(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体記憶装置の試験時に、前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路を動作させることによって前記出力ノードの電圧を前記第1の電圧に設定する制御、又は前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路を動作させることによって前記出力ノードの電圧を前記第2の電圧に設定する制御を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の内部電圧生成回路。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、信号のハイレベルを“H”とも記し、ローレベルを“L”とも記す。また、信号名の末尾に“z”を付した信号は正論理を示しており、信号名の末尾に“x”を付した信号は負論理を示している。また、“/”を先頭に付した信号は負論理を示している。
【0011】
まず、本発明に至る参考技術について説明する。
図15は、参考技術としての半導体記憶装置(DRAM)のメモリコアの構成例を示す図である。メモリコアが有するメモリセルの各々は、セルトランジスタ205及びメモリセルキャパシタ206を有する。セルトランジスタ205は、メモリセルキャパシタ206への充放電を制御するためのものである。セルトランジスタ205は、ドレインがメモリセルキャパシタ206の一方の電極に接続され、ゲートがワード線wlzに接続され、ソースがビット線blzもしくはblxに接続される。また、セルトランジスタ205のバックゲートには、電圧vbbが供給される。メモリセルキャパシタ206は、情報を記憶するためのものであり、他方の電極にプレート電圧vpltが供給される。
【0012】
ビット線blz、blxは、センスアンプに相補に接続されたデータ線である。センスアンプは、増幅部201、イコライザ回路202、及びコラムスイッチ203、204を有する。メモリセルのデータの読み出し又は書き込みを行っていないときには、ビット線blz及びblxは、制御信号eqlzによって初期化電圧である電圧vbleにリセットされる。データの読み出し時には、アクセスアドレスに応じてワード線wlzが“H”になりメモリセルがビット線blz、blxに接続された後、センスアンプの活性化信号saez、saexを活性化することで、メモリセルから読み出したデータを増幅部201により増幅する。増幅部201により増幅されたデータは、ビット線blz、blxを介して、メモリセルキャパシタ206に書き戻される。
【0013】
センスアンプの活性化信号saezはトランジスタ208のゲートに接続され、信号saezをインバータ209により反転した信号saexはトランジスタ207のゲートに接続される。したがって、活性化信号saezが活性化されることで、センスアンプの増幅部201には、高電圧電源として電圧vblhが供給され、低電圧電源として電圧vssが供給される。電圧vblhは、“H”情報をメモリセルキャパシタ206に記憶する、すなわち書き込みするときの電源に相当する。
【0014】
メモリセルから読み出されたデータは、電圧vbleを基準とした電圧になり、ビット線blzに接続されるメモリセルから“H”データを読み出す場合にはビット線blzの電圧が電圧vbleよりも高い電圧となり、ビット線blzの電位がビット線blxの電位よりも相対的に高いことをセンスアンプで検出及び増幅して読み出し動作が行われる。メモリセルから“L”データを読み出す場合や、接続されるビット線がビット線blxの場合の動作も同様である。
【0015】
メモリセルに記憶する情報を書き換える場合には、コラム選択線clzを活性化してコラムスイッチ203、204及びデータバススイッチ210を介して、ライトデータバスwdbz/wdbxをビット線blz/blxに接続しメモリセルの情報を更新する。また、メモリセルに記憶した情報を読み出す場合には、コラム選択線clzを活性化してコラムスイッチ203、204及びデータバススイッチ210を介して、リードデータバスrdbz/rdbxをビット線blz/blxに接続する。ライトデータバスwdbz/wdbx及びリードデータバスrdbz/rdbxは、外部に対してデータの読み出し、書き込みを行うためのバスであり、メモリコアよりも入出力端子側に配置されるデータバスである。
【0016】
図16は、センスアンプに高電圧電源として供給される電圧vblhを生成するvblh電圧生成回路の例を示す図である。vblh電圧生成回路は、
図16(A)に示すようにプルアップドライバの駆動用アンプ221、プルダウンドライバの駆動用アンプ222、電圧変換回路223、インバータ224、プルアップドライバ226、プルダウンドライバ227、及びトランジスタ225、228を有する。センスアンプによってメモリセルアレイのメモリセルの多数を一度に駆動したりするために、電圧vblhは変動しやすい。そのため、電圧vblhは、大きなピーク電流に対応するために、プルアップドライバ226及びプルダウンドライバ227をそれぞれのアンプ221、222で駆動するようにしている。
【0017】
プルアップドライバの駆動用アンプ221は、電圧vblhで出力すべき電圧の下限に対応するvblhreflを参照電圧として、電圧vblhを電圧変換した検出電圧vblhmoniと比較して、プルアップドライバ226を駆動する。また、プルダウンドライバの駆動用アンプ222は、電圧vblhで出力すべき電圧の上限に対応するvblhrefhを参照電圧として、電圧vblhを電圧変換した検出電圧vblhmoniと比較して、プルダウンドライバ227を駆動する。
【0018】
電圧変換回路223の電圧変換比率をαとすると、vblhmoni=vblh×αであり、
図16(B)に示すように生成される電圧vblhの上限値はvblhrefh/αとなり、電圧vblhの下限値はvblhrefl/αとなる。また、ドライバ226、227の活性化を論理的に制御する信号として、信号supenzが入力され、信号supenzが“L”のときにはドライバ226、227を停止させてvblh電圧生成回路への電流供給を停止させる。信号supenzは、スタンバイ時の電流削減等に利用され、複数個のvblh電圧生成回路をチップ内に配置し、ドライバ226、227を活性化させる回路の数を制御することで電流の供給能力を調整するために用いることができる。
【0019】
図17は、
図16に示す回路により生成される電圧vblhのばらつきの影響を説明するための図である。
図17においては、電圧変換回路223の電圧変換比率αは説明の便宜上、1.0倍としている。
図16に示した電圧生成回路をメモリセルへ記憶する“H”データ用の電源として利用した場合には、電圧vblhrefhで書き込まれたデータと電圧vblhreflで書き込まれたデータとの間には、
