特許第5974713号(P5974713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5974713
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/28 20060101AFI20160809BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20160809BHJP
【FI】
   G01D11/28 L
   G01D11/28 B
   B60K35/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-171932(P2012-171932)
(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公開番号】特開2014-32070(P2014-32070A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石橋 靖
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−128257(JP,A)
【文献】 特開2004−053335(JP,A)
【文献】 特開2011−149797(JP,A)
【文献】 特開2005−156454(JP,A)
【文献】 特開2008−020387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/28
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指標部を有する表示板と、前記指標部を指示する指示部を有する指針と、前記指示部を発光させる第1の光源と、前記表示板を照明する第2の光源と、前記第1の光源及び前記第2の光源が実装された回路基板と、前記表示板の背面側に配設され、開口部を有する導光体と、前記導光体の内周側に配置される遮光部材と、前記導光体が保持されるケース体と、を備えた表示装置において、
前記導光体は、前記開口部に沿って複数の切り欠き部を有し、
前記遮光部材は、前記導光体を前記開口部に沿って移動させることで前記切り欠き部に係合される係止片を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
情報を表示する表示手段と、
前記表示手段の表面側に配設され、指標部を有する表示板と、
前記表示手段の裏面側に配設された駆動本体と、
前記駆動本体の回転軸に装着され前記表示手段の周囲へと迂回するアーム部と前記指標部を指示する指示部とを備えた指針と、
前記表示板を照明する光源と、
前記表示板の背面側であって、前記指針の外周側に配置され、前記表示手段が視認されるように開口部を有した断面コ字状の導光体と、
前記導光体の内周側に配置される遮光部材と、
前記導光体が保持されるケース体と、を備え、
前記導光体は、上面部と下面部とからなり、
前記上面部は、前記表示板に面した第1の平面部と、前記第1の平面部と連続して形成される第1の側面部と、前記第1の側面部と前記下面部との接合箇所に第1の接合部を有し、
前記下面部は、前記表示手段の裏面側に位置する第2の平面部と、前記第2の平面部と連続して形成される第2の側面部と、前記第1の側面部と前記第2の側面部との接合箇所に第2の接合部を有し、
前記遮光部材は、前記第1の接合部に係合される係合部を有した表示装置において、
前記第1の平面部は、前記開口部に沿って複数の切り欠き部を有し、
前記遮光部材は、前記導光体を前記開口部に沿って移動させることで前記切り欠き部に係合される係止片を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1の平面部は、少なくとも1つの位置決め凹部を有し、前記遮光部材には、前記位置決め凹部に対応した位置決め凸部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置は、特許文献1に開示されているように、光源と、目盛部が形成された表示板と、表示板の目盛部に沿って設けられた略リング状の導光体を備え、背後に設けられた光源の光によって発光する表示装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011―145304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の様な表示装置においては、導光体から漏れ出る光によって、周辺の部材が光り過ぎてしまうという問題点があり、導光体に遮光部材を沿わせて配置することで漏光を防ぐという手法が一般的であるが、導光体と遮光部材とを溶着などで固定する場合、工程が複雑になり煩わしいという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、指標部を有する表示板と、前記指標部を指示する指示部を有する指針と、前記指示部を発光させる第1の光源と、前記表示板を照明する第2の光源と、前記第1の光源及び前記第2の光源が実装された回路基板と、前記表示板の背面側に配設され、開口部を有する導光体と、前記導光体の内周側に配置される遮光部材と、前記導光体が保持されるケース体と、を備えた表示装置において、前記導光体は、前記開口部に沿って複数の切り欠き部を有し、前記遮光部材は、前記導光体を前記開口部に沿って移動させることで前記切り欠き部に係合される係止片を有するものである。
