(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974159
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】通信ネットワーク内でTCPプロトコルにより引き起こされたバックオフを緩和する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/04 20090101AFI20160809BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20160809BHJP
【FI】
H04W76/04
H04W88/06
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-501861(P2015-501861)
(86)(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公表番号】特表2015-512583(P2015-512583A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】US2013033017
(87)【国際公開番号】WO2013142524
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2014年10月30日
(31)【優先権主張番号】61/612,910
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/535,194
(32)【優先日】2012年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100134474
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 恭弘
(72)【発明者】
【氏名】ヌカラ, ガウラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】デイバジガマニ, ギリ, プラサード
(72)【発明者】
【氏名】アラム, ムハマッド エー.
【審査官】
桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−514399(JP,A)
【文献】
特開2005−101788(JP,A)
【文献】
特開2002−124991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル無線装置であって、
1つ以上のプロセッサと、
第1の無線ネットワーク又は第2の無線ネットワークを介して通信するように構成された、少なくとも1つのエアーインタフェースと、
前記1つ以上のプロセッサによって実行される時、前記モバイル無線装置に、
前記第1の無線ネットワークから前記第2の無線ネットワークへ、前記少なくとも1つのエアーインタフェースをチューンアウトする時を判定させ、
前記少なくとも1つのエアーインタフェースをチューンアウトする前に、伝送プロトコルを使用してデータを前記モバイル無線装置に転送する時に、ネットワークサーバの動作を前記ネットワークサーバが不都合に変更する可能性を低減する機能を実行させる、実行可能な命令を記憶する永続的コンピュータ可読媒体と、を備え
前記ネットワークサーバの動作の前記不都合な変更が、前記ネットワークサーバが前記モバイル無線装置から1つ以上の確認を受信しないことに少なくとも部分的に基づき、前記伝送プロトコル内で前記ネットワークサーバがタイムアウトすることに関連する、
モバイル無線装置。
【請求項2】
前記第1の無線ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)に準拠するネットワークであり、前記第2の無線ネットワークは、CDMA(Code Division Multiple Access)に準拠するネットワークである、請求項1に記載のモバイル無線装置。
【請求項3】
前記第1の無線ネットワークから前記第2の無線ネットワークへの、前記少なくとも1つのエアーインタフェースの前記チューンアウトは、前記モバイル無線装置のために通信の連続性を維持するために行われる、請求項1に記載のモバイル無線装置。
【請求項4】
前記伝送プロトコル内での前記ネットワークサーバによるタイムアウトは、前記データの前記モバイル無線装置への転送に、望ましくない待ち時間を発生させる、請求項1に記載のモバイル無線装置。
【請求項5】
前記機能は、前記データの前記転送中に、前記モバイル無線装置から前記ネットワークサーバへ確認メッセージを送信する時、遅延を課すことを含む、請求項1に記載のモバイル無線装置。
【請求項6】
前記機能は、前記モバイル無線装置により保守されている少なくとも1つのデータバッファに関連するフィル限度を低減することを含む、請求項1に記載のモバイル無線装置。
【請求項7】
前記機能は、前記第1の無線ネットワークを介して通信するための、前記モバイル無線装置のアップリンクリソースの割り当てを低減すること含む、請求項1に記載のモバイル無線装置。
【請求項8】
前記第1の無線ネットワークを介して通信するための、前記モバイル無線装置の前記アップリンクリソースの割り当ては、
(i)BSR(Buffer Status Report)と、
(ii)PHR(Power Headroom Report)と、
のうち少なくとも1つを使用して伝送される、請求項7に記載のモバイル無線装置。
【請求項9】
ネットワークサーバからモバイル装置へのデータ転送中に、前記ネットワークサーバのタイムアウトの可能性を低減させる方法であって、
前記モバイル装置で、
少なくとも1つのエアーインタフェースを使用するステップと、
第1の無線ネットワークから第2の無線ネットワークに、前記少なくとも1つのエアーインタフェースをチューンアウトする時を判定するステップと、
前記少なくとも1つのエアーインタフェースをチューンアウトする前に、前記ネットワークサーバが前記モバイル装置からの1つ以上の確認メッセージを受信しないことに少なくとも部分的に基づき、前記データ転送中に前記ネットワークサーバが転送プロトコルタイムアウトを経験する可能性を低減する緩和アルゴリズムを実行するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのエアーインタフェースは、大量のIP(Internet Protocol)ベースのデータを転送するために最適化された高速無線セルラーデータアクセス技術に関連する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の無線ネットワークから前記第2の無線ネットワークへの、前記少なくとも1つのエアーインタフェースの前記チューンアウトにより、前記モバイル装置は通信の連続性を維持できる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の無線ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)に準拠するネットワークであり、前記第2の無線ネットワークは、CDMA(Code Division Multiple Access)に準拠するネットワークである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
モバイル無線装置であって、
1つ以上のプロセッサと、
第1の無線ネットワーク又は第2の無線ネットワークを介して通信するように構成された、少なくとも1つのエアーインタフェースと、
前記1つ以上のプロセッサによって実行される時、前記モバイル無線装置に、
前記第1の無線ネットワークから前記第2の無線ネットワークへ、ある期間前記少なくとも1つのエアーインタフェースをチューンアウトする時を決定させ、