図17(B)に示すようなデータ保持特性への影響が発生する。つまり、メモリセルのデータ保持時間が、vblh電圧生成回路により生成される電圧vblhの揺らぎの影響を受ける。
【0020】
例えば、メモリコアが有する各メモリセルに番地を変えながら順番にアクセスした場合に、
図17(A)に示すように電圧vblhが変化したとする。このとき、電圧vblhrefhでデータが書き込まれたアドレス0番地と、電圧vblhreflでデータが書き込まれたアドレスn番地とは、異なる電圧状態で情報が記憶されたことに相当する。同一の条件で、メモリセルにデータが書き込まれた場合のアドレス0番地のメモリセルのデータ保持特性とアドレスn番地のメモリセルのデータ保持特性とが同じ場合には、電圧vblhrefhでデータが書き込まれたアドレス0番地のメモリセルのデータ保持特性は、電圧vblhreflでデータが書き込まれたアドレスn番地のメモリセルのデータ保持特性よりも優れているように見える。
【0021】
しかしながら、例えばアクセスするアドレスの順番を逆順にした場合には、アドレス0番地のメモリセルは電圧vblhrefhでデータが書き込まれることは期待できない。仮に、もう一度同様にアドレス0番地から順にアクセスしても、アドレス0番地のメモリセルには電圧vblhrefhでデータは書き込まれないかもしれない。よって、例えば電圧vblhrefhで書き込まれたデータに対してアドレス0番地のメモリセルのデータ保持特性を試験等で確認しても、そのメモリセルに電圧vblhreflでデータを書き込んだ場合に要求するデータ保持特性を満足するか否かは不明である。
【0022】
図18は、
図16に示す回路を適用した場合の半導体記憶装置における初期記憶電圧とデータ保持時間との例を示す図である。
図18において、MCT3は特性の悪い(仕様性能を満たさない)メモリセルの特性を示しており、MCT4は普通の特性の(仕様性能を満たす)メモリセルの特性を示しており、TSは要求されるデータ保持時間を示している。データ保持時間がTSよりも短い場合には、仕様性能を満たしていないこととなる。vblh電圧生成回路から出力される電圧の範囲として、2種類の設定を
図18には示している。
【0023】
出力される電圧vblhのばらつきがΔvblh1であり、電圧vblhの下限値がvblhrefl1であり、電圧vblhの上限値がvblhrefh1であるとする。このとき、特性MCT3に示されるような特性の悪いメモリセルは必ず不良として検出できるが、特性MCT4に示されるような普通の特性のメモリセルも不良品として判定する場合がある。例えば、電圧vblhが高めに出力された、電圧vblhrefh1の近傍である場合でも、特性の悪いメモリセル(特性MCT3)は要求されるデータ保持時間を満たさないために、必ず不良検出される。しかし、電圧vblhが下限値であるvblhrefl1付近まで低下すると、普通の特性のメモリセル(特性MCT4)までもが要求されるデータ保持時間を満足することができないために不良として検出されてしまう。そのため、この場合には出荷後に問題は発生しないが、製造時に歩留まりが低下してコストが増大する要因となる。
【0024】
また、出力される電圧vblhのばらつきがΔvblh2であり、電圧vblhの下限値がvblhrefl2であり、電圧vblhの上限値がvblhrefh2であるとする。このとき、特性MCT4に示されるような普通の特性のメモリセルは良品として検出されるが、特性MCT3に示されるような特性の悪いメモリセルを不良品として検出できないことがある。例えば、電圧vblhが低めに出力された、電圧vblhrefl2の近傍である場合でも、普通の特性のメモリセル(特性MCT4)は要求されるデータ保持時間を満たし、不良検出されない。しかし、電圧vblhが上限値であるvblhrefh2付近まで上昇すると、特性の悪いメモリセル(特性MCT3)を不良として検出することができない。そのため、このメモリセルが冗長救済により普通の特性のメモリセルに置き換えることができないため、電圧vblhが例えば電圧vblhrefl2付近まで低下すると要求されるデータ保持時間を満たすことができず、出荷後に問題が発生するおそれがある。
【0025】
図19は、半導体記憶装置のデータ読み出しアンプの構成例を示す図である。例えば、
図15に示したメモリコアからデータバススイッチを介して出力されたリードデータバスrdbz、rdbxは、“H”側のデータバスの電圧がvblh、“L”側のデータバスの電圧が(vblh−ΔV)の小振幅で情報が伝達される。例えば、“H”情報記憶時には、リードデータバスrdbzの電圧がvblhとなり、リードデータバスrdbxの電圧が(vblh−ΔV)となる。また、“L”情報記憶時には、リードデータバスrdbzの電圧が(vblh−ΔV)となり、リードデータバスrdbxの電圧がvblhとなる。
【0026】
読み出しアンプは、差動構成となっている。リードデータバスrdbz、rdbxが、トランジスタ222、223のゲートにそれぞれ接続され、トランジスタ222、223の電圧に応じたノードNDA、NDBの差電位が増幅部224により増幅される。ノードOUTAの電圧は、インバータ227、228を介してトランジスタ225のゲートに供給され、ノードOUTBの電圧は、インバータ229を介してトランジスタ226のゲートに供給される。これにより、リードデータバスrdbz、rdbxの電圧が、電圧(vii−vss)の振幅の信号に変換されて信号rdatzとして出力される。ここで、アンプの電圧検出は、入力コモン電圧が電圧vblhであり、差電圧ΔVによる振幅がコモン電圧vblhに比べて小さくなるとトランジスタにおけるゲート−ソース間電圧Vgsの差が小さくなり、リードデータバスrdbz、rdbxの差電圧が困難となる。これは、電圧viiが低下し、トランジスタにおけるゲート−ソース間電圧Vgsが低下するとさらに顕著になる。
【0027】
図20は、
図16に示す回路を適用した場合の半導体記憶装置における電圧vblhと正常な読み出し動作に必要なリードバスの電圧差とを示す図である。
図20において、DPV3は特性の悪い(仕様性能を満たさない)データ伝達経路の特性を示しており、DPV4は普通の特性の(仕様性能を満たす)データ伝達経路の特性を示しており、VSは要求されるリードデータバスrdbz、rdbxの差電圧を示している。正常な読み出し動作に必要なリードデータバスrdbz、rdbxの差電圧が、VSより大きい場合には性能として不足していることになる。vblh電圧生成回路から出力される電圧の範囲として、2種類の設定を
図20には示している。
【0028】
ここで、特性の悪いデータ伝達経路は、例えばアンプにおける増幅部224の特性にオフセットがあって差電圧の検出特性が悪い場合や、信号rdampenzによって制御されるトランジスタ221の特性ばらつきによる影響等による検出速度のばらつき等を想定している。また、
