特許第5974534号(P5974534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5974534-軽量即時脱型ブロック及びその製造方法 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974534
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】軽量即時脱型ブロック及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20160809BHJP
   C04B 14/06 20060101ALI20160809BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20160809BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20160809BHJP
   C04B 20/00 20060101ALI20160809BHJP
   B28B 3/02 20060101ALI20160809BHJP
   E04C 1/40 20060101ALI20160809BHJP
   C04B 111/40 20060101ALN20160809BHJP
【FI】
   C04B28/02
   C04B14/06 Z
   C04B18/14 A
   C04B24/26 E
   C04B20/00 B
   B28B3/02 C
   E04C1/40 R
   C04B111:40
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-37761(P2012-37761)
(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公開番号】特開2013-173630(P2013-173630A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000206
【氏名又は名称】宇部興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】大和 功一郎
(72)【発明者】
【氏名】綿屋 晃希
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−191861(JP,A)
【文献】 特開2000−313679(JP,A)
【文献】 韓国特許第2010−0755202(KR,B1)
【文献】 特開2007−084420(JP,A)
【文献】 特開2010−237089(JP,A)
【文献】 特開2000−119074(JP,A)
【文献】 特開平11−060346(JP,A)
【文献】 特開2005−163293(JP,A)
【文献】 特開2005−145784(JP,A)
【文献】 特開2003−012361(JP,A)
【文献】 特開平01−282138(JP,A)
【文献】 特開2004−197310(JP,A)
【文献】 柏木隆男,骨材粒度がコンクリートの諸物性に及ぼす影響,コンクリート工学年次論文集,2001年,Vol.23 No.2,P.865-870
【文献】 小林一輔,我が国の普通ポルトランドセメントの品質に関する調査する調査 (2): フレッシュコンクリートの品質およびコ,生産研究,1986年,Vol.38 No.5,P.237-240,URL,http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/39450/1/sk038005011.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 7/00−28/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートから製造される軽量即時脱型ブロックであって、
前記コンクリートは、水とセメントと高炉スラグ細骨材とAE剤及び高性能減水剤の少なくとも一方を含有する混和剤とを含み、水セメント比が17〜35%、且つ単位骨材容積が前記高炉スラグ細骨材として79〜847L/mであり、
前記高炉スラグ細骨材の骨材粒度分布が10〜2.5mmである、軽量即時脱型ブロック。
【請求項2】
単位容積質量が1.9t/m以下である、請求項1に記載の軽量即時脱型ブロック。
【請求項3】
水とセメントと高炉スラグ細骨材とAE剤及び高性能減水剤の少なくとも一方を含む混和剤とを含み、水セメント比が17〜35%、且つ単位骨材容積が前記高炉スラグ細骨材として79〜847L/mであり、前記高炉スラグ細骨材の骨材粒度分布が10〜2.5mmであるコンクリートを型枠に入れる工程と、
前記コンクリートを振動プレス成形してブロックを得る工程と、を有する、軽量即時脱型ブロックの製造方法。
【請求項4】
