(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示すブロック図である。磁場監視警報システムは、磁場センサ(磁気センサ)10、測定装置20および情報処理装置30によって構成される。
【0009】
磁場センサ10は、例えば3軸フラックスゲート磁力計を備えたフラックスゲート型のセンサであり、高感度・高分解能に磁場変動を検知する。磁場センサ10は、測定最大値が±250μT程度、感度が40mV/μT程度、周波数範囲がDC〜1kHz程度のものを採用するとよい。磁場センサ10は、磁場(磁束密度)を表す信号を、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の軸ごとに個別に出力するようになっている。以下、磁場センサ10の出力に基づく信号を「磁場センサ信号」と呼ぶことにする。
【0010】
測定装置20は、磁場センサ10の出力信号を増幅する増幅器21と、増幅器21から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器22とを備えている。また、測定装置20は、A/D変換器22の出力信号を周波数に応じてDC成分を含む成分とAC成分とに分離する信号分離器23を有する。また、測定装置20は、信号分離器23の出力を情報処理装置30に出力するための通信インターフェース(通信I/F)24を備えている。さらに、測定装置20は、各部21〜24の動作を制御するコントローラ25を有する。
【0011】
増幅器21は、コントローラ25から受ける制御信号に応じて利得を調整する機能を備えている。A/D変換器には、例えば24bitのデルタシグマ型A/Dコンバータを採用するとよい。これによると、量子化ノイズの少ないワイドダイナミックレンジのA/D変換が可能となる。
【0012】
信号分離器23は、デジタル信号処理によるハイパスフィルタとローパスフィルタとを備える。本実施形態において信号分離器23は、これらのフィルタにより、磁場センサ10から出力された3軸の各信号を、10Hz未満のDC成分(直流成分)を含む成分(以下これを「DC」成分と記す)と、10Hz以上のAC成分(交流成分、以下これを「AC」成分と記す)とに分離して出力する。ここで、本実施形態ではA/D変換器22を信号分離器23の前段に設けているが、A/D変換器22を後段に設け、信号分離器23がアナログフィルタにより信号分離を行うようにしてもよい。
【0013】
通信I/F24は、信号分離器23の出力を情報処理装置30に出力すると共に、情報処理装置30から制御コマンドを受信する双方向のインターフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)インターフェースを採用する。コントローラ25は、通信I/F24を介して情報処理装置30から受信した制御コマンドに従い、各部21〜24の動作を制御する機能を備えている。
【0014】
情報処理装置30は、中央処理装置(CPU)31、記憶装置32、入力装置33および表示装置34を備えている。また、情報処理装置30は、測定装置20と通信するための通信I/Fと、警報を外部に出力するための出力I/Fとを備えている。また、情報処理装置30には、印刷装置40が接続されている。
【0015】
CPU31は、プログラムを実行することにより、AC異常判定機能、DC異常判定機能、常時データ記録機能、異常時データ記録機能、警報出力機能およびデータ処理機能を実行する。
【0016】
AC異常判定機能は、測定装置20から通信I/Fを介して連続的に受信される各軸の磁場センサ信号(磁束密度)のAC成分を、予め設定されたAC成分用の閾値と比較し、AC成分が当該閾値を越えた場合に異常の発生を警報出力機能および異常時データ記録機能に通知する。AC成分用の閾値は、記憶装置32に記憶されている。CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該閾値を所望の値に設定する機能を提供する。
【0017】
DC異常判定機能は、測定装置20から通信I/Fを介して連続的に受信される磁場センサ信号のDC成分を、予め設定されたDC成分用の閾値と比較し、DC成分が当該閾値を越えた場合に異常の発生を警報出力機能および異常時データ記録機能に報告する。DC成分用の閾値は、記憶装置32に記憶されている。CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該閾値を所望の値に設定する機能を提供する。
【0018】