図15に示したビット線blz、blxとリードデータバスrdbz、rdbxとの接続状態や寄生容量等でリードデータバスrdbz、rdbxに差電圧がつきにくくなる場合も同様に考えることができる。
【0029】
出力される電圧vblhのばらつきがΔvblh3であり、電圧vblhの下限値がvblhrefl3であり、電圧vblhの上限値がvblhrefh3であるとする。このとき、特性DPV4に示されるような普通の特性のデータ伝達経路は良品として検出できるが、特性DPV3に示されるような特性の悪いデータ伝達経路を不良品として検出できないことがある。例えば、電圧vblhが電圧vblhrefh3まで上昇しても正常に読み出し動作が行われ、普通のデータ伝達経路(特性DPV4)は不良検出されないため、製造時における歩留まりを高くしコストを低下させることができる。しかし、電圧vblhが下限値であるvblhrefl3付近まで低下すると、特性の悪いデータ伝達経路(特性DPV3)も正常に読み出されてしまうために不良として検出することができない。このデータ伝達経路に係るメモリセルが冗長救済により普通のデータ伝達経路に係るメモリセルに置き換えることがされなかった場合には、電圧vblhが例えば電圧vblhrefh3付近まで上昇すると要求されるデータ伝達経路の仕様を満たすことができず、出荷後に問題が発生するおそれがある。
【0030】
また、電圧vblhのばらつきがΔvblh4であり、電圧vblhの下限値がvblhrefl4であり、電圧vblhの上限値がvblhrefh4であるとする。このとき、特性DPV3に示されるような特性の悪いデータ伝達経路は正常な読み出し動作に必要なリードデータバスrdbz、rdbxの差電圧を満たせないため、電圧vblhが電圧vblhrefl4まで低下しても必ず不良として検出できる。例えば、特性DPV3に示されるような特性の悪いデータ伝達経路は、電圧vblhが電圧vblhrefl4付近まで低下しても、要求されるリードデータバスrdbz、rdbxの差電圧の大きさが要求される必要な大きさを満たせないため、不良として検出される。しかし、電圧vblhが下限値であるvblhrefl4付近まで低下すると、普通の特性のデータ伝達経路(特性DPV4)までもが要求されるリードデータバスrdbz、rdbxの差電圧の大きさを満足することができず不良として検出されてしまう。そのため、この場合には出荷後に問題は発生しないが、製造時に歩留まりが低下してコストが増大する要因となる。
【0031】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるvblh電圧生成回路及び電圧分布制御回路の構成例を示す図である。vblh電圧生成回路10は、
図16(A)に示したvblh電圧生成回路と同様に構成され、センスアンプの高電圧電源として供給される電圧vblhを生成する。vblh電圧生成回路10は、プルアップドライバの駆動用アンプ11、プルダウンドライバの駆動用アンプ12、電圧変換回路13、インバータ14、pMOSトランジスタ15、プルアップドライバ16、プルダウンドライバ17、及びnMOSトランジスタ18を有する。プルアップドライバ16は、例えばpMOSトランジスタであり、プルダウンドライバ17は、例えばnMOSトランジスタである。
【0032】
プルアップドライバの駆動用アンプ11は、検出電圧の下限値vblhrefl及び電圧vblhを電圧変換した検出電圧vblhmoniが入力され、その比較結果である信号upxをプルアップドライバ16のゲートに供給する。つまり、プルアップドライバの駆動用アンプ11は、電圧vblhで出力すべき電圧の下限に対応するvblhreflを参照電圧として、電圧vblhを電圧変換した検出電圧vblhmoniと比較して、プルアップドライバ16を駆動する。
【0033】
また、プルダウンドライバの駆動用アンプ12は、検出電圧の上限値vblhrefh及び電圧vblhを電圧変換した検出電圧vblhmoniが入力され、その比較結果である信号dnzをプルダウンドライバ17のゲートに供給する。つまり、プルダウンドライバの駆動用アンプ12は、電圧vblhで出力すべき電圧の上限に対応するvblhrefhを参照電圧として、電圧vblhを電圧変換した検出電圧vblhmoniと比較して、プルダウンドライバ17を駆動する。
【0034】
電圧変換回路13は、電圧vblhの出力ノードにおける電圧を所定の電圧変換比率で電圧変換して得られた検出電圧vblhmoniを駆動用アンプ11、12に出力する。以下の説明では、説明の便宜上、電圧変換回路13の電圧変換比率を1.0とするが、これに限定されるものではなく、電圧変換回路13の電圧変換比率は任意の値を設定可能である。
【0035】
プルアップドライバ16は、ソースがトランジスタ15を介して高電圧電源である電圧vddに接続され、ドレインが電圧vblhの出力ノードに接続される。また、プルダウンドライバ17は、ソースがトランジスタ18を介して低電圧電源である電圧vssに接続され、ドレインが電圧vblhの出力ノードに接続される。トランジスタ15のゲートには信号supenzをインバータ14により反転した信号supenxが供給され、トランジスタ18のゲートには信号supenzが供給される。信号supenzは、プルアップドライバ16、プルダウンドライバ17の活性化を論理的に制御する信号である。
【0036】
信号supenzが“L”のときには、プルアップドライバ16及びプルダウンドライバ17を停止させてvblh電圧生成回路10への電流供給を停止させる。信号supenzが“H”かつ信号upxが“L”、すなわち検出電圧vblhmoniが下限値vblhreflより低い場合には、プルアップドライバ16によってプルアップされ出力ノードの電圧vblhが上昇する。一方、信号supenzが“H”かつ信号dnzが“H”、すなわち検出電圧vblhmoniが上限値vblhrefhより高い場合には、プルダウンドライバ17によってプルダウンされ出力ノードの電圧vblhが下降する。
【0037】
電圧分布制御回路20は、出力ノードの電圧vblhを上限に引き上げるように又は下限に引き下げるように変化させる。電圧分布制御回路20は、電流源21、22、pMOSトランジスタ23、及びnMOSトランジスタ24を有する。電流負荷としての電流源21は、電圧vblhの出力ノードに接続されるとともに、トランジスタ23を介して高電圧電源である電圧vddに接続される。また、電流負荷としての電流源22は、電圧vblhの出力ノードに接続されるとともに、トランジスタ24を介して低電圧電源である電圧vssに接続される。トランジスタ23のゲートには信号loaduenxが供給され、トランジスタ24のゲートには信号loaddenzが供給される。信号loaduenxは電流源21の活性化を制御する信号であり、信号loaddenzは電流源22の活性化を制御する信号である。
【0038】