メッセージ又は信号をネットワークサーバへ伝送させることで、前記ネットワークサーバに、以前伝送したデータに関連するデータを前記モバイル無線装置に伝送させ、前記チューンアウト中に、前記モバイル無線装置へのデータ伝送に関する前記ネットワークサーバの動作を、前記ネットワークサーバが不都合に変更する可能性を低減する機能を、前記ネットワークサーバに実行させる、実行可能な命令を記憶した、永続的コンピュータ可読媒体と、を備え、
前記チューンアウト開始後、かつ前記データ伝送に関する確認メッセージが前記モバイル無線装置から前記ネットワークサーバに送信される前に、前記モバイル無線装置が前記メッセージ又は前記信号を前記ネットワークサーバへ伝送する、
モバイル無線装置。
【請求項14】
前記第1の無線ネットワークから前記第2の無線ネットワークへの、前記少なくとも1つのエアーインタフェースの前記チューンアウトが完了する前に、前記メッセージ又は信号が伝送される、請求項13に記載のモバイル無線装置。
【請求項15】
前記ネットワークサーバにより実行される前記機能は、前記ネットワークサーバが前記モバイル無線装置から1つ以上の確認メッセージを受信しなかったことに起因してタイムアウト条件を呼び出すことに、前記ネットワークサーバが遅延を課すことを含む、請求項13に記載のモバイル無線装置。
【請求項16】
前記ネットワークサーバにより実行される前記機能は、前記モバイル無線装置からの確認メッセージがより低頻度で必要とされるように、前記ネットワークサーバが、少なくともある時間前記モバイル無線装置へのデータの前記伝送を調整することを含む、請求項13に記載のモバイル無線装置。
【請求項17】
データをクライアント装置に伝送中に、データサーバを動作させる方法であって、
無線データアクセス技術を介して、前記データサーバから前記クライアント装置にデータを配信するステップと、
前記データアクセス技術から少なくとも1つのエアーインタフェースを前記クライアント装置がチューンアウトする時を判定するステップと、
前記チューンアウトする前に、前記データサーバによる前記クライアント装置への前記データの前記配信が中断する可能性を低減する緩和機能を、前記データサーバ上で実行するステップと、
を含み、
前記緩和機能は、
前記クライアント装置から1つ以上の確認メッセージを受信しなかったことに起因してタイムアウト条件を呼び出すことに、遅延を課すこと、又は、
前記クライアント装置からの確認メッセージがより低頻度で必要とされるように、少なくともある時間前記クライアント装置へのデータの伝送を調整することを含む、
方法。
【請求項18】
前記データサーバは、TCP(Transport Control Protocol)がイネーブルされたサーバを含み、前記中断は、前記クライアント装置からの応答がないことに起因して前記サーバがタイムアウトすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのエアーインタフェースの前記チューンアウトにより、前記クライアント装置は通信の連続性を維持できる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのエアーインタフェースは、大量のIP(Internet Protocol)ベースのデータを転送するために最適化された高速無線セルラーデータアクセス技術に関連する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
本出願は、2012年6月27日に出願の、同一出願人に所有され、同時係属出願の米国特許第13/535,194号、発明の名称「APPARATUS AND METHODS FOR MITIGATING PROTOCOL−INDUCED BACK−OFFS IN A COMMUNICATION NETWORK」に対する優先権を主張し、この特許は2012年3月19日に出願の米国暫定特許第61/612,910号、発明の名称「APPARATUS AND METHODS FOR MITIGATING PROTOCOL−INDUCED BACK−OFFS IN A COMMUNICATION NETWORK」に対する優先権を主張するものであり、これらの出願は参照によって本明細書に全体的に組み込まれている。
【0002】
[関連出願]
本出願は、2011年4月25日出願の、同一出願人に所有され、同時係属出願の米国特許仮出願第61/xxx号、発明の名称「DUAL NETWORK MOBILE DEVICE RADIO RESOURCE MANAGEMENT」、2012年5月2日に出願の第13/099,204号、発明の名称「SINGLE−RADIO DEVICE SUPPORTING COEXISTENCE BETWEEN MULTIPLE RADIO ACCESS TECHNOLOGIES」、2011年4月6日に出願の第61/xxx号、発明の名称「MULTIPLE NETWORK MOBILE DEVICE CONNECTION MANAGEMENT」、2012年1月9日に出願の第13/346,419号、発明の名称「DYNAMIC TRANSMIT IN DEVICES WITH MULTIPLE ANTENNAS」、及び2012年1月10日に出願の第13/347,641号、発明の名称「MULTIMODE USER EQUIPMENT WITH DUAL CIRCUIT ARCHITECTURE」に関し、これらの出願は各々、参照することによって本明細書に全体的に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
1.技術分野
本開示は全体として、いくつかの異種無線アクセス技術のいずれか1つ以上を使用して、クライアント装置が通信できる、例えばハイブリッドネットワーク動作のような通信ネットワーク内の動作に関する。詳細には、態様の一例では、本開示は、ハイブリッドネットワーク動作の結果生じるデータ伝送タイムアウトを緩和する方法及び装置に関する。
【0004】
2.関連技術の説明
セルラーネットワークのオペレータは、例えばセルラー基地局(BS)、基地局制御装置、基盤ノード等のネットワーク基盤を介して、一般の人々にモバイル通信サービスを提供する。セルラーネットワーク技術は広範囲にわたるが、歴史的にはセルラーデバイスは、単一セルラーネットワーク内での動作に特化している。しかしながら、セルラー技術はますます共有化されてきているので、装置はいわゆる「マルチモード」動作を提供できる。つまり1台の装置が1つ以上のセルラーネットワーク上で動作できる。マルチモード動作では、装置1台をいくつかのネットワーク技術のどれでも動作できるが、多数のネットワーク技術を同時には動作させることはできない。
【0005】
初期の研究は、いわゆる「ハイブリッド」ネットワーク動作を対象にした。ハイブリッドネットワーク動作中、異なる技術を有する多数の個別のネットワークの中で、クライアントの装置は同時に動作できる。一例として、ハイブリッド装置は、(i)LTE(Long Term Evolution)ネットワークと(ii)CDMA 1X(Code Division Multiple Access 1X)ネットワークとの両方をサポートできる。つまり、この装置は第1のLTEネットワークと第2のCDMA 1Xネットワーク間の同時接続を維持できる。例えば、LTE/CDMA 1Xハイブリッドモバイル装置はLTEモードであっても、CDMA 1Xネットワーク上で音声電話をかけることができる。別の例では、ハイブリッド装置は、(i)CDMA 1X−EVDO(Evolution Data Optimized)ネットワークと(ii)CDMA 1Xネットワークとの両方をサポートできる。
【0006】