常時データ記録機能は、測定装置20から通信I/Fを介して受信した磁場センサ信号のAC成分およびDC成分のデータを記憶装置32に記録する。本実施形態において、常時データ記録機能は、磁場センサ信号のAC成分およびDC成分のデータを所定の周期ごとに一定時間記録する。例えば、10分おきに1分間の記録を行う。記録を実行する周期と、1回あたりの記録継続時間は、記憶装置32に予め設定されており、CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該周期および記録継続時間を所望の値に設定する機能を提供する。AC成分とDC成分の記録時間を個別に設定できるようになっており、例えば、AC成分の記録時間は10分おきに10秒間とし、DC成分の記録時間は10分おきに60秒間というように、成分ごとに個別に設定可能となっている。これに加え、常時データ記録機能は、磁場センサ信号のDC成分の連続的なデータ記録も行う。
【0019】
異常時データ記録機能は、AC異常判定機能またはDC異常判定機能から異常発生の通知を受けると、当該通知を受けてから予め設定された一定時間、異常の発生した磁場センサ信号のAC成分またはDC成分のデータを記憶装置32に記録する。記録を行う一定時間は記憶装置32に予め設定されており、CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該時間を所望の値に設定する機能を提供する。
【0020】
警報出力機能は、AC異常判定機能またはDC異常判定機能から異常発生の通知を受けると、当該異常が発生した旨を表示装置34に表示すると共に、当該異常の発生を表す信号を出力I/Fを介して外部装置に出力する。これにより、外部装置では異常の発生に応じた所定の動作が行われる。また、当該異常を表す音声を情報処理装置30に接続されたスピーカから出力するようにしてもよい。
【0021】
データ処理機能は、記憶装置32に記録された磁場センサ信号のデータを読み出し、グラフ化して表示装置34に表示する。また、データ処理機能は、記憶装置32に記録された磁場センサ信号のデータを読み出し、グラフ化して印刷装置40に印刷させる。また、データ処理機能は、記憶装置32に記憶された磁場センサ信号のデータを読み出してグラフ化し、他のアプリケーションで利用可能なファイル形式(メタファイル)に変換して記憶装置32に格納する。 CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、グラフ化するデータを選択し、また、グラフの軸のスケールを変更する等の編集機能を提供する。
【0022】
記憶装置32は、二次記憶装置(補助記憶装置)であり、一次記憶装置(主記憶装置)の図示は省略している。
【0023】
入力装置33は、ユーザが操作する入力装置であり、キーボードやポインティングデバイスが該当する。
【0024】
表示装置34は、文字や図形を表示するディスプレイ装置である。
【0025】
情報処理装置30に搭載された測定装置20との通信I/Fは、測定装置20に装備された通信I/Fと同一の規格の通信I/Fである。本実施形態では、USBインターフェースである。
【0026】
次に、第1実施形態の動作を説明する。磁場センサ10は、直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)において、それぞれ磁束密度を連続的に検出し、磁束密度を表す磁場センサ信号を軸ごとに出力する。測定装置20では、各軸の磁場センサ信号が増幅器21によって増幅された後、A/D変換器22によってデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された磁場センサ信号は、信号分離器23によって、軸ごとにDC成分とAC成分とに分離される。DC成分およびAC成分の各軸の信号データは、通信I/F24を介して連続的に情報処理装置30に入力される。
【0027】
情報処理装置30において、CPU31は、常時データ記録機能により、各軸のDC成分およびAC成分の信号データを記憶装置32のファイルに記録する。常時データ記録機能は、DC成分およびAC成分の信号データを一定周期で一定時間ずつ記録すると共に、DC成分の信号データを連続的に記録する。
【0028】
同時にCPU31は、AC異常判定機能により、測定装置20から受信した磁場センサ信号の各軸のAC成分の信号データを、記憶装置32に格納されているAC成分の異常判定用の閾値と連続的に比較する。AC成分の任意の軸の信号データの値が異常判定用の閾値を超えた場合、AC成分に異常が発生した旨を異常時データ記録機能および警報出力機能に通知する。
【0029】
同時にCPU31は、DC異常判定機能により、測定装置20から受信した磁場センサ信号の各軸のDC成分の信号データを、記憶装置32に格納されているDC成分の異常判定用の閾値と連続的に比較する。DC成分の任意の軸の信号データの値が異常判定用の閾値を超えた場合、DC成分に異常が発生した旨を異常時データ記録機能および警報出力機能に通知する。
【0030】