信号loaduenxが“L”となると、電圧vblhの出力ノードはプルアップされる。そして、電圧変換回路13より出力される検出電圧vblhmoniが上限値vblhrefhに達すると、vblh電圧生成回路10のプルダウンドライバ17の供給電流と電圧分布制御回路20の消費電流とが釣り合う。これにより、出力ノードの電圧vblhの上昇が停止し、上限値vblhrefhに対応する電圧vblhが出力ノードより出力される。vblh電圧生成回路10の出力ドライバの電流供給能力は非線形特性となるため、定電流の電流負荷に到達した時点で検出電圧vblhmoniが上限値vblhrefhと等しくなることで電流供給能力が調整される。
【0039】
また、信号loaddenzが“H”となると、電圧vblhの出力ノードはプルダウンされる。そして、電圧変換回路13より出力される検出電圧vblhmoniが下限値vblhreflに達すると、vblh電圧生成回路10のプルアップドライバ16の供給電流と電圧分布制御回路20の消費電流とが釣り合う。これにより、出力ノードの電圧vblhの下降が停止し、下限値vblhreflに対応する電圧vblhが出力ノードより出力される。vblh電圧生成回路10の出力ドライバの電流供給能力は非線形特性となるため、定電流の電流負荷に到達した時点で検出電圧vblhmoniが下限値vblhreflと等しくなることで電流供給能力が調整される。
【0040】
図2は、
図1に示す回路を適用した場合の半導体記憶装置における初期記憶電圧とデータ保持時間との例を示す図である。
図2において、MCT1は特性の悪い(仕様性能を満たさない)メモリセルの特性を示しており、MCT2は普通の特性の(仕様性能を満たす)メモリセルの特性を示しており、TSは要求されるデータ保持時間を示している。データ保持時間がTSより短い場合には、そのメモリセルは仕様性能を満たしていないことになる。電圧分布制御回路20を動作させていない状態において、vblh電圧生成回路10から出力される電圧vblhのばらつきがΔvblhであり、電圧vblhの下限値がvblhrefl5であり、電圧vblhの上限値がvblhrefh5であるとする。
【0041】
例えば、電圧分布制御回路20による電圧vblhの制御を半導体記憶装置の書き込みにおいて適用して特性の悪いメモリセルの検出を行う場合には、通常動作時のワースト状態となる電圧の低い側に電圧vblhを制御する。このとき、信号loaddenzを“H”にして電圧分布制御回路20の電流源22を活性化させることで、出力ノードの電圧vblhが下限値であるvblhrefl5に設定される。このように、メモリセルへの書き込み電圧を低く設定し、通常動作で想定される最もデータ保持特性の悪い状態で書き込みを行うことで特性の悪いメモリセルの検出を行う。この場合には、例えば、ノイズ等によって出力ノードの電圧vblhがΔVng高くばらついたとしても特性の悪いメモリセルは不良として検出でき、出荷後の問題発生を防止することができる。また、例えば、ノイズ等によって出力ノードの電圧vblhがΔVok低くばらついたとしても普通の特性のメモリセルが不良として検出されることがなく、歩留まりは低下しない。
【0042】
また、
図3は、
図1に示す回路を適用した場合の半導体記憶装置における電圧vblhとリードバスの電圧差とを示す図である。
図3において、DPV1は特性の悪い(仕様性能を満たさない)データ伝達経路の特性を示しており、DPV2は普通の特性の(仕様性能を満たす)データ伝達経路の特性を示しており、VSは要求されるリードデータバスrdbz、rdbxの差電圧を示している。リードデータバスrdbz、rdbxの差電圧がVSより大きい場合には、そのデータ伝達経路は性能が不足していることとなる。電圧分布制御回路20を動作させていない状態において、vblh電圧生成回路10から出力される電圧vblhのばらつきがΔvblhであり、電圧vblhの下限値がvblhrefl6であり、電圧vblhの上限値がvblhrefh6であるとする。
【0043】
例えば、電圧分布制御回路20による電圧vblhの制御を半導体記憶装置の読み出しにおいて適用して特性の悪いデータ伝達経路の検出を行う場合には、通常動作時のワースト状態となる電圧の高い側に電圧vblhを制御する。このとき、信号loaduenxを“L”にして電圧分布制御回路20の電流源21を活性化させることで、出力ノードの電圧vblhが上限値であるvblhrefh6に設定される。このように、電圧vblhを高く設定し、通常動作で想定される最も性能が悪くなる状態で読み出しを行うことで特性の悪いデータ伝達経路の検出を行う。この場合には、例えば、ノイズ等によって出力ノードの電圧vblhがΔVng低くばらついたとしても特性の悪いデータ伝達経路は不良として検出でき、出荷後の問題発生を防止することができる。また、例えば、ノイズ等によって出力ノードの電圧vblhがΔVok高くばらついたとしても普通の特性のメモリセルが不良として検出されることがなく、歩留まりは低下しない。
【0044】
次に、信号loaduenx及び信号loaddenzの生成について説明する。
図4は、信号loaduenx及び信号loaddenzを生成する制御信号生成回路の構成例を示す図である。
図4に示す制御信号生成回路40は、半導体記憶装置の試験時において電圧分布制御回路20を動作させるように信号loaduenx及び信号loaddenzを生成するものである。制御信号生成回路40は、NANDゲート(否定論理積演算回路)41、NORゲート(否定論理和演算回路)42、43、及びインバータ44を有する。
【0045】
NANDゲート41は、信号readz及び信号tesloadenzが入力され、その演算結果を信号loaduenxとして出力する。NORゲート42は、信号writez及び信号refzが入力され、その演算結果を出力する。NORゲート43は、インバータ44により反転された信号tesloadenzの反転信号及びNORゲート42の出力が入力され、その演算結果を信号loaddenzとして出力する。信号readzは読み出し動作時に活性化される信号であり、信号writezは書き込み動作時に活性化される信号であり、信号refzはリフレッシュ動作時に活性化される信号である。また、信号tesloadenzは、試験時に活性化される信号である。例えば、本実施形態を出荷前試験で特性の悪いメモリセルやデータ伝達経路の検出に用いる場合には、信号tesloadenzにはモードレジスタなどで制御される試験用の信号を接続すればよい。
【0046】
信号tesloadenzが“H”であって、かつ信号readzが“H”である場合には、信号loaduenxが“L”になる。それ以外では、信号loaduenxは“H”に維持される。これにより、試験時の読み出し動作時に出力ノードの電圧vblhが上限値に設定される。
【0047】
