(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974609
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】画像読取制御装置、画像読取装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/028 20060101AFI20160809BHJP
H04N 1/19 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
H04N1/028 A
H04N1/04 103
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-98926(P2012-98926)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-229664(P2013-229664A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田井 慎一
【審査官】
橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−057653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024− 1/207
H04N 5/222− 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給する電源の電圧が異なる複数の電源供給回路を切り替えることにより、供給する電源の電圧の大きさを少なくとも2段階に切換え可能な電源供給手段により電源が供給される駆動手段により駆動される画像読取手段の動作モードを設定する設定手段と、
各々の前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧を記憶する記憶手段と、
前記電源供給手段で切換え可能な電圧のうち、前記設定手段により設定されている前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧以上の電圧を供給する前記電源供給回路から、最も低い電圧の電源供給回路を選択し、選択した前記電源供給回路の電圧の電源が前記駆動手段に供給されるように前記電源供給手段を制御する制御手段と、
を備えた画像読取制御装置。
【請求項2】
画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段に電源を供給すると共に、供給する電源の電圧が異なる複数の電源供給回路を切り替えることにより、前記供給する電源の電圧の大きさを少なくとも2段階に切換え可能な電源供給手段と、
前記画像読取手段の動作モードを設定する設定手段と、
各々の前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧を記憶する記憶手段と、
前記電源供給手段で切換え可能な電圧のうち、前記設定手段により設定されている前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧以上の電圧を供給する前記電源供給回路から、最も低い電圧の電源供給回路を選択し、選択した前記電源供給回路の電圧の電源が前記駆動手段に供給されるように前記電源供給手段を制御する制御手段と、
を備えた画像読取装置。
【請求項3】
コンピュータを、
供給する電源の電圧が異なる複数の電源供給回路を切り替えることにより、供給する電源の電圧の大きさを少なくとも2段階に切換え可能な電源供給手段により電源が供給される駆動手段により駆動される画像読取手段の動作モードを設定する設定手段、
各々の前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧を記憶する記憶手段、及び
前記電源供給手段で切換え可能な電圧のうち、前記設定手段により設定されている前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧以上の電圧を供給する前記電源供給回路から、最も低い電圧の電源供給回路を選択し、選択した前記電源供給回路の電圧の電源が前記駆動手段に供給されるように前記電源供給手段を制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取制御装置、画像読取装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子によって原稿画像を読取る画像読取り装置であって、前記固体撮像素子の駆動パルス信号を発生する駆動パルス信号発生手段を有する画像読取り装置において、前記駆動パルス信号発生手段で発生させる駆動パルス信号の周波数を、読取り動作期間と読取り待機期間とで切換え制御する駆動速度切換え手段を設けたことを特徴とする画像読取り装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−268821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像読取手段の駆動に際し、待機時だけでなく、通常動作時においても発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズを抑制することができる画像読取制御装置、画像読取装置、及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明の画像読取制御装置は、
供給する電源の電圧が異なる複数の電源供給回路を切り替えることにより、供給する電源の電圧の大きさを少なくとも2段階に切換え可能な電源供給手段により電源が供給される駆動手段により駆動される画像読取手段の動作モードを設定する設定手段と、
各々の前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧を記憶する記憶手段と、前記