AC異常判定機能またはDC異常判定機能から異常が通知された場合、CPU31は、警報出力機能により、AC成分またはDC成分に閾値を超える異常が生じたことを表示装置34に表示する。また、同異常の発生を出力I/Fを介して外部装置に通知する。
【0031】
同時にCPU31は、異常時データ記録機能により、異常を生じたAC成分またはDC成分の各軸の信号データを当該異常の通知から一定時間、記憶装置32のファイルに記録する。
【0032】
また、入力装置33の操作によりデータ処理機能が起動されると、CPU31は、入力装置33の操作による要求に応じて以下の処理を実行する。
【0033】
信号データのグラフ表示を要求された場合、選択されたファイルに記録されている各軸の信号データを記憶装置32から読み出し、横軸を時間、縦軸を磁束密度とした線グラフを軸ごとに生成し、表示装置34に表示する。表示例は後述する。
【0034】
また、信号データのグラフ印刷を要求された場合、選択されたファイルに記録された各軸の信号データを記憶装置32から読み出し、横軸を時間、縦軸を磁束密度とした線グラフを軸ごとに生成し、印刷装置40から印刷させる。
【0035】
また、ファイル形式の変換を要求された場合、CPU31は、選択されたファイル(AC成分またはDC成分の各軸の信号データを記録したファイル)を記憶装置32から読み出し、当該ファイルを他のアプリケーションで使用可能なファイル形式に変換し、記憶装置32に格納する。
【0036】
以上説明した第1実施形態によれば、磁場の変動を表す磁場センサ信号をDC成分とAC成分とに分離し、DC成分とAC成分とについて個別に異常を判定することができ、半導体の加工に影響を与え得る磁場変動が生じたことを、DC成分とAC成分の各々について判定し警報することができる。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を
図2乃至
図10を参照して説明する。第1実施形態は半導体の加工に影響を与え得る磁場の変動を監視する構成となっているが、第2実施形態ではこれに加え、半導体の加工に影響を与え得る物理的振動を監視する構成を備えている。第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付し、重複説明は省略する。
【0038】
本実施形態では、磁場センサ10に加え、振動センサ50を備えている。振動センサ50は、物理的振動を検出し当該振動を表す振動センサ信号を連続的に出力する。振動センサ50は、直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)の各軸方向の振動を個別に検出する。本実施形態では、振動センサ50としてサーボ型の加速度センサを採用する。この場合、低周波域の振動を高S/N比かつ高分解能に検出することができる。
【0039】
測定装置20は、第1実施形態の構成に加え、振動センサ50の各軸の出力信号を増幅する増幅器26と、この増幅器26によって増幅された各軸の振動センサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器27とを備えている。本実施形態では、A/D変換器27に24bitのデルタシグマ型A/Dコンバータを採用する。コントローラ25は、増幅器26およびA/D変換器27の動作を制御する。A/D変換器27においてデジタル化された各軸の振動センサ信号(本実施形態において振動の加速度を表す)は、通信I/F24を介して情報処理装置30に連続的に入力される。
【0040】
情報処理装置30は、第1実施形態の構成に加え、振動異常判定機能を備えている。振動異常判定機能は、測定装置20から通信I/Fを介して連続的に入力される各軸の振動センサ信号(加速度信号)に対し、周波数領域における1/3Oct.Band.周波数分析を実行し、当該分析の結果を予め設定された閾値と比較する。そのイメージは、周波数領域に変換した各軸の振動センサ信号を横軸に周波数、縦軸に速度をとったトリパタイトグラフにプロットし、この振動センサ信号のグラフが一定周波数以下の領域では、振動の変位を閾値とし、振動センサ信号のグラフが一定周波数を超える領域では、振動の加速度を閾値とするものである。例えば、周波数が15Hz以下の範囲では変位0.6μmを閾値とし、周波数が15Hzを超える範囲では加速度0.5cm/sec
2を閾値とする。振動異常判定機能は、振動センサ信号の周波数分析結果が閾値を越えた場合に異常の発生を警報出力機能および異常時データ記録機能に通知する。各閾値は、記憶装置32に記憶されている。CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該閾値を所望の値に設定する機能を提供する。
【0041】