ハイブリッドネットワーク動作のための既存のソリューションは、ネットワーク間のクライアント装置自体の動作を管理をクライアント装置に依存している。具体的には、クライアント装置は、種々のサービスネットワークへのアクティブな接続を維持する責任を負う。つまり、既存ネットワークの組み込みの際には、変更は必要ではない(すなわち、ハイブリッドネットワーク動作は、ネットワーク基盤の旧来のハードウェア及びソフトウェアに影響を及ぼさない)。クライアント中心のハイブリッド動作には、いくつかの利点がある。例えば、ネットワークのオペレータのための基盤コストは(かかるとしても)ごくわずかなものである。更に、ハードウェアのコストは、消費者装置の価格に組み入れることができる。また、ハイブリッドネットワーク動作は、既存の旧来の装置に影響することはない。同様に、ハイブリッド動作が可能な装置は、通常の動作を行うこともできる。
【0007】
しかしながら、ハイブリッドネットワーク動作のための既存のソリューションは、構成要素のネットワークが互いに協調することを要求しないため、現存するネットワーク機器がクライアント装置に対しては、クライアント装置に新たな要求があった場合、最適な動作は行えない。例えば、モバイル装置が第1のLTEネットワークに接続されていても、CDMA 1Xアクションを行うために、LTEネットワークを定期的に「チューンアウト」しなければならない(その装置が呼び出されたか否かを判定するためにQPCH(Quick Paging Channel)を復号するというように)。もしモバイル装置が、チューンアウト期間中にLTEネットワークを介して、TCP(Transmission Control Protocol)サーバからデータを受信している場合、TCPサーバはモバイル装置がチューンアウトされていることを認識せず、その前に送信したデータに対する確認パケット(ACK)を受信していない場合には、データ伝送をタイムアウトにしてしまう。更に、データ伝送の速度を落としたTCPサーバは、クライアント装置が認識するスループットを急激に低減させる。
【0008】
そのために、このようなチューンアウト期間又は他の中断があった時に、TCPレベルのバックオフを緩和するための方法及び装置の改良が必要となる。
【発明の概要】
【0009】
チューンアウト、又は同様の期間中に発生するデータ伝送中のデータサーバのバックオフを緩和するために、特に改善した装置及び方法を提供することにより、本開示は上記要求を満足できる。
【0010】
まず、ハイブリッドネットワーク内でデータサーバのバックオフを緩和する方法を開示する。一実施形態では、クライアント装置が引き起こした測定ギャップ期間中は、データサーバの振る舞いを変更する緩和アルゴリズムを、クライアント装置が実行する。一実装では、データサーバがタイムアウトする前に、実質的に「時間を稼ぐ」ように、クライアントからのパケット確認伝送を遅延させることにより、データサーバの振る舞いを変更する。
【0011】
別の実装では、データサーバが1つ以上の改善努力を開始させるために、偽りの「ネットワーク不具合」状態を引き起こして、サーバがタイムアウトになる前に、再度UEに対して時間を稼ぐ。
【0012】
2番目に、ハイブリッドネットワーク内でデータサーバのバックオフを緩和するための装置を開示する。一変形例では、この装置はネットワーク側のサーバ(例えば、TCPをイネーブルしたデータサーバ)である。
【0013】
3番目に、コンピュータが読み出し可能な記憶装置を開示する。
【0014】
4番目に、ハイブリッドネットワークシステムを開示する。
【0015】
5番目に、ハイブリッドネットワーク動作が可能であり、データサーバのバックオフを緩和するための緩和アルゴリズムを実行可能な、クライアント装置を開示する。
【0016】
6番目に、ネットワーク転送サーバから、タイムアウト割り当てを増加するための方法を開示する。一実施形態では、この方法はネットワークの不具合又は故障状態の、間違った又は名目上の指摘を行い、それによりサーバが改善対策を喚起することを含む(したがって、タイムアウト間隔もより大きくなる)。別の実施形態では、UEが、(不要な)再伝送イベントを引き起こし、再度サーバのタイムアウト間隔を効果的にひき延ばす)。
【0017】
更に、モバイル無線装置を開示する。一実施形態では、この装置は、第1の無線ネットワークと通信するように構成された第1のエアーインタフェースと、第1のエアーインタフェースとデータ通信を行うロジックを含む。一変形例では、ロジックは、第1のエアーインタフェースからチューンアウトされる時を判定し、第1のエアーインタフェースを利用して、モバイル装置にデータを転送するネットワーク側のサーバが、データの配信に関する動作を不都合に変更する機会を少なくとも低減する機能を実施するように構成されている。
【0018】
別の実施形態では、ロジックは、第1のエアーインタフェースがある期間でチューンアウトされる時を判定し、第1のエアーインタフェースを利用して、データをモバイル装置に伝送するネットワーク側のサーバへメッセージ又は信号を伝送させ、サーバが、少なくともチューンアウト期間中は、データの配信に関する動作を不都合に変更する機会を少なくとも低減する機能を、サーバに実施させるように構成されている。
【0019】
更に、クライアント装置へのデータ伝送中にデータサーバがタイムアウトに遭遇する可能性を低減する方法も開示する。一実施形態では、この方法は、データアクセス技術を実行するステップと、クライアント装置がチューンアウト期間に入る時を判定するステップと、チューンアウト期間に入る前に、データサーバのタイムアウトに遭遇する可能性を低減するために、クライアント装置上で緩和アルゴリズムを実行するステップと、を含む。
【0020】
また、データをクライアント装置に伝送中に、データサーバを動作させる方法も開示する。一実施形態では、この方法は、無線データアクセス技術を介して、サーバからクライアント装置にデータを配信するステップと、クライアント装置がデータアクセス技術からチューンアウトする時を判定するステップと、を含む。チューンアウトする前に、サーバによりデータの配信が遮断される可能性を低減するために、データサーバ上で緩和機能が実行される。
【0021】
本開示のその他の特徴及び利点は、添付図面、及び以下に記載されるような例示的実施形態の詳細な説明を参照することで、当業者によって即座に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示に関して有用な1つの代表的なハイブリッドネットワークシステムを示す、論理ブロック図である。
【
図2】本開示に係るデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の1つの代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図3】本開示に従って構成されたユーザ機器(UE)装置の一部分の、代表的な実施形態の機能ブロック図である。
【
