、該第2受部85の平坦な上面が第1受部84よりも上方に位置している。そして、演出操作ボタン42を水平姿勢を保ったまま押圧操作すると、第1当部82が第1受部84に受け止められるタイミングと、第2当部83が第2受部85に受け止められるタイミングが略同一になるように構成されている。また、第1および第2当部82,83は、演出操作ボタン42を押圧操作した際に、演出ボタン台部63の鍔部が演出ボタン基体52に当たって受け止められる前で、かつ演出ボタン台部63から延出する演出ボタン押圧部80が演出ボタン基板60に当たる前に、対応の受部84,85に当接するようになっている(
図9(b)参照)。このように、演出操作ボタン42は、当部82,83が受部84,85に受け止められて、押圧操作に伴う下方への変位が規制される。
【0031】
(選択操作ボタン44,45について)
図11に示すように、選択ボタンベース51は、上方へ開口する箱形状に形成されており、ユニットカバー48の下面に対してネジ止め等により組み付けられて、上方開口がユニットカバー48で覆われている。選択ボタンベース51の上面内側には、ユニットカバー48に開設された選択ボタン開口部48bに整合する選択ボタン通口88aが形成された選択ボタン内カバー88が嵌め合わせられ、選択ボタン内カバー88と選択ボタンベース51の間には、選択操作ボタン44,45の下部、選択ボタン基体90、選択ボタン弾性体92および選択ボタン基板94が収容されている。各選択操作ボタン44,45は、選択ボタン本体96と、この選択ボタン本体96の上側に被せられた選択ボタン被覆部97とからなり、選択ボタン本体96および選択ボタン被覆部97が、光を透過可能になっている。各選択操作ボタン44,45は、選択ボタン本体96の端縁下面から下方に延出形成された2つの選択ボタン係合片96a,96aを、選択ボタン基体90の外周面に形成された選択ボタン係合突起90aに夫々引っ掛けて、上下方向にスライド変位可能に保持されている。各選択操作ボタン44,45は、選択ボタン本体96と選択ボタン基体90との間に配設された2つの選択ボタン弾性体92,92によって、選択ボタン基体90から遠ざかる表側へ向けて付勢されている。なお、両選択ボタン弾性体92,92はコイルばねが用いられ、左右方向に離間配置されている。選択ボタン基体90と選択ボタンベース51の底板との間には、各選択操作ボタン44,45の下方に延出する選択ボタン押圧部98に対応する選択ボタン検出手段46および選択ボタン発光体95を上面に有する選択ボタン基板94が配設されている。各選択操作ボタン44,45を選択ボタン弾性体92の付勢に抗して押圧操作すると、選択ボタン押圧部98が対応の選択ボタン検出手段46に検知されるようになっている。また、選択ボタン基体90に開設された発光開口(図示せず)を介して照射された選択ボタン発光体95の光によって、各選択操作ボタン44,45を照明し得るようになっている。なお、選択操作ボタン44,45の選択ボタン基体90に対する保持構造は、演出操作ボタン42と同様であり、選択ボタン押圧部98の構成は、演出ボタン押圧部80と同様である。そして、選択ボタン検出手段46についても、演出ボタン検出手段43と同様のスイッチが用いられている。
【0032】
(制御手段C1について)
前記パチンコ機10の裏側には、該パチンコ機10に設けられた各種電気部品を制御する制御手段C1(
図12参照)が配設されている。制御手段C1には、入賞装置24,25,26に配設された球検知センサからの信号や、可動役物31,32に設けられた位置検出手段からの信号等の各種の制御のための信号が入力される。また、制御手段C1には、演出操作ユニット40の2つの演出ボタン検出手段43,43、右選択操作ボタン44に対応した選択ボタン検出手段46および左選択操作ボタン45に対応した選択ボタン検出手段46からの信号が入力されるようになっている。また、制御手段C1は、図柄表示装置13、可動役物31,32の駆動源、演出操作ユニット40の演出操作ボタン42に対応した演出ボタン発光体66,66、右選択操作ボタン44に対応した選択ボタン発光体95および左選択操作ボタン45に対応した選択ボタン発光体95、振動発生源56の駆動モータ73などに電気的に接続され、前記信号や該制御手段C1に設定されたプログラムに基づいて、図柄表示装置13、可動役物31,32の駆動源、演出ボタン発光体66、選択ボタン発光体95および振動発生源56の駆動モータ73などを連係または独立して所定の制御を実行するようになっている。
【0033】
図12に示すように、実施例の制御手段C1は、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)C2と、該メイン制御基板C2からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)C3〜C6とが設けられている。すなわち、メイン制御基板C2では、パチンコ機10に備えられた各種検出手段からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板C3〜C6に出力されるようになっている。サブ制御手段としては、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板C3、図柄表示装置13での表示内容を制御する表示制御基板C4、パチンコ機10が備える各種発光手段の発光制御を行うランプ制御基板C5、パチンコ機10が備えるスピーカの音出力制御を行う音制御基板C6などを備えている。すなわち、メイン制御基板C2が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、統括制御基板C3が表示制御基板C4、ランプ制御基板C5および音制御基板C6を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、振動発生源56の駆動モータ73は、統括制御手段C3によって駆動制御される。