前記ブロックを得る工程では、単位容積質量が1.9t/m以下である前記ブロックを得る、請求項3に記載の軽量即時脱型ブロックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量即時脱型ブロック及びその製造方法に関する。また、本発明は透水性を要するブロックの透水性を高めるための製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートの軽量化技術としては、例えば特許文献1に開示された軽量材料を用いる方法、及び、特許文献2に開示された起泡剤を用いる方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−60346号公報
【特許文献2】特開平01−282138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、材料費が高いこと、及び、コンクリートの強度が低いこと等の問題がある。また、特許文献2に開示された方法は、即時脱型を目的とするコンクリートに適用した場合に、気泡が多すぎるとコンクリートのフレッシュ性状が軟らかくなり、即時脱型できない等の問題がある。また、透水性を要するブロックにおいては、供用中に砂・埃等による目詰まりが起こり、所要の透水性が得られなくなる等の問題がある。
【0005】
本発明は、製造する際に軽量材料や起泡剤を用いなくても、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量である軽量即時脱型ブロックを提供することを目的とする。また、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量である軽量即時脱型ブロックの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、コンクリートから製造される軽量即時脱型ブロックであって、コンクリートは、水とセメントと骨材とAE剤及び高性能減水剤の少なくとも一方を含有する混和剤とを含み、水セメント比が17〜35%、且つ単位骨材容積が790〜850L/mであり、骨材の骨材粒度分布が10〜2.5mmである、軽量即時脱型ブロックを提供する。
【0007】
この軽量即時脱型ブロックは、製造する際に軽量材料や起泡剤を用いていないが、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量にすることができる。また、この軽量即時脱型ブロックは、透水性を十分に高くすることができる。例えば、従来の透水性ブロックのJIS A 5371規格値である0.01cm/sよりも大幅に高い0.8cm/s以上の透水性を有することもできる。
【0008】
本発明の軽量即時脱型ブロックは、単位容積質量が1.9t/m以下であることが好ましい。これによって、本発明の軽量即時脱型ブロックは、一層軽量化することができる。
【0009】
また、本発明は、水とセメントと骨材とAE剤及び高性能減水剤の少なくとも一方を含む混和剤とを含み、水セメント比が17〜35%、且つ単位骨材容積が790〜850L/mであり、骨材の骨材粒度分布が10〜2.5mmであるコンクリートを型枠に入れる工程と、このコンクリートを振動プレス成形してブロックを得る工程と、を有する軽量即時脱型ブロックの製造方法を提供する。
【0010】
このように製造された軽量即時脱型ブロックは、製造する際に軽量材料や起泡剤を用いていないが、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量にすることができる。また、このように製造された軽量即時脱型ブロックは、透水性を十分に高くすることができる。例えば、従来の透水性ブロックのJIS A 5371規格値の0.01cm/sよりも大幅に高い0.8cm/s以上の透水性を有することもできる。
【0011】
この製造方法では、ブロックを得る工程において、単位容積質量が1.9t/m以下であるブロックを得ることが好ましい。これによって、製造される軽量即時脱型ブロックを、一層軽量化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製造する際に軽量材料や起泡剤を用いなくても、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量である軽量即時脱型ブロックを提供することができる。また、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量である軽量即時脱型ブロックの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】テーブルバイブレータによる供試体の成形方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
[軽量即時脱型ブロック]
本実施形態の軽量即時脱型ブロックは、コンクリートから製造されるものであり、当該コンクリートは、水とセメントと骨材と混和剤とを含む。
【0016】
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント、アルミナセメント等を使用することができる。
【0017】
骨材としては、骨材粒度分布が10〜2.5mmであるものを使用する。例えば、細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、高炉スラグ細骨材等が挙げられ、粗骨材としては、砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材等が挙げられる。中でも、高炉スラグ細骨材が好ましい。