図4】本開示に係るダウンリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第1の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図5】本開示に係るダウンリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第2の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図6】本開示に係るダウンリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第3の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図7】本開示に係るダウンリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第4の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図8】本開示に係るダウンリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第5の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図9】本開示に係るアップリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第1の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図10】本開示に係るアップリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第2の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図11】本開示に係るアップリンクデータ伝送タイムアウトを緩和する方法の第3の代表的な実装を詳細に示す、論理フロー図である。
【
図12】本開示に従って構成されたユーザ機器(UE)装置の実施形態の一例の機能ブロック図である。
【0023】
全ての図は、2012年に作成され、2013年に最終更新されたものであり、その全ての著作権はApple Inc.が保持している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで図面を参照するが、全体を通して、同様の番号は同様の部分を指す。
【0025】
概要
本開示の様々な特徴は、特にクライアント装置がハイブリッドネットワーク内で、データサーバのタイムアウトを緩和する方法を提供する。実施形態の一例では、CDMA 1Xネットワーク及びLTEネットワークで動作するハイブリッドUEが、LTEネットワーク動作への影響を最小限にするために、UEにより引き起こされた測定ギャップ期間についての知識を利用している。
【0026】
前述のように、UEが一旦LTEネットワークに接続されると、UEはLTEネットワークから無線を定期的にチューンアウトして、CDMA 1Xセルの取得、取得したCDMA 1Xセルへの登録、CDMA 1Xページの受信等のCDMA 1Xの保守アクションを行う。UEがLTEネットワークからチューンアウトしている期間中は、LTEデータ伝送はオフラインとなり、もしTCPサーバが、UEに既に送信している未解決のデータに対するACKを受信し損なうと、TCPサーバはデータ伝送をタイムアウトさせる。
【0027】
したがって、この(TCP)サーバの望ましくない行動を緩和するためには、本明細書に開示したUEの発明では、チューンアウト期間に入る前に1つ以上の緩和アルゴリズムを実行している。例えば、TCPダウンリンクアクティビティ期間中は、UEアプリケーションプロセッサが、チューンアウト期間に入る前に(受信したデータパケットに応答して、ネットワークに向かって返信される)TCP ACKに、いくらか遅延を引き起すという実装もある。このTCP ACKの遅延により、タイムアウト期間の再伝送値が増加し、TCPタイムアウトになる確率が小さくなる。
【0028】
あるいは、及びTCPアップリンクデータ伝送期間中は、LTEサスペンドモードに入る前に、実施形態の一例では、TCPサーバ上での再伝送タイムアウトを増やすために、UEはバッファフィル限度を下げ、そのためデータ伝送中にTCPサーバタイムアウトが発生する可能性は著しく低減される。
【0029】
代替の実装では、ネットワークエンティティ(TCPサーバ又は指定されたプロキシなど)が、例えば仮定した構成の知識により、又はアップリンク通信により、UEのハイブリッド構成/状態を認識し、サーバ、又はエンティティは、そのUEに対して、修正したタイムアウト規則を適用できる(例えば、少なくともハイブリッドモードで動作していることが分かっている時)。
【0030】
本開示の様々な他の実施形態を、以下で詳細に説明する。
【0031】
例示的実施形態の詳細な説明
本開示の実施形態の例と、態様について詳細に説明する。これらの実施形態と態様は主に、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−A(LTE Advanced)、CDMA 1X(Code Division Multiple Access 1X)セルラーネットワーク、CDMA 1X EVDO(Evolution Data Optimized)を背景にして議論しているが、本開示を限定するものではなく、TD−LTE(Time-Division Long-Term Evolution)、TD−LTE−Advanced、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)のような他のセルラー技術を用いて本開示を使用できることを、当業者は認識するだろう。実際に、本開示の様々な態様は、任意のネットワーク(セルラー、無線、有線等)と組み合わせても有用であり、例えばハイブリッドネットワーク動作、又は他のイベントによりもたらされた遮断のために発生する、データ伝送タイムアウトを緩和するという利益が得られる。
【0032】
また、本開示の装置及び方法の実施形態の例は、モバイル装置のアーキテクチャ内で独特なアプリケーション及びベースバンドプロセッサを組み込んだモバイル装置に関して説明するために記載されているが、当然のことながら、本開示はそれに限定されず、アプリケーション及びベースバンドプロセッサの機能を、単一のプロセッサアーキテクチャに組み込んだモバイル装置アーキテクチャ内で利用できる。実際に、本開示の様々な態様は、ハイブリッドネットワーク動作による遮断の結果、データ伝送タイムアウトを緩和することから利益が得られる、実質的にどのモバイル装置にも実装できる。
【0033】
LTE/CDMA 1Xハイブリッドネットワーク動作
図1は、ハイブリッドネットワークシステム100の一例を示す。ハイブリッドネットワークは、ユーザ機器(UE)装置110と通信を行うeNB(Evolved Node B)120と、第2のCDMA 1X RAN(図示せず)とで構成された第1のLTE RAN(Radio Access Network)を含む。LTE RANとCDMA 1X RANは、同期しておらず、他のRANの動作を全く認識していない。
【0034】
他のシナリオでは、RANは比較的高いレベルの協調性を備えている。つまりRANは、緩やかに同期させることもでき、動作の態様次第では、緻密に同期させることもできる。例えば、1つのそのような実装において、ネットワーク間の同期は、TCPサーバ上のタイムアウトを回避するために、タイムアウト間隔、又は他のパラメータを動的に調整できるように、CDMA及びLTEにおいて、ユーザが同時にハイブリッド動作を行うことについて、CDMAネットワーク(又はUE)が、LTEネットワークに(又、直接的か間接的のどちらかで、LTEネットワークを介してTCPサーバに)に信号を送るような場合などで、TCPサーバ(又はプロキシエンティティ)、及び/又はUEの振る舞いを選択的に変更するようにして行うことができる。
【0035】
LTE/CDMA 1X(非同期)ハイブリッドモードで動作中、LTEネットワークに登録していても、UE 110はCDMA 1X音声電話ができる。UEは、LTEネットワーク又はCDMA 1Xネットワークの一方からのメッセージを受信して、データに応答して、制御できる。残念なことに、このシナリオでUEが両方のネットワークに同時に応答できないこともある。そのような場合の一実施形態では、UEはLTE(データ)トラフィックよりもCDMA 1X(音声電話)トラフィックを常に優先させて、音声電話に対するユーザ経験が損なわれないようにする。他の実装では他の優先付けをする場合もある(例えば、音声電話の優先順位が低い場合は、トラフィックの種類、装置使用の履歴等に基づいて)。
【0036】