【0034】
(実施例の作用)
所定の制御条件で前記統括制御手段C3によって駆動モータ73が駆動制御されることで偏心錘74が回転し、これにより駆動モータ73が配設された演出ボタン基体52が振動する。演出操作ユニット40では、演出ボタン係合片69および演出ボタン弾性体54を介して演出ボタン基体52に保持された演出操作ボタン42に、該演出ボタン基体52の振動に伝わる。そして、演出ボタン発光体66による演出操作ボタン42の発光演出や図柄表示装置13での画像表示などによって、演出操作ボタン42を押圧操作するように誘導された遊技者が該演出操作ボタン42を押圧することで、遊技者は演出操作ボタン42が振動していることが判る。このように、図柄表示装置13での図柄変動演出や大当り演出など遊技演出が実行されている間に演出操作ボタン42を振動させることで、演出操作ボタン42を操作した遊技者に対して当該遊技演出の信頼度を報知して、図柄変動演出での大当り発生への期待感を高めたり、大当り演出後の遊技状態を示唆したりしている。そして、演出操作ボタン42を押圧操作することで、図柄表示装置13での図柄変動演出や大当り演出などの遊技演出が所定の態様に切り替わる。
【0035】
前記演出操作ユニット40は、演出ボタン基体52が演出ボタンベース50から離れた状態で防振体58で支持され、ユニットカバー48や演出ボタンベース50と演出ボタン基体52との間に配設された演出ボタン基板60とも離れている。そして、演出ボタン基体52と演出ボタンベース50との間には、弾力性を有する防振体58が介在しているので、演出ボタン基体52の振動を防振体58で緩衝して演出ボタンベース50に振動が伝わるのを防止できる。また、演出ボタン基体52を固定する取付ネジ77と演出ボタンベース50との間には、防振体58が介在しているので、演出ボタン基体52の振動を防振体58で緩衝して、取付ネジ77を介して演出ボタンベース50に振動が伝わるのを防止できる。演出操作ボタン42は、遊技者に押圧されていない通常状態で、演出ボタン基体52と該演出操作ボタン42との間に配設された演出ボタン弾性体54によって、演出ボタン基体52から離れるように上方へ付勢されると共に、演出操作ボタン42の演出ボタン係合片69が演出ボタン基体52の演出ボタン係合突起70に引っ掛かって上方への変位が規制されている。前記通常状態の演出操作ボタン42は、ユニットカバー48の演出ボタン開口部48aの開口縁から離れた状態にあり、また演出ボタンベース50や演出ボタン基板60とも離れている。このように、振動発生源56によって振動される演出ボタン基体52および演出操作ボタン42の何れもが、ユニットカバー48および演出ボタンベース50から離れると共に、演出ボタン基体52が弾力性がある防振体58を介して支持されているので、演出ボタン基体52および演出操作ボタン42が振動しても、ユニットカバー48や演出ボタンベース50などの周辺部材に振動が伝わることを防止できる。
【0036】
すなわち、実施例の演出操作ユニット40によれば、振動発生源56の振動が、振動対象である演出ボタン基体52および演出操作ボタン42に伝わるのを防止してあるので、例えば演出操作ボタン42に隣接して配設された選択操作ボタン44,45の誤検知など、該演出操作ボタン42の周囲に配設されたスイッチ類や可動役物などの機器への影響を防ぐことができる。また、遊技者が触れる発射操作ハンドル18や上球皿部材16などの部材に振動発生源56の振動が伝わるのを防止でき、遊技者は、演出操作ボタン42に触れないと演出操作ボタン42の振動演出が行われたことが判らず、演出操作ボタン42を操作することに対する興味を持続させることができる。
【0037】
前記演出ボタン検出手段43が配設された演出ボタン基板60を、演出ボタン基体52と演出ボタンベース50との間で演出操作ボタン42の下方に配置しているが、演出ボタン基板60は、演出ボタン基体52および防振体58から離間配置されると共に、演出操作ボタン42から離間配置されている。これにより、演出ボタン基板60に対して演出ボタン基体52や演出操作ボタン42から直接、または防振体58を介して振動発生源56の振動が伝わることを防止でき、演出ボタン基板60に配設された演出ボタン検出手段43の破損や誤検知を防止できる。
【0038】
前記演出操作ボタン42を演出ボタン弾性体54の付勢に抗して押圧操作すると、演出ボタン押圧部80が対応の演出ボタン検出手段43のレバーを変位させ、これにより演出操作ボタン42の押圧操作信号が制御手段C1に入力される。そして、押圧操作された演出操作ボタン42は、該演出操作ボタン42に設けられた当部82,83が演出ボタンベース50に設けられた対応の受部84,85受け止められて、下方への押圧操作が規制される。このように、押圧操作された演出操作ボタン42は、当部82,83の受部84,85への当接により位置規制されるので、演出操作ボタン42に対して演出ボタン基体52から効率よく振動を伝えることができ、また演出ボタン基体52から演出操作ボタン42に伝わる振動を強くすることができる。このように、演出操作ボタン42を押圧操作していない通常状態において、演出ボタン基体52から演出操作ボタン42に振動を伝わり難いので振動演出が行われているのが判り難い一方、演出操作ボタン42を押圧操作した遊技者に振動演出が行われていることが判り易い。また、当部82,83および受部84,85の組は、演出操作ボタン42の前後および左側部に分散して設けてあるので、押圧操作した演出操作ボタン42をバランスよく位置規制することができる。