【0018】
骨材の粒度の範囲は、10〜2.5mmであり、好ましくは10〜5.0mmである。2.5mmよりも小さい粒径の粒子が多いと充填性が高くなるため、軽量化が困難となる。10mmよりも大きい粒径の粒子が多いと、即時脱型ブロック成形時にセメントペーストによる骨材同士の付着面積が小さくなるため、成形が困難となる。下限が5mmである場合、下限が2.5mmである場合に比べて充填性が一層低くなり、即時脱型ブロックがより軽量化され、透水性もより高くなる。骨材の粒度の範囲を上記範囲にすることによって、成形性を良好に維持しつつ骨材の実積率を低くしてコンクリート中において空隙を生じやすくすることができる。
【0019】
混和剤としては、AE剤及び高性能減水剤の少なくとも一方を含有する。AE剤としては、カチオン性、アニオン性、両性、ノニオン性の界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、ノニオン性の界面活性剤が好ましい。高性能減水剤としては、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、ポリカルボン酸系の化合物が挙げられる。これらの中でも、ポリカルボン酸系の化合物が好ましい。
【0020】
また、本実施形態の軽量即時脱型ブロックは、更に混和材を含んでいてもよい。混和材としては、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石微粉末等を使用することができる。
【0021】
水セメント比の範囲は、17〜35%であり、好ましくは、19〜30%である。水セメント比が17%よりも小さいと、粘性が高くなり、成形しにくくなる。水セメント比が35%よりも大きいと、単位骨材容積を大きくした場合に、曲げ強度が低くなる傾向がある。
【0022】
単位骨材容積の範囲は、セメントペーストの容積を小さくして空隙を作りやすくする観点から、790〜850L/mであり、好ましくは、820〜850L/mである。単位骨材容積の範囲が820〜850L/mである場合は特に、即時脱型ブロックをより軽量にすることができ、単位容積質量をより低下させることができる。単位骨材容積が790L/mよりも小さいと、セメントペーストの容積割合が大きくなり、これに伴って空隙が少なくなるため軽量化が困難となる。単位骨材容積が850L/mよりも大きいと、セメントペーストの容積割合が小さくなりすぎるため、成形が困難となる。すなわち、単位骨材容積を上述の範囲で含有するとともに、特定の粒度を有する骨材を用いることの相乗作用によって、軽量即時脱型ブロックの軽量化を実現している。
【0023】
本実施形態の軽量即時脱型ブロックは、単位容積質量が1.9t/m以下であることが好ましい。より好ましくは1.8t/m以下であり、更に好ましくは1.7t/m以下である。
【0024】
JIS A 5371におけるブロックの透水係数の規格値の下限は、0.01cm/sである。しかしながら、本実施形態の軽量即時脱型ブロックは、材齢7日において0.8cm/s以上の透水性係数を有することができる。
【0025】
本実施形態の軽量即時脱型ブロックは、軽量であることから建築物の屋上等に好適に設置することができる。また、本実施形態の軽量即時脱型ブロックは軽量のため、輸送効率を向上することができる。
【0026】
[軽量即時脱型ブロックの製造方法]
本実施形態の軽量即時脱型ブロックは、上記使用材料を練混ぜ、型枠に入れて振動プレス成形し、脱型することにより得られる。まず、セメントと骨材とを混合し、これに水及び混和剤を加えて練り混ぜ、コンクリートを調製する。
【0027】
次に、当該コンクリートを型枠に入れ、これをテーブルバイブレータ、又は加圧振動成形機等を用いて振動締固めを行って、コンクリートの成形体を作製する。このとき、振動締固め後のコンクリートの成形体の単位容積質量が1.9t/m以下となる水準まで振動することが好ましい。コンクリートを振動締固め成形後に即時脱型し、養生して即時脱型ブロックを得る。
【0028】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0030】
1.成形体及び軽量即時脱型ブロックの製造
[使用材料]
軽量即時脱型ブロックを製造するために、以下に示す材料を準備した。
(1)セメント
・普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm
(2)骨材
・高炉スラグ細骨材
使用した高炉スラグ細骨材の粒度、実積率及び表乾密度を表1に示す。なお、表1中、縦方向の項目である「10mm以下」、「10〜2.5mm」及び「10〜5.0mm」の数値範囲は骨材粒度分布を示し、横方向の項目である「10mm」、「5mm」及び「2.5mm」等の数値はふるいの呼び寸法を示す。また、「ふるいの呼び寸法及びふるいを通るものの質量百分率」の項目欄に記載された「100」、「74」及び「19」等の数値は通過百分率(質量%)を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
(3)混和剤
・AE剤(商品名:ブロックミックスS、ノニオン系、グレースケミカルズ株式会社製)