また、信号tesloadenzが“H”であって、かつ信号writezが“H”である場合には、信号loaddenzが“H”になる。また、信号tesloadenzが“H”であって、かつ信号refzが“H”である場合には、信号loaddenzが“H”になる。それ以外では、信号loaddenzは“L”に維持される。これにより、試験時の書き込み動作時及びリフレッシュ動作時に出力ノードの電圧vblhが下限値に設定される。なお、試験時のリフレッシュ動作時に出力ノードの電圧vblhを下限値に設定するのは、リフレッシュ動作ではセンスアンプより外部は駆動されず読み出しアンプは動作せず、メモリセルへの再書き込みを行うからである。
【0048】
図5は、信号loaduenx及び信号loaddenzを生成する制御信号生成回路の他の構成例を示す図である。
図5に示す制御信号生成回路50は、電圧分布制御回路20の動作を半導体記憶装置での温度検出結果に応じて制御するものである。温度検出結果に応じて電圧分布制御回路20の動作を制御することで、出荷前試験以外の用途に利用することも可能である。温度検出結果に応じて電圧分布制御回路20の動作を制御することで下記のようなメリットがある。例えば、半導体記憶装置が形成されるチップの待機電流は、高温時に多いため、電圧分布制御回路20を動作させても消費電流への影響が相対的に小さい。また、例えばメモリセルにおける“H”データの保持特性には温度との強い相関があり、データ保持特性に対する温度による影響を軽減することができる。
【0049】
制御信号生成回路50は、インバータ52、54、及びNANDゲート53、55を有する。NANDゲート53は、信号temphz及び信号bactzが入力され、その演算結果をインバータ54を介して信号loaddenzとして出力する。NANDゲート55は、インバータ52により反転された信号temphzの反転信号及び信号bactzが入力され、その演算結果を信号loaduenxとして出力する。信号temphzは、温度検出回路51より出力される信号であり、検出された温度が所定の温度より高い高温検出時に“H”が出力される。また、信号bactzは、メモリ内部が待機状態であるかアクティブ状態であるかを示すバンクのアクティブ信号であり、アクティブ状態であるときに“H”が出力される。
【0050】
したがって、信号temphzが“L”かつ信号bactzが“H”である場合には、信号loaduenxが“L”になる。それ以外では、信号loaduenxは“H”に維持される。これにより、高温検出ではないときかつメモリ内部がアクティブ状態であるときに出力ノードの電圧が上限値に設定される。また、信号temphzが“H”かつ信号bactzが“H”である場合には、信号loaddenzが“H”になる。それ以外では、信号loaddenzは“L”に維持される。これにより、高温検出時かつメモリ内部がアクティブ状態であるときに出力ノードの電圧が下限値に設定される。なお、信号bactzが“L”である場合には、信号loaddenzが“L”であり、信号loaduenxが“H”である。したがって、メモリ内部が待機状態であるときは、消費電流が削減される。
【0051】
このような制御を適用するのに好適な半導体記憶装置の内部電圧としては、例えばビット線の初期化電圧vbleがある。
図15に示したメモリコアにおいて、メモリセルに記憶したデータが時間の経過とともに失われていくことの一つの原因として、セルトランジスタのソース/ドレイン部分からPN接合を通してバックバイアスvbbに微小な電流が流れることなどがあるが、メモリセルに“H”データを保持した場合の高温時に特にデータが失われやすいことはよく知られている。
【0052】
図5に示した制御信号生成回路50を適用し、高温検出時においてはメモリセルからのデータ読み出し時に信号loaddenzを“H”とすることで電圧vbleを低く設定する。このとき、低く設定された電圧vbleよりも高い電圧値がメモリセルに記憶されていれば“H”データが記憶されていると認識されるので、メモリセルにおいて電荷が減少していても正常に読み出しが行いやすくなる。逆に、低温でのメモリセルからのデータ読み出しは信号loaduenxを“L”とすることで電圧vbleを高く設定する。このようにすると、電圧vbleの状態が高温時とは逆となるため、高温と低温でのメモリセルの“H”データ保持特性に適した電圧vbleを供給することができる。
【0053】
なお、
図15に示したメモリコアにおいてビット線に読み出されたデータをセンスアンプで増幅するのはワード線が活性化されるときである。そこで、制御信号生成回路50では、データ読み出し時に活性化される信号readzではなく、ロウ制御回路が活性化されたときに“H”が出力される信号bactzで信号loaduenx及びloaddenzの活性化制御を行っている。
【0054】
また、高温時のみ利用するために制御信号生成回路50における信号loaduenxの生成に係る回路をなくしたり、信号bactzを用いないようにしたりする変形も可能である。その場合には、データ保持時間が比較的長い低温に対しては従来の電圧vble生成を行うことで消費電流の増加を抑制することができる。データ保持時間が短い高温時にはチップ全体の消費電流が増加しているため、本実施形態による電圧vbleの制御により消費電流が増加することを許容し、“H”データの保持特性を改善する。間接的に“H”データの保持特性が改善することによりリフレッシュ周期を長くすることができ、消費電流を削減するような効果も得られるため、調整によってはチップとしての高温時の消費電流も減少する。また、ここでは電圧vbleを制御する方法について例示したが、高温時に電圧vblhを高く設定する制御に適用しても良い。
【0055】
図6は、前述のように電圧vbleを制御するためのvble電圧生成回路及び電圧分布制御回路の構成例を示す図である。
図6に示す各構成要素60〜68、70〜74は、
図1に示した各構成要素10〜18、20〜24に対応し、動作及び接続関係等は
図1に示したものと同様である。ただし、検出電圧の上限値がvblerefhであり下限値がvblereflであり、出力ノードの電圧がvbleであることが、
図1とは異なる。
【0056】
図7は、
図15に示したメモリコア等に供給される各電圧を生成するための内部電圧生成回路の構成例を示す図である。
図7において、電圧vddは内部電圧生成回路80Aの外部から供給される高電圧電源であり、電圧vssは内部電圧生成回路80Aの外部から供給される低電圧電源(例えば基準電位)である。信号bactzは、アクティブ命令によりメモリコアのロウ信号が活性化される場合に“H”となる信号である。信号readz、writez、refz、tesloadenzは、
図4に示した信号readz、writez、refz、tesloadenzにそれぞれ相当する。
【0057】
電圧vppはワード線wlzを活性化させるための電圧であり、電圧viiは各種論理回路の制御用の電圧であり、電圧vpltはメモリセルキャパシタに供給される電圧である。また、電圧vbbはメモリセルトランジスタなどのバックバイアス電圧であり、電圧vbleはビット線の初期化電圧であり、電圧vblhはメモリセルキャパシタに記憶する“H”情報に対応する電圧である。電圧分布制御回路83Aは、