【0006】
また本発明は、情報を表示する表示手段と、前記表示手段の表面側に配設され、指標部を有する表示板と、前記表示手段の裏面側に配設された駆動本体と、前記駆動本体の回転軸に装着され前記表示手段の周囲へと迂回するアーム部と前記指標部を指示する指示部とを備えた指針と、前記表示板を照明する光源と、前記表示板の背面側であって、前記指針の外周側に配置され、前記表示手段が視認されるように開口部を有した断面コ字状の導光体と、前記導光体の内周側に配置される遮光部材と、前記導光体が保持されるケース体と、を備え、前記導光体は、上面部と下面部とからなり、前記上面部は、前記表示板に面した第1の平面部と、前記第1の平面部と連続して形成される第1の側面部と、前記第1の側面部と前記下面部との接合箇所に第1の接合部を有し、前記下面部は、前記表示手段の裏面側に位置する第2の平面部と、前記第2の平面部と連続して形成される第2の側面部と、前記第1の側面部と前記第2の側面部との接合箇所に第2の接合部を有し、前記遮光部材は、前記第1の接合部に係合される係合部を有した表示装置において、前記第1の平面部は、前記開口部に沿って複数の切り欠き部を有し、前記遮光部材は、前記導光体を前記開口部に沿って移動させることで前記切り欠き部に係合される係止片を有するものである。
【0007】
また本発明は、前記第1の平面部は、少なくとも1つの位置決め凹部を有し、前記遮光部材には、前記位置決め凹部に対応した位置決め凸部が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、溶着固定の複雑さを解消し、組み付け工程を簡素化した計器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態を示す表示装置の正面図。
図2】同表示装置のA−A断面図。
図3】同表示装置のB−B断面図。
図4】本発明の導光体と遮光部材の斜視図。
図5】導光体と遮光部材との固定前後を示す図。
図6】導光体の正面図。
図7図6のC−C断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置を添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本実施形態の表示装置は、車両の速度を表示するものであり、液晶表示器からなる表示手段1と、駆動本体2と、アーム部3と指示部5とを備えた指針6と、指示部5を発光させる第1の光源7と、回路基板8と、この回路基板8に実装され、後述する表示板を照明する第2の光源9とを備えている。
【0012】
また、表示装置は、表示手段1の表面側に配置された表示板10と、表示手段1が保持されるケース体11と、このケース体11に保持される導光体12と、この導光体12の内周側に配置される遮光部材13とを備えている。
【0013】
表示手段1は、車両に関する情報などを表示するものである。車両に関する情報としては、経路誘導、車両に関する警告表示、また車両の外気温などを表示するものであって、例えば液晶表示素子を用いた液晶表示器である。
【0014】
指針6は、アーム部3と指示部5とで構成されている。アーム部3は、合成樹脂からなり、表示手段1の外周を迂回するようにコ字状をしており、一端に指示部5を保持するとともに、他端で、駆動本体2の回転軸21に装着されるものである。
【0015】
指示部5は、アーム部3に固定され、アーム部3から表示手段1の中心方向とは反対側へ延設されている。そして、指示部5は、後述する表示板10の指標部4を指示するものである。
【0016】
表示板10は、合成樹脂などの板材を圧空成形した絞り文字板からなり、湾曲状に設けられた指標部4が印刷され、表示手段1を透視するための窓部10aが設けられている。
【0017】
ケース体11は、遮光性の合成樹脂からなり、表示手段1、駆動本体2、指針6および導光体12、遮光部材13などを収納するものである。
【0018】
導光体12は、光透過性の合成樹脂から形成され、遮光部材13に重ねて配置される。導光体12の断面は、それぞれ形状がL字型の上面部121と下面部122とが接合されてコ字状となる。また、中央部分には、表示手段1が視認可能となるように、開口部12aが設けられている。
【0019】