このコンテクストの下では、UEのスイッチングに大きく左右される動作は沢山ある。例えば、参照することによって本明細書に全体的に組み込まれている、2012年5月18日出願の、同一出願人に所有され、同時係属出願の米国特許仮出願第13/475,485号、発明の名称「APPARATUS AND METHODS FOR CLIENT SERVER INTERACTION IN HYBRID NETWORK ENVIRONMENTS」に記載されているように、保守タスクが中断したために、データ破壊及び/又はデータエラーが引き起こされ、非常に望ましくない運転状態に陥る可能性がある(例えば、ネットワークが閉鎖され、装置が不適切な管理をされる)。上記の開示は、ハイブリッド動作のためにネットワーク管理を変更する方法及び装置を提供するものだが、チューンアウト期間中にデータサーバがタイムアウトを緩和するようにクライアント装置の動作を更に向上させることに有用で、本明細書に記載した改良に、相補的な方法で使用できる。
【0037】
特に、UEが一旦LTEネットワークに接続されると、UEはLTEネットワークから定期的にチューンアウトして、CDMA 1Xセルの取得、取得したCDMA 1Xセルへの登録、及びCDMA 1Xページの受信等のCDMA 1X保守アクションを行う。CDMA 1Xネットワークの無線通信状況により、これらのアクションは、一実施例では80ミリ秒(80ms)から数秒(4秒〜6秒)の範囲になりうる。更に、CDMA 1Xネットワーク上で、UEが音声電話を受信したり、かけたりする場合、LTE接続が外される。
【0038】
高速LTEネットワーク上でのデータ移動は、TCPサーバ130のようなネットワークエンティティのTCPトランスポート層132から始めることができ、例えばリリース8(Rel8)LTEネットワーク上で73Mbpsの伝送速度に達することができる。eNB 120を介して伝送される前に、TCPトランスポート層パケット122は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤー124内にラップされる。PDCPサブレイヤーは、UE内とeNB内との両方に存在し、LTEエアーインタフェース制御平面とユーザ平面の一部となる。UEがLTEネットワークからチューンアウトしている期間中は、LTEデータ伝送はオフラインとなり、TCPサーバは、このUEの振る舞いが分からなくなる。したがって、TCPサーバは、受信機バッファが一杯になるまでデータを送信し続ける(例えば、UEにより公表された、取り決めた受信機のウインドウ寸法毎に)。もしTCPサーバが、UEに送信済みで未処理のデータに対するACKを受信し損なうと、TCPサーバはデータ伝送をタイムアウトする。TCPサーバはバックオフし、その結果スタートが遅くなり、UEが(したがってユーザが)知覚するスループットが急激に低下する。それによって「動きがぎこちなくなる」ように感じる。例えば、スループットの割合が時間の関数として著しく変化し、(スループットが、もっと平坦な場合と比べると)ユーザのフラストレーションが増える可能性がある。
【0039】
方法
ここで
図2を参照すると、データサーバのタイムアウトを緩和するための方法200の例が示され、詳細が記述されている。方法200のステップ202では、UEがデータアクセス技術を実行する。実施形態の一例では、データアクセス技術は、セルラーネットワーク上でのLTEデータ伝送からなる。LTEデータ伝送は、ダウンリンクデータ伝送かアップリンクデータ伝送のどちらかであり、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク上にあるデータサーバとの通信を含む。例示の実装では、データサーバはTCPプロトコルに従って動作するので、TCPサーバを構成するが、本開示は例えばSCTP(Stream Control Transport Protocol)のような他のプロトコル(伝送とそれ以外)を使用して、容易に実装できることを理解されるであろう。
【0040】
TCPサーバとUEとの間で伝送されるデータは、UE又はそのユーザが興味を持つ、任意の種類のデータ転送で構成されていてもよく、制限はしないが、ウェッブコンテンツ(テキスト、グラフィック、URL(Uniform Resource Locator)データとスクリプト)、ダウンロード/アップロード可能なコンテンツ(メディアファイル、ソフトウェア、ドキュメント)、アプリケーション、ライブストリーミングメディア、ソーシャルネットワークコンテンツ等を含むことができる。
【0041】
方法200のステップ204では、UEは、UEにより引き起こされた測定ギャップを実行する必要があるか否かを判定する。実施形態の一例では、代わりのネットワークアクセス技術についての必要なネットワークを実行するために、UEにより引き起こされた測定ギャップにより、UE装置はデータアクセス技術ネットワークからチューンアウトしてしまう。例えば、UEにより引き起こされた測定ギャップ期間に入ると、UEはCDMA 1Xセルの獲得、獲得したCDMA 1Xセルへの登録、更新場所のチェック、周波数間測定、及び/又はQPCH(Quick Paging Channel)を復号してUEが呼び出されたか判定するというような、1つ以上のCDMA 1Xアクションを行う。
【0042】
ステップ206では、UEにより引き起こされた測定ギャップ期間にまさに入ろうとしていると判定された後で、データサーバがデータ伝送からタイムアウトしないように、UEは緩和アルゴリズムを実行する。データ伝送が、アップリンクデータ伝送であっても、ダウンリンクデータ伝送であっても、UEが実行する緩和アルゴリズムにより、ネットワーク上でサーバタイムアウトが発生する可能性を低減する、望ましい古いネットワークの振る舞いが引き起こされる。一実施形態では、情報をUEから、伝達された情報に応じて、エンティティに改善ステップを取らせる、ネットワーク上の1つ以上のエンティティ(例えば、eNB、又はTCPサーバ)に伝達することにより、このことが達成される。例えば、UEは通信リンクが変更されていなくても、通信リンクに関する問題を示す1つ以上のネットワークエンティティに、情報を伝達する。それに応じて、ネットワークエンティティは、データサーバがデータ伝送をタイムアウトにする可能性を低減させるように、振る舞いを調整する。
【0043】
その代わりUEは、UEにより引き起こされた測定ギャップ期間に、これらのエンティティをビジーにさせる、ネットワーク上の1つ以上のエンティティに情報を伝達する。例えば、UEは1つ以上のネットワークエンティティからのデータの再伝送をトリガーできる。緩和アルゴリズムの実装の具体例を、ここで詳細に説明する。
【0044】
いくつかの実施形態では、UEは緩和アルゴリズムを開始する前に、決定された時間間隔で待機してもよい。この時間間隔が、固定時間である変形例もある。この時間間隔が、動的に決定された時間間隔である変形例もある。例えばそのような変形例の1つで、この時間間隔が、過去のチューンアウト期間に基づくものでもよい。各々のチューンアウト期間のインスタンス中、UEはチューンアウトの長さを決定する。その後の時間間隔は、履歴のチューンアウト期間の統計的な振る舞いに基づいて決定することができる。UEが履歴のチューンアウト期間の長さの自己相関を調べて、統計的に有用な時間間隔(例えば、メジアン時間間隔、平均時間間隔等)を見つける場合がある。
【0045】
動作例1
ここで
図3を参照して、TCPレベルバックオフを緩和する、UE 310の一例の動作例を示し、詳細に説明する。UEは一般に、データバス320を介して、ベースバンドプロセッサ310に接続されたアプリケーションプロセッサ300を備える。ベースバンドプロセッサは、ネットワークインタフェース330を介して、LTE RANと通信する。LTEモード動作中、UEは、UEがLTEネットワークからチューンアウトしてCDMA 1X保守アクションを行う必要がある、UEにより引き起こされた測定ギャップタイミングを認識する。詳細には、UEが測定ギャップ期間に入ろうとしていることをアプリケーションプロセッサに通知するために、UEベースバンドプロセッサ310はUEアプリケーションプロセッサ300と通信しなければならない。
