(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974388
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧表示器
(51)【国際特許分類】
B60S 5/04 20060101AFI20160809BHJP
A61G 5/02 20060101ALI20160809BHJP
G01L 17/00 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
B60S5/04
A61G5/02
G01L17/00 301L
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-96282(P2014-96282)
(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-202859(P2015-202859A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2015年7月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503210201
【氏名又は名称】有限会社であい工房
(72)【発明者】
【氏名】坊岡 正之
(72)【発明者】
【氏名】矢賀 洋
(72)【発明者】
【氏名】高田 昇一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】相原 將邦
【審査官】
粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3136958(JP,U)
【文献】
実開平02−149359(JP,U)
【文献】
特公昭38−016689(JP,B1)
【文献】
実開昭59−111748(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 5/04
A61G 5/02
G01L 17/00
B60C 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車や車椅子の車輪の空気供給用口金に常時取り付けるもので、口金取付部と、空気圧入部と、空気圧表示部とから構成され、前記空気圧入部よりタイヤ内に空気を圧入しながら、タイヤ内の圧力と同じ圧力を前記空気圧表示部に表示することができることを特徴とするタイヤ空気圧表示器。
【請求項2】
下部に前記口金取付部を設け、中央部側方に前記空気圧入部を設け、上部に前記空気圧表示部を設けてなることを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧表示器。
【請求項3】
前記口金取付部の上部水平方向に、前記空気圧入部及び前記空気圧表示部を突設してなることを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧表示器。
【請求項4】
前記口金取付部の上部垂直方向に前記空気圧入部を、上部水平方向に前記空気圧表示部を、それぞれ突設してなることを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧表示器。
【請求項5】
前記空気圧表示部が圧力計であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のタイヤ空気圧表示器。
【請求項6】
前記空気圧表示部がバネと色別表示体となることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のタイヤ空気圧表示器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に車椅子や自転車の車輪の空気供給用口金に取り付けて安全に走行することのできるタイヤ空気圧表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術としては、搭乗者が操作するブレーキレバーにより、駆動輪の空気入りタイヤの外周に、ブレーキシューを押圧、解除するブレーキ機構において、前記駆動輪の空気入りタイヤの直径の延長線にほぼ直交し、該タイヤの外周を前記駆動輪の車輪方向に押圧する面と、該押圧する面により前記タイヤがその幅方向に変形する部分を抑制する面を両側に有するブレーキ片を前記ブレーキシューと一体に作動するように固定して備えたことを特徴とする車椅子のブレーキ装置がある。(特許文献1参照)
【0003】
別の従来例としてはタイヤの空気圧を測定する測定器であって、異なる種類のタイヤの空気供給用口金に係合可能なチェック部と、空気圧を検出する空気圧検出部と、検出された空気圧の測定値を表示する表示部とから構成されており、該表示部に表示される測定値の単位を切り換える切り換えスイッチと、該切り換えスイッチにより指定された圧力単位に換算する演算回路部とを備えていることを特徴とする空気圧測定器がある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2010−29669号公報
【特許文献2】 実用新案登録第3087394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記前者のものは、車椅子のタイヤの空気が減った場合においても3方向からの押し付け力でブレーキ力を保持できるものであるが、空気圧が減っているとタイヤが変形して転がり抵抗が大きくなり、走行時の操作者の負担は大きい。
【0006】
上記後者のものは、空気圧が適正かどうかを後工程にてチェックするもので、空気の圧入と同時にチェックすることはできない。
【0007】
車椅子の駐車ブレーキは、前輪のタイヤ幅方向に金属製の薄板や丸棒を押しつけるもので空気圧が減少するとブレーキの効きを期待できなくなる。