常時データ記録機能は、第1実施形態の処理に加え、測定装置20から通信I/Fを介して受信した振動センサ信号のデータを記憶装置32に記録する。本実施形態において、常時データ記録機能は、振動センサ信号のデータを一定周期ごとに一定時間記録する。例えば、10分おきに10秒間の記録を行う。記録を実行する周期と、1回あたりの記録継続時間は、記憶装置32に予め設定されており、CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該周期および記録継続時間を所望の値に設定する機能を提供する。
【0042】
異常時データ記録機能は、振動異常判定機能から異常発生の通知を受けると、当該通知を受けてから予め設定された一定時間、異常の発生した振動センサ信号のデータを記憶装置32に記録する。記録を行う一定時間は記憶装置32に予め設定されており、CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、当該時間を所望の値に設定する機能を提供する。
【0043】
警報出力機能は、振動異常判定機能から異常発生の通知を受けると、当該異常が発生した旨を表示装置34に表示すると共に、当該異常の発生を表す信号を出力I/Fを介して外部装置に出力する。これにより、外部装置では異常の発生に応じた所定の動作が行われる。また、当該異常を表す音声を情報処理装置30に接続されたスピーカから出力するようにしてもよい。
【0044】
データ処理機能は、記憶装置32に記録された振動センサ信号のデータを読み出し、グラフ化して表示装置34に表示する。また、データ処理機能は、記憶装置32に記録された振動センサ信号のデータを読み出し、グラフ化して印刷装置40に印刷させる。また、データ処理機能は、記憶装置32に記憶された振動センサ信号のデータを読み出してグラフ化し、他のアプリケーションで利用可能なファイル形式(メタファイル)に変換して記憶装置32に格納する。 CPU31は、ユーザによる入力装置33の操作に応じて、グラフ化するデータを選択し、また、グラフの軸のスケールを変更する等の編集機能を提供する。
【0045】
図3は、磁場センサ信号のデータおよび振動センサ信号のデータを記憶装置32のファイルに記録する際のファイル構造を示している。データファイルは、ツリー構造をなすフォルダの最も下位の階層に保存される。最上位のフォルダは、データの収集を開始した日時ごとに作成される。この日時別フォルダの下の階層には磁場センサ信号のデータを収録するための磁場データ収録フォルダと、振動センサ信号のデータを収録するための振動データ収録フォルダとが作成される。
【0046】
磁場データ収録フォルダの下の階層には、異常時データ記録機能によって記録されるデータを収録するためのアラーム発生時収録フォルダと、常時データ記録機能によって記録されるデータを収録するための自動記録収録フォルダとが作成されている。アラーム発生時収録フォルダには、DC・AC成分収録ファイルが作成され、異常時データ記録機能は、このファイルにDC成分およびAC成分のデータを記録する。また、自動記録収録フォルダには、DC・AC成分収録ファイルが作成され、常時データ記録機能は、このファイルにDC成分およびAC成分のデータを周期的に記録する。これに加え、自動記録収録フォルダには、DC成分連続収録ファイルが作成され、常時データ記録機能は、このファイルにDC成分のデータを連続的に記録する。
【0047】
また、振動データ収録フォルダの下の階層には、異常時データ記録機能によって記録されるデータを収録するためのアラーム発生時収録フォルダと、常時データ記録機能によって記録されるデータを収録するための自動記録収録フォルダとが作成されている。アラーム発生時収録フォルダには、波形収録ファイルが作成され、異常時データ記録機能は、このファイルに振動センサ信号のデータを記録する。また、自動記録収録フォルダには、波形収録ファイルが作成され、常時データ記録機能は、このファイルに振動センサ信号のデータを周期的に記録する。
【0048】
次に、本実施形態の動作を説明する。本実施形態では、第1実施形態の動作に加え、以下の動作を行う。
【0049】
振動センサ50は、直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)において、それぞれ物理的振動を連続的に検出し、振動を表す振動センサ信号(加速度信号)を軸ごとに出力する。測定装置20では、各軸の振動センサ信号が増幅器26によって増幅された後、A/D変換器27によってデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された振動センサ信号は、通信I/F24を介して連続的に情報処理装置30に入力される。
【0050】
情報処理装置30において、CPU31は、常時データ記録機能により、各軸の振動センサ信号のデータを記憶装置32のファイルに記録する。常時データ記録機能は、振動センサ信号のデータを一定周期で一定時間ずつ記録する。