【0046】
ここで
図4を参照して、ダウンリンクデータ伝送中のTCPレベルのバックオフを緩和するための、第1の方法400の例を示し、詳細に説明する。ステップ402にて、LTEデータ接続を介して、UEはTCPデータをダウンロードする。一実施形態では、TCPデータは、マルチメディアコンテンツで構成される。ステップ404では、UEも接続されている非LTEネットワーク上で、例えば保守アクションを行うために、LTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを、UEが判定する。もしUEが、LTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのダウンロードが続けられる。
【0047】
あるいは、ステップ406では、UEはサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する。このUEにより引き起こされた測定ギャップ期間(つまりLTEサスペンドモード)に入る前に、UEアプリケーションプロセッサは、受信データパケットに応じてネットワークに返信されるTCP ACKに、若干の遅延を引き起こす。この遅延したTCP ACKを受信するとTCPサーバは、通信リンクの品質が低下した結果、TCP ACKが遅延したと推定するので、TCPサーバ上に現存するフロー制御プロセスにより、データ速度を低下させて応答する。TCPサーバに伝送されるACKのこの遅延は、ACK応答の遅延により引き起こされるTCP再伝送タイムアウト(RTO)にならないように、一実施形態では徐々に増加させて実行される。
【0048】
余談になるが、RTOパラメータは、TCPサーバにより見ることができる、平均往復時間RTT(Round Trip Time)並びに任意のRTTの分散の関数として算出される。この関係は、次のように表される。RTO=Fn(平均RTT、分散RTT)。したがって、遅延が引き起こされ、その結果RTTと分散が増えると、TCPサーバがRTO値を調整する(即ち、増加させる)。RTOが増加すると今度は、UEにより引き起こされた測定ギャップ期間中に、TCP RTOに遭遇する確率が低減し、それにより、UEのユーザが認識するデータのスループットが向上する。
【0049】
動作例2
ここで
図5を参照し、ダウンリンクデータ伝送中にTCPレベルのバックオフを緩和するための代替の方法500の例を示し、詳細に説明する。ステップ502では、UEはLTEデータ接続を介してTCPデータをダウンロードする。ステップ504では、UEは、UEが又接続されている非LTEネットワーク上で例えば保守アクションを行うために、LTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もし、LTEサスペンドモードに入ろうとしていないとLTEが判定すれば、TCPデータのダウンロードが続けられる。
【0050】
あるいは、ステップ506では、UEはサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する。詳細には、UEアプリケーションプロセッサ200は、取り決めた受信機のウインドウ寸法を操作することにより、TCPサーバ内の現存するフロー制御プロセスをトリガーする。TCP受信機のウインドウ寸法は、ACKパケットの伝送を介したデータの受信を確認することなく、UEがTCPサーバから受信できるデータ量である。したがって、規定した受信機のウインドウ寸法までのデータパケットの伝送後に、UEから確認を受信しなければ、TCPサーバはデータ伝送量を制限する。UEにより引き起こされた測定ギャップ期間に入る前に、ベースバンドプロセッサ210は、アプリケーションプロセッサ200に、タイムアウト期間が迫っていることを通知する。それに応答して、アプリケーションプロセッサは、TCPサーバに、受信機のウインドウ寸法が小さくなっていることを通知する。TCPサーバとUEとの間のデータ伝送のための受信機のウインドウ寸法を小さくすることにより、UEとの通信リンクの品質が劣化していると信じて、TCPサーバは振る舞い方を変更する。TCPサーバに現存するフロー制御プロセスも実行され、それによりUEに引き起こされた測定ギャップ期間中は、TCP RTOに遭遇する確率が低減する。このことにより、データ伝送中のパケット損失の可能性も低減する。
【0051】
動作例3
更に別の変形例では、UEからのTCP ACKの伝送で引き起こされた遅延が、UEに引き起こされた測定ギャップ期間に入る前に、受信機のウインドウ寸法が小さくなることと組み合わされて、このUEに引き起こされた測定ギャップ期間にTCP RTOに遭遇する確率を低減するために、実行される。
【0052】
動作例4
図6を参照して、ダウンリンクデータ伝送中にTCPレベルバックオフを緩和するための更に別の代替の方法600を示し、詳細に説明する。方法600のステップ602では、LTEデータ接続を介して、UEがTCPデータをダウンロードする。ステップ604では、UEがLTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もしUEがLTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのダウンロードが続けられる。
【0053】
あるいは、ステップ606では、UEはサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する。ステップ606では、UEのアプリケーションプロセッサを介入することを必要とせずに、ベースバンドプロセッサ210により実行されるプロセスにより、TCPレベルバックオフが緩和される。詳細には、及び一実施形態では、ベースバンドプロセッサは、TCPクライアントが介入することなく、UEからTCPサーバにTCP ACKパケットの伝送に遅延を引き起こす。UEは、UEバッファ内でデータがどのくらい未処理になっているかを(例えばネットワークインタフェース230を介して)eNBに通知するのに伝統的に使用している、操作されたBSR(Buffer Status Report)を、eNBに伝える。したがって、UEにより引き起こされた測定ギャップ期間に入る前に、eNBが許可を低減するように(そしてその際、TCPサーバに伝送されるTCP ACKの遅延を暗黙的に引き起こすように)、UEはBSRを介してeNBからの割り当てを漸進的に低減する。TCPサーバでもフロー制御プロセスが実行され、それによりUEにより引き起こされた測定ギャップ中にTCP RTOに遭遇する確率が低減され、今度はデータ伝送中のパケット損失の可能性が低減する。
【0054】
動作例5
ここで
図7を参照して、ダウンリンクデータ伝送中にTCPレベルバックオフを緩和するための更に別の代替の方法700を示し、詳細を説明する。方法700のステップ702では、LTEデータ接続を介して、UEはTCPデータをダウンロードする。ステップ704では、UEはLTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もしUEがLTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのダウンロードが続けられる。
【0055】