電源供給手段で切換え可能な電圧のうち、前記設定手段により設定されている前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧以上の電圧を供給する前記電源供給回路から、最も低い電圧の電源供給回路を選択し、選択した前記電源供給回路の電圧の電源が前記駆動手段に供給されるように前記電源供給手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0007】
請求項
2の発明の画像読取装置は、画像を読取る画像読取手段と、前記画像読取手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段に電源を供給すると共に、
供給する電源の電圧が異なる複数の電源供給回路を切り替えることにより、前記供給する電源の電圧の大きさを少なくとも2段階に切換え可能な電源供給手段と、前記画像読取手段の動作モードを設定する設定手段と、
各々の前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧を記憶する記憶手段と、前記
電源供給手段で切換え可能な電圧のうち、前記設定手段により設定されている前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧以上の電圧を供給する前記電源供給回路から、最も低い電圧の電源供給回路を選択し、選択した前記電源供給回路の電圧の電源が前記駆動手段に供給されるように前記電源供給手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
請求項
3の発明は、コンピュータを、
供給する電源の電圧が異なる複数の電源供給回路を切り替えることにより、供給する電源の電圧の大きさを少なくとも2段階に切換え可能な電源供給手段により電源が供給される駆動手段により駆動される画像読取手段の動作モードを設定する設定手段、
各々の前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧を記憶する記憶手段、及び前記
電源供給手段で切換え可能な電圧のうち、前記設定手段により設定されている前記動作モードにおける駆動に必要な電源の電圧以上の電圧を供給する前記電源供給回路から、最も低い電圧の電源供給回路を選択し、選択した前記電源供給回路の電圧の電源が前記駆動手段に供給されるように前記電源供給手段を制御する制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、画像読取手段の駆動に際し、待機時だけでなく、通常動作時においても発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズを抑制することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、電源供給手段により供給可能な電源のうち、発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズが最も小さくなる電源を供給することができる。
【0011】
請求項
2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、画像読取手段の駆動に際し、待機時だけでなく、通常動作時においても発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズを抑制することができる。
【0012】
請求項
3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、画像読取手段の駆動に際し、待機時だけでなく、通常動作時においても発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る画像読取装置の構成の一例を示す概略図である。
【
図3】電源供給処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は本実施形態に係る画像読取装置10の構成の一例を示す概略図である。画像読取装置10は、CPU(Central Processing Unit)14、ROM(Read Only Memory)16、及びRAM(Random Access Memory)18を備えた制御部12と、画像読取部20と、UI(User Interface)22と、通信IF(Interface)24とを備えている。CPU14、ROM16、RAM18、画像読取部20、UI22、及び通信IF24は、バス26を介して接続されている。
【0016】
CPU14は、ROM16に記憶されているプログラム(後述する電源供給処理ルーチンのプログラムを含む)を実行する。ROM16には、CPU14が実行するプログラムやCPU14の処理に必要なデータ等が記憶されている。RAM16は、ワークメモリ等として使用される。なお、CPU14が実行するプログラムを記憶するための記憶媒体は、ROM16に限定されない。例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、フレキシブルディスクやDVDディスク、光磁気ディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等(不図示)であってもよいし、通信IF24を介して接続された他の装置の記憶媒体であってもよい。
【0017】
画像読取部20は、図示は省略するが、原稿に光を照射する発光部と、その反射光を受光する受光部とを備えている。受光部は、受光した光量に応じた電気信号を出力する。電気信号は、デジタル信号に変換されて制御部12のCPU14に送信される。ここで、受光部は、CCD(Charge Coupled Device)センサを用いて構成されていてもよいし、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを用いて構成されていてもよい。本実施形態では、受光部がCCDセンサにより構成されている場合を例に挙げて説明する。