【0051】
同時にCPU31は、振動異常判定機能により、測定装置20から受信した各軸の振動センサ信号に対し1/3Oct.Band周波数分析を実行し、その分析結果を記憶装置32に格納されている異常判定用の閾値と比較する。任意の軸の振動センサ信号が異常判定用の閾値を超えた場合、振動環境に異常が発生した旨を異常時データ記録機能および警報出力機能に通知する。
【0052】
振動異常判定機能から異常が通知された場合、CPU31は、警報出力機能により、振動環境に閾値を超える異常が生じたことを表示装置34に表示する。また、同異常の発生を出力I/Fを介して外部装置に通知する。
【0053】
同時にCPU31は、異常時データ記録機能により、各軸の振動センサ信号のデータを当該異常の通知から一定時間、記憶装置32のファイルに記録する。
【0054】
また、入力装置33の操作によりデータ処理機能が起動されると、CPU31は、入力装置33の操作による要求に応じて以下の処理を実行する。
【0055】
振動センサ信号のデータについてグラフ表示を要求された場合、CPU31は、選択されたファイルに収録された各軸の信号データを記憶装置32から読み出し、2種類のグラフを生成する。第1は、横軸に時間を縦軸に信号データ(加速度)の値をとった各軸の波形グラフである。第2は、前述のトリパタイトグラフである。この2種類のグラフを表示装置34に表示する。
【0056】
また、振動センサ信号のデータについてグラフ印刷を要求された場合、CPU31は、選択されたファイルに収録された各軸の信号データを記憶装置32から読み出し、上記2種類のグラフを生成し、印刷装置40から印刷させる。
【0057】
また、振動センサ信号のデータを記録したファイルについてファイル形式の変換を要求された場合、CPU31は、選択されたファイルを記憶装置32から読み出し、当該ファイルを他のアプリケーションで使用可能なファイル形式に変換し、記憶装置32に格納する。
【0058】
図4乃至
図10は、データ処理機能によって表示または印刷されるグラフの出力例を示している。
図4は、常時データ記録機能によって記録された磁場センサ信号のDC成分を表している。軸ごとに周期的に記録されたデータのうち、ある60秒間に記録されたデータを横軸を時間(sec)、縦軸を磁束密度(μT)とした時刻歴波形で示している。
【0059】
図5は、常時データ記録機能によって記録された磁場センサ信号のAC成分を表している。軸ごとに周期的に記録されたデータのうち、ある10秒間に記録されたデータを横軸を時間(sec)、縦軸を磁束密度(μT)とした時刻歴波形で示している。
【0060】
図6は、ある一定時間に記憶装置32に収録した各軸のAC成分のデータとDC成分のデータとをそれぞれ集計し、横軸を度数、縦軸を磁束密度の階級としたヒストグラムを示している。データ処理機能は、このヒストグラムを生成する演算機能を備えている。
【0061】
図7は、常時データ記録機能によって連続的に記録された磁場センサ信号のDC成分を表している。軸ごとに連続的に記録されたデータのうち、3時間分のデータを切り出し、横軸を時間(sec)、縦軸を磁束密度(μT)とした時刻歴波形で示している。
【0062】
図8は、常時データ記録機能によって記録された振動センサ信号のデータを表している。右のグラフは、軸ごとに周期的に記録されたデータのうち、ある10秒間に記録されたデータを、横軸を時間(sec)、縦軸を加速度(cm/sec
2)として軸ごとに示した時刻歴加速度波形である。左のグラフは、右のグラフと同じデータに対する周波数分析結果(1/3Oct.Band)をトリパタイトグラフに表示したものである。
【0063】
図9は、常時データ記録機能によって記録された振動センサ信号のデータを軸ごとに分けて表している。各軸のトリパタイトグラフに、一定周期で記録された複数のサンプルのデータを重畳的に表示したものである。
【0064】
図10は、
図9で重畳的に示されたデータに統計処理を施し、最大値の線グラフと、最小値の線グラフと、平均値の線グラフとの3本を各軸のトリパタイトグラフに表示したものである。データ処理機能は、当該最大値、最小値および平均値を算出する演算機能を備えている。
【0065】
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態の作用効果に加え、物理的振動についても異常を判定することができ、半導体の加工に影響を与え得る振動が生じたことを判定し警報することができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を備えるものである。例えば、情報処理装置に搭載された機能の一部が情報処理装置に代えて測定装置の側に搭載されていてもよいし、また、ハードウェアが測定装置と情報処理装置とに分離されていなくてもよい。