あるいは、ステップ706では、UEはサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する。ステップ706にて、UE上のRLC(Radio Link Control)エンティティが、RLC状態報告を介して、パケット損失をeNB送信機に報告する。したがって、UEが伝送を適切に受信していても、UEが測定ギャップ期間に入る前に、パケット損失が報告されたことにより、eNBが「損失した」パケットを再送信する。UEがLTEネットワークからチューンアウトしてCDMA 1X保守アクションを行うにもかかわらず、再送信されたPDU(Protocol Data Unit)が失われるので、このeNBの振る舞いの操作により、新しいPDUの損失が回避され、全体的なPDUの損失の割合が低減される。このため、最終的にTCPのパケット損失の割合が低減される。換言すれば、このチューンアウト期間中は、UEは本質的にeNBをパケット再伝送タスクに専念させる。したがって、eNBはパケット再伝送アクションでビジーなため、データ伝送中にTCPサーバのタイムアウトが発生する可能性は、実質的に低減するであろう。不要な再伝送が発生するために、このアプローチにより、実際ネットワーク上でパケット伝送が増加する。一方では、これは、サーバのタイムアウトイベントから回復する際に遭遇する、オーバーヘッド、信号送信、及びパケット伝送が追加されることにより相殺される。
【0056】
動作例6
ここで
図8を参照して、ダウンリンクデータ伝送中にTCPレベルバックオフを緩和するための更に別の代替の方法800を示し、詳細を説明する。方法800のステップ802では、UEはLTEデータ接続を介してTCPデータをダウンロードする。ステップ804では、UEはLTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もしUEがLTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのダウンロードが続けられる。
【0057】
あるいは、ステップ806では、UEはサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する。詳細には、ステップ806にて、LTEサスペンドモードに入る前に(すなわち、LTEネットワークからチューンアウトする前に)、UEが以前伝送したデータを実際に適切に受信していても、UEはHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)伝送に対して否定応答パケットNACK(Negative acknowledgement)を伝送する。したがって、及び上述した動作例と同等にして、UEのチューンアウト期間中は、ネットワーク自体は再伝送でビジーで、本来の伝送の損失(loss)は回避している。したがって、ネットワークをパケット再伝送に専念させることで、データ伝送中にTCPサーバがタイムアウトする可能性は著しく低減する。
【0058】
動作例7
ここで
図9を参照して、アップリンクデータ伝送中にTCPレベルバックオフを緩和するための第1の方法900の例を示し、詳細を説明する。方法900のステップ902では、UEはLTEデータ接続を介してTCPデータをアップロードする。ステップ904では、UEはLTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もしUEがLTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのアップロードが続けられる。
【0059】
あるいは、ステップ906では、UEはサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する。一般に、バッファ(例えば、RLC/MAC、PDCP等)は全て「低」と「高」のウォーターマークレベルで判定されるフロー制御機構を有する。「高ウォーターマーク」レベルがヒットすると、スタック内の上位層は、バッファにデータを書き込むことはできない。トラフィックがアップリンクの場合、より高位層(例えば、PDCP及びTCP)が、データが書き込まれる速度を変えるように、高ウォーターマーク閾値を調整(すなわち、低減)することにより、RLC/MACバッファは来入するデータ速度を制限できる。この方法は人工的に平均RTTを増加させ、よってRTOをTCP側に増加させる。したがって、LTEサスペンドモードに入る前に、TCPサーバ上のRTO値を増加させるために、UEはステップ906にてバッファフィル限度を下げる。TCPサーバ上でRTOを増加させることにより、データ伝送中にTCPサーバのタイムアウトが発生する可能性は著しく低減する。タイムアウトイベントのトリガーとなる恐れがある、ネットワーク上の重大な過渡現象を避けるために、このバッファフィル限度を、1ステップで、あるいは更に漸進的な方法(例えば、多数の増加するステップ)で下げることができる。
【0060】
動作例8
ここで
図10を参照して、アップリンクデータ伝送中にTCPレベルバックオフを緩和するための別の代替の方法1000を示し、詳細を説明する。方法1000のステップ1002では、UEはLTEデータ接続を介してTCPデータをアップロードする。ステップ1004では、UEはLTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もしUEがLTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのアップロードが続けられる。
【0061】
あるいは、及びLTEデータ接続からUEがチューンアウトする直前に、ステップ1006にて、UEはeNBへの割り当て要求を漸進的に低減する。eNBに伝送されたBSR内の割り当て要求を低減させることにより、UEはこれを達成する。
【0062】
したがって、eNBに対する割り当て要求を低減することにより、受信機端部から来入するACKパケットの損失確率が低減し、ネットワークのTCP側から再伝送するのを回避できる。したがって、アップリンクデータ伝送中にTCPサーバのタイムアウトが発生する可能性は、著しく低減する。
【0063】
動作例9
ここで
図11を参照して、アップリンクデータ伝送中にTCPレベルバックオフを緩和するための更に別の代替の方法1100を示し、詳細を説明する。方法1100のステップ1102では、UEはLTEデータ接続を介してTCPデータをアップロードする。ステップ1104では、UEはLTEサスペンドモードに入ろうとしているか否かを判定する。もしUEがLTEサスペンドモードに入ろうとしていないと判定すれば、TCPデータのアップロードが続けられる。
【0064】
あるいは、及びLTEデータ接続からUEがチューンアウトする直前に、ステップ1106にて、UEはeNBに伝送された割り当て要求を漸進的に低減する。これは、UEが入手可能な返還電力を追加することをeNBに連絡する、PHR(Power Headroom Report)の通信を介して達成する。したがって、eNBに要求されたアップリンクリソースを低減することにより、受信機端部から来入するACKパケットの損失確率が低減し、ネットワークのTCP側から再伝送するのを回避できる。したがって、データ伝送中にTCPサーバのタイムアウトが発生する可能性は著しく低減する。
【0065】
ネットワークベースの変形例