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするもので、車椅子のタイヤの空気圧を走行時や空気圧入時など問わず、常に管理することができるため、移乗などの際に車椅子が予期せず動き出すことによる転倒等を防止するタイヤ空気圧表示器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、車椅子の車輪の空気供給用口金に取り付けるもので、口金取付部と、空気圧入部と、空気圧表示部とから構成され、前記空気圧入部よりタイヤ内に空気を圧入しながら、タイヤ内の圧力と同じ圧力を前記空気圧表示部に表示することができること。下部に前記口金取付部を設け、中央部側方に前記空気圧入部を設け、上部に前記空気圧表示部を設けてなること。前記口金取付部の上部水平方向に、前記空気圧入部及び前記空気圧表示部を突設してなること。前記空気圧表示部が圧力計であること。前記空気圧表示部がバネと色別表示体となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
1)、主に車椅子の車輪の既設の空気供給用口金に取り付けた状態で空気圧入部より空気 を圧入する際に、タイヤ内の圧力を同時に空気圧表示部に表示することができるた め、邪魔にならず必要な空気圧を同時に目視することができる。
2)、タイヤの空気供給用口金に常時取り付けることにより、空気圧を常時管理できる。 したがってタイヤの空気圧低下によるブレーキ力の低下を防止することができるた め、安全・安心して車椅子を駐車することができる。
3)、中央部側方に空気圧入部を設けることにより、空気入れとの接続作業や空気の圧入 作業が簡易に行うことができる。
4)、口金取付部の上部垂直方向に空気圧入部を突設することにより、今までと同じやり 方で空気を圧入することができ、簡単である。
5)、水平方向に空気圧表示部を設けることにより、車椅子に座っている人も、介護する 人も、上方より空気圧を確認することができ、チェックし易い。
6)、空気圧表示部を圧力計(アナログ)にすることにより、タイヤの適正な圧力数値を 確実に把握することができる。
7)、空気圧表示部を色別表示体とすることにより、目の悪い方でも表示色により適正圧 力状態かどうかを把握できる。
8)、タイヤの空気圧を常に管理することにより、乗り心地や操作性を適正な状態に保持 することができ、タイヤの長寿命化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】 本発明の第1実施例を示すタイヤ空気圧表示器の正面図。
【
図2】 本発明の第1実施例を示すタイヤ空気圧表示器の使用状態図。
【
図3】 本発明の第2実施例を示すタイヤ空気圧表示器の正面図。
【
図4】 本発明の第2実施例を示すタイヤ空気圧表示器の平面図。
【
図5】 本発明の第3実施例を示すタイヤ空気圧表示器の正面図。
【
図6】 本発明の第4実施例を示すタイヤ空気圧表示器の空気圧表示部の一部縦断正面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1実施例のタイヤ空気圧表示器について説明する。
1は、タイヤ空気圧表示器である。
2は、車椅子の車輪の空気供給用口金に取り付ける下部に設けた口金取付部で、螺設部2aと英式バルブ2bにより構成する。
3は、中央部側方に設けてなる空気圧入部で、車椅子に取り付けてあるものと同様な形状とし、キャップKを外して空気入れを接続できる。
4は、上部に設けてなる圧力計による空気圧表示部で、最適な空気圧(目盛M)である3〜7mpaを針Hにて表示できるものとする。(
図1)
【0012】
タイヤ空気圧表示器1の使用例について説明する。
まず、車椅子(図示せず)の車輪SのリムRに設けてある空気供給用口金KUに、口金取付部2の英式バルブ2bを挿入し、螺設部2aにより螺入して固定する。
この状態で、空気圧入部3のキャップKを外して、空気圧入部3に一般に市場に出回っている空気入れKIを取り付け、空気を圧入する。
この時、タイヤT内の空気圧が、同時に空気圧表示部4に表示される。
よって、表示される数値(目盛m・針H)を見ながら空気を圧入し、適正な空気圧の空気量を圧入することができる。(
図2)
【0013】
つぎに、第2実施例のタイヤ空気圧表示器について説明する。
タイヤ空気圧表示器21は、前記と同様な口金取付部22の上部水平方向に、前記と同様な空気圧入部23を、反対側水平方向に前記と同様な空気圧表示部24を突設してなる。
なお、空気圧表示部24は、上方から見られるようにしている。(
図3、
図4)
【0014】
つぎに、第3実施例のタイヤ空気圧表示器について説明する。
タイヤ空気圧表示器31は、前記空気圧入部23のように水平方向に突設するのではなく、前記と同様な口金取付部32の上部に空気圧入部33を設けてなるもので、今までと同じやり方で空気を圧入することができる。(
図5)
【0015】
つづいて、第4実施例のタイヤ空気圧表示器の空気圧表示部について説明する。
タイヤ空気圧表示器41は、前記タイヤ空気圧表示器1・21の空気圧表示部4・24を変更してなるもので、空気圧表示部44は、筒状で、透明な窓(全周)44a1を設けたケース44a内に、3段階の色(赤色44b1・青色44b2・黄色44b3)を表示すると共に、下部にストッパー44b4を形設してなる円柱状の表示体44bのストッパー44b4側に引張スプリング44b5を一体に連結してなる。(
図6)
【0016】
タイヤ空気圧表示器41の使用例について説明する。
空気を圧入することにより、表示部本体44bのストッパー44b4が押圧され、引張スプリング44b5が伸び、表示本体44bの赤色44b1・青色44b2・黄色44b3が、ケース44aの窓44a1の直下に現れる。使用者は44a1の表示色を見ながら適正な空気圧をチェックできる。
つまり、赤色44b1では空気圧が低く、青色44b2は適正で、黄色44b3は空気圧が高いことが見て分かる。
また、使用時に空気圧が減少した場合、引張スプリング44b5が引っ張られて、赤色44b1が表示されれば、危険サインであり、早急な空気補充を警告する。
【0017】
前記各実施例において、材質や全体の大きさ、特に空気圧表示部の大きさは、必要によって決めればよい。
【0018】
車椅子の空気圧低下は、駐車ブレーキの効き性能に悪影響を及ぼし、駐車ブレーキをかけているにも拘らず、移乗の際等に車椅子が動き出し転倒する事故が多く発生している現状を打破するもので市場のニーズは高い。
【符号の説明】
【0019】
1―――タイヤ空気圧表示器
2―――口金取付部
3―――空気圧入部
4―――空気圧表示部
K―――空気供給用口金