・高性能減水剤(商品名:マイテイ21VS、ポリカルボン酸系、花王株式会社製)
(4)練混ぜ水
・上水道水
【0033】
[コンクリートの配合]
上述のセメント、骨材、混和剤及び水を所定の比率で配合して、配合No.1〜13のコンクリートを調製した。それぞれのコンクリートの配合を表2に示す。表2の配合は充填率を100%とした場合の単位量である。つまり、コンクリート中の空隙がないものと仮定した場合の単位量を示している。
【0034】
【表2】
【0035】
[コンクリートの練混ぜ]
表2に示した配合No.1〜13のコンクリートの練り混ぜは次の手順で行った。すなわち、パドルミキサ内に、骨材及びセメントを投入して30秒間空練りした後、水及び混和剤を加えて2分間練り混ぜた。
【0036】
[供試体の成形]
練り混ぜたコンクリートを以下の方法(1)又は(2)によって成形し、成形体を作製した。
(1)テーブルバイブレータによる成形
図1は、テーブルバイブレータによる成形に用いた装置を模式的に示す図である。図1に示す装置のテーブルバイブレータ1は正面図で示し、テーブルバイブレータ1の上に載置された部材は端面図で示している。図1に示すように、テーブルバイブレータ1上に鉄板3を載せ、更に鉄板3の上にφ10×20cmの円柱型枠7を載せた。円柱型枠7及び鉄板3をボルト5によりテーブルバイブレータ1に固定した。円柱型枠7内に一定量(0.785L)のコンクリート11を投入して上面を平坦に均した後、おもり9(3kg)を静かに載せ、振動締固めすることにより供試体(成形体)を得た。振動条件は、振動数5000vpm、振幅0.5mm、振動時間15秒間とした。
【0037】
(2)加圧振動成形機による成形
ILB成形機(株式会社タイガーマシン製作所製)を使用して以下の要領で供試体(成形体)を作製した。試験は、(1)で示したテーブルバイブレータによる成形にて単位容積質量が1.9t/m以下となった水準とした。供試体寸法は、100×200×60mmとした。型枠内に一定量(設定充填率に相当する容積分)の試料を投入して上面を平坦に均した後、加圧振動成形した。加圧振動条件は、圧力5N/mm、振動数3600vpm、振動時間10秒間とした。
【0038】
[供試体の養生]
上記方法によって得られた供試体について、表3に示す条件で蒸気養生を行った。その後、20℃の恒温室で気中保管した。以上の手順によって、軽量即時脱型ブロックを製造した。
【0039】
【表3】
【0040】
表2に示す配合No.1〜13のコンクリートを用いて、表4に示す実施例1〜11及び比較例1〜8の即時脱型ブロックをそれぞれ製造した。
【0041】
2.供試体及び即時脱型ブロックの測定及び試験
[単位容積質量の測定方法]
各実施例及び比較例で得られた供試体又は即時脱型ブロックの質量及び容積を測定し、これらの測定値から単位容積質量を求めた。テーブルバイブレータで成形して得られた供試体については成形直後に、加圧振動成形で成形したILB供試体については材齢7日に測定した。
【0042】
[曲げ強度試験方法]
曲げ強度試験は、ILB供試体から得られた即時脱型ブロックについて実施した。材齢7日において、JIS A 5371:2010「プレキャスト無筋コンクリート製品(推奨仕様B−3 インターロッキングブロック)」の曲げ強度試験方法に準じて行った。
【0043】
[透水性試験方法]
透水性試験は、ILB供試体から得られた即時脱型ブロックについて実施した。材齢7日において、JIS A 5371:2010「プレキャスト無筋コンクリート製品(推奨仕様B−3 インターロッキングブロック)」の透水性試験方法に準じて行った。
【0044】
[試験結果]
試験結果を表4に示す。実施例及び比較例の内容は、次のとおりである。
・比較例1は基準とする配合である。表4中の「軽量化率」は、比較例1を基準とした場合の軽量化率を示している。
・比較例2及び比較例3は、比較例1の骨材粒度の範囲を狭めたものである。
・比較例4は、比較例1の単位骨材容積を増加させたものである。
・実施例1及び実施例2は、単位骨材容積を比較例4と同一としたまま、骨材粒度の範囲を狭めたものである。
・比較例5は、比較例1の単位骨材容積を減少させたものである。
・比較例6及び比較例7は、比較例5の骨材粒度の範囲を狭めたものである。
・実施例3は、実施例2の混和剤を高性能減水剤に変え、また、水セメント比を小さくしたものである。
・実施例4及び実施例5は、実施例3の単位骨材容積を大きくしたものである。
・実施例6は、実施例3の水セメント比を小さくしたものである。
・比較例8及び実施例7〜実施例11は、比較例1及び実施例2〜6と同一配合について、加圧振動成形機で成形したものである。
【0045】
【表4】
【0046】
[評価]
以上の実施例及び比較例の結果から、水セメント比が17〜35%、骨材粒度分布が10〜2.5mm、単位骨材容積が790〜850L/m、混和剤としてAE剤又は高性能減水剤を使用したコンクリートであれば、軽量骨材や起泡剤を用いなくても、従来の標準的な即時脱型ブロックよりも軽量である単位容積質量1.9t/m以下のブロックが得られることが確認された。また、透水性は従来よりも大幅に高く、供用中に砂・埃等による目詰まりによる透水性の低下が発生した場合にも、所要の透水性を確保できることが確認された。
【符号の説明】
【0047】
7…型枠、11…コンクリート。
図1