図1に示した電圧分布制御回路20に相当し、制御信号生成回路84Aは、
図4に示した制御信号生成回路40に相当する。
【0058】
ここで、メモリコアのロウ信号が活性化されてから非活性化されるまで、もしくはデータが端子に出力されるまでの遅いほうの時刻まで、各種電源での消費電流が多い。そのため、信号bactzをトリガにして電流供給能力を増やすために、各種電源に対応する電流供給能力調整回路81により信号supenzが制御され、それぞれ複数個配置された各種電源の電圧生成回路82に対して活性化する電圧生成回路の数などを制御する。このような制御を行うことで各種電源について電流供給能力の調整を実現することができる。また、電圧分布制御回路83Aを配し、電圧vblhの制御を行うことで、電圧vblhを動作状態等に応じて精度良く適切に制御することが可能になる。
【0059】
例えば、各種電源に対応して配置された電流供給能力調整回路81の各々は、
図8に示すようにq本の出力信号supenzのうち、信号supenz[1]〜supenz[p]のp本が常に“H”を出力するようにする。また、信号supenz[p+1]〜supenz[q]については、アクティブ時に“H”となる信号bactzを受け、それと同じ論理レベルを出力するようにする。このようにすることで、アクティブ時の電流供給能力を、スタンバイ時(非アクティブ時)の電流供給能力の(q/p)倍に設定することができる。なお、
図8を参照して説明した電流供給能力の調整手法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0060】
図9は、
図15に示したメモリコア等に供給される各電圧を生成するための内部電圧生成回路の他の構成例を示す図である。
図9に示す内部電圧生成回路80Bにおいて、
図7に示した内部電圧生成回路80Aと同様のブロック等には同一の符号を付している。信号temphzは、
図5に示した信号temphzに相当する。電圧分布制御回路83Bは、
図6に示した電圧分布制御回路70に相当し、制御信号生成回路84Bは、
図5に示した制御信号生成回路50に相当する。
図9に示す内部電圧生成回路80Bは、電圧vbleの制御を行うようにするものであり、電圧分布制御回路83Bを配することで、電圧vbleを動作状態等に応じて精度良く適切に制御することが可能になる。
【0061】
なお、
図7及び
図9に示した構成を組み合わせて、電圧vblhの制御を行うとともに、電圧vbleの制御を行うようにしても良い。
【0062】
図10は、本実施形態における内部電圧生成回路を適用した半導体記憶装置の構成例を示す図である。なお、
図10においては、説明の便宜上、各回路部分で授受される信号線については、前述した説明で示したものを記載している。また、
図10においては、信号tesloadenzを、モードレジスタの機能として実現した場合を例示している。
【0063】
アドレスバッファ101は、アドレス端子102を介して入力されるアドレス信号を受ける。コマンドデコーダ103は、コマンド端子104を介して入力されるコマンド信号を受ける。コマンドデコーダ103は、受けたコマンド信号をデコードし、デコード結果に基づいて制御信号等の各種信号を生成する。コマンドデコーダ103により生成された各種の信号は、コラムタイミング制御部105、ロウタイミング制御部106、モードレジスタ107、及び内部電圧生成回路108等に供給される。例えば、コマンドデコーダ103は、試験モード等の動作モードの設定を指示する信号mrspzをモードレジスタ107に供給する。
【0064】
コラムアドレス制御部109は、アドレスバッファ101からバンクアドレス及びコラムアドレスを受ける。ロウアドレス制御部110は、アドレスバッファ101からバンクアドレス及びロウアドレスを受ける。コアコラム制御部111は、コラムタイミング制御部105及びコラムアドレス制御部109からの信号を受けて、信号clzを制御してコラム選択等を実行する。また、コアロウ制御部112は、ロウタイミング制御部106及びロウアドレス制御部110からの信号を受けて、ワード線wlz及び信号saezを制御してワード選択等を実行する。
【0065】
メモリコア113は、例えば
図15に示したメモリコアに相当する。なお、
図15に示すメモリコアは、その一部であり、多数のメモリセルがアレイ状に配置され、かつ複数のセンスアンプを有している。メモリコア113内のメモリセルから読み出されたデータは、データ読み出しアンプ114によって増幅された後、データバス制御部115によりデータ端子116を介して出力される。また、メモリコア113内のメモリセルに書き込むデータは、データ端子116を介してデータバス制御部115に入力され、データ書き込みアンプ117によってメモリコア113に供給される。
【0066】
内部電圧生成回路108は、電源端子118を介して供給される電源電圧vddに基づいて、半導体記憶装置で用いられる各種の内部電圧を生成する。内部電圧生成回路108は、コマンドデコーダ103からの各種信号や温度検出回路119からの信号に応じて、内部電圧を制御する機能を有する。例えば、内部電圧生成回路108は、前述したようにして電圧vblhを検出電圧の上限に対応する電圧に設定したり、検出電圧の下限に対応する電圧に設定したりすることが可能である。また、例えば内部電圧生成回路108は、前述したようにして電圧vbleを検出電圧の上限に対応する電圧に設定したり、検出電圧の下限に対応する電圧に設定したりすることが可能である。なお、
図10に示した例では、温度検出回路119を備えているが、温度検出回路119は必須ではなく必要に応じて備えるようにしても良い。
【0067】
図11は、本実施形態における半導体記憶装置を搭載したシステムの構成例を示す図である。
図11に示すシステム120は、半導体記憶装置121、アプリケーション論理回路122、メモリコントローラ123、パワーオンリセット回路124、及びクロック生成回路125等を有する。
【0068】
半導体記憶装置121は、例えば
図10に示した半導体記憶装置に相当する。半導体記憶装置121は、アドレス端子126を介して入力されるアドレス信号a及びバンクアドレス信号ba、コマンド端子127を介して入力されるコマンド信号/cs,/ras,/cas,/we、データ端子128を介して入出力されるデータ信号dq、及びクロック端子129を介して入力されるクロックclkによって制御される。また、半導体記憶装置121には、電源端子130を介して電圧vdd及びvssが供給される。なお、信号/csはチップセレクト信号であり、信号/rasはロウアドレスストローブ信号であり、信号/casはコラムアドレスストローブ信号であり、信号/weはライトイネーブル信号である。
【0069】