【0018】
なお、CCDセンサを、複数の光電変換素子がライン状に配列され、該光電変換素子に対応して電荷転送回路を配置して構成したラインセンサとしてもよい。光電変換素子は、光を電気信号に変換してその電荷を蓄え、光電変換素子により変換された電荷は、電荷転送回路としてのCCDシフトレジスタに出力され、CCDシフトレジスタは、該電荷を画素毎に順番にバケツリレーの如く転送して出力する。CCDシフトレジスタから出力された電荷は、アンプ部で電圧に変換され、更に、アナログデジタル変換回路によりデジタル変換され、該デジタル信号の画素値がCPU14に出力される。
【0019】
このように、受光部をライン状のセンサ(ラインセンサ)として構成した場合には、原稿とラインセンサとを相対的に移動させることにより、二次元状の画像を読取る。
【0020】
なお、画像読取部20は、カラー画像及び単色(白黒)画像の双方を読取ることが可能に構成されていてもよいし、単色画像のみを読取ることが可能に構成されていてもよい。カラー画像を読取り可能に構成する場合には、受光部を、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した3本のCCDラインセンサを設けた構成としてもよい。また、RGBの3本のラインセンサの他、白黒画像用のラインセンサを備えた4本のラインセンサにより受光部を構成してもよい。また、白黒画像のみを読取る画像読取部20の場合には、受光部を1本のラインセンサにより構成するようにしてもよい。また、ここでは、ラインセンサを例に挙げたが、CCDやCMOS素子が二次元状に配置されたセンサを用いても良い。
【0021】
UI22は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成され、CPU14の制御により各種画像やメッセージ等を表示する表示部と、例えば、キーボードやマウス等により構成され、利用者が操作することより各種情報が指定される操作部とにより構成される。なお、UI22が、タッチパネルディスプレイにより構成されていてもよい。
【0022】
通信IF24は、LAN(Local Area Network)や公衆回線等の通信手段を介して他の装置とデータの送受信を行なうためのインタフェースである。
【0023】
なお、画像読取装置10を、画像読取部20による読取機能の他、通信回線を介して読取った画像を送受信するファクシミリ機能が設けられた装置としてもよい。また、画像を形成する画像形成部を更に設け、画像読取装置10を複写機として構成してもよい。
【0024】
図2は、受光部に着目した画像読取部20の構成を示す。ここでは発光部の図示は省略した。
【0025】
画像読取部20は、上記説明したCCDセンサ30を備えると共に、CCDセンサ30を駆動する駆動部42を備えている。駆動部42は、カラー用の第1ドライバ(Integrated Circuit)32及び白黒用の第2ドライバ34を有している。なお、ここでは、CCDセンサ30を駆動する駆動手段の一例として、第1ドライバIC32及び第2ドライバIC34を有する駆動部42を例に挙げて説明したが、駆動部42が有するドライバICは1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0026】
また、画像読取部20は、電源供給部44を備えている。電源供給部44は、切換回路36、第1電源供給回路38及び第2電源供給回路40を備えている。第1電源供給回路38及び第2電源供給回路40は、切換回路36を介して駆動部42(第1ドライバIC32及び第2ドライバIC34)に電源を供給する。本実施形態において、第1電源供給回路38は、高い電圧(例えば5V)の電源を供給し、第2電源供給回路40は、第1電源供給回路38より低い電圧(例えば3.3V)の電源を供給する。
【0027】
切換回路36は、CCD駆動制御回路31からの切換信号に応じて、第1電源供給回路38の電源を駆動部42に供給する第1の状態、及び第2電源供給回路40の電源を駆動部42に供給する第2の状態に切り替わる。
【0028】
CCD駆動制御回路31は、制御部12(CPU14)からの制御信号に応じて、切換回路36を第1の状態又は第2の状態に切換えるための切換信号を切換回路36に入力する。また、CCD駆動制御回路31は、タイミングジェネレータとしての機能を有し、制御部12からの制御信号に応じた動作モード(詳細は後述)で読取動作をさせるための制御パルスを第1ドライバIC32及び第2ドライバIC34に入力する。第1ドライバIC32及び第2ドライバIC34は、CCD駆動制御回路31から入力された制御パルスに応じて動作する。
【0029】
ここで動作モードについて説明する。本実施の形態では、画像読取部20の動作モードの設定が可能に構成されている。動作モードには、例えば、画像を白黒で読取る白黒モード、画像をカラーで読取るカラーモード、画像を高速で読取る高速モード、画像を低速で読取る低速モード、画像を高解像度で読取る高解像度モード、画像を低解像度で読取る低解像度モード、画像を高画質で読取る高画質モード、画像を低画質で読取る低画質モード、消費電力が画像読取動作中の消費電力よりも小さいスタンバイモード、スタンバイモードよりも消費電力が小さいスリープモード等がある。
【0030】
なお、本実施形態では、利用者がUI22を操作して動作モードの設定指示を入力した場合に、該入力された設定指示を制御部12が受け付け、該設定指示に従って動作モードを設定するものとするが、これに限定されるものではない。例えば、通信IF24を介して外部装置から設定指示を受信し、該受信した設定指示に応じて動作モードを設定するようにしてもよいし、例えば、予め定められた状態が発生したことを制御部12が検知した場合に、該発生した状態に応じて予め定められた動作モードを設定するようにしてもよい。
【0031】