前述の方法例はすべて、主にUEに誘発された振る舞いを対象にしている。例えば、UEは、LTEからチューンアウト期間に入ろうとすると、何らかの緩和アクションを引き起こす。代替の実装では、UEの構成に基づいた知識により(例えば、サーバがアクセスして、UEがハイブリッド動作が可能か判定できるデータベース)、又は「ハイブリッド」動作に入ろうとしていることを示す、UEからのアップリンク通信により(例えば、初期のCDMAボイスコールを優先した、LTEからのチューンアウト)のような、UEのハイブリッド構成/状態を、(TCPサーバ、又は指定されたプロキシのような)ネットワークエンティティが認識して、サーバ、又はエンティティがUEのために、修正したタイムアウトルールを適用できる。例えば、一実装では、UEがTCPサーバ又はそのプロキシに、差し迫ったチューンアウトに関する信号を送り(TCPサーバが認識するまでチューンアウトの開始を、一瞬遅らせることを含んでもよい)、その際UEによりチューンアウトされる前に、振る舞いを修正する時間をTCPサーバに与えている。そのような修正には例えば、タイムアウトイベントの可能性を低減するために、前述の手続き(例えば、ウインドウ寸法の縮小、ネットワーク上の改善、再伝送等)のどれでも呼び出すことを含んでもよい。当然のことながら、本実施形態は現存のネットワーク基盤に対して実装/修正することを要求するが、ネットワーク(例えば、TCPサーバ、又はプロキシ)が、そのような緩和対策を、いつ、どのように実施するのか決定するので、UEが改善的、又は修正(緩和)的なアルゴリズム自体を発行するのをサポートするのに必要な、固有の論理を有することを軽減するので都合がよい。このため、UEが必要とするのが、フォーマットだけになり、「チューンアウト催促」アップリンクメッセージ、又は他のこれに匹敵する信号を伝送するので、UEが「より小型軽量」そしてより単純になり、UE上での電力消費が見かけ上減る。
【0066】
装置
ここで
図12を参照して、ユーザ機器(UE)装置1200の例を詳細に説明する。UEは、(i)1つ以上の高周波(RF)フロントエンド1202と、(ii)1つ以上のベースバンドプロセッサ1204と、(iii)少なくとも1つのアプリケーションプロセッサ1206と関連メモリ1208と、を備える。様々な実装では、高周波フロントエンド及びベースバンドプロセッサは、更に単一の無線技術の取り扱いに特化してもよく、又は多数の無線技術を含むように一般的化してもよい。
【0067】
上記のように、UEの例は、LTEネットワークとCDMA 1Xネットワークそれぞれとインタフェースをとるようになされた第1と第2のベースバンドプロセッサの両方に接続された、第1のRFフロントエンドを備える。更に当然のことながら、前述の構成は純粋に説明のためのものであり、様々な実装は、GSM(登録商標)、GPRS、EDGE、WCDMA(登録商標)、CDMA2000、CDMA 1X EVDO、LTE−A(LTE Advanced)のような他のセルラー技術を、様々に組合せて含んでもよい。又、簡単にするために、RFフロントエンドを1つだけ示したが、当然のことながら、RFフロントエンドは多数の受信、及び/又は送信アンテナ、及び/又はチェーンを含むことができる(かつ一般的に含んでいる)。例えば、周知のMIMO(Multiple In Multiple Out)、SISO(Single In Single Out)、MISO(Multiple In Single Out)、及びSIMO(Single In Multiple Out)アンテナ構成は、従来技術では広く使用されており、本開示に矛盾すること無く使用できる。
【0068】
更に、本開示の実施形態の一例では、UE 1200はベースバンドプロセッサ1204の任意の1つ(又はそれ以上)を、アンテナ1202の様々な1つ(又はそれ以上)に接続できる、スイッチングファブリック1210を更に含む。この図示したスイッチングファブリックは、LTEベースバンド又はCDMA 1Xベースバンドのどちらかを、RFフロントエンドに接続するようになされている。しかしながら、通常の実施形態では、1つのベースバンドプロセッサを、1つのアンテナ(1対1)、1対多、多対1等のアンテナに接続できる。この「切り換え」能力が望ましい理由は沢山あり、例えば(i)電力管理、(ii)処理効率/柔軟性、及び(iii)アンテナ分離制約が必要とするのは、モバイル装置の無線のサブセットが、いつでもアクティブなことだけである。フォームファクタの設計が小さいと、動作中多数のアンテナを、完全に分離するための十分なスペースがないため、いつでもアクティブになるのはアンテナ1つだけであるという場合もある。同様に、あるフォームファクタの設計の場合、様々な無線インタフェース用にアンテナを再使用するので、任意の時間に共通のアンテナを使用できるのは1つの無線インタフェースだけになる。当業者であれば、当然ながら更に他の動機もあるが、本明細書ではこれ以上議論しない(例えば、ビジネス、又は利益の考慮、ネットワークの活用等)。
【0069】
また、当然のことながら、他の構成要素もUE 1200に通常組み込まれているが、本明細書ではこれ以上議論しない。例えばUEは、ユーザインタフェース部品(表示画面、ボタン、タッチスクリーン、ダイヤル等)、メモリ部品(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)等)、電力管理部品(例えば、バッテリ、充電器部品等)、外部インタフェース(例えば、ファイヤワイヤ(商標)、USB(商標)(Universal Serial Bus)、サンダーボルト等)を含んでもよい。
【0070】
更に当然のことながら、
図12に示すUEは実施形態の一例を説明しているに過ぎない。本開示に有用な他の変形例は、2011年4月25日出願の同一出願人に所有され、同時係属の米国暫定特許第61/xxx号、発明の名称「DUAL NETWORK MOBILE DEVICE RADIO RESOURCE MANAGEMENT」、2012年5月2日に出願の第13/099,204号、発明の名称「SINGLE−RADIO DEVICE SUPPORTING COEXISTENCE BETWEEN MULTIPLE RADIO ACCESS TECHNOLOGIES」、2011年4月6日に出願の第61/xxx号、発明の名称「MULTIPLE NETWORK MOBILE DEVICE CONNECTION MANAGEMENT」、2012年1月9日に出願の第13/346,419号、発明の名称「DYNAMIC TRANSMIT IN DEVICES WITH MULTIPLE ANTENNAS」、及び2012年1月10日に出願の第13/347,641号、発明の名称「MULTIMODE USER EQUIPMENT WITH DUAL CIRCUIT ARCHITECTURE」に詳細に記載されており、各々参照することによって本明細書に全体的に組み込まれている。
【0071】
ベースバンドプロセッサ1204及びアプリケーションプロセッサ1206は、1つ以上のメモリリソース1208に接続され、データサーバタイムアウト緩和アルゴリズムは、メモリ内に記憶される。実施形態の一例では、これらのデータサーバタイムアウト緩和アルゴリズムは、ベースバンドプロセッサからチューンアウトに関する情報を得て、適切なデータサーバタイムアウト緩和アルゴリズムを実行する1つ以上のコンピュータプログラムを含む。ソフトウェアとロジックの組合せのような、他のアプローチも使用してもよい。
【0072】
本開示の態様のあるものは、ある方法のステップの特定のシーケンスに関して記載しているが、それらの記載は本開示の広範囲な方法の説明に過ぎず、必要に応じて特定のアプリケーションで修正してもよい。特定のステップは、特定の状況下では、不必要又は任意選択とできる。更には、特定のステップ又は機能性を、開示される実施形態に追加でき、あるいは2つ以上のステップの実行の順序を、置き換えることもできる。全てのそのような変更形態は、本明細書で開示され特許請求される、本開示の範囲内に包含されると見なされる。
【0073】
上記の詳細な記載で、様々な実施形態に適用した場合の、本開示の新たな特徴を表示、記載、指摘しているが、当業者であれば、本開示から逸脱することなく、装置又はプロセスの形式及び詳細を、省略、置換、並びに変更できることが、理解されるであろう。前述の説明は、本開示の実行に関して現時点で想到される最良の様式である。本説明は、限定することを決して意図するものではなく、むしろ、本開示の一般的原理の例示として解釈されるべきである。本開示の範囲は、特許請求の範囲に準拠して決定されるべきである。