【0039】
前記演出ボタン基体52において演出操作ボタン42が配設される演出ボタン基体52を3つの防振体58で支持することで、演出操作ボタン42の押圧操作に際して加わる荷重を、3つの防振体58によってバランスよく受けることができる。また、演出ボタン基体52において振動発生源56が配設される発生源配設部52bを1つの防振体58で支持することで、演出ボタン基体52を効率よく振動させることができる。
【0040】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(2)演出操作ボタン42の押圧操作によって図柄表示装置13で行われている遊技演出が切り替わる態様だけでなく、図柄表示装置13での遊技演出と合わせてまたは独立して、可動役物31,32の動作による遊技演出や、発光手段の発光による遊技演出などを切り替えるようにしてもよい。
(3)振動発生源は、実施例の構成に限定されず、従来例に説明したような永久磁石と電磁コイルとの組み合わせや、ソレノイドやその他の構成を採用し得る。
(4)実施例の演出操作ユニットは、選択操作ボタンが一体的に設けられているが、演出操作ボタンだけの構成であってもよい。
【0041】
また、本願には、以下のような技術的思想が含まれている。
(A) 押圧操作可能な操作ボタン(42)と、該操作ボタン(42)の押圧変位を検知する検出手段(43)とを有する操作手段(40)を備え、前記検出手段(43)による操作ボタン(42)の操作検知に伴って遊技演出を切り替え可能に構成された遊技機において、
前記操作手段(40)は、
カバー(48)と、
前記カバー(48)の裏側に配設されたベース(50)と、
前記カバー(48)とベース(50)との間に配設され、該カバー(48)に設けられた開口部(48a)を介して表側に臨む前記操作ボタン(42)を表裏方向へ進退移動可能に保持する基体(52)と、
前記操作ボタン(42)を表側へ向けて弾力的に付勢する弾性体(54)と、
前記基体(52)に配設され、該基体(52)を振動させる振動発生源(56)と、
弾力性を有し、前記基体(52)および前記操作ボタン(42)の夫々を前記カバー(48)および前記ベース(50)から離す状態で、該基体(52)を該ベース(50)に対して支持する防振体(58)とを備え、
前記ベース(50)は、裏側へ向けて変位した前記操作ボタン(42)の裏側端面を受け止める受部(84,85)を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、振動発生源によって振動される基体および操作ボタンが、カバーおよびベースから離れると共に、弾力性がある防振体を介して支持されているので、基体および操作ボタンが振動しても、カバーおよびベースに振動が伝わることを防止できる。
また、押圧した操作ボタンの裏側端面がベースの当接部で受け止められて該操作ボタンが位置規制されるから、操作ボタンに対して基体から効率よく振動を伝達できる。
(B) 押圧操作可能な操作ボタン(42)と、該操作ボタン(42)の押圧変位を検知する検出手段(43)とを有する操作手段(40)を備え、前記検出手段(43)による操作ボタン(42)の操作検知に伴って遊技演出を切り替え可能に構成された遊技機において、
前記操作手段(40)は、
カバー(48)と、
前記カバー(48)の裏側に配設されたベース(50)と、
前記カバー(48)とベース(50)との間に配設され、該カバー(48)に設けられた開口部(48a)を介して表側に臨む前記操作ボタン(42)を表裏方向へ進退移動可能に保持する基体(52)と、
前記操作ボタン(42)を表側へ向けて弾力的に付勢する弾性体(54)と、
前記基体(52)に配設され、該基体(52)を振動させる振動発生源(56)と、
弾力性を有し、前記基体(52)および前記操作ボタン(42)の夫々を前記カバー(48)および前記ベース(50)から離す状態で、該基体(52)を該ベース(50)に対して支持する防振体(58)とを備え、
前記操作ボタン(42)および前記振動発生源(56)は、該操作ボタン(42)の進退移動方向と交差する方向に隣接して前記基体(52)に配設され、
前記基体(52)において前記操作ボタン(42)が配設されるボタン配設部(52a)は、複数の前記防振体(58)で支持されると共に、該基体(52)において前記振動発生源(56)が配設される発生源配設部(52b)は、1つの前記防振体(58)で支持されたことを要旨とする。
上記構成によれば、振動発生源によって振動される基体および操作ボタンが、カバーおよびベースから離れると共に、弾力性がある防振体を介して支持されているので、基体および操作ボタンが振動しても、カバーおよびベースに振動が伝わることを防止できる。
また、基体において操作ボタンが配設されるボタン配設部を複数の防振体で支持することで、操作ボタンの押圧によって加わる荷重をバランスよく受けることができる。また、基体において振動発生源が配設される発生源配設部を1つの防振体で受けることで、基体を効率よく振動させることができる。