メモリコントローラ123は、半導体記憶装置121とアプリケーション論理回路122との間での各種信号の授受等の仲介をする。メモリコントローラ123は、アドレス変換回路131、データ制御回路132、バッファ回路133、タイマ回路134、トレーニング要求生成回路135、及びエンコード回路136を有する。アプリケーション論理回路122からアドレスa0で指定されたデータdq0は、メモリコントローラ123でアドレスがアドレス信号aとバンクアドレス信号baに、データがデータ信号dqに変換されてタイミング等の調整が行われ半導体記憶装置121との間で通信が行われる。
【0070】
パワーオンリセット回路124は、電源投入時にパワーオンリセット信号/porを“L”にして各回路の初期化を行う。また、クロック生成回路125で生成されたクロックclk0をメモリコントローラ123内のタイマ回路134がカウントし、一定間隔で特別な動作を行うための信号cntを生成する。例えば信号cntを用いてメモリのリフレッシュ要求信号やトレーニング信号を生成する。
【0071】
メモリコントローラ123内のトレーニング要求生成回路135は、定期的にトグルする信号cntと電源投入時に発生するパワーオンリセット信号/porを使ってトレーニング信号memtを生成する。トレーニング信号memtは、例えば電源投入時や一定のタイミングで動作タイミング等の調整を行って補正を行うトレーニングモード設定時に活性化される信号である。トレーニング信号memtは、エンコード回路136に半導体記憶装置121へのコマンド信号及びアドレス信号の生成を指示するとともに、データ制御回路132にトレーニング用のデータ生成を指示する。データ制御回路132は、トレーニング時のメモリからの読み出しデータに対してPass/Fail判定結果である信号judgeをアドレス変換回路131に送信する。アドレス変換回路131は、信号judgeの結果からトレーニング時に検出した特性の悪いメモリセルのアドレスを別のアドレスに置き換えるためのアドレス変換ルールを電気的に書き換え可能な記憶部(例えばROM)に記録し、以降の動作では特性の悪いメモリセルを使用しないようにアドレス変換を行う。
【0072】
ここで、本実施形態における半導体記憶装置を利用することで、トレーニング時には書き込み動作時の電圧vblhを通常の電圧生成範囲の下限に誘導することで、使用環境に対して最も悪い状態での電圧供給条件でメモリ特性のテストを行うことができる。このように、本実施形態における半導体記憶装置は、半導体記憶装置のトレーニングを行うシステムに対しても、使用される環境に適した電圧生成手段を提供するために有益なものである。
【0073】
図12は、電圧分布制御回路20、70等が有する電流負荷としての電流源の構成例を示す図である。
図12(A)は、電流負荷としての電流源を、一端が入力端Iinに接続され、他端が出力端Ioutに接続された抵抗141で構成した例を示している。
【0074】
図12(B)は、電流負荷としての電流源を、トランジスタ142、電源143、及び記憶部144で構成した例を示している。トランジスタ142の主電極が、入力端Iin及び出力端Ioutに接続され、トランジスタ142の制御電極に電源143から所定の電圧を供給する。トランジスタ142の制御電極に電源143から供給される所定の電圧は、試験工程などによって得たデータを記憶部144に記憶しておき、そのデータに基づいて制御する。このようにして、主電極が入力端Iin及び出力端Ioutに接続されたトランジスタの制御電極に所定の電圧を供給することで、電流負荷としての電流源が実現できる。
【0075】
図12(C)は、電流負荷としての電流源の他の構成例を示している。
図12(C)に示す構成では、トランジスタ145−i(iは自然数)の主電極が、入力端Iin及び出力端Ioutに接続され、トランジスタ145−iの制御電極に制御回路146−iの出力が供給される。試験工程などによって得た電流制御に係るデータを記憶部150に記憶しておき、そのデータに基づいて各制御回路146−iは、トランジスタ147、148の一方がオン状態とされる。このようにして、各制御回路146−iが、対応するトランジスタ145−iのゲートに電圧源149に応じた所定の電圧を供給するか、電圧vssを供給するかをそれぞれ制御することで、電流負荷としての電流源が実現できる。
【0076】
図13は、
図16(A)に示したvblh電圧生成回路とは異なるvblh電圧生成回路で、本実施形態と同様の電圧vblh制御を行えるようにした例である。
図13において、160はvblh電圧生成回路であり、170は電圧分布制御回路であり、180はメモリコアである。vblh電圧生成回路160は、フィードフォワード型の電圧生成回路である。vblh電圧生成回路160において、非線形な電流供給能力を有する出力トランジスタは1つであり、もう一方(
図13に示した例では、電圧vblhの出力ノードをプルダウンする側)のトランジスタは電流負荷として機能する。例えば、
図13に示す回路によれば、電圧vblhは高めに生成されるのが抑制されるため、メモリセルの書き込み特性の悪いメモリセルを安定的に検出することに利用できる。
【0077】
図14は、本実施形態におけるvblh電圧生成回路の消費電流と出力電圧vblhとを示す図である。
図14においては、ISが電圧分布制御回路を動作させない状態でのvblh電圧生成回路の電流供給特性であり、PDがプルダウン側の電流負荷の電流負荷直線であり、PUがプルアップ側の電流負荷の電流負荷直線である。電圧分布制御回路を動作させない状態でのvblh電圧生成回路の出力電圧vblhのばらつきはΔvblhであるとする。本実施形態では、電圧分布制御回路のプルダウン側の電流負荷を活性化することで、出力電圧vblhは電流供給特性ISと電流負荷直線PDとの交点に対応する電圧に設定される。また、電圧分布制御回路のプルアップ側の電流負荷を活性化することで、出力電圧vblhは電流供給特性ISと電流負荷直線PUとの交点に対応する電圧に設定される。このように本実施形態では、電圧vblhを精度良く制御することができる。
【0078】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の諸態様を付記として以下に示す。
【0079】
(付記1)
第1の電源電圧が供給される半導体記憶装置の内部電圧生成回路であって、
前記第1の電源電圧から第2の電源電圧を生成して出力ノードに出力するとともに、前記出力ノードの電圧と検出電圧値とを比較して、前記出力ノードの電圧を前記検出電圧値の下限に対応する第1の電圧と前記検出電圧値の上限に対応する第2の電圧との間に制御する電圧生成回路と、
前記出力ノードに接続されて前記出力ノードの電圧を引き下げるように変化させる第1の電流負荷回路、及び前記出力ノードに接続されて前記出力ノードの電圧を引き上げるように変化させる第2の電流負荷回路を有する電圧制御回路とを有し、
前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧が前記第1の電圧に維持され、前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧が前記第2の電圧に維持されることを特徴とする内部電圧生成回路。