次に、本実施形態の作用について、電源供給動作に着目して説明する。
【0032】
図3は、制御部12のCPU14により実行される電源供給処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。本処理ルーチンは、利用者によりUI22から入力された動作モードの設定指示を受け付けたときに開始される。
【0033】
ステップ100において、受け付けた設定指示に応じて動作モードを設定する。ここでは、例えば、画像読取装置10に設けられたレジスタに動作モードを示す識別データを記憶することにより設定する。
【0034】
ステップ102において、上記設定した動作モードに応じた電圧の電源が駆動部42に供給されるように制御する。具体的には、該動作モードで読取動作をさせるための制御信号を生成して、CCD駆動制御回路31に入力する。CCD駆動制御回路31は、制御信号に応じた切換信号を切換回路36に入力する。切換回路36は、入力された切換信号に応じて、第1の状態又は第2の状態に切り替わる。
【0035】
例えば、CCDセンサ30を高速に動作させる動作モードや、CCDセンサ30の負荷が重い動作モードが設定された場合には、駆動部42に電圧が高い方の電源が供給されるように制御信号を生成してCCD駆動制御回路31に入力する。これにより、切換回路36は、第1の状態に切り替わるため、第1電源供給回路38の電源が駆動部42に供給される。また、CCDセンサ30を上記高速に動作させる動作モードよりも低速に動作させる動作モードや、上記CCDセンサ30の負荷が重い動作モードよりも負荷が軽い動作モードが設定された場合には、駆動部42に電圧が低い方の電源が供給されるように制御信号を生成してCCD駆動制御回路31に入力する。これにより、切換回路36は、第2の状態に切り替わるため、第2電源供給回路40の電源が駆動部42に供給される。
【0036】
より具体的には、例えば白黒はカラーよりも高速で動かすため、大きな駆動振幅(電圧)が必要となる装置では、白黒モードに設定された場合に、第1電源供給回路38から高電圧(例えば5V)の電源が供給されるように制御する。また、逆に、カラーの方が、使用するラインセンサの数が多く、白黒の場合よりもCCDシフトレジスタの転送負荷が重いため、大きな駆動振幅(電圧)が必要となる装置では、カラーモードに設定された場合に、第1電源供給回路38から高電圧(例えば5V)の電源が供給されるように制御するようにしてもよい。
【0037】
また、色によらず、低速で動作する低速モードに設定された場合には、第2電源供給回路40から電源が供給されるように制御し、高速で動作する低速モードの設定された場合には、第1電源供給回路38から電源が供給されるように制御するようにしてもよい。
【0038】
なお、当然ながら、電源供給部44から駆動部42に供給する電源の電圧は、設定された動作モードでCCDセンサ30を駆動可能な電圧以上の大きさである必要がある。すなわち、たとえ設定された動作モードが低速モードであっても、第2電源供給回路40が供給する電源の電圧を超える電圧が必要な場合には、第1電源供給回路38の電源を供給する必要がある。
【0039】
ところで、上記実施形態では、供給する電源の電圧が互いに異なる2つの電源供給回路を電源供給部44に設け、使用する電源供給回路を切換えることにより、駆動部42に供給する電源の電圧を切換える例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、供給する電源の電圧が互いに異なる3つ以上の電源供給回路を電源供給部44に設け、使用する電源供給回路を最適なものに切換えて駆動部42に供給する電源の電圧を切換えるようにしてもよい。
【0040】
具体的には、制御部12は、電源供給部44で切換え可能な電圧のうち、設定した動作モードでCCDセンサ30を駆動可能な最も小さい電圧の電源が駆動部42に供給されるように、切換回路36に切換信号を入力するようにする。これにより、電源供給部44から供給される電源が上記動作可能な最も小さい電圧の電源に切換えられる。なお、動作モードと、該動作モードでの駆動に必要な電源の電圧とを対応付けて記憶しておき、該記憶されている情報に基づいて駆動に必要な電圧以上の電源を供給可能な電源供給回路から最も低い電圧の電源供給回路を選択して、制御信号を生成し、CCD駆動制御回路31に入力してもよい。この駆動制御方法は、切換え可能な電圧が2段階の場合(ここでは、電源供給回路が2つの場合)であっても適用可能である。
【0041】
従来は、動作モードによらず、単一の電源供給回路から一定電圧(5V)の電源を供給してCCDセンサ30を駆動していた。駆動パルス信号の周波数を、読取り動作期間と読取り待機期間とで切換え制御する手法も知られているが、読取動作時の発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズを抑制することはできない。一方、本実施形態では、動作モードに応じて、駆動部42に供給する電源の電圧を切換えるようにした。従って、待機時だけでなく、通常の読取動作時においても、従来に比べて発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズが抑制される。なお、発熱についてはファンによる冷却を行なうことも可能ではあるが、ファンを使用した冷却は、コストアップにつながり、ゴミや埃などにより読取った画像に欠陥が生じやすく、消費電力も抑制されない。一方、上記実施形態で説明した手法によれば、低コストに実現でき、読取画像に欠陥が生じる可能性も抑制され、発熱、消費電力、及び不要輻射ノイズの各々が抑制される。
【符号の説明】
【0042】
10 画像読取装置
12 制御部
14 CPU
16 ROM
18 RAM
20 画像読取部
24 通信IF
26 バス
30 CCDセンサ
31 駆動制御回路
32 第1ドライバIC
34 第2ドライバIC
36 切換回路
38 第1電源供給回路
40 第2電源供給回路
42 駆動部
44 電源供給部