上面部121は、表示板10に面した第1の平面部121aと、第1の平面部121aと連続して形成される第1の側面部121bと、第1の側面部121bと下面部122との接合箇所に第1の接合面121cと、後述する係合部131が組み付けられる組み付け溝121dを有している。
【0020】
第1の平面部は、遮光部材13と面する側にシボ加工が施された拡散処理部121eを有している。
【0021】
下面部122は、表示手段1の裏面側に位置する第2の平面部122aと、第2の平面部122aと連続して形成される第2の側面部122bと、第1の側面部121bと第2の側面部122bとの接合箇所に第2の接合面122cを有し、第1の接合面121cは、第2の接合面122cよりも幅広に形成されている。
【0022】
第2の平面部122aは、光源9からの光を受光する複数の受光部122fを有している。
【0023】
遮光部材13は、遮光性の合成樹脂からなり、導光体12の内周側に配置される。遮光部材13は、導光体12の第1の接合面121cに設けられた組み付け溝121dに組み付けられる係合部131を有している。
【0024】
また、第1の平面部121aには、開口部12aに沿って複数の切り欠き部1210が形成されている。切り欠き部1210は、図6(a)に示すように、左側に後述する係止片1310が係合される係合片1210aが形成されている。
【0025】
また、遮光部材13の切り欠き部1210に対応する箇所には、複数の係止片1310が形成されている。係止片1310は、開口部12aに沿って左方向にスライドさせることで係合片1210aを収納し、導光体12が遮光部材13に固定される。
【0026】
また、第1の平面部121aには、少なくとも1つの位置決め凹部1211を有し、遮光部材13には、位置決め凹部1211に対応した位置決め凸部1311が設けられている。係止片1310を左方向にスライドさせる際に、位置決め凹部1211が位置決め凸部に嵌合されることで、それ以上はスライドすることができず位置決めされる。
【0027】
このように、本実施形態では、情報を表示する表示手段1と、前記表示手段1の表面側に配設され、指標部4を有する表示板10と、表示手段1の裏面側に配設された駆動本体2と、駆動本体2の回転軸21に装着され表示手段1の周囲へと迂回するアーム部3と指標部4を指示する指示部5とを備えた指針6と、指示部5を発光させる光源9と、表示板10の背面側であって、指針6の外周側に配置され、表示手段1が視認されるように開口部12aを有した断面コ字状の導光体12と、導光体12の内周側に配置される遮光部材13と、導光体12が保持されるケース体11と、を備え、導光体12は、上面部121と下面部122とからなり、上面部121は、表示板10に面した第1の平面部121aと、第1の平面部121aと連続して形成される第1の側面部121bと、第1の側面部121bと下面部122との接合箇所に第1の接合部121cを有し、下面部122は、表示手段1の裏面側に位置する第2の平面部122aと、第2の平面部122aと連続して形成される第2の側面部122bと、第1の側面部121bと第2の側面部122bとの接合箇所に第2の接合部122cを有し、遮光部材13は、第1の接合部121cに係合される係合部131を有した表示装置において、第1の平面部121aは、開口部12aに沿って複数の切り欠き部1210を有し、遮光部材13は、前記導光体12を前記開口部12aに沿って移動させることで前記切り欠き部1210に係合される係止片130を有することにより、切り欠き部1210と、係止片1310との嵌合を回転スライドによって行うことが可能となり、溶着固定の複雑さを解消し、組み付け工程を簡素化した表示装置を提供することができる。
【0028】
また、本実施形態では、第1の平面部121aは、少なくとも1つの位置決め凹部1211を有し、遮光部材13には、位置決め凹部1211に対応した位置決め凸部1311が設けられていることによって、簡単な構造で位置決めが可能な表示装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 液晶表示器(表示手段)
2 駆動源
3 アーム部
4 指標部
5 指示部
6 指針
7 第1の光源
8 回路基板
9 第2の光源
10 表示板
11 ケース体
12 導光体
13 遮光部材
121 上面部
121a 第1の平面部
121b 第1の側面部
121c 第1の接合部
121d 組み付け溝
121e 拡散処理部
121 切り欠き部
121h 位置決め凹部
122 下面部
122a 第2の平面部
122b 第2の側面部
122c 第2の結合部
122f 受光部
122g 係止片
122h 位置決め凸部
131 係合部
1210 切り欠き部
1210a 係合片
1310 係止片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7