(付記2)
前記第1の電流負荷回路は、前記出力ノードと低電圧電源との間に配置された第1の電流源であり、
前記第2の電流負荷回路は、前記出力ノードと高電圧電源との間に配置された第2の電流源であることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記3)
前記電圧制御回路は、
前記第1の電流負荷回路及び前記第2の電流負荷回路の動作が、前記半導体記憶装置の動作状態及び動作環境の少なくとも一方に応じて制御されることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記4)
前記半導体記憶装置でのデータの書き込み動作時、及びリフレッシュ動作時の少なくとも一方の動作時に、前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路を動作させることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記5)
前記半導体記憶装置でのデータの読み出し動作時に、前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路を動作させることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記6)
前記電圧制御回路は、
前記第1の電流負荷回路及び前記第2の電流負荷回路の動作が、前記半導体記憶装置が有する温度検出回路での検出結果に応じて制御されることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記7)
前記半導体記憶装置の試験時に、前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧を前記第1の電圧に維持させる制御、又は前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧を前記第2の電圧に維持させる制御を行うことを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記8)
前記第2の電源電圧は、前記半導体記憶装置のメモリセルへのハイレベルのデータの書き込みに使用される電圧であることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記9)
前記第2の電源電圧は、前記半導体記憶装置のビット線の初期化電圧であることを特徴とする付記1記載の内部電圧生成回路。
(付記10)
前記電圧生成回路は、
前記出力ノードへの出力電圧を引き下げる第1のドライバと、
前記出力ノードへの出力電圧を引き上げる第2のドライバと、
前記出力ノードの電圧と前記検出電圧値の上限との比較結果に応じて前記第1のドライバを駆動する第1の駆動回路と、
前記出力ノードの電圧と前記検出電圧値の下限との比較結果に応じて前記第2のドライバを駆動する第2の駆動回路とを有することを特徴とする付記2記載の内部電圧生成回路。
(付記11)
前記電圧生成回路は、
前記第1のドライバ及び前記第2のドライバへの電流供給を制御する電流供給制御回路を有することを特徴とする付記10記載の内部電圧生成回路。
(付記12)
複数のメモリセルを有するメモリコアと、
入力されるコマンド信号及びアドレス信号を受けて、前記アドレス信号により指定される前記メモリコア内のメモリセルに対し、前記コマンド信号に応じたアクセスを実行するアクセス制御回路と、
第1の電源電圧が供給され、前記メモリコアに供給する内部電圧を生成して出力する内部電圧生成回路とを有し、
前記内部電圧生成回路は、
前記第1の電源電圧から第2の電源電圧を生成して出力ノードに出力するとともに、前記出力ノードの電圧と検出電圧値とを比較して、前記出力ノードの電圧を前記検出電圧値の下限に対応する第1の電圧と前記検出電圧値の上限に対応する第2の電圧との間に制御する電圧生成回路と、
前記出力ノードに接続されて前記出力ノードの電圧を引き下げるように変化させる第1の電流負荷回路、及び前記出力ノードに接続されて前記出力ノードの電圧を引き上げるように変化させる第2の電流負荷回路を有する電圧制御回路とを有し、
前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧が前記第1の電圧に維持され、前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧が前記第2の電圧に維持されることを特徴とする半導体記憶装置。
(付記13)
複数のメモリセルを有するメモリコアと、入力されるコマンド信号及びアドレス信号に応じて前記メモリコア内のメモリセルに対するアクセスを実行するアクセス制御回路と、第1の電源電圧が供給され、前記メモリコアに供給する内部電圧を生成して出力する内部電圧生成回路とを有する半導体記憶装置と、
前記半導体記憶装置へのアクセスを要求する第1の回路と、
前記半導体記憶装置と前記第1の回路との間での信号の授受を制御するメモリコントローラとを有し、
前記半導体記憶装置の内部電圧生成回路は、
前記第1の電源電圧から第2の電源電圧を生成して出力ノードに出力するとともに、前記出力ノードの電圧と検出電圧値とを比較して、前記出力ノードの電圧を前記検出電圧値の下限に対応する第1の電圧と前記検出電圧値の上限に対応する第2の電圧との間に制御する電圧生成回路と、
前記出力ノードに接続されて前記出力ノードの電圧を引き下げるように変化させる第1の電流負荷回路、及び前記出力ノードに接続されて前記出力ノードの電圧を引き上げるように変化させる第2の電流負荷回路を有する電圧制御回路とを有し、
前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧が前記第1の電圧に維持され、前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧が前記第2の電圧に維持されることを特徴とする半導体システム。
(付記14)
前記半導体記憶装置は、トレーニングモード設定時に、前記電圧制御回路の前記第1の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧を前記第1の電圧に維持させる制御、又は前記電圧制御回路の前記第2の電流負荷回路が動作することによって前記出力ノードの電圧を前記第2の電圧に維持させる制御を行うことを特徴とする付記13記載の半導体システム。
(付記15)
前記トレーニングモード設定時に、使用性能を満たさない不良メモリセルの検出を行い、検出された不良メモリセルのアドレスを保持し、
通常動作時には、不良メモリセルのアドレスを他のメモリセルに対応させるアドレス変換を行うことを特徴とする付記14記載の半導体システム。